JPH08222678A - リードフレームへの樹脂パターン塗布装置、および該塗布装置を備えた樹脂パターン形成装置 - Google Patents

リードフレームへの樹脂パターン塗布装置、および該塗布装置を備えた樹脂パターン形成装置

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JPH08222678A
JPH08222678A JP2988195A JP2988195A JPH08222678A JP H08222678 A JPH08222678 A JP H08222678A JP 2988195 A JP2988195 A JP 2988195A JP 2988195 A JP2988195 A JP 2988195A JP H08222678 A JPH08222678 A JP H08222678A
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resin
unit
resin pattern
pattern
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JP2988195A
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Inventor
Takeshi Shima
武志 島
Masayuki Tsuchida
雅之 土田
Masaharu Kobayashi
正治 小林
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Tomoegawa Co Ltd
Original Assignee
Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リードフレームに、ダムバー、インナーリー
ド固定樹脂パターンおよび接着用樹脂パターン等の樹脂
パターンを高精度かつ効率的に形成する。 【構成】 互いに平行な一対のガイドプレート13a,
13bの互いの対向する側の上部には、その長手方向
(矢印X方向)に延びるようなガイド溝29a,29b
がそれぞれ形成されている。リードフレーム1はその幅
方向(矢印Y方向)の両端部のみにおいてガイド溝29
a,29bに中空に支持されている。ワーク固定用シリ
ンダ49a,49bにより、リードフレーム1の側端面
を一方のガイドプレート13bに押し付けて固定する。
リードフレーム1の下面は、カム部材51,52により
支持される。基台28には、ニードルを支持する三次元
テーブルが設けられ、予めZ方向に位置決めされたニー
ドルを二次元(X−Y方向)に移動させつつ、その下端
よりリードフレーム1に向けて樹脂を吐出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばICやLSI等
の電子部品の組立て・製造工程において、半導体素子を
載せるリードフレームに関する。詳しくは、リードフレ
ームに樹脂パターンとしてのダムバー(ダム部)や、イ
ンナーリード固定樹脂パターンを形成したり、さらに
は、多層リードフレームを製造する際にリードフレーム
に、ヒートシンクと絶縁を保ちながら接着させるための
接着用樹脂パターンを塗布するための、リードフレーム
への樹脂パターン塗布装置に関する。また、本発明は、
この塗布装置を備え、該塗布装置により所定の樹脂パタ
ーンを塗布されたリードフレームを、順次熱プレスおよ
び加熱硬化させるための樹脂パターン形成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】
(ダムバーについて)ICやLSI等の半導体装置の主
要な構成部品の1つであるリードフレームは、全体とし
て条片状(帯状)をなし、外枠(フレーム本体)間に、
タブ部(アイランド部)とその周囲にあってそれから遠
ざかる方向に延びる複数個のリードピンとからなるリー
ドフレーム要素をフレーム全体の長手方向に並設した構
成になっている。リードフレームは、金属のシート、リ
ボンなどからエッチングあるいはプレス打ち抜き作業に
よって形成される。リードフレームを使用する半導体装
置は、リードフレームに局部的あるいは全体にメッキ等
の表面処理を施し、タブ部上に半導体ペレットを載置固
定しかつ半導体ペレットとリードピンとをボンディング
ワイヤで接続した後、タブ部、半導体ペレット、ボンデ
ィングワイヤ及びリード片のタブ部側を封止部材により
被覆して得られる。そして、封止部材としては樹脂が広
く使用されている。
【0003】樹脂封止される半導体装置に使用されるリ
ードフレームでは、樹脂封止時にリードピン相互間から
樹脂が流出するのを防止するために、リードピン相互間
を連結するためのダム部を設ける必要がある。このダム
部は、これまで前述の打ち抜き等により形成され、金属
からなっているので、樹脂封止後除去しなければならず
(除去しないと、特性測定等が不可能である)、これが
半導体装置作製時の作業性を悪くしていた。また、これ
はリードフレームの設計上及び半導体装置の自動製作ラ
インの設計上の問題点となっていた。
【0004】そこで、上記のような、一対の外枠間にこ
の外枠の長手方向に並設した複数のリードフレーム要素
と、各リードフレーム要素においてリードピン相互を連
結するためのダム部とを具備するものにおいて、前記ダ
ム部を樹脂により形成したことを特徴とするリードフレ
ームが提案されている(例えば、特開昭55−2118
号公報、特開平3−136267号公報、特開平4−3
36459号公報参照)。
【0005】上記のようなダム部(ダムバーともいう)
を樹脂で形成するには、リードフレームへの樹脂材料の
塗布を、ディスペンサーとXYテーブルにより行う。す
なわち、XYテーブル上の受け板にリードフレームを搭
載し、XYテーブルを駆動しつつ、ディスペンサーより
樹脂材料を吐出することにより、リードフレーム上に所
定の樹脂パターンとしてのダム部を塗布する(例えば、
特開平4−336459号公報参照)。また、特開平3
−136267号公報には、リードフレームに金属ダム
バーを設けずに、ダムバー位置付近にポリイミドテープ
を貼り付け、これを押圧してリードピンの間に埋め込ん
でダムバーの機能を持たせ、ダムバー除去の工程を削除
する試みが開示されている。
【0006】(インナーリード固定樹脂パターンについ
て)リードフレームは、薄い帯状金属板が、フォトエッ
チングやプレス加工により、多数のピン(リード片)を
持つ所定の形状に形成されている。このリードフレーム
は、近時半導体素子がますます集積化するに伴い、同様
に細密化して各ピンも細長くかつ薄くなってきている。
このため、IC等の組立・製造工程において、リードフ
レームの搬送や加工中にリードフレームのピンが変形し
たり不揃いになることが多く、この場合、チップボンデ
ィングやワイヤボンディング時の作業性が悪く、また歩
留まりも低くなる。そこで、リードフレームの各ブロッ
クにおいて、多数のピンが変形したり不揃いになること
を防止するため、従来一般には、リードフレームの各イ
ンナーリード部上および各リード部間に、耐熱性、高純
度、不電導性を有するとともに線膨張率の小さい硬化性
樹脂材料を、細帯状に塗付け・硬化させてなるリード保
持部を形成することが試みられている(例えば、特開昭
63−258051号公報、特開昭64−81260号
公報参照)。
【0007】上記のようなリード保持部(インナーリー
ド固定樹脂パターン)を樹脂で形成するには、上記ダム
バーと同様に、リードフレームへの樹脂材料の塗布を、
ディスペンサーとXYテーブルにより行う。すなわち、
XYテーブル上の受け板にリードフレームを搭載し、X
Yテーブルを駆動しつつ、ディスペンサーよりリードフ
レーム上に樹脂材料を吐出することにより、所定の樹脂
パターンを塗布して、各インナーリード部を連絡する。
【0008】(多層リードフレームの接着用樹脂パター
ンについて)さらに、多層リードフレームの場合、例え
ばヒートシンクとリードフレームを絶縁を保ちながら接
着させる場合、ポリイミドフィルムを中心層とし、上下
に電気的信頼性が高くかつ発生ガスの少ない接着剤を塗
布した3層構造のテープを使用していた。これは、工程
が複雑になるため、多層リードフレームの低コスト化が
困難であり、このため、ヒートシンクとリードフレーム
を接着させる場合に使用できるような装置の開発が要望
されていた。また、LOC構造やCOL構造などのよう
にリードピンと半導体チップ本体を接着するために、電
子部品用両面接着テープが用いられていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような、ダムバー塗布やインナーリード固定樹脂パター
ン塗布のための塗布装置は、上述のとおり、図40に示
すように、リードフレーム1をその下面が一様に接触す
るように受け板5c上に搭載した状態で、リードフレー
ム1の各リードピン6上に樹脂材料5を塗布するもので
ある。このため、リードフレーム1と受け板5cとの間
における毛細管現象により、リードフレーム1に塗布し
た樹脂材料5が、リードピン6間を通って、符号5bで
示すようにリードフレーム1の裏面(下面)に回り込
み、汚染の原因となっている。これにより、樹脂パター
ンの形状がリードフレームにより一定にならず、結果的
に、樹脂パターンの形状の精度が低下し、その機能が果
たせなくなるという問題点がある。また、リードフレー
ムをXY方向のみに移動させるものなので、この移動機
構が大型化するばかりか、ディスペンサーをリードフレ
ームに対してZ方向に位置決めできないという問題点も
ある。さらに、上記各公報には、塗布装置のみが開示さ
れているにすぎず、他の後工程の装置構成については何
等言及がない。このため、樹脂パターンの形状保持や酸
化等が生じる等の問題点がある。一方、ダムバー位置付
近にポリイミドテープを貼り付け、これを押圧してリー
ドピン間に埋め込むことにより、ダムバーの機能を持た
せ、ダムバー除去の工程を削除する技術については、テ
ーピング温度や圧力、ポリイミド樹脂の硬化条件等が厳
しく、リードフレーム等の金属材料を損傷する恐れがあ
る。また、リードピン上に残ったポリイミド材料によっ
て、樹脂モールド時にリードピンに余分な応力が加わ
り、アウターリードのバタツキ等が発生する課題を解決
していないため、殆ど実用化されていないのが現状であ
る。
【0010】さらに、多層リードフレームの場合、例え
ばヒートシンクとリードフレームを絶縁を保ちながら接
着させるために、ポリイミドフィルムを中心層とし、上
下に電気的信頼性が高くかつ発生ガスの少ない接着剤を
塗布した3層構造のテープを使用すると、工程が複雑に
なるため多層リードフレームの低コスト化が困難であっ
た。このため、ヒートシンクとリードフレームを接着さ
せる場合に使用できるような樹脂パターン形成装置の開
発が要望されていた。また、LOC構造やCOL構造な
どのようにリードピンと半導体チップ本体を接着するた
めに、電子部品用両面接着テープを用いるものは、テー
ピング時の圧力、温度および衝撃がチップに加わる点
や、低コスト化しにくい等の問題点がある。
【0011】本発明は、上記従来技術の有する問題点に
鑑みてなされたものであり、リードフレームに、ダムバ
