JPH08189453A - 波力発電装置 - Google Patents

波力発電装置

Info

Publication number
JPH08189453A
JPH08189453A JP7000427A JP42795A JPH08189453A JP H08189453 A JPH08189453 A JP H08189453A JP 7000427 A JP7000427 A JP 7000427A JP 42795 A JP42795 A JP 42795A JP H08189453 A JPH08189453 A JP H08189453A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wave
capacitor
electrode
energy
electrode plates
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7000427A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3247022B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Daiku
博之 大工
Hidehiko Maehata
英彦 前畑
Tetsuya Inoue
鉄也 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Zosen Corp
Original Assignee
Hitachi Zosen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Zosen Corp filed Critical Hitachi Zosen Corp
Priority to JP00042795A priority Critical patent/JP3247022B2/ja
Publication of JPH08189453A publication Critical patent/JPH08189453A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3247022B2 publication Critical patent/JP3247022B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/30Energy from the sea, e.g. using wave energy or salinity gradient

Landscapes

  • Other Liquid Machine Or Engine Such As Wave Power Use (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械エネルギーに変換する動く機器や通常の
発電機を使用せずに、直接電気エネルギーに変換し、蓄
積する高効率の波力発電装置を提供する。 【構成】 1枚の電極板を海中に浸漬させてコンデンサ
の陰極11とし、電極板1の表面を絶縁体膜12で被覆し、
これら電極板13を電気的に並列に接続して陽極14とし、
これら陽極14を形成する電極板13を波高に合わせて設置
する。 【効果】 波2成分は海水、すなわち電解質溶液である
ことから導電性を示すため、コンデンサの陰極11を海中
に浸漬させることにより、波2成分が陰極11と同電位と
なり、よって陽極14を形成する電極板13の列の間隙に波
2が存在すると、陽極14/絶縁体膜12/海水(陰極11)
という構造のコンデンサが形成される。このコンデンサ
の電極に充放電回路を接続し、波の変化によりコンデン
サを可変コンデンサとすることにより波力エネルギーか
ら電気エネルギーを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】自然のエネルギーとして、海にお
ける波力エネルギーがあり、波力の単位幅(m)あたり
の波浪エネルギーWは、ρ;密度,g;重力加速度,
H;波高,T;周期とすれば、 W=ρg2 2 T/32π≒0.98H2 T(kW/
m) で与えられる値を有している。日本周辺の冬季では、年
間平均13kW/mの波浪エネルギーが見込まれる。
【0002】本発明は、この波浪エネルギーを利用した
波力発電装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】波力発電は、従来から波浪エネルギーを
制御しやすい機械エネルギーに一次変換し、そのエネル
ギーを発電機のタービンに送り込んで発電する2段階の
エネルギー変換の方法がとられている。上記一次変換の
方法としては、可動物体法、受圧面法、エネルギー収斂
法、および振動水柱法などがある。空気流への変換の場
合は、タービン翼に送給して発電機のシャフト軸を回転
させて発電機を作動させ、物体の運動エネルギー変換の
場合は、油圧・水圧ポンプの駆動などにより制御しやす
い機械エネルギーに変換させて、発電機を作動させるの
