JPH08218647A - コンクリート構造物の補修方法 - Google Patents
コンクリート構造物の補修方法Info
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- JPH08218647A JPH08218647A JP2267395A JP2267395A JPH08218647A JP H08218647 A JPH08218647 A JP H08218647A JP 2267395 A JP2267395 A JP 2267395A JP 2267395 A JP2267395 A JP 2267395A JP H08218647 A JPH08218647 A JP H08218647A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ひび割れ部にコンクリートの剥落を伴わずに
充填材を注入でき、特別な技能と機械を要することなく
簡単に行えるコンクリート構造物の補修方法、構造物の
剪断補強のみならず曲げ補強も同時に行える補修方法を
提供する 【構成】 コンクリート構造物1の外周面の下地処理を
行ったのち、コンクリートよりも引張強度の大きい化学
繊維の補強テープ8を間隔9を存して該外周面の円周方
向に巻き付け接着し、該間隔のひび割れ部2に注入手段
10設けてその内部へ樹脂を注入し、該注入手段を除去
して該間隔を覆うように該補強テープを巻き付け接着す
る 【効果】 樹脂をコンクリートの剥落を発生させずに注
入することができ、工事が簡単になり、構造物の重量増
が少なく曲げ力の補強もできる
充填材を注入でき、特別な技能と機械を要することなく
簡単に行えるコンクリート構造物の補修方法、構造物の
剪断補強のみならず曲げ補強も同時に行える補修方法を
提供する 【構成】 コンクリート構造物1の外周面の下地処理を
行ったのち、コンクリートよりも引張強度の大きい化学
繊維の補強テープ8を間隔9を存して該外周面の円周方
向に巻き付け接着し、該間隔のひび割れ部2に注入手段
10設けてその内部へ樹脂を注入し、該注入手段を除去
して該間隔を覆うように該補強テープを巻き付け接着す
る 【効果】 樹脂をコンクリートの剥落を発生させずに注
入することができ、工事が簡単になり、構造物の重量増
が少なく曲げ力の補強もできる
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄筋コンクリート製煙
突やコンクリート建築物の柱、梁、橋脚等のコンクリー
ト構造物の補修方法に関する。
突やコンクリート建築物の柱、梁、橋脚等のコンクリー
ト構造物の補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば高さ100m、基部の直径
が5mの鉄筋コンクリート製煙突を補修する場合、下地
に補修処理を施したのち、ステンレス鋼円筒板を該煙突
の外周面に設置する方法が採られている。具体的には、
該煙突のひび割れ部に樹脂を充填するか或いは膨張モル
タルを充填したのち、鉄筋の腐蝕により発生する外周面
のコンクリートの浮き上がり部を撤去し、鉄筋の錆を落
とした上で防錆塗装を行って下地補修をしたのち、ステ
ンレス鋼板を外周面に隙間なく取り付け、ステンレス鋼
板とコンクリート製煙突の隙間にモルタル等を充填して
補修している。コンクリート建築物の柱や梁、コンクリ
ート橋脚の場合もこれと同様の補修が行われている。
が5mの鉄筋コンクリート製煙突を補修する場合、下地
に補修処理を施したのち、ステンレス鋼円筒板を該煙突
の外周面に設置する方法が採られている。具体的には、
該煙突のひび割れ部に樹脂を充填するか或いは膨張モル
タルを充填したのち、鉄筋の腐蝕により発生する外周面
のコンクリートの浮き上がり部を撤去し、鉄筋の錆を落
とした上で防錆塗装を行って下地補修をしたのち、ステ
ンレス鋼板を外周面に隙間なく取り付け、ステンレス鋼
板とコンクリート製煙突の隙間にモルタル等を充填して
補修している。コンクリート建築物の柱や梁、コンクリ
