JPH0819522A - 医療機器 - Google Patents

医療機器

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JPH0819522A
JPH0819522A JP6155969A JP15596994A JPH0819522A JP H0819522 A JPH0819522 A JP H0819522A JP 6155969 A JP6155969 A JP 6155969A JP 15596994 A JP15596994 A JP 15596994A JP H0819522 A JPH0819522 A JP H0819522A
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JP
Japan
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film
medical device
treatment
nosocomial infection
roll
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JP6155969A
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Izumi Watanabe
渡辺  泉
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 患者、操作者への菌、ウイルスの感染を未然
に防止することが可能な院内感染防止フィルムを提供す
ること。 【構成】 診断、治療に用いられる医療機器の少なくと
も一部、例えば治療に際して患者が接触する寝台11
に、複数枚を1枚づつ剥離可能に重ね合わせた院内感染
防止フィルム1を剥離可能に被覆したことを特徴として
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線診断装置、X線C
T装置、MRI装置等の医療機器を用いた診断、治療の
際、前記医療機器を介した菌、ウイルスの感染を防止で
きる医療機器に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、現在医療現場で使用され
ているX線診断装置、X線CT装置、MRI装置等の医
療機器は、救急患者や感染症患者、健常人、老人、新生
児までと幅広く用いられており、1台の装置で多くの人
の診断、治療を行うため、消毒や滅菌の作業が不可欠で
ある。
【0003】前記消毒の方法としては消毒薬品を用いた
清拭や噴霧、ガスを用いた薫蒸消毒が行われている。ま
た、前記滅菌の方法としては紫外線滅菌や蒸気を用いた
ものがある。
【0004】さらに、菌、ウイルスの付着や、血液等の
体液の装置への飛沫の防止は、樹脂または繊維製の滅菌
済みカバーを患者の近づく部分にのみ掛けて行ってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記消
毒を行うには多くの時間が掛かり、1日に1台の装置で
多くの患者を診断、治療する場合には診断、治療時間を
延ばすことになる。また、消毒時間を短縮しようとする
と、消毒時間の短時間化と消毒施工者の個人差により、
十分な消毒が行われないことも懸念されている。さら
に、消毒、滅菌効果を上げる目的で薬品濃度を上げたり
処理時間を延ばすと、装置を構成する各種材料の劣化が
促進される危険性もある。
【0006】さらに、菌、ウイルスの付着や、血液等の
体液の装置への飛沫の防止の目的に用いられる各種カバ
ーは装置の一部を覆っているだけであるので、その他の
部分に患者や医療従事者が接触することにより感染する
可能性もある。
【0007】本発明は上記事情に鑑みて成されたもので
あり、その目的は、患者、操作者への菌、ウイルスの感
染を未然に防止することが可能な医療機器を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、診断、治療に用いられる医療機器の少な
くとも一部、例えば、治療に際して患者が接触する寝台
等や、治療に際して体液の飛沫が発生する可能性のある
X線管球、イメージインテンシファイア、ガントリ等や
操作者が振れる操作パネル等や、操作者および患者が振
れる手摺等に、フィルムを剥離可能に被覆し、前記フィ
ルムをその汚染に応じて剥離することを特徴としてい
る。また、前記フィルムとしては、1枚1枚独立のフィ
ルム、複数枚を1枚づつ剥離可能に重ね合わせたフィル
