JPH08196557A - 腱及び靭帯再建固定用ネジ - Google Patents

腱及び靭帯再建固定用ネジ

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JPH08196557A
JPH08196557A JP7043365A JP4336595A JPH08196557A JP H08196557 A JPH08196557 A JP H08196557A JP 7043365 A JP7043365 A JP 7043365A JP 4336595 A JP4336595 A JP 4336595A JP H08196557 A JPH08196557 A JP H08196557A
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JP
Japan
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screw
thread
tendon
ligament
shape
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Pending
Application number
JP7043365A
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English (en)
Inventor
Minori Adachi
みのり 安達
基也 ▲おく▼野
Motoya Okuno
Taisuke Hirasawa
泰介 平澤
Noburo Takai
信朗 高井
Yasuo Otsuki
康雄 大槻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Gunze Ltd
Original Assignee
Gunze Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、損傷した腱、靭帯の再建に際し、
骨付き移植腱、或は、靭帯を固定するために用いられる
ネジの提供に関する。 【構成】 延伸処理されたポリ−L乳酸より成り、ネジ
山の形状が非対称である鋸歯ネジ状を呈し、且つ、ネジ
山の頂がフラットであることを特徴とする腱及び靭帯再
建固定用ネジ。ねじ込みに際し、破損することなく、ス
ムーズなねじ込みと固定機能を有し、しかも体内より取
り出す必要がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、損傷した腱、靭帯の再
建に際し、骨付き移植腱、或は、靭帯を固定するために
用いられるネジの提供に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、腱、靭帯の再建には様々な医療用
具の使用が試みられ、例えば、金属ワイヤーによる固
定、セラミックボタンと縫合糸の組み合わせによる固
定、チタン製スクリューによる固定法が例示できる。し
かし、上記ワイヤー、或は、セラミックボタンと縫合糸
を用いる固定法は、移植材料の初期固定力が弱いため早
期リハビリが十分にできない欠点があり、一方、チタン
製スクリューによる固定法は、大きな固定力が得られる
反面、クリューを関節骨内に深く埋没するため、抜釘が
極めて困難であり、また、腱、靭帯の再断裂に際しては
関節骨内に留置されたチタン製スクリューにより大きな
骨欠損を招き、そのために期間をおいた二段階手術を必
要とするなどの問題を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生体内にて
分解、吸収されるポリ−L乳酸をその素材とし、また、
特殊なネジ形状、及び、ねじれ強度の付与によって治療
に必要な固定力が確保され、その結果、早期リハビリが
可能であると共に腱、靭帯の再断裂に際しても素材自体
が生体内に分解吸収されるため、当該部に骨再生が行わ
れ、二段階手術を要しない特徴を有するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】しかるに、本発明は、延
伸処理されたポリ−L乳酸より成りネジ山の形状が非対
称である鋸歯ネジ状を呈し、且つ、ネジ山の頂がフラッ
トであることを特徴とする腱及び靭帯再建用ネジであ
り、ネジ山からネジ溝へかかるアールが0.30〜0.
45、ネジ溝から次のネジ山へかかるアールが0.80
〜0.95の範囲にあり、また、ネジ頭の外径とネジ山
の最大径がほぼ同径であること、ネジ頭に十字状のねじ
込み用スリットが設けられ、かかる十字が交叉する内面
部分が切欠されていること、延伸処理によってネジ破断
トルク値が8〜12kgfcmの範囲に調整されている
ことに特徴を有する腱及び靭帯再建用ネジの提供に関す