が基本的な方法である。
【0004】一方、波力発電における主要課題として
は、 波浪エネルギーの高効率変換技術、 高信頼性・高耐久性のある安価な海洋・水中構造物構
築技術、 高信頼性・高耐久性を有する海中・水中送電ケーブル
技術、 が挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の発電方
法では、発電機を作動させる為に、制御しやすい機械エ
ネルギーに一旦変換し(一次変換)、そのエネルギーで
発電する(二次変換、三次変換)ために、変換効率は相
乗的に低下し、高変換効率を望めないという問題があっ
た。
【0006】本発明は上記問題を解決するものであり、
機械エネルギーに変換する動く機器や通常の発電機を使
用せずに、直接電気エネルギーに変換する高効率の波力
発電装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、第1発明の波力発電装置は、コンデンサを形成する
複数の電極板に充放電回路を接続し、波の変化により前
記コンデンサを可変コンデンサとして波力エネルギーか
ら電気エネルギーを得る波力発電装置であって、前記電
極板の内、単数または複数の電極板を海中に浸漬させて
コンデンサの一方の電極とし、残りの電極板の表面を絶
縁体膜で被覆してこれら電極板を電気的に並列に接続し
て他方の電極とし、これら他方の電極を形成する電極板
を波高に合わせて設置することを特徴とするものであ
る。
【0008】また第2発明の波力発電装置は、第1発明
の波力発電装置であって、電極板の表面に被覆した絶縁
体膜の厚さを、他方の電極板の間隔より薄くすることを
特徴とするものである。
【0009】また第3発明の波力発電装置は、第1発
明、または第2発明のの波力発電装置であって、電極板
の表面に被覆した絶縁体膜の比誘電率を、波の成分の比
誘電率より大きくすることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】上記第1発明によれば、波の成分は海水、すな
わち電解質溶液であることから、導電性を示すため、コ
ンデンサの一方の電極を海中に浸漬させることにより、
波成分が一方の電極と同電位となり、よって他方の電極
を形成する電極板列の間隙に波が存在すると、他方の電
極/絶縁体膜/海水(一方の電極)という構造のコンデ
ンサが形成される。
【0011】まず、波が他方の電極の電極板の間隙に入
っていくと、コンデンサの静電容量が大きくなり、波の
ピークが中心部に進行したとき、充電回路の印加電圧に
より最大の電荷がコンデンサに蓄積される。この状態で
波のピークが中心部より出ていくと、コンデンサの静電
容量が小さくなり、このとき電荷は一定であるので、コ
ンデンサの両端電圧は印加電圧より高くなっていく。そ
して、コンデンサの両端電圧がついには放電回路の印加
電圧より高くなり、コンデンサの電荷は、放電回路側に
供給される。次に、波が他方の電極の電極板の間隙に入
っていくと、コンデンサの静電容量が大きくなり、コン
デンサの両端電圧は低くなり、充電回路の印加電圧より
低くなると、充電回路の印加電圧でコンデンサの両端に
電荷は蓄積される。上記サイクルの繰り返しにより、放
電回路に電気エネルギーが得られる。
【0012】また、上記第2発明によれば、絶縁体膜が
誘電体となることから、この絶縁体膜の厚さが薄くなる
とコンデンサの静電容量は大きくなり、よって波による
可変コンデンサの静電容量の変化量が大きくなり、発電
効率が向上する(詳細は後述する)。
【0013】さらに、上記第3発明によれば、絶縁体膜
が誘電体となることから、この絶縁体膜の比誘電率を波
の成分の比誘電率より大きくすると、コンデンサの静電
容量は、海水が誘電体の場合と比較して大きくなり、よ
って波による可変コンデンサの静電容量の変化量が大き
くなり、発電効率が向上する(詳細は後述する)。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。まず、本発明の基本となる波力エネルギーから
直接電気エネルギーを取り出す原理の図1および図2の
説明図にしたがって説明する。
【0015】図1は、図2のコンデンサCの構成を示す
ものであり、電極板1,1’を一定距離dを隔てて平行
に対峙させて水中に浸漬させ、この間隙を波2の進行方
向xと平行とし、かつ波高に合わせて設置させている。
波高は、たとえば波2の高さを平均したものであり、波
2の頂部が電極板1,1’の上辺の位置に略一致するよ
うに電極板1,1’を設置させている。
【0016】コンデンサCは、両電極1,1’間の水
(波2)の介在により、空気コンデンサ(比誘電率εS
=1)と水コンデンサ(比誘電率εS =50〜80)の複合
静電容量cを形成している。したがって、波2による両
電極1,1’の浸漬面積の時間的変化により、静電容量
cは、変動容量(変定数)となる。
【0017】いま、両電極1,1’にそれぞれ+Q,−
Qの電荷が与えられているとすると、コンデンサ静電容
量cとコンデンサ端子電圧Vとの関係は、図3に示すよ