ム、袋状のフィルムがある。
【0009】また、複数周ロール状に巻かれたフィルム
と、前記ロール状のフィルムから引き出されたフィルム
を巻き取る巻き取りロールとを備え、前記ロール状に巻
かれたフィルムから引き出されたフィルムを診断、治療
に用いられる医療機器の少なくとも一部、例えば治療に
際して患者が接触する寝台等や、治療に際して体液の飛
沫が発生する可能性のあるX線管球、イメージインテン
シファイア、ガントリ等や操作者が振れる操作パネル等
や、操作者および患者が振れる手摺等に被覆し、かつ、
前記被覆したフィルムをその汚染に応じて前記巻き取り
ロールに巻き取ることを特徴としている。
【0010】さらに、診断、治療に用いられる医療機器
の少なくとも一部、例えば操作者および患者が振れる手
摺等にロール状のフィルムを1周づつ剥離可能に装着
し、前記フィルムをその汚染に応じて1周づつ剥離する
ことを特徴としている。
【0011】さらに、前記フィルムの材料として、前記
医療機器による診断、治療に影響しない高分子材料、例
えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ
スチレン、ポリエチレンテフタレート、ポリ塩化ビニ
ル、フッ化ビニリデン、シリコーン樹脂を用いる。
【0012】さらに、前記フィルムの材料として、熱可
塑性樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン、ポリエチレンテフタレート、ポリアミド、A
BS樹脂等のリサイクル可能なものを用いる。
【0013】さらに、前記フィルムの材料として、生分
解性樹脂、例えばポリヒドロキシ酪酸およびその誘導
体、プルラン、セルロース=キトサン混合体、セルロー
ス、アミロース、木粉のエステル化したもの、ポリエス
テル=ポリアミド共重合体、ポリエステル共重合体、デ
ンプンとポリエチレンの混合体、脂肪族ポリエステルと
他樹脂の混合体を用いる。
【0014】さらに、前記フィルムの材料中に抗菌性材
料、例えばゼオライト、シリカゲル、スルホン酸ナトリ
ウム、イミダゾール系有機物、チアゾル系有機物を含有
させる。
【0015】
【作用】上記構成によれば、診断、治療に用いられる医
療機器の少なくとも一部にフィルムを剥離可能に被覆
し、前記フィルムをその汚染に応じて剥離することによ
り、患者、操作者への菌、ウイルスの感染を未然に防止
する。
【0016】また、前記フィルムとして複数枚を1枚づ
つ剥離可能に重ね合わせものを用いることにより、一人
の患者の診断、治療が終了する毎または汚染発生後ただ
ちに最上部のフィルムを剥離することで患者、操作者へ
の菌、ウイルスの感染を未然に防止する。
【0017】さらに、前記フィルムとして袋状のものを
用いることにより、一人の患者の診断、治療が終了する
毎または汚染発生後ただちに袋状のフィルムを剥離する
ことで患者、操作者への菌、ウイルスの感染を未然に防
止する。
【0018】さらに、ロール状のフィルムから引き出さ
れたフィルムを診断、治療に用いられる医療機器の少な
くとも一部に被覆し、かつ、前記被覆したフィルムをそ
の汚染に応じて前記巻き取りロールに巻き取ることによ
り、一人の患者の診断、治療が終了する毎または汚染発
生後ただちにフィルムを巻き取ることで患者、操作者へ
の菌、ウイルスの感染を未然に防止する。
【0019】さらに、診断、治療に用いられる医療機器
の少なくとも一部に複数周巻かれたロール状フィルムを
1周づつ剥離可能に取付けることにより、一人の患者の
診断、治療が終了する毎または汚染発生後ただちにフィ
ルムを1周づつ剥離することで患者、操作者への菌、ウ
イルスの感染を未然に防止する。
【0020】また、前記フィルムの材料として、前記医
療機器による診断、治療に影響しない高分子材料を用い
ることにより、前記医用機器の診断能力を損なうことが
ない。
【0021】さらに、前記フィルムの材料として、熱可
塑性樹脂を用いることにより、再溶解成形(リサイク
ル)可能となる。
【0022】さらに、前記フィルムの材料として、生分
解性樹脂を用いることにより、土壌中や生分解処理施設
等で分解処理できる。
【0023】さらに、前記フィルムの材料中に抗菌性材
料を含有させることにより、フィルム自体への菌、ウイ
ルスの侵入を防止できる。
【0024】
【実施例】図1は、本発明に係る医療機器の第1実施例
を示す説明図である。
【0025】図1に示す例では、図2に示すような構造
の院内感染防止フィルム1をX線診断装置、X線CT装
