JPH08188843A - 低熱膨張焼結合金およびその製造方法 - Google Patents

低熱膨張焼結合金およびその製造方法

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JPH08188843A
JPH08188843A JP1744095A JP1744095A JPH08188843A JP H08188843 A JPH08188843 A JP H08188843A JP 1744095 A JP1744095 A JP 1744095A JP 1744095 A JP1744095 A JP 1744095A JP H08188843 A JPH08188843 A JP H08188843A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐蝕性および切削加工性がよく、寸法精度の
よいMo基またはW基の低熱膨張焼結合金およびその製
造方法を提供する。 【構成】 組成が重量比で、MoまたはW50〜98
%、およびCuまたはCu合金が残部からなり、Mo相
またはW相が海綿状断面組織を呈している焼結合金であ
り、その製造方法は、MoまたはWの多孔質焼結体を粉
砕し、粉末粒径が40〜300μmで粉末内に通気孔を
有するMo粉またはW粉と、Cu粉またはCu合金粉も
しくはそのCu合金組成を構成する金属粉末との混合粉
を圧粉したのち、CuまたはCu合金の融点以上で加熱
し液相焼結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の詳細な説明〕
【0002】
【従来の技術】低熱膨張係数の金属材料としては、イン
バー(36%Ni−Fe)やコバール(29%Ni−1
7%Co−Fe)等がある。これらは高価で切削加工性
が悪く、使用される各種機種では磁気の影響を嫌うこと
から用途が制約される。Mo−Cu合金、W−Cu合金
は、焼結接点材料や電極材料、W基合金は電極材料や重
合金として知られている材料であるが、低熱膨張の材料
でもある。MoおよびWとCuとは合金化しないので粉
末冶金法によって作られ、斑組織を呈した合金である。
熱膨張係数は、Cuの含有量によって調整が可能で、C
uの含有量が少ない材料はMoまたはWの熱膨張係数に
近い値を示す。
【0003】このMoまたはW基焼結合金は、粒径が1
0μm以下のMoまたはWの粉末と微細なCu粉とを所
定の割合で混合、必要に応じて造粒した粉末を圧粉成
形、およびCuの溶ける温度で焼結する方法や、前記M
oまたはW粉末の圧粉体にCuを溶浸する方法により製
造される。後者の製造はCu量の制御が困難であり、表
面に残る余剰なCuを切削除去しなければならないの
で、複雑形状の部品を製作する場合は前者の製法が適し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】セラミックス材料やス
テンレス鋼と整合されて用いられる低熱膨張材料製部品
の使用環境は多様化され、部品の性能および形状に対す
る要求が厳しくなっており、特に通信情報関連機器に搭
載される部品では、小型軽量化、切削加工の削減および
部品の寸法精度向上、耐蝕性の向上、コスト低減等が一
層望まれている。すなわち、液相焼結しても寸法精度よ
く変形しない合金であれば、部品形状は粉末成形で造形
することが可能になる。また、部品の機械加工はコスト
高の要因であるが、複雑形状であり高寸法精度を得るた
めに切削加工した方が合理的なことがあり、切削性のよ
いことも要求される。さらに、MoおよびWは大気中に
放置すると酸化するが、特に高温多湿であったり、部品
を相手部材と整合する際、ラッピングやタッピング加工
等が施されることがあり、加工表面の耐蝕性も必要であ
る。
【0005】前記した従来のMo粉またはW粉とCu粉
の混合粉の圧粉体を液相焼結する製法は、溶浸法に比べ
て造形性に優れているが、Mo粉またはW粉を超硬合金
製造用粉末のように粒度が10μm以下の通常の粉末を
用いた場合、圧粉成形の際に金型とかじりを生じ易く、
それを改善するため樹脂などで造粒した粉末にしなけれ
ばならないという繁雑さがある。また、液相焼結中にM
o粒子またはW粒子が移動して変形や寸法変化が起こり
易く、所望する寸法精度が得られないため、切削加工を
必要とする個所が多くなり、コスト高の原因になってい
る。一方、Mo粉またはW粉の粒度が粗い粉末を用いた
場合は、比較して変形が少なくなるが、ラッピングやタ
ッピング加工の際の耐蝕性に問題があるとの指摘があ
る。
