JPH08231205A - トリチウムの無触媒酸化法、トリチウムの無触媒酸化装置およびトリチウム除去システム - Google Patents

トリチウムの無触媒酸化法、トリチウムの無触媒酸化装置およびトリチウム除去システム

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JPH08231205A
JPH08231205A JP7063615A JP6361595A JPH08231205A JP H08231205 A JPH08231205 A JP H08231205A JP 7063615 A JP7063615 A JP 7063615A JP 6361595 A JP6361595 A JP 6361595A JP H08231205 A JPH08231205 A JP H08231205A
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JP
Japan
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tritium
gas
ozone
ultraviolet rays
catalytic oxidation
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JP7063615A
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Kuniaki Watanabe
国昭 渡辺
Masao Matsuyama
政夫 松山
Atsushi Hasegawa
淳 長谷川
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ISHIMORI SEISAKUSHO KK
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ISHIMORI SEISAKUSHO KK
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    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21FPROTECTION AGAINST X-RADIATION, GAMMA RADIATION, CORPUSCULAR RADIATION OR PARTICLE BOMBARDMENT; TREATING RADIOACTIVELY CONTAMINATED MATERIAL; DECONTAMINATION ARRANGEMENTS THEREFOR
    • G21F9/00Treating radioactively contaminated material; Decontamination arrangements therefor
    • G21F9/02Treating gases
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21BFUSION REACTORS
    • G21B1/00Thermonuclear fusion reactors
    • G21B1/11Details
    • G21B1/115Tritium recovery
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/10Nuclear fusion reactors

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 触媒を使用せずに室温で酸化できるとともに
酸化性能が劣化しないトリチウムの無触媒酸化法を提供
する。 【構成】 トリチウムを含む雰囲気気体にオゾンガスを
添加し、この混合気体に紫外線を照射することを特徴と
するトリチウムの無触媒酸化法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、使用施設から漏洩す
る核融合用トリチウムを回収する基礎技術となし得るト
リチウムの無触媒酸化法、トリチウムの無触媒酸化装置
およびトリチウム除去システムに関する。
【0002】
【従来の技術】将来の高密度エネルギー源の候補として
有望視されているものの一つに核融合炉がある。
