JPH08220494A - 偏波無依存光位相同期ループ回路 - Google Patents

偏波無依存光位相同期ループ回路

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Publication number
JPH08220494A
JPH08220494A JP2714395A JP2714395A JPH08220494A JP H08220494 A JPH08220494 A JP H08220494A JP 2714395 A JP2714395 A JP 2714395A JP 2714395 A JP2714395 A JP 2714395A JP H08220494 A JPH08220494 A JP H08220494A
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JP
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reflection film
optical
light
signal light
signal
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Application number
JP2714395A
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English (en)
Inventor
Satoki Kawanishi
悟基 川西
Akira Takahashi
亮 高橋
Hidetoshi Iwamura
英俊 岩村
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特別な装置を付加することなく、入射光信号
の位相状態によって特性が変化せずに信号光パルスとク
ロック光パルスの相関検出を行うことができる相関検出
手段を持った偏波無依存光位相同期ループ回路を提供す
ること。 【構成】 信号光入力端子101から信号光パルスが入
射して光カップラ102に入る。光カップラ102のも
う一方の入射ポートからは、光クロックパルス発生器1
09のクロック光が入射し、2つの光は合波されてMQ
W光スイッチ103に入射する。MQW光スイッチ10
3は入射された信号光強度とクロック光強度の強度積に
比例した光波形の信号光を出力し、この信号光は受光回
路105によって電気信号に変換され、位相比較器10
6でこの電気信号の位相と光クロックパルスの位相とが
比較され位相誤差成分を検出する。これをVCO107
にフィードバックすることによってPLL動作が達成さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超高速光通信における
光中継装置、光端局装置や光信号処理において必要とさ
れる同期用のクロック光パルスを抽出発生させる偏波無
依存光位相同期ループ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は、従来の光位相同期ループ回路
(以下、光PLL回路という)の一例であり、11は信
号光入力端子、12は光カップラ、13は光非線形媒
質、14は光学バンドパスフィルタ、15は受光回路、
16は位相比較器、17は電圧制御発振器(VCO)、
18はマイクロ波ミキサ、19は光クロックパルス発生
器、20は低周波発振器、21は周波数逓倍器、22は
光クロックパルス逓倍器である。以下に上述した構成に
よる光PLL回路の動作を説明する。
【0003】まず、信号光入力端子11から信号光パル
スが入射して光カップラ12に入る。光カップラ12の
もう一方の入射ポートからは、光クロックパルス発生器
19のクロック光が入射し、2つの光は合波されて光非
線形媒質13に入射する。光非線形媒質13としては、
光ファイバまたは半導体レーザ増幅器などが用いられ
る。ここでは光ファイバを例にとって説明を進める。こ
の光ファイバにおいては、ファイバの有する非線形光学
効果によって、媒質中で信号光とクロック光の強度の積
に比例した第3の波長の光(以下、4光波混合光とい
う)を発生させる。図5に、一例として4光波混合の場
合の入射信号光の波長λsig、クロック光の波長λclkの
関係を示す。ここで、発生する4光波混合光の波長と入
力光波長との間には、
【0004】
【数1】
【0005】の関係が成立する。いまここで、信号光の
波長λsig、クロック光の波長λclkを適当に選ぶことに
よって、発生した第3の波長の光λFWMのみを、光学バ
ンドパスフィルタ14によって取り出すことができる。
実際、隣接する光の波長差を10nm程度以上とすれ
ば、現在市販されている波長分離フィルタを用いること
ができる。図5に、各光の波長の組み合わせの一例を示
した。信号光波長を1.55μm、クロック光波長を
1.56μmとすると発生する4光波混合の成分は1.
