JPH08200966A - 高温炉における被処理物の支持方法と支持具 - Google Patents
高温炉における被処理物の支持方法と支持具Info
- Publication number
- JPH08200966A JPH08200966A JP4337995A JP4337995A JPH08200966A JP H08200966 A JPH08200966 A JP H08200966A JP 4337995 A JP4337995 A JP 4337995A JP 4337995 A JP4337995 A JP 4337995A JP H08200966 A JPH08200966 A JP H08200966A
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- processed
- furnace
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 炭素質耐火材からなる高温炉の構造部または
搬送部と被加熱処理物である鋼部品等とが高温下で触れ
ないようにする支持方法であって、被加熱処理物を外周
にアルミナ質を有する鉄系金属を介して炉内上で支持す
ることを特徴とする。 【効果】 炉の炭素質耐火材と被加熱処理物の鋼とが高
温下で直接に触れて両者の溶融浸触が生じるのを防止す
ることができることはもとより、外周にアルミナ質が析
出し得るようにした鉄系材料は展性があるので、所望の
形状への加工性が大であり、しかも今までのセラミック
スのみで作られている支持具を使って支持する方法より
も経済的である。
搬送部と被加熱処理物である鋼部品等とが高温下で触れ
ないようにする支持方法であって、被加熱処理物を外周
にアルミナ質を有する鉄系金属を介して炉内上で支持す
ることを特徴とする。 【効果】 炉の炭素質耐火材と被加熱処理物の鋼とが高
温下で直接に触れて両者の溶融浸触が生じるのを防止す
ることができることはもとより、外周にアルミナ質が析
出し得るようにした鉄系材料は展性があるので、所望の
形状への加工性が大であり、しかも今までのセラミック
スのみで作られている支持具を使って支持する方法より
も経済的である。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、高温炉の炭素質耐火材
の炉床部やマッフルケース上、あるいは高温炉内を循環
する炭素質コンベア上で移動する被加熱処理物を支持す
る方法と支持具に関するものである。更に詳細には、炉
床部やコンベヤーの炭素質と被加熱金属処理物とが高温
中で高温にさらされたときに互いに反応することがない
ように支持する方法と支持具を提供するものである。
の炉床部やマッフルケース上、あるいは高温炉内を循環
する炭素質コンベア上で移動する被加熱処理物を支持す
る方法と支持具に関するものである。更に詳細には、炉
床部やコンベヤーの炭素質と被加熱金属処理物とが高温
中で高温にさらされたときに互いに反応することがない
ように支持する方法と支持具を提供するものである。
【０００２】
【従来の技術】炭素質耐火材であるグラファイトチュー
ブをマッフルケースとした高温加熱炉は、特公平６−１
１８８６号公報にて知られるところである。また、処理
品を雰囲気炉中で搬送するためのコンベアベルトを炭素
質又は黒鉛質繊維強化炭素で作ることは、特公平４−１
１７８６号公報で知られるところである。かかる炭素質
耐火材料で作られた炉は、被処理物を安定した高温特性
下で加熱処理することができる。
ブをマッフルケースとした高温加熱炉は、特公平６−１
１８８６号公報にて知られるところである。また、処理
品を雰囲気炉中で搬送するためのコンベアベルトを炭素
質又は黒鉛質繊維強化炭素で作ることは、特公平４−１
１７８６号公報で知られるところである。かかる炭素質
耐火材料で作られた炉は、被処理物を安定した高温特性
下で加熱処理することができる。
【０００３】ところが、炉内に入れられた被処理物、例
えば炉内で焼結されるために炉内に入れられた鋼の粉末
成型体が高温下で炉床等の炭素質耐火材料に触れると加
炭反応を起こし、鋼と炭素の共晶温度の１１５２℃以上
