JPH08229967A - 高強度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法 - Google Patents

高強度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法

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JPH08229967A
JPH08229967A JP7340767A JP34076795A JPH08229967A JP H08229967 A JPH08229967 A JP H08229967A JP 7340767 A JP7340767 A JP 7340767A JP 34076795 A JP34076795 A JP 34076795A JP H08229967 A JPH08229967 A JP H08229967A
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澄夫 吉田
Takashi Komazawa
隆 駒沢
Kazuhiko Kurihara
和彦 栗原
Hiroshi Yazawa
宏 矢沢
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Polymer Processing Research Institute Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 超高分子量ポリエチレンフィルム状成形物を
ロール圧延したのち延伸することにより、高強度・高弾
性率ポリエチレン材料を連続的に製造する方法におい
て、ロール圧延工程において、着色剤、耐候剤、帯電防
止剤、親水性付与剤、接着性付与剤および染色性付与剤
からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤が配合
されている熱可塑性樹脂フィルムを積層し、必要により
スリット処理またはスプリット処理する方法。 【効果】 得られるポリエチレン材料の着色および耐候
性等の付与が容易である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面改質した高強度
・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法に関する
ものであり、さらに詳しくは高強度・高弾性率を有する
超高分子量ポリエチレンテープヤーンおよびスプリット
ヤーンの製造に好適なポリエチレン材料の連続的製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】分子量が著しく高いいわゆる超高分子量
のポリオレフィンは、耐衝撃性、耐摩耗性に優れ、また
自己潤滑性も有するなど特徴のあるエンジニアリングプ
ラスチックとして各種の分野で使用されている。この超
高分子量のポリオレフィンは、汎用のポリオレフィンに
比較して遥かに分子量が高い。従って、高配向物を安定
にスリットヤーン或いはスプリットヤーンの形態としか
つそれらの成形物を効率的に着色し、耐光性を付与し、
或いは帯電防止加工することができれば、例えば高強度
・高弾性率を有する屋外産業用のロープ、ネット或いは
スポーツ・レジャー用品などとしての広い範囲の有用性
があらたに期待される。
【0003】しかしながら、超高分子量のポリエチレン
は、汎用ポリエチレンに比べ、溶融粘度が高く、成形加
工性が著しく悪く、添加剤を添加した状態で延伸して高
配向化することもできないのが現状である。
【0004】このような例として、例えば、特開平1−
168980号では、ポリオレフィン繊維は疎水性が高
く染着座席がないため、実用的には顔料による原液着
色、或いは金属塩を混合してこれを座席として特定染料
で染色していた。しかし乍ら、これらの方法では高強力
ポリオレフィン繊維は得られないことを示し、特定染料
で染色する方法を提供している。
【0005】また、特開平3−227464号では、同
様の目的で、特定の無機性値と有機性値との比を有する
特定染料を用いて染色する方法も提供されている。さら
に、特開平4−289213号では、紡出後の溶媒を含
んだゲル状態の繊維に染料を付与し、次いで延伸する、
着色した高強度・高弾性率超高分子量ポリエチレン繊維
の製造法も提供されている。
【0006】また、特開平4−77232号では、超高
分子量ポリエチレンと染料および/または顔料との混合
物を、ポリエチレンの融点未満の温度で圧縮成形し、次
いで延伸する方法も提供されている。
【0007】さらに、特開平4−122746号では、
超高分子量ポリエチレンからなる主成分とポリ塩化ビニ
ルを含有する成分とを、ポリエチレンの融点未満の温度
で少なくとも延伸することにより表面特性を改質した、
すなわち、接着性が改善されたポリエチレン材料の製造
方法が提供され、この方法には、粉末状の超高分子量ポ
リエチレンをエンドレスベルト上で圧縮成形し圧延し延
伸することも示されている。
【0008】溶融成形法ゲル法 一方、高強度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造
方法としては、特開平3−130116号により、超高
分子量ポリエチレン粉末を圧縮成形し次いで圧延したの
ち延伸する方法において、圧縮成形工程および/または
圧延工程において超高分子量ポリエチレン粉末より低分
子量の粉末、ロッド、繊維状、シート、フィルムまたは
不織布状の例えばポリエチレン等のオレフィン系重合体
を混在もしくは介在せしめることにより、積層板ないし
は他材料との積層化或いは複合化を容易にする方法が開
示されている。
【0009】また、超高分子量ポリエチレンを延伸し、
しかるのちスプリット化することにより得られるスプリ
ット化ポリエチレン延伸材料も、スポーツ・レジャー用
ロープなどとして有用であることが特開平5−2146
57号により知られている。しかしながら、前記した特
開平1−168980号、特開平3−227464号に
よる方法では特殊な染色材料を必要とし幅広い要求を満
足することができず、特開平4−77232号の方法で
は安定した高強度・高弾性率ポリエチレン材料の製造が
困難であり、また特開平4−122746号の方法では
混合物からの成形となるために高強度・高弾性率ポリエ
チレン材料としての特性を著しく低減するものであり、
さらに特開平3−130116号の方法では、ある程度
課題が解決されるものの、超高分子量ポリオレフィン材
料自身の特性をさらに十分発揮させる必要があり、また
さらに多機能なスリットヤーンもしくはスプリットヤー
ンに適した材料が求められている。一方、特開平5−2
14657号により超高分子量ポリエチレン延伸材料を
スプリット化する方法が知られているが直ちに本発明の
構成とその構成の採用によって奏せられる後述する本発
明の効果を予測し得るものではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明は、
前記した従来法における超高分子量ポリエチレン材料本
来の高強度・高弾性率の特性を損なうことなく、各種の
要求への対応が容易であり、かつ成形品の着色、耐候
性、帯電防止性などの改善と共に、優れた高強度・高弾
性率を有するポリエチレン材料、特に安定した特性を有
するテープヤーン或いはスプリットヤーンの改良された
製造方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、1
35℃デカリン溶液中における極限粘度が5〜50dl
/gの超高分子量ポリエチレンフィルム状成形物をロー
ル圧延したのち延伸することにより高強度・高弾性率ポ
リエチレン材料を製造する方法において、ロール圧延工
程において、着色剤、耐候剤、帯電防止剤、親水性付与
剤、接着性付与剤および染色性付与剤からなる群から選
ばれる少なくとも1種の添加剤が配合されている少なく
とも一層の熱可塑性樹脂層と被圧延物を積層することを
特徴とする高強度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的
製造方法を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】上記した本発明においては、固相
法、溶融成形法またはゲル法により得られる超高分子量
ポリエチレンフィルム状成形物のロール圧延工程におい
て熱可塑性樹脂フィルムを用いることが特に好ましい。
【0013】上記した本発明においては、延伸工程後さ
らにスリット加工してテープヤーン或いはスプリットヤ
ーンとすることにより、さらに優れた高強度・高弾性率
ポリエチレン材料とすることが可能であり、さらにこれ
らの材料は耐候剤や着色剤の入った、例えばロープ、ゴ
ルフネット、延縄、安全ネット、2〜4軸ソフ、高強力
結束バンドなどの産業用或いはスポーツ・レジャー用材
料等として有用である。以下、本発明を詳述する。
【0014】本発明に用いられる超高分子量ポリエチレ
ン粉末は、135℃、デカリン中における極限粘度
[η]が5〜50dl/g、好ましくは8〜40dl/
g、さらに好ましくは10〜30dl/gのものであ
り、粘度平均分子量が50万〜1200万、好ましくは
90万〜900万、さらに好ましくは120万〜600
万に相当するものである。[η]が5dl/gより小さ
いと延伸したシート、フィルムなどの機械的特性が悪く
なり好ましくない。また、50dl/gを越えると引張
延伸などの加工性が悪くなり好ましくない。