ート橋脚の場合もこれと同様の補修が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の補修方法で
は、樹脂をひび割れ部に充填したとき、その亀裂が走る
方向が悪いと、樹脂の注入圧でコンクリートが剥落する
不都合を生じ、その注入圧を高めることが出来ないの
で、深い亀裂の奥部や亀裂の端末まで充分に樹脂を注入
できない欠点があった。またステンレス鋼板は3mm程度
と比較的厚いものが使用され、これを煙突の回りに緩み
なく取り付ける作業は人手では困難で作業性が悪いだけ
でなくステンレス鋼板およびこれとの間に充填されるモ
ルタルによる重量増が著しく、煙突等のコンクリート構
造物の耐震性が低下するという欠点があった。
は、樹脂をひび割れ部に充填したとき、その亀裂が走る
方向が悪いと、樹脂の注入圧でコンクリートが剥落する
不都合を生じ、その注入圧を高めることが出来ないの
で、深い亀裂の奥部や亀裂の端末まで充分に樹脂を注入
できない欠点があった。またステンレス鋼板は3mm程度
と比較的厚いものが使用され、これを煙突の回りに緩み
なく取り付ける作業は人手では困難で作業性が悪いだけ
でなくステンレス鋼板およびこれとの間に充填されるモ
ルタルによる重量増が著しく、煙突等のコンクリート構
造物の耐震性が低下するという欠点があった。
【0004】本発明は、ひび割れ部にコンクリートの剥
落を伴わずに充填材を注入でき、特別な技能と機械を要
することなく簡単に行え、コンクリート構造物の重量増
を著しく減少できるコンクリート構造物の補修方法を提
供することを目的とするものである。
落を伴わずに充填材を注入でき、特別な技能と機械を要
することなく簡単に行え、コンクリート構造物の重量増
を著しく減少できるコンクリート構造物の補修方法を提
供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、コンクリー
ト構造物の外周面のひび割れ部や膨張部等の損傷部分の
下地処理を行ったのち、芳香族ポリアミド繊維等のコン
クリートよりも引張強度の大きい化学繊維の補強テープ
を間隔を存して該外周面の円周方向に巻き付け接着し、
該間隔に存在するひび割れ部に樹脂を注入する注入手段
を設けて該ひび割れ部に樹脂を注入し、該注入手段を除
去して該間隔を覆うように該補強テープを円周方向に巻
き付け接着することにより、上記の目的を達成するよう
にした。該補強テープを間隔を存して該外周面の円周方
向に巻き付け接着する工程に先立ち該補強テープを外周
面の複数箇所にコンクリート構造物の長さ方向に接着す
ることにより、上記の目的が良好に達成できる。該樹脂
の注入は、コンクリート構造物の下方の間隔から順次に
上方へ移動して行い、また、該補強テープとしてその長
さ方向に芳香族ポリアミド繊維を直線的に配列して編成
した比較的柔軟な補強テープを使用することが好まし
く、該外周面に間隔を存して補強テープを円周方向に巻
き付けて接着する工程と、該間隔に上記注入手段を設け
て上記樹脂を注入する工程を並行して行うことが可能で
あり、該補強テープの巻き付けは、隙間なく螺旋状に複
数回巻き付けたのち間隔を開けることを繰り返して巻き
付けてもよく、該注入手段としては樹脂の通過孔を有す
るピンを使用することが適当である。
ト構造物の外周面のひび割れ部や膨張部等の損傷部分の
下地処理を行ったのち、芳香族ポリアミド繊維等のコン
クリートよりも引張強度の大きい化学繊維の補強テープ
を間隔を存して該外周面の円周方向に巻き付け接着し、
該間隔に存在するひび割れ部に樹脂を注入する注入手段
を設けて該ひび割れ部に樹脂を注入し、該注入手段を除
去して該間隔を覆うように該補強テープを円周方向に巻
き付け接着することにより、上記の目的を達成するよう
にした。該補強テープを間隔を存して該外周面の円周方
向に巻き付け接着する工程に先立ち該補強テープを外周
面の複数箇所にコンクリート構造物の長さ方向に接着す
ることにより、上記の目的が良好に達成できる。該樹脂
の注入は、コンクリート構造物の下方の間隔から順次に
上方へ移動して行い、また、該補強テープとしてその長
さ方向に芳香族ポリアミド繊維を直線的に配列して編成