ー、インナーリード固定樹脂パターンおよび接着用樹脂
パターン(接着層)等の樹脂パターンを、汚染を生じる
ことなく、高精度な形状に塗布できる樹脂パターン塗布
装置を提供することを目的としている。また、本発明
は、上記目的の他に、リードフレームの酸化等を防止で
き、かつリードフレーム上に樹脂パターンを効率的に形
成できて、生産性が向上するリードフレームへの樹脂パ
ターン形成装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の、複数のリードフレーム要素を有するリード
フレームを、その幅方向の両側部のみにおいてそれぞれ
支持するための一対のガイド部材と、該一対のガイド部
材に支持されたリードフレームの各リードフレーム要素
上に、所定の樹脂パターンを塗布するための塗布ユニッ
トとを備えてなることを特徴とするものである。
【0013】また、前記塗布ユニットは前記リードフレ
ームにペースト状の樹脂を吐出するためのニードルを有
するディスペンスユニットであり、該ディスペンスユニ
ットは、前記一対のガイド部材に支持された前記リード
フレームの面に対して垂直な方向に位置決めされ、かつ
前記リードフレームの面方向に沿う二次元方向に所定の
パターンに従って移動されるものや、前記樹脂パターン
の塗布に先立ってあるいは定期的に、樹脂の空吐出を行
うために、前記ニードルによる樹脂パターン塗布領域以
外の捨て書き領域に設けられた捨て書き用シート部材を
備えているものや、一対のガイド部材に両端部が支持さ
れたリードフレームの、前記樹脂パターンの塗布部位以
外の下面を支持するための下面支持部材を備えているも
のとすることができる。
【0014】本発明の、リードフレームへの樹脂パター
ン形成装置は、複数のリードフレーム要素を有するリー
ドフレーム上に樹脂を所定のパターンに従って塗布した
後に、リードフレームを熱プレスして、さらに加熱硬化
させるための樹脂パターン形成装置であって、リードフ
レームを複数枚縦積み状態で収納可能な第1のマガジン
を装着するためのロード部と、前記ロード部の前記第1
のマガジンより搬送されてくるリードフレームの各リー
ドフレーム要素上に、ペースト状の樹脂を所定のパター
ンに従って塗布するための、本発明のパターン塗布装置
と、前記パターン塗布装置より搬送されてくるリードフ
レームを、その上下面より一対の平板状の熱プレス板に
より熱プレスするための熱プレス部と、前記熱プレス部
より搬送されてくるリードフレームを、加熱することに
より、前記樹脂パターンを硬化させるためのキュアー部
と、前記キュアー部より搬送されてくるリードフレーム
を縦積み状態で複数枚収納可能な第2のマガジンを装着
するためのアンロード部と、前記ロード部の前記第1の
マガジンから、リードフレームを一枚ずつ、前記パター
ン塗布装置と、前記熱プレス部、前記キュアー部および
前記第2のマガジンに順次搬送させるための搬送手段
と、を備えていることを特徴とするものである。ここ
で、前記キュアー部は、リードフレームを加熱不活性ガ
ス炉内あるいは加熱還元性ガス炉内で移動させた後、さ
らに冷却炉内で移動させるものとすることができる。
【0015】また、前記パターン塗布装置と前記熱プレ
ス部との間に、樹脂パターンを加熱乾燥させることによ
り、前記樹脂パターン中の揮発成分を揮発させるための
乾燥部が設けられている。ここで、前記乾燥部は、リー
ドフレームにその上方より加熱不活性ガスを吹き付ける
ガス吹き付けユニットである。さらに、前記熱プレス部
は、前記一対の熱プレス板によりリードフレームをその
上下面よりそれぞれ離型フィルムを介して熱プレスする
ものであり、前記上下面のそれぞれの離型フィルムは、
それぞれ繰り出しおよび巻取りローラからなる上下一対
のフィルム搬送手段により送られ、該一対のフイルム搬
送手段は、前記リードフレームを前記上下面の離型フィ
ルムにより挾んだ状態で前記上下面の離型フィルムをぞ
れぞれ送ることにより、前記リードフレームを前記キュ
アー部に向けて搬送するものである。そして、前記熱プ
レス部は、上面側の離型フィルムの、リードフレームか
ら剥離する部分の上面に、冷却空気を吹き付けるための
エアーブロー部材を備えている。
【0016】
【作用】上記のとおりに構成された請求項1に記載の発
明では、リードフレームを、その両側部のみにおいてそ
れぞれ一対のガイド部材により支持した状態で、各リー
ドフレーム要素上に樹脂パターンを塗布する。これによ
り、リードピンの下面部において毛細管現象が発生せ
ず、結果的に、樹脂がリードピン間を通ってリードフレ
ームの裏面に回り込むことがない。
【0017】請求項2に記載の発明のように、ディスペ
ンスユニットのニードルを、リードフレームに対してそ
の面方向と垂直な方向に位置決めし、ニードルをリード
フレームの面方向に所定のパターンにしたがって移動さ
せつつ、ニードルより樹脂をリードフレームに向けて吐
出する。このように、ニードル先端とリードフレームと
の距離を設定した後に、樹脂パターンと塗布することに
より、樹脂パターンの幅や高さ等の精度が向上する。
【0018】請求項3に記載の発明では、ニードルに主
に樹脂が乾燥したことによって生じたカスや汚れを取り
除くために、前記樹脂パターンの塗布に先立ってあるい
は、ニードルから、捨て書き領域に設けられた捨て書き
用シート部材に樹脂を空吐出(クリーニングショット)
することにより、ニードル先端の汚染等による吐出不良
が阻止される。
【0019】請求項4に記載の発明のように、パターン
塗布部において、一対のガイド部材に両端部が支持され
たリードフレームの、前記樹脂パターンの塗布部位以外
の下面を下面支持部材により支持することにより、リー
ドフレームの撓みが阻止される。
【0020】請求項5の、本発明のリードフレームへの
樹脂パターン形成装置においては、先ず、帯状のリード
フレームを第1のマガジンに複数枚縦積み状態で収納
し、この第1のマガジンを樹脂パターン形成装置のロー
ド部に装着する。また、空の第2のマガジンを樹脂パタ
ーン形成装置のアンロード部に装着する。
【0021】ここで、例えば運転ボタンを押して樹脂パ
ターン形成装置を起動すると、第1のマガジンから一枚
のリードフレームがパターン塗布部に搬送される。この
パターン塗布部では、リードフレームはその両側部のみ
においてそれぞれ一対のガイド部材に支持され、リード
フレームの他の部分は非接触になっている。すなわち、
リードフレームは中空状態で支持されている。この状態
で、リードフレーム上に熱硬化性樹脂を塗布して所定の
樹脂パターンを設ける。このとき、リードフレームは中
空状態で支持されているので、リードフレーム下部にお
いて毛細管現象が起こらず、これにより、リードフレー
ムに塗布した樹脂材料が、リードピン間によりリードフ
レームの裏面(下面)に回り込むことはない。
【0022】パターン塗布後、加熱により樹脂パターン
を乾燥させたら、リードフレームは熱プレス部へ搬送さ
れる。ここでは、リードフレームは、その上下面より一
対の平板状の熱プレス板により熱プレスされ、これによ
り、リードピン間に樹脂パターンが押込まれるととも
に、樹脂パターンの厚さや形状は目的のものに設定され
る。
【0023】熱プレス後、リードフレームはキュアー部
に搬送される。ここでは、リードフレームは例えば加熱
ガス炉内で移動されることにより(赤外線やヒートシン
クによる加熱方式を採用してもよい)、樹脂パターンを
硬化させることができる。なお、請求項6のように、加
熱媒体として加熱不活性ガスあるいは加熱還元性ガスを
用いることにより、リードフレームの加熱による酸化を
阻止することができる。なお、リードフレームに鉄ニッ
ケル合金等の酸化しにくい材料を使用する場合には、不
活性ガス以外のガスを用いることができる。
【0024】キュアー後、リードフレームは第2のマガ
ジンへ搬送されて収納される。上述した動作が複数回
(第1のマガジン内のリードフレームの数だけ)連続的
に繰り返されて、第1のマガジンから一枚ずつリードフ
レームが繰り出され、パターン形成後第2のマガジンに
収納される。本発明では、各工程はそれぞれ独立して行
うため、ある工程が行われている間に、その前段の工程
および後段の工程も同時に行うようにすると、製造効率
は向上することになる。第1のマガジンが空になった
ら、新たなリードフレームを収容する第1のマガジンを
ロード部に装着し、新たな空の第2のマガジンをアンロ
ード部に装着する。
【0025】請求項7に記載の発明では、乾燥部におい
て、パターン塗布後の樹脂パターンを乾燥させることに
より、前記樹脂パターン中の揮発成分を揮発させ、樹脂
パターン乾燥後のリードフレームを待機させることなく
直ちに熱プレス部に搬送することができる。なお、請求
項8の発明のように、加熱媒体として加熱不活性ガスあ
るいは加熱還元性ガスを用い、これをパターン塗布後の
リードフレームにその上方より一様に吹き付けることに
より、リードフレームの加熱による酸化を阻止すること
ができる。また、赤外線やヒートシンクによる加熱方式
を採用してもよい。
【0026】請求項9に記載の発明では、熱プレス後
に、それぞれ繰り出しおよび巻取りロールからなる上下
一対のフィルム搬送ロールを駆動することにより、リー
ドフレームは離型フイルムに追従してキュアー部側に向
けて搬送される。
【0027】請求項10に記載の発明では、熱プレス後
に、樹脂パターンを急速に室温付近に冷却して、樹脂パ
ターンを固化させることにより、リードフレームの上面
から剥離する離型フィルムに、前記樹脂パターンの樹脂
が付着しない。
【0028】
【実施例】次に、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。図1は本発明の、リードフレームへの樹
脂パターン形成装置の一実施例の正面図、図2は図1の
平面図(上面図)、図3は図1の左側面図、図4は本発
明装置により得られたリードフレームの平面図、図5は
本発明装置によりリードフレームに樹脂パターンを塗布
している状態を示す斜視図、図6(a)はリードフレー
ムの樹脂パターン塗布後で熱プレス前の断面図、図6
(b)はリードフレームの熱プレス後の断面図である。
【0029】先ず、図4に示すように、ICやLSI等
の半導体装置の主要な構成部品の一つであるリードフレ
ーム1は、全体として条片状(帯状金属板)をなし、略
平行をなして長手方向に延びる外枠2a,2bと、外枠
2a,2b間に4本の連結片3により支持されたタブ部
4(アイランド部)と、タブ部4を中心にそれから離れ
その周囲に設けられた、外枠2a,2bに連結片により
支持された複数個のリードピン6と、リードピン6のイ
ンナーリード6aとアウターリード部6bとの間の箇所
においてリードピン6相互を連結するダム部7から構成
されている。すなわち、タブ部4とその周囲にあってそ
れから遠ざかる方向に延びる複数本のリードピン6とか
らなるリードフレーム要素8(本実施例では4つある)
を外枠2a,2b(フレーム本体)の長手方向(矢印X
方向)に並設した構成になっている。ダム部7は、後述
する本発明装置により全体として枠状に形成された樹脂
パターン(図5中、符号5参照)から成り、リードピン
6のほぼ同じ厚さに形成されている(図6(a)参
照)。なお、符号1a,1bはそれぞれリードフレーム
1の前端縁、後端縁を示し、符号9は、リードフレーム