【0015】また、超高分子量ポリエチレン粉末の密度
は、通常0.920〜0.985、好ましくは0.92
0〜0.980、さらに好ましくは0.920〜0.9
70g/cm3 、特に好ましくは0.935〜0.96
0g/cm3 (JIS K7112B法に準拠して測定
(30℃))であるものが好適に用いられる。
【0016】本発明で使用される上記特定性状を有する
超高分子量ポリエチレンは、周期律表IV〜VI族の遷移金
属元素を含む化合物のうち、少なくとも1種の化合物を
含有する触媒成分と必要に応じて有機金属化合物とを組
み合わせてなる触媒の存在下に、エチレンの単独重合、
またはエチレンとα−オレフィンを共重合することによ
り得られる。
【0017】α−オレフィンとしては、炭素数3〜1
2、好ましくは3〜6のものが使用できる。具体的に
は、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−
1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセ
ン−1などを挙げることができる。これらのうち特に好
ましいのは、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペン
テン−1、ヘキセン−1である。またコモノマーとし
て、ジエン類、例えばブタジエン、1,4−ヘキサジエ
ン、ビニルノルボルネン、エチリデン−ノルボルネンな
どを併用してもよい。エチレン・α−オレフィン共重合
体中のα−オレフィン含量は通常0.001〜10モル
%、好ましくは0.01〜5モル%、より好ましくは
0.1〜1モル%である。
【0018】本発明の超高分子量ポリエチレンは、前記
のようにチタン化合物、パナジウム化合物、クロム化合
物、ジルコニウム化合物、ハフニウム化合物などの周期
律表IV〜VI族の遷移金属と必要に応じて有機金属化合物
とを組み合わせて使用されるが、これらの触媒成分の調
整方法は、前記した特開平3−130116号などに詳
述されているのでここでは記載を省略する。この際用い
られる有機金属化合物の使用量には特に制限はないが、
通常遷移金属化合物に対して0.1〜1,000mol
倍の範囲で使用することができる。
【0019】重合反応は、実質的に酸素、水などを絶っ
た状態で気相状態または前記触媒に対して不活性溶媒、
例えばブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、オク
タン、デカン、ドデカンなどの脂肪族系炭化水素、シク
ロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環族系炭化水素、
ベンゼン、トルエンなどの芳香族系炭化水素、石油留分
などの存在下、またはモノマー自体を溶媒として行われ
る。重合温度は、通常15℃〜350℃、好ましくは2
0℃〜200℃であるが、後述の超高分子量ポリエチレ
ンフィルム状成形物を固相法により製造する場合、重合
温度を生成する超高分子量ポリエチレンの融点未満にす
ることが望ましく、通常−20〜+110℃、好ましく
は0〜90℃である。重合温度が得られる超高分子量ポ
リエチレンの融点以上の場合は、固相法によりフィルム
状成形物を得る際、後工程である延伸段階において、ト
ータル延伸倍率として20倍以上に延伸できなくなる場
合がある。重合圧力は通常0〜70kg/cm2 G、好
ましくは0〜60kg/cm2 Gとするのが望ましい。
【0020】分子量の調節は重合温度、重合圧力、触媒
の種類、触媒成分のモル比、重合系中への水素添加など
の重合条件を変化させることにより可能であり、その方
法について特に制限はない。もちろん、水素濃度、重合
温度などの重合条件の異なった2段階ないしそれ以上の
多段階の重合反応も何ら支障なく実施できる。
【0021】かくして得られる超高分子量ポリエチレン
の形状は特に限定されないが、通常、顆粒状、粉末状の
ものが好ましく用いられる。粒径2000μm以下、好
ましくは1000μm以下が望ましい。また粒径分布は
狭い方が良好なシートが得られる。
【0022】本発明の高強度・高弾性率ポリエチレン材
料の連続的製造方法の圧延工程、必要により更に延伸工
程において積層される樹脂層としては、粉末層、フィル
ム、不織布(繊維を束ねたものを含む)、織布の何れで
もよいが、フィルムが好ましい。熱可塑性樹脂フィルム
としては、オレフィン系重合体(エチレン・酢酸ビニル
共重合体、変性エチレン重合体等)、ポリアミド系重合
体、ポリエステル系重合体およびポリ塩化ビニル系重合
体から成膜して得られるフィルムが好ましいものとして
挙げられる。なほ、フィルムの形状は特に限定されない
が、通常10〜200μm、好ましくは20〜100μ
mの肉厚のものが望ましい。
【0023】好ましい熱可塑性樹脂フィルムの製造に用
いられるオレフィン系重合体としては、(1)チーグラ
ー触媒を用いて製造されるエチレン重合体、エチレン−
α−オレフィン共重合体、高圧ラジカル重合によって製
造されるエチレン重合体、共重合体、およびこれらの混
合物などのエチレン(共)重合体、および(2)これら
のエチレン共重合体を不飽和カルボン酸および/または
その誘導体、および有機過酸化物の存在下でグラフト反
応して得られる変性エチレン(共)重合体からなる群か
ら任意に選択される重合体を示すものである。これらエ
チレン(共)重合体は、前述の超高分子量ポリエチレン
粉末よりも分子量の低いものであり、通常、[η]が
0.5〜3dl/g、好ましくは0.8〜2dl/gの
もの、メルトインデックス(ASTM−D1238−6
5Tに準拠した、190℃、2.16kg荷重下)通
常、0.01〜100g/min、好ましくは0.05
〜100g/10min、より好ましくは0.1〜50
g/10min、更に好ましくは0.5〜10g/10
minのものである。
【0024】前記したチーグラー系触媒を用いて製造さ
れるエチレン−α−オレフィン共重合体におけるα−オ
レフィンとしては、種々のものが使用可能であり、好ま
しくは炭素数3〜12、さらに好ましくは炭素数3〜8
のα−オレフィンが望ましく、具体的にはプロピレン、
ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、
ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−
1およびこれらの混合物が挙げられ、エチレン−α−オ
レフィン共重合体におけるα−オレフィン含有量として
は、20モル%以下、好ましくは15モル%以下が望ま
しい。
【0025】また、前記高圧ラジカル重合体の中にはコ
モノマー濃度が30重量%以下、好ましくは25重量%
以下のエチレン−ビニルエステル共重合体またはエチレ
ン・アクリル酸エステル共重合体などが含まれる。コモ
ノマー濃度が30重量%を越えると粘着度が増加し、圧
縮成形或いは圧延が困難になりやすい。
【0026】本発明で用いるこれらのエチレン(共)重
合体は、通常密度(JIS K−6760に準拠)が
0.970g/cm3 以下であり、通常0.935g/
cm3以下、好ましくは0.930〜0.860g/c
3 ,さらに好ましくは0.930〜0.910g/c
3 である(超)低密度ポリエチレンや、密度が通常
0.935g/cm3 を越え、好ましくは0.940〜
0.970g/cm3 の中高密度ポリエチレンである。
【0027】なお、これらのエチレン(共)重合体に本
発明の目的を損なわない範囲内で前記以外のエチレン、
プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘ
キセン−1、オクテン−1などの各単独重合体または相
互共重合体、エチレンプロピレン共重合体ゴム、エチレ
ン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム、ポリイソブチレ
ンおよびそれらの混合物を適宜配合してもよい。
【0028】また、前記エチレン(共)重合体を変性す
る際に用いる不飽和カルボン酸としては、一塩基酸また
は二塩基酸が望ましく、具体的にはアクリル酸、プロピ
オン酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、
オレイン酸、エライジン酸、マレイン酸、フマル酸、シ
トラコン酸、メサコン酸およびこれらの混合物が挙げら
れ、不飽和カルボン酸の誘導体としては、上記不飽和カ
ルボン酸の金属塩、アミド、エステル、無水物などが挙
げられるが、これらのうち無水マレイン酸が最も好まし
い。
【0029】また有機過酸化物としては、例えばベンゾ
イルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、アゾビ
スイソブチロニトリル、ジクミルパーオキサイド、t−
ブチルヒドロパーオキサイト、α,α’−ビス(t−ブ
チルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブ
チルパーオキサイド、2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキシンなどが好適に用いられる。
【0030】前記エチレン(共)重合体を不飽和カルボ
ン酸および/またはその誘導体により変性する方法とし
ては、エチレン(共)重合体に不飽和カルボン酸および
/またはその誘導体を加え、有機過酸化物の存在下に加
熱して反応させる。その際のエチレン(共)重合体に対
する不飽和カルボン酸またはその誘導体の添加量は0.