した比較的柔軟な補強テープを使用することが好まし
く、該外周面に間隔を存して補強テープを円周方向に巻
き付けて接着する工程と、該間隔に上記注入手段を設け
て上記樹脂を注入する工程を並行して行うことが可能で
あり、該補強テープの巻き付けは、隙間なく螺旋状に複
数回巻き付けたのち間隔を開けることを繰り返して巻き
付けてもよく、該注入手段としては樹脂の通過孔を有す
るピンを使用することが適当である。
【0006】
【作用】例えば高いコンクリート製煙突を補修する場
合、まず、その外周面に見られる鉄筋の腐蝕により膨張
した膨張部のコンクリートを撤去し、その内部の鉄筋の
錆を落として防錆塗料を塗布し、モルタルを充填して表
面を均一な面に仕上げて下地処理をする。次いで接着剤
を含浸させながら補強テープを該外周面の円周方向に間
隔を存して螺旋状に巻き付けて接着する。そして各間隔
に現れた上方へ延びるひび割れ部の下端部に注入手段を
設け、該間隔内のひび割れ部をシール材で塞いだ後、該
注入手段を介して樹脂を注入する。注入圧のためコンク
リートが剥がれることがあるが、外周面の円周方向に補
強テープが巻き付けられているので、これに押さえられ
てコンクリートが剥落することがなく、また該間隔内の
ひび割れ部はシールされているから、注入された樹脂が
外部へ漏れ出すことがなく、ひび割れ部の奥部まで樹脂
が浸透し、その浸透の程度は、当該注入手段を設けた間
隔の上方の間隔のひび割れ部の端部に注入した樹脂が到
達したことを確認することにより判断できる。この注入
後、各間隔の注入手段を取り外し、或いは根元を残して
折り取り、該間隔を接着剤を含浸させた別の補強テープ
を円周方向に巻き付けて覆う。該煙突は損傷部が補修さ
れて劣化が止まり、巻き付けた補強テープにより剪断補
強されるが、下地処理を終えたのちに、接着剤を含浸さ
せた補強テープを該煙突の長さ方向に複数箇所に於いて
接着する工程を追加することにより、該煙突の曲げ補強
をも行える。
合、まず、その外周面に見られる鉄筋の腐蝕により膨張
した膨張部のコンクリートを撤去し、その内部の鉄筋の
錆を落として防錆塗料を塗布し、モルタルを充填して表
面を均一な面に仕上げて下地処理をする。次いで接着剤
を含浸させながら補強テープを該外周面の円周方向に間
隔を存して螺旋状に巻き付けて接着する。そして各間隔
に現れた上方へ延びるひび割れ部の下端部に注入手段を
設け、該間隔内のひび割れ部をシール材で塞いだ後、該
注入手段を介して樹脂を注入する。注入圧のためコンク
リートが剥がれることがあるが、外周面の円周方向に補
強テープが巻き付けられているので、これに押さえられ
てコンクリートが剥落することがなく、また該間隔内の
ひび割れ部はシールされているから、注入された樹脂が
外部へ漏れ出すことがなく、ひび割れ部の奥部まで樹脂
が浸透し、その浸透の程度は、当該注入手段を設けた間
隔の上方の間隔のひび割れ部の端部に注入した樹脂が到
達したことを確認することにより判断できる。この注入
後、各間隔の注入手段を取り外し、或いは根元を残して
折り取り、該間隔を接着剤を含浸させた別の補強テープ
を円周方向に巻き付けて覆う。該煙突は損傷部が補修さ
れて劣化が止まり、巻き付けた補強テープにより剪断補
強されるが、下地処理を終えたのちに、接着剤を含浸さ
せた補強テープを該煙突の長さ方向に複数箇所に於いて
接着する工程を追加することにより、該煙突の曲げ補強
をも行える。
【0007】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づき説明すると、
図1はコンクリート製煙突に適用した実施例であり、同
図に於いて、符号1は高さ100m、基部の直径が5
m、頂部の直径が3.5mの鉄筋コンクリート製煙突の
コンクリート構造物を示し、これの外周面には多数のひ
び割れ部2や内部の鉄筋の腐蝕によるコンクリートの浮
き上がり3の損傷部が図2に示すように発生して補修が
必要な状態にあるものとする。
図1はコンクリート製煙突に適用した実施例であり、同
図に於いて、符号1は高さ100m、基部の直径が5
m、頂部の直径が3.5mの鉄筋コンクリート製煙突の