【0006】このような状況を改善するため、この発明
の目的は、低熱膨張で耐蝕性および切削加工性がよく、
しかも焼結による寸法変化量のばらつきが少なく寸法精
度のよい焼結部品を提供することである。さらに、他の
目的は、以下に説明する内容の中で順次明らかにして行
く。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の低熱膨張焼結合金は、組成が重量比で、
MoまたはW50〜98%、およびCuまたはCu合金
が残部からなり、前記Cu合金の組成が重量比で以下の
イ〜トのいずれかであり、Mo相またはW相が海綿状断
面組織を呈していること、この焼結合金の気孔率が20
〜30%(密度比70〜80%)であることを特徴とす
る。 (イ)0.5〜9%Sn、残部Cu (ロ)0.5〜9%Sn、0.03〜0.5%P、残部
Cu (ハ)0.5〜9%Sn、1〜3%Si、残部Cu (ニ)5〜11%Al、残部Cu (ホ)1〜50%Zn、残部Cu (ヘ)1〜50%Zn、0.5〜9%Sn、残部Cu (ト)1〜50%Zn、1〜3%Al、残部Cu
【0008】また、この焼結合金の製造方法は、Moま
たはWの多孔質焼結体を粉砕して作られ、粉砕粒の粒径
が40〜300μmで粉末内に通気孔を有するMo粉ま
たはW粉と、Cu粉または上記のイ〜トのいずれかのC
u合金粉もしくはそのCu合金組成を構成する金属粉末
との混合粉を圧粉し、CuまたはCu合金の融点以上で
加熱し、液相焼結することを特徴とする。
【0009】本発明の焼結合金のMo相またはW相の断
面組織は、焼結フィルター材料の断面のように多孔質状
の断面組織(海綿状断面組織)の粉末粒子が集合した組
織であって、CuまたはCu合金は、その含有量および
圧粉体の密度に応じて、MoまたはW粉末粒子の周囲、
粉末粒子間の気孔およびMoまたはWの粉末中の気孔の
一部か全部に充填された状態で存在する。焼結合金中の
気孔は、殆どない状態か、または30体積%以下であ
る。
【0010】この場合、Mo、Wともに熱膨張係数は同
程度であるが、Wは比較的安価であり比重が高いこと、
Moは比較的高価で比重が低いこと、Cuに比べCu合
金は融点が低く耐蝕性があり熱伝導率が低いこと、等を
考慮し、また、必要とする熱膨張係数、コストによって
WかMoの選択、CuまたはCu合金の含有量が適宜決
定される。
【0011】焼結合金の製造に用いるMo粉またはW粉
は、例えば、従来から接点材料などで用いられている平
均粒径0.5〜10μmの1次粒子粉末を還元性ガス雰
囲気中で温度1000〜2000℃で加熱して得られる
海綿状焼結体を粉砕して得た焼結粉末であって、Moま
たはWの1次粒子は粉末焼結温度が高いほど成長して大
きくなっており、粉砕された粉末の粒径が40〜300
μmで多孔質であり、粉末表面は凹凸になっているもの
である。
【0012】前記したMoまたはW焼結粉末を製造する
場合における焼結温度の影響は次のようになる。焼結温
度は1000℃未満であると、粉砕したとき微粉が多量
に生じ、焼結凝集粉が効率よく得られなく、また、圧粉
成形したとき、焼結凝集分が崩壊し、液相焼結状態が従
来と同様になる。一方、2000℃を超える温度では、
粒子の粗大化および閉鎖気孔が多くなり、焼結コストが
高くなると共に粉砕が困難になり、しかも焼結合金の密
度が低くなるので好ましくない。したがって、焼結温度
としては1000℃〜2000℃の範囲に設定すること
がより好ましいものとなる。
【0013】
【作用】以上の構成において、WおよびMoは、ほぼ同
じ熱膨張係数の低熱膨張金属である。MoはWより比重
が低いので、軽量を必要とする場合に適している。W粉
またはMo分が従来のように微粒であると、液相焼結中
に粒子が液相と共に移動できる状態にあるから、変形し
やすく焼結寸法変化量および寸法ばらつきが大きいが、
本発明合金のように焼結されたスケルトン状の粉を用い
れば、スケルトン状の粉末の圧粉体はブリッジ状に骨格
を形成しているから、周囲に液相が発生しても移動し難
く、変形が少なくなる。また、焼結寸法変化率は、W粉
またはMo粉の製造における焼結温度が高いほど小さく
なり、寸法変化のばらつきも同様に少なくなる。
【0014】CuまたはCu合金は結合材料であると共
に熱膨張率調整材料として作用する。この場合、Cuま
たはCu合金の含有量が増加するに伴って熱膨張係数は
関数的に高くなる。また、一般的にはCuに対しCu合
金の方が耐蝕性がよく、焼結温度も低いので製造コスト
の点においても好ましい。
【0015】Cu−Sn合金は、Sn含有量が0.5%
未満の場合は耐蝕性および機械強度は純Cuと殆ど同じ