05〜10重量%、好ましくは0.1〜7重量%が望ま
しい。
【0031】また、有機過酸化物の使用量はエチレン
(共)重合体と不飽和カルボン酸との合計量100重量
部に対し0.005〜2重量部、好ましくは0.01〜
1.0重量部の範囲で使用される。有機過酸化物の添加
量が0.005重量部未満においては実質上変性効果が
発揮されず、また2.0重量部を越えて添加してもそれ
以上の効果を得ることが困難であると共に、過度の分解
或いは架橋反応などを惹起させる恐れを生じる。
【0032】変性反応は、押出機内或いはバンバリーミ
キサーなどの混練機内などで無溶媒下で溶融混合して反
応させる方法、ベンゼン、キシレン、トルエンなどの芳
香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂
肪族炭化水素などの溶媒中で加熱混合して反応させる方
法などがあり、特に限定されないが、操作が簡単である
こと、経済性に優れていること、後工程との連続性など
から押出機内で行うことが好ましい。
【0033】これらのオレフィン系重合体は、公知の方
法により肉厚10〜200μm、好ましくは20〜10
0μmのフィルムに成形したものが好ましく用いられ
る。
【0034】ポリ塩化ビニル系重合体としては、塩化ビ
ニルのホモポリマーおよび塩化ビニルモノマーと種々の
コモノマーとのコポリマーもしくはターポリマーを全て
包括するものである。かかるコモノマーとしては、特に
限定されないが、例えば酢酸ビニルなどのビニルアルキ
ルエステル、アクリル酸またはメタクリル酸およびその
エステル、マレイン酸とそのエステル、アクリロニトリ
ル、エチレン或いはプロピレンなどのα−オレフィン、
ビニルエーテルおよび塩化ビニリデンなどが挙げられ
る。また、コモノマーの含量は特に限定されないが、通
常50モル%以下、好ましくは20モル%以下、さらに
好ましくは0.1〜15モル%であることが望ましい。
【0035】これらのポリ塩化ビニル系重合体の製造方
法は、特に限定されるものではなく、例えば、塊重合、
懸濁重合、乳化重合、溶液重合、沈殿重合などの公知の
あらゆる方法により得られるものを用いることができ
る。
【0036】これらのポリ塩化ビニル系重合体は、平均
重合度が通常50〜10000、好ましくは100〜5
000、さらに好ましくは500〜5000のものが望
ましい。またこれらの重合体からの成形物の利用形態
は、本発明の目的を損なわない限り特に限定されるもの
ではなく、シート、フィルムの何れでもよく、具体的に
は、これらのポリ塩化ビニル系重合体を公知の方法で厚
さが通常10〜200μm、好ましくは20〜100μ
mのフィルムに成形したものでもよく、これをさらに延
伸して用いることもできる。
【0037】また、ナイロン系重合体としては、6ナイ
ロン、11ナイロン、12ナイロン系、或いは6−6ナ
イロン、6−10ナイロン、6−66ナイロン、さらに
は低融点化した共重合ナイロンおよびブレンドナイロン
を利用することが可能であり、通常知られた方法により
フィルムないしはシート状に製膜したのち利用すること
ができる。上記したナイロン系重合体の好ましい分子量
範囲は通常1000〜30000程度である。
【0038】また、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)に代表される熱可塑性ポリエステル系重合体も利用
することができる。本発明の目的には、PETのガラス
転移温度を考慮した加工温度を採用することにより、超
高分子量ポリエチレン粉末の圧縮成形工程、圧延工程お
よび延伸工程の何れの工程においても超高分子量ポリエ
チレン層に介在させることが可能であるが、テレフタル
酸の一部をイソフタル酸に代えることにより、より容易
に積層させることもできる。具体的にはポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレート等が
挙げられ、分子量的には各種フィルムグレード、繊維グ
レードであれば特に限定されない。
【0039】上記した熱可塑性樹脂フィルムに配合され
る着色剤、耐候剤、帯電防止剤、親水性付与剤、接着性
付与剤および染色性付与剤としては次のものが挙げられ
る。本発明において用いられる着色剤としては、特に限
定されるものではなく、通常、樹脂または繊維などを着
色する際に用いられる顔料と称されるものが広く例示で
きる。着色剤としては、大別して有機顔料および無機顔
料があるが、有機顔料としては、ニトロソ系、ニトロ
系、アゾ系、フタロシアニン系、塩基性染料系、酸性染
料系、捺染染料系、媒染染料系などが挙げられ、具体的
には、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ベンジジ
ンオレンジ、C.P.トルイジンレッドMed、C.
P.パラPred Lt、クロリネーテッドパラレッ
ド、Baリトールトナー、リトールルビン、パーマネン
トレッド28、ボンレッドOK、ボンマルーンLt、ピ
グメントスカーレットレイク、マダーレイク、チオイン
ジゴレッド、ピラゾロンレッド、ジベンザンチローネバ
イオレット、ヘリオファストルビー、ジアゾグリーン、
ジアゾイエロー、シアニンフルー、シアニングリーン、
フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、イン
ダンスレンブルー、クインアクリドン、ファーストイエ
ロー、ブリリアントカーミン68、アゾ系レッド、レー
キレッド、レーキボルドー、ファーストスカイブルーな
どが例示でき、また、無機顔料としては、クロム酸、フ
ェロシアン化物、硫化物、硫酸塩、酸化物、水酸化物、
ケイ酸塩、カーボンブラックなどが挙げられ、具体的に
は、オーレオリン、コバルトグリーン、セルリアン青、
コバルトブルー、コバルトバイオレットなどのコバルト
顔料、黄土、シェナー、ベンガラ、プルシアンブルーな
どの鉄顔料、酸化クロム、黄鉛、ピリジアンなどのクロ
ム顔料、ミネラルバイオレットなどのマンガン顔料、エ
メラルドグリーンなどの銅顔料、バナジウム黄、バナジ
ウムブルーなどのバナジウム顔料、シュなどの水銀顔
料、鉛丹などの鉛顔料、カドミウムエロー、ウルトラマ
リンなどの硫化物顔料、カドミウムレッドなどのセレン
化物顔料、微粒子アルミ粉などが例示できる。これらの
顔料の粒子径は数μから数十mμ、その形状も球状、塊
状、棒状、針状、薄片状など種々のものがあり、本発明
には何れの粒径・形状のものも用いることができる。こ
れらの顔料は単独で用いてもよく、またこれらを混合し
て用いてもよい。
【0040】本発明において熱可塑性樹脂フィルムに配
合することのできる耐候剤としては、ラジカル連鎖禁止
剤、過酸化物分解剤等の酸化防止剤、紫外線吸収剤等が
挙げられ、次にようなものを例示することができる。 ・酸化防止剤 ラジカル連鎖禁止剤: フェニール−α−ナフチルアミ
ン、フェニール−β−ナフチルアミン、ジフェニルアミ
ン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、
N,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミ
ン、p−ヒロドキシジフェニルアミン、p−ヒドロキシ
フェニル−β−ナフチルアミン、2,2,4−トリメチ
ルジヒドロキノリン、ジ−β−ナフチル−p−フェニレ
ンジアミン、N−フェニル−N’−シクロヘキシルパラ
フェニレン−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピ
ル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、アルド
ール−α−ナフチルアミン、などのアミン系化合物、p
−ヒドロキシフェニルシクロヘキサン、ジ−p−ヒドロ
キシフェニルシクロヘキサン、2,6−ジ−t−ブチル
フェノール、スチレン化フェノール、1,1’−メチレ
ンビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェ
ノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、2,6−ジ(2−t−ブチル
−4−メチル−6−メチルフェニル)p−クレゾール、
2,2’−チオビス−(4−メチル−6−t−ブチルフ
ェノール)、4,4’−チオビス−(4−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、4,4’ブチリデンビス−
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ジ−β−
ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−
N’−シクロヘキシルパラフェニレン−p−フェニレン
ジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フ
ェニレンジアミン、アルドール−α−ナフチルアミンな
どのフェノール系化合物、など 過酸化物分解剤: 4,4’−チオビス−(3−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、チオビス−(β−ナフ
トール)、チオビス(N−フェニル−β−ナフチルアミ
ン)、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトベンゾ
イミダゾール、ドデシルメルカプタン、テトラメチルチ