【0003】第1世代の核融合炉では、燃料として重水
素とトリチウム(三重水素)の混合ガスが使用される。
但し、トリチウムは放射性で、常温・常圧では散逸し易
いために、その取扱いに関しては充分な安全性を確保す
る必要がある。従って、核融合炉の早期達成には、トリ
チウムの安全取扱技術の確立が必要不可欠なものとな
る。このような観点より、多くの研究者によってトリチ
ウムの安全取扱い技術に関わる種々の研究が行われてい
る。
【0004】核融合炉の開発に係るトリチウム研究を行
い得る施設には、研究者及び作業者の放射線防護ならび
に公衆の安全確保の観点から、トリチウムの漏洩事故に
備えて「トリチウム除去装置」という大気中からトリチ
ウムを回収するための設備が設置されている。研究施設
が大きくなり、トリチウムの使用量が多くなるにしたが
って、この種の設備も大型化すると同時に、装置の信頼
性や耐久性の向上が必然的に要求されてくる。
【0005】既存のトリチウム除去・回収の基本原理
は、気体状のトリチウム(HTおよびT2 )を酸化して
トリチウム水(HTOおよびT2 O)に変換し、これを
乾燥剤に吸着させる方法である。
【0006】このトリチウム除去・回収システムは、図
5に示すように、気体吸引口を備えたトリチウム除去対
象部1から気体を吸引し、気体移送システム2によって
トリチウム酸化システム3へ移送し、ここで吸着し易く
するためにトリチウムを酸化する。冷却システム4で酸
化時の加熱により上昇した温度を下げ、トリチウム水吸
収システム5により冷却されたトリチウム水を乾燥剤に
吸着させる。トリチウム水の吸着に使用された乾燥剤は
乾燥剤再生システム6において再生させる。これらの各
システムおよびトリチウム除去対象部1の環境条件を自
動制御システム7で管理する。
【0007】このようなトリチウムの除去・回収は、ト
リチウム酸化システム3における酸化から開始される
が、通常、トリチウムの酸化法としては、貴金属触媒を
用いた「高温触媒酸化法」が採用されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の「高
温触媒酸化法」によるトリチウムの酸化法では、以下に
列挙するような問題点があった。 触媒を所定の温度まで加熱するのに時間がかかる。 触媒の性能劣化が起こり得る。 劣化した触媒は放射性廃棄物となる。 システムが複雑かつ大型となる。 システムの維持・管理が煩雑である。 このため、研究施設が大きくなり、トリチウムの使用量
が多くなって、設備が大型化しても、なお、起動が容易
で、短時間にトリチウムを酸化させ、しかも、劣化を生
じさせない、高い信頼性と耐久性を保つことができる新
規なトリチウムの酸化法が要求されている。
【0009】この発明は、従来の技術における前記諸問
題点を解消するためのものであり、そのための課題は、
触媒を使用せずに室温で酸化できると共に、酸化性能が
劣化しないトリチウムの無触媒酸化法、トリチウムの無
触媒酸化装置およびトリチウム除去システムを提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を達成
できるようにするため、以下のように構成する。ここ
に、請求項1記載のトリチウムの無触媒酸化法は、トリ
チウムを含む雰囲気気体にオゾンガスを添加し、この混
合気体に紫外線を照射することを特徴とする。
【0011】また、請求項2に記載のトリチウムの無触
媒酸化法は、トリチウムを含む雰囲気気体にオゾンガス
を所定量含む酸素ガスを添加し、この混合気体に紫外線
を照射することを特徴とする。
【0012】さらにまた、請求項3に記載のトリチウム
の無触媒酸化法は、トリチウムを含む水素ガスにオゾン
ガスを所定量含む酸素ガスを添加し、この混合気体に紫
外線を照射することを特徴とする。
【0013】そして、請求項4に記載のトリチウムの無
触媒酸化装置は、紫外線を照射する紫外線照射装置と、
この紫外線照射装置から照射される紫外線を透過させる
窓を具備したトリチウムを含むオゾンガス添加雰囲気気
体を収容する反応容器と、この反応容器内にオゾンガス
を導入させるオゾンガス導入ラインと、オゾンガス導入
遮断弁と、を備えたことを特徴とする。
【0014】また、請求項5記載のトリチウム除去シス
テムは、トリチウムを含むオゾンガス添加雰囲気気体に
紫外線を照射する紫外線照射型無触媒酸化システムを備
えたことを特徴とする。
【0015】〔発明の具体的説明〕触媒を使用せず、か
