JPH08212303A - 文字識別装置 - Google Patents

文字識別装置

Info

Publication number
JPH08212303A
JPH08212303A JP7019485A JP1948595A JPH08212303A JP H08212303 A JPH08212303 A JP H08212303A JP 7019485 A JP7019485 A JP 7019485A JP 1948595 A JP1948595 A JP 1948595A JP H08212303 A JPH08212303 A JP H08212303A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
character
numeral
image data
character portion
identified
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7019485A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiko Oba
一彦 大場
Hiroaki Yamada
博章 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Saneisha Seisakusho KK
Original Assignee
Saneisha Seisakusho KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Saneisha Seisakusho KK filed Critical Saneisha Seisakusho KK
Priority to JP7019485A priority Critical patent/JPH08212303A/ja
Publication of JPH08212303A publication Critical patent/JPH08212303A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Character Discrimination (AREA)
  • Character Input (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電柱銘板等に記載された文字を読取り認識し
判別しうる文字識別装置を提供する。 【構成】 読取部1は銘板等の画像データを読み込む。
文字切出し部2は画像データから1文字が含まれている
文字部分を切出す。フーリエ変換部3は文字部分データ
に2次元離散的フーリエ変換を施しパワースペクトルを
抽出する。文字データベース部4は所定の教師文字ごと
のパワースペクトルを予め記憶する。論理部5は識別対
象文字のパワースペクトルを文字データベース部に記憶
されている教師文字のパワースペクトルと比較し、差分
が最小となる文字を選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記載された文字を認識
し判別する文字識別装置に関し、より詳しくは、電柱銘
板等の板状部材に記載される文字の識別に適した文字識
別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電力系統における配電設備の保
守、点検、機材の管理等の配電関連作業は、人力に頼っ
ている面が多かった。特に、電柱等への機材の設置工
事、修理、点検は、電柱上での高所作業である上、高圧
配電線に近接しているため、非常な危険が伴う作業であ
った。現在、作業員をこれらの危険作業から解放するた
め、配電関連作業のロボット化が研究されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の配電関
連作業のロボット化を実現するためには、配電関連作業
に入る前段階として、指定された作業場所の確認を行な
うために電柱に取り付けてある銘板に記載されている電
柱番号の読取と識別を行なう必要があり、また装柱され
ている機材の登録製造年月日、型式、番号等を管理台帳
等と照合するために機材の銘板に記載された事項の読取
と識別を行なう必要があり、かつ、これらの文字等の読
取又は識別を電柱上で行なわなければならなかったが、
文字識別装置として適当なものが開発されていなかっ
た。本発明は、上記の問題点を解決するためになされた
ものであり、電柱銘板等に記載された文字を読取り認識
し判別しうる文字識別装置を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係る文字識別装置は、板状部材(例えば電
柱銘板P1 あるいは機材銘板P2 )表面に記載された文
字を識別する文字識別装置(例えば文字識別装置10
1)であって、前記板状部材表面の画像を複数画素の画
像データとして読み込む読取手段(例えば読取部1)
と、当該読取手段により読み取られた画像データから1
文字が含まれている文字部分の切出しを行う文字切出し
手段(例えば文字切出し部2)と、当該切り出された文
字部分の画像データに2次元離散的フーリエ変換を施し
パワースペクトルを抽出するフーリエ変換手段(例えば
フーリエ変換部3)と、所定の教師文字ごとの前記パワ
ースペクトルを予め記憶させた文字データベース手段
(例えば文字データベース部4)と、論理手段(例えば
論理部5)と、を備え、当該論理手段は、前記読取手段
により読み取られ前記文字切出し手段により切出された
識別対象文字のパワースペクトルを、前記文字データベ
ース手段に記憶されている教師文字のパワースペクトル
と比較し、その差分が最小となる教師文字を識別すべき
文字として選択するように構成される。上記において、
前記文字切出し手段は、前記読取手段により読み取られ
た画像データに2値化処理を行う2値化処理手段(例え
ば2値化処理部6)と、当該2値化処理された画像デー
タに細線化処理を行う細線化処理手段(例えば細線化処
理部7)と、当該細線化処理された画像データに対し水
平方向及び垂直方向に走査しつつ濃度値のヒストグラム
を作成し、当該ヒストグラムが所定値以上である部分を
1文字が含まれている文字部分として切出しを行う文字
