JPH08188401A - 水素ガス吸収体の製造方法と水素ガス吸収方法と水素ガス発生方法と水素ガス吸収装置 - Google Patents

水素ガス吸収体の製造方法と水素ガス吸収方法と水素ガス発生方法と水素ガス吸収装置

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JPH08188401A
JPH08188401A JP5146967A JP14696793A JPH08188401A JP H08188401 A JPH08188401 A JP H08188401A JP 5146967 A JP5146967 A JP 5146967A JP 14696793 A JP14696793 A JP 14696793A JP H08188401 A JPH08188401 A JP H08188401A
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hydrogen
absorber
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Kohachiro Wada
小八郎 和田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 金属醋塩を使用する水素ガス吸収体。 【効果】 吸収量の飛躍的増大並びに単位当たり重量の
低減。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】1.この発明は従来から研究されてきてい
る金属水素化合物と目的は同一ながらも、その種々ある
欠点を補いなおかつ安全に水素ガスをエネルギ−として
使用する事を目的に開発したものである。発明者は、別
途研究を行っている過程の中より本発明に至る水素ガス
吸収体を開発し、本件出願に至ったものである。
【0002】本発明の骨子となる金属水素化合物欠点の
中心である水素ガス吸収量と重量とのバランスについ
て、本発明請求項1にてふれた吸収体を金属醋塩に置き
換え、この金属醋塩に金属水素化合物以上の水素ガス吸
収性能を持たせる合成方法を開発した。まず金属醋塩自
体にも水素を分子間に吸着させる能力はあるが、この吸
着数量では到底金属水素化合物の持つ吸着性能には追い
つかない。
【0003】この問題を解決するために本発明では緩衝
剤となるシリカゲル等に過酸化ナトリウムを反応させ、
金属醋塩の持つ他分子を固定させその金属醋塩そのもの
ではなく、その金属の持つ水素化合物を作る性質を醋塩
と言う単位重量の小さい物質のまま水素ガスの吸収性能
を高めた物である。後記実施例にて記述するが、その一
例として塩化パラジウムによる水素ガス吸収体の製造方
法を記述する。
【0004】まず緩衝剤となるシリカゲルを加熱し、充
分水分を解離させた後に過酸化ナトリウムを小量づづ添
加し反応させる。このシリカゲルは吸収体その物のでき
上がり数量と等量とする(重量比)、またこれに添加す
る過酸化ナトリウムは重量比でこのシリカゲルに対し、
1.5%になる。この処理を行った後に塩化パラジウム
と反応させるのであるが、この反応の前に塩化パラジウ
ムを水素化硼素ナトリウム3.4%を添加し、250〜
275℃迄加熱を行う。
【0005】このシリカゲルに過酸化ナトリウムを反応
させる事は勿論、塩化パラジウムに水素化硼素ナトリウ
ムを反応させる工程では爆発の危険があるため、減圧下
においてなおかつ窒素ガスパ−ジを行い反応を行う必要
がある。上記の様におのおの別々に反応させた緩衝剤
(シリカゲル)と吸収剤(塩化パラジウム)を混合反応
を行う行う際に、再度加熱を行う。この反応温度は16
0〜180℃にて緩衝剤(シリカゲル)に吸収剤(塩化
パラジウム)を少量づづ添加する方法にて行うこの様に
して合成した水素ガス吸収体を収納容器に収納し水素ガ
スの吸収容器として使用する。
【0006】2.この様にして合成した水素ガス吸収体
を収納容器に収納して使用するが、この水素ガス放出の
エネルギ−として必要な温度は60〜80℃である。現
在の金属水素化合物で代表的なマグネシウム、ニッケル
合金では300〜400℃と高いが、本発明に係わる水
素ガス吸収体の分解放出温度が低く、なおかつこの温度