つ、室温で、トリチウムを酸化し得る「無触媒酸化法」
として新たに開発された新しい方法では、基本的な操作
は極めて単純であり、その概要は以下の通りとなる。 (1) トリチウムを含む雰囲気気体にオゾンガスを添加す
る。 (2) この混合ガスに紫外線を照射する。
【0016】このような酸素−オゾン−トリチウムの反
応系で、紫外線照射によりトリチウム水が生成するか否
かについて、これまでに報告されている34の素反応を
基にして計算機シュミレーションによって調べたとこ
ろ、トリチウム水が生成するまでの主たる反応経路とし
ては、次のようなパスが見出された。 (1) オゾンは紫外線照射を受けると酸素分子と活性酸素
原子に分解される。 (2) 活性酸素原子はトリチウム分子と反応して水酸基ラ
ジカルを生成する。 (3) 水酸基ラジカルは、トリチウム分子と再反応してト
リチウム水を生成する。
【0017】そして、この紫外線照射型の無触媒酸化法
を適用したシステムを従来装置の酸化システムと置き換
えてトリチウム除去システムを構成することにより、劣
化材料を内包しないため、設備の構成を簡単化して小型
化でき、高信頼性や高耐久性を維持することができるシ
ステムになる。
【0018】
【作用】このように構成することで、請求項1に記載の
トリチウムの無触媒酸化法の適用により、オゾンガスを
添加したトリチウムを含む雰囲気気体が紫外線照射を受
けると、添加されているオゾンガスが酸素分子と活性酸
素原子に分解し、そのうちの活性酸素原子がトリチウム
分子と反応して水酸基ラジカルを生成して、その水酸基
ラジカルがトリチウム分子と再反応してトリチウム水を
生成する。この生成されたトリチウム水は乾燥剤に吸着
されるため、雰囲気気体中からトリチウムが除去できる
ようになる。
【0019】また、請求項2に記載のトリチウムの無触
媒酸化法の適用により、オゾンガス含有酸素ガスを添加
したトリチウムを含む雰囲気気体が紫外線照射を受ける
と、添加されているオゾンガスが酸素分子と活性酸素原
子に分解し、その活性酸素原子がトリチウム分子と反応
して水酸基ラジカルを生成し、その水酸基ラジカルがト
リチウム分子と再反応してトリチウム水を生成する。こ
の生成されたトリチウム水は乾燥剤に吸着されるため、
雰囲気気体中からトリチウムが除去できるようになる。
【0020】さらにまた、請求項3に記載のトリチウム
の無触媒酸化法の適用により、オゾンガスを所定量含む
酸素ガスを添加したトリチウムを含む水素ガスが紫外線
照射を受けると、添加されているオゾンガスが酸素分子
と活性酸素原子に分解し、その活性酸素原子がトリチウ
ム分子と反応して水酸基ラジカルを生成し、その水酸基
ラジカルがトリチウム分子と再反応してトリチウム水を
生成する。この生成されたトリチウム水は乾燥剤に吸着
されるため、雰囲気気体である水素ガス中からトリチウ
ムが除去できるようになる。
【0021】そして、請求項4に記載のトリチウムの無
触媒酸化装置の適用により、オゾンガス導入ラインに設
けられたオゾンガス導入遮断弁を開いて、トリチウムを
含む雰囲気気体を収容した反応容器にオゾンガスを導入
し、その後、紫外線照射装置によって紫外線を発光し、
反応容器に設けられた紫外線透過窓を介してトリチウム
を含むオゾンガス添加雰囲気気体に紫外線を照射するこ
とにより、この反応容器内にトリチウム水を生成させ
る。
【0022】また、請求項5に記載のトリチウム除去シ
ステムを適用すると、トリチウム除去対象部から吸引さ
れたトリチウム含有雰囲気気体が紫外線照射型無触媒酸
化システムに移送され、オゾンガスを添加された後、紫
外線が照射されてトリチウム水を生成させる。そして、
このトリチウム水は吸収システムの乾燥剤により吸着さ
れてトリチウムが雰囲気気体から除去される。
【0023】
【実施例】以下、この発明の実施例を具体的に説明す
る。
【0024】トリチウム除去システムのブロック図を図
1に、トリチウム含有気体に対して紫外線を照射する小
型の無触媒酸化装置を図2に、紫外線照射によるオゾン
の分解速度の上昇効果を図3に、トリチウム水の生成効
果を図4に示す。
【0025】〔トリチウム除去システム〕実施例のトリ
チウム除去システムは、図1に示すように、雰囲気気体
を吸引する気体吸引口を備えたトリチウム除去対象部1
1と、トリチウム除去対象部11から吸引した気体を移
送するブロワー等からなる気体移送システム12と、移
送されてきた気体にオゾンを添加して紫外線を照射する
