JPH0822275B2

JPH0822275B2 - 皮膚電位測定装置

Info

Publication number: JPH0822275B2
Application number: JP62161506A
Authority: JP
Inventors: 毅義則; 正彦伊藤; 知久吉見; 悟児玉
Original assignee: 日本電装株式会社
Priority date: 1987-06-29
Filing date: 1987-06-29
Publication date: 1996-03-06
Anticipated expiration: 2011-03-06
Also published as: JPS645530A

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は皮膚の電位水準を測定する装置に関する。

［従来の技術］皮膚電位水準は、覚醒状態の変化に敏感に反応するも
ので、覚醒時は高く、入眠時に急激に低下し、睡眠中は
低いことが知られている。

この皮膚電位水準を検出することにより、覚醒状態に
あるか否かを知ろうとする要求がある。

この要求の解決に関連して、特開昭60−139539号や、
特開昭60−250287号が公知である。

特開昭60−139539号によれば、手袋の手首の部分に第
１の電極を設け、手袋の指掌部または手掌部に第２の電
極を設け、手袋に装着された検出回路により皮膚電位水
準を検出する手袋が提案されている。

一方、特開昭60−250287号によれば、時計バンドの内
側に第１の電極を設け、指掌部または手掌部に接触する
第２の電極を装着し、時計内部に設けられた検出回路に
より皮膚電位水準を検出する腕時計が提案されている。

［発明が解決しようとする問題点］しかしながら、特開昭60−139539号や、特開昭60−25
0287号の公知技術においては、それぞれの電極と皮膚と
の固定が困難であるため電極と皮膚との密着性が低く、
手首や指を動かすことにより電極と皮膚とが離れるなど
して、皮膚電位水準が大きく変動してしまう問題点があ
る。

また、公知技術に示すものは、第１の電極と第２の電
極が離れているため、手袋により手を覆ったり、第１の
電極および第２の電極から検出回路に通ずるリード線を
手に這わせなければならず、使用者に違和感を与えると
いう問題点があった。

本発明の目的は、体動による皮膚電位水準の変動が微
少であり、かつ使用者に与える違和感を少なくすること
のできる皮膚電位測定装置の提供にある。

［問題点を解決するための手段］本発明は、上記目的を達成するために、生体電極であ
る第１の電極と、生体電極である第２の電極と、前記第
１の電極および前記第２の電極を備え、前記第１の電極
を指の腹に接触させるとともに、前記第２の電極を指の
背に接触させるように指に装着する装着部材と、前記装
着部材に設けられ、前記第１の電極、前記第２の電極間
の皮膚電位水準を検出する検出回路とを具備し、前記装
着部材と前記第１の電極は、前記第１の電極を指の腹に
向けて付勢する弾性部材によって結合されるとともに、
前記装着部材と前記第２の電極は、前記第２の電極を指
の背に向けて付勢する弾性部材によって結合されること
を技術的手段とする。

なお、本発明は、次の態様を採用しても良い。

弾性部材を導電性で設け、第１の電極および第２の電
極と、検出回路とを、電気的に結合する。

［作用および発明の効果］第１の電極が指の腹に、第２の電極が指の背に接触す
るように、装着部材を指に装着することにより、第１の
電極および第２の電極を、皮膚に密着させることができ
る。また、指に腹と指に背との長さは、指の動きに影響
されにくいため、体動による皮膚電位水準の変動を少な
くすることができる。

さらに検出回路、第１の電極および第２の電極は、指
に装着される装着部材に設けられるため、リード線を手
に這わせることなく装着できるとともに、装着部が小さ
いため、使用者に与える違和感を少なくすることができ
る。

なお、体の動きによって装着部材と指とがずれた場合
や、装着部材に外力が加わって装着部材と指とがずれた
場合であっても、第１電極および第２電極がそれぞれ指
から離れず、接触状態が維持される。つまり、第１電極
および第２電極における指の接触面の電位が安定すると
ともに、ノイズ等も発生しづらくなる。この結果からも
安定して正確な皮膚電位の測定を行うことができ、高い
信頼性を確保できる。

一方、弾性部材を導電性で設け、各電極と検出回路と
を電気的に結合することで、各弾性部材に配置されるリ
ード線が不要になるとともに、このリード線と各電極と
を電気的に結合する行程が不要となる。このため、使用
者に装着される側の構造がシンプルとなるとともに、作
りやすくなる。