で、9%を越えるとδ相の生成により機械強度が低下
し、切削性が悪くなるので、Snは0.5〜9%である
ことが好ましい。
【0016】PはCu−Sn合金の耐蝕性および機械強
度を改善する。Pの含有量が0.03%未満ではその効
果が認められず、0.5%を越えるとPとCuの金属間
化合物を生成して機械強度および切削性を低下するの
で、P含有量は0.03〜0.5%であることが好まし
い。
【0017】Siは、Cu−Sn合金の耐蝕性および機
械強度を向上する。Siの含有量1%未満ではその効果
が認めらず、3%を越えると機械強度および切削性を低
下し、MoまたはWとの濡れ性が悪くなって気孔への含
浸または被覆が不十分になるので、Si含有量は1〜3
%であることが好ましい。
【0018】Cu−Al合金も同様であるが、Al含有
量が5%未満では耐蝕性および機械強度の改善効果が認
めらず、11%を越えると機械強度および加工性が低下
することから、Al含有量は5〜11%であることが好
ましい。Cu−Zn合金も同様に、Zn含有量が1%未
満では機械強度および耐蝕性の向上が認められず、50
%を越えると金属間化合物が生成して機械強度および切
削性が低下するため、Zn含有量は1〜50%とする。
加工性と耐蝕性とを考慮すると1〜43%が好ましい。
【0019】Cu−Zn合金中のSnは、脱亜鉛腐蝕や
応力腐蝕割れを改善し、耐蝕性および機械強度を向上す
る。Sn含有量が0.5%未満では効果が少なく、9%
を越えると合金を著しく脆くするので、0.5〜9%で
あることが好ましい。Cu−Zn合金のZn含有量が3
0%以上の合金では、固溶限界を超えたSnが析出し材
料強度を低下するので、Sn含有量は1〜2%が好まし
い。
【0020】AlもSnと同様にCu−Zn合金の耐蝕
性および機械強度を改善するが、0.1%未満ではその
効果が少なく、7.5%より多くなると材料が脆くなり
加工性が悪くなるので、Al含有量は0.1〜3%が好
ましい。
【0021】焼結合金のCuまたはCu合金の含有量
は、2%より少ないとMoまたはWの粒子を被覆する機
能が少なくなり耐蝕性が不十分になるほか、材料強度が
低く、ねじ加工などを行うとねじ山が欠け易くなる。含
有量が増加するに伴いこれらが改善されるが、熱膨張係
数が大きくなり、整合する相手部材がステンレス鋼やセ
ラミックス材料であることを考慮して熱膨張係数12×
10-6/℃未満を目標とし、また、CuまたはCu合金
の含有量が多くなると、焼結寸法変化のばらつきが大き
くなるため、50%以下の含有量であることが好まし
い。
【0022】CuまたはCu合金は焼結中に溶融し、W
またはMo粉末の表面および粉末中の気孔表面を覆う。
CuまたはCu合金の含有量が多くなると共にWまたは
Mo粉末粒子内および粉末間の気孔に充填される。Wま
たはMoの表面をCuまたはCu合金で被覆した状態に
なり、焼結合金の耐蝕性が良好となる。また、本発明の
焼結合金のWまたはMoは、その粉末の粒径は40〜3
00μmであるけれども、粉末を構成する一次粒子は比
較的細かく、スケルトン状に凝集した状態で通気孔を有
しているので、合金を切削や研磨した場合、表面に露出
するWまたはMoの粒子は小さく、また、気孔内にある
CuまたはCu合金が塑性流動してWまたはMo表面を
覆うので、従来の微粉WまたはMoを用いた合金と同様
に加工面の耐蝕性にも優れている。
【0023】焼結合金中に気孔がない場合は、Moまた
はWと、CuまたはCu合金との含有率により熱膨張係
数が決定される。焼結合金の気孔率が10体積%程度ま
では気孔がない焼結合金の熱膨張係数と同様であるが、
それに比べて気孔率が20%では約8%、気孔率が30
%では約17%熱膨張係数が少なくなり、焼結合金の気
孔率は焼結合金の熱膨張係数を制御する要因の一つであ
る。但し、気孔率が30%を越えるようになると強度が
低くなるので、強度の必要な部品には好ましくない。ま
た、気孔率が多い合金は軽量でもある。したがって、気
孔率としては20〜30%であることが好ましい。
【0024】
【実施例】以下、実施例と比較例により本発明を説明す
る。 (実施例1)下記のMo粉を準備した。平均粒径が2〜
5μmのMo粉末を水素雰囲気中で各温度で焼結した
後、これを粉砕して60メッシュ篩を通過した粉末(2
50μm以下)A〜C粉、およびD粉、E粉である。 A粉:焼結温度1000℃ B粉:焼結温度1100℃ C粉:焼結温度1800℃ D粉:最大粒径10μm以下で平均粒径が6μmの市販
のMo粉 E粉:粉末粒径が60〜250μmの範囲にある気孔が