ウラムモノサルファイド、テトラメチルチウラムジサル
ファイド、トリノニルフェニルホスファイト、ジラウリ
ルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオ
ネートなど、 ・紫外線吸収剤 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,
2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−クロロベンゾフェ
ノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−n−オクトキシベ
ンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベ
ンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、
2,4−ジベンゾイル−レゾルシノール、レゾルシノー
ルモノベンゾエート、5−クロロ−2−ヒドロキシベン
ゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメ
トキシベンゾフェノン、4−ドデシル−2−ヒドロキシ
ベンゾフェノン、2,2,4’−テトラヒドロキシベン
ゾフェノンなどのベンゾフェノン系、2(2’−ヒドロ
キシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ア
ルキル化ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、
【0041】
【化1】 などのベンゾトリアゾル系、フェニルサリチレート、4
−t−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェ
ニルサリチレートなどのサリチレート系、ジシアノアク
リレート系等も用いることができる。また光安定剤、例
えばヒンダードピペリジン系のヒンダードアミン系化合
物も用いることができる。
【0042】その他の材料として、カーボンブラック、
アルミニウム粉末、銅粉末等の金属粉末、酸化アルミニ
ウム、酸化鉄、酸化チタン等の金属酸化物粉末が挙げら
れ、更にアルミナ、炭化硅素、炭酸バリウム、或いはフ
ァインセラミックス、ニューセラミックス、アドバンス
ドセラミックス、モダンセラミックス、ハイテクセラミ
ックス等と呼ばれる、例えば絶縁性等の電磁気的機能を
付与するためのAl23 ,BeO,SiC(+Be
O)組成物、蛍光性等の光学的機能を付与するためのY
2 OS(Eu添加)等も用いることができる。
【0043】また、熱可塑性樹脂フィルムに配合するこ
とのできる帯電防止剤としては、非イオン系、アニオン
系、カチオン系、両性系界面活性剤などが挙げられ、次
のようなものを例示することができる。 ・非イオン系 ポリオキシエチレン−アルキルアミン、ポリオキシエチ
レン−アルキルアミド、
【0044】
【化2】 ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレングリコールアルキルフェニルエーテル、
グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ステリアリン酸グリセリンモノエステル、スエアリ
ルジエタノールアミン、など ・アニオン系 アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネー
ト、RSO3 Na、アルキルサルフェネート、ROSO
3 Na、アルキルホスフェート、ROPO32、ポリ
フォスフェート、ペンタアルキルトリポリホスフェー
ト、など ・カチオン系 アンモニウムクロライド、アンモニウムサルフェート、
アンモニウムナイトレートなどに例示される第4級アン
モニウム塩、アルキルアミン塩、高級アミンエチレンオ
キサイド付加体、など ・両性系 アルキルベンタイン系
【0045】
【化3】
【0046】
【化4】
【0047】
【化5】 などのアミノカルボン酸誘導体、アラニン型両性界面活
性剤金属塩、イミダゾリン型両性界面活性剤金属塩、ジ
アミン型両性界面活性剤金属塩、EO基含両性界面活性
剤金属塩など、 ・塩化第二銅、カーボンなど ・ポリビニルベンジル型カチオン、ポリアクリル酸型カ
チオン などを挙げることができる。
【0048】また、熱可塑性樹脂フィルムに配合するこ
とのできる接着性付与剤としては、未硬化エポキシ樹脂
(顆粒、粉末状)、未硬化不飽和ポリエステル(顆粒、
粉末状)、変性ポリアミドなどを挙げることができる。
上記したエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノール
Aのエピクロルヒドリンによるグリシジル誘導体である
ビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられ、例えば日
本ペルノックスKK製、商品名ペルパウダーPE−0
5,PE−10,PCE−273°等を挙げることがで
きる。また、上記した不飽和ポリエステルとしては、例
えばイソフタル酸系、水素化ビスフェノール系などを使
用主原料とする所謂Nタイプなどが好ましく用いられ
る。
【0049】同様に配合することのできる染色性付与剤
としては、ケン化度80%以上、好ましくは95%以上
のポリビニルアルコール粉末、例えばKクラレ製、商品
名KクラレポバールPVA−117,PVA−CS,P
VA−217,PVA−205等、セルローズ粉末、例
えばMFR(190℃):0.1〜2g/minのアセ
テート粉末、ポリアミド粉末などを挙げることができ
る。
【0050】同様に配合することのできる親水性付与剤
としては、上記と同様のポリビニールアルコール粉末、
抗菌性およびキレート性等を有するキトサン、アクリル
酸などを挙げることができる。
【0051】本発明においては、前記したオレフィン系
重合体、ナイロン系重合体、ポリエステル系重合体ある
いはポリ塩化ビニル系重合体に、前記した着色剤、耐候
剤帯電防止剤、親水性付与剤、接着性付与剤および染色
性付与剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加
剤が配合され、これらの熱可塑性樹脂フィルムに成膜さ
れるが、添加剤の重合体粉末或いはペレットへの配合マ
スターバッチとして高濃度に含有した成分をベースポリ
マーと溶融ブレンドする方法などが採用され、またフィ
ルムないしはシートへの成膜方法については特に限定さ
れるものではなく、通常の押出機による熔融樹脂のT−
ダイ或いは丸−ダイから押出成形されたものがそのまま
利用できる。
【0052】前記した熱可塑性樹脂フィルムに含有させ
る各種添加剤の割合は、通常熱可塑性樹脂に対して通常
0.01〜50wt%、好ましくは、0.05〜40w
t%である。詳しくは、接着剤の場合、通常0.5〜3
0wt%、好ましくは、1〜25wt%、耐候剤の場
合、通常0.01〜10wt%、好ましくは、0.05
〜5wt%、帯電防止剤の場合、通常、0.01〜10
wt%、好ましくは、0.05〜5wt%が望ましい。
親水性付与剤、接着性付与剤または染色性付与剤の場
合、通常、1〜20wt%、好ましくは、2〜15wt
%が望ましい。
【0053】前記した各種添加剤を配合して得られる熱
可塑性樹脂フィルムの形態としては、厚さは特に限定さ
れていないが、被圧縮成形物(または被圧延物、被延伸
物)などの芯原料の厚みを超えない範囲であれば特に限
定されることはなく、芯剤/フィルムの厚みの比は、6
0/40〜98/2、好ましくは70/30〜95/5
であることが望ましく、厚みの具体的数値を挙げれば、
通常0.005〜1mm程度が望ましい。また、幅は、
芯原料と同じことが望ましいが、若干広くても狭くても
支障無く実施できる。
【0054】圧延工程、必要により更に延伸工程におい
て積層させる熱可塑性樹脂フィルムは、例えばオレフィ
ン系重合体フィルムまたはナイロン系重合体フィルムを
単独で積層させることも可能であり、また超高分子量ポ
リエチレン層を挟んで多層に積層させることも可能であ
り、さらにオレフィン重合体フィルム層とナイロン系重
合体フィルム層またはポリエステル重合体フィルム層と
を積層した状態で利用することも可能であり、この際一
部のフィルム層にのみ所望の添加剤を配合することもで
きる。
【0055】すなわち、目的および製品形態に合わせ
て、例えば製品の着色、耐候性付与、帯電性付与等、或
いは高強度・高弾性率ポリエチレン材料の積層利用、す
なわち、積層時における接着性等を考慮して適宜変更す
ることができる。
【0056】次に高強度・高弾性率ポリエチレン材料の
製造方法について詳述する。本発明においては、前述し
たとおり超高分子量ポリエチレンフィルム状成形物の圧
延工程、必要により更に延伸工程において、前記熱可塑
性樹脂フィルムを介在せしめることにより高強度・高弾
性率ポリエチレン材料を製造するものである。なお、本
発明でいう「積層」とは、超高分子量ポリエチレン層内
部および/または表面に熱可塑性樹脂フィルムを分散さ
せることを示す。この場合、芯材としては超高分子量ポ
リエチレン層を必須に含有するものとする。
【0057】これらの代表的な例として次の方法を挙げ
ることができる。
【0058】1.圧延工程において、熱可塑性樹脂フィ
ルムを超高分子量ポリエチレンフィルム状成形物の片側
もしくは両側に積層せしめて積層成形する方法。