制御により分解放出量を比例的にコントロ−ルできる。
【0007】この亊柄はエネルギ−として必要な量のコ
ントロ−ルが可能であり、また上記金属水素化合物の如
き高温度では無いため、自動車の燃料としてはむろんの
こと、一般家庭の燃料としても使用可能の事と確信す
る。この分解放出に必要な温度等のデ−タ−は、後記実
施例にて記述する。
【0008】3.上記2にも記載した通り、本発明に係
わる水素ガス吸収体が分解放出するための条件として、
60℃以上の温度が絶対必要である。この亊柄はとりも
なおさず常温の中では吸収体より水素ガスを分解放出で
きないという事であり、例えば自動車の燃料として搭載
され事故等があった場合にも、一気に水素ガスが放出さ
れないという事である。これはこの吸収体を実用化する
上においての絶対必要な安全対策であり、本発明に係わ
る水素ガス吸収体はこの条件を充分満たしている。この
分解放出温度に関するデ−タ−も後記実施例において記
述する。
【0009】4.本発明に係わる水素ガス吸収体は、そ
の比体積が従来の金属水素化合物と比較して極端に体積
が小さいため、吸収体の膨張は無論のこと緩衝剤として
使用するシリカゲルを以てしても、収納容器内において
空容積ができてしまう事は否めない。この亊柄は収納容
器内においての摩擦の問題があり、なおかつ移動する車
両等に搭載の場合に異音等の発生原因となりうる。
【0010】この問題解決を図るため、この水素ガス吸
収体の充填に際しロックウ−ル等の無機物もしくは珪素
等の充填物を収納容器に水素ガス吸収体を充填する際、
同時充填する事により解決した。
【0011】5.この水素ガス吸収体を収納する容器は
金属容器で、耐圧力は50kg/cm2程度の圧力に耐えれ
ば材質は鉄、ステンレス、アルミニウム等で製作すれば
よい。後記実施例に記載したテストデ−タ−を取るため
の収納容器は鉄製であったが、重量の点を考慮すればア
ルミニウム製が最適と思われる。またこの水素ガス吸収
体は腐食性がないため圧力に耐えうる物であれば材質は
いとわない。
【0012】6.本発明に係わる水素ガス吸収体を上記
5.にて記載した収納容器に充填し、これに水素ガスを
吸収させる為に10〜20kg/cm2圧力をかけて送り込
む。この際水素ガス吸収体そのものが発熱するが、金属
水素化合物の熱反応よりも小さな値ですむ為、この冷却
に関しては上記収納容器の外側にフィン等を設けて空冷
すれば事足りる。この冷却温度等のデ−タ−は後記実施
例にて記載する。
【0013】7.本発明に係わる水素ガス吸収体は産業
上の利用分野の使用方法により、その発生における特性
を変化させることが可能である。即ちその使用方法によ
り穏やかな発生のさせかたから急激な発生のさせかたま
で、この吸収体に内蔵する緩衝剤等の配合を変化させる
ことにより、特性の変化を可能にするものである。この
特性変化のデ−タ−は後記実施例にて記載する。
【0014】
【産業上の利用分野】 本発明により水素ガスが安全
且つ大量に使用する事ができれば一種のエネルギ−革命
であり、あらゆるエネルギ−消費部門をこの水素ガスに
置き換える事により、いま世界中で問題となっている地
球規模での温暖化抑制という問題も解決できる事は容易
に想像がつく。また有資源である化石燃料をエネルギ−
としての利用を削減し、これを全量他の化学原料として
使用することにより、資源としての石油をもっと大切に
使用し、その寿命を延ばす事も可能となる。
【0015】本発明により水素ガスが産業上利用可能な
分野を羅列する。まず熱エネルギ−としての利用分野と
しては、ボイラ−等の産業用熱源はもとより、家庭用の
燃料に至るまでこの水素ガスを使用すれば地球温暖化の
元凶となるCO2 の発性を抑える事ができる。自動車、
船舶、軌道車、航空機等、ロケット等の燃料として使用
を行えば、水素ガスは燃焼して水になるので現在自動車
メ−カ−等で公害対策で頭をいためる問題も解決する。
この他水素ガスを用いて燃料電池方式の発電を行えば、
各都市にある変電所内での発電が可能になると思われ
る。そうなれば現在化石燃料あるいは原子力でボイラ−
にて蒸気を発生させ、この蒸気エネルギ−によりタ−ビ
ンを回し発電を行い、なおかつこの発生した電気を送電
線を通じ各都市へ送電をすると言う、非常にロスが多く
エネルギ−効率の悪い現行の方式を改められるという革
命的な改革ができると考えられる。
【0016】燃料電池方式の発電では現在行われている
どの方式よりもエネルギ−の効率はよく、また公害問題
あるいは放射能漏れといった事故等の心配もない。この
燃料電池を用いて電池を製造すれば現行の鉛蓄電池より
も数倍のエネルギ−を蓄電する事ができ、現在の電気自
動車の最大の欠点である蓄電池の重さといった問題も解
決される。さすれば都市部にて使用する自動車は電気自
動車にし、郊外を走る自動車は水素ガスを使用する水素
自動車といった区分けを行い、グロ−バルな視点での地
球環境問題の解決にまでつながるものと確信する。
【0017】上記の様な産業上の利用を考えると、本発
明に係わる水素ガス吸収体を利用し、たとえば発電所あ
るいは自動車用水素ガススタンド等の貯蔵タンクにも用
いられるものと考える。公知の如く水素はガス体では僅
かな量しか貯蔵できず、かといって液体水素の状態で貯
蔵するのでは危険極まりない。この水素ガス吸収体を用
いて安全に貯蔵することこそ、この様な様々な産業分野
においても利用可能と思われる。またこれら水素ガスを
貯蔵し使用するまでの水素ガスそのものの輸送問題もあ
る。上記貯蔵施設にて記述した様に水素ガスそのもの若
しくは液体水素の輸送も危険でありまた経済的ではない
が、本発明に係わる水素ガス吸収体を用いる事によりこ
の問題も解決を図る事ができる。即ち陸上であればタン
クロ−リ−のタンクにこの吸収体を充填したタンクを使
い、また船舶、軌道車等にも同様に吸収体を充填したタ
ンクを用いる事ができる。
【0018】この他の分野に関しては、水素ガスをエネ
ルギ−源として例えば砂漠の緑地化等も考えられる。水
素ガスをエネルギ−として使用した後には水素の酸化即
ち水ができる、この化学反応を利用し海水の淡水化に必
要なエネルギ−源を水素に求める事は非常に効率のよい
事業と成りうる。本発明により水素をコンパトな状態で
宇宙空間へ持ち出せば、また様々な用途も考えられる。
例えば宇宙船内での水も自分で作りだし、リサイクルも
可能でありまた月には酸素を含んだ鉱物が多く存在する
が、ここに水素を運び込む事が可能になれば水を作りう
る事も可能であり、ひいては人類が月面での生活も可能
になる事も考えられる。
【0019】その他水素ガスレ−ザ−等においても、も
っと広範な利用の可能性も指摘できるが、ただこの分野
においては平和的利用のみならず、例えばSDI構想に
もある通り兵器への利用も可能性としては存在する。発
明者である和田小八郎の意思でもあり、この様な分野へ
の応用は避けたいと考える。
【0020】
【従来の技術】 請求項1にて記述した通り、現在研
究の主流である金属水素化合物では重量増加との戦いで
あり、この水素吸収合金を収容する容器自体を改良して
も吸収合金自体の重量の問題が中心であるため、根本的
な解決とはならず、各研究機関並びに各企業とも苦慮し
ているところである。本発明に係わる水素ガス吸収体
は、この一番中心と成るべき吸収体そのものを全く別の
観点から発想し、非常に単位密度当たりの重量を低く抑
えなおかつ水素ガスの吸収力を飛躍的に高めたものであ
る。
【0021】開発者である和田小八郎は、昭和50年よ
り次世代のエネルギ−としての水素に着目し、この有効
なる利用につき問題点は安全性であるとの確信から、本
発明を行った。この発明が産業界のみならず全地球的に
利用されれば、現在エネルギ−の主流である化石燃料を
もっと別の用途に振り向けることができ、ひいては地球
規模での環境破壊をも防ぐことができると考えていた。
【0022】また産業上の利用分野にて記述した通り、
燃料電池方式の発電が実用化されれば原子力発電も不要
のものとなる。この原子力発電について発明者は、人類
が使用することは事故のみならず、必ずや人類に災いを
もたらすものに成りうる危険を包括するもので、もっと
自然環境をだいじにしたリサイクル可能なエネルギ−源
をとの提唱を開発頭始から行っていた。
【0023】従来の技術も目的は発明者の意思と同一の
ところまできているが、本発明のスタ−トは昭和50年
以来18年間の永きにわたり、ここに開発を完了し本出
願を行うものである。
【0024】