ない市販のMo粉末 これらのMo粉末に、電解Cu粉を10重量%混合した
粉末を成形圧力7ton/cm2で圧縮粉成形した後、水素
ガス雰囲気中で温度1150℃で焼結し、焼結寸法変化
率および寸法変化量のばらつき(3σ)、耐蝕性、加工
性、および熱膨張係数を測定した。
【0025】耐蝕性試験は、表面を研磨した試料を温度
80℃で相対湿度90%の環境に96時間放置した後、
各試料に変色があるか否かにより評価した。加工性は、
ドリル孔をあけた後、ねじ切りを行って、ねじ山の状態
および欠けの有無により評価した。表1にその結果を示
す。表1中、○印は良好、×印は欠点が認められたもの
である。
【0026】本発明に係る試料1〜3は、焼結寸法変化
率が少ないことが判る。また、寸法のばらつきも際だっ
て少ないことが判る。耐蝕性および加工性は、Mo粒子
が粗い試料5が著く劣っている。また、図1は、表1の
試料2(MoがB粉を使用)と、試料4(粉末粒子が細
かなMo粉を使用)の焼結体断面組織を模写した図面で
ある。同図において、白い領域はMoで、黒の領域はC
uおよび僅かの気孔が含まれる。図1の左側の本材料は
Moの一次粒子が比較的大きく、それが焼結凝集した粉
末の内部に気孔があり、気孔内にCuが充填されてい
る。Mo粉末の間の気孔に充填されたCuは比較的大き
い。Mo粉末がブリッジ状に積み重なった状態であり、
Cuが液相になったとき、Mo粉末粒子が移動しにくい
ことが判る。一方、図1の右側の従来合金は、Moおよ
びCuが細かく分散した組織を呈している。Mo粉末粒
子がもともと微細だったものであり、液相焼結中にCu
およびMoが移動して気孔を減少させた結果、寸法変化
が大きくなっている。
【0027】
【表1】 なお、熱膨張係数の単位は(×10-6/℃)である。
【0028】(実施例2)Mo粉は前記のB粉を用い、
電解Cu粉を10重量%混合し、その混合粉を成形圧力
を変えて圧粉成形し、水素ガス雰囲気中で温度1150
℃で焼結を行い、気孔率(密度比)の異なる試料(No
6,7,8,9,10,11)を作成した。気孔率の最
も少ない試料は、加圧焼結したものである。これらの試
料の熱膨張係数の測定結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】表2から分かるように、気孔率が15%で
は僅かに熱膨張係数が低くなり、気孔率30%では気孔
率1%のものに対し約17%熱膨張係数が低くなってい
る。なお、表2への記載を省いているが、気孔率が高い
ものは、加工性が比較して劣っており、強度の必要な用
途、ねじ加工を必要とする用途には好ましい状態ではな
い。
【0031】(実施例3)Mo粉は前記のB粉を用い、
Cu合金粉を10重量%混合した粉末を用い、同様に成
形、焼結した試料を作成し、前記と同様に各性状を測定
した。用いたCu合金は、(1)Cu−0.5%Sn合
金粉、(2)Cu−8%Sn−0.25%P合金粉、
(3)Cu−1%Sn−3%Si合金粉、(4)Cu−
7%Al合金粉、(5)Cu−1%Zn合金粉、(6)
Cu−30%Zn−1%Sn合金粉、(7)Cu−20
%Zn−2%Al合金粉である。また、焼結温度は、前
記(1)〜(5)の合金粉を用いたものは1130℃で
あり、(6)のものは1020℃、(7)ものは107
0℃で行った。
【0032】物性測定から、寸法変化率および寸法ばら
つき共に、Cu−Al系合金を用いたものは寸法変化率
が1.5%程度、寸法ばらつきが20μm程度を示し、
純Cuを用いた合金よりやや大きい値を示していたが、
他のCu合金では純Cuの場合と同程度であった。熱膨
張係数は、5.7〜6.5×10-6/℃の範囲にあり、
純Cuを用いた合金とほぼ同じであった。耐蝕性および
加工性は、Cu合金を用いた方が純Cuものより優れた
いた。
【0033】(実施例4)Mo粉は前記C粉を用い、電
解Cu粉を1〜60%の範囲の各種組成の混合粉を用
い、実施例1と同様に試料を作成して各種性状を測定し
た。焼結寸法変化率の平均はCu含有量によって大差な
く0.2〜0.4%であったが、寸法変化量のばらつき
は、Cu含有量1〜10%では4μm、Cu含有量30
%で10μm、Cu含有量50%で50μm、Cu含有
量60%では90μmであり、Cu含有量が30%を越
えるとばらつきが多くなっており、熱膨張係数が約8×
10-6/℃以上の焼結合金は、高寸法精度の焼結体が得
られ難いことが判明した。
【0034】また、耐蝕性および加工性とも、1%Cu
の試料は劣っているが、その他のものは欠点は認められ
なかった。熱膨張係数は、1〜2%Cuの焼結体が5.