る。尚、ネジ破断トルク値とはネジ山部分をバイスで固
定し、ネジ頭部分を回転させたときにネジ首部分がねじ
切れるときの値をいう。即ち、ネジ首部分に応力が集中
しやすいようセットして測定したときの値である。
【0005】
【作用】ポリ−L乳酸は、加水分解し、生体内に分解吸
収される性質を有するポリマーとして知られるが、本発
明においては、特にその粘度平均分子量が10万以上、
より好ましくは、20万〜100万の範囲にあるものが
望まれる。即ち、高分子量であるほど高い強度、及びそ
の保持性が得られ易いことがその理由として挙げられ
る。また、かかる素材は、更にその破断トルク値を高め
る目的において、延伸処理が施される。かかる延伸処理
は、引張り、或は、静水圧押出を含む押し出し法等任意
の延伸方法によって行うことができ、例えば、任意形状
に溶融成型されたポリ−L乳酸成型物を前記した延伸法
によって延伸することによって行われる。具体的には、
温度200℃〜250℃の範囲で溶融,成型されたポリ
−L乳酸を一旦冷却し、次いで100℃〜145℃の温
度範囲においてより好ましくは、2.0〜3.5倍に延
伸処理する。かかる延伸倍率においてネジ破断トルク値
は最高の値を示し、その値は延伸方法を問わず、例え
ば、直径3mmのロッドにおいては概ね4.0〜5.0
kgfcmの値を示す。即ち、通常、延伸倍率を高める
に従って引張り強度が上昇することは知られているが、
本発明者らの実験によってねじれに対する強度、即ち、
ネジ破断トルク値については必ずし延伸倍率に比例せ
ず、むしろその強度は倍率が高まるほど低下するとの知
見により前記条件を特定したものである。次に、ネジの
切削については、公知のねじ切り機、例えば、NC旋盤
にてプログラミングし、専用バイトにて切削する方法を
例示できるが、その形状において以下の特徴を有する。
即ち、ネジ山の形状が非対称である鋸歯ネジ状を呈し、
且つ、ネジ山の頂をフラットにする。かかるネジ山のフ
ラット化とはネジ山の頂点を削り、約0.20〜0.3
5mm幅の平面をその頂に構成することを指す。また、
ネジ山からネジ溝にかかるアールを0.30〜0.4
5、ネジ溝から次のネジ山へかかるアールを0.80〜
0.95の範囲とする。かかるアールは曲率半径であ
り、その単位はmmである。かかる構成により、ねじ込
み中におけるネジ山破損の問題が解消され、また、タッ
プを立てることなくねじ込むこどが可能となって金属製
ネジと同等なスムーズなねじ込み機能が付与される。更
に、術後のシェア強度も十分に保証される。また、ネジ
頭の外径とネジ山の最大径をほぼ同径としたことは、当
該用途において必要とされるネジ頭を患部の内部にまで
ねじ込むことを可能とし、更に、該ネジ頭に十字状のね
じ込み用スリットを設け、また、かかる十字が交叉する
内面部分に切欠を設けた構成はねじ込みにおける当該部
への応力集中を分散させることができ、破損を防止でき
る。尚、かかる形状上の特徴は、図1に示す本発明構成
ネジ1を例示した正面図、図2示す図1をA方向より見
た拡大図、図3に示す図1の一部拡大図で表わされ、先
述したネジ山の形状が非対称である鋸歯ネジ状とは、図
3に示すように対向するネジ山4、4′の形状が対称で
ないことを意味し、その頂きは切削されてフラットであ
る。また、ネジ山4からネジ溝5へかかるアール、ネジ
溝5から次のネジ山4′へかかるアールは、図3におけ
るR1、R2であらわされ、ネジ頭2の外径とネジ山4
の最大径は図1に示すようにほぼ同径で、図2に示すよ
うに該ネジ頭2には十字状のねじ込み用スリット3が設
けられ、かかる十字が交叉する内面部分に切欠7が設け
られている。尚、図4には両端部まで溝切りされない別
の十字溝8を形成した例を示し、いずれの例においても
その中心部には、かかるネジを患部にまで案内させる棒
状治具に挿通させるための貫通孔6を有する。尚、本発
明の構成においてネジ山の数、ネジ自体のサイズはその
適用例によって任意に選択できるものである。
【0006】以下、実施例を挙げて説明する。
【実施例1】粘度平均分子量が35万であるポリ−L乳
酸チップをペレタイザーにてペレット状とした後、22
0〜230℃の加熱下でエクストルーダーにかけて溶
融、混練りして押出し、ロッド状成型物を得た。かかる
ロッドを内部にグリセリンを充填した静水押し出し装置
(ダイス径10.0mm)を用いて温度120℃、押し
出し速度10mm/minの条件で押し出し、延伸倍率
2.5倍の直径10.5mmの延伸ロッドを得た。かか
るロッドをNC旋盤にてプログラミングし、専用バイト
にて切削加工し、ネジ山の最大径が9mm,ネジ溝の深
さが1.7mm、R1が0.40、R2が0.90、ネ
ジ山のフラット面が0.3mm、ネジ頭の厚さが2mm
で十字状の溝が切られた図1に示すようなネジ山を8コ
有する鋸歯形状の本発明ネジを得た。かかるネジのネジ