1に形成された後述する位置決め用孔を示している。
【0030】このようなリードフレーム1は、金属のシ
ート、リボン等からエッチングあるいはプレス打ち抜き
作業によって形成される。リードフレーム1を使用する
半導体装置は、金属のシート、リボンから形成されたリ
ードフレームに局部的あるいは全体にメッキ等の表面処
理を施し、タブ部4上に半導体ペレットを載置固着しか
つ半導体ペレットとリードピン6とをボンディングワイ
ヤで接続した後、タブ部4、半導体ペレット、ボンディ
ングワイヤおよびリードピン6のタブ部4側を樹脂によ
り被覆封止して得られる。樹脂封止される半導体装置の
リードフレーム1では、樹脂封止時にリードピン6相互
を連結するダム部7を設ける必要がある。本実施例の装
置は、このダム部7を樹脂パターンにより形成するもの
である。なお、後述するが、本発明は、ダム部(ダムバ
ー)7の形成に限らず、インナーリード固定樹脂パター
ンKを形成したり、さらには、図38に示すように、多
層リードフレームを製造する際にリードフレームのリー
ドピン300に、ヒートシンク1000と絶縁を保ちな
がら接着させるための絶縁接着層900を形成する装置
にも適用できる。
【0031】次に、本実施例の樹脂パターン形成装置の
構成について説明する。先ず、樹脂パターン形成装置の
全体構成について、図1乃至図3に示すように、この樹
脂パターン形成装置の主な構成ユニットは、後述する各
構成ユニットを支持する装置フレーム(装置本体)10
と、被加工物(ワーク)である帯状のリードフレーム1
を複数枚縦積み状態で収納可能な第1のマガジン11を
装着するためのロード部12と、ロード部12に装着さ
れた第1のマガジン11より搬送されてくるリードフレ
ーム1を、その長手方向全域で両側部のみにおいてそれ
ぞれ支持するための一対のガイドプレート(ガイド部
材)13a,13bを備え、該一対のガイドプレート1
3a,13bに支持されたリードフレーム1上にペース
ト状の熱硬化性樹脂を吐出して所定の樹脂パターン(図
5中、符号5参照)を塗布するためのパターン塗布部1
4と、パターン塗布部14より搬送されてくるリードフ
レーム1に、その上方より加熱不活性ガスを吹き付ける
ことにより、前記樹脂パターン中の揮発成分を揮発させ
るための乾燥部15と、乾燥部15より搬送されてくる
リードフレーム1をその上下面より一対の平板状の上部
および下部熱プレス板16a,16bにより熱プレスす
るための熱プレス部17と、熱プレス部17より搬送さ
れてくるリードフレーム1を、加熱不活性ガス炉18内
で移動させることにより、前記樹脂パターンを硬化させ
るためのキュアー部19と、キュアー部19より搬送さ
れてくるリードフレーム1を縦積み状態で複数枚収納可
能な第2のマガジン20を装着するためのアンロード部
21とである。
【0032】また、この樹脂パターン形成装置は、上記
第1のマガジン11よりリードフレーム1を、一枚ずつ
繰り出して各ユニット14,15,17,19を順次通
過させて各工程を終了した後に、第2のマガジン20に
収納するための搬送手段を備えている。この搬送手段
は、第1のマガジン11よりリードフレーム1を一枚ず
つパターン塗布部14に搬送し、塗布後に、パターン塗
布部14よりリードフレーム1を一枚ずつ乾燥部15に
搬送するための第1の搬送部22と、乾燥部15よりリ
ードフレーム1を一枚ずつ熱プレス部17に搬送するた
めの第2の搬送部23と、熱プレス部17よりリードフ
レーム1を一枚ずつキュアー部19に搬送するための第
3の搬送部24と、キュアー部19よりリードフレーム
1を一枚ずつ後述する第5の搬送部26に搬送するため
の第4の搬送部25と、第4の搬送部25より受けたリ
ードフレーム1を第2のマガジン20に搬送するための
第5の搬送部26(前半部26aと後半部26bからな
る)とから構成されている。
【0033】次に、樹脂パターン形成装置の各構成ユニ
ットの詳細構造について順次説明する。 (ロード部12について)図1乃至図3に示すように、
ロード部12は、ワークであるリードフレーム1の供給
部であって、第1のマガジン11を装着して昇降させる
ためのシリンダ等の昇降装置27を備えている。第1の
マガジン11は略筐体形状を有し、複数枚のリードフレ
ーム1を間隔をおいてかつそれぞれ水平方向に平行にな
るように縦積み(上下方向に並んで積層)できるよう
に、リードフレーム1の幅方向両端部を支持するた め
の複数の仕切り板(不図示)を有している。昇降装置2
7を起動して、第1のマガジンを11をリードフレーム
1の1ピッチずつ間欠的に下方へ移動させることによ
り、第1のマガジン11より取り出すべきリードフレー
ム1を順次、取り出し位置(搬出位置)まで上下方向
(矢印Z方向)に位置決めすることができる。
【0034】(パターン塗布部14について)図7はパ
ターン塗布部の正面図、図8は図7の平面図(上面
図)、図9は図5の左側面図、図10はパターン塗布部
における搬送系の正面図、図11は図10の平面図(上
面図)、図12は図11のA−A線断面図、図13は捨
て書き用フィルム(捨て書き用シート部材)およびその
送り系を示す図である。先ず、図10および図11に示
すように、装置フレーム10(図1参照)には基台28
が固定されており、この基台28の上面には、リードフ
レーム1の搬送方向(矢印X方向)に延びるように、一
対のガイドプレート13a,13bがねじ30等の手段
により固定されている。この一対のガイドプレート13
a,13bは乾燥部15(図1参照)の出口まで延在し
ている。一対のガイドプレート13a,13bの互いの
対向する側の上部には、その長手方向に延びるようなガ
イド溝29a,29bがそれぞれ設けられており、リー
ドフレーム1はその幅方向(矢印Y方向)の両端部のみ
においてガイド溝29a,29bに支持され、その他の
部位は非接触となっている(すなわち、リードフレーム
1は中空状態で支持される)。一対のガイドプレート1
3a,13bのうち一方のガイドプレート13aは、ね
じ30が貫通する長孔31により、矢印Y方向の位置を
変更できるように構成され、これにより、幅寸法の異な
るリードフレーム(ワーク)にも対応できる。
【0035】第1の搬送部22については、符号32
は、基台28に固定されたワーク搬送用モータを示し、
このワーク搬送用モータ32の出力軸は移動体58に接
続されて、移動体58を矢印X方向に移動させる。移動
体58には、一対のガイドプレート13a,13b間に
矢印X方向に移動自在に設けられたワーク搬送用プレー
ト33が一体的に設けられている。ワーク搬送用プレー
ト33の先端には、折曲げ等によりワークフック部(係
合部)33aが一体的に設けられている。ワーク搬送用
モータ32によりワーク搬送用プレート33を第1のマ
ガジン11側(反矢印X方向)に移動させて、その先端
部を第1のマガジン11内に差し入れ、さらに、ワーク
搬送用プレート33を矢印X方向に移動させる。これに
より、リードフレーム1の後端縁1b(図4参照)にワ
ークフック部33aを引っ掛けて、リードフレーム1を
第1のマガジン11より取り出して、パターン塗布部1
4における所定のパターン塗布位置に搬送することがで
きる。また、移動体58にはシリンダ86が一体的に設
けられており、このシリンダ86のロッドには上方に突
出可能なピン86aが設けられている。そして、ワーク
搬送用プレート33によるリードフレーム1の第1のマ
ガジン11からの取り出しと同時に、シリンダ86によ
りピン86aを突出させて、ピン86aにより樹脂パタ
ーン塗布後のリードフレーム1の後端縁1b(図4参
照)を矢印X方向に押すことにより、このリードフレー
ム1を乾燥部15まで搬送させることができる。
【0036】符号49a,49b,49cは一方のガイ
ドプレート13aに設けられたワーク固定用シリンダを
示している。このワーク固定用シリンダ49a,49
b,49cは、それぞれのロッド50a,50b,50
cにより、一対のガイドプレート13a,13bに支持
されたリードフレーム1の一方の側端面を押すことで、
リードフレーム1の他方の側端面を他方のガイドプレー
ト13bに押し付けることができる。これにより、前記
所定のパターン塗布位置においてリードフレーム1は固
定されることになる。また、パターン塗布位置にあるリ
ードフレーム1の下面は、その撓みを防止するために、
下面支持部材としてのカム部材51,52により支持さ
れる。すなわち、符号53,54はカム回転駆動用モー
タを示しており、このカム回転駆動用モータ53,54
の回転軸にはそれぞれカム部材51,52が一体的に設
けられている。カム部材51,52は、図14(a),
(b)にその拡大図を示すように、前記回転軸に固定さ
れる基部51a,52aと、この基部51a,52aと
一体の略円筒状のカム部51b,52bとから構成され
ている。カム回転駆動用モータ53,54によりカム部
材51,52を、基部51a,52aの軸線回りの回転
位置を変更させることで、カム部51b,52bをリー
ドフレーム1の下面に当接させて支持し、リードフレー
ム1の撓みを防止することができる。なお、ワーク固定
用シリンダ49a,49b,49cによるリードフレー
ム1の固定や、カム部材51,52によるリードフレー
ム1の下面支持は、樹脂パターン塗布の際にのみ行わ
れ、リードフレーム1のパターン塗布部14への搬入の
際や乾燥部15への搬出の際には行われない。なお、下
面支持部材としては上記のようなカム部材51,52に
限らず、通常のピン部材を上下に駆動する構成としても
よい。
【0037】パターン塗布部14については、図7乃至
図9、および図11に示すように、基台28には公知の
三次元テーブルが設けられている。すなわち、基台28
にはX軸ステージ34が矢印X方向に移動可能に設けら
れており、このX軸ステージ34はX軸駆動用モータ3
5により矢印X方向に駆動される。また、X軸ステージ
34にはY軸ステージ36が矢印Y方向に移動可能に搭
載され、このY軸ステージ36はY軸駆動用モータ37
により駆動される。さらに、Y軸ステージ36にZ軸ス
テージ38が矢印Z軸方向に移動自在に搭載され、この
Z軸ステージ38はZ軸駆動用モータ39により駆動さ
れる。これらのモータ35,37,39は、後述するデ
ィスペンサーコントローラ57により駆動制御される。
【0038】Z軸ステージ38には、カートリッジホル
ダ40,41にそれぞれ保持された2つのディスペンス
シリンジ42,43が設けられており、一方のディスペ
ンスシリンジ43は、他方のディスペンスシリンジ42
に対して、それぞれX軸、Y軸およびZ軸マイクロメー
タ44,45,46により、X軸方向、Y軸方向および
Z軸方向に位置調整されるように構成されている。ディ
スペンスシリンジ42,43はその内部にペースト状の
樹脂(本実施例では熱硬化性樹脂)をそれぞれ収容し、
下端のニードル47,48により熱硬化性樹脂を下方へ
向けて吐出することができる。符号55a,55bはニ
ードル47,48のZ方向の位置を検出をするための投
光部、受光部を示し、このニードル位置検出センサ55
a,55bからの信号により後述するディスペンサーコ
ントローラ57は、ニードル47,48による樹脂吐出
に先だって、ニードル47,48のZ方向についての零
点調整を行う。なお、二点鎖線の符号E(図8参照)は