では溶融浸蝕されてしまう。このとき、炭素質耐火材も
破損してしまう。
えば炉内で焼結されるために炉内に入れられた鋼の粉末
成型体が高温下で炉床等の炭素質耐火材料に触れると加
炭反応を起こし、鋼と炭素の共晶温度の１１５２℃以上
では溶融浸蝕されてしまう。このとき、炭素質耐火材も
破損してしまう。
【０００４】そこで、被処理物をＡｌＯ３やＳｉＯ２等
のセラミックス質からなる板状などの支持具上に置い
て、被処理物と炉の炭素質とが直接に触れるのを防止す
る手段が取られている。しかし、このような今までの支
持具を作る高純度のセラミックスは高価であるばかりで
なく、大きくては割れてしまい、所望の形状に作るため
には誠に困難である等、成型加工性の自由度がない難点
があった。
のセラミックス質からなる板状などの支持具上に置い
て、被処理物と炉の炭素質とが直接に触れるのを防止す
る手段が取られている。しかし、このような今までの支
持具を作る高純度のセラミックスは高価であるばかりで
なく、大きくては割れてしまい、所望の形状に作るため
には誠に困難である等、成型加工性の自由度がない難点
があった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、種々の形状
への加工成型が容易で、炉の炭素質耐火材と披加熱処理
物とが高温下で直接触れて両者の溶融浸触が生じるのを
防止することができる高温炉における被処理物の支持方
法と支持具を提案するものである。
への加工成型が容易で、炉の炭素質耐火材と披加熱処理
物とが高温下で直接触れて両者の溶融浸触が生じるのを
防止することができる高温炉における被処理物の支持方
法と支持具を提案するものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明では、被処理物の
上記した種類の支持具を、外表面にアルミナ質（Ａｌ２
Ｏ３）の析出層を有する鉄系材料で作った。この種の材
料は安価であり、しかも全部がセラミックスのものとは
異なり、展性があるので、加工成型の自由度が高く、板
状、棒状、綿状体は勿論のこと、これらに機械加工を施
して盆状のトレーや網状やメッシュベルト状の形体にも
容易に作ることができる。
上記した種類の支持具を、外表面にアルミナ質（Ａｌ２
Ｏ３）の析出層を有する鉄系材料で作った。この種の材
料は安価であり、しかも全部がセラミックスのものとは
異なり、展性があるので、加工成型の自由度が高く、板
状、棒状、綿状体は勿論のこと、これらに機械加工を施
して盆状のトレーや網状やメッシュベルト状の形体にも
容易に作ることができる。
【０００７】しかも、多孔性のトレーや網状の支持具は
通気性であるので、被処理物を炉内雰囲気に均一にさら
し、被処理物全体を均一に昇温・加熱し得る効果もあ
る。
通気性であるので、被処理物を炉内雰囲気に均一にさら
し、被処理物全体を均一に昇温・加熱し得る効果もあ
る。
【０００８】表面にＡｌ２Ｏ３を形成し得る鉄系材料と
しては、ＪＩＳ−Ｇ−３３１４溶融アルミニウムめっき
鋼板と鋼帯、ＪＩＳ−Ｇ−３５４４溶融アルミニウムめ
っき鉄線と鋼線、ＪＩＳ−Ｃ−２５２０のＦｅＨＷ１と
ＦｅＨＷ２等がある。このような材料の外に、鋼材料を
アルミめっきし、これを高温酸化処理して使うこともで
きる。
しては、ＪＩＳ−Ｇ−３３１４溶融アルミニウムめっき
鋼板と鋼帯、ＪＩＳ−Ｇ−３５４４溶融アルミニウムめ
っき鉄線と鋼線、ＪＩＳ−Ｃ−２５２０のＦｅＨＷ１と
ＦｅＨＷ２等がある。このような材料の外に、鋼材料を
アルミめっきし、これを高温酸化処理して使うこともで
きる。
【０００９】アルミニウムめっきした普通鋼板等を高温
処理するに当っては、その高温時の雰囲気ガスが鉄を還
元し、アルミニウムが酸化するポテンシャルを有するも
のであることが望ましい。使用する材料の鋼にクロムが
含まれている場合の酸化処理のための雰囲気は、クロム
を還元し、アルミニウムを酸化するものであることが望
ましい。
処理するに当っては、その高温時の雰囲気ガスが鉄を還
元し、アルミニウムが酸化するポテンシャルを有するも
のであることが望ましい。使用する材料の鋼にクロムが
含まれている場合の酸化処理のための雰囲気は、クロム