［実施例］次に本発明の皮膚電位測定装置を自動車の居眠り防止
に適用した実施例を図面に基づき説明する。

第１図〜第３図は本発明の第１実施例を示す。

第１図は本発明の皮膚電位測定装置１の断面図を示
し、第２図は皮膚電位測定装置１を車両の居眠り防止に
用いたブロック図を示す。この皮膚電位測定装置１は、
指の外周に装着する装着部材で、筒方向に短い円筒形状
を呈する指輪２を備える。

この指輪２は、プラスチック等の絶縁体で形成されて
おり、内周の対向する位置に凹部3,4が設けてある。

凹部３は指に腹20（第３図参照）側に設けられてお
り、その凹部３の内部には、電気導伝性の圧縮コイルス
プリング７により指に腹20に押し付けられる第１の電極
５が取り付けられている。なお、この圧縮コイルスプリ
ング７は、第１の電極５と電気的に接続されている。第
１の電極５は、生体電極で銀塩化銀等から成り、指の形
状に対応して湾曲して設けられている。

また、指に背21（第３図参照）側の凹部４の内部に
も、凹部３と同様に、電気導伝性の圧縮コイルスプリン
グ８により指の背21に押し付けられ、圧縮コイルスプリ
ング８と電気的に接続され、湾曲形状を呈した生体電極
である第２の電極６が取り付けられている。

圧縮コイルスプリング7,8は、指輪２にインモールド
されたリード線9,10に接続されている。このリード線9,
10は、指輪２の指の背21側の外周上に設けられた絶縁性
のハウジング11内に配設された検出回路12（第２図参
照）に接続されている。この検出回路12は、第１の電極
５および第２の電極６からの生体電力を受けて、皮膚電
位水準を検出するものである。ハウジング11の内部に
は、検出回路12のほかに検出回路12により処理された皮
膚電位水準を電波により送信する送信部13が設けられて
いる。

送信部13により送られた電波はインストルメントパネ
ル内に設けられた受信部14により受信される。受信部14
により受信された電波は皮膚電位水準に再び変換され、
基準電圧発生回路15の発生する基準電圧と比較回路16に
より比較される。比較回路16は基準電圧より皮膚電位水
準のほうが大きい場合はLowの出力を発生し、皮膚電位
水準が基準電圧以下になるとHiの出力を発生するもので
ある。なお、基準電圧発生回路15の発生する基準電圧
は、可変抵抗17によって覚醒時の皮膚電位水準と睡眠時
の皮膚電位水準のほぼ中間の電圧を生じるように設けら
れている。

比較回路16の出力は、タイマー回路18に接続されてい
る。タイマー回路18は、比較回路16から１分以上継続し
てHiの入力がある時にHiの出力を生じるものである。こ
れは、皮膚電位水準は覚醒時においても短い時間、睡眠
時の水準まで低下することがあり、これによる誤作動を
なくすためである。

タイマー回路18の出力は、クーラー制御回路19に接続
されている。クーラー制御回路19はタイマー回路18がHi
の出力を生じると作動し、図示しない車両用空気調和装
置の冷媒圧縮機、送風機等を作動させて、車室内の冷房
を行うものである。

次に、上記実施例の作動を説明する。

指輪２の外周に設けられたハウジング11が、指の背21
に位置するように、指輪２を使用者の指に装着すること
により、第３図に示すように、皮膚電位測定装置１が使
用者の指に装着される。これにより、第１の電極５が指
の腹20に位置するとともに、第２の電極６が指に背21に
位置する。このとき、第１の電極５は、圧縮コイルスプ
リング７によって指の腹20に押さえ付けられて指の腹20
に密着し、第２の電極６は、圧縮コイルスプリング８に
よって指の背21に押さえ付けられて指の背21に密着す
る。

指の腹20に密接した第１の電極５は、指の腹20に表れ
る生体電力を受け、その電力は、圧縮コイルスプリング
７、リード線９を介してハウジング11内の検出回路12に
印加される。一方、指の背21に密接した第２の電極６
は、指の背21に表れる生体電力を受け、その電力は、圧
縮コイルスプリング８、リード線10を介してハウジング
11内の検出回路12に印加される。検出回路12は、第１の
電極５と第２の電極６との電圧差を皮膚電位水準として
ハウジング11内の送信部13に出力する。送信部13は、検
出回路12の発生した皮膚電位水準を電波に変換して発生
している。