部分抽出手段(例えば文字部分抽出部8)と、を有して
構成されてもよい。また、上記において、前記フーリエ
変換手段における2次元離散的フーリエ変換は、前記文
字部分の画像データをg(m,n) とし、前記画素の座標を
m,nとしたとき、下式
【数3】 により行われ、かつ、前記差分の量は、fijを差分画像
とし、p=1,q=1としたとき、下式
【数4】 に示すモーメント特徴を用いるように構成されてもよ
い。また、上記において、前記論理手段は、ある時点で
切出された文字部分である第1文字部分の水平方向の長
さ(例えば長さa)が当該第1文字部分の垂直方向の長
さ(例えば長さL1 )の1/2以下であり、かつ、前記
第1文字部分に後続する文字部分である第2文字部分の
水平方向の長さ(例えば長さb)も当該第2文字部分の
垂直方向の長さ(例えば長さL1 )の1/2以下である
場合には、前記第1文字部分及び第2文字部分において
水平方向への走査を再度実行し文字部分の切出しを再度
実行するように構成されてもよい。また、上記におい
て、前記論理手段(例えば論理部5)は、前記識別すべ
き文字としてアラビア数字「0」と「1」と「4」と
「7」とをそれぞれ選択する第1数字識別過程と、次い
で、当該第1数字識別過程では識別できなかった数字の
画像データにおける前記文字部分以外の部分である非文
字部分に対して4方向のラベリング処理を施しラベル数
を得ることによりアラビア数字「8」を識別する第2数
字識別過程と、次いで、当該第2数字識別過程では識別
できなかった数字の画像データの上半分における端点の
有無によりアラビア数字「6」と「9」とを識別する第
3数字識別過程と、次いで、当該第3数字識別過程では
識別できなかった数字の画像データ内の各画素どうしが
形成する微小線分の方向に符号を付与することによりチ
ェインコードを得、当該チェインコードに基づきアラビ
ア数字「2」と「3」と「5」とを識別する第4数字識
別過程と、を実行するように構成されてもよい。
【0005】
【作用】上記構成を有する本発明によれば、前記読取手
段(例えば読取部1)が前記板状部材(例えば電柱銘板
P1 あるいは機材銘板P2 )表面の画像を複数画素の画
像データとして読み込む。次に、文字切出し手段(例え
ば文字切出し部2)が、この読取手段により読み取られ
た画像データから1つの文字が含まれている文字部分の
切出しを行う。次に、フーリエ変換手段(例えばフーリ
エ変換部3)が、この切り出された文字部分の画像デー
タに2次元離散的フーリエ変換を施しパワースペクトル
を抽出する。文字データベース手段(例えば文字データ
ベース部4)には、所定の教師文字ごとの前記パワース
ペクトルを予め記憶させておく。次に、論理手段(例え
ば論理部5)は、読取手段により読み取られ文字切出し
手段により切出された識別対象文字のパワースペクトル
を、文字データベース手段に記憶されている教師文字の
パワースペクトルと比較し、その差分が最小となる教師
文字を識別すべき文字として選択する。上記において、
文字切出し手段の中に2値化処理手段と細線化処理手段
と文字部分抽出手段を備えた場合は、2値化処理手段
(例えば2値化処理部6)が、読取手段により読み取ら
れた画像データに2値化処理を行う。次いで、細線化処
理手段(例えば細線化処理部7)が、この2値化処理さ
れた画像データに細線化処理を行う。次に、文字部分抽
出手段(例えば文字部分抽出部8)がこの細線化処理さ
れた画像データに対し水平方向及び垂直方向に走査しつ
つ濃度値のヒストグラムを作成し、このヒストグラムが
所定値以上である部分を1文字が含まれている文字部分
として切出しを行う。また、上記において、文字部分の
画像データをg(m,n) とし、前記画素の座標をm,nと
したときは、フーリエ変換手段における2次元離散的フ
ーリエ変換は、下式
【数5】 により行われ、かつ、fijを差分画像とし、p=1,q
=1としたときは、差分の量は、下式
【数6】 に示すモーメント特徴が用いられる。また、上記におい
て、前記論理手段が漢字の識別を行う場合などには、あ
る時点で切出された文字部分である第1文字部分の水平
方向の長さ(例えば長さa)が当該第1文字部分の垂直
方向の長さ(例えば長さL1 )の1/2以下であり、か
つ、前記第1文字部分に後続する文字部分である第2文
字部分の水平方向の長さ(例えば長さb)も当該第2文
字部分の垂直方向の長さ(例えば長さL1 )の1/2以
下である場合には、前記第1文字部分及び第2文字部分
において水平方向への走査を再度実行し文字部分の切出
しを再度実行する。また、上記において、前記論理手段
がアラビア数字の識別を行う場合などには、前記論理手
段(例えば論理部5)は、第1数字識別過程として、前
記識別すべき文字としてアラビア数字「0」と「1」と
「4」と「7」とをそれぞれ選択する。次いで、論理手
段は、第2数字識別過程として、当該第1数字識別過程
では識別できなかった数字の画像データにおける前記文
字部分以外の部分である非文字部分に対して4方向のラ
ベリング処理を施しラベル数を得ることによりアラビア
数字「8」を識別する。次いで、論理手段は、第3数字
識別過程として、当該第2数字識別過程では識別できな
かった数字の画像データの上半分における端点の有無に
よりアラビア数字「6」と「9」とを識別する。次い
で、論理手段は、第4数字識別過程として、当該第3数
字識別過程では識別できなかった数字の画像データ内の
各画素どうしが形成する微小線分の方向に符号を付与す
ることによりチェインコードを得、当該チェインコード
に基づきアラビア数字「2」と「3」と「5」とを識別
する。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面にもとづいて説
明する。図1は、本発明に係る文字識別装置の一実施例
を搭載した配電作業ロボット装置の構成を示したブロッ
ク図である。図に示すように、この配電作業ロボット装
置100は、文字識別装置101と、制御装置102
と、作業装置103と、記憶装置104と、外部出力端
子Tと、画像表示装置105と、印刷出力装置106
と、を備えて構成されている。
【0007】また、上記の文字識別装置101は、読取
手段である読取部1と、文字切出し手段である文字切出
し部2と、フーリエ変換手段であるフーリエ変換部3