コンクリート構造物を示し、これの外周面には多数のひ
び割れ部2や内部の鉄筋の腐蝕によるコンクリートの浮
き上がり3の損傷部が図2に示すように発生して補修が
必要な状態にあるものとする。
【0008】このコンクリート構造物1の補修に際し
て、まず、その外周面のコンクリートの浮き上がり3を
撤去し、図3のように、その内部の腐蝕した鉄筋4の錆
を落とし、防錆塗料5を塗布したのちモルタル6により
他の外周面と同一面になるように仕上げる。次いで、芳
香族ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、高強度ポリオ
レフィン繊維、高強度ポリビニルアルコール繊維等の有
機繊維や炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維等の無
機繊維の化学繊維で作製したコンクリートよりも引張強
度の大きい補強テープ8を該煙突1の外周面の円周方向
に例えば図5のように巻き付けて接着する。該補強テー
プ8の1例の模式図は図6に示す如くであり、この例で
は、引張強度が約2000kgf/cm2 の芳香族ポリアミド
繊維の束(6000デニール、直径0.2mm)を長さ方
向に直線的に繊維が配列されるように平織り編成したも
ので、テープの幅は任意であるが、300mm幅と150
mm幅の2種類を用意した。そして、この300mm幅の補
強テープ8にコンクリートに対する接着性の良い接着
剤、例えばエポキシ樹脂の接着剤を予め含浸させてお
き、下地処理の終えた該構造物1の外周面に3回巻く毎
に100mmの間隔9を存して螺旋状に巻き付け、該接着
剤を硬化させて接着した。尚、補強テープ8には、芳香
族ポリアミド繊維と同等程度もしくはそれ以上の引張強
度を有する化学繊維で編織可能な繊維であるならば、使
用可能であり、接着剤としては、エポキシ樹脂接着剤に
限らず引張剪断強度が100kgf/cm2 程度以上の接着力
を持つ接着剤ならば使用可能である。また、補強テープ
8の幅方向の繊維としては、引張強度の小さい例えばビ
ニロンやナイロン等の安価な繊維を使用しても良い。
て、まず、その外周面のコンクリートの浮き上がり3を
撤去し、図3のように、その内部の腐蝕した鉄筋4の錆
を落とし、防錆塗料5を塗布したのちモルタル6により
他の外周面と同一面になるように仕上げる。次いで、芳
香族ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、高強度ポリオ
レフィン繊維、高強度ポリビニルアルコール繊維等の有
機繊維や炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維等の無
機繊維の化学繊維で作製したコンクリートよりも引張強
度の大きい補強テープ8を該煙突1の外周面の円周方向
に例えば図5のように巻き付けて接着する。該補強テー
プ8の1例の模式図は図6に示す如くであり、この例で
は、引張強度が約2000kgf/cm2 の芳香族ポリアミド
繊維の束(6000デニール、直径0.2mm)を長さ方
向に直線的に繊維が配列されるように平織り編成したも
ので、テープの幅は任意であるが、300mm幅と150
mm幅の2種類を用意した。そして、この300mm幅の補
強テープ8にコンクリートに対する接着性の良い接着
剤、例えばエポキシ樹脂の接着剤を予め含浸させてお
き、下地処理の終えた該構造物1の外周面に3回巻く毎
に100mmの間隔9を存して螺旋状に巻き付け、該接着
剤を硬化させて接着した。尚、補強テープ8には、芳香
族ポリアミド繊維と同等程度もしくはそれ以上の引張強
度を有する化学繊維で編織可能な繊維であるならば、使
用可能であり、接着剤としては、エポキシ樹脂接着剤に
限らず引張剪断強度が100kgf/cm2 程度以上の接着力
を持つ接着剤ならば使用可能である。また、補強テープ
8の幅方向の繊維としては、引張強度の小さい例えばビ
ニロンやナイロン等の安価な繊維を使用しても良い。
【0009】該間隔9に現れたひび割れ部2の下端部に
は、例えば図7に明示したようなピン状の金属或いは合
成樹脂製の注入手段10を嵌入して設け、ひび割れ部2