【0059】2.必要により延伸工程において、更に熱
可塑性樹脂フィルムを超高分子量ポリエチレンフィルム
状成形物の表面の片側もしくは両側に積層せしめて積層
成形する方法。
【0060】上記した成形方法は、前記した如く、目的
とする成形物の特性および熱可塑性樹脂フィルムの多様
性との関連で適宜積層方法を変更することが可能であ
り、例えば圧延工程と延伸工程において異なる熱可塑性
樹脂フィルムをそれぞれ積層させることも可能であり、
その様式は限定されるものではない。
【0061】次に、超高分子量ポリエチレンフィルム状
成形物について説明する。かかるフィルム状物として
は、前述の超高分子量ポリエチレンを溶融工程を経て押
出などの方法によりフィルム状に成形する方法により得
られるもの、超高分子量ポリエチレンを多量の溶媒に溶
解したのちフィルム状のゲル状物を得る方法もしくはか
かるフィルム状ゲル状物からフィルムを得る方法により
得られるもの、および溶媒に溶解させることなくまた一
度も溶融工程を経ることなく固相状態においてフィルム
状に成形する方法により得られるものなどが挙げられ、
特に固相状態においてフィルム状に成形する方法により
得られるものが望ましい。
【0062】固相状態においてフィルム状に成形する方
法として望ましい方法としては、超高分子量ポリエチレ
ン粉末を圧縮成形して超高分子量ポリエチレンフィルム
状成形物を製造する方法が挙げられる。かかる圧縮成形
方法においては、被圧縮物であるポリエチレン粉末の融
点未満の温度で圧縮成形工程が実施されることが、引き
続いて実施される圧延、延伸工程を経ることによって高
強度・高弾性率ポリエチレン材料を得る上で極めて重要
である。しかしながら、良好な圧縮成形シートを得るた
めには、融点未満の温度ではあっても許容できる範囲内
であること、すなわち、通常20℃以上、融点未満、好
ましくは50℃以上融点未満、さらに好ましくは90〜
140℃、特に好ましくは110〜135℃の範囲内で
あることが望ましい。また、圧縮成型時の圧力は特に限
定されないが、通常1000kg/cm2未満、好まし
くは0.1〜1000kg/cm2の範囲内が望まし
い。
【0063】また、圧縮成形装置としては、対向させた
回転媒体で連続的に圧縮成形できる装置であれば特に限
定されることなく、また、回転媒体としては、一対また
は二対以上対向するロールや一対以上エンドスレベルト
やエンドレスベルトとロールの組み合わせなどが例示で
きる。以下、その好適な成形装置の1具体例を示す図1
に基づいて簡略に説明する。
【0064】この装置は、基本的にはロール1〜4によ
り張力がかけられた上下に対向させた一対のエンドレス
ベルト5,6と、このエンドレスベルトを介し、粉末試
料を加圧するための加圧プレート7と、加圧プレートと
エンドレスベルトとの間に回転自在で互いに連結された
チェーンローラー群8とからなる加圧手段を有してい
る。
【0065】この加圧手段は、エンドレスベルトの内側
に設けられた加圧プレートおよび加圧プレートとエンド
レスベルトとの間に回転自在な互いに連結されたローラ
ー群からなる。加圧プレートとエンドレスベルトとの間
に介在させる回転自在な互いに連結されたチェーンロー
ラー群としては、そのローラー群におけるローラーの回
転軸がエンドレスベルトの進行方向にほぼ垂直に配置さ
れ、かつ相互に接触しない程度に密接させて多数配列さ
せたものが適当である。
【0066】これらのローラーは、両端の中心軸がそれ
ぞれチェーンで固定され、加圧プレートの前後に配設し
たスプロケット9、10にこのチェーンを噛み合わせる
ことにより、ローラー群をエンドレスベルトの走行速度
の1/2程度の速度で走行させるのがよい。
【0067】このローラー群はエンドレスベルトと加圧
プレートとの間に固定して介在させてもよいが、この場
合には、ローラー群とエンドレスベルトおよび加圧プレ
ートとの間にそれぞれスリップによる摩擦力が生じるの
で、装置の耐久性に問題が生じる。
【0068】加圧プレートとしては、ローラー群に接す
る面が平滑であり、かつ圧力を均一に伝達できるもので
ある限り特に制限されない。
【0069】加圧プレートのエンドレスベルト走行方向
の長さは、特に制限されないが、通常30〜400c
m、好ましくは50〜200cm程度である。加圧プレ
ートがエンドレスベルトに加える平均圧力は、適宜選択
されるが、通常200kg/cm2 未満、望ましくは1
00kg/cm2 未満、好ましくは0.1〜50kg/
cm2 、さらに好ましくは0.1〜20kg/cm2
特に好ましくは0.5〜10kg/cm2 、さらに特に
好ましくは1.0〜8.0kg/cm2 の圧力である。
加圧プレートは、エンドレスベルトを介してポリエチレ
ン粉末を加圧することが第一義的な役割であるが、同時
に被圧縮物の加熱手段としても使用することも可能であ
る。本発明においては、前述のとおり被圧縮物であるポ
リエチレン粉末の融点未満の温度で圧縮成形工程が実施
されることが極めて重要であるが、好ましくは通常20
℃以上、融点未満、さらに好ましくは50℃以上融点未
満、特に好ましくは90〜140℃、さらに特に好まし
くは110〜135℃の範囲内であることが望ましい。
【0070】そのための被圧縮物の加熱手段としては、
加圧部におけるエンドレスベルトを直接加熱するのが最
適であるが、加圧プレート内に加熱手段を配設し、加圧
プレートからローラー群、エンドレスベルトを経て被圧
縮物を加熱したり、図1に示すようにエンドレスベルト
に近接させて予備加熱器11を配設して加熱するのが実
際的に便宜である。
【0071】加圧プレートへの加熱手段の配設態様とし
ては、断熱部を設けた上で加圧プレート内に電熱ヒータ
ーを埋め込んでもよいし、加圧プレート内に熱媒体の循
環流路を配設して熱媒体を用いて加熱してもよい。
【0072】この例示された装置を用いて、高強度・高
弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法を実施するに
は、まず、ホッパー12内に投入された超高分子量ポリ
エチレン粉末を下方のエンドレスベルト6上に落下させ
る。
【0073】エンドレスベルトの走行速度は、加圧プレ
ートの長さ、圧縮条件にも依存するが、通常は10〜5
00cm/min、好ましくは50〜200cm/mi
n程度である。エンドレスベルト上に乗ったポリエチレ
ン粉末は、ドクターナイフ16により所定の断面形状と
なし、必要により加熱器により予備加熱された後、上下
のエンドレスベルトによる挟圧部まで移動され、次いで
ローラー群と加圧プレートとが配設された圧縮部へ移行
される。ここで、油圧シリンダー15からの圧力が加圧
プレートへ伝達され、さらにローラー群、エンドレスベ
ルトを経て被圧縮物に圧縮力が加えられる。このとき、
加熱体からの熱も同様にローラー群、エンドレスベルト
を経て被圧縮物に伝達され、被圧縮物の温度が所定の温
度に保持される。
【0074】このようにして、超高分子量ポリエチレン
粉末が圧縮成形された超高分子量ポリエチレンフィルム
状成形物が巻取機17に巻取られる。
【0075】超高分子量ポリエチレンフィルム状成形物
を得る他の方法である超高分子量ポリエチレンを溶融工
程を経て押出などの方法によりフィルム状に成形する方
法については、特に限定されないが、好適な方法として
は、溶融条件下スクリュー押出機(好ましくはL/Dの
大きいもの)等によりチューブ状ダイやTダイから超高
分子量ポリエチレンを押し出し、必要に応じ数倍〜十倍
程度に延伸する方法などが代表的なものとして挙げられ
る。
【0076】また、超高分子量ポリエチレンフィルム状
成形物を得る他の方法である超高分子量ポリエチレンを
多量の溶媒に溶解したのちフィルム状のゲル状物を得る
方法もしくはかかるフィルム状ゲル状物からフィルムを
得る方法についても特に限定されないが、好適な方法と
しては、超高分子量ポリエチレンが溶解された溶液(通
常、30重量%以下の超高分子量ポリエチレン濃度)か
ら紡出口金を通じテープ状またはフィルム状に引き出
し、冷却もしくはそのまま溶媒の一部もしくは溶媒全部
を除去し、必要に応じて延伸する方法が挙げられる。
【0077】次に、超高分子量ポリエチレンフィルムの
ロール圧延工程において熱可塑性樹脂フィルムを積層さ
せる方法について説明する。
【0078】圧縮成形して得られるフィルム状成形物の
ロール圧延方法としては、公知の方法を用いることがで
きるが、前記圧縮成形シートを溶融させることなく固相
状態に保持したまま、同一方向または回転方向の異なる
圧延ロールにより挟圧し、圧延フィルムを得ることがで
きる。このとき、圧延操作により材料の変形比は広く選
択することができ、通常、圧延効率(圧延後の長さ/圧
延前の長さ)で1.2〜20、好ましくは1.5〜10
とするのが望ましい。このときの温度としては、通常2
0℃以上本発明で用いる超高分子量ポリエチレンフィル
ム状成形物の融点未満の温度、好ましくは50℃以上融
点未満、さらに好ましくは90〜140℃、特に好まし
くは110〜135℃の温度範囲で実施される。もちろ
ん、上記圧延操作を1回以上の多段で圧延することもで
きる。
【0079】また、この圧延工程において熱可塑性樹脂
フィルムを介在させる方法は、代表的圧延成形装置であ
る図2の繰出しロール20から繰出された超高分子量ポ
リエチレンフィルム状成形物を、該フィルムの上、下ま
たは上下に設置された繰出ロール21,21’から繰出
される熱可塑性樹脂フィルムと接触させ、予熱ロール群
22のロール表面上で予熱したのち、必要によりさらに