を還元し、アルミニウムを酸化するものであることが望
ましい。
【００１０】
実施例１ 厚さ２．６ｍｍの孔あき鋼板を２００ｍｍ×２００ｍｍ
に切断し、これを図１の如き多孔性のトレー１とした。
これを８８０℃の溶融アルミニウム中に浸漬してメッキ
した後に、露点＋１０℃のＮ２の雰囲気を満たした９０
０℃の炉中に入れて４時間酸化処理した。表面が選択的
に強制酸化された酸化アルミニウムのアルミナ質の層
で、その芯部は鋼からなるトレー１を得た。
に切断し、これを図１の如き多孔性のトレー１とした。
これを８８０℃の溶融アルミニウム中に浸漬してメッキ
した後に、露点＋１０℃のＮ２の雰囲気を満たした９０
０℃の炉中に入れて４時間酸化処理した。表面が選択的
に強制酸化された酸化アルミニウムのアルミナ質の層
で、その芯部は鋼からなるトレー１を得た。
【００１１】このトレー１の上に、０．６％Ｃを含む鋼
粉をプレスして歯車に成型した焼結用被処理物を載せ、
このトレー１を高温のＮ２雰囲気炉中の炭素質炉床上に
置き、１１５５℃で３０分間熱処理した。
粉をプレスして歯車に成型した焼結用被処理物を載せ、
このトレー１を高温のＮ２雰囲気炉中の炭素質炉床上に
置き、１１５５℃で３０分間熱処理した。
【００１２】その結果、良好に焼結された歯車を得るこ
とができた。また、炉内で熱処理したとき、炉床の炭素
質が被処理物の鉄鋼に触れて互いに浸蝕されることがな
く、またトレーと被処理物との間にも何等の反応も生じ
なかった。
とができた。また、炉内で熱処理したとき、炉床の炭素
質が被処理物の鉄鋼に触れて互いに浸蝕されることがな
く、またトレーと被処理物との間にも何等の反応も生じ
なかった。
【００１３】実施例２ ２．６ｍｍ径の鉄クロム電熱線（ＪＩＳ−Ｃ−２５２０
のＦｅＨＷ１）を、図２に示す金網状２とした。実施例
１と同様に、この金網２を炉中に入れて、その表面のア
ルミニウムを酸化処理した。この金網を連続焼結炉中で
循環する炭素質コンベア上に装置し、その上に実施例１
と同一の被処理物を載せて焼結のための熱処理をした。
のＦｅＨＷ１）を、図２に示す金網状２とした。実施例
１と同様に、この金網２を炉中に入れて、その表面のア
ルミニウムを酸化処理した。この金網を連続焼結炉中で
循環する炭素質コンベア上に装置し、その上に実施例１
と同一の被処理物を載せて焼結のための熱処理をした。
【００１４】その結果、良好に焼結した歯車を得ること
ができた。また、被処理物は焼結熱処理中に炭素質コン
ベアと支持用金網２のいずれとも反応することなく、そ
れらの間に浸触現象は見られなかった。
ができた。また、被処理物は焼結熱処理中に炭素質コン
ベアと支持用金網２のいずれとも反応することなく、そ
れらの間に浸触現象は見られなかった。
【００１５】そして、図３の顕微鏡写真（×１００）か
ら明らかな通り、強制酸化処理した金網２の線の外周に
はアルミナ質の外周層が形成されていた。
ら明らかな通り、強制酸化処理した金網２の線の外周に
はアルミナ質の外周層が形成されていた。
【００１６】実施例３ 高温連続炉中を循環する図４に示される炭素質コンベア
を構成する炭素質の各リンク４の外周を、図５に図示さ
れる如くに実施例１と同様に酸化処理したアルミめっき
鋼板片５で覆った。このリンク４の多数で組み立てたコ
ンベア上に粉体ステンレスの焼結素材を載せ、１３２０
℃に保持されたアルゴン雰囲気の炉中を通過させて熱処
理した。
を構成する炭素質の各リンク４の外周を、図５に図示さ
れる如くに実施例１と同様に酸化処理したアルミめっき
鋼板片５で覆った。このリンク４の多数で組み立てたコ
ンベア上に粉体ステンレスの焼結素材を載せ、１３２０
℃に保持されたアルゴン雰囲気の炉中を通過させて熱処
理した。
【００１７】その結果、炭素質コンベア３を損傷するこ
となく、良好なステンレス焼結品を得ることができた。
となく、良好なステンレス焼結品を得ることができた。
【００１８】
【発明の効果】本発明によれば、炉の炭素質耐火材と被
加熱処理物の鋼とが高温下で直接触れて両者の溶融浸触
が生じるのを防止することができることはもとより、外
周にアルミナ質が析出し得るようにした鉄系材料は展性
があるので、所望の形状への加工性が大であり、しかも
今までのセラミックスのみで作られている支持具を使っ
て支持する方法よりも経済的である。
加熱処理物の鋼とが高温下で直接触れて両者の溶融浸触
が生じるのを防止することができることはもとより、外
周にアルミナ質が析出し得るようにした鉄系材料は展性
があるので、所望の形状への加工性が大であり、しかも
今までのセラミックスのみで作られている支持具を使っ
て支持する方法よりも経済的である。
【図１】本発明になるトレー状の支持具の説明的な斜視
図である。
図である。
【図２】本発明になる網状の支持具の説明的な平面図で
ある。
ある。
【図３】網状支持具を作る電熱線を酸化処理したときの
外周のアルミナ析出層を示す該線の一部断面の顕微鏡写
真（×１００）である。
外周のアルミナ析出層を示す該線の一部断面の顕微鏡写
真（×１００）である。
【図４】本発明になるコンベア状の支持具の説明的な斜
視図である。
視図である。
【図５】本発明になるコンベア状の支持具を構成するリ
ンクの断面図である。
ンクの断面図である。
１−トレー状支持具 ２−金網状支持具 ３−炭素質コンベアベルト ４−炭素質耐火材 ５−アルミナ表面層を有する鉄系被覆材
Claims (2)
- 【請求項１】 炭素質耐火材の構造部または搬送部を有
する高温炉中にて被処理金属物を熱処理するために支持
する方法であって、該被処理物が外表面にアルミナ質層
を有する鉄系金属を介して上記した構造物または搬送部
の炭素質耐火材と接するように支持することを特徴とす
る上記の方法。 - 【請求項２】 炭素質耐火材の構造部または搬送部を有
する高温処理炉中にて被処理金属物を熱処理するための
支持具であって、上記の炭素質耐火材と接する該支持具
が外表面にアルミナ質層を有する鉄系材料で作られてい
ることを特徴とする上記の支持具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4337995A JPH08200966A (ja) | 1995-01-25 | 1995-01-25 | 高温炉における被処理物の支持方法と支持具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4337995A JPH08200966A (ja) | 1995-01-25 | 1995-01-25 | 高温炉における被処理物の支持方法と支持具 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08200966A true JPH08200966A (ja) | 1996-08-09 |
Family
ID=12662193
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4337995A Pending JPH08200966A (ja) | 1995-01-25 | 1995-01-25 | 高温炉における被処理物の支持方法と支持具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08200966A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007225172A (ja) * | 2006-02-22 | 2007-09-06 | Ngk Insulators Ltd | 搬送機構用支持具 |
-
1995
- 1995-01-25 JP JP4337995A patent/JPH08200966A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007225172A (ja) * | 2006-02-22 | 2007-09-06 | Ngk Insulators Ltd | 搬送機構用支持具 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041116 |
|
| A521 | Written amendment |
Effective date: 20050113 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050510 |