JPH08219001A - フランシス型ポンプ水車 - Google Patents

フランシス型ポンプ水車

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JPH08219001A
JPH08219001A JP7020166A JP2016695A JPH08219001A JP H08219001 A JPH08219001 A JP H08219001A JP 7020166 A JP7020166 A JP 7020166A JP 2016695 A JP2016695 A JP 2016695A JP H08219001 A JPH08219001 A JP H08219001A
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JP
Japan
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runner
rib
upper cover
type pump
francis type
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JP7020166A
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English (en)
Inventor
Katsuhiro Oshima
勝宏 大嶋
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E10/20Hydro energy

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  • Hydraulic Turbines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】フランシス型ポンプ水車のランナに発生する変
動応力を大きく低減でき、かつ設置が容易な変動応力低
減機構を提供する。 【構成】クラウン板1a、シュラウド板1b及びランナ
ベーン1cにより構成され、クラウン板1aとシュラウ
ド板1bとの間に、ケーシング9からガイドベーン4を
経由して水が供給される水路が形成され、この水路中に
複数のランナベーン1cが配置されるランナ1、クラウ
ン板1aの上方に上カバー、シュラウド板1bの下方に
下カバー3がそれぞれ配置されているフランシス型ポン
プ水車の要部の構成において、上カバー2の下面には上
カバー側リブ状突起11、下カバー3の上面には下カバ
ー側リブ状突起12を、それぞれ複数個、全周に亘って
放射状に配置している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフランシス型ポンプ水車
に関する。
【0002】
【従来の技術】フランシス型ポンプ水車は、経済性の面
から、高落差・大容量・高速度化する傾向にある。これ
に伴い静的応力が上昇し、また、フランシス型ポンプ水
車用ランナ(以後、ランナと略称)に作用する水圧加振
周波数が、ランナの水中共振周波数すなわち固有振動数
に接近するため、変動応力が増大する。
【0003】フランシス型ポンプ水車が、従来のような
中・低落差用の低速度機の場合には、ランナの水中共振
周波数が水圧加振周波数より低いために、静的応力や変
動応力について問題になることは少ないが、高速度化す
ると水中共振周波数に水圧加振周波数が必然的に近づく
ことになるため、ランナに共振が発生しやすい。
【0004】また、フランシス型ポンプ水車を、より効
率良く運転するために、落差や負荷変動に応じて、ラン
ナの回転速度を制御する可変速運転制御が採用される傾
向にある。しかし、可変速運転では、回転速度変動によ
り加振周波数に変動幅が生じるため、水圧加振周波数が
水中共振周波数と一致して、ランナが共振する危険性が
増す。
【0005】そして、ランナに共振が起きると、ランナ
への変動応力の発生が急増するため、この共振はランナ
の疲労破壊の発生原因となる。フランシス型ポンプ水車
の中でも、最も重要な部品であるランナが疲労破壊を起
こすと、その被害は固定側にも及ぶ重大な事故となるた
め、ランナへの共振発生の回避は、フランシス型ポンプ
水車の信頼性確保のため、不可欠なことである。
【0006】また、ランナが定常運転中において、仮に
共振を回避できたとしても、運転開始過程の加速時、又
は運転終了過程の減速時に共振点を通過したり、可変速
運転において、運転範囲を共振点から充分に離しておく
ことができない場合がある。したがって、共振時におけ
る変動応力の低減は重要な課題である。
【0007】ランナ自体の空中固有振動数は、ランナの
形状及び厚みなどにより決定されるため、比較的容易