無触媒酸化システム13と、必要に応じて設置し上昇し
すぎた気体温度を所定温度まで低下させる熱交換機を備
えた冷却システム14と、トリチウム水を乾燥剤に吸着
させるトリチウム水吸収システム15と、トリチウム水
の吸着に使用された乾燥剤の水分を除去してトリチウム
水吸着力を再生する乾燥剤再生システム16と、これら
の各システムおよびトリチウム除去対象部1の環境条件
を管理する自動制御システム17と、から構成されてい
る。
【0026】無触媒酸化システム13では、反応ガスが
充填される反応容器は、暗箱内に収納された石英ガラス
製容器またはステンレス鋼製容器とし、その反応容器に
は側面の一部に内部に向けて紫外線を照射できる一定の
大きさのシャッター付き開口部を設ける。また、この反
応容器には反応ガスの混合あるいは生成物の分析に際し
て使用するための配管および(自動または手動の)遮断
弁を接続する。このガラス製反応容器ではガラス部分
を、紫外線の入射部を除き、外部からの光が入射しない
ように黒色塗料を塗っておく。そして、紫外線の照射用
には水銀ランプを用いる。
【0027】〔無触媒酸化装置〕オゾンを添加したトリ
チウム含有気体に、紫外線を照射して、触媒を使用せず
にトリチウムを酸化させ、このときの反応過程でトリチ
ウム水が生成されていることを厳格に確認する目的で使
用される実験装置としての、小規模な無触媒酸化装置を
図2に示すように製作する。
【0028】この装置は、反応ガスが充填される反応容
器(容量 319cm3 ) 21を石英ガラス製とし、暗箱22
内に収納する。暗箱22の側面の一部には紫外線を照射
できるように一定の大きさのシャッター付き開口部22
aを設ける。また、反応ガスの混合或は生成物の分析に
際して使用するための配管23,24を接続する。この
うち配管23はオゾン供給系配管で、反応容器部21の
直近にグリースレスのテフロンコックからなる遮断弁2
5を設け、その遮断弁25よりもガス供給元側にもテフ
ロンコックからなる遮断弁26,27を設ける。
【0029】また、配管24はトリチウムガス供給系配
管で、反応容器部21の直近にグリースレスのテフロン
コックからなる遮断弁28を設け、その遮断弁28より
もガス供給元側にもテフロンコックからなる遮断弁2
9,30を設ける。これらのガラス部分は外部からの光
が入射しないように黒色塗料を塗っておく。紫外線の照
射には5Wの低圧水銀ランプ31を用いる。
【0030】〔オゾンの分解速度〕この装置を用いて、
トリチウムがない状態で紫外線照射の効果を調べる。
【0031】反応容器21を通常の真空装置に接続し、
一番外側の遮断弁26,27,30を閉じて、室温で充
分に排気する。
【0032】所定の真空度に達した後、遮断弁25,2
8,29を閉じ、その後、遮断弁25,27および29
を開いて、配管23を介して反応容器21にオゾンを
1.5%含む酸素を760Torr(1気圧)充填す
る。
【0033】ついで、遮断弁25,27を閉じ、遮断弁
28,30を開いて、水素を0〜3%の範囲で加え、そ
れぞれ反応容器真近の遮断弁28,30を閉じて、反応
容器21に所定混合比の水素酸素混合ガスを封入する。
【0034】その後、低圧水銀ランプ31を点灯して紫
外線を照射する。
【0035】このようにして紫外線を照射したとき、オ
ゾン濃度の変化は、紫外分光光度計(図示せず)により
反応容器内におけるオゾン分解速度を直接測定する。
【0036】このようなトリチウムがない状態で紫外線
を照射した結果は、経過時間を横軸にオゾン濃度を縦軸
にした図3に示すように、紫外線照射をしていない場
合、水素を添加していない酸素雰囲気下におけるオゾン
分解速度が3.38×10-5%/sec、水素を3%添
加した場合のオゾン分解速度が4.35×10-5%/s
ecであるのに対して、紫外線照射をした場合は、水素
の添加が無い場合のオゾン分解速度が3.73×10-3
%/secであり、水素を3%添加した場合のオゾン分
解速度が3.35×10-2%/secとなって、約10
倍の促進が認められた。
【0037】即ち、酸素雰囲気下のオゾン分解速度は、
紫外線照射によって約110倍促進されたが、水素を混
合した系では、さらに促進されて約770倍となった。
また、紫外線照射時のオゾン分解速度が水素分圧の1/
2次に依存している計算機シミュレーションの結果とも
良く一致する。
【0038】〔トリチウム水の生成効果〕引き続いて、
トリチウムを導入した酸素雰囲気における紫外線照射の
効果を調べる。
【0039】反応容器を室温で充分に排気する。所定の
真空度に達した後、反応容器21に約2Torrの水素
ガスを導入する。次いで、配管24に予め水素で100
倍程度に希釈したトリチウムガスを0.01Torr充
填する。次に配管23に所定量のオゾンを含む酸素ガス
を760Torr(1気圧)導入する。
【0040】これらの気体の混合には、オゾンの分解試
験の場合と同様に、各遮断弁25〜30を適宜開閉して
調整される。
【0041】その後、紫外線を照射する。この照射時間
は、初回を除いて、毎回10分間とし、各照射時間毎
に、反応容器内の気体を予め真空排気してある配管24
に一部分取して、トリチウム水の生成量を分析する。
【0042】尚、トリチウム水の測定には液体シンチレ
ーションカウンターによった。又、照射中のオゾン濃度
の変化は紫外線分光光度計で追跡した。
【0043】このような酸素雰囲気中にトリチウムを導
入して紫外線を照射した結果、照射時間を横軸にトリチ
ウム水またはオゾンの濃度を縦軸にして図4に示すよう
に、トリチウム水の濃度は照射時間と共にほぼ直線的に
増大し、これとは逆にオゾン濃度は減少した。
【0044】トリチウム水の生成速度は3.4×10-2
Bq/cm3 ・s(1.9×107molecules
/cm3 ・s)であることが分かった。
【0045】この試験条件においては(水素/トリチウ
ム)の比率が12,000であるので、水素の酸化によ
る水の生成が同様に進行していると仮定すると、水の生
成速度は,2.3×1011molecules/cm3
・sとなる。この値はオゾンを添加しないで紫外線照射
した場合の生成速度の約14,000倍に相当し、トリ
チウムガスの酸化に対してオゾン添加が極めて有効であ
ることが明らかとなった。
【0046】〔実施例の効果〕この実施例による無触媒
酸化法によってトリチウムの酸化が可能であることが確
認された。
【0047】従って、このような無触媒酸化法を適用す
るトリチウム酸化システムを具備したトリチウム除去装
置によれば、従来技術の諸問題点が大幅に緩和され、以
下のような効果を奏する。即ち、 (イ)酸化反応の開始は瞬時に立ち上げることができる
()。 (ロ)放射性廃棄物の発生もなくなる(、)。 (ハ)また、システムの構成が簡単で小型化が可能とな
る()。 (ニ)装置の維持も極めて容易となる()。 そして、これらの利点は、除去装置に対する信頼性及び
耐久性を向上させるものである。
【0048】
【発明の効果】以上説明したのように、この発明では、
請求項1に記載のトリチウムの無触媒酸化法は、オゾン
ガスを添加したトリチウムを含む雰囲気気体が紫外線照
射を受けるとトリチウム水を生成することができるた
め、このトリチウム水を乾燥剤によって吸着させること
により、雰囲気気体中からトリチウムが除去できる。そ
して、この酸化反応の開始は瞬時に立ち上げることがで
き、放射性廃棄物の発生もなくなり、システムの構成が
簡単で、かつ、小型化が可能となり、装置の維持も極め
て容易となるため、トリチウムの除去装置に対する信頼
性及び耐久性を向上させることができる。
【0049】また、請求項2に記載のトリチウムの無触
媒酸化法は、オゾンガス含有酸素ガスを添加したトリチ
ウムを含む雰囲気気体が紫外線照射を受けると、添加さ
れているオゾンガスが酸素分子と活性酸素原子に分解
し、その活性酸素原子がトリチウム分子と反応して水酸
基ラジカルを生成し、その水酸基ラジカルがトリチウム
分子と再反応してトリチウム水を生成するため、この生
成されたトリチウム水を乾燥剤に吸着させることによ
り、雰囲気気体中からトリチウムが除去できる。
【0050】さらにまた、請求項3に記載のトリチウム
の無触媒酸化法は、オゾンガスを所定量含む酸素ガスを
添加したトリチウムを含む水素ガスが紫外線照射を受け
ると、添加されているオゾンガスが酸素分子と活性酸素
原子に分解し、その活性酸素原子がトリチウム分子と反
応して水酸基ラジカルを生成し、その水酸基ラジカルが
トリチウム分子と再反応してトリチウム水を生成するた
め、この生成されたトリチウム水は乾燥剤に吸着させる
ことにより、雰囲気気体である水素ガス中からトリチウ
ムが除去できる。
【0051】そして、請求項4に記載のトリチウムの無
触媒酸化装置は、オゾンガス導入ラインに設けられたオ
ゾンガス導入遮断弁を開いて、トリチウムを含む雰囲気