置、MRI装置等の寝台に貼り付けた場合の医療機器1
0を示している(図1(a);院内感染防止フィルム貼
り付け前、図1(b);院内感染防止フィルム貼り付け
後)。
【0026】図2は、第1実施例の医療機器10に用い
られる院内感染防止フィルム1の断面図である。
【0027】図2に示すように院内感染防止フィルム1
は、各フィルムの裏面に塗布された粘着剤3を介して複
数のフィルムが重ねられた構造となっている。また、各
フィルムの表面は表面処理され、隣接するフィルム同士
が完全接着しない程度に密着するようにしている。よっ
て、最上部の院内感染防止フィルム1-1を剥がすと粘着
部3も院内感染防止フィルム1-1とともに剥がれ次の院
内防止フィルムの表面が露出する仕組みになっている。
【0028】なお、装置表面に接する院内感染防止フィ
ルム1-eの裏面には接着剤5が塗布されており、装置と
院内感染防止フィルム1-eを接着する。
【0029】院内感染防止フィルム1の材料としては、
X線やMRI等の画像に影響のない高分子材料を用い
る。高分子材料としては例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレンテ
フタレート、ポリ塩化ビニル、フッ化ビニリデン、シリ
コーン樹脂がある。
【0030】また、院内感染防止フィルム1にリサイク
ル性を持たせる場合は、各種リサイクル可能樹脂、特
に、熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリエチレンテフタレート、ポリア
ミド、ABS樹脂等を使用すると良い。
【0031】さらに、院内感染防止フィルム1に生分解
性を持たせる場合は、ポリヒドロキシ酪酸およびその誘
導体、プルラン、セルロース=キトサン混合体、セルロ
ース、アミロース、木粉のエステル化したもの、ポリエ
ステル=ナイロン共重合体、ポリエステル共重合体、デ
ンプンとポリエチレンの混合体、脂肪族ポリエステルと
他樹脂の混合体等を用いると良い。
【0032】さらに、院内感染防止フィルム1自体に抗
菌作用を持たせるため、金属、セラミックス、有機系の
材料から成る抗菌性材料を院内感染防止フィルム1の材
料に混合させる。例えば、抗菌性材料としては銀や亜鉛
を結合させたゼオライト(ゼオミックス(シナネン)、
バクテキラー(鐘紡))、シリカゲル(アメニトップ
(松下電器産業))、スルホン酸ナトリウム、イミダゾ
ール系有機物(アモルデンSK820、アモルデンTS
205、アモルデンTS305(大和化学工業))、チ
アゾリン系有機物等がある。
【0033】次に、第1実施例の医療機器10の作用を
図1を用いて説明する。
【0034】ここでは、予め寝台11の天板部11a上
面に、この天板部11aと同寸法もしくはxy方向とも
若干(例えば数10cm)大きく成形した院内感染防止フ
ィルム1を貼り付けておく(図1(b)参照)。
【0035】この状態で患者は、寝台11の天板部11
aに横たわる。天板部11aは、操作者の操作により図
1(a)に示す矢印方向に自在に動かすことが可能であ
り、患者が動くことなく診断部の変更を可能にしてい
る。
【0036】診断中患者は主にこの天板部11aに接触
している。ここで寝台11上では、単に患者を診断する
ばかりではなく、時には観血的治療を行いながら診断す
るため、患者体表面の菌、ウイルスの付着はもとより前
記観血的治療により体液の飛沫が発生する場合がある。
しかしながら、ここでは一人の患者の診断、治療が終わ
った後、最上部の院内感染防止フィルム1-1を取り去る
ので、患者一人毎に清潔な院内感染防止フィルム1が現
れ、次の患者に前の患者の菌、ウイルスを感染させるこ
とがない。
【0037】なお、図3に示すように、粘着剤が塗布さ
れないフィルム剥がれ開始部1aを院内感染防止フィル
ムの一つの角部分に設けることにより、院内感染防止フ
ィルム1を剥がし易くすることができる。
【0038】また、院内感染防止フィルム1の補充は、
天板部11aから最後の院内感染防止フィルム1-eを剥
がし、複数枚重ね合わされた新しい院内感染防止フィル
ム1を天板部11a上に接着することにより行う。
【0039】さらに、第1実施例の医療機器10では、
寝台11に適用した場合を例に説明しているが、これに
限らず、治療に際して体液の飛沫が発生する可能性のあ
るX線管球、イメージインテンシファイア、ガントリ等
や、操作者が触れる操作パネル等や、操作者および患者
が振れる手摺等にも適用することができる。
【0040】図4は、本発明に係る医療機器の第2実施
