JPH08229433A - 電気集塵装置の荷電方法 - Google Patents

電気集塵装置の荷電方法

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JPH08229433A
JPH08229433A JP3575495A JP3575495A JPH08229433A JP H08229433 A JPH08229433 A JP H08229433A JP 3575495 A JP3575495 A JP 3575495A JP 3575495 A JP3575495 A JP 3575495A JP H08229433 A JPH08229433 A JP H08229433A
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dust
electric resistance
electric
charging
pulse
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JP3575495A
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Inventor
Kenji Shibata
憲司 柴田
Takuya Yamamoto
卓也 山本
Mitsuhiro Mieno
光博 三重野
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】いずれの電気抵抗のダストを含む被処理ガスで
も、集塵(しゅうじん)性能を高くすることができる電
気集塵装置の荷電方法を提供する。 【構成】あらかじめ設定された燃焼計画に対応させて、
被処理ガス中に含まれるダストの電気抵抗の経時変化を
算出し、制御周期ごとの電気抵抗の値、及び荷電設定値
の関係に基づいてパルス荷電と連続荷電との切替え、並
びにパルス荷電におけるベース電圧及びパルス電圧を制
御する。この場合、電気抵抗が変化しないゾーン、時間
の経過と共に電気抵抗が高くなるゾーン及び時間の経過
と共に電気抵抗が低くなるゾーンごとに、パルス荷電と
連続荷電とを切り替えたり、パルス荷電におけるベース
電圧及びパルス電圧を高くしたり、低くしたりする。し
たがって、広範囲の電気抵抗を有するダストを効率良く
捕集することができ、集塵性能を高くすることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気集塵(しゅうじ
ん)装置の荷電方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電気集塵装置は、平行に配設され
た2枚の集塵極、及び両集塵極間の中央に配設された放
電極から成り、前記集塵極と放電極との間に単極性の高
電圧を印加することによってコロナ放電を発生させ、該
コロナ放電を利用して被処理ガス(排ガス)中のダスト
を捕集するようになっている。
【0003】また、前記集塵極が接地されるとともに、
放電極に直流電源が接続され、集塵極と放電極との間に
高電圧が印加される。そして、空調用の電気集塵装置の
場合、オゾンが発生することがないように正の極性の直
流電源が使用されるが、一般に、コロナ放電を安定化さ
せ、集塵性能を向上させるために負の極性の直流電源が
使用される。
【0004】ダストを含んだ被処理ガスが電気集塵装置
内の集塵空間に入ると、コロナ放電によって発生させら
れた電子及び負イオン(以下「イオン等」という。)が
ダストに衝突する。その結果、ダストは帯電させられ、
クーロン力によって集塵極に向かって移動させられ、該
集塵極の表面に付着させられる。前記放電極に高電圧を
印加する荷電方法としては、連続荷電方法、間欠荷電方
法、パルス荷電方法等があり、一般に、連続荷電方法が
用いられる。該連続荷電方法においては、集塵極と放電
極との間に高電圧が常時印加されるようになっている。
【0005】ところで、前記連続荷電方法によって被処
理ガス中のダストを捕集しようとしたとき、該ダストの
電気抵抗が105 〜1011〔Ω・cm〕の範囲に収まる
場合は集塵性能を向上させることができる。これに対し
て、ダストの電気抵抗が10 11〔Ω・cm〕より高くな
ると、逆電離現象が発生させられる。すなわち、集塵極
の表面に付着し堆積(たいせき)したダストによってダ