うな、 Q=cV,V=Q/c …(1) であるから、電荷Qが一定の場合、コンデンサ静電容量
cが増大すれば、コンデンサ端子電圧Vは減少し、コン
デンサ静電容量cが減少すれば、コンデンサ端子電圧V
は増大する。たとえば、図3において、電荷Qを一定の
電荷Q0 とすると(Q=Q0 )、コンデンサ静電容量c
の最小値c0 では、コンデンサ端子電圧VはVb 、最大
値c1 では、コンデンサ端子電圧VはVm となる。
【0018】また、両電極1,1’の蓄積エネルギーW
は、 W=(1/2)cV2 =(1/2)QV …(2) で表現され、電荷Qが一定の電荷Q0 の条件下では、コ
ンデンサ静電容量cが小さく、コンデンサ端子電圧Vが
大きいほど、蓄積エネルギーWは大きい。たとえば、図
3において、Q=Q0 では W0 =(1/2)c0 b 2 =(1/2)Q0 b …0bVb の面積 W1 =(1/2)c1 m 2 =(1/2)Q0 m …0mVm の面積 …(3) となり、W0 >W1 となる。
【0019】以上のコンデンサ静電容量c、電荷Q、コ
ンデンサ端子電圧V、および蓄積エネルギーWの関係を
踏まえて、図2に示すコンデンサCの静電容量cを波力
によって変動させることにより発電する原理を説明す
る。
【0020】図2の回路には、コンデンサCの入力側の
充電回路(入力端子3)および出力側の放電回路(出力
端子5)に、それぞれ逆止ダイオードDa ,Db を接続
し、入力端子3,4と出力端子5,6間にそれぞれ直流
電圧va ,vb (vb >va)を印加している。
【0021】今、図1に示すように、波2のピークが電
極1,1’間の中心部に進行してきた場合を考えると、
コンデンサ静電容量cは最大値c1 を示す。このとき、
入力側(直流電圧va )から逆止ダイオードDa を通っ
てコンデンサCに電荷Qが充電されているとすると、こ
のときの電荷Q1 は、 Q1 =c1 a …(4) で表現される。
【0022】そして、波2が進行方向xの方向に進行し
ていくと、コンデンサ静電容量cは減少していき、コン
デンサ端子電圧Vは、(va <V<vb )の状態にな
り、電荷Q1 一定の状態で、コンデンサ端子電圧Vは上
昇していく。(図3中、a→A) そして、V=vb になると、逆止ダイオードDb が導通
状態になり、さらにコンデンサ静電容量cが減少する
と、出力側に電荷Qが供給される。この間コンデンサ端
子電圧Vは(V=vb )である。(図3中、A→b) コンデンサ静電容量cが最小値c0 に達したときの電荷
0 は、 Q0 =c0 b …(5) で表現される。(電極1,1’間を波2が出ていった状
態) 次に、電極1,1’間に次の波2が進入が始まると、コ
ンデンサ静電容量cは増加し始め、コンデンサ端子電圧
Vは、(va <V<vb )の状態になり、荷Q 0 一定の
状態で、コンデンサ端子電圧Vは下降していく。(図3
中、b→B) そして、逆止ダイオードDa が導通状態となると、コン
デンサ端子電圧Vは(V=va )の状態で、電荷が入力
側(直流電圧va )から供給され、最大値c1になるま
で続く。(図3中、B→a) 以上の1サイクルにおけるコンデンサ静電容量c、電荷
Q、コンデンサ端子電圧V、出力電力POUT 、入力電力
INの状態を図4に示す。
【0023】上記1サイクルでの電気的出力(電力)P
は、図3の斜線で囲まれたaAbBaの面積となる。す
なわち、 P=(vb −va )(Q1 −Q0 ) =(c1 +c0 )va b −c0 b 2 −c1 a 2 …(6) となる。
【0024】ここで、この電力Pを効果に取り出すため
の、入力側の充電回路の直流電圧v a および出力側の放
電回路の直流電圧vb の最適条件を求める。すなわち、
図3の斜線で囲まれたaAbBaの面積が最大となる、
直流電圧va およびvb を求める。
【0025】図3において、電荷Q1 をq、直流電圧v
a をvとすると、vが0からvb の範囲での矩形の面積
Sは、 S=(vb −v)(q−Q0 ) =(vb −v)(c1 v−Q0 ) =−c1 2 +(vb 1 +Q0 )v−vb 0 …(7) となる。Q0 =c0 b とおき、dS/dv=0によ
り、(7)式から vb /v=vb /va =2c1 /(c1 +c0 ) …(8) が得られ、充電回路の直流電圧va と放電回路の直流電
圧vb の最適比率が求まる。(8)式より、コンデンサ
静電容量cの最小値c0 と最大値c1 が(c0 <<
1 )の場合、 vb /va =2 …(9) となる。
【0026】現実の波2の条件を考えると、(c1 =2
0 〜10c0 )が実用範囲として使用され、その最適
条件は、(vb /va =1.3〜1.8)である。また
(6)式の電気的出力Pは、図4では出力電力POUT
波形であり、コンデンサ静電容量cの減少期間(図4
中、c1 →c0 )、すなわち波2が電極1,1’間から
出ていく際に出力され、 Pd =vb (dQ/dt)=vb d (但し、QはQ1 →Q0 )…(10) で表される。
【0027】一方、コンデンサCから蓄積電荷Q1 を放
電した後、入力側から電荷が充電されるが、その入力電