54μmとなって上記条件を満たすことができる。この
光学バンドパスフィルタ14によって分離された光は、
受光回路15によって電気信号に変換されたのち位相比
較器16に導かれる。
【0006】次に、VCO17の発振周波数をf0とす
る。f0の値としては、信号光入力端子11から入力す
る信号光のビットレートがnf0(nは1以上の整数)
となるように設定する。このVCO17の出力が、低周
波発振器20(周波数:Δf)およびマイクロ波ミキサ
18によって周波数がシフトされ、光クロックパルス発
生器19を駆動し、繰り返し周波数がf0+△f(また
はf0−△f、またはf0±△f)の光クロックパルスを
発生させる。いま、発生する光パルス列の時間波形Pc
(t)がガウス状であるとすると、次のように表される。
【0007】
【数2】
【0008】ここで、A,αは定数、T=1/(f0+
△f)である。このPc(t)をフーリエ級数に展開すると
次のようになる。
【0009】
【数3】
【0010】(3)式を見ると、第2項には、n倍高調
波成分n(f0+△f)が存在することがわかる。この
第n高調波成分は、nが大きくなるにつれて第2項の指
数関数の値(exp{−1/α(nπ/T)2})が小
さくなるため減少するが、パルス幅が狭い(αが小さ
い)時には、上記指数関数の値が大きくなって十分な強
度の第n高調波を発生させることが可能である。
【0011】高ビットレートの信号光に対して十分なレ
ベルの相関信号を発生させるためには、発生するクロッ
クパルスのパルス幅が狭い必要がある。現在超短光パル
ス光源として、ゲインスイッチ半導体レーザや、モード
同期レーザなどを用いれば、5ps以下のパルス幅の光
パルスを発生させることは比較的容易であり、この光パ
ルスを用いれば、100Gbit/s以上の高ビットレ
ートの光信号に対しても相関検出を行うことが可能であ
る。
【0012】いま、簡単のため光信号パルスのエンベロ
ープが正弦波であるとし、これと光クロックの第n高調
波を各々Ps(t),Pc(t)とすると次のように表さ
れる。 Ps(t)=Ps{1+sin n(2πf0t+φ(t))} (4) Pc(t)=Pc{1+sin 2nπ(f0t+Δf)t} (5) ここにPs,Pcは定数である。また、φ(t)は光信号
パルスと光クロック位相差(パルス位置の相対時間差)
であり、この量をPLLによって制御し、0もしくは一
定値にする。この両光が光非線形媒質13に入力して発
生した相関信号を受光回路(PIN−PD)に入力した
ときのフォトカレントOs(t)は次のようになる。
【0013】
【数4】
【0014】ここにeは電子の電荷、ηはPIN−PD
の量子効率、hνはフォトンのエネルギーである。
(6)式の最後の項が光クロックとの相関によって生じ
たn△f成分であり、この式から明らかなように光信号
パルスと光クロックパルスの位相差の相対的な変動φ
(t)は、低周波の△f成分に含まれる位相変動nφ
(t)に置き換えられることになる。このn△f成分の
出力と、元の低周波発振器20の△f信号出力を周波数
逓倍器21でn逓倍した出力との位相比較を位相比較器
16を用いて行えば、位相φ(t)の変化、すなわち、
位相誤差成分が検出されるので、これをVCO17にフ
ィードバックすることによりPLL動作が達成される。
【0015】以上の説明からもわかるように、nが2以
上の時は、光クロックパルスの波形としては、正弦波状
ではなくて、パルス幅が細く、高調波成分を含んでいる
ことが必要である。なお、n=1の場合、すなわち、ク
ロック周波数と信号光ビットレートが同じ場合には、周
波数逓倍器21は不要である。また、光クロックパルス
逓倍器22を用いて光クロックパルスの繰り返し周波数
を光学的にn倍する方法も可能である。
【0016】図6は、光クロックパルス逓倍器22の一
例として、光ファイバを用いた光クロックの2倍多重回
路の構成図であり、31は入力端子、32は光ファイバ
カップラ、33は光ファイバ遅延線、34は光ファイバ
カップラ、35は出力端子である。入力端子31から入
射したクロック光パルスは、光ファイバカップラ32に
よって2分される。2分されたクロック光パルスの一方
は、光ファイバ遅延線33によってT/2+mT(Tは
入力クロック光パルスのタイムスロット=1/f0、m
は整数)の遅延が加えられたのち、光ファイバカップラ
34によって再び合波され、繰り返し周波数が2倍の光
クロックが生成される。この場合においては、生成され
た光クロックの繰り返し周波数は2×(f0+△f)と
なる。クロックの多重度を2より大きくする場合には、
本多重化回路を多段に接続すればよい。k段の縦続によ
って、クロックの多重度は2kとなる。ただし、この場
合、入射側からk番目の多重化回路に用いる光ファイバ
遅延線の遅延量は(T/2k+mT)である。
【0017】図7は、光クロックパルス逓倍器の他の一
例として、光導波路を用いた3段8多重の光パルス多重
回路の構成図であり、41は入力端子、42,45,4
8,51は光合分波器、43,44,46,47,4
9,50は光導波路、52は出力端子である。本回路
は、図6で説明した機能を石英基板上に集積化した構成
であり、機能自体は図6の構成と同じであるが、回路が
モノリシック集積化されているために、小型で温度等の
変動を受けない安定した動作が実現される。本回路を用
いて光パルスの多重化を実現した例としては、『S.Kawa
nisi et al., "100Gbit/s,50 km,and Non-Repeated Opt
ical Transmission Employing All-OpticalMulti/Demul
tiplexing and PLL Timing,"Electronics Letters,vol.