例を示す説明図である。
【0041】図4に示すように第2実施例の医療機器2
0は、複数枚重ね合わせた院内感染防止フィルム1を内
視鏡診断装置30のコントロールパネル31、キーボー
ド33に貼り付けた場合の例である。このとき院内感染
防止フィルム1を貼り付けてもコントロールパネル3
1、キーボード33が見えるように院内感染防止フィル
ム1の材料を透明樹脂にする。
【0042】また特に内視鏡診断装置30では、操作者
が内視鏡35を操作した手でコントロールパネル31や
キーボード33を押す機会が多い。このため、前の患者
の菌、ウイルスがコントロールパネル31やキーボード
33に付着し、次の患者の診断、治療を行う際、操作者
の手を介して次の患者に菌、ウイルスを感染させてしま
う可能性がある。しかしながら、ここでは一人の患者の
診断、治療が終了する毎または汚染発生後ただちに最上
部の院内感染防止フィルム1を取り去ることで、前記感
染を防止することができる。
【0043】なお、キーボード33に院内感染防止フィ
ルム1を用いるときは、キーボード33の操作がし易い
ように院内感染防止フィルム1をキーボード33の形状
と同様に凹凸形状に成形しておいても良い。
【0044】また、図4に示す例では院内感染防止フィ
ルム1を内視鏡診断装置30のコントロールパネル3
1、キーボード33に貼り付けているが、これに限ら
ず、操作者や患者が触れる部分であればいずれの部分に
適用しても良い。さらに、内視鏡診断装置30に限らず
他の装置に適用するようにしても良い。
【0045】なお、第1実施例の医療機器10、第2実
施例の医療機器20では、複数枚重ね合わせた院内感染
防止フィルム1を用いているが、1枚1枚独立の院内感
染防止フィルムを用いるようにしても良い。この場合、
一人の患者の診断、治療が終わる毎に前記院内感染防止
フィルムを貼り換えるようにする。
【0046】図5は、本発明に係る医療機器の第3実施
例を示す説明図である。
【0047】第3実施例の医療機器40は、病棟内を回
診するときや手術室内で用いられる移動型のX線診断装
置の移動用ハンドル部や寝台に付けられた手摺(図示せ
ず)にロール状の院内感染防止フィルム41を取付けた
ものである。また、図6に示すようにロール状の院内感
染防止フィルム41は、ロール状の院内感染防止フィル
ム41を取り付ける前記移動用ハンドル部や手摺の径よ
り若干大きな径を持ったロール芯部41aの外周上に粘
着剤43を介して巻かれている。
【0048】また、ロール状の院内感染防止フィルム4
1には、使用済みの院内感染防止フィルム41のみを取
り去るために1周毎にミシン目45が入れられている。
【0049】このロール状の院内感染防止フィルム41
を前記移動用ハンドル部や手摺に装着しておけば、前記
移動用ハンドル部や手摺に汚染が生じても最上部の院内
感染防止フィルム41-1を1周分剥がすのみで清潔なフ
ィルム面が現れる。このため、前記移動用ハンドル部や
手摺を介した患者、操作者への菌、ウイルスの感染が防
止できる。
【0050】なお、ロール芯部41aは、前記移動用ハ
ンドル部や手摺の径より若干大きくしてるので前記前記
移動用ハンドル部や手摺上で自由に回転する。このた
め、ロール状の院内感染防止フィルムを容易に剥がすこ
とができ、さらに、前記移動型のX線診断装置を操作す
るときも負荷が掛からず邪魔にならない。
【0051】また、第3実施例の医療機器40に用いら
れたロール状の院内感染防止フィルム41では、前記移
動用ハンドル部や手摺に適用した場合を例に説明してい
るがこれに限らず、ハンドルや手摺のように棒状のもの
であれば、いずれの部分にも適用することができる。
【0052】図7は、本発明に係る医療機器の第4実施
例を示す説明図である。
【0053】第4実施例の医療機器50は、図7に示す
ように袋状の院内感染フィルム51内にX線撮影用のフ
ィルムカセット60を入れたものである。
【0054】このフィルムカセット60は1撮影に1つ
の使用となる。よって図1に示す院内感染防止フィルム
1のように複数枚重ね合わせる必要がないため袋状にし
ている。
【0055】このように袋状の院内感染防止フィルム5
1にフィルムカセット60を挿入し、撮影終了後袋状の
院内感染防止フィルム51を剥離することにより、患者
にフィルムカセット60を接触させて撮影を行う場合や
体液が流出した場合でもフィルムカセット60自体に菌
やウイルスの付着がないため、患者、操作者への菌、ウ
イルスの感染を防止できる。
【0056】なお、袋状の院内感染防止フィルム51の