赤外線予熱ヒーター23により再予熱したのち圧延ロー
ル24で圧延し、得られる圧延シートを巻取機25に巻
取る方法が一般的に採用される。
【0080】このように、圧延工程において超高分子量
ポリエチレン層に熱可塑性樹脂フィルムを積層させる方
法は、例えば超高分子量ポリエチレン粉末の圧縮成形工
程において積層させる方法に比して、例えば工程が簡素
化され易いという利点もある。ロール圧延に次いで行わ
れる延伸工程においても種々の方法が採用可能である。
延伸手段としては熱風延伸、シリンダー延伸、ロール延
伸、熱盤延伸などがある。しかしながら、一対のニップ
ロール、或いはクローバーロール間で速度差をつけて延
伸を行うのが一般的である。
【0081】代表的延伸装置として、熱盤方式を採用す
る延伸装置により超高分子量ポリエチレン圧延シートに
必要により熱可塑性樹脂フィルムを介在させる例を図3
(a)に示し、熱ロール方式を用いる場合の例を図3
(b)に示した。詳細は省略するが、図3(a)におい
ては図2の場合とほぼ同様に、繰出しロールから繰出さ
れた超高分子量ポリエチレン圧延シートと、その上、下
または上下に設置された繰出しロールから繰出された熱
可塑性樹脂フィルムとを繰出しピンチロールで接触さ
せ、延伸用熱盤上で引取りピンチロールで引取られなが
ら延伸し、巻取ロールに巻取るものであり、巻取ロール
への巻取りに先立ち、所望により延伸物をスプリット加
工してテープヤーンとしてもよく、あるいは、スリット
加工したのちスプリット加工してスプリットヤーンにし
てもよい。また、図3(b)は、図3(a)の延伸用熱
盤に代えて3本の延伸用熱ロールにより、必要によりロ
ール回転速度を変えて、延伸する方法を図示したもので
ある。
【0082】上記した延伸操作における延伸温度は、被
延伸物の融点未満の範囲内、通常20〜160℃、好ま
しくは60〜150℃、さらに好ましくは90〜145
℃、特に好ましくは90〜140℃である。また、延伸
工程も1段だけでなく多段で行うこともできる。この場
合、1段目より2段目の方を高い温度で行うのが好まし
い。
【0083】延伸速度は、引張延伸の方法、ポリマー分
子量、組成比により異るものであり、適宜選択可能であ
るが、通常1mm/min〜500m/min、特に、
回分式延伸の場合は、通常、1〜500mm/min、
好ましくは1〜100mm/min、さらに好ましくは
5〜50mm/minの範囲であり、連続延伸の場合に
は、通常、0.1〜500m/min、好ましくは1〜
200m/min、さらに好ましくは10〜200m/
minの範囲内であり、経済性を考慮すれば、高速度の
設定がより好ましい。
【0084】延伸倍率は高倍率にするほど高強度で高弾
性率が達成できるため、できるだけ延伸倍率を高めるこ
とが望ましく、本発明においては圧延および引張延伸の
合計の延伸倍率であるトータル延伸倍率が通常20倍以
上、好ましくは60倍以上、さらに好ましくは80〜2
00倍とすることが可能であり、極めて高い延伸倍率の
延伸が可能である。
【0085】上記した方法により超高分子量ポリエチレ
ン粉末のみを圧縮成形工程、圧延工程および延伸工程に
付して得られる延伸物の引張弾性率は、通常60GPa
以上、より一般的には80GPa〜180GPa、さら
に一般的には120〜150GPaの範囲である。また
引張強度は、通常0.7GPa以上、より一般的には
1.0GPa〜5.0GPa、さらに一般的には1.5
GPa〜3.0GPaの極めて高い物性値を有するもの
である。
【0086】本発明においては、前述のように所望の特
性に対応して積層させる熱可塑性樹脂粉末またはフィル
ムが適宜選択され、それによって延伸物の物理的特性も
若干相違するが、一般的に引張弾性率は40GPa〜1
80GPaの範囲、より一般的には100〜150GP
aの範囲であり、また引張強度は0.7GPa〜5.0
GPaの範囲、より一般的には1.0GPa〜3.0G
Paの範囲である。
【0087】本発明は熱可塑性樹脂粉末またはフィルム
を介在させたとしても、実質的に同等かもしくは大きく
低下しない物理的特性を有する延伸物を得るという大き
な特徴を有する。
【0088】本発明の高強度・高弾性率ポリエチレン材
料は、どのような用途にも利用可能であるが、ヤーンと
して利用することにより、さらに優れた特性を有する高
強度・高弾性率ポリエチレン材料とすることができる。
以下、これについてさらに説明する。
【0089】ヤーンとしては、マルチフィラメントヤー
ン、モノフィラメントヤーン、テープ状フィラメントヤ
ーンなどのテープヤーンとスプリットヤーンが含まれ
る。これらのうち、高強度・高弾性率ポリエチレン材料
として特に特徴的であるスプリットヤーンとして後加工
する場合について最初に詳述する。
【0090】本発明における高強度・高弾性率ポリエチ
レン材料の特性を象徴する一つの目的製品であるスプリ
ットヤーンは、前記超高分子量ポリエチレン延伸物をス
プリット化することにより製造される。スプリット化の
方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方
法を用いることができる。例えば、フィルム状またはシ
ート状などの形状の延伸物を、叩打する方法、捻転する
方法、摩擦する方法、ブラッシュする方法などの機械的
方法や、エアージェットによる方法、超音波により割れ
目を入れる方法、爆発風により処理する爆発法などが挙
げられる。
【0091】本発明においては、機械的方法の採用が好
ましく、特に回転式機械的方法の採用が好ましい。かか
る機械的な方法としては、タップネジ状スプリッター、
ヤスリ状粗面体スプリッター、針ロール状スプリッター
などの各種形状のスプリッターを用いる方法を例示する
ことができる。なお、タップネジ状スプリッターとして
は、通常、5角や6角(図4)の角形であり、1インチ
当たり、10〜40、好ましくは15〜35のネジ山を
有するものが望ましい。また、ヤスリ状スプリッターと
しては、本発明者らの考案(実公昭51−38980
号)になる図5に示すものが好適である。図5において
円形断面軸26の表面27は鉄工用丸ヤスリ目またはこ
れに類似の粗面体であり、その面に2条のらせん溝28
および28’を等ピッチに削ったものである。
【0092】用いるスプリット化装置としては、特に限
定されないが、図6に記載したように、基本的にはニッ
プロール29,29’とニップロール30,30’の間
に、回転式のスプリッター31を配置し、延伸物の張力
をかけつつ移動し、回転式のスプリッターに接触させる
方法が代表例として挙げられる。このときの延伸物の移
動速度は、特に限定されないが、通常1〜1000m/
min、好ましくは20〜300m/minである。ま
た、スプリッターの回転速度(周速度)は、延伸物の物
性、移動速度、目的とするスプリットヤーンの性状によ
り、適宜選択されるが、通常、10〜3000m/mi
n、好ましくは50〜1000m/minである。ま
た、延伸物とスプリッターの接触角は、通常30〜18
0度、好ましくは60〜90度であることが望ましい。
なお、延伸テープは、滑り易いため、スプリッターの前
後に設置されているニップロールにおいて、テープを所
定の速度に保持することが難しい場合があるので、ニッ
プロールとクローバーロールを併用したり、或いはネル
ソンロールを用いたり、さらに、これらを組み合わせる
など滑り防止策を講じることが望ましい。
【0093】ブラッシュする方法や回転式スプリッター
を用いる方法においては、その操作は延伸物に張力をか
けて行うことが好ましく、前述した延伸物の高い引張弾
性率との関連において、通常延伸物が0.1〜3%、好
ましくは0.5〜2%変形することが好ましい。この場
合、スプリット装置にテープの張力を一定に保つため
に、ダンサーロールなどの張力コントローラを設置する
のも有効な手段である。
【0094】また、スプリット化の際の温度は、通常−
20〜+100℃、好ましくは−5〜+50℃、さらに
好ましくは0〜20℃の範囲が採用される。スプリット
化は1段階で行うだけではなく、多段階で行ってもよい
し、また厚みが大きな材料に対しては表と裏の両面から
スプリット化を行うこともできる。なお、これらの方法
としては、具体的には米国特許公報第2185789
号、同3214899号、同2954587号、同36
62935号、同3693851号、特公昭36−13
116号、特公昭43−16909号などに例示されて
いる。
【0095】これらの方法により得られるスプリットヤ
ーンにおいては、スプリットヤーンの厚みが、通常、1
0〜200μm、好ましくは30〜100μmである。
厚みが10μmより小さいとフィルム状またはシート状
の延伸物が縦方向に裂けることがあり、またスプリット
化されたフィブリルが毛羽だったり、スプリッターに巻
付いたりして、品質や工程が安定しないことがある。一
方、200μmを越えるとスプリット性が悪くなり易
い。また、スプリット幅は、通常10〜500μm、好
ましくは50〜200μmの範囲である。
【0096】本発明により得られるスプリット化ヤーン
は、顔料、耐候剤、帯電防止剤等の添加による効果と共
に優れた柔軟性を有しかつ高い強度を有する点で特徴的
である。スプリット処理後の強度としては、通常0.4
GPa以上であり、撚りをかけることによりさらに強度
を高めることができ、スプリットする前の強度とほぼ同
等にすることができる。50〜500回/mの範囲内に
撚りをかけたときの引張強度の最高値は少なくとも0.