スト層が形成されるが、電気抵抗が高いダスト(以下
「高抵抗ダスト」という。)の場合、ダスト層から集塵
極への放電電荷量が少なくなり、ダスト層に電荷が蓄積
されてしまう。そして、該電荷によって形成された電界
が絶縁破壊電界強度に達すると、集塵極から放電極に向
かって正イオンが飛び出す。その結果、集塵空間にある
負イオンが正イオンによって中和され、集塵性能がその
分低下してしまう。
【0006】そこで、高抵抗ダストを捕集するために、
集塵空間を高温にしたり、SO3 調質を行ったり、被処
理ガス中の水分含有量を多くしたりして、電気抵抗を低
くすることが考えられる。ところが、集塵空間を高温に
する方法は既に実用化されているが、集塵空間を高温に
した場合、材料の選定が困難になるだけでなく、実流量
(集塵空間内を流れる被処理ガスの流量)が多くなるの
で、電気集塵装置が大型化してしまう。また、SO3 調
質を行う方法においては、硫酸を分解したり、SO2
酸化触媒によって酸化したりすることによって生成させ
たSO3 を電気集塵機の入口に注入したりするので、わ
ずかな量を注入するだけで電気抵抗値を低くすることが
できる。ところが、前記SO3 によって大気が汚染され
てしまうだけでなく、機器が腐食してしまう。
【0007】そして、被処理ガス中の水分含有量を多く
する方法においては、被処理ガス中に水蒸気を注入する
だけでよいので、簡単でかつ最も効果が高くなるが、火
力発電所の排ガスのように容量が大きい被処理ガスの場
合、設備が大型化してしまうだけでなく、ランニングコ
ストが高くなってしまう。また、被処理ガス中に水蒸気
を注入すると、水露点が高くなってしまいホッパ内で結
露が生じるだけでなく、灰処理が煩わしくなってしま
う。
【0008】これに対して、ダストの電気抵抗を低くす
ることなく逆電離現象を抑える方法として、間欠荷電方
法及びパルス荷電方法がある。前記間欠荷電方法は、一
定の間隔で荷電と無荷電とを繰り返す方法である。ま
た、前記パルス荷電方法は、μs(マイクロセコンド)
パルス、ns(ナノセコンド)パルス等と呼ばれてお
り、一定の微小時間だけ荷電する方法であり、間欠荷電
方法を派生させたものである。そして、前記パルス荷電
方法には、集塵極と放電極との間にパルス電圧を直接印
加する方法と、直流電圧をベース電圧とし、その上にパ
ルス電圧を重畳させる方法との二つがある。
【0009】前記間欠荷電方法及びパルス荷電方法のい
ずれも高電圧を常時印加するわけではないので、ダスト
層から集塵極への電荷の放電時間がダスト層への電荷の
蓄積時間より短くなり、逆電離現象を抑え、集塵性能を
向上させることができる。そして、高抵抗ダストである
ほど間欠荷電方法よりパルス荷電方法の方が逆電離現象
の抑制効果が高いといわれている。また、該パルス荷電
方法の場合、ベース電圧の上にパルス電圧を重畳させる
方法の方が集塵性能が高いことが分かっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の電気集塵装置の荷電方法においては、ボイラの燃料
である多品種の石炭を使用するので、集塵性能を維持す
るのが困難になってしまう。すなわち、近年、石炭火力
発電所において、ボイラの燃料である石炭として海外炭
が多く使用されるようになってきている。また、年間の
石炭輸入計画に基づいて各種の石炭が輸入される。した
がって、一つのボイラで多品種の石炭を使用し、かつ、
同一炭単独ではなく混炭で使用する場合が多くなってき
ている。
【0011】以上述べた荷電方法によって、集塵性能の
向上は図れるものの、これは一定の電気抵抗を持つダス
トの場合であって、ダストを発生する機器(セメントキ
ルン、焼結炉、ボイラ等)の運転状態によっては、ダス
トの電気抵抗も変化する。特に、近年、火力発電用の石
炭焚(だき)ボイラにおいては、海外炭に依存する傾向
があり、発生するダスト(以下「燃焼灰」という。)の
電気抵抗は石炭の成分(Ca、Al、Si、Fe、M
n、S等)及び燃焼状態によって大きく変化する。
【0012】また、年間を通して一種類の石炭を使用す
るわけではなく、数種類の石炭を輸入計画に応じて使用
している。さらに、二種類の石炭を混合して使用する方
法、石炭の切替え時に、混合比率を徐々に変えて使用す
る方法等、使用方法も多種多様になっている。したがっ
て、ダストの電気抵抗も108 〜1013〔Ω・cm〕と
範囲が広く、しかも、経時的に電気抵抗が変化していく
ので、単一の荷電方法では対応できないのが現状であ
る。
【0013】その結果、被処理ガスが石炭焚きのボイラ
の排ガスである場合、被処理ガス中のダスト、すなわ
ち、燃焼灰の電気抵抗は108 〜1013〔Ω・cm〕の
広い範囲にわたるので、いずれの電気抵抗の燃焼灰に対
しても集塵性能を高くすることが困難になってしまう。
本発明は、前記従来の電気集塵装置の荷電方法の問題点
を解決して、いずれの電気抵抗のダストを含む被処理ガ
スでも、集塵性能を高くすることができる電気集塵装置
の荷電方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の電
気集塵装置の荷電方法においては、あらかじめ設定され
た燃焼計画に対応させて、被処理ガス中に含まれるダス
トの電気抵抗の経時変化を算出し、制御周期ごとの電気
抵抗の値、及び荷電設定値の関係に基づいてパルス荷電
と連続荷電との切替え、並びに前記パルス荷電における
ベース電圧及びパルス電圧を制御する。
【0015】本発明の他の電気集塵装置の荷電方法にお
いては、さらに、集塵機本体の出口のダスト濃度を検出
し、該ダスト濃度に対応させて前記ベース電圧及びパル
ス電圧を制御する。
【0016】
【作用】本発明によれば、前記のように電気集塵装置の
荷電方法においては、あらかじめ設定された燃焼計画に
対応させて、被処理ガス中に含まれるダストの電気抵抗
の経時変化を算出し、制御周期ごとの電気抵抗の値、及
び荷電設定値の関係に基づいてパルス荷電と連続荷電と
の切替え、並びに前記パルス荷電におけるベース電圧及
びパルス電圧を制御する。
【0017】燃焼計画に従ってボイラを稼働させた場
合、被処理ガス中のダストの電気抵抗が経時的に変化す
る。そして、電気抵抗の現在の値、次の制御周期の値、
及び荷電設定値を比較し、電気抵抗が変化しないゾー
ン、時間の経過と共に電気抵抗が高くなるゾーン及び時
間の経過と共に電気抵抗が低くなるゾーンごとに、パル
ス荷電と連続荷電とを切り替えたり、パルス荷電におけ
るベース電圧及びパルス電圧を高くしたり、低くしたり
する。
【0018】本発明の他の電気集塵装置の荷電方法にお
いては、さらに、集塵機本体の出口のダスト濃度を検出
し、該ダスト濃度に対応させて前記ベース電圧及びパル
ス電圧を制御する。この場合、ダスト濃度が目標値にな
るまで、パルス荷電におけるベース電圧及びパルス電圧
を高くしたり、低くしたりする。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳細に説明する。図1は本発明の実施例における
電気集塵装置のブロック図、図2は本発明の実施例にお
ける電気集塵装置の荷電方法のタイムチャート、図3は
本発明の実施例における石炭の炭種と燃焼灰の電気抵抗
との関係を示す図である。なお、図2において、横軸に
時間を、縦軸にダストの電気抵抗ρd を採ってある。
【0020】図において、13は集塵機本体、25はベ
ース電圧の上にパルス電圧を重畳させた電圧を発生させ
てパルス荷電を行うことができるだけでなく、一定の電
圧を発生させて連続荷電を行うこともできる高圧電源、
19は該高圧電源25の荷電制御盤、20は荷電制御を
行うコンピュータ、21は前記集塵機本体13の出口に
おけるダスト濃度を検出するダスト濃度計である。
【0021】次に、電気集塵装置の荷電制御方法につい
て説明する。まず、あらかじめ予定されている石炭の燃
焼計画を図示しないメモリにインプットし、該燃焼計画
に基づいて燃焼灰の電気抵抗の経時変化を算出する。例
えば、A炭、B炭及びC炭の三種類の石炭を順次燃焼す
ることにし、各石炭の燃焼灰の電気抵抗の値ρA
ρB 、ρC が、 ρC >ρA >ρB の関係にある場合、燃焼計画に従ってボイラを稼働させ
た場合の被処理ガス中のダストの電気抵抗ρd は図2に
示すように経時的に変化する。
【0022】続いて、この算出結果を制御周期で時分割
してデータファイルに格納する。なお、燃焼計画が変更
されたり、次の燃焼計画が策定されたりした場合は電気
抵抗ρd の経時変化を再び算出してデータファイル中の
データを更新する。次に、現在の制御周期におけるダス
トの電気抵抗ρd の値ρd0、及び次の制御周期に当たる