29,pp.1075-1076,1993.』に述べられている。
【0018】このように光学的に光クロックをn多重し
た場合には、光クロックパルスの高調波を利用する必要
なく光信号と光クロックとの相関を検出することが可能
である。従ってこのような光クロックパルス逓倍器を用
いてもよい。以上のようにしてタイミング抽出されたク
ロックによって光クロックパルス発生回路19が駆動さ
れ、この光クロックが必要に応じて光クロックパルス逓
倍器22によって逓倍されて光カップラ12に入射して
フィードバックループを閉じて位相同期ループを構成
し、タイミングロックが再生される。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のPLL
回路においては、信号光パルスとクロック光パルスの相
関検出を行う回路として進行波型半導体レーザが主とし
て用いられているが、通常この進行波型半導体レーザに
は偏波依存性がある。本来PLL回路は、光ファイバ中
を伝送した後の光信号からタイミングクロックを抽出す
るための回路であり、入射する光信号の特性は、伝送路
ファイバ中で擾乱をうけるため偏光方向がランダムとな
り、さらに時間とともに変動する。従ってPLLに用い
られる相関検出手段としては、入射光信号の位相状態に
よって特性が変化しない偏波無依存の特性が必要であ
る。しかし、従来技術に用いられている進行波型半導体
レーザ増幅器で偏波無依存構成にするためには、増幅器
の素子構造に特別の構成が必要になるだけでなく、クロ
ック光の偏光状態を円偏波にするなど特別な条件を必要
とし、一般に偏波無依存動作を実現することは困難であ
った。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明においては、上記
問題点を解決するために、PLLの位相検出器として従
来用いられた進行波型半導体レーザ増幅器に代わって偏
波無依存の多量子井戸(MQW)半導体光変調器を用い
ることによって超高速の偏波無依存光PLLを構成する
ことを特徴とする。
【0021】
【作用】本発明に記載のPLL回路では、信号光パルス
とクロック光パルスの相関検出を行う光相関検出手段と
して偏波無依存の多量子井戸(MQW)半導体光変調器
を用いることを特徴とする。
【0022】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。図1は本
実施例における光PLL回路の構成を示すブロック図で
あり、101は信号光入力端子、102は光カップラ、
103は偏波無依存の多量子井戸光スイッチ(以下、M
QW光スイッチという)、104は光学バンドパスフィ
ルタ、105は受光回路、106は位相比較器、107
は電圧制御発振器(VCO)、108はマイクロ波ミキ
サ、109は光クロックパルス発生器、110は低周波
発振器、111は周波数逓倍器、112は光クロックパ
ルス逓倍器である。
【0023】本実施例におけるPLL回路おいても、P
LLとしての基本動作は従来技術と同様である。本実施
例のPLL回路が従来技術と異なるのは、進行波型半導
体レーザ増幅器に代わってMQW光スイッチ103を用
いている点である。図2は、MQW光スイッチ103の
構成を示す図であり、201は信号光入射ポート、20
2はクロック光入射ポート、203および205は集光
レンズ、204はMQW素子、206は信号光出射ポー
ト、207はクロック光出射ポートである。以下に上述
したMQW光スイッチ103の動作を説明する。
【0024】まず、信号光パルスが信号光入射ポート2
01より入射し、集光レンズ203を通してMQW素子
204に入射する。このとき、入射信号光の偏波方向は
任意で構わない。また、光パルス強度についても、通常
の光伝送システムにおける受信側のレベル程度(光前置
増幅後で平均1mW程度)であればよい。次に、クロッ
ク光入射ポート202から光クロックパルスが入射す
る。
【0025】この時、光信号と光クロックパルスは、M
QW素子204のMQW層(〜数μm)内のみで両ビー
ムがオーバーラップすればよいため、両ビームの伝搬方
向を異なるように設定することができる。
【0026】光クロックパルスとして直線偏光を有する
光パルスを用いると、信号光の偏波状態に依存しない動
作が実現される。すなわち、入射信号光は偏光方向が任
意の直線偏光であってもよいし、楕円偏光や円偏光であ
っても構わない。これは、直線偏光を有する光クロック
によってMQW素子204が励起されると、MQW内の
電子のアップスピン状態とダウンスピン状態が等しく励
起されて、信号光がどのような偏光状態にあっても同じ
ように吸収されるためである。
【0027】光クロックパルスのパワーに関しては、相
関信号(位相比較信号)の出力を最大にするには、MQ
W光スイッチ103のスイッチング効率を1に近くする
必要がある。現在得られているMQW素子においては、
