JPH08191907A - アイアンゴルフクラブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来では限界があった慣性モーメントを大き
くして、スウィートエリアを広げることが可能となり、
打球時の飛球の方向を安定させるアイアンゴルフクラブ
を提供することを目的とするものである。 【構成】 ２はフェース面、３ａはクラブヘッド本体１
ａのトウ側，３ｂはヒール側、４はソール部、５はリー
ディングエッヂ、６はホーゼル部を示し、前記クラブヘ
ッド本体１ａのトウ側３ａ及びヒール側３ｂの側面に
は、ロッド７ａ，７ｂを介して重量体Ｗａ，Ｗｂが取り
付けてある。前記重量体Ｗａ，Ｗｂは、クラブヘッド本
体１のリーディングエッヂ５から下方（ソール部４側）
に突出したり、クラブフェース面より前方に突出しない
ように配設する必要がある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、アイアンゴルフクラ
ブにかかわり、更に詳しくはクラブヘッド本体の慣性モ
ーメントを大きくし、クラブヘッド本体のスウィートエ
リアを左右に広げることにより、打球時の飛球の方向を
安定させたアイアンゴルフクラブに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のアイアンゴルフクラブには、金属
材料を主材とした金属製のアイアンゴルフクラブと、繊
維強化プラスチック（ＦＲＰ）等を主材とした樹脂製の
アイアンゴルフクラブとが知られており、そのクラブヘ
ッド本体１としては、図１０の（ａ），（ｂ）に示すよ
うに、２はフェース面、３ａはクラブヘッド本体１のト
ウ側，３ｂはヒール側、４はソール部、５はリーディン
グエッヂ、６はホーゼル部等から構成されている。

【０００３】ところで、上記のようなアイアンゴルフク
ラブにおいては、慣性モーメントを大きくして、スウィ
ートエリアを広げることにより、打球時の飛球の方向を
安定させることが知られており、その具体的な手段とし
ては、例えば、重量体をトウ側３ａとヒール側３ｂとの
両側に埋設する方法が提案されている（特開平２−８４
９７２号公報）。

【０００４】

【発明が解決しようとする問題点】然しながら、このよ
うな従来の方法は、重量体をあくまでもクラブヘッド本
体の中に埋設する方法であるため、クラブヘッド本体の
慣性モーメントを大きく出来る範囲も限界があり、即
ち、クラブヘッド本体の大きさにより限定されてしま
い、慣性モーメントを大きくして、スウィートエリアを
広げることにも限界があった。

【０００５】この発明は、かかる従来の問題点に着目し
て案出されたもので、重量体をクラブヘッド本体のトウ
側またはヒール側の少なくとも一方から突出させて設け
ることにより、従来では限界があった慣性モーメントを
大きくして、スウィートエリアを広げることが可能とな
り、打球時の飛球の方向を安定させることが出来るアイ
アンゴルフクラブを提供することを目的とするものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するため、アイアンゴルフクラブのクラブヘッド本
体のトウ側またはヒール側の少なくとも一方に、該クラ
ブヘッド本体から重量体を突出させて設けたことを要旨
とするものである。また前記重量体は、クラブヘッド本
体と一体的に形成することも可能であり、また重量体の
位置を、クラブヘッド本体の重心位置から位置調整可能
に構成することも可能である。

【０００７】更に、前記重量体は、クラブヘッド本体の
リーディングエッヂから下方及びクラブフェース面より
前方に突出しないように配設することで、打球時の重量
体によるダフリや、打球の飛球の方向性を安定させるこ
とが出来る。また前記重量体の材質は、クラブヘッド本
体の材質と同材質、または金属，非金属から成る高比重
材料を用いることも可能である。

【０００８】

【発明の作用】この発明は、上記のように構成され、ア
イアンゴルフクラブのクラブヘッド本体のトウ側または
ヒール側の少なくとも一方に、該クラブヘッド本体から
重量体を突出させて設けることにより、従来では限界が
あった慣性モーメントを大きくして、スウィートエリア
を広げることが可能となり、打球時の飛球の方向を安定
させることが出来るものである。