を図4のようにシール材7で塞ぎ、該注入手段10に樹
脂注入装置のノズルを接続して例えば1〜5 kg/cm2 の
圧力で樹脂を注入する。補強テープ8が巻き付けられて
いるため、注入圧により浮き上がったコンクリートが剥
落することがなく、樹脂の固化により構造物本体と強固
に一体化し、ひび割れ部2による強度の低下を防ぐと共
にひび割れの進行が防止される。樹脂としては、煙突の
熱によるコンクリートの温度上昇を考慮して耐熱温度が
100℃程度のものが使用される。コンクリート構造物
のひび割れは、その殆どが縦方向につながっているた
め、ひび割れ部2の長さを調べて補強テープ8を適当な
巻き幅で間隔9を存して巻き付け接着すれば、該間隔9
にひび割れ部2の一部を露出させることが可能である。
また、樹脂の注入は、該構造物1の下方の間隔9に現れ
たひび割れ部2から順次に開始し、注入された樹脂が上
方の間隔9に達したことを確認しながら次第に上方の間
隔9から樹脂の注入作業を続ける。
は、例えば図7に明示したようなピン状の金属或いは合
成樹脂製の注入手段10を嵌入して設け、ひび割れ部2
を図4のようにシール材7で塞ぎ、該注入手段10に樹
脂注入装置のノズルを接続して例えば1〜5 kg/cm2 の
圧力で樹脂を注入する。補強テープ8が巻き付けられて
いるため、注入圧により浮き上がったコンクリートが剥
落することがなく、樹脂の固化により構造物本体と強固
に一体化し、ひび割れ部2による強度の低下を防ぐと共
にひび割れの進行が防止される。樹脂としては、煙突の
熱によるコンクリートの温度上昇を考慮して耐熱温度が
100℃程度のものが使用される。コンクリート構造物
のひび割れは、その殆どが縦方向につながっているた
め、ひび割れ部2の長さを調べて補強テープ8を適当な
巻き幅で間隔9を存して巻き付け接着すれば、該間隔9
にひび割れ部2の一部を露出させることが可能である。
また、樹脂の注入は、該構造物1の下方の間隔9に現れ
たひび割れ部2から順次に開始し、注入された樹脂が上
方の間隔9に達したことを確認しながら次第に上方の間
隔9から樹脂の注入作業を続ける。
【0010】該樹脂の注入が終わると、間隔9の注入手
段10を取り外し、或いは突出部を切り落として除去
し、該間隔9に接着剤を含浸させた150mm幅の補強テ
ープ8を螺旋状に巻き付け接着する。そしてこのあと、
必要に応じて補強テープ8の表面に塗料を塗る等の仕上
げを施す。以上の補強作業により、構造物の破損部は補
修され、補強テープ8により剪断耐力性が増し、耐久性
が向上する。尚、作業性は悪いが、補強テープ8を単位
長さに切断し、水平に巻き付けすることも出来る。ま
た、補強テープ8を数回巻き付けする毎に注入手段10
を間隔9に設けて耐熱樹脂を注入することを繰り返して
もよい。
段10を取り外し、或いは突出部を切り落として除去
し、該間隔9に接着剤を含浸させた150mm幅の補強テ
ープ8を螺旋状に巻き付け接着する。そしてこのあと、
必要に応じて補強テープ8の表面に塗料を塗る等の仕上
げを施す。以上の補強作業により、構造物の破損部は補
修され、補強テープ8により剪断耐力性が増し、耐久性
が向上する。尚、作業性は悪いが、補強テープ8を単位
長さに切断し、水平に巻き付けすることも出来る。ま
た、補強テープ8を数回巻き付けする毎に注入手段10
を間隔9に設けて耐熱樹脂を注入することを繰り返して
もよい。
【0011】上記の下地処理を終えた段階で、該構造物
1の外周面の複数箇所に図8に示すように補強テープ8
を該構造物の長さ方向に接着し、この後、上記の補強テ
ープ8を巻き付ける工程とそれ以後の補修工程を行え
ば、長さ方向の補強テープ8が該構造物1の曲げ応力に
抵抗するため、曲げ補強することができる。
1の外周面の複数箇所に図8に示すように補強テープ8
を該構造物の長さ方向に接着し、この後、上記の補強テ
ープ8を巻き付ける工程とそれ以後の補修工程を行え
ば、長さ方向の補強テープ8が該構造物1の曲げ応力に
抵抗するため、曲げ補強することができる。
【0012】本発明の具体的実施例は次の通りである。
高さ100m、基部の直径が5m、上端部の直径が3.
5m、肉厚の平均が25cmの構築以来30年を経過した
鉄筋コンクリート製煙突のコンクリート構造物1の損傷
部、すなわちひび割れ部2と鉄筋の腐蝕によるコンクリ
ートの膨張部を調べ、まず、各膨張部の浮き上がり3を
撤去し、内部の鉄筋の錆を落としそこに防錆塗料5を塗
布したのちモルタル6で仕上げて下地処理を終え、エポ
キシ樹脂の接着剤を含浸させた上記芳香族ポリアミド繊
維の幅300mmの補強テープ8を該構造物1の外周面に
その長さ方向に等間隔で20本を接着した。更に、エポ
キシ樹脂の接着剤を含浸させた上記芳香族ポリアミド繊
維の幅300mmの補強テープ8を該構造物1の基部にま
ず100mmの間隔9を設けた位置から3回隙間なく連続
して螺旋状に巻き、再び100mmの間隔9を存して3回
連続して巻くことを繰り返して巻き付け接着した。そし
て、一番下方の間隔9に現れたひび割れ部2に注入手段
10を設けると共に他のひび割れ部分をシール材で塞
ぎ、小型の手動式樹脂注入装置を使用して3kgf/cm2 の
注入圧でエポキシ樹脂を注入し、充分に注入されたこと
をその上方の間隔9から目視により確認し、続いて一番
下方間隔9の上の間隔9に注入手段10を設けて同様に
樹脂を注入と確認をし、これを順次上方の間隔9に於い
て繰り返し、煙突1の全体の間隔9に現れたひび割れ部
に樹脂を注入した。このあと、間隔9にエポキシ樹脂接
着剤を含浸させた上記150mm幅の芳香族ポリアミド繊
維の補強テープ8を巻き付け接着した。補強テープが巻
き付けされた状態で樹脂を注入したので、コンクリート
の剥落を生じることなく樹脂を浸入させることができ
た。以上の作業には、大掛かりな装置を使用する必要が
なく、該構造物の周囲に作業員用の簡単な足場を構築す
るだけで済んだ。尚、曲げ力を補強する必要のないとき
は、該構造物の長さ方向に補強テープ8を接着する工程
は省略される。本発明は鉄筋コンクリート製煙突に限ら
ず、コンクリート建築物の柱や梁、コンクリート橋脚等
のコンクリート構造物の補修にも同様に適用できる。
高さ100m、基部の直径が5m、上端部の直径が3.
5m、肉厚の平均が25cmの構築以来30年を経過した
鉄筋コンクリート製煙突のコンクリート構造物1の損傷
部、すなわちひび割れ部2と鉄筋の腐蝕によるコンクリ
ートの膨張部を調べ、まず、各膨張部の浮き上がり3を
撤去し、内部の鉄筋の錆を落としそこに防錆塗料5を塗
布したのちモルタル6で仕上げて下地処理を終え、エポ
キシ樹脂の接着剤を含浸させた上記芳香族ポリアミド繊
維の幅300mmの補強テープ8を該構造物1の外周面に
その長さ方向に等間隔で20本を接着した。更に、エポ
キシ樹脂の接着剤を含浸させた上記芳香族ポリアミド繊
維の幅300mmの補強テープ8を該構造物1の基部にま
ず100mmの間隔9を設けた位置から3回隙間なく連続
して螺旋状に巻き、再び100mmの間隔9を存して3回
連続して巻くことを繰り返して巻き付け接着した。そし
て、一番下方の間隔9に現れたひび割れ部2に注入手段
10を設けると共に他のひび割れ部分をシール材で塞
ぎ、小型の手動式樹脂注入装置を使用して3kgf/cm2 の
注入圧でエポキシ樹脂を注入し、充分に注入されたこと
をその上方の間隔9から目視により確認し、続いて一番
下方間隔9の上の間隔9に注入手段10を設けて同様に
樹脂を注入と確認をし、これを順次上方の間隔9に於い
て繰り返し、煙突1の全体の間隔9に現れたひび割れ部
に樹脂を注入した。このあと、間隔9にエポキシ樹脂接
着剤を含浸させた上記150mm幅の芳香族ポリアミド繊
維の補強テープ8を巻き付け接着した。補強テープが巻
き付けされた状態で樹脂を注入したので、コンクリート
の剥落を生じることなく樹脂を浸入させることができ
た。以上の作業には、大掛かりな装置を使用する必要が
なく、該構造物の周囲に作業員用の簡単な足場を構築す
るだけで済んだ。尚、曲げ力を補強する必要のないとき
は、該構造物の長さ方向に補強テープ8を接着する工程
は省略される。本発明は鉄筋コンクリート製煙突に限ら
ず、コンクリート建築物の柱や梁、コンクリート橋脚等
のコンクリート構造物の補修にも同様に適用できる。
【0013】
【発明の効果】以上のように本発明によるときは、コン
クリート構造物の外周面の下地処理を行ったのち、コン