送信部13の発生した電波は、受信部14により受信さ
れ、受信した電波を再び皮膚電位水準に変換して比較回
路16の反転入力端子に出力する。比較回路16は、非反転
入力端子に印加される基準電圧発生回路15より発生した
基準電圧と皮膚電位水準とを比較し、皮膚電位水準が基
準電圧よりも低下することにより、Hiの信号をタイマー
回路18に出力する。タイマー回路18は、比較回路16の発
生するHiの信号が１分以上連続して発生するとクーラー
制御回路19にHiの信号を出力し、比較回路16の出力がLo
wに反転するまで空気調和装置の送風機および冷凍サイ
クルの冷媒圧縮機を作動させ、車室内を冷房する。

このため、例えば使用者が車両運転中に眠気を催し、
指の腹20と背21の間の皮膚電位水準が、基準電圧よりも
１分以上に亘って低下すると、車両のクーラーが作動
し、車室内が冷房される。あるいは使用者に直接冷風が
吹き付けられる。このため、使用者は車室内の冷却、あ
るいは冷風によって覚醒し、安全な運転を続行すること
ができる。

上記に示すように、指輪２は、使用者に装着される部
分が小さく設けることができるとともに、従来のごとく
リード線等を手に這わせる必要がないため、使用者に皮
膚電位測定装置１を装着した違和感を少なくすることが
できる。

また、第１の電極５と第２の電極６とを指の腹20と背
21に装着させることにより、体動の影響を受けることな
く第１の電極５および第２の電極６を指の腹20と指の背
21に密接に装着できる。このため、体動の影響を受ける
ことなく皮膚電位水準を検出することができ、皮膚電位
測定装置１の測定した皮膚電位水準の信頼性を向上させ
ることができる。

（変形例）上記実施例では車両用空気調和装置のクーラーを作動
させることにより、使用者の眠気を覚醒させたが、ブザ
ー、チャイム、合成音声など聴覚的に使用者を覚醒させ
たり、使用者の視覚範囲内にランプ、ディスプレイを設
け、視覚的に使用者を覚醒させたり、あるいは上記を組
み合わせるなどしても良い。

検出回路で検出された皮膚電位水準を無線回路により
比較回路へ出力していたが、検出回路と比較回路をリー
ド線を用いて直接接続しても良い。

また、車両運転者に用いたが、学習中や勤務時間中に
皮膚電位水準が低下した場合に使用者を覚醒させるよう
に設けても良い。

さらに、プラスチックの指輪と電極の間に圧縮コイル
スプリングを設けることで密着性の増大を図ったが、板
バネ、ウレタンフォーム等の弾性部材を用いても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の皮膚電位測定装置の断面図、第２図は
皮膚電位測定装置を用いた居眠り防止装置のブロック
図、第３図は皮膚電位測定装置を指に装着状態の斜視図
である。図中、１…皮膚電位測定装置、２…指輪（装着部材）、
５…第１の電極、６…第２の電極、12…検出回路、20…
指の腹、21…指の背

フロントページの続き (72)発明者児玉悟愛知県刈谷市昭和町１丁目１番地日本電装株式会社内 (56)参考文献特開昭52−54281（ＪＰ，Ａ)

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】（ａ）生体電極である第１の電極と、（ｂ）生体電極である第２の電極と、（ｃ）前記第１の電極および前記第２の電極を備え、前
記第１の電極を指の腹に接触させるとともに、前記第２
の電極を指の背に接触させるように指に装着する装着部
材と、（ｄ）前記装着部材に設けられ、前記第１の電極、前記
第２の電極間の皮膚電位水準を検出する検出回路とを具
備し、前記装着部材と前記第１の電極は、前記第１の電極を指
の腹に向けて付勢する弾性部材材によって結合されると
ともに、前記装着部材と前記第２の電極は、前記第２の電極を指
の背に向けて付勢する弾性部材材によって結合されることを特徴とする皮膚電位測定装置。
【請求項２】前記弾性部材材は、導電性を有し、前記第
１の電極および前記第２の電極と、前記検出回路とを、
電気的に結合することを特徴とする特許請求の範囲第１
項記載の皮膚電位測定装置。