スイッチング効率を1に近くするためには、光クロック
パルスのエネルギーとして約2pJ程度が必要である。
光クロックパルスのパルス幅を5psとすると、パルス
のピークパワーは0.4Wとなる。これは、従来技術を
用いて十分実現できる値である。
【0028】また、上述したMQWスイッチ103にお
いては、信号光とクロック光ビームの伝搬方向が異なる
ため、出射する信号光ビームにはクロック光は混入して
いない。したがって光学バンドパスフィルタ104を用
いなくても出射した信号光をそのまま受光回路105に
入射してもよい。
【0029】MQW素子204の動作についての詳細
は、『R.Takahasi,Y.Kawamura,andH.Iwamura,"1.55μm-
ultrafast surface-reflection all-optical switching
using low-temperature-grown Be-doped MQWs,"Tech.Di
gest of ECOD'94(PD),vol.4,pp.113-116』に述べられて
いる。
【0030】このような条件を備えた信号光および光ク
ロックパルスをMQW素子204に入射すると、光クロ
ックパルスが入射している瞬間のみ、信号光に対するM
QW素子204の透過率が上昇するように設定すること
ができる。透過した信号光は、信号光強度とクロックパ
ルス光強度の強度積に比例した光波形となる。すなわ
ち、従来技術で述べた半導体レーザ増幅器を用いた相関
信号の検出と同じ信号が得られることになる。従って、
MQW光スイッチ103を用いてもPLL回路の動作は
従来技術と同様の原理で実現できる。
【0031】MQW光スイッチ103を用いることによ
る従来技術との最大の差異は、 1)直線偏波の光クロック光を用いることで信号光の偏
波に依存しない動作が実現できる。 2)信号光強度が弱くても相関信号が効率良く検出でき
る。 という2点である。この2点の特徴は、光伝送方式にお
いて信号光が長い伝送路光ファイバを伝搬して偏波状態
がランダム、かつ、信号光強度が弱くなっていても特別
な装置を付加することなくその信号光から直接タイミン
グクロックを抽出できることを意味しており、さらにM
QW素子204は、時間応対が1ps程度と極めて高速
であるため、ビットレートが100Gbit/sの光信
号、もしくはそれ以上のビットレートの光信号からタイ
ミングクロックの抽出を行うことができる。
【0032】次に、図3はMQW光スイッチ103の別
の構成を示す。この図において、301は信号光入射ポ
ート、302は高反射膜層、303はInAlAs/InP層、3
04はInGaAs/InAlAs MQW層、305はInGaAsP/InP
DBR層、306はInP基板層、307は低反射膜層であ
る。以下に上述した構成によるMQW光スイッチ103
の動作を説明する。
【0033】上述した構成においては、MQW光スイッ
チ103を反射型構造にすることにより、MQW層の光
強度を上げることでMQWの可飽和特性を増強し、さら
に、素子裏面の高反射膜層からの反射との干渉により、
素子表面における信号光自身の反射を除去することで極
めて大きなスイッチング消光比を低入射光パワーで実現
するものである。
【0034】図3に示す構成においては、MQW層30
4と、MQW層304を挟むように配された低反射膜層
307および高反射膜層302とを有し、クロックパル
ス光のオン/オフによって信号光のオン/オフを制御す
る光スイッチにおいて、前記低反射膜層307と高反射
膜層302の間隔が光学長にして(m+1/2)λ/2
(ただし、mは整数、λは信号光波長)であり、低反射
膜層307の反射率が、クロック光が照射されていない
時(オフ状態)におけるMQW層304と高反射膜層3
02の信号光に対する反射率とほぼ等しく、信号光が低
反射膜層307側から入射し、高反射膜層302で反射
され低反射膜層307側から出射することを特徴として
いる。
【0035】上述した構成を用いない場合、クロック光
が入射しない時に信号入射ポート301から入射した信
号光は、大部分がMQW層304で吸収されるが、一部
は透過して高反射膜層302で反射されて低反射膜層3
07から出射する。これはスイッチの消光比を劣化させ
ることになる。そこで、上述した構成のようにMQW層
304と、MQW層304を挟むように配された低反射
膜層307および高反射膜層302とを用い、低反射膜
層307と高反射膜層302の間隔が光学長にして(m
+1/2)λ/2(ただし、mは整数、λは信号光波
長)となるように設定すれば、高反射膜層302で反射
された信号光と低反射膜層307で反射された信号光の
位相が逆相になって打ち消しあうことから、クロック光
が入射しないときの反射光強度が低減されてスイッチの
消光比を大きくとることができる。
【0036】元々、反射型の構成においてはMQW層の