【０００９】

【発明の実施例】以下、添付図面に基づきこの発明の実
施例を説明する。なお、従来例と同一構成要素は、同一
符号を付して説明は省略する。図１の（ａ），（ｂ）
は、この発明にかかる金属製のアイアンゴルフクラブま
たは繊維強化プラスチック（ＦＲＰ）等を主材としたア
イアンゴルフクラブの第１実施例を示すクラブヘッド本
体１ａの正面図と、ＡーＡ矢視側面図を示し、２はフェ
ース面、３ａはクラブヘッド本体１ａのトウ側，３ｂは
ヒール側、４はソール部、５はリーディングエッヂ、６
はホーゼル部を示している。

【００１０】前記クラブヘッド本体１ａのトウ側３ａ及
びヒール側３ｂの側面には、ロッド７ａ，７ｂを介して
重量体Ｗａ，Ｗｂが取り付けてあり、この重量体Ｗａ，
Ｗｂの材質は、クラブヘッド本体１ａの材質と同材質で
形成することも可能であり、その材質としては、真鍮等
の高比重金属材料の他、ダングステン等の高比重金属粉
を含有させた樹脂材料を用いることも可能である。

【００１１】また、前記重量体Ｗａ，Ｗｂは、クラブヘ
ッド本体１のリーディングエッヂ５から下方（ソール部
４側）に突出したり、クラブフェース面より前方に突出
しないように配設する必要がある。即ち、重量体Ｗａ，
Ｗｂが、クラブヘッド本体１のリーディングエッヂ５か
ら下方（ソール部４側）に突出している場合（ａ＜０，
ｂ＜０）には、打球時に重量体Ｗａ，Ｗｂによるダフリ
の原因となり、また飛球の方向性を損ねる原因となるか
らである。

【００１２】また、重量体Ｗａ，Ｗｂがクラブフェース
面２より前方に突出している場合（ｃ≦０）には、クラ
ブヘッド本体１ａの適正打球面（ヒッティングエリア）
から外れてフェースのエッヂで打球した際には、飛球の
方向性を損ねる危険性があるからである。また、重量体
Ｗａ，Ｗｂは、なるべくソール部４側に設け、クラブヘ
ッド本体１ａの重心位置を下げることが好ましい。即
ち、打球における球の飛び出し角度を上げ易くなる（球
が高く上がり易くなる）。更に、重量体Ｗａ，Ｗｂを、
クラブヘッド本体１ａのバック側２ａ（フェース面２と
反対側）に設けることにより、スウィートエリアの拡大
も図ることが可能である。

【００１３】図２の（ａ），（ｂ）は、この発明の第２
実施例を示すクラブヘッド本体１ａの正面図と、ＢーＢ
矢視側面図を示し、この実施例は、前記第１実施例がク
ラブヘッド本体１ａのトウ側３ａ及びヒール側３ｂの側
面にロッド７ａ，７ｂを介して重量体Ｗａ，Ｗｂが固定
された構造であるのに対して、重量体Ｗａ，Ｗｂがクラ
ブヘッド本体１ａの重心位置から位置調整可能に構成し
たものである。

【００１４】即ち、この実施例では、クラブヘッド本体
１ａのトウ側３ａ及びヒール側３ｂの側面に設けたロッ
ド７ａ，７ｂを、ねじ棒８ａ，８ｂとし、このねじ棒８
ａ，８ｂに対して、重量体Ｗａ，Ｗｂを螺嵌させて治具
等により位置調整出来るように構成したものである。な
お、このような構造とした場合、クラブのスウィング及
び打球時等の衝撃で重量体Ｗａ，Ｗｂが容易に移動しな
いようにピンまたは固定ネジ等で強固に固定させる必要
がある。また、ゴルフ競技の公的ルールに適合させるた
めには、治具を用いての固定方法をとるのが好ましい。