力PINは、コンデンサ静電容量cの増加期間(図4中、
0→c1 )、すなわち波2が電極1,1’間に進入す
る際に入力され、 Pc =va (dQ/dt)=va c (但し、QはQ0 →Q1 )…(11) で表される。
【0028】1回の入出力期間をそれぞれτd ,τc
すると、電力量Wd ,Wc は、 Wd =Pd τd ,Wc =Pc τc …(12) であり、τd ≒τc であるから、入出力の電力量比Wd
/Wc は、 Wd /Wc =vb /va …(13) とvb /va の比に等しく、また(vb >va )である
から、(13)式は、 Wd /Wc >1 であり、波力エネルギーから電気エネルギーへの変換に
よって発電されることを示す。
【0029】また、(6)式の電気的出力Pにおいて、
充電回路の直流電圧va と放電回路の直流電圧vb が一
定とすると、この電力Pを効果的に取り出すためには、
コンデンサ静電容量cの最小値c0 と最大値c1 の差を
大きくすればよいことがわかる。
【0030】さて、電極板1,1’間の静電容量cは、
真空誘電率をε0 、電極板1,1’を浸漬する波2の成
分の比誘電率をε1 、電極板1,1’の幅をW(m)、
間隔をd(m)、電極板1,1’を浸漬する波2の高さ
をH(m)とすると、 c=ε0 ε1 WH/d (F) …(14) で表される。
【0031】以上の関係を踏まえて、図5,図6に示す
コンデンサCの静電容量cについて説明する。図示する
ように、1枚(複数枚でもよい)の電極板を常にその一
部あるいは全体を海中に浸漬させてコンデンサの一方の
電極(陰極とする)11とし、電極板1の表面を厚さ
(d)がμmオーダの絶縁体膜12で被覆した(陽極)電
極板13を複数枚、電気的に並列に接続して他方の電極
(陽極とする)14とし、陽極電極板13を、その間隙を波
2の進行と平行に、かつ波高に合わせて設置している。
【0032】この構成により、波2の成分は海水、すな
わち電解質溶液であることから、導電性を示すため、コ
ンデンサの一方の電極(陰極)11を海中に浸漬させるこ
とにより、波2の成分が陰極11と同電位となり、よって
陽極14を形成する陽極電極板13の列の間隙に波2が存在
すると、陽極14/絶縁体膜12/波(海水)2という構造
のコンデンサが形成される。絶縁体膜12が誘導体、波
(海水)2が陰極となり、陰極の高さが変化することに
より、可変コンデンサを形成している。
【0033】ここで(14)式において間隙dは、絶縁膜
11の厚さに相当することから、図5に示すコンデンサの
静電容量cは、真空誘電率をε0 、絶縁体膜12の比誘電
率をεr 、陽極電極板13の幅をW(m)、絶縁体膜12の
厚さをd(m)、陽極電極板13を浸漬する波2の高さを
H(m)、陽極電極板13の枚数をηとすると、 c=(ε0 εr WH/d)×η×2 (F) …(15) で表される。
【0034】(15)式から判るように、絶縁体膜12の厚さ
dが薄いと静電容量cは大きくなる。図1に示すように
電極板1,1’を平行に設置するには物理的にその間隙
dはmmのオーダとならざるを得ないことから、電極板
の幅W、波2の振幅Hが一定な場合、図1に示すように
電極板1,1’を海中に平行に設置した場合と比較して
静電容量cが大きくなり、静電容量cの最小値c0 と最
大値c1 の差は大きくなり、よって発電効率を改善する
ことができる。
【0035】また(15)式において、絶縁体膜12の比誘電
率εr を大きくすれば、コンデンサ静電容量cを大きく
することができる。そこで、絶縁体膜12の比誘電率εr
を波2の成分の比誘電率をε1 より大きくすることによ
り、図1に示すように電極板1,1’を海中に平行に設
置した場合と比較して静電容量cが大きくなり、静電容
量cの最小値c0 と最大値c1 の差は大きくなり、よっ
て発電効率を改善することができる。
【0036】上記電極板1への絶縁体膜12の形成方法に
ついて説明する。電極板1は金属材料で形成されてお
り、このような金属材料への絶縁体、あるいは誘電体な
どへの被膜処理技術としては、 1.物理蒸着法;抵抗加熱法、スパッタリング法、電子
ビーム法など、 2.化学蒸着法;気相反応法、 3.その他の方法;陽極酸化法、塗布・熱分解法など、 がある。一実施例として、塗布・熱分解法を使用して、
酸化チタン(Ti 2 )膜を電極板1の表面に被膜す
る。手順を図7のフローチャートにしたがって説明す
る。
【0037】まず、チタンのアルコキシド材料、たとえ
ばTi ( OC2 5 4 ,Ti ( OC3 7 4 などの
液体をアセトンなどの溶媒で所定の濃度に調製して塗布
液を製造する(ステップ−1)。
【0038】次に、この調製された塗布液の中に、電極
板として用いる金属板を浸し、一定速度で引き上げる
(ステップ−2)。その後、100 〜300 ℃で所定時間
(時間は塗布液の濃度により異なる)乾燥させ、溶媒を
飛ばす(ステップ−3)。
【0039】次に、400 〜500 ℃で焼成し、被膜を得る
(ステップ−4)。上記工程を順に繰り返すことによ
り、所定の膜厚を得る。この膜厚は、溶液の調製、引き
