JPH08204590A - 電波伝搬シミュレート方法 - Google Patents

電波伝搬シミュレート方法

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JPH08204590A
JPH08204590A JP849595A JP849595A JPH08204590A JP H08204590 A JPH08204590 A JP H08204590A JP 849595 A JP849595 A JP 849595A JP 849595 A JP849595 A JP 849595A JP H08204590 A JPH08204590 A JP H08204590A
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carrier signal
time response
response function
radio wave
modulated carrier
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JP849595A
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Hitoshi Kitayoshi
均 北吉
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構内LANのマルチパス電波伝搬を正しくシ
ミュレートする。 【構成】 構内に周波数f1 ,f2 の電波を放射し、観
測面を走査するアンテナと固定アンテナとでf1 ,f2
の各電波を各別に受信し、それぞれの電波ホログラムを
生成し、各パスに分離した電波像を作り、その差を求
め、各パスの振幅、遅延を求める。これらの振幅、遅延
とアンテナ指向特性とから各パスの伝搬時間応答関数x
(t) を求め、この時間応答関数の実部、虚部を変調搬送
波信号y(t)にそれぞれ演算部で畳み込み、これらに対
し無変調搬送波の同相成分Rf 、直交成分Rf * をそれ
ぞれ乗算し、両乗算結果を加算して復調ベースバンド信
号r(t) を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はマイクロ波のように比
較的高い周波数の電波のマルチパス伝搬、特に構内にお
ける伝搬をシミュレートする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来において構内無線LANのマルチパ
ス(多重)伝搬をシミュレートするには、1994年電
子情報通信学会秋季大会講演論文集「SB−1−3 複
雑な室内構造を考慮したミリ波帯屋内マルチパス伝搬の
シミュレーション」や電子情報通信学会発行信学技報A
−P94−35(1994−08)「幾何光学的屋内伝
搬解析アルゴリズム」と示されているようにレイトレー
シング法により行われていた。これはある受信点におい
て、直接光や各種反射光の受光方向よりの光を、それら
がそれぞれ反射することなく到達する送信源を仮定し、
これらの各送信源より受信点までの距離から減衰と、遅
れとを求め、干渉状態を求めていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記レイトレーシング
法では構内における各種物体にもとづく各反射について
それぞれ反射面を仮定しているため、現実における複雑
な反射について正しく想定することは困難であり、正し
いシミュレーションを行うことができなかった。このよ
うに複雑な反射面を想定することが正しく困難な上、各
物体での反射は、金属と木材とで反射状態が異なり、こ
の反射面の材質までも正しく想定することも困難であ
り、遅延波の推定誤差は1ns〜100ps程度もあっ
た。このような点から高速データ通信を考慮したマルチ
パスフェージング下における伝送体形品質を直接シミュ
レーションすることはできなかった。つまり従来では2
波又は3波の干渉のシミュレーション及び遅延分散量か
らのビット誤り率の統計的推定しかできなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明によれば対象空
間を2周波電波ホログラム(干渉法)で観測して各伝搬
路よりの受信波の振幅及び遅延を測定し、これら振幅及
び遅延と受信アンテナ指向特性とから各伝搬路の時間応
答関数を生成し、この伝搬路時間応答関数を変調搬送波
信号に畳み込み、その畳み込み結果に対し、無変調搬送
波を乗算して受信ベースバンド信号を得る。
【0005】無変調搬送波信号の乗算は、上記時間応答
関数の実部を変調搬送波信号に畳み込んだものに対し無
変調搬送波信号の同相成分を乗算し、時間応答関数の虚
部を変調搬送波信号に畳み込んだものに対して無変調搬
送波信号の直交成分を乗算し、これら両乗算結果を加算
して受信ベースバンド信号の同相成分を得ることであ
る。
【0006】変調搬送波信号としてベクトル変調搬送波
信号を用い、上記無変調搬送波信号の乗算に、上記時間
応答関数をヒルベルト変換したものの実部を変調搬送波
信号に畳み込んだものに対し無変調搬送波信号の同相成
分を乗算し、上記ヒルベルト変換した時間応答関数の虚
部を変調搬送波信号に畳み込んだものに無変調搬送波信
号の直交成分を乗算し、これら両乗算結果を加算して上
記受信ベースバンド信号の直交成分を得ることを含む。
【0007】上記無変調搬送波信号の乗算は、上記時間
応答の実部を変調搬送波信号に畳み込んだものに、中間
周波数だけ低い無変調搬送波信号の同相成分を乗算し、
時間応答の虚部を変調搬送波信号に畳み込んだものに中
間周波数だけ低い無変調搬送波信号の直交成分を乗算
し、これら両乗算結果を加算し、その加算結果に中間周
波数搬送波信号の同相成分を乗算して受信ベースバンド
信号の同相成分を得、加算結果に中間周波数搬送波信号
の直交成分を乗算して受信ベースバンド信号の直交成分
を得る。
【0008】時間応答関数は、各受信波の振幅、遅延、
アンテナ指向特性から周波数選択性フェージング特性を
求め、そのフェージング特性を、伝搬周波数帯域と対応
した正の周波数範囲に制限して逆フーリエ変換して求
め、畳み込み演算における計算間隔を比較的大にする。
時間応答関数は各受信波の振幅、遅延、アンテナ指向特
性を重ね合せたインパルス応答として求める。この場合
時間応答関数の値をもつ時点と演算タイミングとのずれ
を求め、そのずれだけ時間応答関数の位相をずらして上
記畳み込み演算を行う。
【0009】
【実施例】以下この発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。例えば図1に示す直方体状空間11、例え
ば大きな工場内などにおける電波伝搬路をシミュレート
する場合この発明ではこの対象空間11を2周波電波ホ
ログラム(干渉)で観測して各伝搬路よりの受信波の振
幅及び遅延を測定する。2周波電波ホログラムは例えば
特願平5−2647号「ホログラフィックレーダ」に述
べられていることから理解されるように、対象空間11
内の送信源となるべき位置から放射器12より周波数f
1 の電波と周波数f2 の電波とを放射し、任意の受信点
に観測面13を配し、観測面13の各点に走査アンテナ
14を位置させて受信すると共に、これと比較的接近し
た位置に固定的に設けた固定アンテナ15で受信する。
アンテナ14,15の各受信出力は前置増幅器16,1
7を通じ、更にフィルタ18,19で不要波が除去され
た後、周波数混合器21,22で局部発振器23よりの
局部信号と周波数混合され、その各差周波数成分(例え
ば21.4MHz)が帯域通過フィルタ24,25でそ
れぞれ取出され、これらは更に周波数混合器26,27
で局部発振器28の局部信号(例えば22.4MHz)
と周波数混合され、その各差周波数成分(例えば1MH
z)が低域通過フィルタ29,31でそれぞれ取出され
る。フィルタ29,31の各出力はフーリエ積分器3
2,33に供給され、発振器34からのパルス(例えば
10.24MHz)によりそれぞれサンプリングされ、
各サンプル値がディジタル信号に変換され、それぞれ離
散的フーリエ積分される。これらフーリエ積分結果Sm
(x,y),Sr はホログラム演算部35において、フ
ーリエ積分器33の出力Sr を基準としたホログラム演
算 H(x,y)=(Sm (x,y)/Sr )・|Sr | …(1) がなされ干渉データが得られる。x,yは観測面13上
の直交座標の各点を示す。発振器23,28,34は基
準発振器36からの安定した基準信号(例えば10MH
z)により同期化されている。局部発振器23の周波数
を調整して、周波数f1 の電波を受信した時の複素ホロ
グラム(二次元干渉データ)と、周波数f 2 の電波を受
信した時の複素ホログラムとを測定する。観測面13の
大きさは例えば28×28cm2 であり、走査アンテナ
14のx,yの各方向における移動ピッチはそれぞれ例
えば0.45cmである。
【0010】H(x,y)は観測面13における各点の
固定アンテナ15の受信波を基準とした受信信号の振幅
と位相とを求めたことになる。このH(x,y)を二次
元フーリエ積分すると、 I(ξ,η)exp (jθ(ξ,η)) =K-1(ξ,η,z)∫∫H(x,y)exp(−j2π(ξx+ηy) )dx dy …(2) となる。zは観測面13と垂直なz軸上の観測面13か
らの距離、ξはz軸に対する方位角、ηはz軸に対する
仰角である。
【0011】このI(ξ,η)は観測面13から各方向
を見た時の振幅と、位相とが求まり、電波源像が再生さ
れたことになる。K-1(ξ,η,z)は従来においては
単なる定数として使われていたが、これを次式に示すよ
うに周波数で微分すると距離情報が得られる。 d〔K-1(ξ,η,z)〕phase /dω=r/c …(3) つまり前記周波数f1 とf2 との差を小さい値としてお
き、その各K-1(ξ,η,z)の差をとり、f1 −f2
割算すると微分値、つまり(3)式とほぼ等しいものと
なる。つまり距離を光速で割算した遅延時間が得られ
る。このようにして受信点において各方向(ξ,η)か
らの受信波の振幅と遅延とが求まる。例えば周波数f1
の受信により得られたI(ξ,η)が図2Aに示すよう
になり、周波数f2 の受信により得られたI(ξ,η)
が図2Bに示すようになり、これらの差が図2Cに示す
ようになる。図2において、山の高さはI(ξ,η)の
大きさ(振幅)を示し、図に示していないが各山に色が
付けられ、その色は位相(図2Cでは遅延量)を表わ
し、色と位相(遅延量)との関係が縦軸37で示されて
いる。この場合のf1 は18817MHz、f2 は18
814MHzである。
【0012】このようにして測定した観測点における、
各方向よりの受信波の振幅a(ξ,η)、遅延d(ξ,
η)と、使用しようとする受信アンテナの指向特性g
(ξ,η)(無指向性も、各方向(ξ,η)で同一値の
指向特性とする)とから周波数選択性フェージング特性
X(f) を次式で求めることができる。 X(f) =∫∫g(ξ,η)・a(ξ,η) ・exp(−j2πfd(ξ,η))dξdη …(4) この特性X(f) をもつ各方向からの合成伝搬路に周波数
帯域幅Δfの変調信号をもつ搬送波信号(周波数fc
を伝搬させた時の複素時間応答を、次式に示すように特
定の周波数帯域(fc ±kΔf)で正の周波数に対して
のみフェージング特性X(f) を逆フーリエ変換して求め
る。
【0013】 x(t) ≒∫X(f) exp(j2πft)df …(5) ∫はfc −kΔfからfc +kΔfまで k≫1.0 ここでΔfをk倍するのは通信帯域の少し外側をも含め
て時間応答を求めるためである。この時間応答を、変調
搬送波信号に畳み込み、その結果に対し、無変調搬送波
信号を乗算して復調ベースバンド信号を得る。例えば図
3Aに示すように入力端子41からベースバンド変調信
号をベースバンドフィルタ42に通し搬送波信号Rf
乗算器43で乗算して変調搬送波信号y(t) を得、この
y(t) に対し、時間応答((5)式)の実部Re 〔x
(t) 〕と虚部Im 〔x(t) 〕とを畳み込み演算部44,
45で畳み込む。つまり下記式を演算する。
【0014】 ∫y(t) ・Re 〔x(t−τ)〕dτ …(6) ∫y(t) ・Im 〔x(t−τ)〕dτ …(7) これら(6)式、(7)式の演算により前記a(ξ,
η),d(ξ,η),g(ξ,η)で決るマルチパスフ
ェージング伝送系を伝送された信号が得られる。このフ
ェージングを受けた信号、つまり演算部44,45の各
演算結果にそれぞれ無変調搬送波の同相成分Rf と、そ
の直交成分Rf * とを乗算器46,47で乗算し、その
両乗算結果を加算すると、復調ベースバンド信号R
e 〔r(t) 〕が得られる。このRe 〔r(t) 〕は次式で
示される。
【0015】 Re 〔r(t) 〕≒∫y(t) ・Re 〔x(t−τ)〕cos (2πfc t) +y(t) ・Im 〔x(t−τ)〕 ・sin (2πfc t)dτ このベースバンド信号r(t) から、伝搬中のフェージン
グにもとづく影響を知ることができる。つまりこのよう
な演算を行うことにより、図1中の対象空間11内の電
波伝搬をシミュレートし、そのマルチパスフェージング
下の伝搬信号の影響を各種ベースバンド信号、搬送波信
号Rf についてシミュレートすることができる。図3A
を実部のみを見ればよい、つまりBPSK変調信号に対
する伝送シミュレートである。
【0016】図3Bに示すように変調搬送波信号y(t)
は伝搬路時間応答実部Re 〔x(t)〕と虚部Im 〔x(t)
〕をそれぞれ畳み込んだものに対し、乗算器46,4
7でそれぞれ無変調搬送波信号より中間周波数だけ低い
信号の同相成分と直交成分とを乗算し、その乗算結果を
加算する。この加算結果は受信機の中間周波出力信号と
対応し、よってこれに対し、乗算器48,49でそれぞ
れ中間周波信号の同相成分及び直交成分を乗算し、その
乗算結果をそれぞれベースバンドフィルタ51,52に
通して復調ベースバンド信号の同相成分Iと直交成分Q
とを得て、受信機の影響をも含めてシミュレートするこ
ともできる。このシミュレートもBPSK変調信号に対
するものである。
【0017】QPSK変調信号のようにベースバンド信
号に同相成分Iの他に直交成分Qを有する場合は図3C
に示すように、変調信号の同相成分Iをベースバンドフ
ィルタ53を通して乗算器54で搬送波信号Rf の同相
成分を乗算し、変調信号の直方成分Qをベースバンドフ
ィルタ55を通して乗算器56で搬送波信号の直交成分
f * を乗算し、乗算器54,56の各乗算結果を加算
してベクトル変調搬送波信号y(t) を得る。このy(t)
を畳み込み演算部44,45へ供給すると共に、畳み込
み演算部57,58でそれぞれ時間応答関数x(t) をヒ
ルベルト変換した関数にy(t) に畳み込む。これら畳み
込み演算結果が乗算器61,62でそれぞれ無変調搬送
波信号の同相成分Rf 、直交成分Rf * がそれぞれ乗算
され、これ等乗算結果を加算してベースバンドフィルタ
52へ供給して復調ベースバンド信号の直交成分Qを得
る。乗算器46,47の両乗算結果を加算しベースバン
ドフィルタ51を通して復調ベースバンド信号の同相成
分Iを得る。なおベースバンドフィルタ52の入力は次
式で示される。
【0018】 Im 〔r(t) 〕≒∫y(t) ・Re 〔x* (t−τ)〕cos (2πfc t) +y(t) ・Im 〔x* (t−τ)〕sin (2πfc t)dτ x* (t) はx(t) のヒルベルト変換したもの、つまり下
記式で示される。 x* (t) =∫(−Im 〔X(f) 〕+jRe 〔X(f) 〕)exp(j2πft)df ∫はfc −kΔfからfc +kΔfまで Im 〔r(t) 〕の式中の右辺第1項のcos (2πf
c t)の乗算を除く畳み込み演算が演算部57で行わ
れ、第2項のsin (2πfc t)の乗算を除く畳み込み
演算が演算部58で行われる。このようにしてI,Q信
号からなるベースバンド信号により搬送波を変調した信
号のマルチパスフェージングの影響を受けた伝送信号の
復調ベースバンドのI,Q成分を、シミュレートするこ
とができる。時間応答関数x(t) をy(t) に畳み込む演
算は、演算周期(サンプリング周期)を小さくする程、
精度が上るが演算周期を小さくすると計算量が著しく多
くなる。
【0019】前述では、 Rf =cos(2πfc t) Rf* =sin(2πfc t) fc は実際の搬送波周波数 として計算シミュレーションと実際に用いられる搬送波
周波数を一致させたが、fc の代わりにfc ′すなわ
ち、 fc ′=fc −f0 を用いてかつ、(5)式を x(t) ≒∫X(f+f0 )exp(j2πft)df …(5)′ ただし、∫は、fc ′−kΔfからfc ′+kΔfまで
k≫1.0とすれば、計算シミュレーションに用いる搬
送波周波数fc ′を実際の搬送波周波数fc より低く設
定でき Rf =cos(2πfc ′t) Rf* =sin(2πfc ′t) とする事ができる。これにより、変化の速い変調波信号
を比較的低い周波数に変換し、遅いサンプリング周波数
(演算時間間隔が比較的長い)でも比較的忠実に波形を
シミュレートできる。しかしCDMA(符号分割多元接
続)のように変調信号の周波数帯域が広い場合は、周波
数帯域を制限することができない。この場合は下記のよ
うにして演算量を減少すればよい。
【0020】伝搬路の時間応答x(t) としてインパルス
応答を次の式で求める。 x(t) =∫∫g(ξ,η)・a(ξ,η)・δ(t−d(ξ,η))dξdη …(11) δ(u) はデルタ関数でu=0で1、u≠0で0である。
y(t) にx(t) を畳み込むには時間間隔Δtでy(t) ,
x(t) をサンプリング(時間量子化)して下記の演算を
行う。
【0021】 r(nΔt)≒Σy(nΔt)・x(nΔt−kΔt) …(12) Σはkについて行い、kの範囲は全観測時間範囲であ
る。(11)式をΔt間隔でサンプリングすると、δ関数
が1、つまりt=d(ξ,η)となった時にしかx(t)
が値をもたないから、図4Aに示すようにサンプリング
パルスに対し、x(t) が値をもつ時点との差Δdは最大
Δt/2となり、つまりこの時間誤差の時、周波数fの
成分に対してπfΔt(rad)の位相誤差が生じる。
そこで(11)式を複素数で搬送周波数fc を中心に展開
する、つまり時間応答関数x(t) に位相を加える。1つ
の伝搬路の遅延をd=nΔt+Δdとして、 x(nΔt)=x(t) exp (−j2πfc Δd) …(13) を演算して、この結果を(12)式の演算に用いる。この
ようにすれば位相項exp(j2πfc Δd)により、
Δt間隔のサンプリングにもとづく位相誤差を補償する
ことになり、それだけサンプリング間隔Δtを大とし、
計算量を少くすることができる。
【0022】なお、y(t) の搬送周波数fc が変調信号
によりΔfだけずれた場合、x(nΔt)における位相
誤差の実時間表現では θe =2πΔd(fc +Δf) 〔rad〕 となるが、複素拡張表現では θe ′=2πΔdΔf 〔rad〕 となり、fc +Δf≫Δfであるから、θe とθe ′と
を比較すると、複素拡張表現は精密なシミュレーション
が可能であることが理解される。
【0023】インパルス応答を(11)式により求め、こ
の時間応答関数x(t) を用いて、図3A、又はBあるい
はCに示すようにして、同様に電波伝搬のシミュレート
を行うことができる。その場合時間応答関数x(t) を
(13)式のように補正して演算量を小とすることもでき
る。電波ホログラムH(x,y)を得るにはスペクトル
領域ではなく、時間領域での積分により求めることもで
きる。その例を図4Bに、図1と対応する部分に同一符
号を付けて示す。低域通過フィルタ29,31よりのベ
ースバンド信号は乗算器64,65へ供給される。一方
基準となる固定アンテナ15側の帯域通過フィルタ25
の出力は、局部発振器28の出力を移相差66でπ/2
ずらされたものと乗算器67で乗算され、その乗算出力
は低域通過フィルタ68によりベースバンド信号が取出
される。低域通過フィルタ31,68の各出力はそれぞ
れ乗算器64,65へ供給される。つまり帯域通過フィ
ルタ25の出力は直交検波される。その検波出力の同相
成分と、直交成分とが走査アンテナ14側のベースバン
ド信号と乗算器64,65で乗算される。乗算器64,
65の各出力は積分器71,72で発振器34からのク
ロックによりサンプリングされ、時系列デジタル信号に
された後、それぞれ時間領域で積分され、実部Re 、虚
部Im として演算部73へ供される。低域通過フィルタ
31,68の各出力はそれぞれ分岐され、二乗器74,
75 で二乗算された後、加算開平器76で加算され、そ
の加算結果の開平がとられて固定アンテナ15の受信出
力の大きさ|Sr |が得られ、これが演算部73へ供給
される。演算部73ではRe +jIm =Sm ・Sr *
演算し、これを|Sr |で割算して、電波ホログラムH
(x,y)を得る。
【0024】放射器12から円偏波の電波を放射し、走
査アンテナ14、固定アンテナ15でそれぞれ水平偏波
を受信して、電波ホログラムHH (x,y)を求め、ま
た垂直偏波を受信して電波ホログラムHV (x,y)を
求め、複素重み係数αH ,α V を選定して任意の偏波に
ついての電波ホログラムH′(x,y)を次式により求
め、 H′(x,y)=αH H (x,y)+αV V (x,y) このH′(x,y)について前述したようにI(ξ,
η)を求め、更に伝搬路の時間応答関数を求め、電波伝
搬シミュレーションを同様に求めることもできる。上述
では構内の電波伝搬のシミュレートにこの発明を適用し
たが、例えば市街地を含む空間における電波伝搬のシミ
ュレートにもこの発明を適用することができる。
【0025】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば少く
とも2つの周波数について電波ホログラムを観測し、こ
れより例えば4096の伝搬路に分離して各伝搬路の受
信波の振幅及び遅延(PS分解能)を求め、これら振
幅、遅延、受信アンテナ特性から各伝搬路の時間応答関
数を求め、この時間応答関数を変調搬送波信号に畳み込
んでいるため、つまり実測により時間応答関数を求めて
いるため、複雑な反射物体が多く、かつ複雑に配置され
ている状態で多数の複雑なパスが生じる場合でも、室内
領域での各パスを4096に分離する場合、時間幅1n
s間に存在する数十のマルチパスを分離でき、かつ観測
面での電界分布を正確に反映し、正しく時間応答関数を
求めることができ、それだけ正確に電波伝搬をシミュレ
ートでき、どのような受信復調信号が得られるかをシミ
ュレートすることもできる。例えば高速無線LAN(1
9GHz帯、200Mbps)をアンテナ系及び変復調
系を含めたシミュレーションなどに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電波ホログラムを観測する例を示すブロック
図。
【図2】A及びBはそれぞれ周波数f1 ,f2 の電波源
像の例を示し、Cは両電波源像の差を示す図である。
【図3】時間応答関数を用いて変調−伝搬−復調の系を
シミュレートする場合の各種手法における機能構成を示
すブロック図。
【図4】Aは演算タイミングと、インパルス応答関数と
の関係例を示すタイムチャート、Bは電波ホログラムを
得る他の構成例を示すブロック図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象空間を2周波電波ホログラムで観測
    して各伝搬路よりの受信波の振幅及び遅延を求め、 これら振幅及び遅延と受信アンテナ指向特性とから上記
    各伝搬路の時間応答関数を生成し、 上記伝搬路時間応答関数を、変調搬送波信号に畳み込
    み、 その畳み込み結果に対し、無変調搬送波信号を乗算して
    受信ベースバンド信号を得る電波伝搬シミュレート方
    法。
  2. 【請求項2】 上記無変調搬送波信号の乗算は、上記伝
    搬路時間応答関数の実部を上記変調搬送波信号に畳み込
    んだものに対し、上記無変調搬送波信号の同相成分を乗
    算し、上記伝搬路時間応答関数虚部に上記変調搬送波信
    号を畳み込んだものに対し上記無変調搬送波信号の直交
    成分を乗算し、これら両乗算結果を加算して行い上記受
    信ベースバンド信号の実部を得ることであることを特徴
    とする請求項1記載の電波伝搬シミュレート方法。
  3. 【請求項3】 上記変調搬送波信号はベクトル変調搬送
    波信号であり、上記無変調搬送波信号の乗算は、上記伝
    搬路時間応答関数をヒルベルト変換したものの実部を上
    記変調搬送波信号に畳み込んだものに対し、上記無変調
    搬送波信号の同相成分を乗算し、上記ヒルベルト変換し
    たものの虚部を上記変調搬送波信号に畳み込んだものに
    対し、上記無変調搬送波信号の直交成分を乗算し、これ
    ら両乗算結果を加算して上記受信ベースバンド信号の虚
    部を得ることも含むことを特徴とする請求項2記載の電
    波伝搬シミュレート方法。
  4. 【請求項4】 上記無変調搬送波信号の乗算は、 上記伝搬路時間応答関数の実部を上記変調搬送波信号に
    畳み込んだものに対し、上記無変調搬送波信号より中間
    周波数だけ低い搬送波信号の同相成分を乗算し、上記伝
    搬路時間応答関数の虚部を上記変調搬送波信号に畳み込
    んだものに対し、上記無変調搬送波信号より中間周波数
    だけ低い搬送波信号の直交成分を乗算し、これら両乗算
    結果を加算し、 その加算結果に上記中間周波数の搬送波の同相成分を乗
    算して上記ベースバンド信号を得、上記加算結果に上記
    中間周波数の搬送波信号の直交成分を乗算して直交成分
    ベースバンド信号を得ることであることを特徴とする請
    求項1記載の電波伝搬シミュレート方法。
  5. 【請求項5】 上記時間応答関数の生成は、上記各受信
    波の振幅、遅延、上記アンテナ指向特性から周波数選択
    性フェージングを求め、そのフェージングを伝搬周波数
    帯域と対応した正の周波数範囲について逆フーリエ変換
    して求めることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに
    記載の電波伝搬ミシュレート方法。
  6. 【請求項6】 上記時間応答関数は、上記各受信波の振
    幅、遅延、上記アンテナ指向特性を重ね合せたインパル
    ス応答を求めることであることを特徴とする請求項1乃
    至4記載の電波伝搬シミュレート方法。
  7. 【請求項7】 上記時間応答関数のその演算タイミング
    に対するずれを求め、そのずれだけ上記時間応答関数の
    位相をずらして上記畳み込み演算を行うことを特徴とす
    る請求項6に記載の電波伝搬シミュレート方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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