開口部分は解放したままでも良いが、より完全に菌、ウ
イルスの付着を防ぐ場合は、前記開口部分にジッパー5
1aを設け、自由に密封、開封を行えるようにしても良
い。
【0057】また、第4実施例の医療機器50では、フ
ィルムカセット60に適用した場合を説明したが、これ
に限らず、挿入するものの形に合わせて袋状の院内感染
防止フィルム51を成型することにより、治療に際して
患者が接触する寝台等や、治療に際して体液の飛沫が発
生する可能性のあるX線管球、イメージインテンシファ
イア、ガントリ等や、操作者が振れる操作パネル等や、
操作者および患者が振れる手摺等にも適用することがで
きる。
【0058】図8は、本発明に係る医療機器の第5実施
例を示す説明図であり、図9はその断面図である。
【0059】第5実施例の医療機器70では、図8、9
に示すように寝台11の天板部11aの患者が横たわる
部分(菌やウイルスの付着を防止する箇所)の一方の端
部に院内感染防止フィルム40が貫通するフィルム入口
71を設けるとともに他端に院内感染防止フィルム40
が貫通するフィルム出口73を設け、フィルム入口71
の下部にロール芯41aに巻かれたロール状の院内感染
防止フィルム41を着脱可能に設けるとともに、フィル
ム出口73下部に使用済みの院内感染防止フィルム41
を巻き取る巻き取りロール75を着脱可能に設けたもの
である。さらに、ロール状の院内感染防止フィルム41
と巻き取りロール75のスムーズな回転を可能にするた
め、フィルム入口71とフィルム出口73近辺に各々ロ
ールガイド77が設けられている。
【0060】ここでロール状の院内感染防止フィルム4
1は、フィルム入口71から天板部11aの患者が横た
わる部分に引き出され、フィルム出口73を通ってフィ
ルム出口73下部の巻き取りロール75に巻き取られ
る。この巻き取りは、巻き取りロール75を手動により
回転させることで巻き取るようにしても良いが、巻き取
りロール芯部75aを小型モータ等で自動的に回転させ
ることで巻き取るようにしても良い。
【0061】このため、第5実施例の医療機器70で
は、使用済みの院内感染防止フィルム41を1枚1枚取
り去らずに巻き取りロール75に巻き取るようにしてい
るので、使用済みの院内感染防止フィルム41をロール
状態のままで簡単に廃棄処理できるようになる。さら
に、使用済みの院内感染防止フィルム41を廃棄処理す
る場合でも使用済みの院内感染防止フィルム41に触れ
ることがないので、廃棄処理による操作者への菌、ウイ
ルスの感染も防止できる。
【0062】なお、第5実施例の医療機器70では、寝
台11に適用した場合を例に説明しているが、これに限
らず、治療に際して体液の飛沫が発生する可能性のある
X線管球、イメージインテンシファイア、ガントリ等
や、操作者が触れる操作パネル等や、操作者および患者
が振れる手摺等にも適用することができる。
【0063】なお、第2〜第5実施例では、院内感染防
止フィルム1,41,51の材料は説明していないが、
前述の第1実施例の医療機器10に用いられた院内感染
防止フィルム1の材料と同質のものを用いる。
【0064】したがって、第1〜第5実施例で用いられ
た院内感染防止フィルム1.41,51ともX線診断装
置、X線CT装置、MRI装置の診断画像に影響を与え
ない材料で構成されているため、前記装置の診断能力を
損なうことがない。
【0065】また、第1〜第5実施例で用いられた院内
感染防止フィルム1,41,51とも、院内感染防止フ
ィルム1,41,51自体に抗菌作用を持つ材料が混合
されているので、院内感染防止フィルム1,41,51
の端部やミシン目からの菌やウイルスの侵入を防止でき
るとともに、院内感染防止フィルム1,41,51に付
着した菌、ウイルスを一定時間後に死滅させることも可
能となる。
【0066】また、第1〜第5実施例で用いられた院内
感染防止フィルム1,41,51ともリサイクル可能な
樹脂で成形することにより、回収して再溶解成形(リサ
イクル)できる。
【0067】さらに、第1〜第5実施例で用いられた院
内感染防止フィルム1,41,51とも前記生分解性樹
脂で成形することにより、土壌中や生分解処理施設等で
分解処理できるため、廃棄場所を選ぶ必要がなり、さら
に、地球環境を保全することも可能となる。ここで、リ
サイクルや生分解する前に、使用済み院内感染防止フィ
ルム1,41,51を滅菌処理すればなお良い。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、診