上げ速度により変えることができる。
【0040】この塗布・熱分解法は、物理蒸着法,化学
蒸着法などと比較して、大型の真空装置を必要としない
ため、陽極電極板13の製造コストを低く抑えることがで
きる。
【0041】被膜処理を行った陽極電極板13を並列に並
べ、上端にスペーサー15を挟んで図7に示すように陽極
14を形成する。実際の波力発電装置の構成の一例を図9
に示す。
【0042】陽極14を形成する陽極電極板13を複数電気
的に並列に接続し、これら陽極電極板13の間隙を波2の
進行方向に平行とし波2が通過する高さに設置し、充電
回路を形成する第1直流電源21の正極に入力端子3を介
して第1ダイオードDa のアノードを接続し、さらに放
電回路を形成する、第1直流電源21の電源電圧va より
高い電源電圧vb (va <vb )の第2直流電源22の正
極に出力端子5を介して第2ダイオードDb のカソード
を接続し、並列接続した陽極電極板13に、第1ダイオー
ドDa のカソードと第2ダイオードDb のアノードを接
続し、陰極11に、入力端子4と出力端子6を介してそれ
ぞれ第1直流電源21の負極と第2直流電源22の負極を接
続し、出力端子5,6間(第2直流電源32の両極間)に
負荷23を接続している。
【0043】上記波力発電装置の構成により、負荷23へ
図4の出力電力POUT が効率よく出力される。このよう
に、入力側の充電回路と出力側の放電回路間に、逆止ダ
イオードDa,Db を介してコンデンサCを接続し、入
力端子3,4と出力端子5,6間にそれぞれ直流電圧v
a ,vb (vb >va )を印加することにより、波2が
コンデンサCの電極1,1’間から出ていく際に電気エ
ネルギーを得ることができる。しかも、波力エネルギー
を、機械エネルギーに変換する動く機器や通常の発電機
を使用せずに、直接電気エネルギーに変換することがで
き、高効率変換の波力発電を実現することができる。ま
た、変換に際し、機械的な機構がないことから、故障の
原因を極力排除でき、高信頼性で高耐久性の波力発電を
実現でき、さらにメンテナンスを簡単にすることができ
る。
【0044】なお、図5に示す本実施例によれば、陽極
14を形成する陽極電極板13を、その間隙を波2の進行と
平行に設置しているが、垂直な向きに設置することも可
能である。しかし、平行に設置する場合のほうが、波2
は陽極14の陽極電極板13の間隙に抵抗なく進入し、各陽
極電極板13の静電容量cの変化にバラツキが発生しない
ことから、静電容量cの増減が一定になり、安定した電
気エネルギーを得ることができる。
【0045】
【発明の効果】以上のように第1発明によれば、波成分
は海水、すなわち電解質溶液であることから、導電性を
示すため、コンデンサの一方の電極を海中に浸漬させる
ことにより、波成分が一方の電極と同電位となり、よっ
て他方の電極を形成する電極板列の間隙に波が存在する
と、他方の電極/絶縁膜/海水(一方の電極)という構
造の可変コンデンサが形成され、コンデンサの電極板間
を波のピークが出ていく際に、電荷が出力端子に供給さ
れることにより、電気エネルギーを得ることができる。
しかも、波力エネルギーを、機械エネルギーに変換する
動く機器や通常の発電機を使用せずに、直接電気エネル
ギーに変換することができ、高効率変換の波力発電を実
現することができる。また、変換に際し、機械的な機構
がないことから、故障の原因を極力排除でき、高信頼性
で高耐久性の波力発電を実現でき、さらにメンテナンス
を簡単にすることができる。
【0046】また上記第2発明によれば、絶縁体膜が誘
電体となることから、この絶縁体膜の厚さが薄くなると
コンデンサの静電容量は大きくなり、よって波による可
変コンデンサの静電容量の変化量を大きくでき、発電効
率を向上することができる。
【0047】さらに上記第3発明によれば、絶縁体膜が
誘電体となることから、この絶縁体膜の比誘電率を波の
成分の比誘電率より大きくすると、コンデンサの静電容
量は誘電体が海水の場合と比較して大きくなり、よって
波による可変コンデンサの静電容量の変化量を大きくで
き、発電効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における波力発電装置のコン
デンサの配置図である。
【図2】同波力発電装置の基本回路図である。
【図3】同波力発電装置のコンデンサの両端電圧と蓄積
される電荷の特性図である。
【図4】同波力発電装置の特性図である。
【図5】同波力発電装置のコンデンサ部の説明図であ
る。
【図6】同波力発電装置のコンデンサ部の説明図であ
る。
【図7】同波力発電装置の電極板の工程手順を示すフロ
ーチャートである。
【図8】同波力発電装置の陽極の斜視図である。
【図9】同波力発電装置の回路構成図である。
【符号の説明】
C コンデンサ Da ,Db 逆止ダイオード 1,1’ 電極板 2 波 3,4 入力端子 5,6 出力端子 11 陰極 12 絶縁体膜 13 陽極電極板 14 陽極 15 スペーサー 21 第1直流電源 22 第2直流電源 23 負荷