と、文字データベース手段である文字データベース部4
と、論理手段である論理部5と、を備えて構成されてい
る。
【0008】そして、上記の文字切出し部2は、2値化
処理手段である2値化処理部6と、細線化処理手段であ
る細線化処理部7と、文字部分抽出手段である文字部分
抽出部8と、を有して構成されている。
【0009】上記の制御装置101は、マイクロコンピ
ュータ等によって構成され、この配電作業ロボット装置
100の各構成部分を統括制御する。作業装置103
は、各種のアクチュエータやマニュピュレータ等を備
え、制御装置102からの制御信号により、電柱Eへの
昇降、この配電作業ロボット装置100の電柱E上での
姿勢変更及び姿勢保持、電柱Eに装柱される各種機材の
現場への運搬、保持、設置、撤去、修理、点検等の作業
を実行する。
【0010】また、上記の文字識別装置101のうち、
読取部1は、例えば、撮像素子(CCD)とアナログ/
ディジタル変換器などを備えた電子スチールカメラ等か
ら構成され、板状部材である電柱Eの銘板P1 や機材M
の銘板P2 に記載された漢字等の文字を静止画像として
撮影し画像データとして出力する。この画像データは、
例えば、512×480画素,256階調のデータであ
る。また、上記の読取部1の撮影方向や撮影角度等の姿
勢制御は制御装置102からの制御信号によって行なわ
れる。
【0011】上記文字識別装置101内の文字切出し部
2とフーリエ変換部3と文字データベース部4と論理部
5は、マイクロコンピュータ等によって構成されてい
る。また、上記の記憶装置104は、参照するデータ等
を予め格納しておくROM(Read Only Memory:読出し
専用メモリ)と、計算途中のデータ等を一時格納するR
AM(Random Access Memory:随時書込み読出しメモ
リ)、あるいは配電作業中の履歴や作業結果等を記録す
る各種ディスク記録再生装置(例えば、光磁気ディスク
記録再生装置)等の外部記憶装置を有している。
【0012】外部出力端子Tは、配電関連作業を行なっ
た電柱のデータ、配電関連作業中の経過データ、配電関
連作業の結果データ等を外部に電気信号として出力する
ための出力端子である。画像表示装置105は、配電関
連作業を行なった電柱データ、配電関連作業中の経過デ
ータ、配電関連作業の結果データ等を画像としてオペレ
ータ等へリアルタイムで表示するCRT(Cathode Ray
Tube)等の装置である。印刷出力装置106は、配電関
連作業を行なった電柱データ、配電関連作業中の経過デ
ータ、配電関連作業の結果データ等を印字して出力する
プリンタ等の装置である。
【0013】上記のように構成されることにより、この
配電作業ロボット装置100は、制御装置102の制御
により、作業装置103により電柱Eへの昇降、電柱E
上での姿勢変更及び姿勢保持等を行なわせる。また、制
御装置102は、電柱Eの銘板P1 を読取部1に読み取
らせた後、文字識別装置101により識別させる。制御
装置102は、文字識別装置101の識別結果に基づ
き、現在取り付いている電柱が予め作業指定された電柱
であるか否かの確認を行なう。上記の読取りデータは、
記憶装置104に格納されるほか、外部出力端子Tから
電気信号として出力され、画像表示装置105によって
画像表示され、あるいは印刷出力装置106によりプリ
ントアウトされる。
【0014】次に制御装置102は、読取部1に指令を
送り、その撮影方向や撮影角度等を制御し、電柱Eに装
柱されている各種機材の銘板P2 を読み取らせた後、文
字識別装置101により識別させる。制御装置102
は、その識別結果に基づき現在作業を開始しようとして
いる機材の登録製造年月日、型式、番号等を管理台帳等
と照合する。上記の読取りデータは、記憶装置104に
格納されるほか、外部出力端子Tから電気信号として出
力され、画像表示装置105によって画像表示され、あ
るいは印刷出力装置106によりプリントアウトされ
る。
【0015】次に制御装置102は、作業装置103に
指令を送り、電柱Eに装柱されている各種機材の設置、
撤去、修理、点検作業等を実行させる。この作業中の経
緯データ、作業結果データ等は、記憶装置104に格納
されるほか、外部出力端子Tから電気信号として出力さ
れ、画像表示装置105によって画像表示され、あるい
は印刷出力装置106によりプリントアウトされる。
【0016】次に、本発明の一実施例である文字識別装
置101における文字識別アルゴリズムの構成を図2に
フローチャート図として示す。図に示すように、まず読
取部1によって複数画素のデータとして読み込まれた電
柱銘板P1 あるいは機材銘板P2 表面の画像データは、
2値化処理部6によって2値化処理された後、細線化処
理部7により細線化処理が行われる(ステップS1)。
【0017】次に、文字部分抽出部8が、この細線化処
理された画像データに対し水平方向及び垂直方向に走査
しつつ濃度値のヒストグラムを作成し、このヒストグラ
ムが最小である部分を除去することにより、1文字が含
まれている部分を文字部分として切出す(ステップS
2)。
【0018】次に、フーリエ変換部3が、この切り出さ
れた文字部分の画像データに2次元離散的フーリエ変換
を施し、文字の特徴量であるパワースペクトルを抽出す
る(ステップS3)。文字データベース部4には、所定
の教師文字ごとのパワースペクトルが上記と同様にして
抽出され(ステップS4,S5,S6)、予め記憶され
ている。
【0019】次に、論理部5は、読取部1により読み取
られ文字切出し部2により切出された識別対象文字のパ
ワースペクトルEを、文字データベース部4に記憶され
ている教師文字のパワースペクトルFと比較し、その差
分が最小となる教師文字を識別すべき文字として選択す
る(ステップS7)。
【0020】次に、上記の文字切出し部2における「文
字切出し方法」について、図3を参照しつつ説明する。
まず、読取部1によって複数画素のデータとして読み込
まれた銘板画像は、まず2値化処理部6によって「2値
化処理」がなされた後、細線化処理部7によって「細線
化処理」がなされる(図3(A)ステップS8を参
照)。この2値化処理は、いわゆる「大津の2値化処理
方法(大津展之「判別および最小2乗基準に基づく自動
しきい値選定法」電子情報通信学会論文誌(D)、Vol.