ニードル47の移動可能範囲をしている。上記の構成に
より、前記パターン塗布部14は、三次元方向に移動お
よび位置決めされ、かつ熱硬化性樹脂をリードフレーム
1に向けて吐出するためのニードル47,48を有する
ディスペンスユニットを備えたものである。
【0039】再び、図1に示すように、符号56aはリ
ードフレーム1の位置検出用カメラ(CCDカメラ)を
示し、この位置検出用カメラ56aはリードフレーム1
の位置決め用孔9(図4参照)をパターン認識して、リ
ードフレーム1の適正な位置に対するX−Y方向の位置
ずれを確認するものである。ディスペンサーコントロー
ラ57は、位置検出用カメラ56aから検出値を得て、
これによりニードル47,48を位置制御するためのプ
ログラム上のX−Y方向の零点調整を行い、ニードル4
7,48のリードフレーム1に対するX−Y方向の位置
合せをすることができる。なお、符号56bはニードル
47,48のX−Y方向の相対的な位置調整を行う際
に、ニードル48のニードル47に対する位置を検出す
るためのカメラを示している。そして、ニードル47の
ニードル48に対する相対位置がずれている場合には、
前記ディスペンサーコントローラ57はニードル48の
位置調整を行う。
【0040】パターン塗布部14は、リードフレーム1
への樹脂パターン塗布に先立ってあるいは定期的に、樹
脂パターン塗布領域以外の領域に設けられた捨て書き用
フィルム(捨て書き用シート部材)59を備えている。
すなわち、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム
である捨て書き用フィルム59は、繰り出しローラ60
および巻取りローラ61に掛け渡され、この捨て書き用
フィルム59は、捨て書き領域に回転自在に設けられた
ローラ62に掛け渡されている。符号63a,63bは
テンションローラを示している。ニードル47,48に
よるリードフレーム1への樹脂パターン塗布に先立っ
て、ニードル47,48をローラ62に対向する位置に
移動させ、樹脂を吐出することにより、ニードル47,
48先端に主に樹脂が乾燥したことによって生じたカス
や汚れを取り除くことができる。
【0041】(乾燥部15について)パターン塗布部1
4により樹脂パターンを塗布されたリードフレーム1
は、乾燥部15により、乾燥される。すなわち、図15
および図16に示すように、乾燥部15は窒素ガス吹き
付けユニット64を備え、この窒素ガス吹き付けユニッ
ト64は、一対のガイドレール13a,13b(例えば
図9参照)の所定のパターン塗布位置に幅方向両端部に
おいて支持されたリードフレーム1の上面に、斜め上方
より加熱された窒素ガスを一様に吹き付けるためのもの
である。これにより、樹脂パターン(図5中、符号5参
照)中の揮発成分を揮発させることができる。なお、空
気による熱風加熱や赤外線加熱による方法によりリード
フレーム1を加熱乾燥させてもよい。乾燥工程は、樹脂
パターンに溶剤分が含まれる場合、それをある程度除去
するために行われ、また、溶剤分を含まない場合ある程
度のプリプレグ状態を得る目的で行うものである。但
し、樹脂パターン塗布後のリードフレームの放置等によ
り溶剤がある程度揮発した場合や、放置等によりプリプ
レグ状態が得られた場合には、乾燥工程を省略すること
ができる。なお、前記プリプレグ状態とは、熱硬化性樹
脂が見かけ上固まっているがほとんど反応が進んでいな
い半硬化状態のことをいい、このため、後工程(プレス
工程)において加熱等により樹脂パターンが再び軟化し
て、接着させることや形状を変えることが可能である。
【0042】乾燥工程後に、リードフレーム1は第2の
搬送部23により後述する熱プレス部17a,17b間
に搬送される。この第2の搬送部23については、符号
137は装置フレーム10(図1参照)に固定されたモ
ータを示し、このモータ137の動力はベルト138を
介してシリンダ139を矢印X方向に移動させるように
伝動される。シリンダ139のロッドにはピン140が
下方へ突出可能に設けられている。このピン140を下
方へ突出させて乾燥後のリードフレーム1の後端縁1b
(図4参照)に当てるとともに、モータ137を起動し
てシリンダ139を矢印X方向に移動させることによ
り、ピン140によりリードフレーム1を矢印X方向に
押して移動させ、後述する上部および下部熱プレス部1
7a,17bの離型フィルム74,90間に搬送させる
ことができる。
【0043】(熱プレス部17について)熱プレス部1
7(図1および図2参照)は、リードフレーム1の搬送
経路上方に設けられた上部熱プレス部17aと、リード
フレーム1の搬送経路下方に設けられた下部熱プレス部
17bにより構成されている。図17は上部熱プレス部
の正面図、図18は図17の左側面図、図19は図17
の平面図(上面図)、図20は上部熱プレス部の中央部
の縦断面図、図21は図17に示した冷却空気吹き付け
部の拡大側面図である。先ず、上部熱プレス部17aに
ついては、図17乃至図21に示すように、上部固定フ
レーム65には、上部プレス支持フレーム67が2本の
レール部材66a,66bを介して鉛直方向(矢印Z方
向)に移動自在に支持されている。この上部プレス支持
フレーム67はプレス時およびその解除時に、上部固定
フレーム65に固定された上部フレーム駆動用シリンダ
68により駆動される。なお、符号68aは、上部フレ
ーム駆動用シリンダ68のロッドと上部プレス支持フレ
ーム67とを連結するためのブラケットを示している。
また、上部プレス支持フレーム67には、後述する上部
熱プレス板16aを鉛直方向(矢印Z方向)に駆動させ
るための上部プレスシリンダ70が固定されている。上
部熱プレス板16aは、上部プレスシリンダ70によっ
て駆動される基部板71と、基部板71にねじ等により
容易に着脱自在に取り付けられたプレスアタッチメント
板72とから構成され、基部板71とプレスアタッチメ
ント板72との間には、プレスアタッチメント板72を
加熱するためのヒータ73が設けられている。
【0044】プレス支持フレーム67の上部両側には、
離型フィルム74の繰り出しおよび巻取りローラ75,
76がそれぞれ設けられている。繰り出しおよび巻取り
ローラ75,76は、それぞれモータ77a,77bに
よって回転駆動され、これにより、離型フィルム74を
繰り出しローラ75から、2つのガイドローラ78a,
78bを通して巻取りローラ76へ送ることができる。
一方のガイドローラ78aは回転自在(フリーの状態)
であるが、他方のガイドローラ78bはモータ77cに
よって駆動されるように支持されており、前記送られる
離型フィルム74は、上部熱プレス板16aのプレスア
タッチメント板72の下面を通過するように構成されて
いる。なお、ガイドローラ78a,78bをそれぞれ各
別のモータによって個別に駆動したり、ガイドローラ7
8a,78bをそれぞれ回転自在(フリーの状態)にし
てもよい。また、プレス支持フレーム67の、下流側の
ガイドローラ78bの近傍には、ガイドローラ78bに
支持された離型フィルム74の上面に冷却空気を吹き付
けるための冷却空気吹き付け管(エアーブロー部材)7
9が設けられている。
【0045】図22は下部熱プレス部の正面図、図23
は図22の左側面図、図24は図22の底面図(下面
図)、図25は下部熱プレス部の中央部の縦断面図であ
る。下部熱プレス部17bは、図22乃至図25に示す
ように、上部熱プレス部17a(図17参照)を天地逆
に配置した形態となっている。すなわち、下部固定フレ
ーム80には、下部プレス支持フレーム82が2本のレ
ール部材81a,81bを介して鉛直方向(矢印Z方
向)に移動自在に支持されている。この下部プレス支持
フレーム82はプレス時およびその解除時に、下部固定
フレーム80に固定された下部フレーム駆動用シリンダ
83により駆動される。なお 符号83aは、下部フレ
ーム駆動用シリンダ83のロッドと下部プレス支持フレ
ーム82とを連結するためのブラケットを示している。
また、下部プレス支持フレーム82には、後述する下部
熱プレス板16bを鉛直方向(矢印Z方向)に駆動させ
るための下部プレスシリンダ85が固定されている。下
部熱プレス板16bは、下部プレスシリンダ86によっ
て駆動される基部板87と、基部板87にねじ等により
容易に着脱自在に取り付けられたプレスアタッチメント
板88とから構成され、基部板87とプレスアタッチメ
ント板88との間には、プレスアタッチメント板88を
加熱するためのヒータ89が設けられている。
【0046】下部プレス支持フレーム82の下部両側に
は、離型フィルム90の繰り出しおよび巻取りローラ9
1,92がそれぞれ設けられている。繰り出しおよび巻
取りローラ91,92は、それぞれモータ93a,93
bによって回転駆動され、これにより、離型フィルム9
0を繰り出しローラ91から、2つのガイドローラ95
a,95bを通して巻取りローラ92へ送ることができ
る。一方のガイローラ95aは回転自在(フリーの状
態)であるが、他方のガイドローラ95bはモータ93
cによって駆動されるように支持されており、前記送ら
れる離型フィルム90は、下部熱プレス板84のプレス
アタッチメント板88の上面を通過するように構成され
ている。なお、ガイドローラ95a,95bをそれぞれ
各別のモータによって個別に駆動したり、ガイドローラ
95a,95bをそれぞれ回転自在(フリーの状態)に
してもよい。
【0047】上記構成の熱プレス部17は、一対のガイ
ドプレート13a,13bに支持されたリードフレーム
1の上下面を、上部熱プレス板16aおよび下部熱プレ
ス板16bによりそれぞれ離型フィルム74,90を介
して熱プレスするものである。ここで、離型フィルム7
4,90は、ガイドローラ78a,78b、ガイドロー
ラ95a,95b間の部位でリードフレーム1のそれぞ
れ上下面に接触する。熱プレス解除後、離型フィルム7
4,90をそれぞれ繰り出すことで、リードフレーム1
の上下面より離型フィルム74,90が剥離されつつ、
リードフレーム1は後述するキュアー部19(図26参
照)側に搬送されることになる。そして、前記搬送中
に、冷却空気吹き付け管79により、上側の離型フィル
ム74とリードフレーム1の剥離部に冷却空気を吹き付
けて急激に冷却することができる。
【0048】(キュアー部19について)図26はキュ
アー部の平面図、図27はキュアー部の正面図、図28
は図27の右側面図、図29は図26の加熱不活性ガス
炉(本実施例では加熱窒素ガス炉18)の断面図、図3
0は図26の左側面図である。先ず、第3の搬送部24
について、上記熱プレス部17により送られてくるリー
ドフレーム1は、前記ガイドプレート13a,13bと
同様な一対のガイドプレート113a,113bにより
支持される。この一対のガイドプレート113a,11
3bは、ガイド移動プレート送り用シリンダ114によ
って矢印X方向に移動されるガイド移動プレート115
に固定されている。熱プレス部17よりリードフレーム
1を受け入れるときには、ガイド移動プレート送り用シ
リンダ114によってガイド移動プレート115を熱プ
レス部17側に移動させておく。なお、一対のガイドプ
レート113a,113bのうち一方のガイドプレート
113aは、他方のガイドプレート113bとの距離が
可変になっており(符号113c参照)、リードフレー
ム1の幅変更に対応できる構成になっている。
【0049】リードフレーム1の搬入側には、プッシャ
ーブラケット125を矢印Z方向に駆動するためのプッ
シャシリンダ124が設けられている。プッシャーブラ
ケット125には複数の棒状にプッシャー126が立設
されている。熱プレス部17よりリードフレーム1を受
け入れるときには、ガイド移動プレート送り用シリンダ
114によってガイド移動プレート115を熱プレス部
17側に移動させておく。熱プレス部17よりリードフ
レーム1が一対のガイドプレート113a,113b上
に搬送されたら、ガイド移動プレート送り用シリンダ1
14によってガイド移動プレート115を搬送ベルト1
22の上方まで移動させ、ここで、前記複数のプッシャ
ー126を上方へ移動させてそれらの上端でリードフレ
ーム1を持ち上げて、ガイド移動プレート115から離
反される。このとき、リードフレーム1の持ち上げ量
は、リードフレーム1の上面がガイド移動プレート11
5の下面に接触しない程度になっている。そして、ガイ
ド移動プレート送り用シリンダ114によってガイド移
動プレート115を熱プレス部17側へその待機位置
(リードフレーム受け入れ位置)まで移動させるととも
に、前記複数のプッシャー126を下方へ移動させるこ
とにより、それらに支持されていたリードフレーム1を
搬送ベルト122の上面に置くことができる。
【0050】キュアー部19については、一対のベース
プレート116a,116bは、図示しない装置フレー
ム10(図1参照)に固定されており、一方のベースプ
レート116aにはベルト送り用モータ117が固着さ
れている。このベルト送り用モータ117の回転力は、
前記一対のベースプレート116a,116bに両端部
が回転自在に支持されたベルト駆動軸118に伝動され
る。また、ベルト被動軸119も、一対のベースプレー
ト116a,116bに両端部が回転自在に支持されて
おり、前記ベルト駆動軸118およびベルト被動軸11
9にそれぞれ一体的に設けられた複数のプーリ120,
121にはエンドレスの搬送ベルト122が掛け渡され
ている。搬送ベルト122はその上面にリードフレーム
1を載せ、ベルト送り用モータ117を起動することに
より、搬送ベルト122を反矢印Y方向に送ることがで
きる。符号123は搬送ベルト122の下面を押圧して
適当な張力を与えるためのテンションローラを示してい
る。
【0051】キュアー部19の中途部には、搬送ベルト
122の上面で搬送されるリードフレーム1を乾燥させ
るための3組のヒータユニット127a,127b,1
27cが設けられている。また、ヒータユニット127
aの前側部近傍およびヒータユニット127cの後側部
近傍にはそれぞれ、窒素ガスを斜め下方へ噴出するため
の窒素ガスカーテン用ノズル128a,128bがそれ
ぞれ設けられている。これにより、ヒータユニット12
7a,127b,127cと搬送ベルト122との囲ま
れた部分に加熱窒素ガス炉18(加熱不活性ガス炉)が
形成されることになる。さらに、窒素ガスカーテン用ノ
ズル128bの後側には、搬送ベルト122の上方およ
び下方に冷却窒素噴出ノズル129および水冷パネル1
30からなる冷却炉18aが設けられている。水冷パネ
ル130はその内部に冷却水130aを収容する。加熱
窒素ガス炉18より出たリードフレーム1の上面は、冷
却窒素噴出ノズル129から冷却窒素を吹き付けられ、
さらに、下面は水冷パネル130によっても冷却され
る。なお、キュアー部19内の各ヒータユニット127
a,127b,127cは独立して温度制御することが
できるようになっている。
【0052】第4の搬送部25は、冷却炉18aより出
たリードフレーム1を受けて搬出するためのものであ
り、第3の搬送部24と同様な構成になっている。すな
わち、プッシャーブラケット131を矢印Z方向に駆動
するためのプッシャシリンダ132が設けられている。
プッシャーブラケット131には複数の棒状にプッシャ
ー133が立設されている。動作については第3の搬送
部24の動作と逆になる。すなわち、搬送ベルト122
よりリードフレーム1を受け入れるには、リードフレー
ム1がプッシャー133の上方にきたら、プッシャー1
33を上昇させてその上端にリードフレーム1を載せ
る。ガイド移動プレート送り用シリンダ137によりガ
イド移動プレート149を搬送ベルト122側に移動さ
せ、ここで、プッシャー133を下方へ移動させ、これ
により、リードフレーム1を一対のガイドプレート15
0a,150b上に載せる。ここで、ガイド移動プレー
ト送り用シリンダ137によってガイド移動プレート1
49を反矢印X方向に後述する第5の搬送部26側に移
動させる。なお、一対のガイドプレート150a,15
0bのうち一方のガイドプレート150aは、他方のガ
イドプレート150bとの距離が可変になっており(符
号150c参照)、リードフレーム1の幅変更に対応で
きる構成になっている。加熱の方法としては、上記加熱
窒素ガス炉に限らず、ヒートブロックによるもの、ある
いは加熱空気雰囲気のオーブン、あるいは赤外線による
加熱を採用してもよく、さらには、これらの組み合わせ
による方法が可能である。
【0053】(第5の搬送部26について)図31は第
5の搬送部の前半部の正面図、図32は図31の平面図
(正面図)、図33は図32のB−B線断面図である。
図31乃至図33に示すように、第5の搬送部26の前
半部26aについては、板状の一対の固定基台96a,
96bは互いに間隔をおくように、装置本体10(図1
参照)に固定されており、これら一対の固定基台96
a,96bには、ガイドプレート13a,13bと同様
なガイドプレート97a,97bがそれぞれ固定されて
いる。一方のガイドプレート97aの下面には、アクチ
ュエータパック98が、前記リードフレーム1の搬送方
向(反矢印X方向)に延びた状態で固定されている。こ
のアクチュエータパック98には前記搬送方向に移動さ
れる移動体99が設けられている。この移動体99には
略L字状のアーム支持体100の一端が固定されてい
る。アーム支持体100の他端には、アームブラケット
101を介して駆動アーム102の一端が回転自在に支
持されており、この駆動アーム102の他端部は、アー
ム支持体100に設けられたシリンダ103により駆動
されることで、前記アームブラケット101を回転させ
ることができる。アームブラケット101には、一端に
リードフレームに係合する係合部104aを有するワー
ク係合移動用部材104の他端が固定されている。
【0054】上記構成により、ワーク係合移動用部材1
04を下方へ傾斜した状態で待機させ、キュアー部19
より送られくるリードフレーム1がワーク係合移動用部
材104の上方へ達したら、シリンダ103によりワー
ク係合移動用部材104を水平状態とする。ここで、ア
クチュエータパック98により前記移動体99を前記搬
送方向(反矢印X方向)へ移動させることにより、リー
ドフレーム1はワーク係合移動用部材104の係合部1
04aに係合されて搬送され、搬送中に一対のガイドプ
レート97a,97bに支持されつつ、後述する第5の
搬送部26の後半部26bに向けて移送される。なお、
符号105a,105bは一対の固定基台96a,96
bの相対位置を固定するための補強板を示している。
【0055】図34は第5の搬送部の後半部の正面図、
図35は図34の平面図(正面図)、図36は図35の
C−C線断面図である。図34乃至図36に示すよう
に、板状の一対の固定基台106a,106bは互いに
間隔をおくように、装置本体1(図1参照)に固定され
ており、これら一対の固定基台106a,106bは、
ガイドレール13a,13bと同様なガイドプレート1
07a,107bがそれぞれ固定されている。一方のガ
イドプレート107bの下面には、アクチュエータパッ
ク108が、前記リードフレーム1の搬送方向(反矢印
X方向)に延びた状態で固定されている。このアクチュ
エータパック108には前記搬送方向に移動される移動
体109が設けられている。この移動体109には略L
字状のシリンダ支持体110の一端が固定されている。
シリンダ支持体110の他端には、シリンダ112が斜
め上方へ向くように固定されている。このシリンダ11
2のロッド112aにはワーク搬送用ピン111が固着
され、シリンダ112を駆動させてワーク搬送用ピン1
11を斜め上方へ突出および斜め下方へ引込ませること
ができる。
【0056】上記構成により、ワーク搬送用ピン111
を下方へ引込ませた状態で待機させ、上記第5の搬送部
26の前半部26aからリードフレーム1が送られてき
たら、シリンダ112によりワーク搬送用ピン111を
上方に突出させる。ここで、アクチュエータパック10
8により前記移動体109を前記搬送方向へ移動させる
ことにより、リードフレーム1の前端縁1a(図4参
照)はワーク搬送用ピン111に係合されて反矢印X方
向に搬送され、搬送中に一対のガイドプレート97a,
97bから一対のガイドレール107a,107bに移
送されて支持されて、後述する第2のマガジン20内に
搬送される。
【0057】(アンロード部21について)図1乃至図
3に示すように、アンロード部21は、ワークであるリ
ードフレーム1の貯蔵部であって、第2のマガジン20
を装着して昇降させるためのシリンダ等の昇降装置94
を備えている。第2のマガジン20は略筐体形状を有
し、複数枚のリードフレーム1を間隔をおいてかつそれ
ぞれ水平方向に平行になるように縦積み(上下方向に並
んで積層)できるように、リードフレーム1の幅方向両
端部を支持するための複数の仕切り板(不図示)を有し
ている。昇降装置94を起動して、第2のマガジン20
を間欠的にリードフレーム1の1ピッチずつ上方へ移動
させることにより、第2のマガジン20内に搬入すべき
リードフレーム1に対して、搬入位置まで上下方向(鉛
直方向)に位置決めすることができる。
【0058】次の上記構成の樹脂パターン形成装置の動
作について詳述する。図1乃至図3、図7乃至図13に
示すように、第1のマガジン11に樹脂パターン未塗布
のリードフレーム1を複数枚縦積みし、これをロード部
12にセットする。樹脂パターン形成装置の動作開始ボ
タン(不図示)を押すことにより、以下に記述する動作
が自動的に行われる。先ず、パターン塗布部(ディスペ
ンスユニット)14にスタート指令が送られると、先
ず、ワーク搬送用プレート33が第1のマガジン11側
に移動して、今度は反対方向へ移動されることにより、
そのワークフック部33aにより一枚のリードフレーム
1の後端縁1b(図4参照)を係止しつつ第1のマガジ
ン11より取り出し、パターン塗布部14における一対
のガイドプレート13a,13b上の所定のパターン塗
布位置まで移動される。ここで、ワーク固定用シリンダ
ー49a,49bにより、リードフレーム1を一方のガ
イドプレート13bに押し付けて固定し、また、撓み防
止用のカム部材51,52をそれぞれ駆動して、そのカ
ム部51b,52b(図14参照)によりリードフレー
ム1の下面を支持して撓みをなくする。このように、リ
ードフレーム1は、一対のガイドプレート13a,13
bにより幅方向両端部で支持されるとともに、下面が各
カム部51b,52bにより2点支持で支持されること
になる。
【0059】この状態で、ワーク検出用カメラ(CCD
カメラ)によりリードフレーム1の複数の位置決め孔9
(図4参照)をパターン認識し、ディスペンサーコント
ローラ57により、リードフレーム1の原点位置に対す
るずれ量(XおよびY方向)を確認し、このずれ量を補
正するために、パターン塗布部14(ディスペンスユニ
ット)のニードル制御のためのプログラム上において原
点補正が行われる。これにより、ニードル47,48と
リードフレーム1との矢印X方向および矢印Y方向にお
ける精密な位置調整が行われたことになる。なお、Z方
向においては、ニードル位置検出センサ55a,55b
によって、ニードル47,48の先端(下端)の位置が
検出され、ディスペンサーコントローラ57により、ニ
ードル47,48の先端(下端)とリードフレーム1の
上面との間隔が所定の間隔になるように設定される。こ
こで、所定の間隔とは、ペースト状樹脂の粘度やチクソ
性によって異なるが、塗布された樹脂パターンの形状が
良好となるような間隔であり、具体的にはニードル4
7,48の先端とリードフレーム1の上面との間隔は
0.001mm〜2mmが好ましく、さらに好ましくは
0.01mm〜1mmを意味する。これにより、後述す
る樹脂パターン時には、樹脂パターンの形状(高さ(図
6中、符号H参照)や幅(図5中 符号B参照)を含
む)の精度が高くなる。
【0060】ここで、必要に応じて、リードフレーム1
への樹脂塗布に先立って、ニードル47,48を捨て書
き用フィルム59上に移動させて、ニードル47,48
から、送られつつある捨て書き用フィルム59上に樹脂
を空吐出するという捨て書き動作を行う。これは、ニー
ドル47,48先端に主に樹脂が乾燥したことによって
生じたかすや汚れを取り除くために、ニードル47,4
8をクリーンングするためである。このクリーニングシ
ョット(テストショット)を行うことにより、リードフ
レーム1へ樹脂を、幅および形状等の精度のよいパター
ンに形成することができる。
【0061】この後、図5に示すように、ディスペンサ
ーコントローラ57に設定されたプログラムに従ってニ
ードル47,48をXY方向に移動させることにより、
リードフレーム1の各リードフレーム要素8に所定の樹
脂パターン5(図5参照)を形成する。本実施例では、
リードフレーム1はその樹脂パターン塗布部の下面が非
接触になっているので、図6の(a)に示すように、リ
ードフレームの下面部において毛細管現象が発生せず、
樹脂パターン5はリードフレーム1の下面に回り込まな
い。また、本実施例では、ニードル47,48を2つ設
けることにより、図5に示したように、リードフレーム
の4つのリードフレーム要素8のうち2つのリードフレ
ーム要素8に同時に樹脂パターン5を塗布することがで
きるので、生産性が高い。このディスペンスヘッドにお
いては、一方のニードル47に対して、他方のニードル
48がX、YおよびZ軸マイクロメータ44,45,4
6により精密な位置合わせをすることができる。なお、
ディスペンスシリンジ42,43の個数は2つに限ら
ず、本実施例のように、リードフレーム1のリードフレ
ーム要素8の数が4つである場合には、これに対応し
て、ディスペンスシリンジを4つ並設することにより、
各リードフレーム要素8に樹脂パターンを同時に塗布す
ることができることは、言うまでもない。
【0062】図1乃至図3、図7乃至図16に示すよう
に、樹脂パターン塗布後、リードフレーム1は第1の搬
送部22により乾燥部15に移送される。すなわち、次
のリードフレーム1を取り出すために、ワーク搬送用プ
レート33を一体的に備えた移動体58が反矢印X方向
に第1のマガジン11側に移動し、ここで、シリンダ8
6によりピン86aが上方へ突出する。そして、ワーク
搬送用モータ32により移動体58が矢印X方向に移動
すると、ワーク搬送用プレート33により次のリードフ
レーム1が取り出されてパターン塗布部14のパターン
塗布位置まで搬送されるとともに、ピン86aによりパ
ターン塗布後のリードフレーム1の後端縁1b(図4参
照)が矢印X方向に押されて乾燥部15の所定の位置ま
で搬送させる。前記次のリードフレーム1は上記と同様
に樹脂パターン5が形成されるとともに、乾燥部15の
リードフレーム1は窒素ガス吹き付けユニット64によ
りその上面に加熱された窒素ガスが一様に吹き付けら
れ、樹脂パターン5を加熱して乾燥される。ここでは、
樹脂パターン5中の揮発成分を揮発させたり、加熱によ
り反応を進行させる。
【0063】図15乃至図25に示すように、乾燥工程
後、第2の搬送部23のピン140が上方へ引っ込んだ
状態で、シリンダ139が反矢印X方向に移動し、ここ
で、ピン140を下方へ突出させ、また、シリンダ13
9を反矢印X方向に移動させる。すると、リードフレー
ム1の後端縁1b(図4参照)はピン140により矢印
X方向に押しやられ、リードフレーム1は上部および下
部熱プレス部17a,17bの上下の離型フィルム7
4,90間に移送される。ここで、上および下プレス支
持フレーム67,82はそれぞれ下方および上方へ移動
することにより、リードフレーム1を離型フィルム7
4,90で挾み半固定状態とする。ここで、上および下
熱プレス板16a,16bをそれぞれ下方、上方へ移動
させることにより、上および下熱プレス板16a,16
bによりそれぞれ離型フィルム74,90を介してリー
ドフレーム1を所定時間押圧(プレス)する。上および
下熱プレス板16a,16bによる上記プレス解除後、
冷却空気吹き付け管79により冷却空気を上方の離型フ
ィルム74の上面に吹き付けると同時に、上側および下
側の離型フィルム74,90をそれぞれの巻取りローラ
76,92に送ることにより、リードフレーム1は冷却
されながら、上側および下側の離型フィルム74,90
を剥離されつつ、矢印X方向へキュアー部19に移送さ
れる。この後、上および下プレス支持フレーム67,8
2をそれぞれ上方、下方へ待機位置まで移動させて次の
プレスに備える。
【0064】この熱プレス工程では、図6(b)に示す
ように、リードフレーム1の開口部(リード片間)に樹
脂パターン5を押込むことや、所定の厚さに成形し、目
的の樹脂パターン形状を得ることができる。また、冷却
空気をブローすることにより、樹脂温度を急速に室温付
近まで戻して、離型フィルム74に前記樹脂パターンの
樹脂が付着せず、前記剥離を行い易くなる。なお、エン
ボス加工等により凹凸のあるリードフレームをプレス対
象とする場合には、その凹凸に対応して、上側熱プレス
板をプレス面に凸凹を設けたものに交換することによ
り、樹脂パターンやその周辺のみを熱プレスすることが
可能である。
【0065】図26乃至図30に示すように、熱プレス
後、キュアー部19が熱プレス部17よりリードフレー
ム1を受け入れるときには、第3の搬送部24のガイド
移動プレート送り用シリンダ114によってガイド移動
プレート115を熱プレス部17側に移動させておく。
そして、熱プレス部17よりリードフレーム1が一対の
ガイドプレート113a,113b上に搬送されたら、
ガイド移動プレート送り用シリンダ114によってガイ
ド移動プレート115をベルトの上方まで移動させる。
ここで、前記複数のプッシャー126を上方へ移動させ
てそれらの上端でリードフレーム1を持ち上げて、ガイ
ド移動プレート115から離反される。そして、ガイド
移動プレート送り用シリンダ114によってガイド移動
プレート115を熱プレス部17側に待機位置に移動さ
せた後、前記複数のプッシャー126を下方へ移動させ
ることにより、それらに支持されていたリードフレーム
1を搬送ベルト122の上面に置くことができる。
【0066】搬送ベルト122の上面で反矢印Y方向に
搬送されるリードフレーム1は、窒素ガスカーテン用ノ
ズル128a,128bによる加熱窒素炉領域を通って
3組のヒータユニット127a,127b,127cに
より順次乾燥され、樹脂パターン5(図5参照)が熱硬
化される。そして、加熱窒素炉領域の後においては、冷
却窒素噴出ノズル129および水冷パネル130によ
り、リードフレーム1の加熱による酸化を防止する目的
で、リードフレーム1は、冷却窒素噴出ノズル129か
ら冷却窒素を吹き付けられ、さらに冷却水130aを伴
った水冷パネル130によっても冷却される。以上のよ
うにして、リードフレーム1には、樹脂パターン5によ
る矩形状のダムバー7(図4参照)が形成される。ヒー
タユニット127a,127b,127の設定温度は、
段階的に上昇あるいは降下が行われるように設定され、
これにより、リードフレーム1への温度変化による負荷
が小さくなる。
【0067】こののち、第4の搬送部25においては、
上記第3の搬送部24の動作とは逆に、搬送ベルト12
2よりリードフレーム1を受け入れるときには、搬送ベ
ルト122の上面に載って搬送されてくるリードフレー
ム1がプッシャー136の上方にきたら、プッシャー1
36を上昇させてその上端でリードフレーム1を持ち上
げる。そして、ガイド移動プレート149を搬送ベルト
122側に移動させるとともに、各プッシャー136を
下降させる。これにより、リードフレーム1を一対のガ
イドプレート150a,150bのガイド溝上に載せ
る。ここで、ガイド移動プレート149とともにガイド
プレート150a,150bを、ガイド移動プレート送
り用シリンダ137によって後述する第5の搬送部26
の前半部26a側(反矢印X方向)に移動させる。
【0068】図31乃至図33に示すように、第5の搬
送部26の前半部26aにおいては、ワーク係合移動用
部材104を下方へ傾斜した状態で待機させ、キュアー
部19より送られくるリードフレーム1がワーク係合移
動用部材104の上方へ達したら、シリンダ103によ
りワーク係合移動用部材104を水平状態とする。ここ
で、アクチュエータパック98により移動体99を反矢
印X方向へ移動させることにより、リードフレーム1は
その前端縁1a(図4参照)がワーク係合移動用部材1
04の係合部104aに係合されて反矢印X方向に搬送
され、搬送中に一対のガイドプレート97a,97bに
支持されつつ、後述する後半部26bに向けて移送され
る。
【0069】図34乃至図36に示すように、第5の搬
送部26の後半部26bにおいては、ワーク搬送用ピン
111を下方へ引込ませた状態で待機させ、上記前半部
26aからリードフレーム1が送られてきたら、シリン
ダ112によりワーク搬送用ピン111を上方に突出さ
せる。ここで、アクチュエータパック108により前記
移動体99を反矢印X方向へ移動させることにより、リ
ードフレーム1はその前端縁1a(図4参照)において
ワーク搬送用ピン111に係合されて搬送され、搬送中
に一対のガイドプレート97a,97bから一対のガイ
ドプレート107a,107bに移送されて第2のマガ
ジン20に向けて搬送される。最終的に、リードフレー
ム1は、昇降装置94により上下方向に位置決めされた
第2のマガジン20内に搬送されて収納される。
【0070】上述のようにして、リードフレームに対し
てダムバーを形成するための一連のプロセスが終了す
る。ここで、前記プロセスは、ロード部の第1のマガジ
ンに収納されたリードフレームがすべて終るまで、もし
くは停止命令が下されるまで繰り返し行われる。また、
これらのプロセスはそれぞれ独立しているため、各プロ
セスの前工程が終了しリードフレームが搬入させると速
やかに工程を開始する。したがって、それぞれの工程は
平行して行われる。勿論、リードフレームが第2のマガ
ジン内に収納されてから、第1のマガジンから次のリー
ドフレームを取り出して一連のプロセスを行ってもよい
が、この場合、生産効率は低くなる。
【0071】本装置でのリードフレームの移動は、熱プ
レス工程を除いてリードフレームが中空になる状態で行
われ、特に樹脂パターンの裏面を接触することがない。
形状の異なるリードフレームにおいても搬送レール幅等
が全て可変である。本装置にて処理することのできるリ
ードフレームの寸法は長尺側が最大300mm、短尺側
が20〜75mmと適用範囲が広く、従来用いられてい
るリードフレームの殆どのタイプを取り扱うことができ
る。
【0072】上記実施例においては、ダムバー形成装置
に本発明を適用したものを示したが、これに限らず、イ
ンナーリードピンの固定樹脂パターンや、多層リードフ
レームへの樹脂パターン(接着層)の形成装置にも本発
明を適用することができる。すなわち、図4に示すよう
に、ダムバー7形成の際に、リードピン6の各インナー
リード部6aを連結固定るするための矩形状の樹脂パタ
ーンKを形成することができる。また、図38に示すよ
うに、多層リードフレームの接着層形成に本発明を適用
するには、例えば、ヒートシンク1000とリードフレ
ーム300を絶縁を保ちながら接着させる場合、リード
フレーム300に本発明の液状接着剤900をディスペ
ンスまたはスクリーン印刷によって所定のパターンを塗
布し、ヒートシンク1000とリードフレーム300を
簡単に張り合わせた後、加熱により、液状接着剤を硬化
させることにより、絶縁性を保ちながら接着させること
ができる。図38中、符号600は半導体素子(チッ
プ)を示し、符号700ボンディングワイヤを示してい
る。なお、前記インナーリード部固定用樹脂および接着
層形成の場合には熱プレス部は用いなくてもよい。さら
に、図39(a)に示すようなLOC構造や、図39
(b)に示すようなCOL構造等に対しては、リードピ
ン半導体チップ本体を本発明の液状液状接着剤を使用し
て接着する場合、前述と同様に、ディスペンスまたはス
クリーン印刷によって所定の接着剤パターン900を形
成させた後、半導体チップ600とリードフレーム30
0を絶縁性を保って接着することがきる。この場合、従
来のような両面テープを使用した際に起こるテーピング
時の圧力、温度および衝撃がチップにも加わる等の問題
は回避できる。
【0073】上記実施例では、パターン塗布部(塗布ユ
ニット)がディスペンスユニットであるものを示した
が、これに限らず、図37に示すようなスクリーン印刷
ユニットを採用してもよい。すなわち、所定のパターン
143を設けたスクリーン刷版142上に液状接着剤1
45を載せ、パターン塗布を行うリードフレーム(被転
写体)141を配置した後、スキージ144をリードフ
レーム141に押し付けながら版板142上を移動さ
せ、接着剤パターン146をリードフレーム141に転
写させることができる。パターン塗布部においては、樹
脂パターンの形状変更に伴い、ニードルの駆動プログラ
ム(ディスペンサーコントローラに設定される)を変更
し、また、スクリーン印刷による場合でもスクリーン刷
版の交換のみで対応できる。
【0074】また、本発明において、乾燥部は必ずしも
必要ではない。すなわち、接着剤塗布後の放置等によ
り、溶剤がある程度揮発した場合や、放置等によりプレ
プリグ状態が得られた場合には、乾燥工程(プリキュア
ー)を省略できる。さらに、本実施例では、耐熱性に優
れた熱硬化性樹脂を用いたが、熱可塑性樹脂や紫外線硬
化性樹脂を用いてもよい。熱可塑性樹脂の場合は、基本
的に、上記実施例のような樹脂パターン塗布装置を用い
ることができるが、例えば、熱プレス部の高温対応化や
それに伴うリードフレームの酸化防止機構の追加等の設
計変更(条件変更)が必要である。また、紫外線硬化性
樹脂の場合は、乾燥部に代えて、塗布樹脂を半硬化状態
にするための紫外線照射ユニットを設けたり、熱プレス
部の後に紫外線照射ユニットを設けることにより適用で
きる。
【0075】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおりに構成さ
れているので、以下に記載するような効果を奏する。請
求項1に記載の樹脂パターン塗布装置は、パターン塗布
部において、一対のガイド部材によりリードフレームを
中空に保持した状態で、リードフレームに樹脂を所定の
パターンに塗布するので、リードフレームに塗布した樹
脂材料が、毛細管現象によるリードピン間を通ってリー
ドフレームの裏面(下面)に周り込まない。これによ
り、リードフレームの汚染が防止され、樹脂パターンの
幅や高さ等の形状精度が向上する。また、本発明は、ダ
ムバー位置付近にポリイミドテープを貼り付けるものと
比較しても、テーピング温度や圧力、ポリイミド樹脂の
硬化条件等の厳しい条件がなく、金属フレームが損傷せ
ず、さらに、ポリイミド材料による、樹脂モールド時に
リードピンへ余分な応力が加わらず、実用化に適してい
る。さらに、多層リードフレームの場合、ヒートシンク
とリードフレームを接着させる場合に使用できる装置が
現実化され、従来のようなテープによる工程の煩雑がな
くなり、多層リードフレームの低コスト化が達成でき
る。そして、LOC構造やCOL構造などのようにリー
ドピンと半導体チップ本体を接着するために、電子部品
用両面接着テープを用いるものと比較しても、テーピン
グ時の圧力、温度および衝撃がチップに加わる点や、低
コストしにくい等の問題点がある。 結果的に、リード
フレームに、ダムバー、インナーリード固定樹脂パター
ンおよび接着層等の樹脂パターンを高精度かつ効率的に
形成でき、しかも、樹脂パターンによる汚染等を防止で
きる。請求項2に記載の発明は、パターン塗布部は、三
次元方向に移動および位置決めされかつ樹脂をリードフ
レームに向けて吐出するためのニードルを有するディス
ペンスユニットを備えたものとすることにより、リード
フレーム側を移動させるものと比較してその移動機構が
小型になるとともに、樹脂パターンの形成位置の精度が
さらに向上する。請求項3に記載の発明は、ニードルに
主に樹脂が乾燥したことによって生じたカスや汚れを取
り除くために、前記樹脂パターンの塗布に先立ってある
いは定期的に、ニードルから、捨て書き領域に設けられ
た捨て書き用シート部材に樹脂を空吐出することによ
り、ニードルのクリーニングを定期的あるいは所望の時
期に行うことができる。これにより、ニードルの先端が
常時清浄な状態に保持でき、樹脂の突出不良が起こら
ず、樹脂パターンの形状精度がさらに向上する。請求項
4に記載の発明は、パターン塗布部において、一対のガ
イド部材に両端部が支持されたリードフレームの、前記
樹脂パターンの形成部位以外の下面を下面支持部材によ
り支持することにより、リードフレームの撓みが阻止さ
れ、樹脂パターンの位置誤差が発生しない。請求項5に
記載の樹脂パターン形成装置は、樹脂パターン塗布後
に、これを熱プレスして加熱硬化させることにより、ダ
ムバーや固定樹脂パターンの形状変形を生じることな
く、複数枚のリードフレームに自動的かつ連続的に樹脂
パターンを形成でき、生産性が大幅に向上する。請求項
6に記載の発明は、キュアー工程において、加熱不活性
ガス炉内でリードフレーム上の樹脂パターンを加熱硬化
させることにより、樹脂パターンの酸化を阻止すること
ができ、品質の高いリードフレームを提供できる。請求
項7に記載の発明は、乾燥部において、樹脂パターンを
乾燥させることにより、前記樹脂パターン中の揮発成分
を揮発させてプレプリグ状態を達成でき、リードフレー
ムを待機させることなく、直ちに熱プレス部に搬送する
ことができる。請求項8に記載の発明は、乾燥部におい
て、パターン塗布後のリードフレームにその上方より加
熱不活性ガスを吹き付けて乾燥させることにより、ダム
バーや固定パターンの酸化を阻止することができ、品質
の高いリードフレームを提供できる。請求項9に記載の
発明は、熱プレス後に、それぞれ繰り出しおよび巻取り
ロールからなる上下一対のフィルム搬送ロールを駆動す
ることにより、リードフレームは上下の離型フイルムに
追従してキュアー部側に向けて自動的に搬送される。請
求項10に記載の発明は、熱プレス後、樹脂パターンを
急速に室温付近に冷却することができ、上面の離型フィ
ルムに前記樹脂パターンによる樹脂が付着しないととも
に、離型フィルムがリードフレームから剥離し易くな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、リードフレームへの樹脂パターン形
成装置の一実施例の概略正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の左側面図である。
【図4】本発明装置により樹脂パターン(ダムバーやイ
ンナーリード固定樹脂パターン)を形成されたリードフ
レームの平面図である。
【図5】本発明装置によりリードフレームに樹脂パター
ンを塗布している状態を示す斜視図である。
【図6】リードフレームの樹脂パターン塗布部の断面図
であり、(a)は樹脂パターン塗布直後の状態を示し、
(b)は塗布後に、熱プレスをした後の状態を示してい
る。
【図7】パターン塗布部(ディスペンスユニット)の正
面図である。
【図8】図7の平面図(上面図)である。
【図9】図7の左側面図である。
【図10】パターン塗布部(ディスペンスユニット)に
おける搬送系の正面図である。
【図11】図10の平面図(上面図)である。
【図12】図11のA−A線断面図である。
【図13】捨て書き用フィルムおよびその搬送系を示す
図である。
【図14】下面支持部材としてのカム部材の拡大図であ
る。
【図15】乾燥部および熱プレス部の概略正面図であ
る。
【図16】図15の左側面図である。
【図17】上部熱プレス部の正面図である。
【図18】図17の左側面図である。
【図19】図17の平面図(上面図)である。
【図20】上部熱プレス部の中央部の縦断面図である。
【図21】図17に示した冷却空気吹き付け部の拡大側
面図である。
【図22】下部熱プレス部の正面図である。
【図23】図22の左側面図である。
【図24】図22の下方から見た図である。
【図25】下部熱プレス部の中央部の縦断面図である。
【図26】キュアー部の平面図である。
【図27】キュアー部の正面図である。
【図28】図27の右側面図である。
【図29】図26の加熱不活性ガス炉の断面図である。
【図30】図26の左側面図である。
【図31】搬出系の前半部の正面図である。
【図32】図31の平面図(上面図)である。
【図33】図32のB−B線断面図である。
【図34】搬出系の後半部の正面図である。
【図35】図34の平面図(上面図)である。
【図36】図35のC−C線断面図である。
【図37】塗布部としてスクリーン印刷ユニットを用い
た場合の図である。
【図38】多層リードフレームに適用した例を示す半導
体装置の断面図である。
【図39】(a)LOC構造や、(b)COL構造の半
導体装置の断面図である。
【図40】従来の塗布装置による、リードフレームの樹