クリートよりも引張強度の大きい化学繊維の補強テープ
を間隔を存して該外周面の円周方向に巻き付け接着し、
該間隔に存在するひび割れ部に注入手段を設けて該ひび
割れ部の内部へ樹脂を注入し、該注入手段を除去して該
間隔を覆うように該補強テープを円周方向に巻き付け接
着したので、樹脂をコンクリートの剥落を発生させずに
注入することができ、ひび割れ部の奥部やひび割れ部の
分岐部にまで樹脂を注入できるからコンクリートの結合
力を充分に補修することができ、特別な技能や機械を必
要としないので工事が簡単になること及び補修後の該構
造物の重量増が殆どなく、またテープを巻いた面にはシ
ールを省略できるので作業性も良い等の効果があり、請
求項2のように下地処理のあとに外周面の該構造物の長
さ方向に補強テープを接着する工程を追加すれば前記の
効果に加えて該構造物の曲げ強度の補強もできる等の効
果がある。
クリート構造物の外周面の下地処理を行ったのち、コン
クリートよりも引張強度の大きい化学繊維の補強テープ
を間隔を存して該外周面の円周方向に巻き付け接着し、
該間隔に存在するひび割れ部に注入手段を設けて該ひび
割れ部の内部へ樹脂を注入し、該注入手段を除去して該
間隔を覆うように該補強テープを円周方向に巻き付け接
着したので、樹脂をコンクリートの剥落を発生させずに
注入することができ、ひび割れ部の奥部やひび割れ部の
分岐部にまで樹脂を注入できるからコンクリートの結合
力を充分に補修することができ、特別な技能や機械を必
要としないので工事が簡単になること及び補修後の該構
造物の重量増が殆どなく、またテープを巻いた面にはシ
ールを省略できるので作業性も良い等の効果があり、請
求項2のように下地処理のあとに外周面の該構造物の長
さ方向に補強テープを接着する工程を追加すれば前記の
効果に加えて該構造物の曲げ強度の補強もできる等の効
果がある。
【図1】 本発明の方法により補修されるコンクリート
構造物の側面図
構造物の側面図
【図2】 図1の構造物のコンクリートの浮き上がり部
の断面図
の断面図
【図3】 本発明の方法に於ける浮き上がり部の処理状
態の説明図
態の説明図
【図4】 本発明の方法に於けるひび割れ部の処理状態
の説明図
の説明図
【図5】 本発明の実施例の一部を省略した側面図
【図6】 本発明の方法の実施に使用した補強テープの
一部の平面図
一部の平面図
【図7】 本発明の方法によるひび割れ部への耐熱樹脂
の注入状態の説明図
の注入状態の説明図
【図8】 本発明の方法に付加される曲げ補強工程の説
明図
明図
1 コンクリート構造物 2 ひび割れ部 3
浮き上がり 5 防錆塗料 6 モルタル
7 シール材 8 補強テープ 9 間隔 1
0 注入手段
浮き上がり 5 防錆塗料 6 モルタル
7 シール材 8 補強テープ 9 間隔 1
0 注入手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江口 和雄 埼玉県上尾市上町1−12−20 小林ハイツ 105
Claims (8)
- 【請求項1】 コンクリート構造物の外周面のひび割れ
部や膨張部等の損傷部分の下地処理を行ったのち、芳香
族ポリアミド繊維等のコンクリートよりも引張強度の大
きい化学繊維の補強テープを間隔を存して該外周面の円
周方向に巻き付け接着し、該間隔に存在するひび割れ部
に樹脂を注入する注入手段を設けて該ひび割れ部の内部
へ樹脂を注入し、該注入手段を除去して該間隔を覆うよ
うに該補強テープを該外周面の円周方向に巻き付け接着
することを特徴とするコンクリート構造物の補修方法。 - 【請求項2】 コンクリート構造物の外周面のひび割れ
部や膨張部等の損傷部分の下地処理を行ったのち、芳香
族ポリアミド繊維等のコンクリートよりも引張強度の大
きい化学繊維の補強テープを該外周面の複数箇所に該構
造物の長さ方向に接着し、次いで該補強テープを間隔を
存して該外周面の円周方向に巻き付け接着し、該間隔に
存在するひび割れ部に樹脂を注入する注入手段を設けて
該ひび割れ部の内部へ樹脂を注入し、該注入手段を除去
して該間隔を覆うように該補強テープを該外周面の円周
方向に巻き付け接着することを特徴とするコンクリート
構造物の補修方法。 - 【請求項3】 上記樹脂の注入は、コンクリート構造物
の下方の間隔から順次に上方へ移動して行うことを特徴