7GPa以上であり、一般的には1GPa以上、さらに
一般的には1.5GPa以上であり、このような値は、
約8g/d以上、一般的には約11.5g/d以上、さ
らに一般的には約17g/d以上の高強度に相当するも
のである。
【0097】本発明に用いられるポリエチレン延伸材料
は、極性基がなく、表面が活性でないために、表面への
印刷、或いは接着が一般的には困難である。したがって
必要に応じてスプリット処理する前、或いは好ましくは
スプリット処理後に、延伸物をコロナ放電処理、プラズ
マ処理、薬品酸化処理、或いは火焔処理などの表面処理
を行うことも好適に行われる。
【0098】上記した方法により得られる、すなわち、
ロール圧延工程において添加剤が配合されている熱可塑
性樹脂フィルムを積層し、次いで、延伸して得られる高
強度高弾性率ポリエチレン材料を、更にスリット処理ま
たはスプリット処理して得られるポリエチレン材料の性
状は、添加剤が配合されている熱可塑性樹脂粉末または
フィルムの種、積層量ないしは積層方法等によって著る
しく相違するものであるが、添加剤が配合されている熱
可塑性樹脂を積層しない状態で得られるスリット体また
はスプリット体の性状としては次のように説明すること
ができる。
【0099】すなわち、スリット体の場合は、独立した
複数本の長四角型テープであり、一方、スプリット体の
場合は相互に分離されておらず、逆に相互に結びついた
網状体を形成する。例えば60μmの厚みを有するフィ
ルムのスリット幅の限界値は1.6mm程度であり、こ
の場合のスリット体の繊度は概略800〜900d程度
のものとなる。これに対し、スプリット体のスプリット
幅は一般的に10〜500μmの範囲、この値の対数平
均値は70μm程度であり、スプリット厚みは10〜2
00μmの範囲、この値の対数平均値は45μm程度で
あり、このようなスプリット体の繊度は概略30d程度
のものとなる。
【0100】因に上記した1.6mmスリット体の下記
式で示される柔軟度は2660mg・cm程度であり、
上記スプリット体の柔軟度は980mg・cm程度であ
る。
【0101】
【数1】 但し、250t/mの撚りをかけて測定 なお、スリットする前の上記ポリエチレ材料の柔軟度は
3500mg・cm程度のものであった事からも、高強
度・高弾性率ポリエチレン材料を更にスリットあるいは
より好ましくはスプリット加工することによって、より
好ましい高強度・高弾性率・高柔軟性ポリエチレン材料
とすることができる。
【0102】本発明のスプリット化ポリエチレン延伸材
料は、そのまま用いてもまた撚りをかけた状態で用いて
もよい。撚りをかける際の回数は特に限定されないが、
通常50〜500回/m程度であり、好ましくは100
〜300回/m程度が高い強度を示すことから好まし
い。また、その場合の温度は特に限定されないが、通
常、0〜100℃、好ましくは10〜60℃の範囲であ
る。
【0103】
【実施例】
実施例1 (1)熱可塑性樹脂フィルムの製造 高密度ポリエチレン(商品名:スタフレンE−710
(日本石油化学(株)製、M1:1.0))をベースポ
リマーとし、アゾ系レッド15重量%を混合し、溶融押
出機にかけてマスターバッチに加工した。次にこのマス
ターバッチ20重量部と高密度ポリエチレン(商品名:
スタフレンE−710(日本石油化学(株)製、M1:
1.0))を230℃で混練したのち、厚さ0.02m
mになるよう連続的に押出し製膜した。 (2)高強度材料の製造 (圧縮成形) 装置仕様: 1.ロール 径 500mm 面長 300mm 2.スチ−ルベルト 肉厚 0.6mm 幅 200mm 3.小口径ローラー 径 12mm 面長 250mm 4.加圧プレート 長さ 1000mm 幅 200mm 5.油圧シリンダー 径 125mm 上記仕様の圧縮成形装置を用いて、一対のスチールベル
トの間に超高分子量ポリエチレン粉末(135℃デカリ
ン中における極限粘度[η]=14dl/g、粘度平均
分子量200万)を挟持し、130℃に加熱し、材料へ
の平均圧力約6kg/cm2 で加圧(油圧シリンダ、加
圧プレート、小口径ローラー、スチールベルトの順序で
圧力を伝達)し、1m/分の速度で連続的に圧縮成形し
た。
【0104】その結果、肉厚1.1mm、幅100mm
のシートを得た。
【0105】(圧延)上下に配置され、同一速度で反対
方向に回転し、表面温度が140℃に調整された一対の
ロール(径250mm、面長300mm、ロール間隙
0.07mm)の間に一対の前記アゾ系レッド配合熱可
塑性樹脂フィルム(幅約100mm)を挿入し、該一対
のフィルムの間に前記圧縮成形シートを供給し、入口速
度1m/分、出口速度7m/分にて行い、圧延倍率7倍
の肉厚0.157mm、幅98mmの着色圧延シートを
得た。
【0106】 (延伸) 装置仕様 1.予熱用ロール 3本 径 250mm 面長 200mm 2.延伸用ロール 径 125mm 面長 200mm ロール内部には熱媒体用オイルを循環 ロール間距離はいずれも30mm 3.冷却用ロール 3本 径 250mm 面長 200mm ロール内部には冷却水を循環 4.ニップロール 入口側: φ200mmシリコンゴムロールが予熱用ロール2本に対 してニップ 出口側: φ200mmシリコンゴムロールが冷却用ロール2本に対 してニップ 得られた圧延シートを幅6mmにスリットして上記仕様
の延伸装置を用い、引張延伸を行った。引張延伸は次表
の条件により3回繰り返し行った。
【0107】延伸の結果、赤色にむら無く着色したポリ
エチレン延伸材料が得られた。
【0108】この材料について物性を測定したところ、
引張強度が25.0g/d、伸度は1.8%であった。
【0109】
【表1】 (スプリット工程) 装置仕様 1.入口ピンチロール: φ160mm、面長200m
mの金属ロールとウレタンゴムロール 2.出口ピンチロール: φ160mm、面長200m
mの金属ロールとウレタンゴムロール 3.スプリッター: 断面形状が正六角形で一辺の
長さが20mmのねじ切りタップ状の刃で、刃のピッチ
が0.6mmになっている割繊具 スプリット条件 1.ニップロール速度: 入口側30m/分→出口側3
0.3m/分 2スプリッターの接触角度と周速度比: 90度、2.
3倍 前記赤色延伸テープ(幅約2mm)を、上記装置と運転
条件でスプリットを行い、単糸幅が0.6mm、一辺の
長さが12mmの菱形状の網状スプリットヤーンが得ら
れた。このスプリットヤーンの物性(1m当たり100
回よりをかけて測定、100t/m、以後同様)は、引
張強度が21.0g/d、伸度は1.6%であった。
【0110】実施例2 実施例1の(1)熱可塑性樹脂フィルムの製造におい
て、アゾ系レッドに代えてシアニンブルーを用いた以外
は、実施例1と同様に行った。
【0111】その結果、青色にむら無く着色した延伸ポ
リエチレンが得られ、その物性は引張強度が24.3g
/d、伸度は1.8%であった。また、この延伸ポリエ
チレンをスプリット処理したところ菱形状の青色網状ス
プリットヤーンが得られた。このスプリットヤーンの物
性(100t/m)は、引張強度が21.0g/d、伸
度は1.6%であった。
【0112】実施例3 実施例1の(1)熱可塑性樹脂フィルムの製造におい
て、アゾ系レッドに代えて超微粒子カーボンブラックを
用いた以外は、実施例1と同様に行った。
【0113】その結果、黒色にむら無く着色した延伸ポ
リエチレンが得られ、その物性は引張強度が24.4g
/d、伸度は1.8%であった。また、この延伸ポリエ
チレンをスプリット処理したところ菱形状の黒灰色網状
スプリットヤーンが得られた。このスプリットヤーンの
物性は、引張強度が21.1g/d、伸度は1.6%で
あった。
【0114】実施例4 実施例1の(1)熱可塑性樹脂フィルムの製造におい
て、アゾ系レッドに代えてステアリルジエタノールアミ
ン0.5wt%を用いた以外は、実施例1と同様に行っ
た。
【0115】その結果、延伸ポリエチレンが得られ、そ
の物性は引張強度が25.2g/d、伸度は1.8%で
あった。また、この延伸ポリエチレンをスプリット処理
したところ菱形状の網状スプリットヤーンが得られた。
このスプリットヤーンの物性は、引張強度が20.9g
/d、伸度は1.6%であった。
【0116】また、この延伸物およびスプリットヤーン
を分散した灰の上部に近づけたところ、数cmの距離で
も灰が付着しなかったことから十分な帯電防止性能が認
められた。
【0117】実施例5 実施例4において、ステアリルジエタノールアミン0.
5wt%に代えて、脂肪酸モノグリセライド0.5wt
%を用いた以外は、実施例4と同様に行った。その結
果、延伸ポリエチレンが得られ、その物性は引張強度が
24.0g/d、伸度は1.8%であった。また、この
延伸ポリエチレンをスプリット処理したところ菱形状の
網状スプリットヤーンが得られた。このスプリットヤー
ンの物性は、引張強度が19.8g/d、伸度は1.6
%であった。
【0118】また、この延伸物およびスプリットヤーン
を分散した灰の上部に近づけたところ、数cmの距離で
も灰が付着しなかったことから十分な帯電防止性能が認
められた。
【0119】実施例6 実施例4において、ステアリルジエタノールアミン0.
5wt%に代えて、HALS(商品名、チヌビン62
2、チバガイギ製)0.1wt%を用いた以外は、実施
例4と同様に行った。
【0120】その結果、延伸ポリエチレンが得られ、そ
の物性は引張強度が24.0g/d、伸度は1.8%で
あった。また、この延伸ポリエチレンをスプリット処理
したところ菱形状の網状スプリットヤーンが得られた。
このスプリットヤーンの物性は、引張強度が20.0g
/d、伸度は1.6%であった。
【0121】また、この延伸物およびスプリットヤーン
の光安定性能をテストしたところ、良好な特性を示し
た。
【0122】実施例7 実施例4において、ステアリルジエタノールアミン0.