【実施例】
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年11月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 水素ガス吸収体の製造方法と水素ガス
吸収方法と水素ガス発生方法と水素ガス吸収装置
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 水素ガス吸収体の製造方法と水素ガス
吸収方法と水素ガス発生方法と水素ガス吸収装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素ガス吸収体の製造
方法、水素ガス吸収方法、水素ガス発生方法および水素
ガス吸収装置に関し、特には一旦水素ガスを吸収させ、
その後の加熱により水素ガスを放出させる水素ガス吸収
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、化石燃料の使用による地球温暖
化、公害発生等が大きな問題となってきている。そのた
め、化石燃料に代わるクリーンなエネルギーとして水素
ガスの使用が提案されるようになった。
【0003】この水素ガスは、自動車、船舶、航空機、
ロケット等の燃料として使用すれば、燃焼して水になる
ため、大気汚染等の公害を引き起こすことがない。ま
た、この水素ガスを用いて燃料電池方式の発電を行え
ば、各都市にある変電所内での発電が可能になる。そう
なれば現在化石燃料あるいは原子力でボイラーに蒸気を
発生させ、この蒸気エネルギーによりタービンを回し発
電を行い、なおかつこの発生した電気を送電線を通じ各
都市へ送電をするという、非常にロスが多くエネルギー
効率の悪い現行の方式を改めることもできる等の、多大
な利点がある。
【0004】しかし、水素ガス体では僅かな量しか貯蔵
できず、かといって液体水素の状態で貯蔵するのでは危
険極まりない。そこで現在においては、熱分解により水
素ガスを発生する金属水素化合物を用いることが研究さ
れている。この水素化合物として、現在実用化に最も近
いのが、マグネシウムあるいはニッケル合金である。
【0005】ところが、この金属水素化合物は水素の発
生量に比して重いため、たとえば自動車燃料として使用
する場合には、実用上支障のない走行距離を確保しよう
とすると極めて重くなり、自動車に搭載することは非常
に困難である。また、前記金属水素化合物を熱分解させ
るのに必要とされる温度は、前記マグネシウムあるいは
ニッケル合金でも、300〜400℃と高いため、扱い
難い問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、小さ
な体積で大なる水素ガスを保持でき、しかも水素ガス発
生のための加熱温度が低くて済む安全な水素ガス吸収体
の製造方法、水素ガス吸収方法、水素ガス発生方法およ
び水素ガス吸収装置を提案しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】水素ガス吸収体の製造方
法に関する発明は、シリカゲルを加熱し、充分水分を解
離させた後に、前記シリカゲルに過酸化ナトリウムを添
加して反応物Aを製造する工程と、金属錯塩に水素化硼
素ナトリウムを添加し加熱して反応物Bを製造する工程
と、前記反応物Aに反応物Bを少量づつ添加しながら加
熱して水素ガス吸収体を製造する工程とよりなることを
特徴とする。
【0008】一方、水素ガス吸収方法の発明は、前記水
素ガス吸収体を収納容器に充填した後、前記収納容器内
に水素ガスを送り込んで前記水素ガス吸収体に吸収させ
ることを特徴とする。また、水素ガス発生方法の発明
は、前記水素ガス吸収体を収納容器に充填した後、前記
収納容器内に水素ガスを送り込んで前記水素ガス吸収体
に吸収させ、その後に前記水素ガス吸収体を60〜80
℃に加熱して水素ガスを発生させることを特徴とする。
【0009】さらに、水素ガス吸収装置の発明は、前記
水素ガス吸収体を、ロックウール等の無機物もしくは珪
素等の充填物とともに収納容器に充填してなることを特
徴とする。
【0010】
【作用】金属錯塩自体にも水素を分子間に吸着させる能
力はあるが、その吸着性能では到底金属水素化合物の持
つ吸着性能には及ばない。そこで、本発明では、シリカ
ゲルに過酸化ナトリウムを反応させ、金属錯塩の持つ他
分子を固定させその金属錯塩そのものではなく、その金
属の持つ水素化合物を作る性質を錯塩と言う単位重量の
小さい物質のまま水素ガスの吸収性能を高めたのであ
る。また本発明で得られる水素ガス吸収体は、水素ガス
吸収後に60〜80℃に加熱されることにより分解し水
素ガスを発生(放出)する。
【0011】本発明において使用される金属錯塩として
は、塩化パラジウム、パラジウムブラック又はこれと類
似のモリブデン、タングステン、レニウム、ルテニウ
ム、オスミウム、ニッケル、プラチナ等を挙げることが
できる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例として、金属錯塩に塩
化パラジウムを用いる例について説明する。まず、シリ
カゲルを加熱し、充分水分を解離させた後に過酸化ナト
リウムを少量ずつ添加し、反応物Aを製造する。このシ
リカゲルは、吸収体その物のでき上がり数量と等量とす
る(重量比)。また、添加する過酸化ナトリウムは重量
比でシリカゲルに対して1.5%である。なお、この工
程は、爆発の危険があるため減圧下において、かつ窒素
ガスパージして行なう。
【0013】一方、金属錯塩としての塩化パラジウムに
水酸化硼素ナトリウムを3.4重量%添加し、250〜
275℃迄加熱し、反応物Bを製造する。この工程にお
いても、爆発の危険性があるため、窒素パージ下減圧状
態で反応を行なう。
【0014】次いで、前記反応物Aに反応物Bを少量ず
つ添加混合して、水素ガス吸収体を得る。この時の温度
は160〜180℃とする。このようにして得られた水
素ガス吸収体は、収納容器に充填されて水素ガスの吸収
に用いられる。
【0015】収納容器としては、50kg/cm2 程度
の圧力に耐えられる金属容器が使用される。収納容器の
材質は、水素ガス自体に腐食性がないため、鉄、ステン
レス、アルミニウム等の適宜の金属が選択される。た
だ、軽量性に優れる点からすれば、アルミニウム製の金
属容器が好ましい。
【0016】前記収納容器内に、水素ガス吸収体を充填
する。その際、水素ガス吸収体は、その比体積が従来の
金属水素化合物と比較して極端に小さいため、水素ガス
吸収体の膨張およびシリカゲルをもってしても、収納容
器内に空容積を生じる事が否めない。このことは、収納
容器内における摩擦の問題、および移動する車両等に搭
載した場合には異音等を発生する問題がある。その問題
を防ぐためには、水素ガス吸収体とともに、ロックウー
ル等の無機物もしくは珪素等の充填物を収納容器に充填
して水素ガス吸収装置を構成するのが好ましい。
【0017】前記水素ガス吸収体を充填した収納容器内
に、水素ガスを10〜20kg/cm2 の圧力で送り込
んで水素ガス吸収体に水素ガスを吸収させる。この際、
水素ガス吸収体そのものが発熱するが、その発熱は金属
水素化合物の熱反応により発生する熱量より少ないた
め、収納容器の外側に空冷用冷却フィン等を設けて空冷
すれば事足りる。
【0018】このようにして水素ガスを吸収した水素ガ
ス吸収体は、その後60〜80℃に加熱されることによ
り分解し、水素ガスを発生(放出)する。その際、水素
ガスの発生(放出)は、60℃より低い温度では生じな
い。そのため、この水素ガス吸収体が自動車に搭載され
て事故等に遭遇した場合にも、一気に水素ガスが発生せ
ず安全を確保することができる。
【0019】また、水素ガス吸収体における水素ガスの
発生温度60〜80℃は、現在の金属水素化合物として
代表的なマグネシウム、ニッケル合金における水素ガス
放出温度300〜400℃に比べ極めて低いため、水素
ガス吸収体の扱いが容易である。しかも水素ガス吸収体
の温度を制御することにより水素ガスの発生量(放出
量)を、用途等に応じてコントロールすることができ
る。なお、金属錯塩等の配5を変化させることにより水
素ガス発生の特性を変化させることができる。
【0020】以下の表1は、前記実施例における水素ガ
ス吸収時のデータを示し、また表2はその実施例におけ
る水素ガス発生時のデータを示す。
【0021】
【0022】
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製造方法
によれば、従来の金属水素化合物と比べて優れた水素ガ
ス吸収性能を有し、しかも体積をきわめて小さくできる
水素ガス吸収体が得られる。
【0024】また、その水素ガス吸収体を用いる水素ガ
ス吸収方法、水素ガス発生方法および水素ガス吸収装置
によれば、従来よりも大量の水素ガスをコンパクトな収
納容器内に吸収保持でき、また必要な際には所望の量の
水素ガスを容易に発生させることができる。
【0025】したがって、本発明の実施により、水素ガ
スを自動車、船舶等に積載して燃料として使用したり、
あるいは家庭用の燃料として使用したり、または変電所
等での発電に使用したり、さらにはその他の種々の用途
に使用するのが極めて容易になる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現在開発の進んでいる金属水素化合物
    では、体積的にはコンパクトになるが、金属の分だけ重
    量増加し重くなる。この欠点のためたとえば自動車燃料
    として使用する場合においても、水素ガス吸収量と重量
    とのバランスから、実際の車両に搭載することは非常に
    困難となっている。本発明はこの重量増加の問題点を克
    服するため、金属醋塩例えば塩化パラジウム、パラジウ
    ムブラック又はこれと類似のモリブデン、タングステ
    ン、レニウム、ルテニウム、オスミウム、ニッケル、プ
    ラチナ等を水素ガス吸収体としての能力を付与し、単位
    重量当たりの水素含有量を飛躍的に増加させる事を可能
    にする合成方法。
  2. 【請求項2】 上記請求項1に記載した特性のほか、
    金属水素化合物の熱分解による水素ガス放出に必要なエ
    ネルギ−が、現在実用化に近い位置にいるマグネシウ
    ム、ニッケル合金では300℃〜400℃と高い。本発
    明の吸収体ではこの放出に必要な温度は60℃〜80℃
    ですむ。この水素ガス発生を簡便にコントロ−ルする方
    法。
  3. 【請求項3】 本発明に係わる水素ガス吸収体を収納
    容器に収納し、万一の事故等で収納容器が破損しても、
    水素ガスが急激に発生しない様コントロ−ル可能であ
    る。この為の圧力と温度により安全装置としてのコント
    ロ−ルを行う方法。
  4. 【請求項4】 水素ガス吸収体を安全且つ安定的に収
    納容器に収納し、この水素ガス吸収体の持つべき性能
    を、安定的なおかつ永続的に持続させる為に、シリカゲ
    ル等の緩衝剤を水素ガス吸収体と反応させ、同時に封入
    させ安定を図る收納方法。
  5. 【請求項5】 本発明に係わる水素ガス吸収体の持つ
    べき性能を充分に発揮させ、なおかつ安全に水素ガスを
    吸収させるための収納容器。
  6. 【請求項6】 本発明に係わる水素ガス吸収体に、安
    全且つ迅速に水素ガスを吸収させるために必要な収納容
    器の冷却方法、並びに水素ガスを迅速且つ安全に吸収さ
    せる為に必要な圧力等の吸収方法。
  7. 【請求項7】 本発明に係わる水素ガスの産業用途に
    よる利用方法の違いに対応するための、水素ガス発生を
    吸収体そのものの特性変化によりコントロ−ルする方
    法。
JP5146967A 1993-05-26 1993-05-26 水素ガス吸収体の製造方法と水素ガス吸収方法と水素ガス発生方法と水素ガス吸収装置 Pending JPH08188401A (ja)

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JP5146967A Pending JPH08188401A (ja) 1993-05-26 1993-05-26 水素ガス吸収体の製造方法と水素ガス吸収方法と水素ガス発生方法と水素ガス吸収装置

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JP (1) JPH08188401A (ja)

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