とする請求項2又は3に記載のコンクリート構造物の補
修方法。 - 【請求項4】 上記補強テープとしてその長さ方向に芳
香族ポリアミド繊維を直線的に配列して編成した比較的
柔軟な補強テープを使用することを特徴とする請求項1
又は2に記載のコンクリート構造物の補修方法。 - 【請求項5】 上記外周面の円周方向に間隔を存して補
強テープを巻き付けて接着する工程と、該間隔に上記注
入手段を設けて上記樹脂を注入する工程を平行して行う
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート
構造物の補修方法。 - 【請求項6】 上記補強テープの巻き付けは、隙間なく
螺旋状に複数回巻き付けたのち間隔を開けることを繰り
返して巻き付けることを特徴とする請求項1又は2に記
載のコンクリート構造物の補修方法。 - 【請求項7】 上記下地処理は、膨張突出したコンクリ
ートの除去、補強鉄筋の錆落としと防錆塗装、モルタル
仕上げ、ひび割れ部のコーキングを含むことを特徴とす
る請求項1又は2に記載のコンクリート構造物の補修方
法。 - 【請求項8】 上記注入手段は樹脂の通過孔を有するピ
ンであることを特徴とする請求項1又は2に記載のコン
クリート構造物の補修方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2267395A JPH08218647A (ja) | 1995-02-10 | 1995-02-10 | コンクリート構造物の補修方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2267395A JPH08218647A (ja) | 1995-02-10 | 1995-02-10 | コンクリート構造物の補修方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08218647A true JPH08218647A (ja) | 1996-08-27 |
Family
ID=12089382
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2267395A Pending JPH08218647A (ja) | 1995-02-10 | 1995-02-10 | コンクリート構造物の補修方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08218647A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102808525A (zh) * | 2011-06-02 | 2012-12-05 | 福懋兴业股份有限公司 | 补强夹套及混凝土柱的补强方法 |
CN103669900A (zh) * | 2013-12-03 | 2014-03-26 | 东北电业管理局烟塔工程公司 | 烟囱外筒壁整体加固施工方法 |
CN116290888A (zh) * | 2023-03-22 | 2023-06-23 | 兰州有色冶金设计研究院有限公司 | 增加钢筋砼建筑寿命的结构及方法 |
-
1995
- 1995-02-10 JP JP2267395A patent/JPH08218647A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102808525A (zh) * | 2011-06-02 | 2012-12-05 | 福懋兴业股份有限公司 | 补强夹套及混凝土柱的补强方法 |
CN102808525B (zh) * | 2011-06-02 | 2016-04-06 | 福懋兴业股份有限公司 | 混凝土柱的补强夹套及混凝土柱的补强方法 |
CN103669900A (zh) * | 2013-12-03 | 2014-03-26 | 东北电业管理局烟塔工程公司 | 烟囱外筒壁整体加固施工方法 |
CN103669900B (zh) * | 2013-12-03 | 2015-11-04 | 东北电业管理局烟塔工程公司 | 烟囱外筒壁整体加固施工方法 |
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