5wt%に代えて、HALS(商品名サノールLS26
26、三共製)0.1wt%を用いた以外は、実施例4
と同様に行った。
【0123】その結果、延伸ポリエチレンが得られ、そ
の物性は引張強度が24.5g/d、伸度は1.8%で
あった。また、この延伸ポリエチレンをスプリット処理
したところ菱形状の網状スプリットヤーンが得られた。
このスプリットヤーンの物性は、引張強度が20.1g
/d、伸度は1.6%であった。
【0124】また、この延伸物およびスプリットヤーン
の光安定性能をテストしたところ、良好な特性を示し
た。
【0125】実施例8 (1)熱可塑性樹脂フィルムの製造 高密度ポリエチレン(商品名スタフレンE−710(日
本石油化学(株)製、M1:1.0))をベースポリマ
ーとし、ポリビニルアルコール30重量%を混合し、2
30℃で混練したのち、厚さ0.02mmになるよう連
続的に押出し成膜した。
【0126】(2)高強度材料の製造 上記熱可塑性樹脂フィルムを用いた以外は実施例1と同
様に行った。
【0127】その結果、延伸ポリエチレンが得られ、そ
の物性は引張強度が25.0g/d、伸度は1.8%で
あった。また、この延伸ポリエチレンをスプリット処理
したところ菱形状の網状スプリットヤーンが得られた。
このスプリットヤーンの物性は、引張強度が20.3g
/d、伸度は1.6%であった。
【0128】また、この延伸物の親水性を接触角を測定
することにより行ったところ良好な特性を示した。
【0129】実施例9 実施例8の(1)熱可塑性樹脂フィルムの製造におい
て、ポリビニルアルコールに代えてキトサン30重量%
を用いた以外は、実施例8と同様に行った。
【0130】その結果、延伸ポリエチレンが得られ、そ
の物性は引張強度が24.0g/d、伸度は1.8%で
あった。また、この延伸ポリエチレンをスプリット処理
したところ菱形状の網状スプリットヤーンが得られた。
このスプリットヤーンの物性は、引張強度が20.0g
/d、伸度は1.6%であった。
【0131】また、この延伸物の親水性を接触角を測定
することにより行ったところ良好な特性を示した。
【0132】実施例10 実施例8の(1)熱可塑性樹脂フィルムの製造におい
て、ポリビニルアルコールに代えてアクリル酸30重量
%を用いた以外は、実施例8と同様に行った。
【0133】その結果、延伸ポリエチレンが得られ、そ
の物性は引張強度が24.2g/d、伸度は1.8%で
あった。また、この延伸ポリエチレンをスプリット処理
したところ菱形状の網状スプリットヤーンが得られた。
このスプリットヤーンの物性は、引張強度が20.1g
/d、伸度は1.6%であった。
【0134】また、この延伸物の親水性を接触角を測定
することにより行ったところ良好な特性を示した。
【0135】実施例11 (1)熱可塑性樹脂フィルムの製造 高密度ポリエチレン(商品名 スタフレンE−710
(日本石油化学(株)製、M1:1.0)をベースポリ
マーとし、アゾ系レッド15重量%を混合し、溶融押出
機にかけてマスターバッチに加工した。次にこのマスタ
ーバッチ20重量部と高密度ポリエチレン(スタンフレ
ンE−710(日本石油化学(株)製、M1:1.0)
を230℃で混練したのち、厚さ0.02mmになるよ
う連続的に押出し製膜した。
【0136】(2)高強度材料の製造 (押出成形)超高分子量ポリエチレン粉末(135℃デ
カリン中における極限粘度[η]=14dl/g、粘度
平均分子量200万)を250℃で連続的に押出成膜し
た。その結果、肉厚0.1mm、折幅90mmのシート
を得た。
【0137】(圧延)上下に配置され、同一速度で反対
方向に回転し、表面温度が140℃に調整された一対の
ロール(径250mm、面長300mm、ロール間隙
0.07mm)の間に一対の前記アゾ系レッド配合熱可
塑性樹脂フィルム(幅約90mm)を挿入し、該一対の
フィルムの間に前記圧縮成形シートを供給し、入り口速
度1m/分、出口速度7m/分にて行い、圧延倍率3倍
の肉厚0.047mm、幅88mmの着色圧延シートを
得た。
【0138】 (延伸) 装置仕様: 1.予熱用ロール 3本 径 250mm 面長 200mm 2.延伸用ロール 径 125mm 面長 200mm ロール内部には熱媒体用オイルを循環 ロール間距離はいずれも30mm 3.冷却用ロール 3本 径 250mm 面長 200mm ロール内部には冷水を循環 4.ニップロール 入口側:φ200mmシリコンゴムロールが予熱用ロール2本に対してニップ 出口側:φ200mmシリコンゴムロールが冷却用ロール2本に対してニップ 得られた圧延シートを幅12mmにスリットして上記仕
様の延伸装置を用い、引張延伸を行った。引張延伸は次
表の条件により3回繰り返し行った。
【0139】延伸の結果、赤色にむら無く着色したポリ
エチレン延伸材料(幅2.8mm、肉厚0.02mm)
が得られた。この材料について物性を測定したところ、
引張強度が19g/d、伸度は1.8%であった。
【0140】
【表2】 (スプリット工程) 装置仕様: 1.入口ピンチロール φ160mm、面長200mm
の金属ロールとウレタンゴムロール 2.出口ピンチロール φ160mm、面長200mm
の金属ロールとウレタンゴムロール 3.スプリッター :断面形状が正六角形で、一辺の
長さが20mmのねじ切りタップ状の刃で、刃のピッチ
が0.6mmになっている割繊具 スプリット条件: 1.ニップロール速度:入口側30m/分→出口側3
0.3m/分 2.スプリッターの接触角度と周速比:90度、2.3
倍 前記赤色延伸テープ(幅約2.8mm)を、上記装置と
運転条件でスプリットを行い、単糸幅が0.6mm、一
辺の長さが12mmの菱形状の網状スプリットヤーンが
得られた。このスプリットヤーンの物性(1m当り10
0回よりをかけて測定100t/m、以後同様)は、引
張強度が17g/d、伸度は1.6%であった。
【0141】
【発明の効果】本発明により、着色剤、耐候剤、帯電防
止剤、親水性付与剤、接着性付与剤および染色性付与剤
の少なくとも1種を配合して得られる熱可塑性樹脂フィ
ルムを、超高分子量ポリエチレンフィルム状成形物のロ
ール圧延工程において積層処理する場合は、得られる高
強度・高弾性率ポリエチレン材料を、例えば容易に着色
することが可能であり、また耐候性、帯電防止性等の特
性を付与することが可能となり、更に染色性付与等の後
加工性が容易に付与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧縮成形工程の実施に好適な装置の1
例を示す。
【図2】圧延工程の実施に好適な装置の1例を示す。
【図3】延伸工程の実施に好適な装置の2つの例を示
す。
【図4】実施において好適なタップネジ状スプリッター
の1例。
【図5】実施において好適なヤスリ状スプリッターの1
例。
【図6】ズプリット化工程の実施に好適な装置の1例。
【符号の説明】
1〜4 ロール 5〜6 エンドレスベルト 7 加圧プレート 8 チェーンローラー群 9〜10 スプロケット 11 加熱器 12 ホッパー 15 油圧シリンダー 16 ドクターナイフ 17 シート巻取機 20〜21 繰出しロール 22 予熱ロール 23 赤外線予熱ヒーター 24 圧延ロール 25 巻取機 26 円形断面軸 27 表面 28,28’ らせん溝 29,29’,30,30’ ニップロール 31 スプリッター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D02G 3/06 D02G 3/06 // C08K 3/00 KAA C08K 3/00 KAA 5/00 KAJ 5/00 KAJ C08L 23/00 LDD C08L 23/00 LDD LDE LDE D01D 5/00 D01D 5/00 5/16 5/16 D04H 13/02 D04H 13/02 B29K 23:00 B29L 7:00 (72)発明者 栗原 和彦 東京都板橋区高島平3−11−5−1102 (72)発明者 矢沢 宏 東京都国立市東2−25−15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 135℃デカリン溶液中における極限粘
    度が5〜50dl/gの超高分子量ポリエチレンフィル
    ム状成形物をロール圧延したのち延伸することにより高
    強度・高弾性率ポリエチレン材料を製造する方法におい
    て、ロール圧延工程において、着色剤、耐候剤、帯電防
    止剤、親水性付与剤、接着性付与剤および染色性付与剤
    からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤が配合
    されている少なくとも一層の熱可塑性樹脂層と被圧延物
    を積層することを特徴とする高強度・高弾性率ポリエチ
    レン材料の連続的製造方法。
  2. 【請求項2】 溶融成形法またはゲル法により得られる
    超高分子量ポリエチレンフィルム状成形物のロール圧延
    工程において熱可塑性樹脂フィルムを積層させることを
    特徴とする請求項1に記載の高強度・高弾性率ポリエチ
    レン材料の連続的製造方法。
  3. 【請求項3】 延伸工程後さらにスリット加工してテー
    プヤーンとすることを特徴とする請求項1に記載の高強
    度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方法。
  4. 【請求項4】 延伸工程後さらにスプリット加工してス
    プリットヤーンとすることを特徴とする請求項1に記載
    の高強度・高弾性率ポリエチレン材料の連続的製造方
    法。
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