脂パターン塗布直後の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
K インナーリード固定樹
脂パターン E ニードル移動領域 1 リードフレーム 2a,2b 外枠(フレーム本体) 3 連結片 4 タブ部(アイランド
部) 5 樹脂パターン 6 リードピン(リード
片) 6a インナーリード部 6b アウターリード部 7 ダム部(ダムバー) 8 リードフレーム要素 9 位置決め用孔 10 装置フレーム(装置本
体) 10a 脚部 11 第1のマガジン 12 ロード部 13a,13b ガイドプレート(ガイ
ドレール) 14 パターン塗布部 15 乾燥部(プレキュアー
部) 16a,16b 熱プレス板 17 熱プレス部 17a 上部熱プレス部 17b 下部熱プレス部 18 加熱不活性ガス炉 18a 冷却炉 19 キュアー部 20 第2のマガジン 21 アンロード部 22 第1の搬送部 23 第2の搬送部 24 第3の搬送部 25 第4の搬送部 26 第5の搬送部 26a 第5の搬送部の前半部 26b 第5の搬送部の後半部 27 昇降装置 28 基台 29a,29b ガイド溝 30 ねじ 31 長孔 32 ワーク搬送用モータ 33 ワーク搬送用プレート 33a ワークフック部(係合
部) 34 X軸ステージ 35 X軸駆動用モータ 36 Y軸ステージ 37 Y軸駆動用モータ 38 Z軸ステージ 39 Z軸駆動用モータ 40,41 カートリッジホルダ 42,43 ディスペンスシリンジ 44 X軸マイクロメータ 45 Y軸マイクロメータ 46 Z軸マイクロメータ 47,48 ニードル 49a,49b,49c ワーク固定用シリンダ 50a,50b,50c ロッド 51,52 カム部材(下面支持部
材) 51a,52a 基部 51b,52b カム部 51c 軸孔 53,54 カム回転駆動用モータ 55a,55b ニードル位置検出セン
サ 56a 位置検出用カメラ(C
CDカメラ) 56b カメラ 57 ディスペンサーコント
ローラ 58 移動体 59 捨て書き用フィルム
(シート部材) 60 繰り出しローラ 61 巻取りローラ 62 ローラ 63a,63b テンションローラ 64 窒素ガス吹き付けユニ
ット 65 上部固定フレーム 66a,66b レール部材 67 上部プレス支持フレー
ム 68 上部フレーム駆動用シ
リンダ 68a ブラケット 69 モータ 70 上部プレスシリンダ 71 基部板 72 プレスアタッチメント
板 73 ヒータ 74 離型フィルム 75 繰り出しローラ 76 巻取りローラ 77a,77b,77c モータ 78a,78b ガイドローラ 79 冷却空気吹き付け管 80 下部固定フレーム 81a,81b レール部材 82 下部プレス支持フレー
ム 83 下部フレーム駆動用シ
リンダ 83a ブラケット 84a,84b センサブラケット 85 下部プレスシリンダ 86 シリンダ 86a ピン 87 基部板 88 プレスアタッチメント
板 89 ヒータ 90 離型フィルム 91 繰り出しローラ 92 巻取りローラ 93a,93b,93c モータ 94 昇降装置 95a,95b ガイドローラ 96a,96b 固定基台 97a,97b ガイドプレート(ガイ
ドレール) 98 アクチュエータパック 99 移動体 100 アーム支持体 101 アームブラケット 102 駆動アーム 103 シリンダ 104 ワーク係合移動用部材 104a 係合部 105a,105b 補強板 106a,106b 固定基台 107a,107b ガイドプレート(ガイ
ドレール) 108 アクチュエータパック 109 移動体 110 シリンダ支持体 111 ワーク搬送用ピン 112 シリンダ 112a ロッド 113a,113b ガイドプレート(ガイ
ドレール) 114 ガイド移動プレート送
り用シリンダ 115 ガイド移動プレート 116a,116b ベースプレート 117 ベルト送り用モータ 118 ベルト駆動軸 119 ベルト被動軸 120,121 プーリ 122 搬送ベルト 123 テンションローラ 124 プッシャシリンダ 125 プッシャーブラケット 126 プッシャー 127a,127b,127c ヒータユニット 128a,128b 窒素ガスカーテン用ノ
ズル 129 冷却窒素噴出ノズル 130 水冷パネル 130a 冷却水 131a,131b ガイドプレート(ガイ
ドレール) 132 ガイド移動プレート送
り用シリンダ 133 ガイド移動プレート 134 プッシャシリンダ 135 プッシャーブラケット 136 プッシャー 137 ガイド移動プレート送
り用シリンダ 138 ベルト 139 シリンダ 140 ピン 141 リードフレーム 142 スクリーン刷版 143 パターン 144 スキージ 145 液状接着剤(熱硬化性
樹脂) 146 液状接着剤パターン 147,148 補強板 149 ガイド移動プレート 150a,150b ガイドプレート(ガイ
ドレール) 300 リードピン 400 アイランド部 500 インナーリード固定樹
脂パターン 600 半導体チップ 700 ボンディングワイヤ 800 モールド樹脂 900 絶縁接着層 1000 ヒートシンク

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のリードフレーム要素を有するリー
    ドフレームを、その幅方向の両側部のみにおいてそれぞ
    れ支持するための一対のガイド部材と、該一対のガイド
    部材に支持されたリードフレームの各リードフレーム要
    素上に、所定の樹脂パターンを塗布するための塗布ユニ
    ットとを備えてなることを特徴とする、リードフレーム
    への樹脂パターン塗布装置。
  2. 【請求項2】 前記塗布ユニットは、前記リードフレー
    ムにペースト状の樹脂を吐出するためのニードルを有す
    るディスペンスユニットであり、該ディスペンスユニッ
    トは、前記一対のガイド部材に支持された前記リードフ
    レームの面に対して垂直な方向に位置決めされ、かつ前
    記リードフレームの面方向に沿う二次元方向に所定のパ
    ターンに従って移動される請求項1に記載のリードフレ
    ームへの樹脂パターン塗布装置。
  3. 【請求項3】 前記塗布ユニットは、前記樹脂パターン
    の塗布に先立ってあるいは定期的に、樹脂の空吐出を行
    うために、前記ニードルによる樹脂パターン塗布領域以
    外の捨て書き領域に設けられた捨て書き用シート部材を
    備えている請求項2に記載のリードフレームへの樹脂パ
    ターン塗布装置。
  4. 【請求項4】 前記塗布ユニットは、一対のガイド部材
    に両端部が支持されたリードフレームの、前記樹脂パタ
    ーンの塗布部位以外の下面を支持するための下面支持部
    材を備えている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に
    記載のリードフレームへの樹脂パターン塗布装置。
  5. 【請求項5】 複数のリードフレーム要素を有するリー
    ドフレーム上に樹脂を所定のパターンに従って塗布した
    後に、リードフレームを熱プレスして、さらに加熱硬化
    させるための樹脂パターン形成装置であって、 リードフレームを複数枚縦積み状態で収納可能な第1の
    マガジンを装着するためのロード部と、 前記ロード部の前記第1のマガジンより搬送されてくる
    リードフレームの各リードフレーム要素上に、ペースト
    状の樹脂を所定のパターンに従って塗布するための、請
    求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の樹脂パター
    ン塗布装置と、 前記パターン塗布装置より搬送されてくるリードフレー
    ムを、その上下面より一対の平板状の熱プレス板により
    熱プレスするための熱プレス部と、 前記熱プレス部より搬送されてくるリードフレームを、
    加熱することにより、前記樹脂パターンを硬化させるた
    めのキュアー部と、 前記キュアー部より搬送されてくるリードフレームを縦
    積み状態で複数枚収納可能な第2のマガジンを装着する
    ためのアンロード部と、 前記ロード部の前記第1のマガジンから、リードフレー
    ムを一枚ずつ、前記パターン塗布部、前記熱プレス部、
    前記キュアー部および前記第2のマガジンに順次搬送さ
    せるための搬送手段と、を備えていることを特徴とす
    る、リードフレームへの樹脂パターン形成装置。
  6. 【請求項6】 前記キュアー部は、リードフレームを加
    熱不活性ガス炉内あるいは加熱還元性ガス炉内で移動さ
    せた後、さらに冷却炉内で移動させるものである請求項
    5に記載のリードフレームへの樹脂パターン形成装置。
  7. 【請求項7】 前記パターン塗布装置と前記熱プレス部
    との間に、樹脂パターンを加熱乾燥することにより、前
    記樹脂パターン中の揮発成分を揮発させるための乾燥部
    が設けられている請求項5または請求項6に記載のリー
    ドフレームへの樹脂パターン形成装置。
  8. 【請求項8】 前記乾燥部は、リードフレームにその上
    方より加熱不活性ガスを吹き付けるガス吹き付けユニッ
    トである請求項7に記載のリードフレームへの樹脂パタ
    ーン形成装置。
  9. 【請求項9】 前記熱プレス部は、前記一対の熱プレス
    板によりリードフレームをその上下面よりそれぞれ離型
    フィルムを介して熱プレスするものであり、前記上下面
    のそれぞれの離型フィルムは、それぞれ繰り出しおよび
    巻取りローラからなる上下一対のフィルム搬送手段によ
    り送られ、該一対のフイルム搬送手段は、前記リードフ
    レームを前記上下面の離型フィルムにより挾んだ状態で
    前記上下面の離型フィルムをぞれぞれ送ることにより、
    前記リードフレームを前記キュアー部に向けて搬送する
    ものである請求項5乃至請求項8のいずれか1項に記載
    のリードフレームへの樹脂パターン形成装置。
  10. 【請求項10】 前記熱プレス部は、上面側の離型フィ
    ルムの、リードフレームから剥離する部分の上面に、冷
    却空気を吹き付けるためのエアーブロー部材を備えてい
    る請求項9に記載のリードフレームへの樹脂パターン形
    成装置。
JP2988195A 1995-02-17 1995-02-17 リードフレームへの樹脂パターン塗布装置、および該塗布装置を備えた樹脂パターン形成装置 Withdrawn JPH08222678A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2014064796A1 (ja) * 2012-10-25 2016-09-05 富士機械製造株式会社 印刷装置
CN116666233A (zh) * 2023-07-31 2023-08-29 山东凯一达智能科技有限公司 一种半导体器件处理方法及设备

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