に、かつ正確に予測することができる。しかし、ランナ
の変動応力に直接関係する水中共振周波数は、ランナ自
体の形状だけでなく、ランナ周囲のランナ室形状によっ
ても変化するなどの影響因子が多いことから、正確な予
測が極めてむずかしい。
【0008】ランナの変動応力の低減に関連する従来技
術としては、次のようなものが挙げられる。
【0009】(1)ランナの水中固有振動数を調整する
技術については、次のとおりである。
【0010】特開昭57−163164号公報には、水
力機械において、ランナ背圧室にエアチャンバを設け、
このエアチャンバに圧縮空気を供給することにより、ラ
ンナ背面の水深を変化させて固有振動数を調整すること
が開示されている。
【0011】特開昭57−195874号公報には、水
力機械のフランシス型ランナにおいて、クラウン板又は
シュラウド板の肉厚分布などを変化させて固有振動数を
調整することが開示されている。
【0012】特開昭60−22076号公報には、水力
機械において、ランナの背圧室又は側圧室に外周側を固
定した振動体を設けることにより、固有振動数を変化さ
せることが開示されている。
【0013】平3−23376号公報には、水力機械及
びその運転制御方法において、ランナ外周にシリンダゲ
ートを設け、ランナ外周ギャップを調整することによ
り、固有振動数を調整すること開示されている。
【0014】特開平4−365974号公報には、水力
機械及びその運転方法において、ランナと上カバーとの
間隔を変化させることにより、固有振動数を調整するこ
とが開示されている。
【0015】特開平4−8773号公報には、水車ラン
ナにおいて、ランナ外周部に溝を設けることにより、流
体の付加質量を変化させ、固有振動数を調整することが
開示されている。
【0016】(2)ランナへの加振周波数を調整、及び
加振力を低減する方法については、次のとおりである。
【0017】特開昭58−183866号公報には、ガ
イドベーンを備えたポンプ水車及び遠心ポンプにおい
て、適正なガイドベーン枚数を選定することによりラン
ナの共振を避けることが開示されている。
【0018】)実開昭60−6886号公報には、水車
及びポンプにおいて、ランナ側のガイドベーンの端部を
切り欠くことにより、正規のものより短いガイドベーン
を一部に配置して、周期的加振力を減少させ、変動応力
を低減することが開示されている。
【0019】実開昭58−118273号公報には、ラ
ンナ背圧脈動軽減装置において、ランナ背圧室に連通す
る空気タンクを設置し、ダンパ作用をもたせることが開
示されている。
【0020】(3)ランナ自体を制御する方法について
は、次のとおりである。
【0021】実開昭63−79493号公報には、ター
ボ機械において、固定側に電磁石を、回転側に永久磁石
をそれぞれ設け、ランナと固定部との隙間を一定に保つ
ように電磁石を制御することが開示されている。
【0022】以上、ランナの変動応力の低減に関連する
従来技術を挙げたが、それらを纏めると、次のとおりで
ある。すなわち、従来技術として、上記(1)のよう
に、ランナ自体の板厚・形状調整、ランナと固定部との
平面間の隙間や外周の隙間調整、ランナ背面の水位調
整、又はランナと固定部との間への振動体の設置により
水中固有振動数を調整する方法があった。また、上記
(2)のように、ガイドベーン枚数を適正に設定してラ
ンナへの加振周波数を調整、又はガイドベーン形状変更
・ダンパ設置により加振力を低減する方法があった。更
に、上記(3)のように電磁力より振動を積極的に制御
する方法があった。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】ランナは、ガイドベー
ンとランナベーンとの相互干渉によって生ずる水圧加振
力を受けて振動し、この振動によりランナに変動応力が
発生する。この変動応力を低減するため、従来技術に
は、上記(1)、(2)のように、ランナの水中固有振動
数を調整するか、又は水圧加振周波数を調整して共振を
避ける方法と、水圧加振力そのものを小さくする方法と
があった。また、上記の(3)のように、外部からの力
により振動を抑制する方法があった。すなわち、これら
の従来技術は、ランナ自体の形状・構造の調整、又は固
定部との隙間調整や外部に振動の抑制装置を設置するこ
とにより、変動応力を低減しようとするものであった。
【0024】しかし、ランナ自体の形状や構造を変更又
は調整する場合には、同時に流体性能と強度確保の各条
件が満足されている必要がある。したがって、このよう
な変更又は調整を行う場合は、かなりの制約を受けるた
め、固有振動数の調整幅を大きく拡げることは不可能に
近い。また、上カバーに連通したエアチャンバと圧縮空
気の補給・制御装置とを設置する方法や、電磁力の発生