断、治療に用いられる医療機器の少なくとも一部、例え
ば治療に際して患者が接触する寝台等や、治療に際して
体液の飛沫が発生する可能性のあるX線管球、イメージ
インテンシファイア、ガントリ等や、操作者が振れる操
作パネル等や、操作者および患者が振れる手摺等に、フ
ィルムを剥離可能に被覆し、前記フィルムをその汚染に
応じて剥離するようにしているので、患者、操作者への
菌、ウイルスの感染を未然に防止することができる。
【0069】また、診断、治療に用いられる医療機器の
少なくとも一部、例えば治療に際して患者が接触する寝
台等や、治療に際して体液の飛沫が発生する可能性のあ
るX線管球、イメージインテンシファイア、ガントリ等
や、操作者が振れる操作パネル等や、操作者および患者
が振れる手摺等に、複数枚を1枚づつ剥離可能に重ね合
わせたフィルムを剥離可能に被覆し、前記フィルムをそ
の汚染に応じて剥離するようにしているので、患者、操
作者への菌、ウイルスの感染を未然に防止することがで
きる。
【0070】さらに、診断、治療に用いられる医療機器
の少なくとも一部、例えば治療に際して患者が接触する
フィルムかセット、寝台等や、治療に際して体液の飛沫
が発生する可能性のあるX線管球、イメージインテンシ
ファイア、ガントリ等や、操作者が振れる操作パネル等
や、操作者および患者が振れる手摺等に、袋状のフィル
ムを剥離可能に被覆し、前記フィルムをその汚染に応じ
て剥離するようにしているので、患者、操作者への菌、
ウイルスの感染を未然に防止することができる。
【0071】さらに、ロール状のフィルムから引き出さ
れたフィルムを診断、治療に用いられる医療機器の少な
くとも一部、例えば治療に際して患者が接触する寝台等
や、治療に際して体液の飛沫が発生する可能性のあるX
線管球、イメージインテンシファイア、ガントリ等や、
操作者が振れる操作パネル等や、操作者および患者が振
れる手摺等に、被覆し、かつ、前記被覆したフィルムを
その汚染に応じて巻き取りロールに巻き取るようにして
いるので、患者、操作者への菌、ウイルスの感染を未然
に防止することができる。
【0072】さらに、フィルムの材料として医療機器の
観察に影響しない高分子材料を用いることにより、診
断、治療能力を損なわずに医療機器による治療、診断を
行うことができる。
【0073】さらに、本発明に係る院内感染防止フィル
ムの材料として熱可塑性樹脂を用いることにより、再溶
解成形(リサイクル)が可能となる。
【0074】さらに、本発明に係る院内感染防止フィル
ムの材料として生分解性樹脂を用いることにより、土壌
中や生分解処理施設等で分解処理でき、廃棄場所を選ぶ
必要がなくなり、さらに、地球環境を保全することも可
能となる。
【0075】さらに、フィルムの材料中に抗菌性材料を
含有させることにより、院内感染防止フィルム自体への
菌、ウイルスの侵入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る医療機器の第1実施例を示す説明
図である。
【図2】複数枚を1枚づつ剥離可能に重ね合わせた院内
感染防止フィルムの構造を示す断面図である。
【図3】図2に示す院内感染防止フィルムの一つの角部
分を示す説明図である。
【図4】本発明に係る医療機器の第2実施例を示す説明
図である。
【図5】本発明に係る医療機器の第3実施例を示す説明
図である。
【図6】ロール状の院内感染防止フィルムの断面図であ
る。
【図7】本発明に係る医療機器の第4実施例を示す説明
図である。
【図8】本発明に係る医療機器の第5実施例を示す説明
図である。
【図9】図8に示す第5実施例の医療機器の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 院内感染防止フィルム 3,43 粘着剤 5 接着剤 10,20,40,50,70 医療機器 11 寝台 30 内視鏡診断装置 31 コントロールパネル(操作パネル) 33 キーボード(操作パネル) 35 内視鏡 41 ロール状の院内感染防止フィルム 41a ロール芯部 45 ミシン目 51 袋状の院内感染防止フィルム 51a ジッパー 60 フィルムカセット 71 フィルム入口 73 フィルム出口 75 巻き取りロール 75a 巻き取りロール芯部 77 ロールガイド

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 診断、治療に用いられる医療機器の少な
    くとも一部にフィルムを剥離可能に被覆し、前記フィル