気体を収容した反応容器にオゾンガスを導入し、その
後、紫外線照射装置によって紫外線を発光し、反応容器
に設けられた紫外線透過窓を介してトリチウムを含むオ
ゾンガス添加雰囲気気体に紫外線を照射することによ
り、この反応容器内にトリチウム水を生成させることが
でき、より簡素な信頼性および耐久性の高い小型化可能
な装置が実現でき、トリチウム除去システムに適用した
場合にシステムの信頼性および耐久性を向上させること
ができる。
【0052】また、請求項5に記載のトリチウム除去シ
ステムは、トリチウム除去対象部から吸引されたトリチ
ウム含有雰囲気気体が紫外線照射型無触媒酸化システム
に移送され、オゾンガスを添加された後、紫外線が照射
されてトリチウム水を生成させ、このトリチウム水が吸
収システムの乾燥剤により吸着されてトリチウムが雰囲
気気体から除去されるため、より小型で信頼性および耐
久性の高いトリチウム除去システムを実現させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるトリチウム除去システムのブロ
ック図である。
【図2】この発明による無触媒酸化装置を示す斜視図で
ある。
【図3】この発明による紫外線照射によるオゾンの分解
速度を示すグラフである。
【図4】この発明による紫外線照射によるトリチウム水
の生成を示すグラフである。
【図5】従来のトリチウム除去システムのブロック図で
ある。
【符号の説明】
11 トリチウム除去対象部 12 気体移送システム 13 無触媒酸化システム 14 冷却システム 15 トリチウム水吸収システム 16 乾燥剤再生システム 17 自動制御システム 21 反応容器 22 暗箱 23,24 配管 25〜30 遮断弁
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 国昭 富山県富山市月岡東緑町2丁目26番地 (72)発明者 松山 政夫 富山県婦負郡婦中町田島884−6 (72)発明者 長谷川 淳 富山県富山市北代藤ケ丘4139−12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリチウムを含む雰囲気気体にオゾンガ
    スを添加し、この混合気体に紫外線を照射することを特
    徴とするトリチウムの無触媒酸化法。
  2. 【請求項2】 トリチウムを含む雰囲気気体にオゾンガ
    スを所定量含む酸素ガスを添加し、この混合気体に紫外
    線を照射することを特徴とするトリチウムの無触媒酸化
    法。
  3. 【請求項3】 トリチウムを含む水素ガスにオゾンガス
    を所定量含む酸素ガスを添加し、この混合気体に紫外線
    を照射することを特徴とするトリチウムの無触媒酸化
    法。
  4. 【請求項4】 紫外線を照射する紫外線照射装置と、こ
    の紫外線照射装置から照射される紫外線を透過させる窓
    を具備したトリチウムを含むオゾンガス添加雰囲気気体
    を収容する反応容器と、この反応容器内にオゾンガスを
    導入させるオゾンガス導入ラインと、オゾンガス導入遮
    断弁と、を備えたことを特徴とするトリチウムの無触媒
    酸化装置。
  5. 【請求項5】 トリチウムを含むオゾンガス添加雰囲気
    気体に紫外線を照射する紫外線照射型無触媒酸化システ
    ムを備えたことを特徴とするトリチウム除去システム。
JP7063615A 1995-02-28 1995-02-28 トリチウムの無触媒酸化法、トリチウムの無触媒酸化装置およびトリチウム除去システム Pending JPH08231205A (ja)

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JP7063615A JPH08231205A (ja) 1995-02-28 1995-02-28 トリチウムの無触媒酸化法、トリチウムの無触媒酸化装置およびトリチウム除去システム
EP95306375A EP0730279A1 (en) 1995-02-28 1995-09-12 Method and apparatus for non-catalytic oxidation of tritium, and system for removing tritium

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