【００１５】次に、図３の（ａ），（ｂ）及び図４の
（ａ），（ｂ）は、この発明の第３実施例及び第４実施
例を示すクラブヘッド本体１ａの正面図と、ＣーＣ矢視
側面図及びＤーＤ矢視側面図を示し、この第３実施例及
び第４実施例は、上記第１実施例及び第２実施例が、ク
ラブヘッド本体１ａのトウ側３ａ及びヒール側３ｂの側
面に、重量体Ｗａ，Ｗｂをロッド７ａ，７ｂまたはねじ
棒８ａ，８ｂを介して取り付けてあるのに対して、クラ
ブヘッド本体１ａのトウ側３ａにのみ重量体Ｗａをロッ
ド７ａまたはねじ棒８ａを介して取り付けて構成したも
のである。

【００１６】なお、その他の構成及び作用は、上記第１
実施例及び第２実施例と同様なので、同一符号を付して
説明は省略する。次に、図５の（ａ），（ｂ）は、この
発明の第５実施例を示すクラブヘッド本体１ａの正面図
と、ＥーＥ矢視側面図を示し、この実施例は、クラブヘ
ッド本体１ａのトウ側３ａにのみ、二本のバー９ａ，９
ｂを介して蒲鉾状の重量体Ｗｃを一体的に固定し、重量
体Ｗｃは、クラブヘッド本体１のリーディングエッヂ５
から下方に突出せず、クラブフェース面２と略面一に取
り付て構成したものである。なお、その他の構成及び作
用は、上記第１実施例と同様なので、同一符号を付して
説明は省略する。

【００１７】また、図６の（ａ），（ｂ）は、この発明
の第６実施例を示すクラブヘッド本体１ａの正面図と、
ＦーＦ矢視側面図を示し、この実施例は、クラブヘッド
本体１ａのトウ側３ａで、かつソール部４側に切欠部１
０を形成し、この切欠部１０に、上記第１実施例と同様
に、ロッド７ｃを介して重量体Ｗｄを取り付けて構成し
たものである。

【００１８】この実施例では、重量体Ｗｄをソール部４
側に設けることで、上記第１実施例の効果に加えて、ク
ラブヘッド本体１ａの重心位置を下げ、打球における球
の飛び出し角度を上げることで、球を高く上げ易くした
ものである。次に、図７の（ａ），（ｂ）及び図８の
（ａ），（ｂ）は、この発明の第７実施例及び第８実施
例を示すクラブヘッド本体１ａの正面図と、ＧーＧ矢視
側面図及びＨーＨ矢視側面図を示し、この第７実施例及
び第８実施例は、クラブヘッド本体１ａのトウ側３ａの
上部側に切欠部１１及び１２を設けて、クラブヘッド本
体１ａのソール部４側に、クラブヘッド本体１と一体的
に形成された重量体ＷｅまたはＷｆを突出させて一般的
に形成したものである。

【００１９】この第７実施例及び第８実施例も、上記第
６実施例と同様に、第１実施例の効果に加えて、クラブ
ヘッド本体１ａの重心位置を下げ、打球における球の飛
び出し角度を上げることで、球を高く上げ易くするよう
に構成したものである。更に、図９の（ａ），（ｂ）
は、この発明の第９実施例を示すクラブヘッド本体１ａ
の正面図と、ＩーＩ矢視側面図を示し、この実施例は、
第７実施例のクラブヘッド本体１ａに加えてヒール側３
ｂのソール部４側に切欠部１３を形成し、この切欠部１
３にロッド７ｄを介して重量体Ｗｇを取り付けて構成し
たものである。

【００２０】なお、その他の構成及び作用は、上記第１
実施例と同様なので、同一符号を付して説明は省略す
る。また、この発明は、アイアンゴルフクラブの全番手
への適用が可能であるが、一般に打球が難しいとされる
ロングアイアンに適用することにより、より効果的であ
る。更に、上記の各実施例では、アイアンゴルフクラブ
についてのみ説明したが、ウッドゴルフクラブヘッドに
も適用することは可能である。