x時間後のダストの電気抵抗ρd の値ρdxをデータファ
イルから読み出し、値ρd0と値ρdxとを比較する。
【0023】この場合、電気抵抗ρd の推移を(a)〜
(g)ゾーンに区分すると、(a)、(d)、(g)ゾ
ーンにおいては、それぞれA炭、B炭及びC炭が同一炭
単独で使用され、電気抵抗ρd が一定であり、値ρd0
値ρdxとは等しい。また、(b)、(c)ゾーンにおい
ては、A炭及びB炭の混炭が使用され、徐々にA炭の量
が少なくなりB炭の量が多くなる。したがって、電気抵
抗ρd が徐々に低くなり、値ρdxが値ρd0より小さくな
る。そして、(e)、(f)ゾーンにおいては、B炭及
びC炭の混炭が使用され、徐々にB炭の量が少なくなり
C炭の量が多くなる。したがって、電気抵抗ρd が徐々
に高くなり、値ρdxが値ρd0より大きくなる。
【0024】データファイルから読み出した値ρd0、ρ
dxが、 ρd0=ρdx であるとき、電気抵抗ρd は図2における(a)、
(d)、(g)ゾーンにあると考えられる。そして、
(a)、(g)ゾーンにおいては電気抵抗ρd が荷電設
定値である1011〔Ω・cm〕以上であるので、パルス
荷電を行うことによって、逆電離現象を抑える。また、
(d)ゾーンにおいては電気抵抗ρd が1011〔Ω・c
m〕未満であるので、パルス荷電による効果は小さく、
1010〔Ω・cm〕未満であるとパルス荷電による効果
は皆無になる。したがって、電気抵抗ρdが低くなるほ
どパルス荷電の消費電力量は多くなってしまう。そこ
で、(d)ゾーンにおいては、連続荷電を行い、消費電
力量を少なくする。
【0025】いずれにしても、(a)、(d)、(g)
ゾーンにおいては電気抵抗ρd に変化はないので、現在
の荷電状態を維持すればよい。したがって、通常のスパ
ーク制御及び集塵機本体13の出口のダスト濃度制御が
行われる。すなわち、スパーク制御においては、スパー
クの発生頻度に対応させてベース電圧を制御し、放電極
の断線が発生するのを防止したり、集塵極において捕捉
(ほそく)されたダストが再飛散するのを防止したりす
る。そのために、スパークが設定回数だけ発生するとベ
ース電圧が低くされ、一定時間だけ発生しなくなるとベ
ース電圧が高くされる。
【0026】また、ダスト濃度制御においては、集塵機
本体13の出口のダスト濃度が検出され、該ダスト濃度
が目標値に達すると、ベース電圧及びパルス電圧を現在
の値に維持するようにしている。このようにして、消費
電力を少なくすることができる。そして、制御周期のx
時間が経過すると、現在の制御周期におけるダストの電
気抵抗ρd の値ρd0が再び読み出される。
【0027】次に、 ρdx≧1011〔Ω・cm〕 ρd0<ρdx である場合、電気抵抗ρd が(e)、(f)ゾーンにあ
ると考えられる。そして、さらに、 ρd0≧1011〔Ω・cm〕 である場合、電気抵抗ρd が(f)ゾーンにあると考え
られ、 ρd0<1011〔Ω・cm〕 である場合、電気抵抗ρd が(e)ゾーンにあると考え
られる。
【0028】この場合、いずれにしても ρdx≧1011〔Ω・cm〕 であり、値ρd0が1011〔Ω・cm〕に近い。そこで、
パルス荷電を行い、ベース電圧を徐々に低くし、重畳さ
れるパルス電圧を徐々に低くすることによって集塵性能
を高くすることができる。
【0029】次に、 ρdx≧1011〔Ω・cm〕 ρd0>ρdx である場合、電気抵抗ρd が(b)ゾーンにあると考え
られる。この場合、パルス荷電を行う。
【0030】ところで、電気抵抗ρd が低い場合は、ベ
ース電圧を高くし、電気抵抗ρd が高くなるに伴いベー
ス電圧を徐々に低くするとよい。また、電気抵抗ρd
10 12〔Ω・cm〕以上になった場合は、ベース電圧を
コロナ開始電圧の近傍まで低くするとよい。したがっ
て、ベース電圧を徐々に高くし、パルス電圧を徐々に低
くすることによって集塵性能を高くすることができる。
【0031】次に、 ρdx<1011〔Ω・cm〕 ρd0<1011〔Ω・cm〕 である場合、電気抵抗ρd が(c)、(e)ゾーンにあ
ると考えられる。この場合、パルス荷電による効果はな
いので、連続電荷を行う。そして、集塵機本体13の出
口のダスト濃度及びスパークを検出し、ベース電圧を変
化させることによって集塵性能を高くすることができ
る。