光強度が高くなるため、クロック光が入射した時の信号
光の透過率は図2に示す構成のMQW光スイッチよりも
高くなる。したがって、上述した構成を用いることによ
ってより小さなクロック光パワーでより消光比の高いス
イッチングを行なうことができる。これにより、PLL
の位相比較の効率が上昇し、PLLのフィードバック信
号のS/Nが上昇して良好なPLL動作が実現できる。
【0037】なお、低反射膜層としては、図3の符号3
05で示したような低反射の分布ブラッグ反射鏡(DB
R)層を用いてもよい。同様に高反射膜層として高反射
のDBR層を用いてもよい。また、本実施例で述べたM
QW光スイッチによるスイッチング実験としては、前述
した『R.Takahasi,Y.Kawamura, and H.Iwamura,"1.55μ
m-ultrafast surface-reflection all-optical switchi
ng using low-temperature-grown Be-doped MQWs,"Tec
h.Digest of ECOD'94(PD), vol.4,pp.113-116』に詳細
が述べられている。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、偏
波無依存MQWスイッチをPLLの位相比較器(相関検
出器)に用いることによって、入射信号光の偏波状態に
影響を受けないPLL動作が実現できる。さらに、信号
光とクロック光の相関検出を行うために、特に信号光強
度を増幅する必要がないため、光伝送システムなどのよ
うに、長距離の光ファイバを伝送して信号光強度が弱ま
り、かつ、偏波状態も変動するような光信号からタイミ
ングクロックを抽出する回路に用いれば、非常に簡便な
構成で受信系を構成することができ、極めてメリットが
大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例における光PLL回路の構成
を示すブロック図である。
【図2】 同光PLL回路に使用されるMQW光スイッ
チの構成を示す図である。
【図3】 同光PLL回路に使用される反射型MQW光
スイッチの構成を示す図である。
【図4】 従来の光PLL回路の構成を示すブロック図
である。
【図5】 4光波混合の場合の入射信号光の波長λsi
g、クロック光の波長λclkの関係の一例を説明するため
の説明図である。
【図6】 光ファイバを用いた2倍多重回路の構成図で
ある。
【図7】 光導波路を用いた3段8多重光パルス多重回
路の構成図である。
【符号の説明】
101……信号光入力端子、102……光カップラ、1
03……多量子井戸光スイッチ(MQW光スイッチ)、
104……光学バンドパスフィルタ、105……受光回
路、106……位相比較器、107……電圧制御発振器
(VCO)、108……マイクロ波ミキサ、109……
光クロックパルス発生器、110……低周波発振器、1
11……周波数逓倍器、112……光クロックパルス逓
倍器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号光パルスを入力する信号光パルス入
    力手段と、 クロック光パルスを発生するクロック光パルス発生手段
    と、 前記信号光パルスと前記クロック光パルスを入力して両
    者の光の強度の積を出力する光相関検出手段と、 該光相関検出手段の出力を電気信号に変換する光−電気
    変換手段と、 交流信号を出力する第1の発振器と、 該第1の発振器が出力する交流信号の発振周波数をn逓
    倍(nは自然数)するn逓倍器と、 前記光−電気変換手段の出力の位相と前記n逓倍器の出
    力の位相とを比較する位相比較手段と、 該位相比較手段の出力を前記クロック光パルスの周波数
    にフィードバックする手段とを備えた偏波無依存光位相
    同期ループ回路であって、 前記クロック光パルス発生手段は、 外部からの制御信号によって発振周波数が可変である第
    2の発振器と、 前記第1,第2の発振器の出力信号周波数の和もしくは
    差もしくはその両者を発生させる周波数ミキサと、 該周波数ミキサの出力信号の周波数に等しい繰り返し周
    波数の光パルスを発生させる光パルス発生器とからな
    り、 前記光相関検出手段は、偏波無依存全光スイッチであっ
    て、 これらの手段を光学的に結合してフィードバックループ
    を構成していることを特徴とする偏波無依存光位相同期
    ループ回路。
  2. 【請求項2】 前記偏波無依存全光スイッチは、 半導体多重量子井戸層と、 該半導体多重量子井戸層を挟むように配された低反射膜
    および高反射膜とを有し、制御光のオン/オフにより信
    号光のオン/オフを制御する面型光−光スイッチであっ
    て前記低反射膜と高反射膜の間隔が光学長にして(m+
    1/2)λ/2(mは整数、λは信号光波長)であり、 前記低反射膜の反射率は、前記制御光が照射されていな