3×10-6/℃、60%Cuの焼結体が12.0×10
-6/℃であり、Cu含有量と熱膨張係数との関係は、こ
の2点を結ぶ直線で表すことができる。
【0035】(実施例5)なお、Moに代えて、各種の
Wを適用した試験を行った結果は、前記の実施例で説明
したと同様な性質を示した。熱膨張係数はWを用いた方
が僅かに低い値を示した。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の低熱膨
張焼結合金は、Mo粉またはW粉をスケルトン状の多孔
質粉末を用い、CuまたはCu合金により焼結したもの
であるから、耐蝕性および切削加工性に優れ、組成およ
び気孔率を調整することにより所望する熱膨張係数にで
きるほか、特にこの発明の合金は焼結寸法変化率および
寸法ばらつきが少ないので、複雑形状部品を粉末成形に
より造形し、切削加工を少なくして、製造することがで
きるので、効率よく安価に低熱膨張部品を製作すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明合金と従来合金の断面組織を模写した図面
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成が重量比で、MoまたはW50〜9
    0%、およびCuまたはCu合金が残部からなり、前記
    Cu合金の組成が重量比で下記のイ〜トのいずれかであ
    り、Mo相またはW相が海綿状断面組織を呈しているこ
    とを特徴とする低熱膨張焼結合金。 (イ)0.5〜9%Sn、残部Cu (ロ)0.5〜9%Sn、0.03〜0.5%P、残部
    Cu (ハ)0.5〜9%Sn、1〜3%Si、残部Cu (ニ)5〜11%Al、残部Cu (ホ)1〜50%Zn、残部Cu (ヘ)1〜50%Zn、0.5〜9%Sn、残部Cu (ト)1〜50%Zn、1〜3%Al、残部Cu
  2. 【請求項2】 焼結合金の気孔率が20〜30%(密度
    比70〜80%)である請求項1に記載の低熱膨張焼結
    合金。
  3. 【請求項3】 MoまたはWの多孔質焼結体を粉砕して
    作られ、粒径が40〜300μmで粉末内に通気孔を有
    するMo粉またはW粉と、Cu粉または下記のイ〜トの
    いずれかのCu合金粉もしくはそのCu合金組成を構成
    する金属粉末との混合粉を圧粉し、CuまたはCu合金
    の融点以上で加熱し液相焼結することを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の低熱膨張焼結合金の製造方
    法。(イ)0.5〜9%Sn、残部Cu (ロ)0.5〜9%Sn、0.03〜0.5%P、残部
    Cu (ハ)0.5〜9%Sn、1〜3%Si、残部Cu (ニ)5〜11%Al、残部Cu (ホ)1〜50%Zn、残部Cu (ヘ)1〜50%Zn、0.5〜9%Sn、残部Cu (ト)1〜50%Zn、1〜3%Al、残部Cu
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019065375A (ja) * 2017-09-29 2019-04-25 株式会社原田伸銅所 抗菌性および抗ウィルス性を有する銅合金粉体及びそれを用いた物品
CN109706337A (zh) * 2018-12-28 2019-05-03 有研工程技术研究院有限公司 一种钨颗粒增强铝基复合材料的制备方法
CN109996897A (zh) * 2016-09-28 2019-07-09 天纳克公司 具有优异导热性的渗铜的钼和/或钨基粉末金属合金

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