JPH08219134A - 分離ナット - Google Patents

分離ナット

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Publication number
JPH08219134A
JPH08219134A JP7026853A JP2685395A JPH08219134A JP H08219134 A JPH08219134 A JP H08219134A JP 7026853 A JP7026853 A JP 7026853A JP 2685395 A JP2685395 A JP 2685395A JP H08219134 A JPH08219134 A JP H08219134A
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JP
Japan
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separation nut
separation
holding metal
nut
cushioning material
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Application number
JP7026853A
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English (en)
Inventor
Masayuki Masuyama
正行 増山
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
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Publication of JPH08219134A publication Critical patent/JPH08219134A/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64GCOSMONAUTICS; VEHICLES OR EQUIPMENT THEREFOR
    • B64G1/00Cosmonautic vehicles
    • B64G1/22Parts of, or equipment specially adapted for fitting in or to, cosmonautic vehicles
    • B64G1/64Systems for coupling or separating cosmonautic vehicles or parts thereof, e.g. docking arrangements
    • B64G1/645Separators

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Remote Sensing (AREA)
  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Vibration Dampers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 航空宇宙用保持解放機構の一種である分離ナ
ットの緩衝材に、塑性変形あるいは座屈変形する部材を
採用し、分離ナット解放時に発生する衝撃の原因である
歪エネルギを吸収して、衝撃レベルを低く抑える。 【構成】 塑性変形あるいは座屈変形する部材を緩衝材
に採用し、これに分離ナット固定用ボルトと保持金具を
取り付けて分離ナットを固定する。 【効果】 衝撃の原因である歪エネルギが不可逆な過程
で吸収されるので、エネルギが再解放されることがなく
衝撃レベルを低く抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はロケット、人工衛星、
航空機等のいわゆる空間航行体に搭載される、展開アン
テナ、展開パネルなどの展開構造物の保持、および展開
のための解放を行う保持解放機構に使用する分離ナット
に関するものである。なお、以下では説明の便宜上、空
間航行体として人工衛星を例に挙げて説明する。
【0002】
【従来の技術】人工衛星はロケットに搭載されて打ち上
げられ、所定の位置でロケット本体から切り離されて軌
道に入る。また、人工衛星に搭載される機器のなかに
は、運用状態で大面積をもつものや、視野を確保するた
め衛星から離れたところに保持されるものがあるが、こ
れらの機器は、運用時の状態のままではロケット内に入
らない。このため、打ち上げ時には折り畳まれて衛星構
体に保持され、軌道上で保持解放部が切り離されて展開
し、機器の運用状態となる。このように、打ち上げ時等
には保持し、任意のタイミングでコマンド等の遠隔操作
によってその保持を解除する機構を保持解放機構とい
う。
【0003】保持解放機構が大きな荷重経路となる場合
に多く用いられる機構が分離ナット及びボルトキャッチ
ャである。図6は分離ナット及びボルトキャッチャの使
用例である。ロケットと人工衛星、人工衛星と搭載機器
は、打ち上げ時、分離ボルト12と分離ナット1によっ
て締結されているが、打ち上げ後、コマンドによって分
離ナット1に取り付けられたパワーカートリッジ13が
点火され、その爆発力で分離ナット1内部のナットが割
れることによって分離ボルト12の保持力が解除され
る。分離ボルト12は分離ナット1内部から射出されて
ボルトキャッチャ14に受け止められる。ここで保持解
放機構は完全に解放される。分離ナットの作動を図7に
示す。
【0004】分離ナットの使用に際しては、分離ナット
の保持解放時に発生する衝撃が強大なため、保持解放機
構の近くに搭載されている電子機器に対して、許容レベ
ル以上の衝撃を与える場合があるという問題点がある。
そこで、従来は、1)周囲の構造を補強し、かつ、衝撃
減衰効果を持つ部材を電子機器に取り付ける。または
2)分離衝撃緩和のために、分離ナットをフリーマウン
トで取付ける方法がとられている。フリーマウントと
は、分離ナットの発生する衝撃を、その伝播経路で大き
く減衰させるために、分離ナットを分離ナット装備側に
固定する2本のボルト締結部に、シリコンラバー等ゴム
状の材料を使用した緩衝材を用いて分離ナットを固定す
る方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
フリーマウント方式では、緩衝材としてシリコンラバー
の様な弾性材料を使用していた。この場合、分離ナット
の保持解放時に、いままで保持力によって分離ボルトに
蓄えられていた歪エネルギが解放されることにより生ず
る衝撃を、緩衝材はいったん縮んで、緩衝材の歪エネル
ギに変えることで吸収する。しかし、緩衝材は弾性体で
ありこの状態に保持する部材がないため、結局は、緩衝
材が再度弾性的に伸び歪エネルギを解放する。このとき
分離ナットを、保持部にたたきつけ、別な衝撃を生む場
合があるという問題があった。
【0006】また、分離ナットを宇宙空間で使用する場
合、分離ナットの取付位置によっては、保持解放時の衝
撃を吸収する際に破断した緩衝材が外部の宇宙空間に放
出される可能性があり、放出された緩衝材が他の機器に
付着するとその機器の性能を劣化させる原因となるとい
う問題があった。
【0007】この発明は上記の課題を解決するためにな
されたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の実施例
に係わる分離ナットは、分離ナット固定用ボルトに、不
可逆な変形を起こすような材料もしくは形状を持った緩
衝材をセットし、保持金具を介して固定するものであ
る。
【0009】この発明の第2の実施例に係わる分離ナッ
トは、分離ナット固定用ボルトに、不可逆な変形を起こ
すような材料もしくは形状を持った緩衝材をセットし、
保持金具を介して固定し、さらに保持金具と緩衝材を覆
うようなケースを持つものである。
【0010】この発明の第3の実施例に係わる分離ナッ
トは、分離ナット固定用ボルトに、不可逆な変形を起こ
すような材料もしくは形状を持った緩衝材を複数個セッ
トし、保持金具を介して固定するものである。
【0011】この発明の第4の実施例に係わる分離ナッ
トは、ハニカムコアサンドイッチ板を用いて不可逆な変
形を起こす緩衝材を作成し、これを分離ナット固定用ボ
ルトにセットし、保持金具を介して固定するものであ
る。
【0012】この発明の第5の実施例に係わる分離ナッ
トは、フォーム材を用いて不可逆な変形を起こす緩衝材
を製造し、これを分離ナット固定用ボルトにセットし、
保持金具を介して固定するものである。
【0013】
【作用】この発明の第1の実施例において、分離ナット
は、分離ナット固定用ボルトに、不可逆な変形を起こす
ような材料もしくは形状を持った緩衝材がセットされ、
保持金具を介して固定されている。このため保持解放時
に解放される歪エネルギは、緩衝材に吸収され、再放出
されることはなく、周辺機器に及ぼす衝撃のレベルを低
く抑える。
【0014】また、この発明の第2の実施例において、
分離ナットは、不可逆な変形を起こすような材料もしく
は形状を持った緩衝材をセットした、分離ナット固定用
ボルトで、保持金具を介して固定され、さらに保持金具
と緩衝材を覆うようなケースを持つものである。このた
め保持解放時に解放される歪エネルギは、緩衝材に吸収
され、再放出されることはなく、周辺機器に及ぼす衝撃
のレベルを低く抑える。また、衝撃吸収の途中で、緩衝
材が破断して破片が発生しても、ケースで補足されるの
で周辺機器に影響を及ぼすことはない。
【0015】この発明の第3の実施例にかかわる分離ナ
ットでは、分離ナット固定用ボルトに、不可逆な変形を
起こすような材料もしくは形状を持った緩衝材を複数個
セットし、保持金具を介して固定するものである。この
ため保持解放時に解放される歪エネルギは、緩衝材に吸
収され、再放出されることはなく、周辺機器に及ぼす衝
撃のレベルを低く抑える。また、緩衝材の効果を個数を
調整することで変化させることで、周辺機器への衝撃レ
ベルを調整することができる。
【0016】この発明の第4の実施例にかかわる分離ナ
ットは、ハニカムコアサンドイッチ板を用いて不可逆な
変形を起こす緩衝材を作成し、これを分離ナット固定用
ボルトにセットし、保持金具を介して締結するものであ
る。このため保持解放時に解放される歪エネルギは、緩
衝材に吸収され、再放出されることはなく、周辺機器に
及ぼす衝撃のレベルを低く抑える。
【0017】この発明の第5の実施例にかかわる分離ナ
ットは、フォーム材を用いて不可逆な変形を起こす緩衝
材を製造し、これを分離ナット固定用ボルトにセット
し、保持金具を介して締結するものである。このため保
持解放時に解放される歪エネルギは、緩衝材に吸収さ
れ、再放出されることはなく、周辺機器に及ぼす衝撃の
レベルを低く抑える。
【0018】
【実施例】
実施例1.図1はこの発明の分離ナットの第1の実施例
を示す図である。分離ナットのフランジ7上に、鉛等を
材料とし、分離ナット固定用ボルト2が通る穴を有す
る、中央が痩せた円筒型の緩衝材3をセットし、その上
からアルミニウムまたはステンレスを材料とする保持金
具5をかぶせる。保持金具5の上面にはワッシャ、スプ
リング6をセットし、分離ナット1を分離ナット装備側
部材4に締め付ける。緩衝材は、圧縮力により座屈ある
いは塑性変形あるいは粘弾性変形を起こすように、材料
の選択あるいは形状の設計がなされている。保持金具
は、緩衝材全体をおおうような形状をしていて、緩衝材
と接している。上面部には分離ナット固定用ボルトを貫
通させる穴がある。保持金具が、保持解放時に分離ナッ
トと接していると、分離ナット−保持金具−分離ナット
固定用ボルト−分離ナット装備側部材−電子機器という
経路で衝撃が伝播してしまう。このため保持金具は、分
離ナットが保持金具に接することなく、保持金具の内部
でのみ動作するような形状、すなわち分離ナットフラン
ジとその上にセットした緩衝材を上から包みこむような
形状をしている。分離ナット−緩衝材−保持金具−分離
ナット固定用ボルト−分離ナット装備側部材−電子機器
という経路になっているので、衝撃は緩衝材で吸収され
る。このとき分離ナット固定用ボルトを締めたときに、
緩衝材がつぶれないように、保持金具の長さと形状は設
計されている。分離ナット固定用ボルトは、この両者を
貫いて、分離ナットを固定する。動作としては以下のよ
うになる。保持解放時、分離ナットが分離し、ボルトが
分離ナットから解放されて衝撃が発生する。この瞬間
に、分離ナット機構部は衝撃発生の原因であるボルト締
結力による歪エネルギの解放の反力で、緩衝材を潰す方
向に超高速で放出される。このとき、緩衝材には圧縮力
が発生する。緩衝材は、上記のように、この圧縮力によ
り座屈あるいは塑性変形を起こすような材料の選択ある
いは形状の設計がなされている。このため圧縮力により
緩衝材は不可逆な座屈あるいは塑性変形を起こしながら
つぶれて行く。このつぶれて行く過程で、解放された歪
エネルギは、この不可逆な変形をする仕事に変換され
る。解放された歪エネルギがすべて、この仕事に変換さ
れてしまえば、そこで、緩衝材がつぶれることは終る。
従来のシリコンラバーなどの弾性体による緩衝材では、
弾性体であったため、緩衝材は、つぶれる過程で解放さ
れた歪エネルギを再び歪エネルギに変換して蓄え、これ
が再放出され、衝撃を発生する場合があった。しかし、
本発明では上記のように、不可逆な変形をする仕事とし
て歪エネルギが変換され、もとに戻ることがないので、
再解放された歪エネルギに困る問題は生じない。
【0019】実施例2.図2はこの発明の第2の実施例
を示す図である。分離ナットのフランジ7上に、座屈お
よび塑性変形を起こしやすいように、鉛等を材料とし、
分離ナット固定用ボルト2が通る穴を有する、中央が痩
せた円筒型の緩衝材3をセットし、その上からアルミニ
ウムまたはステンレスを材料とする保持金具5をかぶせ
る。保持金具5の上面にはワッシャ、スプリング6をセ
ットし、分離ナット1を分離ナット装備側部材4に締め
付ける。分離ナットのフランジの一部としてケース8が
つくられ、緩衝材3および保持金具5を覆っている。緩
衝材は、圧縮力により座屈あるいは塑性変形あるいは粘
弾性変形を起こすように、材料の選択あるいは形状の設
計がなされている。保持金具は、緩衝材全体をおおうよ
うな形状をしていて、緩衝材と接している。上面部には
分離ナット固定用ボルトを貫通させる穴がある。保持金
具が、保持解放時に分離ナットと接していると、分離ナ
ット−保持金具−分離ナット固定用ボルト−分離ナット
装備側部材−電子機器という経路で衝撃が伝播してしま
う。このため保持金具は、分離ナットが保持金具に接す
ることなく、保持金具の内部でのみ動作するような形
状、すなわち分離ナットフランジとその上にセットした
緩衝材を上から包みこむような形状をしている。分離ナ
ット−緩衝材−保持金具−分離ナット固定用ボルト−分
離ナット装備側部材−電子機器という経路になっている
ので、衝撃は緩衝材で吸収される。このとき分離ナット
固定用ボルトを締めたときに、緩衝材がつぶれないよう
に、保持金具の長さと形状は設計されている。分離ナッ
ト固定用ボルトは、この両者を貫いて、分離ナットを固
定する。さらに、ケースを上記の緩衝材および保持金具
を囲う様に配置する。動作としては以下のようになる。
保持解放時、分離ナットが分離し、ボルトが分離ナット
から解放されて衝撃が発生する。この瞬間に、分離ナッ
ト機構部は衝撃発生の原因であるボルト締結力による歪
エネルギの解放の反力で、緩衝材を潰す方向に超高速で
放出される。このとき、緩衝材には圧縮力が発生する。
緩衝材は、上記のように、この圧縮力により座屈あるい
は塑性変形を起こすような材料の選択あるいは形状の設
計がなされている。このため圧縮力により緩衝材は不可
逆な座屈あるいは塑性変形を起こしながらつぶれて行
く。このつぶれて行く過程で、解放された歪エネルギ
は、この不可逆な変形をする仕事に変換される。解放さ
れた歪エネルギがすべて、この仕事に変換されてしまえ
ば、そこで、緩衝材がつぶれることは終る。また緩衝材
は、上記の衝撃を受け、変形して行く過程で破断しその
破片が飛散する可能性がある。この場合、上記の様にケ
ースが配置されているので、そのなかに留まりその外へ
出ることはない。従来のシリコンラバーなどの弾性体に
よる緩衝材では、弾性体であったため、緩衝材は、つぶ
れる過程で解放された歪エネルギを再び歪エネルギに変
換して蓄え、これが再放出され、衝撃を発生する場合が
あった。しかし、本発明では上記のように、不可逆な変
形をする仕事として歪エネルギが変換され、もとに戻る
ことがないので、再解放された歪エネルギに困る問題は
生じない。また、分離ナット取付位置が熱制御シールド
等に覆われた部分にある場合は問題ないが、分離ナット
が露出している場合では、異物の発生は、飛散した破片
が他の機器に付着して他の機器の運用の妨げになるの
で、禁じられている。このため、従来の分離ナットで
は、緩衝材が破断することがあった場合、上記の破片の
発生に該当し、問題となるが、本発明では飛散を防ぐた
めに、上記の緩衝材および保持金具を囲う様にケースを
配置されており、これに困り異物発生の問題は発生しな
い。
【0020】実施例3.図3はこの発明の分離ナットの
第3の実施例を示す図である。この発明の第1の実施
例、または第2の実施例に加えて、緩衝材を、複数個に
分割したことを特徴とする。この分割された緩衝材9
は、鉛などを材料とし、中央に、分離ナット固定用ボル
ト2のとおる穴を有して中央が細くなった円筒形をして
いる。この分割された緩衝材9を複数個、分離ナット固
定用ボルト2を通してセットする。配置する個数を、調
整できるようにしたことで、衝撃吸収能力を調整するこ
とができる。この複数個の分割された衝撃緩衝材9およ
び、保持金具5を覆うように、ケース8が配置され、分
離衝撃時に、緩衝材9が、不可逆的に座屈もしくは塑性
変形する際に破断しても、その破片は、ケース8内にと
どまり、他の機器に影響を及ぼさない。緩衝材は、圧縮
力により座屈あるいは塑性変形あるいは粘弾性変形を起
こすように、分離ナットと保持金具の間に複数個配置で
きるように、材料の選択あるいは形状の設計をする。保
持金具は、緩衝材全体をおおうような形状をしていて、
緩衝材と接している。上面部には分離ナット固定用ボル
トを貫通させる穴がある。保持金具が、保持解放時に分
離ナットと接していると、分離ナット−保持金具−分離
ナット固定用ボルト−分離ナット装備側部材−電子機器
という経路で衝撃が伝播してしまう。このため保持金具
は、分離ナットが保持金具に接することなく、保持金具
の内部でのみ動作するような形状、すなわち分離ナット
フランジとその上にセットした緩衝材を上から包みこむ
ような形状をしている。分離ナット−緩衝材−保持金具
−分離ナット固定用ボルト−分離ナット装備側部材−電
子機器という経路になっているので、衝撃は緩衝材で吸
収される。このとき分離ナット固定用ボルトを締めたと
きに、緩衝材がつぶれないように、保持金具の長さと形
状は設計されている。分離ナット固定用ボルトは、この
両者を貫いて、分離ナットを固定する。動作としては以
下のようになる。保持解放時、分離ナットが分離し、ボ
ルトが分離ナットから解放されて衝撃が発生する。この
瞬間に、分離ナット機構部は衝撃発生の原因であるボル
ト締結力による歪エネルギの解放の反力で、緩衝材を潰
す方向に超高速で放出される。このとき、緩衝材には圧
縮力が発生する。緩衝材は、上記のように、この圧縮力
により座屈あるいは塑性変形を起こすような材料の選択
あるいは形状の設計がなされている。このため圧縮力に
より緩衝材は不可逆な座屈あるいは塑性変形を起こしな
がらつぶれて行く。このつぶれて行く過程で、解放され
た歪エネルギは、この不可逆な変形をする仕事に変換さ
れる。解放された歪エネルギがすべて、この仕事に変換
されてしまえば、そこで、緩衝材がつぶれることは終
る。従来のシリコンラバーなどの弾性体による緩衝材で
は、弾性体であったため、緩衝材は、つぶれる過程で解
放された歪エネルギを再び歪エネルギに変換して蓄え、
これが再放出され、衝撃を発生する場合があった。しか
し、本発明では上記のように、不可逆な変形をする仕事
として歪エネルギが変換され、もとに戻ることがないの
で、再解放された歪エネルギに困る問題は生じない。ま
た、分離衝撃は、伝播経路がその衝撃の大きさに影響す
る。したがって、衝撃源である分離ナットでの衝撃の大
きさが同じでも、伝播経路の構造が異なれば、伝播した
あとでの電子機器での衝撃の大きさは変化する。このこ
とは設計の際の予測を難しくしている。従来の分離ナッ
トでは、予測と異なった衝撃の大きさだった場合では、
この変化に対応して、衝撃吸収能力を調整することはで
きなかった。本発明では緩衝材を複数個使用することが
できるようにし、使用する個数をかえることで、衝撃吸
収能力を調整できるので上記の問題は解決される。
【0021】実施例4.図4はこの発明の分離ナットの
第4の実施例を示す図である。分離ナット1のフランジ
7上に、アルミハニカムコア10を接着して配置する。
その上からアルミニウムまたはステンレスを材料とする
保持金具5を接着して、かぶせる。このとき、分離ナッ
ト固定用ボルト2が通る穴を、保持金具5およびアルミ
ハニカムコア10には、開けておく。保持金具5の上面
にはワッシャ、スプリング6をセットし、分離ナット固
定用ボルト2にて分離ナット1を分離ナット装備側部材
4に締め付ける。分離ナット1のフランジ7の一部とし
てケース78がつくられ、ハニカムコア10および保持
金具5を覆っている。本発明では、緩衝材としてハニカ
ムコアを採用し、ハニカムコアを、分離ナット機構部
と、保持金具に接着し、緩衝材、分離ナット機構部、保
持金具を一体化した。保持金具は、緩衝材全体をおおう
ような形状をしていて、緩衝材と接している。上面部に
は分離ナット固定用ボルトを貫通させる穴がある。保持
金具が、保持解放時に分離ナットと接していると、分離
ナット−保持金具−分離ナット固定用ボルト−分離ナッ
ト装備側部材−電子機器という経路で衝撃が伝播してし
まう。このため保持金具は、分離ナットが保持金具に接
することなく、保持金具の内部でのみ動作するような形
状、すなわち分離ナットフランジとその上にセットした
緩衝材を上から包みこむような形状をしている。分離ナ
ット−緩衝材−保持金具−分離ナット固定用ボルト−分
離ナット装備側部材−電子機器という経路になっている
ので、衝撃は緩衝材で吸収される。このとき分離ナット
固定用ボルトを締めたときに、緩衝材がつぶれないよう
に、保持金具の長さと形状は設計されている。分離ナッ
ト固定用ボルトは、上記の一体化された保持金具−緩衝
材−分離ナットを固定する。動作は以下のようになる。
保持解放時、分離ナットが分離し、ボルトが分離ナット
から解放されて衝撃が発生する。この瞬間に、分離ナッ
トはボルト締結力による歪エネルギの解放の反力で、緩
衝材であるハニカムコアを潰す方向に超高速で放出され
る。このとき、緩衝材には圧縮力が発生する。緩衝材で
あるハニカムコアは、この圧縮力により不可逆な座屈あ
るいは塑性変形を起こしながらつぶれて行く。このつぶ
れて行く過程で、解放された歪エネルギは、この不可逆
な変形をする仕事に変換される。解放された歪エネルギ
がすべて、この仕事に変換されてしまえば、そこで、緩
衝材がつぶれることは終る。従来のシリコンラバーなど
の弾性体による緩衝材では、弾性体であったため、緩衝
材は、つぶれる過程で解放された歪エネルギを再び歪エ
ネルギに変換して蓄え、これが再放出され、衝撃を発生
する場合があった。しかし、本発明では上記のように、
不可逆な変形をする仕事として歪エネルギが変換され、
もとに戻ることがないので、再解放された歪エネルギに
困る問題は生じない。また、従来、ゴム部品が使用さ
れ、接着することで劣化する、あるいは接着ができな
い、ゴムの劣化のため長期間の保存のあとに交換が必要
などの問題のある場合があった緩衝材を、上記の問題が
ないハニカムコアで置き換え、接着して、保持金具、分
離ナットと一体化をはかることで、より軽量にかつ部品
数を削減し取扱のたやすい構成とした。
【0022】実施例5.図5はこの発明の分離ナットの
第5の実施例を示す図である。分離ナット機構部1のフ
ランジ7上に、フォーム材11を接着して配置する。そ
の上からアルミニウムまたはステンレスを材料とする保
持金具5を接着によりとりつける。このとき、分離ナッ
ト固定用ボルト2が通る穴を、保持金具5およびフォー
ム材11には、開けておく。保持金具5の上面にはワッ
シャ、スプリング6をセットし、分離ナット固定用ボル
ト2にて分離ナット機構部1を分離ナット装備側部材4
に締め付ける。あるいは、先に保持金具5と分離ナット
固定用ボルト2をとりつけて、保持金具5と分離ナット
機構部1のフランジ7の間にできる空間にフォーム材1
1を注入整形してもよい。本発明では、緩衝材としてフ
ォーム材を採用し、このフォーム材を、分離ナット機構
部と、保持金具に接着し、緩衝材、分離ナット機構部、
保持金具を一体化した。保持金具は、緩衝材全体をおお
うような形状をしていて、緩衝材と接している。上面部
には分離ナット固定用ボルトを貫通させる穴がある。保
持金具が、保持解放時に分離ナットと接していると、分
離ナット−保持金具−分離ナット固定用ボルト−分離ナ
ット装備側部材−電子機器という経路で衝撃が伝播して
しまう。このため保持金具は、分離ナットが保持金具に
接することなく、保持金具の内部でのみ動作するような
形状、すなわち分離ナットフランジとその上にセットし
た緩衝材を上から包みこむような形状をしている。分離
ナット−緩衝材−保持金具−分離ナット固定用ボルト−
分離ナット装備側部材−電子機器という経路になってい
るので、衝撃は緩衝材で吸収される。このとき分離ナッ
ト固定用ボルトを締めたときに、緩衝材がつぶれないよ
うに、保持金具の長さと形状は設計されている。分離ナ
ット固定用ボルトは、上記の一体化された保持金具−緩
衝材−分離ナットを固定する。動作は以下のようにな
る。保持解放時、分離ナットが分離し、ボルトが分離ナ
ットから解放されて衝撃が発生する。この瞬間に、分離
ナット機構部はボルト締結力による歪エネルギの解放の
反力で、緩衝材であるフォーム材を潰す方向に超高速で
放出される。このとき、緩衝材には圧縮力が発生する。
緩衝材であるフォーム材は、この圧縮力により不可逆な
座屈あるいは塑性変形を起こしながらつぶれて行く。こ
のつぶれて行く過程で、解放された歪エネルギは、この
不可逆な変形をする仕事に変換される。解放された歪エ
ネルギがすべて、この仕事に変換されてしまえば、そこ
で、緩衝材がつぶれることは終る。従来のシリコンラバ
ーなどの弾性体による緩衝材では、弾性体であったた
め、緩衝材は、つぶれる過程で解放された歪エネルギを
再び歪エネルギに変換して蓄え、これが再放出され、衝
撃を発生する場合があった。しかし、本発明では上記の
ように、不可逆な変形をする仕事として歪エネルギが変
換され、もとに戻ることがないので、再解放された歪エ
ネルギに困る問題は生じない。また、分離ナット取付位
置が熱制御シールド等に覆われた部分にある場合はとく
に問題ないが、分離ナットが露出している場所では、飛
散した破片が他の機器に付着して他の機器の運用の妨げ
になるので、異物の発生は禁じられている。このため、
従来の分離ナットでは、緩衝材が破断することがあった
場合、上記の破片の発生に該当し、問題となる。本発明
では飛散を防ぐために、緩衝材としてフォーム材を採用
し、フォーム材を、分離機構部と、保持金具に接着し
た。フォーム材は変形の過程で破断することなく変形す
るので、これにより異物発生の問題は発生しなくなる。
また、緩衝材と保持金具、分離ナットが一体化されてい
るので、より取扱が簡易な構成となった。
【0023】
【発明の効果】この発明に第1の実施例に係わる分離ナ
ットによれば、分離ナットの保持解放時の衝撃エネルギ
を、緩衝材の変形により吸収することができ、衝撃レベ
ルを低く抑えることができる。
【0024】この発明に第2の実施例に係わる分離ナッ
トによれば、分離ナットの保持解放時の衝撃エネルギ
を、緩衝材の変形により吸収することができ、衝撃レベ
ルを低く抑えることができる。また、衝撃を受けた後に
緩衝材が飛散するのを簡単な方法で確実に防ぐことがで
きる。
【0025】この発明に第3の実施例に係わる分離ナッ
トによれば、分離ナットの保持解放時の衝撃エネルギ
を、緩衝材の変形により吸収することができ、衝撃レベ
ルを低く抑えることができる。また、緩衝材の個数を調
節することで、衝撃緩衝能力を調節することができる。
【0026】この発明に第4の実施例に係わる分離ナッ
トによれば、分離ナットの保持解放時の衝撃エネルギ
を、緩衝材の変形により吸収することができ、衝撃レベ
ルを低く抑えることができる。また、緩衝材を分離ナッ
ト、保持金具と一体化することで取扱を簡易に行えるよ
うになった。
【0027】この発明に第5の実施例に係わる分離ナッ
トによれば、分離ナットの保持解放時の衝撃エネルギ
を、緩衝材の変形により吸収することができ、衝撃レベ
ルを低く抑えることができる。また、緩衝材は破断をお
こさない材料であり、破片が生じて、周辺機器に影響を
与えることはない。また、緩衝材を分離ナット、保持金
具と一体化することで取扱を簡易に行えるようになっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施例を示す図である。
【図2】 この発明の第2の実施例を示す図である。
【図3】 この発明の第3の実施例を示す図である。
【図4】 この発明の第4の実施例を示す図である。
【図5】 この発明の第5の実施例を示す図である。
【図6】 従来の実施例を示す図である。
【図7】 従来の実施例の動作を示す図である。
【符号の説明】 1 分離ナット、2 分離ナット固定用ボルト、3 緩
衝材、4 分離ナット装備側部材、5 保持金具、6
スプリングワッシャ、7 フランジ、8 ケース、9
分割された緩衝材、10 アルミハニカムコア、11
フォーム材、12 分離ボルト、13 パワーカートリ
ッジ、14 ボルトキャッチャ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 展開構造物を保持し、かつ、それを解放
    して展開させるための保持解放機構に用いられる分離ナ
    ットにおいて、分離ナットを分離ナット装備側に固定す
    る分離ナット固定用ボルトと、分離ナットの動きを制限
    する保持金具と、その中心部に上記固定用ボルトが通る
    穴を有した形状で、分離ナット固定用ボルトにより上記
    保持金具と分離ナットとの間に配置され、分離ナットの
    分離衝撃を緩和し、かつ吸収するための緩衝部材とで構
    成したことを特徴とする分離ナット。
  2. 【請求項2】 分離ナットにおいて、分離ナットを分離
    ナット装備側に固定する分離ナット固定用ボルトと、分
    離ナットの動きを制限する保持金具と、その中心部に上
    記固定用ボルトが通る穴を有した形状で、分離ナット固
    定用ボルトにより上記保持金具と分離ナットとの間に配
    置され、分離ナットの分離衝撃を緩和し、かつ吸収する
    ための緩衝部材と、緩衝材の破片が飛び出さないよう
    に、上記保持金具と緩衝材を覆うように配置されたケー
    スとで構成したことを特徴とする分離ナット。
  3. 【請求項3】 上記緩衝材を、複数個に分割し、緩衝効
    果を調節できるようにしたことを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の分離ナット。
  4. 【請求項4】 分離ナットを分離ナット装備側に固定す
    る分離ナット固定用ボルトと、分離ナット機構部の動き
    を制限する保持金具と、上記保持金具と分離ナット機構
    部との間に配置され、かつ上記保持金具と分離ナットに
    接着された、分離ナットの分離衝撃を緩和かつ吸収する
    ためのハニカムコア材と、ハニカムコア材の破片が飛び
    出さないように、上記保持金具と緩衝材を覆うように配
    置されたケースからとで構成したことを特徴とする分離
    ナット。
  5. 【請求項5】 分離ナットを分離ナット装備側に固定す
    る分離ナット固定用ボルトと、分離ナットの動きを制限
    する保持金具と、上記保持金具と分離ナット機構部との
    間に配置され、かつ上記保持金具と分離ナット機構部に
    成形された、分離ナットの分離衝撃を緩和かつ吸収する
    ためのフォーム材を用いて構成したことを特徴とする分
    離ナット。
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