破断トルク値を前記した方法により測定したところ15
〜20kgfcmの範囲に入る値を有した。一方、比較
のために延伸倍率を2.0倍とした他は前記実施例1と
同じ構成としたネジは10〜13kgfcm、4.0倍
としたものは8〜10kgfcmの値であった。上記構
成の本発明ネジによると、膝関節へのねじ込みに必要と
される8〜12kgfcmのトルク値に十分耐えられる
強度、即ち、術者、術法の変更に際しても十分に安全で
ある値を有した。かかる構成の本発明固定用ネジは、例
えば、図5に示すような人体の大腿骨と脛骨の間の膝関
節部分に腱を移植する際に使用される。即ち、その方法
は、両端に骨片12を有するよう採取された移植腱13
を脛骨10に貫通された孔11を通して大腿骨9側にあ
けられた孔16に通し、まず、大腿骨9側の孔16に本
発明ネジ1をねじ込むことによって移植腱の骨片を大腿
骨9に圧接して固定し、次いで、脛骨10側の骨片に取
り付けられた糸14を引張り、たるみを取りながらドラ
イバー15によって本発明ネシ1を孔11にねじ込んで
前記と同じように骨に圧接して固定する際に使用される
が、このような使用において本発明ネジは破損すること
なくスムーズにねじ込むことが可能であった。
【0007】
【発明の効果】本発明構成によるネジは、術中にかかる
力によってネジに破損を生じることなく、スムーズなね
じ込みが可能であり、また、タップを立てることを要し
ないためその操作が極めて簡単で、ネジの山部を材料、
生体に干渉させて固定する前記のようなインターフェラ
ンスフィットフィクセーション法に使用可能である。
尚、本発明ネジは、人体の関節周辺の腱及び靭帯再建用
ネジとして最適であるが、ねじ込みのためのタッピング
を要しない海綿骨接合への転用、或は、上記ネジ破断ト
ルク値の範囲において耐え得る骨接合用途へも使用可能
である。また、かかる強度は固定に必要とされる約3ヵ
月の期間初期強度の60〜80%の値を保持し、その後
は徐々に強度が失われ、ほぼ60ヵ月の後は分解によっ
て体内から消失するため、従来のように再手術によって
体内から除去する必要がない。更に、再断裂に際しても
従来は関節骨内に留置されたチタン製スクリューにドリ
ルが当たらないようにまわりに大きな孔を開ける必要か
ら、骨欠損部が大きくなり過ぎ、また、スクリューを取
り除いた場合、当該部が骨で埋まるまで待つことによる
二段階手術を必要としたが、前記のようにその素材が体
内から消失して骨が再生し、或は、スクリューが体内に
存在していてもドリルで容易に孔をあけることができる
のでかかる二段階手術を要しない利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明構成を例示した正面図。
【図2】図1をA方向より見た図。
【図3】図1の一部拡大図。
【図4】ネジ頭部の他の構成を例示した側面図。
【図5】本発明ネジの適用例を示す斜視図。
【符号の説明】
1 ネジ 2 ネジ頭 3 ねじ込み用スリット 4 ネジ山 5 ネジ溝 6 貫通孔 7 切欠 9 大腿骨 10 脛骨 11 孔 12 骨片 13 移植腱 14 糸 15 ドライバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大槻 康雄 滋賀県近江八幡市出町395番地

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 延伸処理されたポリ−L乳酸より成り、
    ネジ山の形状が非対称である鋸歯ネジ状を呈し、且つ、
    ネジ山の頂がフラットであることを特徴とする腱及び靭
    帯再建固定用ネジ。
  2. 【請求項2】 ネジ山からネジ溝へかかるアールが0.
    30〜0.45、ネジ溝から次のネジ山へかかるアール
    が0.80〜0.95の範囲にあることを特徴とする請
    求項1記載の腱及び靭帯再建固定用ネジ。
  3. 【請求項3】 ネジ頭の外径とネジ山の最大径がほぼ同
    径であることを特徴とする請求項1記載の腱及び靭帯再
    建固定用ネジ。
  4. 【請求項4】 ネジ頭に十字状のねじ込み用スリットが
    設けられ、かかる十字が交叉する内面部分が切欠されて
    いることを特徴とする請求項1及び、請求項3記載の腱
    及び靭帯再建固定用ネジ。
  5. 【請求項5】 延伸処理によってネジ破断トルク値が8
    〜12kgfcmの範囲に調整されていることを特徴と
    する請求項1記載の腱及び靭帯再建固定用ネジ。
JP7043365A 1995-01-24 1995-01-24 腱及び靭帯再建固定用ネジ Pending JPH08196557A (ja)

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