【００２１】

【発明の効果】この発明は、上記のようにアイアンゴル
フクラブのクラブヘッド本体のトウ側またはヒール側の
少なくとも一方に、該クラブヘッド本体から重量体を突
出させて設けたので、従来では限界があった慣性モーメ
ントを大きくして、スウィートエリアを広げることが可
能となり、打球時の飛球の方向を安定させることが出来
る効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ），（ｂ）は、この発明にかかるアイアン
ゴルフクラブの第１実施例を示すクラブヘッド本体の正
面図と、ＡーＡ矢視側面図である。

【図２】（ａ），（ｂ）は、この発明にかかるアイアン
ゴルフクラブの第２実施例を示すクラブヘッド本体の正
面図と、ＢーＢ矢視側面図である。

【図３】（ａ），（ｂ）は、この発明にかかるアイアン
ゴルフクラブの第３実施例を示すクラブヘッド本体の正
面図と、ＣーＣ矢視側面図である。

【図４】（ａ），（ｂ）は、この発明にかかるアイアン
ゴルフクラブの第４実施例を示すクラブヘッド本体の正
面図と、ＤーＤ矢視側面図である。

【図５】（ａ），（ｂ）は、この発明にかかるアイアン
ゴルフクラブの第５実施例を示すクラブヘッド本体の正
面図と、ＥーＥ矢視側面図である。

【図６】（ａ），（ｂ）は、この発明にかかるアイアン
ゴルフクラブの第６実施例を示すクラブヘッド本体の正
面図と、ＦーＦ矢視側面図である。

【図７】（ａ），（ｂ）は、この発明にかかるアイアン
ゴルフクラブの第７実施例を示すクラブヘッド本体の正
面図と、ＧーＧ矢視側面図である。

【図８】（ａ），（ｂ）は、この発明にかかるアイアン
ゴルフクラブの第８実施例を示すクラブヘッド本体の正
面図と、ＨーＨ矢視側面図である。

【図９】（ａ），（ｂ）は、この発明にかかるアイアン
ゴルフクラブの第９実施例を示すクラブヘッド本体の正
面図と、ＩーＩ矢視側面図である。

【図１０】（ａ），（ｂ）は、従来のアイアンゴルフク
ラブのクラブヘッド本体の正面図と、ＪーＪ矢視側面図
である。

【符号の説明】

１ａ クラブヘッド本体 ２ フェース面 ３ａ トウ側 ３ｂ ヒール側 ４ ソール部 ５ リーディング
エッヂ ６ ホーゼル部 ７ａ，７ｂ ロッド Ｗａ，Ｗｂ 重量体

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アイアンゴルフクラブのクラブヘッド本
   体のトウ側またはヒール側の少なくとも一方に、該クラ
   ブヘッド本体から重量体を突出させて設けたことを特徴
   とするアイアンゴルフクラブ。
2. 【請求項２】 前記重量体を、クラブヘッド本体と一体
   的に形成した請求項１に記載のアイアンゴルフクラブ。
3. 【請求項３】 前記重量体の位置を、クラブヘッド本体
   の重心位置から位置調整可能にした請求項１に記載のア
   イアンゴルフクラブ。
4. 【請求項４】 前記重量体は、クラブヘッド本体のリー
   ディングエッヂから下方及びクラブフェース面より前方
   に突出しないように配設した請求項１ないし請求項３に
   記載のアイアンゴルフクラブ。
5. 【請求項５】 前記重量体を、クラブヘッド本体の材質
   と同材質にした請求項１ないし請求項４に記載のアイア
   ンゴルフクラブ。
6. 【請求項６】 前記重量体は、金属または非金属から成
   る高比重材料を用いる請求項１ないし請求項５に記載の
   アイアンゴルフクラブ。