・制御装置を設置する方法は、外部に大規模な装置を設
置することになるので、これらの方法の適用は、機器の
経済性や耐久性の面から容易なことではない。
【0025】本発明は、このような事情に鑑み行ったも
のであり、フランシス型ポンプ水車のランナに発生する
変動応力を大きく低減でき、かつ設置が容易な変動応力
低減機構を提供することを目的にしている。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的は、次のように
して達成することができる。
【0027】(1)ケーシング内に形成されるケーシン
グ内水路、クラウン板とシュラウド板とを有し、クラウ
ン板とシュラウド板との間にランナベーンが取り付けら
れ、ケーシング内水路と連通するランナ内水路が形成さ
れ、回転自在に固定されているフランシス型ポンプ水車
用ランナ、クラウン板の上方に配置され、クラウン板と
の間に背圧室を形成する上カバー、及びシュラウド板の
下方に配置され、シュラウド板との間に側圧室を形成す
る下カバーを具備したフランシス型ポンプ水車におい
て、背圧室側に面する上カバーの下面、及び側圧室側に
面する下カバーの上面のうちの少なくともいずれかに、
リブ状突起を放射状に複数個配置していること。
【0028】(2)(1)において、リブ状突起の長さを
W、フランシス型ポンプ水車用ランナの羽根外径をDと
した場合、リブ状突起の長さが、0.2≧W/D≧0.1
の範囲内にあること。
【0029】(3)(1)又は(2)において、リブ状突起
が上カバーの下面、及び下カバーの上面のうちのいずれ
に配置されたものも、リブ状突起の数がフランシス型ポ
ンプ水車用ランナの羽根枚数の整数倍より1枚多いか、
又は1枚少ないこと。
【0030】(4)(1)、(2)又は(3)記載のリブ状突
起のうち、上カバーの下面に配置されたものとクラウン
板との間隔、及び下カバーの上面に配置されているもの
とシュラウド板との間隔のうちの少なくともいずれか
が、リブ状突起の長さ方向において一定であるように、
リブ状突起が形成されていること。
【0031】
【作用】本発明における作用を説明する前に、ランナに
おける加振力及び振動の特徴について説明する。
【0032】フランシス型ポンプ水車において、クラウ
ン板とシュラウド板との間にランナベーンを有するラン
ナは、背圧室、側圧室及びランナ内水路からなるランナ
室において回転自在なるように設置され、ランナ室に水
が充満すると回転するようになっている。
【0033】水車運転時には、水はケーシングからガイ
ドベーンを経てランナに流れ込むが、この時、ガイドベ
ーンの後流では流速が小さく、ガイドベーン間では流速
が大きくなり、場所によって流速が不均一になる。した
がって、このような不均一な流速の状態において、ラン
ナが回転すると、ランナベーンがガイドベーンの後流を
通過する度に、ランナは水圧変動を受けて振動する。
【0034】水中で共振によりランナに振動が発生した
ときの状態を、図5及び図6を用いて説明する。図5は
ランナに発生する変動応力を説明するためのランナの要
部縦断面図、図6はランナの振動モードを説明するため
のランナの周方向断面の展開図である。
【0035】水中で共振によりランナに振動が発生した
とき、ランナベーン1cでは振動が小さく、クラウン板
1a及びシュラウド1bとも、ランナベーン1c間に位
置しているものでは振動が大きい。また、ランナ1の羽
根外径Dの約5〜10%の幅Wr、すなわちWr≒0.
05〜0.1Dのランナ外周部には波打つ円板振動が発
生し、更に、クラウン板1aとシュラウド板1bに上下
端部がそれぞれ接続しているランナベーン1cの付根先
端では、一般に変動応力が高くなりやすい。
【0036】一方、共振が回避できた場合には、円板振
動は小さくなるので、ランナベーン1cの付根先端の変
動応力も小さくなる。なお、共振が発生しても、振動の
減衰率が大きければ、振動応力は極端には大きくならな
い。
【0037】次に、構造物であるランナ、上カバー及び
下カバーと、流体である水との連成振動について説明す
る。
【0038】ランナ1のクラウン板1aとシュラウド板
1bとの外周部に、波打つ円板振動が発生した場合、こ
れらの箇所は、いずれも水の抵抗力を受ける。この抵抗
力は振動加速度に比例するため、見掛け上、ランナ1の
振動部分の質量が増加したようになり、これは付加され
た質量として振動に影響を与える。この付加された質量
は、一般に付加質量と呼ばれ、水中で固有振動数を低下
させる要因となる。
【0039】このときの振動現象を、図7を用いて説明
する。図7は、ランナ1、上カバー2、下カバー3及び
水を、等価な、質量、バネ及び減衰のいずれかに置換し
て単純化した振動系の概念図である。ここで、ランナ1