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンデンサを形成する複数の電極板に充
    放電回路を接続し、波の変化により前記コンデンサを可
    変コンデンサとして波力エネルギーから電気エネルギー
    を得る波力発電装置であって、 前記電極板の内、単数または複数の電極板を海中に浸漬
    させてコンデンサの一方の電極とし、残りの電極板の表
    面を絶縁体膜で被覆してこれら電極板を電気的に並列に
    接続して他方の電極とし、これら他方の電極を形成する
    電極板を波高に合わせて設置することを特徴とする波力
    発電装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の波力発電装置であって、 電極板の表面に被覆した絶縁体膜の厚さを、電極板の間
    隔より薄くすることを特徴とする。
  3. 【請求項3】 請求項1、または請求項2記載の波力発
    電装置であって、 電極板の表面に被覆した絶縁体膜の比誘電率を、波の成
    分の比誘電率より大きくすることを特徴とする。
JP00042795A 1995-01-06 1995-01-06 波力発電装置 Expired - Fee Related JP3247022B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00042795A JP3247022B2 (ja) 1995-01-06 1995-01-06 波力発電装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00042795A JP3247022B2 (ja) 1995-01-06 1995-01-06 波力発電装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08189453A true JPH08189453A (ja) 1996-07-23
JP3247022B2 JP3247022B2 (ja) 2002-01-15