J63-D, No.42, pp.349-356, 1980を参照)」が用いられ
る。
【0021】大津の2値化法では、画像の濃度値のヒス
トグラムにおいて、濃度値の集合をしきい値tで2つの
クラス(しきい値t以上のクラスとしきい値t未満のク
ラス)に分割した、と仮定したとき、2つのクラス間の
分離が最も良くなるようにパラメータtが決定される。
実際の計算では、2つのクラスの平均値の分散(クラス
間分散)と、各クラスの分散(クラス内分散)の比を最
大にするようにしきい値tを決定する。本実施例の2値
化処理部6では、文字画像における文字部分と、非文字
部分が各クラスに相当している。
【0022】ここでの2値化処理は、全体画像からしき
い値を設定すると、銘板撮影時に発生する影や背景の影
響から、画像を文字部分と非文字部分とに分離すること
が困難となるため、取り込んだ銘板画像から文字周辺部
分を任意に1文字分選択し、その選択した1文字画像に
対してのみ2値化処理を施し、ここで得たしきい値を銘
板画像全体に採用している。
【0023】得られた2値画像は、必ず文字部分の画素
数が非文字部分の画素数に比べて少ないことに着目し、
画像の濃度を示すヒストグラムから、「1」画素の数
(ヒストグラムが2値化しきい値以上の画素(「1」画
素)の数)が「0」画素の数(ヒストグラムが2値化し
きい値未満の画素(「0」画素)の数)より多いとき
は、「1」の画素に非文字部分が選択されたとみなし、
「0」画素と「1」画素を入れ替え、常に文字部分が
「1」画素となるように処理する。
【0024】次に、上記のようにして得られた2値化画
像に対して細線化処理を施す。2値化画像にこの細線化
処理を施すことにより、2値化画像が有する特徴を顕著
に表現することができ、かつ文字のフォント(書体)に
よる形状の差異を吸収することが可能となる。細線化処
理は、与えられた図形から、線幅を細めて幅「1」の中
心線を抽出する操作であり、原図形の連結性は変えな
い。すなわち、図形が切断されることがなく、図形中に
孔等が形成されないように、線図形化される。細線化処
理は、上記のように処理することから、処理後に図形の
結合関係の特徴が得られる利点があり、文字や図形など
の線状図形から線の構造を解析するには好適な処理方法
である。
【0025】上記の細線化処理の方法には、中心線の品
質や連結性の使い分けによりいくつかの方法があるが、
本実施例の細線化処理部7においては以下のアルゴリズ
ムを採用している。すなわち、「画像中の境界点(例え
ば、「4」近傍に1つでも「0」画素をもつ「1」画
素)の中から、消去可能要素であり、かつ線の端点では
ない画素(例えば、「8」近傍の「1」画素の個数が2
以下)をすべて消去する。」というアルゴリズムであ
る。この場合、「4」近傍とは、ある画素の四隅の近傍
をいい、「8」近傍とは、ある画素の8方向の隅の近傍
をいう。細線化処理は、上記のアルゴリズム処理を画像
全体の画素に施す1回の操作とし、これを消去される画
素がなくなるまで反復する。
【0026】上記のようにしてステップS8において細
線化処理がなされた画像に対しては、次に文字部分抽出
部8において「ラベリング処理」が施される(図3
(B)ステップS9を参照)。ラベリング処理とは、大
領域である銘板の枠や、小領域であるノイズを、画素数
が最大あるいは最小に近い部分と定義し、これらの部分
を除去する操作である。
【0027】ラベリング処理がなされた画像に対して
は、次に文字部分抽出部8において、水平方向に走査が
なされ、走査しつつ濃度値のヒストグラムが作成され
る。次に、このヒストグラムが最小であれば、水平走査
した画素すべてに「1」を定義する。そして、これらの
「1」画素(図3(C)における斜線部分)を除去する
ことにより、文字が含まれている「文字行」を切り出す
(図3(C)ステップS10を参照)。
【0028】そして次に、ステップS11において、ス
テップS10で得られた文字行の画像に対し、垂直方向
に走査しつつ濃度値ヒストグラムを作成する。この場合
も、上記ステップS10における水平方向走査の場合と
同様に、作成されたヒストグラムが最小であれば、垂直
走査した画素すべてに「1」を定義する。そして、これ
らの「1」画素(図3(D)における斜線部分)を除去
することにより、文字が含まれている「文字部分」を切
り出す(図3(D)ステップS11を参照)。
【0029】上記のようにして、1つの文字が含まれて
いると判断される「文字部分」が銘板画像から切り出さ
れることになるが、切り出される文字が漢字の場合に
は、「偏」部分と「旁」部分が離れていると、偏と旁が
それぞれ別の文字として切り出されてしまうおそれがあ
る。そこで、本実施例の文字識別装置101では、この
ような偏と旁の分割切出しを防止するため、文字部分切
出し後にさらに下記のような補正アルゴリズムを加えて
いる。
【0030】すなわち、図5に示すように、漢字(この
例の場合は「引」)は、水平方向の長さがL1 で垂直方
向の長さもL1 の略正方形状をなしていることに着目す
る。そして、論理部5は文字部分抽出部8からデータ信
号を受け、ある時点で切出された文字部分である第1文
字部分(この例の場合は「引」の偏である「弓」の部
分)の水平方向の長さaがこの第1文字部分「弓」の垂
直方向の長さL1 の1/2以下であり、かつ、上記の第
1文字部分「弓」に後続する文字部分である第2文字部
分(この例の場合は「引」の旁である「|」の部分)の
水平方向の長さbも第2文字部分「|」の垂直方向の長
さL1 の1/2以下である場合には、論理部5は「第1
文字部分と第2文字部分は別個の文字部分ではなく漢字
の偏と旁である」と判断し、文字部分抽出部8に制御信
号を送出し、第1文字部分「弓」及び第2文字部分
「|」にわたる領域において上記の水平方向走査を再度
実行させ、文字部分の切出しをやり直させる。このよう
に補正を行えば、漢字の偏と旁の分割切出しを防止する
ことができる。
【0031】ここまでの処理により、銘板P1 あるいは
P2 からの「文字部分の切出し」が終了する。図6は、
実際に使用されている銘板から得られた画像(図6
(A))を2値化処理した後に細線化処理し(図6
(B))、ノイズ成分を除去した(図6(C))後、文
字を切出した結果(図6(D))を示している。図に示
すように、本実施例の文字識別装置101の文字切出し
部2における上記のような比較的簡易なアルゴリズムで
も、良好な文字部分切出しが行える。図6においては、
主として漢字等の切出しを行い、その銘板が附されてい
る機器の製造番号、各種年月等のアラビア数字やアルフ
ァベット文字等の切出しは行っていないが、これらの英
数文字等は、銘板上では特定の「文字枠」によって囲ま
れているので、それら英数文字の切出しは、まず文字枠
に囲まれている部分を切出し、次いで文字枠の内部を上
記と同様のアルゴリズムで再度切り出せばよい。
【0032】銘板に記載される文字はある程度限定され
ているが、その文字識別においては、銘板による文字の
大きさの違いや、文字の形状の違いは、文字識別率向上
を妨げる原因となる。そこで、本実施例の文字識別装置
101では、予め作成しておいた参照用データを利用
し、複数の銘板画像の文字を識別する基準となる「特徴
量」の抽出方法として、2次元離散的フーリエ変換処理
により得られるパワースペクトルを用いている。また、
アラビア数字の識別においては、2次元離散的フーリエ
変換処理で得られるパワースペクトルの差異が小さいた
め、漢字の場合とは異なる識別補正アルゴリズムを追加
する必要がある。これらについて、以下に説明する。
【0033】本実施例の文字識別装置101内のフーリ
エ変換部3における計算は、下式
【数7】 により行われる。上式(1)において、g(m,n) は文字
部分の画像データを、m,nは前記画素の座標を表わ
し、M=N=64の関係がある。
【0034】図6に、2次元離散的フーリエ変換により
得られたパワースペクトルの周波数成分の配置を示す。
図において、斜線部分は低周波成分の部分を、白紙部分
は高周波成分の部分を、それぞれ示している。また、図
上において、μは水平周波数を、νは垂直周波数を、そ
れぞれ示している。図上の十字部分は直流成分を示して
いる。この図6において、直流成分はフーリエ変換前の
2次元画像の濃度値の集合値を、低周波成分はエネルギ
ー分布の集中を、高周波成分はエッジや線情報の反映な
どの特徴を示している。パワースペクトルにおいては、
通常、中央に高周波成分が分布し、外周に低周波成分が
分布する(図6(A)を参照)。本実施例のフーリエ変
換部3では、上記と異なり、光学的フーリエ変換と同じ
配置、すなわち、中央に低周波成分が分布し、外周に高
周波成分が分布する配置に並べ直して文字識別処理を行
っている(図6(B)を参照)。
【0035】次に、上記のようにして文字切出し部2で
切り出された文字部分から、2次元離散的フーリエ変換
を用いて文字識別を行う過程について説明する。まず、
文字切出し部2において、上記とまったく同様のアルゴ
リズムにより、参照する基準となる文字(以下「教師文
字」という)を1つの文字ごとに切り出す。次に、この
切り出された教師文字の画像に対し、上式(1)に示す
2次元離散的フーリエ変換を施し、そのパワースペクト
ルを抽出する。次に、この教師文字のパワースペクトル
を参照用の文字データベースのデータとして文字データ
ベース部4に登録する。
【0036】図7は、教師文字の原画像(図7(A)を
参照)と、2値化処理及び細線化処理後に1文字ごとに
切り出した教師文字の画像(図7(B)を参照)と、そ
の2次元離散的フーリエ変換後の2次元画像であるパワ
ースペクトル(図7(C)を参照)の例を示したもので
ある。
【0037】そして、上記のようにして教師文字を文字
データベース部4に登録した後、論理部5は、フーリエ
変換部3に、識別の対象となる識別対象文字の画像に対
するパワースペクトルも教師文字の場合と同様にして抽
出させる。次に、論理部5は、抽出された識別対象文字
のパワースペクトルを、予め抽出し文字データベース部
4に登録してあるすべての教師文字パワースペクトルデ
ータと1文字ごとに比較参照する。そして、論理部5
は、識別対象文字のパワースペクトルと教師文字のパワ
ースペクトルとの差分を演算し、その差分が最小となっ
たときに、その教師文字を識別した文字として選択す
る。
【0038】上記の文字選択において処理する差分量
は、下式
【数8】 に示すようなモーメント特徴量を用いる。上式(2)に
おいて、fijは差分画像を表わし、p=1,q=1の関
係がある。
【0039】図8は、上記のようにして求めたパワース
ペクトルの差分画像の例を示したものである。ここに、
図8(A)は教師文字が「三」で識別対象文字が「三」
の場合を、図8(B)は教師文字が「三」で識別対象文
字が「英」の場合を、図8(C)は教師文字が「三」で
識別対象文字が「社」の場合を、それぞれ示している。
また、図8(D)は教師文字が「英」で識別対象文字が
「三」の場合を、図8(E)は教師文字が「英」で識別
対象文字が「英」の場合を、図8(F)は教師文字が
「英」で識別対象文字が「社」の場合を、それぞれ示し
ている。そして、図8(G)は教師文字が「社」で識別
対象文字が「三」の場合を、図8(H)は教師文字が
「社」で識別対象文字が「英」の場合を、図8(I)は
教師文字が「社」で識別対象文字が「社」の場合を、そ
れぞれ示している。
【0040】上記の例における教師文字が「三」の場合
のパワースペクトルの差分量を、下表
【表1】 に示す。上表1に示すように、識別対象文字と一致した
ときにモーメントが最小となることがわかる。
【0041】また、上記の例における教師文字が「英」
の場合のパワースペクトルの差分量を、下表
【表2】 に示す。上表2に示すように、識別対象文字と一致した
ときにモーメントが最小となることがわかる。
【0042】また、上記の例における教師文字が「社」
の場合のパワースペクトルの差分量を、下表
【表3】 に示す。上表3に示すように、識別対象文字と一致した
ときにパワースペクトル差分モーメントが最小となるこ
とがわかる。これらの表から明らかなように、識別する
文字種類がある程度限定されていれば、100パーセン
トの識別率で文字の識別を行うことが可能である。
【0043】次に、文字の字体の違いや文字の大きさの
違いによる文字識別率の変化について説明する。図9
は、種々の銘板に含まれている文字の字体や文字の大き
さが異なる文字「社」のサンプルデータを示したもので
ある。この図9に示したサンプルデータに上記の2次元
離散的フーリエ変換を施して文字識別を行った結果を図
10に示す。図10からわかるように、本実施例の文字
識別装置101は、あるテスト文字(識別対象文字)、
例えばテスト文字No.7やNo.10などを除いて
は、すべての「社」を識別している。
【0044】本実施例では、「識別」と「誤識別」の境
界として、教師文字「社」とテスト文字「英」の差分量
と、教師文字「社」とテスト文字「三」の差分量のうち
最小の方を採用している。そして、教師文字とテスト文
字で新たに得られた差分量が境界値よりも小さい場合は
「識別」と判断し、教師文字とテスト文字で新たに得ら
れた差分量が境界値よりも大きい場合は「誤識別」と判
断するようにしている。この基準は、後述する「回転さ
れた文字」の識別の場合も同様である。図10において
誤識別と判断されたテスト文字No.7とNo.10に
ついては、両文字とも、文字の大きさが他に比べて小さ
く、不完全な形状であったためと考えられる。したがっ
て、本実施例の文字識別装置101においては、文字字
体の違いや文字の大きさの違いによる文字識別率の悪化
はほとんどない、といってよい。
【0045】銘板によっては、文字を機械で刻印するの
ではなく、人間の手で刻印するものもある。このような
場合には、打刻された文字は、その水平・垂直方向が正
確な場合は少なく、約±30度の角度範囲内で回転して
いる場合が多い。したがって、このようなケースも想定
して、回転している文字について、±何度までの回転で
あれば本実施例の文字識別装置101により識別できる
かを検証した。
【0046】図11は、検証のため「社」の文字を−5
0度から+50度まで回転させたときのパワースペクト
ル差分量の変化の様子を示したものである。この図から
もわかるように、おおむね約±15度程度の回転であれ
ば、本実施例の文字識別装置101で正常に識別できる
ことが検証された。また、図11を見ると、回転による
パワースペクトル差分量の変化の様子は、ある一定の規
則に従っているようにも考えられる。したがって、この
規則性を把握すれば、さらに広い角度範囲で回転してい
る文字を正確に識別できると考えられる。
【0047】上記においては、主として漢字の識別につ
いて説明した。一方、アラビア数字については、文字識
別の主たるアルゴリズムが2次元離散的フーリエ変換の
みでは、誤識別となる可能性が高いと考えられる。これ
は、数字によっては、互いに形状が類似しており、2次
元離散的フーリエ変換のみでは、得られるパワースペク
トルも類似してしまう、と考えられるからである。図1
2は、数字「6」のパワースペクトル(図12(A)を
参照)と数字「9」のパワースペクトル(図12(B)
を参照)をそれぞれ示したものである。この図からわか
るように、数字「6」と数字「9」のように、180度
回転しただけの文字では、パワースペクトルのみでは区
別ができない。このため、数字の識別にあたっては、新
たな補正アルゴリズムを追加する必要がある。
【0048】図13は、本実施例の論理部5において採
用した数字識別用アルゴリズムの一例を示したものであ
る。上記の2次元離散的フーリエ変換のみのアルゴリズ
ムで確実に識別できる数字は、実験を行った結果、数字
「0」と「1」と「4」と「7」のみであることがわか
った(ステップS12〜S14)。ここに、ステップS
12〜S14は第1数字識別過程に相当している。
【0049】残りの「2」,「3」,「5」,「6」,
「8」,「9」については、2次元離散的フーリエ変換
のみのアルゴリズムでは誤識別してしまうことになる。
この誤識別を防止するため、まず、残りの「2」,
「3」,「5」,「6」,「8」,「9」であることを
判別し(ステップS15)、数字画像データの非文字部
分に対して、4方向のラベリング処理を施す(ステップ
S16)。
【0050】このラベリング処理によって得られた
「0」〜「9」までの数字のラベル数を下表
【表4】 に示す。上表4において、数字の右肩に*印をつけた数
字は2次元離散的フーリエ変換のみのアルゴリズムで識
別可能な数字を示している。
【0051】この表4からわかるように、数字「8」の
ラベル数のみが3であるため、他の数字「2」,
「3」,「5」,「6」,「9」と識別することができ
る(ステップS23)。ここに、ステップS16とステ
ップS23は第2数字識別過程に相当している。
【0052】次に、残った数字「2」,「3」,
「5」,「6」,「9」のうち、表4においてラベル数
が2である数字「6」と「9」の識別は、数字画像デー
タの上半分における端点(対象画素の「8」近傍におい
て連結する画素が1つだけの点)の有無によって行う。
すなわち、端点が有る場合には「6」と判別し、端点が
無い場合には「9」と判別する(ステップS20〜S2
2)。ここに、ステップS20〜S22は第3数字識別
過程に相当している。
【0053】そして最後に、表4におけるラベル数が1
である数字「2」,「3」,「5」については、チェイ
ンコードを用いた手法(以下「チェインコード法」とい
う)によって文字識別を行う。チェインコード法とは、
線図形を解析する場合に、単純に画素列を座標値で記憶
するのではなく、各画素によって形成される微小線分の
方向に符号を付与する手法である。
【0054】この手法では、画素列をa0 ,a1
2 ,…,an としたとき、a0 を図の中心位置にお
き、次のa1 への方向を図14に従って符号化する。さ
らに、a1を中心位置におき、a2 への方向を図14に
従って符号化する。この操作を繰り返していくことによ
り、最初のa0 の位置とn個の符号列(各々0〜7のい
ずれかの値をとる)が得られる。これにより、この画素
列全体が、例えば図15に示すようにして表現される。
図15の図形のチェインコードは、「00765570
0101」となる。
【0055】上記の符号は、単位長さの線分の向いてい
る方向を表わしているので、全体としての線の方向性を
直接的に表現することができる。また、隣接した符号の
変化を調べることにより、線の曲がり方を調べることも
できる。したがって、このチェインコード法は、曲線部
分を含む数字「2」,「3」,「5」の識別に適してい
る。
【0056】数字「2」,「3」,「5」のチェインコ
ードを下表
【表5】 に示す。
【0057】上表5に示すチェインコードからわかるよ
うに、まず、数字「5」のみが、チェインコード「4」
からスタートしていることにより、他の数字「2」と
「3」から識別できる。残る数字「2」と「3」の識別
については、数字「2」についてはチェインコードの末
尾に「0」が続くことから両者を識別することができる
(図13におけるステップS17〜S19を参照)。こ
こに、ステップS17〜S19は第4数字識別過程に相
当している。このようにして、数字も確実に識別するこ
とができる。実験の結果、上記の数字識別用補正アルゴ
リズムの採用により、数字の識別率も他の文字と同様に
100%という結果が得られた。
【0058】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではない。上記実施例は、例示であり、本発明の特
許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な
構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる
ものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0059】例えば、上記実施例においては、漢字とア
ラビア数字を文字の例に挙げて説明したが、本発明はこ
れには限定されず、銘板に使用されるアルファベット文
字やハイフン、カンマ等の記号や符号の識別についても
上記各アルゴリズムにより、まったく同様にして応用す
ることができる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、上記構成を有する
本発明によれば、読取手段が板状部材表面の画像を複数
画素の画像データとして読み込む。次に、文字切出し手
段が、この読取手段により読み取られた画像データから
1つの文字が含まれている文字部分の切出しを行う。次
に、フーリエ変換手段が、この切り出された文字部分の
画像データに2次元離散的フーリエ変換を施しパワース
ペクトルを抽出する。文字データベース手段には、所定
の教師文字ごとの前記パワースペクトルを予め記憶させ
ておく。次に、論理手段は、読取手段により読み取られ
文字切出し手段により切出された識別対象文字のパワー
スペクトルを、文字データベース手段に記憶されている
教師文字のパワースペクトルと比較し、その差分が最小
となる教師文字を識別すべき文字として選択する。した
がって、識別すべき文字の種類がある程度限定されてい
る場合には、文字の字体や文字の大きさが異なっても、
あるいは文字がある程度の角度範囲内で回転されていて
も、支障無く識別することができる、という利点があ
る。また、その文字識別アルゴリズムも簡便で実用的で
ある、という利点を有している。上記において、文字切
出し手段の中に2値化処理手段と細線化処理手段と文字
部分抽出手段を備えた場合は、2値化処理手段が、読取
手段により読み取られた画像データに2値化処理を行
う。次いで、細線化処理手段が、この2値化処理された
画像データに細線化処理を行う。次に、文字部分抽出手
段がこの細線化処理された画像データに対し水平方向及
び垂直方向に走査しつつ濃度値のヒストグラムを作成
し、このヒストグラムが所定値以上である部分を1文字
が含まれている文字部分として切出しを行う。この場
合、文字部分の画像データをg(m,n) とし、前記画素の
座標をm,nとしたときは、フーリエ変換手段における
2次元離散的フーリエ変換は、下式
【数9】 により行われ、かつ、fijを差分画像とし、p=1,q
=1としたときは、差分の量は、下式
【数10】 に示すモーメント特徴が用いられる。したがって、上記
のように構成すれば、1文字の含まれている文字部分を
比較的簡易なアルゴリズムにより確実に切出すことがで
きる、という利点を有している。また、上記において、
論理手段がが漢字の識別を行う場合などには、ある時点
で切出された文字部分である第1文字部分の水平方向の
長さが当該第1文字部分の垂直方向の長さの1/2以下
であり、かつ、前記第1文字部分に後続する文字部分で
ある第2文字部分の水平方向の長さも当該第2文字部分
の垂直方向の長さの1/2以下である場合には、前記第
1文字部分及び第2文字部分において水平方向への走査
を再度実行し文字部分の切出しを再度実行する。したが
って、漢字の偏と旁がやや離れている場合でも、偏と旁
がそれぞれ1文字であるとして分割されて切り出され誤
って識別されることがない、という利点も有している。
また、上記において、前記論理手段がアラビア数字の識
別を行う場合などには、前記論理手段(例えば論理部
5)は、第1数字識別過程として、前記識別すべき文字
としてアラビア数字「0」と「1」と「4」と「7」と
をそれぞれ選択する。次いで、論理手段は、第2数字識
別過程として、当該第1数字識別過程では識別できなか
った数字の画像データにおける前記文字部分以外の部分
である非文字部分に対して4方向のラベリング処理を施
しラベル数を得ることによりアラビア数字「8」を識別
する。次いで、論理手段は、第3数字識別過程として、
当該第2数字識別過程では識別できなかった数字の画像
データの上半分における端点の有無によりアラビア数字
「6」と「9」とを識別する。次いで、論理手段は、第
4数字識別過程として、当該第3数字識別過程では識別
できなかった数字の画像データ内の各画素どうしが形成
する微小線分の方向に符号を付与することによりチェイ
ンコードを得、当該チェインコードに基づきアラビア数
字「2」と「3」と「5」とを識別する。したがって、
上記の2次元離散的フーリエ変換処理のみではすべてを
確実に識別することが困難なアラビア数字の場合も、上
記の2次元離散的フーリエ変換処理に簡便な補正アルゴ
リズムを付加するだけで、確実に識別することができ
る、という利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である文字識別装置を搭載し
た配電作業ロボット装置の基本構成を示すブロック図で
ある。
【図2】図1に示す文字識別装置の動作を説明するため
の文字識別アルゴリズムの構成を示す基本フローチャー
ト図である。
【図3】図1に示す文字識別装置における銘板画像から
の文字の切出し方法を説明する図である。
【図4】図1に示す文字識別装置における銘板画像から
の文字の切出し結果を示す図である。
【図5】図1に示す文字識別装置における漢字の偏と旁
の分割を回避する補正アルゴリズムを説明する図であ
る。
【図6】図1に示す文字識別装置におけるパワースペク
トルの周波数成分配置を示す図である。
【図7】図1に示す文字識別装置における教師文字の原
画像とそのフーリエ変換後の2次元画像(パワースペク
トル)の例を示す図である。
【図8】図1に示す文字識別装置におけるパワースペク
トルの差分画像の例を示す図である。
【図9】図1に示す文字識別装置における文字の字体や
文字の大きさが異なる場合の例を示す図である。
【図10】図1に示す文字識別装置における文字の字体
や文字の大きさが異なる場合の識別結果を示す図であ
る。
【図11】図1に示す文字識別装置における文字が回転
している場合の識別結果を示す図である。
【図12】図1に示す文字識別装置における数字のパワ
ースペクトルの例を示す図である。
【図13】図1に示す文字識別装置におけるラベル数、
端点、チェインコードを利用した数字の識別補正アルゴ
リズムの構成を示す図である。
【図14】図1に示す文字識別装置における近傍位置の
符号化を示す図である。
【図15】図1に示す文字識別装置におけるチェインコ
ードの例を示す図である。
【符号の説明】
1 読取部 2 文字切出し部 3 フーリエ変換部 4 文字データベース部 5 論理部 6 2値化処理部 7 細線化処理部 8 文字部分抽出部 100 配電作業ロボット装置 101 文字識別装置 102 制御装置 103 作業装置 104 記憶装置 105 画像表示装置 106 印刷出力装置 E 電柱 M 装柱機材 P1 電柱銘板 P2 機材銘板 T 外部出力端子

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状部材表面に記載された文字を識別す
    る文字識別装置であって、 前記板状部材表面の画像を複数画素の画像データとして
    読み込む読取手段と、 当該読取手段により読み取られた画像データから1文字
    が含まれている文字部分の切出しを行う文字切出し手段
    と、 当該切り出された文字部分の画像データに2次元離散的
    フーリエ変換を施しパワースペクトルを抽出するフーリ
    エ変換手段と、 所定の教師文字ごとの前記パワースペクトルを予め記憶
    させた文字データベース手段と、 論理手段と、を備え、 当該論理手段は、前記読取手段により読み取られ前記文
    字切出し手段により切出された識別対象文字のパワース
    ペクトルを、前記文字データベース手段に記憶されてい
    る教師文字のパワースペクトルと比較し、その差分が最
    小となる教師文字を識別すべき文字として選択すること
    を特徴とする文字識別装置。
  2. 【請求項2】 前記文字切出し手段は、 前記読取手段により読み取られた画像データに2値化処
    理を行う2値化処理手段と、 当該2値化処理された画像データに細線化処理を行う細
    線化処理手段と、 当該細線化処理された画像データに対し水平方向及び垂
    直方向に走査しつつ濃度値のヒストグラムを作成し、当
    該ヒストグラムが所定値以上である部分を1文字が含ま
    れている文字部分として切出しを行う文字部分抽出手段
    と、 を有することを特徴とする請求項1に記載された文字識
    別装置。
  3. 【請求項3】 前記フーリエ変換手段における2次元離
    散的フーリエ変換は、前記文字部分の画像データをg
    (m,n) とし、前記画素の座標をm,nとしたとき、下式 【数1】 により行われ、かつ、 前記差分の量は、fijを差分画像とし、p=1,q=1
    としたとき、下式 【数2】 に示すモーメント特徴を用いることを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載された文字識別装置。
  4. 【請求項4】 前記論理手段は、ある時点で切出された
    文字部分である第1文字部分の水平方向の長さが当該第
    1文字部分の垂直方向の長さの1/2以下であり、か
    つ、前記第1文字部分に後続する文字部分である第2文
    字部分の水平方向の長さも当該第2文字部分の垂直方向
    の長さの1/2以下である場合には、前記第1文字部分
    及び第2文字部分において水平方向への走査を再度実行
    し文字部分の切出しを再度実行することを特徴とする請
    求項2又は請求項3に記載された文字識別装置。
  5. 【請求項5】 前記論理手段は、 前記識別すべき文字としてアラビア数字「0」と「1」
    と「4」と「7」とをそれぞれ選択する第1数字識別過
    程と、 次いで、当該第1数字識別過程では識別できなかった数
    字の画像データにおける前記文字部分以外の部分である
    非文字部分に対して4方向のラベリング処理を施しラベ
    ル数を得ることによりアラビア数字「8」を識別する第
    2数字識別過程と、 次いで、当該第2数字識別過程では識別できなかった数
    字の画像データの上半分における端点の有無によりアラ
    ビア数字「6」と「9」とを識別する第3数字識別過程
    と、 次いで、当該第3数字識別過程では識別できなかった数
    字の画像データ内の各画素どうしが形成する微小線分の
    方向に符号を付与することによりチェインコードを得、
    当該チェインコードに基づきアラビア数字「2」と
    「3」と「5」とを識別する第4数字識別過程と、 を実行することを特徴とする請求項1ないし請求項4に
    記載された文字識別装置。
JP7019485A 1995-02-07 1995-02-07 文字識別装置 Pending JPH08212303A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7019485A JPH08212303A (ja) 1995-02-07 1995-02-07 文字識別装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7019485A JPH08212303A (ja) 1995-02-07 1995-02-07 文字識別装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08212303A true JPH08212303A (ja) 1996-08-20

Family

ID=12000664

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7019485A Pending JPH08212303A (ja) 1995-02-07 1995-02-07 文字識別装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08212303A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005242833A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Dainippon Printing Co Ltd Web画面解析装置、web画面解析方法、web解析型音楽装置、及びweb監視装置
WO2014091638A1 (ja) * 2012-12-12 2014-06-19 Necカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 文字認識装置、文字認識方法、及びプログラム
GB2550917A (en) * 2016-05-31 2017-12-06 Harding Moller Christopher Electrical appliance compatibility assessment system
JP2019013994A (ja) * 2017-07-04 2019-01-31 若狭原子力技術シニアコンサルティング株式会社 高所遠隔点検装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005242833A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Dainippon Printing Co Ltd Web画面解析装置、web画面解析方法、web解析型音楽装置、及びweb監視装置
JP4611649B2 (ja) * 2004-02-27 2011-01-12 大日本印刷株式会社 Web解析型音楽装置
WO2014091638A1 (ja) * 2012-12-12 2014-06-19 Necカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 文字認識装置、文字認識方法、及びプログラム
GB2550917A (en) * 2016-05-31 2017-12-06 Harding Moller Christopher Electrical appliance compatibility assessment system
JP2019013994A (ja) * 2017-07-04 2019-01-31 若狭原子力技術シニアコンサルティング株式会社 高所遠隔点検装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1163846C (zh) 用于识别字符的装置和方法
EP0063454B1 (en) Method for recognizing machine encoded characters
JPH04361391A (ja) 光学的文字認識システムおよび方法
US6920247B1 (en) Method for optical recognition of a multi-language set of letters with diacritics
CN110135407B (zh) 样本标注方法及计算机存储介质
CN111126266B (zh) 文本处理方法、文本处理系统、设备及介质
JP2004272798A (ja) 画像読み取り装置
EP0516576A2 (en) Method of discriminating between text and graphics
EP1277166B1 (en) Correction of distortions in form processing
JPH08212303A (ja) 文字識別装置
CN110378337B (zh) 金属切削刀具图纸标识信息视觉输入方法及系统
EP0651337A1 (en) Object recognizing method, its apparatus, and image processing method and its apparatus
JP5601027B2 (ja) 画像処理装置及び画像処理プログラム
CN114627463A (zh) 一种基于机器识别的非接触式配电数据识别方法
JPH0256688A (ja) 文字切出し装置
CN117037185B (zh) 一种基于光学字符识别技术的导线线号识别方法及装置
JP3276555B2 (ja) フォーマット認識装置及び文字読取り装置
JP2871590B2 (ja) 画像抽出方式
JP2917427B2 (ja) 図面読取装置
CN112163581B (zh) 一种车牌字母识别方法、系统、装置及存储介质
JP3090070B2 (ja) 帳票識別方法及び装置
JPH02116987A (ja) 文字認識装置
CN117711004A (zh) 一种基于图像识别的表格文档信息抽取方法
JPH0589190A (ja) 図面情報のチエツク方式
JPH0554178A (ja) 文字認識装置及び修正用帳票