及び上カバー2自体の減衰については、共に減衰量が少
ないので無視している。
【0040】ランナ1は、図5及び図6に示したよう
に、クラウン板1a及びシュラウド板1bの各外周部が
振動するので、主軸に固定された等価バネKrと等価質
量Mrとからなる振動系とみなした。また、上カバー2
は外周側をコンクリートに固定された等価バネKcと、
等価質量Mcとからなる振動系とみなした。下カバー3
は、通常コンクリートに埋設されるので振動系としては
表れない。
【0041】クラウン板1aと上カバー2との間の水に
よる付加質量をMwh、上カバー側の水による減衰率を
Cwh、シュラウド板1bと下カバー3との間の水によ
る付加質量をMwb、下カバー3側の水による減衰率を
Cwbとすると、付加質量Mwh、Mwbは、共にラン
ナ1の固有振動数を低下させる。
【0042】ここで、本発明の、クラウン板1a側に面
する上カバーの下面、及びシュラウド板1b側に面する
下カバーの上面のうちの少なくともいずれかに、複数個
のリブ状突起を配置した場合を、図8を用いて説明す
る。
【0043】図8は、上カバーの下面及び下カバーの上
面に、本発明のリブ状突起を複数個配置したときのラン
ナ1の周方向断面の展開図である。すなわち、クラウン
板1aとシュラウド板1bの外周部の振動によって押し
出された水の流れが、図8に示すように、上カバー側リ
ブ状突起11及び下カバー側リブ状突起12により阻止
されるため、減衰率Cwh、Cwbが共に増加する。
【0044】図9は、ランナ1における回転速度と変動
応力との関係線図であるが、上述のように減衰率が増加
すると、ランナ1における回転速度と変動応力との関係
線図は、図9に示すように、緩やかなものとなるので、
共振時の変動応力は低下する。
【0045】次に、リブ状突起の数の選定について説明
する。ガイドベーンの枚数をZg、ランナベーンの枚数
をZrとした場合、ZgとZrとが、それぞれ種々の枚
数のときのZgとZrとの組み合わせにおいて、ランナ
ベーンがガイドベーン後流を通過する度にランナが受け
る水圧加振力は、一般に、n直径節の分布状態によって
表すことができる。ここに、n直径節とは、n本の直径
線上ではゼロとなる、円周方向にn個の正弦波状の分布
をもつものを意味する。
【0046】また、水圧加振力の状態は、mを任意の整
数とすると、(1)式により表されることが知られてい
る。
【0047】
【数1】 Zg±n=m・Zr…………………………………(1) すなわち、ガイドベーン枚数Zgとランナベーン枚数Z
rとが設定されると、(1)式が成立する条件で加振力
の状態が決定されることになる。リブ状突起は、ガイド
ベーンと同様に加振源となるので、リブ状突起の数は、
(1)式を考慮した上でランナ強度が低下しないように
選定することが必要になる。
【0048】仮に、ランナベーン枚数Zrに一致した直
径節の加振力が作用したとき、ランナベーンの位置と直
径節の位置が一致してしまうので、ランナベーン間のク
ラウン板及びシュラウド板の振動を助長させることにな
り強度上好ましくない。したがって、ランナベーン枚数
に一致しない直径節の加振力になるように、リブ状突起
の数を選定する必要がある。
【0049】ランナベーン枚数Zrは、流体設計と強度
設計との両面からZr=6又は7に設定されることが多
いが、Zr=7の場合を例にとって説明する。リブ状突
起は、加振源となり得るという観点からは、ガイドベー
ンと同じであるとの考えにより、(1)式におけるガイ
ドベーン枚数Zgを、リブ状突起の数Zribに置き換
え、すなわちZg=Zribとして考える。例えば、Zrib
=19と仮定すると、m=2又は3のときは、それぞれ
直径節n=5又は2が成立する。これは、5直径節と2
直径節の加振力が同時に作用することを意味する。
【0050】以上、一例について説明したが、Zribに
他の数を選定した場合でも、上述の二つの直径節の和
は、ランナベーン枚数Zrに等しくなる性質がある。す
なわち、Zr=7のとき、リブ状突起の数Zribを変えた
ときの組み合わせとしては、(1+6)直径節、(2+
5)直径節及び(3+4)直径節の加振力が挙げられ
る。強度上は、経験上、二つの直径節の数が離れていた
ほうが有利になる傾向にあるから、(1+6)直径節の
条件、すなわち直径節
【0051】
【数2】 n=Zr−1…………………………………………(2) の条件を満足している必要があり、換言すれば、加振力
の直径節の数nをランナベーン枚数Zrから最小限ずら
すに必要な条件を選定すると、(1)式から、リブ状突
起の数Zribは、
【0052】
【数3】 Zrib=m・Zr±1 ………………………………(3) となる。これは、リブ状突起の数が、ランナ羽根枚数の
整数倍より1枚多いか、または1枚少ない条件を満足す