【0032】次に、 ρdx<1011〔Ω・cm〕 ρd0≧1011〔Ω・cm〕 である場合、電気抵抗ρd が(b)ゾーンから(c)ゾ
ーンに移行していると考えられる。この場合、電気抵抗
ρd がパルス荷電を行うことが必要とされる値ρ d0から
パルス荷電を行うことが必要とされない値ρdxに低下し
ていく。そこで、パルス電圧を徐々に低くし、ベース電
圧を徐々に高くすることによって集塵性能を高くするこ
とができる。
【0033】このように、ダストの電気抵抗ρd の経時
変化を予測し、電気抵抗ρd の値ρ d0、ρdx、及び荷電
設定値の関係に基づいてパルス荷電を行うか連続荷電を
行うかを判断するとともに、パルス電圧及びベース電圧
を変化させるので、広範囲の電気抵抗ρd を有するダス
トを効率良く捕集することができ、集塵性能を高くする
ことができる。
【0034】また、集塵機本体13の出口のダスト濃度
制御を同時に行うことによって、消費電力を少なくする
ことができる。なお、本発明においては、パルス荷電と
連続荷電との切替えを行うための荷電設定値を10
11〔Ω・cm〕に設定しているが、集塵極同士の間隔、
排ガス温度、排ガス成分等によって適正な値が異なるの
で、電気集塵装置ごとに設定する必要がある。
【0035】すなわち、荷電設定値を1010〜10
11〔Ω・cm〕、好ましくは5×1010〜1011〔Ω・
cm〕の範囲内に設定する。また、各石炭ごとの燃焼灰
の電気抵抗の値ρA 、ρB 、ρC としては、あらかじめ
実測されたものが使用され、前記値ρA 、ρB 、ρC
基づいてダストの電気抵抗ρd が算出される。さらに、
石炭の化学成分から燃焼灰の電気抵抗の値を推算するこ
ともできる。
【0036】図4は本発明の実施例における荷電方法の
第1のフローチャート、図5は本発明の実施例における
荷電方法の第2のフローチャートである。 ステップS1 石炭の燃焼計画を入力する。 ステップS2 電気抵抗ρd の経時変化を算出する。 ステップS3 算出結果をデータファイルに格納する。 ステップS4 データファイルのデータを更新する。 ステップS5 現在の電気抵抗ρd を読み出して値ρd0
にセットする。 ステップS6 時間x後の電気抵抗ρd を読み出して値
ρdxにセットする。 ステップS7 値ρd0と値ρdxとを比較し、値ρd0と値
ρdxとが等しいかどうかを判断する。値ρd0と値ρdx
が等しい場合はステップS8に、等しくない場合はステ
ップS13に進む。 ステップS8 スパークを検出したかどうかを判断す
る。スパークを検出した場合はステップS9に、スパー
クを検出していない場合はステップ10に進む。 ステップS9 ベース電圧VBを低くする。 ステップS10 集塵機本体13(図1)の出口のダス
ト濃度COが目標値CTより大きいかどうかを判断す
る。ダスト濃度COが目標値CTより大きい場合はステ
ップS11に、ダスト濃度COが目標値CT以下である
場合はステップS12に進む。 ステップS11 ベース電圧VBを高くする。 ステップS12 時間xが経過したかどうかを判断す
る。時間xが経過した場合はステップS5に、時間xが
経過していない場合はステップS8に戻る。 ステップS13 値ρdxが1011〔Ω・cm〕以上であ
るかどうかを判断する。値ρdxが1011〔Ω・cm〕以
上である場合はステップS19に、値ρdxが10 11〔Ω
・cm〕より小さい場合はステップS14に進む。 ステップS14 値ρd0が1011〔Ω・cm〕より小さ
いかどうかを判断する。値ρd0が1011〔Ω・cm〕よ
り小さい場合はステップS28に、値ρd0が10 11〔Ω
・cm〕以上である場合はステップS15に進む。 ステップS15 ベース電圧VBを高くし、パルス電圧
VPを0にする。 ステップS16 スパークを検出したかどうかを判断す
る。スパークを検出した場合はステップS17に、スパ
ークを検出していない場合はステップ18に進む。 ステップS17 ベース電圧VBを低くする。 ステップS18 ダスト濃度COが目標値CTより大き
いかどうかを判断する。ダスト濃度COが目標値CTよ
り大きい場合はステップS32に進み、ダスト濃度CO
が目標値CT以下である場合はステップS15に戻る。 ステップS19 値ρd0が値ρdxより小さいかどうかを
判断する。値ρd0が値ρ dxより小さい場合はステップS
20に、値ρd0が値ρdx以上である場合はステップS2