    い時における前記多重量子井戸層と高反射膜の信号光に
    対する反射率とほぼ等しく、 信号光が低反射膜側から入射し、高反射膜で反射されて
    低反射膜側から出射することを特徴とする面型光−光ス
    イッチであることを特徴とする請求項1に記載の偏波無
    依存光位相同期ループ回路。
  3. 【請求項3】 前記偏波無依存全光スイッチは、 半導体多重量子井戸層と、 該半導体多重量子井戸層を挟むように配された低反射膜
    および高反射膜とを有し、制御光のオン/オフにより信
    号光のオン/オフを制御する面型光−光スイッチであっ
    て、 前記低反射膜と高反射膜の間隔が光学長にして(m+1
    /2)λ/2(mは整数、λは信号光波長)であり、 前記低反射膜の反射率は、前記制御光が照射されていな
    い時における前記多重量子井戸層と高反射膜の信号光に
    対する反射率とほぼ等しく、 前記高反射膜と前記半導体多重量子井戸層の間、あるい
    は、前記低反射膜と前記半導体多重量子井戸層の間の何
    れか一方あるいは両方に前記信号光に対し透明な半導体
    層が挿入され、 信号光が低反射膜側から入射し、高反射膜で反射されて
    低反射膜側から出射することを特徴とする面型光−光ス
    イッチであることを特徴とする請求項1に記載の偏波無
    依存光位相同期ループ回路。
  4. 【請求項4】 前記偏波無依存全光スイッチは、 半導体多重量子井戸層と、 該半導体多重量子井戸層を挟むように配された低反射膜
    および高反射膜とを有し、制御光のオン/オフにより信
    号光のオン/オフを制御する面型光−光スイッチであっ
    て、 前記低反射膜と高反射膜の間隔が光学長にして(m+1
    /2)λ/2(mは整数、λは信号光波長)であり、 前記低反射膜の反射率は、前記制御光が照射されていな
    い時における前記多重量子井戸層と高反射膜の信号光に
    対する反射率とほぼ等しく、 前記高反射膜が分布帰還型ブラッグ反射鏡(DBR)で
    あり、 信号光が前記低反射膜側から入射し、前記高反射膜で反
    射されて前記低反射膜側から出射することを特徴とする
    面型光−光スイッチであることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の偏波無依存光位相同期ループ回路。
  5. 【請求項5】 前記偏波無依存全光スイッチは、 半導体多重量子井戸層と、 該半導体多重量子井戸層を挟むように配された低反射膜
    および高反射膜とを有し、制御光のオン/オフにより信
    号光のオン/オフを制御する面型光−光スイッチであっ
    て、 前記低反射膜と高反射膜の間隔が光学長にして(m+1
    /2)λ/2(mは整数、λは信号光波長)であり、 前記低反射膜の反射率は、前記制御光が照射されていな
    い時における前記多重量子井戸層と高反射膜の信号光に
    対する反射率とほぼ等しく、 前記低反射膜が分布帰還型ブラッグ反射鏡(DBR)で
    あり、 信号光が前記低反射膜側から入射し、前記高反射膜で反
    射されて前記低反射膜側から出射することを特徴とする
    面型光−光スイッチであることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の偏波無依存光位相同期ループ回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0828174A2 (en) * 1996-09-04 1998-03-11 Kokusai Denshin Denwa Kabushiki Kaisha Optical wavelength converter device and optical pulse phase detecting circuit

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0828174A2 (en) * 1996-09-04 1998-03-11 Kokusai Denshin Denwa Kabushiki Kaisha Optical wavelength converter device and optical pulse phase detecting circuit
EP0828174A3 (en) * 1996-09-04 1998-11-25 Kokusai Denshin Denwa Kabushiki Kaisha Optical wavelength converter device and optical pulse phase detecting circuit

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