る場合には、減衰率が大きいので、ランナの強度上有利
であることを意味している。
【0053】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図1、図2及び
図3を用いて説明する。
【0054】図1は本実施例におけるフランシス型ポン
プ水車の要部縦断面図、図2は図1の要部拡大図、図3
は図2のリブ状突起の配置状況の説明図である。
【0055】ポンプ水車ランナ1はクラウン板1a、シ
ュラウド板1b及びランナベーン1cにより構成されて
おり、クラウン板1aの上面中央部に主軸5が固定され
ている。主軸5の他端は発電電動機(図示せず)に連結
されており、主軸5は軸受6を介してケーシング9に回
転自在に固定されている。クラウン板1aとシュラウド
板1bとの間には水路が形成され、この水路中に複数の
ランナベーン1cが配置されている。
【0056】運転時、ランナベーン1cには、ケーシン
グ9のガイドベーン4を通過した水が供給される。クラ
ウン板1aの上方には上カバー2が配置され、クラウン
板1aを覆うようになっており、クラウン板1aと上カ
バー2との間に背圧室7が形成されている。
【0057】一方、シュラウド板1bの下方には下カバ
ー3が配置されており、下カバー3はケーシング9と共
にコンクリート10によって固定されている。また、下
カバー3とシュラウド板1bとの間には側圧室8が形成
されている。
【0058】本実施例は、上述のようなフランシス型ポ
ンプ水車の要部の構成において、上カバー2の下面に上
カバー側リブ状突起11、及び下カバー3の上面に下カ
バー側リブ状突起12を、それぞれ各全周に亘って、図
3に示すように放射状に、複数個配置した場合である。
【0059】水中でランナに共振が発生した場合、図5
及び図6に示したように、ランナベーン1cでは振動が
小さく、クラウン板1a及びシュラウド板1bではラン
ナベーン1c間の位置しているものの振動が大きく、更
に、ランナ1の外径Dの約5〜10%の幅Wr(Wr=
0.05〜0.1D)の外周部には波打つ円板振動が発生
する。このため、本実施例では、上カバー側リブ状突起
11、及び下カバー3の上面に下カバー側リブ状突起1
2とも、リブ状突起の長さWとランナの羽根外径Dとの
比、すなわちW/Dを、0.2≧W/D≧0.1の範囲
内にあるような長さとした。
【0060】このように、上カバー側リブ状突起11及
び下カバー側リブ状突起12を配置した場合には、共振
時において、図8により説明したように、クラウン板1
aとシュラウド板1bとの各外周部の振動によって押し
出された水の流れがリブ状突起により阻止されるため減
衰率が増加し、図9により説明したように、共振時の変
動応力が低下する。
【0061】なお、上カバー側リブ状突起11及び下カ
バー側リブ状突起12を設置する際は、これらはガイド
ベーン4と同様に、ランナの加振源となるので、ランナ
強度を低下させないように設置する必要がある。すなわ
ち、前述したように、ランナの振動強度の低下を防止す
る点から、リブ状突起の数をランナ羽根枚数の整数倍よ
り1枚多いか、又は1枚少ないように設定する必要があ
り、本実施例では、リブ状突起の数Zribを、19、2
1、27及び29などの中から選択した。
【0062】次に、本発明の他の実施例を、図4を用い
て説明する。図4は本実施例におけるフランシス型ポン
プ水車の要部縦断面図である。
【0063】クラウン板1a又はシュラウド板1bがど
のような形状であっても、クラウン板1aと、上カバー
2の下面との間に形成される隙間、及びシュラウド板1
bとシュラウド板1b側の面する下カバー3の上面との
間に形成される隙間のうちの少なくともいずれかを、リ
ブ状突起の長手方向に亘って一定となるようにすれば、
リブ状突起の設置は一層効果的なものとなる。
【0064】本実施例は、クラウン板1aと上カバー2
の下面との間に形成される隙間、及びシュラウド板1b
と下カバー3の上面との間に形成される隙間が、共にリ
ブ状突起の長手方向に亘って一定となるように、上カバ
ー2の下面及び下カバー3の上面を形成させた場合であ
る。これにより、リブ状突起の設置によるランナの振動
防止効果を、更に向上させることができた。
【0065】また、ランナ室内の水は、一般に回転する
ランナに引きずられて旋回するので、遠心力の作用で外
周部の水圧が高く、内周側に向かって低くなる分布を示
す。すなわち、固定側にリブ状突起を配置すると、これ
により旋回流が弱められるため、内周側の圧力が高くな
る傾向がある。したがって、例えば、上カバー側のみに
リブ状突起を設置した場合は、背圧室の圧力が高くなる
ため、ランナの下向きのスラスト力が増加する。
【0066】しかし、上述の二つの実施例の場合とも、
上カバー及び下カバーの両方にリブ状突起を設置してい