4に進む。 ステップS20 ベース電圧VBを低くし、パルス電圧
VPを高くする。 ステップS21 スパークを検出したかどうかを判断す
る。スパークを検出した場合はステップS22に、スパ
ークを検出していない場合はステップ23に進む。 ステップS22 ベース電圧VBを低くし、パルス電圧
VPを高くする。 ステップS23 ダスト濃度COが目標値CTより大き
いかどうかを判断する。ダスト濃度COが目標値CTよ
り大きい場合はステップS32に進み、ダスト濃度CO
が目標値CT以下である場合はステップS20に戻る。 ステップS24 ベース電圧VBを高くし、パルス電圧
VPを低くする。 ステップS25 スパークを検出したかどうかを判断す
る。スパークを検出した場合はステップS26に、スパ
ークを検出していない場合はステップ27に進む。 ステップS26 ベース電圧VBを低くし、VBを高く
する。 ステップS27 ダスト濃度COが目標値CTより大き
いかどうかを判断する。ダスト濃度COが目標値CTよ
り大きい場合はステップS32に進み、ダスト濃度CO
が目標値CT以下である場合はステップS24に戻る。 ステップS28 ベース電圧VBを高くし、パルス電圧
VPを低くする。 ステップS29 スパークを検出したかどうかを判断す
る。スパークを検出した場合はステップS30に、スパ
ークを検出していない場合はステップ31に進む。 ステップS30 ベース電圧VBを低くし、パルス電圧
VPを高くする。 ステップS31 ダスト濃度COが目標値CTより大き
いかどうかを判断する。ダスト濃度COが目標値CTよ
り大きい場合はステップS32に進み、ダスト濃度CO
が目標値CT以下である場合はステップS28に戻る。 ステップS32 時間xが経過したかどうかを判断す
る。時間xが経過した場合はステップS5に、時間xが
経過していない場合はステップS13に戻る。
【0037】次に、本発明の電気集塵装置の荷電方法に
基づいて行った試験の結果について説明する。図6は本
発明の実施例における電気集塵装置の荷電方法の試験装
置を示す図である。図において、11は微粉炭燃焼炉、
12は集塵機本体13の入口温度をコントロールするた
めの熱交換器、14は排風機、15、16は燃料の微粉
炭を供給するためのテーブルフィーダ、17は連続荷電
用電源、18はパルス荷電用電源、19は荷電制御盤、
20は制御用のコンピュータ、21はダスト濃度計であ
る。
【0038】前記制御用コンピュータ20は、荷電制御
のほか、テーブルフィーダ15、16による微粉炭の供
給量の制御、パルス荷電と連続荷電との切替制御等を行
う。前記テーブルフィーダ15、16は、同一炭単独だ
け供給する場合は一方が駆動され、混炭を供給する場合
は両方が駆動される。混炭の混合比率は、コンピュータ
20からの信号に基づいて図示しないターンテーブルの
回転速度を変化させることによって変えられる。
【0039】この場合、使用した石炭は、A炭、B炭及
びC炭であり、それぞれ微粉炭燃焼炉11において一度
燃焼させ、集塵機本体13によって捕集したダストの電
気抵抗ρd を測定し、その値に基づいて荷電制御を実施
した。各石炭の燃焼時間は、それぞれ2時間とし、A炭
からB炭へ、及びB炭からC炭への切替えを1時間と
し、切替えの際に混合比率を変化させるようにして、図
2に示すような燃焼計画を作成した。
【0040】また、制御周期を10〔min〕及び30
〔min〕とし、該制御周期で時分割し、読み取った電
気抵抗ρd のデータをデータファイルに格納した。ま
た、試験装置においては、パルス荷電・連続荷電共用の
電源に代えて、パルス荷電用電源18及び連続荷電用電
源17を使用し、ダストの電気抵抗ρd が1011〔Ω・
cm〕に達したときにコンピュータ20の信号によって
切り替えるようにした。
【0041】その他の試験条件は、以下のとおりであ
る。 被処理ガスの温度 100〔℃〕 被処理ガスの流量 200〔m3 N/h〕 集塵機本体13の入口のダスト濃度 10〔g/m3 N〕 被処理ガス中の水分 8〔%〕 集塵機本体13の出口のダスト濃度 100〔mg/m3 N〕 制御周期を10〔min〕とした場合、集塵機本体13
の出口のダスト濃度制御を行わなくても、すべての条件
において、出口のダスト濃度を100〔mg/m3 N〕
未満にすることができ、目標が達成された。