    ムをその汚染に応じて剥離することを特徴とする医療機
    器。
  2. 【請求項2】 前記フィルムは、複数枚を1枚づつ剥離
    可能に重ね合わせたものであることを特徴とする請求項
    1記載の医療機器。
  3. 【請求項3】 診断、治療に用いられる医療機器の少な
    くとも一部に袋状のフィルムを剥離可能に被覆し、前記
    フィルムをその汚染に応じて剥離することを特徴とする
    医療機器。
  4. 【請求項4】 複数周巻かれたロール状のフィルムと、
    前記ロール状のフィルムから引き出されたフィルムを巻
    き取る巻き取りロールとを備え、 前記ロール状のフィルムから引き出されたフィルムを診
    断、治療に用いられる医療機器の少なくとも一部に被覆
    し、かつ、前記被覆したフィルムをその汚染に応じて前
    記巻き取りロールに巻き取ることを特徴とする医療機
    器。
  5. 【請求項5】 診断、治療に用いられる医療機器の少な
    くとも一部に複数周巻かれたロール状のフィルムを1周
    づつ剥離可能に装着し、前記フィルムをその汚染に応じ
    て1周づつ剥離することを特徴とする医療機器。
  6. 【請求項6】 前記被覆する部分は、少なくとも寝台で
    あることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載
    の医療機器。
  7. 【請求項7】 前記被覆する部分は、X線管球、イメー
    ジインテンシファイア、ガントリであることを特徴とす
    る1乃至4いずれか1項記載の医療機器。
  8. 【請求項8】 前記被覆する部分は、少なくとも操作パ
    ネルであることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1
    項記載の医療機器。
  9. 【請求項9】 前記被覆する部分は、少なくとも手摺で
    あることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載
    の医療機器。
  10. 【請求項10】 前記フィルムの材料として、前記医療
    機器による診断、治療に影響しない高分子材料を用いた
    ことを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項記載の医
    療機器。
  11. 【請求項11】 前記高分子材料は、ポリエチレン、ポ
    リプロピレン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレ
    ンテフタレート、ポリ塩化ビニル、フッ化ビニリデン、
    シリコーン樹脂であることを特徴とする請求項10記載
    の医療機器。
  12. 【請求項12】 前記フィルムの材料として、熱可塑性
    樹脂を用いたことを特徴とする請求項1乃至9いずれか
    1項記載の医療機器。
  13. 【請求項13】 前記熱可塑性樹脂は、ポリエチレン、
    ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテフタレ
    ート、ポリアミド、ABS樹脂であることを特徴とする
    請求項12記載の医療機器。
  14. 【請求項14】 前記フィルムの材料として、生分解性
    樹脂を用いたことを特徴とする請求項1乃至9いずれか
    1項記載の医療機器。
  15. 【請求項15】 前記生分解性樹脂は、ポリヒドロキシ
    酪酸およびその誘導体、プルラン、セルロース=キトサ
    ン混合体、セルロース、アミロース、木粉のエステル化
    したもの、ポリエステル=ポリアミド共重合体、ポリエ
    ステル共重合体、デンプンとポリエチレンの混合体、脂
    肪族ポリエステルと他樹脂の混合体であることを特徴と
    する請求項14記載の院内感染防止フィルム。
  16. 【請求項16】 前記フィルムの材料中に抗菌性材料を
    含有させたことを特徴とする請求項1乃至15いずれか
    1項記載の医療機器。
  17. 【請求項17】 前記抗菌性材料は、ゼオライト、シリ
    カゲル、スルホン酸ナトリウム、イミダゾール系有機
    物、チアゾル系有機物であることを特徴とする請求項1
    6記載の医療機器。
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