る。したがって、背圧室及び側圧室共に、互いに上下の
向きを異にするが、同じ分布形状の圧力が同時に作用す
るので、上向きと下向きの水スラストが相殺されること
になり、水スラストの増加を防止することができる。
【0067】また、上カバー及び下カバーのうちの片方
のみにリブ状突起を設置した場合、でも、背圧室と側圧
室とを接続するバランス管を設置することにより、スラ
スト力を低減することが可能である。したがって、この
ようなバランス管の設置により、スラスト力が発生しな
いようにして、上カバー及び下カバーのうちの片方のみ
にリブ状突起を設置し、ランナの振動を防止することも
できる。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、フランシス型ポンプ水
車において、クラウン板側に面する上カバーの下面、及
びシュラウド板側に面する下カバーの上面のうちの少な
くともいずれかに、複数個のリブ状突起を放射状に配置
することにより、共振時の変動応力の低減が可能とな
り、信頼性向上に大きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す要部縦断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2のリブ状突起の配置状況の説明図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す要部縦断面図であ
る。
【図5】ランナに発生する変動応力の説明図である。
【図6】ランナの振動モードの説明図である。
【図7】ランナの振動に関する振動系の概念図である。
【図8】本発明におけるリブ状突起とランナの周方向断
面展開図である。
【図9】共振時のランナ変動応力の説明図である。
【符号の説明】
1…ランナ、1a…クラウン板、1b…シュラウド板、
1c…ランナベーン、2…上カバー、3…下カバー、4
…ガイドベーン、5…主軸、6…軸受、7…背圧室、8
…側圧室、9…ケーシング、10…コンクリート、11
…上カバー側リブ状突起、12…下カバー側リブ状突
起。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング内に形成されるケーシング内
    水路、クラウン板とシュラウド板とを有し、前記クラウ
    ン板と前記シュラウド板との間にランナベーンが取り付
    けられ、前記ケーシング内水路と連通するランナ内水路
    が形成され、回転自在に固定されているフランシス型ポ
    ンプ水車用ランナ、前記クラウン板の上方に配置され、
    前記クラウン板との間に背圧室を形成する上カバー、及
    び前記シュラウド板の下方に配置され、前記シュラウド
    板との間に側圧室を形成する下カバーを具備したフラン
    シス型ポンプ水車において、前記背圧室側に面する前記
    上カバーの下面、及び前記側圧室側に面する前記下カバ
    ーの上面のうちの少なくともいずれかに、リブ状突起を
    放射状に複数個配置していることを特徴とするフランシ
    ス型ポンプ水車。
  2. 【請求項2】 前記リブ状突起の長さをW、前記フラン
    シス型ポンプ水車用ランナの羽根外径をDとした場合、
    前記リブ状突起の長さが、0.2≧W/D≧0.1の範囲
    内にある請求項1記載のフランシス型ポンプ水車。
  3. 【請求項3】 前記リブ状突起が前記上カバーの下面、
    及び前記下カバーの上面のうちのいずれに配置されたも
    のも、前記リブ状突起の数が前記フランシス型ポンプ水
    車用ランナの羽根枚数の整数倍より1枚多いか、又は1
    枚少ない請求項1又は請求項2記載のフランシス型ポン
    プ水車。
  4. 【請求項4】 前記リブ状突起のうち、前記上カバーの
    下面に配置されたものと前記クラウン板との間隔、及び
    前記下カバーの上面に配置されているものと前記シュラ
    ウド板との間隔のうちの少なくともいずれかが、前記リ
    ブ状突起の長さ方向において一定であるように、前記リ
    ブ状突起が形成されている請求項1、2又は3記載のフ
    ランシス型ポンプ水車。
JP7020166A 1995-02-08 1995-02-08 フランシス型ポンプ水車 Pending JPH08219001A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101970883A (zh) * 2008-03-10 2011-02-09 曼柴油机和涡轮机欧洲股份公司 用于封闭的叶轮的盖盘

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