【0042】なお、実際の火力発電所においては、試験
装置のように短時間で石炭を切り替えることはなく数日
間かけて切り替えるようにしているので、電気抵抗ρd
の変化は緩慢であり、制御周期を長く設定することがで
きる。なお、本発明は前記実施例に限定されるものでは
なく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可
能であり、これらを本発明の範囲から排除するものでは
ない。
【0043】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、電気集塵装置の荷電方法においては、あらかじめ
設定された燃焼計画に対応させて、被処理ガス中に含ま
れるダストの電気抵抗の経時変化を算出し、制御周期ご
との電気抵抗の値、及び荷電設定値の関係に基づいてパ
ルス荷電と連続荷電との切替え、並びに前記パルス荷電
におけるベース電圧及びパルス電圧を制御する。
【0044】この場合、電気抵抗が変化しないゾーン、
時間の経過と共に電気抵抗が高くなるゾーン及び時間の
経過と共に電気抵抗が低くなるゾーンごとに、パルス荷
電と連続荷電とを切り替えたり、パルス荷電におけるベ
ース電圧及びパルス電圧を高くしたり、低くしたりす
る。したがって、広範囲の電気抵抗を有するダストを効
率良く捕集することができ、集塵性能を高くすることが
できる。
【0045】本発明の他の電気集塵装置の荷電方法にお
いては、さらに、集塵機本体の出口のダスト濃度を検出
し、該ダスト濃度に対応させて前記ベース電圧及びパル
ス電圧を制御する。この場合、ダスト濃度が目標値にな
るまで、パルス荷電におけるベース電圧及びパルス電圧
を高くしたり、低くしたりする。したがって、消費電力
を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における電気集塵装置のブロッ
ク図である。
【図2】本発明の実施例における電気集塵装置の荷電方
法のタイムチャートである。
【図3】本発明の実施例における石炭の炭種と燃焼灰の
電気抵抗との関係を示す図である。
【図4】本発明の実施例における荷電方法の第1のフロ
ーチャートである。
【図5】本発明の実施例における荷電方法の第2のフロ
ーチャートである。
【図6】本発明の実施例における電気集塵装置の荷電方
法の試験装置を示す図である。
【符号の説明】
13 集塵機本体 21 ダスト濃度計 ρd 電気抵抗 CO ダスト濃度 VB ベース電圧 VP パルス電圧

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)あらかじめ設定された燃焼計画に
    対応させて、被処理ガス中に含まれるダストの電気抵抗
    の経時変化を算出し、(b)制御周期ごとの電気抵抗の
    値、及び荷電設定値の関係に基づいてパルス荷電と連続
    荷電との切替え、並びに前記パルス荷電におけるベース
    電圧及びパルス電圧を制御することを特徴とする電気集
    塵装置の荷電方法。
  2. 【請求項2】 集塵機本体の出口のダスト濃度を検出
    し、該ダスト濃度に対応させて前記ベース電圧及びパル
    ス電圧を制御する請求項1に記載の電気集塵装置の荷電
    方法。
JP3575495A 1995-02-23 1995-02-23 電気集塵装置の荷電方法 Pending JPH08229433A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010281554A (ja) * 2009-06-08 2010-12-16 Tokyo Electric Power Co Inc:The 配合計算装置及びプログラム
CN103977899A (zh) * 2014-06-09 2014-08-13 唐山国丰钢铁有限公司 干法除尘高压电场节电控制方法

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JP2010281554A (ja) * 2009-06-08 2010-12-16 Tokyo Electric Power Co Inc:The 配合計算装置及びプログラム
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