Family

ID=11473520

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00042795A Expired - Fee Related JP3247022B2 (ja) 1995-01-06 1995-01-06 波力発電装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3247022B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004347453A (ja) * 2003-05-22 2004-12-09 Nec Network Sensa Kk 電界センサ用電極ユニット及び電界センサ
EP2223424A1 (fr) * 2007-12-21 2010-09-01 Commissariat à l'Énergie Atomique et aux Énergies Alternatives Dispositif de recuperation d'energie a electrode liquide

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE60123938T2 (de) 2001-07-06 2007-07-05 Ericsson Ab Verfahren zur Überwachung eines redundanten Senders

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004347453A (ja) * 2003-05-22 2004-12-09 Nec Network Sensa Kk 電界センサ用電極ユニット及び電界センサ
JP4516724B2 (ja) * 2003-05-22 2010-08-04 Necネットワーク・センサ株式会社 電界センサ用電極ユニット及び電界センサ
EP2223424A1 (fr) * 2007-12-21 2010-09-01 Commissariat à l'Énergie Atomique et aux Énergies Alternatives Dispositif de recuperation d'energie a electrode liquide
JP2011507479A (ja) * 2007-12-21 2011-03-03 コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ 液状電極を有するエネルギー回復装置
US8760032B2 (en) 2007-12-21 2014-06-24 Commissariat A L'energie Atomique Et Aux Energies Alternatives Energy recovering device with a liquid electrode

Also Published As

Publication number Publication date
JP3247022B2 (ja) 2002-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9780291B2 (en) Self-charging energy storage system
US20040207369A1 (en) Electromechanical power converter
Hashmi et al. Polymer electrolyte based solid state redox supercapacitors with poly (3-methyl thiophene) and polypyrrole conducting polymer electrodes
CN104104262B (zh) 发电系统
CN110752765A (zh) 一种收集水雾产生电能的摩擦纳米发电机及其加工方法
CN103855421A (zh) 自充电薄膜锂离子电池
JPH08189453A (ja) 波力発電装置
KR20170083460A (ko) 파이버 형태의 전기에너지 하베스팅 및 스토리지 장치와, 그 제조방법
JPH08126294A (ja) 波力発電装置およびこの装置に使用する電極板の製造方法
JP2888770B2 (ja) 波力発電装置
KR101483202B1 (ko) 에너지 저장 장치 및 그 방법
CN108667340A (zh) 一种基于静电机理的风能发电机
KR20140043788A (ko) 에너지 저장 장치, 무기 겔화 전해질 및 이들의 방법
JP2947715B2 (ja) 波力発電装置
JP3356911B2 (ja) 流水発電装置
JP2947714B2 (ja) 波力発電装置
JPH08126295A (ja) 波力発電方法およびその装置
JP2012143121A5 (ja)
US20120327560A1 (en) Energy Storage Device, an Inorganic Gelled Electrolyte and Methods Thereof
Su et al. Monolithic Fabrication of Metal‐Free On‐Paper Self‐Charging Power Systems
Kuo et al. Step-up battery charger for stand-alone wind power system
JPH08126291A (ja) 波力発電装置
JP3356910B2 (ja) 流水発電装置
Ono et al. New type of energy harvester with electric double layer electrets
JP2001284187A (ja) 電気二重層コンデンサ及び電気二重層コンデンサの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081102

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091102

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091102

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111102

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees