JPH08187309A - メタルウッドゴルフクラブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】メタルクラブの飛距離を確保できながらも木製
のクラブヘッドと同様の感触を有するメタルウッドゴル
フクラブを提供できるようにすることを目的とするもの
である。 【構成】上端にグリップを形成したシャフトと、該シャ
フトの下端に取付けられたメタルクラブベッドとを有す
るメタルウッドゴルフクラブにおいて、メタルクラブヘ
ッドは、その底にソール、その前にトー、後ろにヒー
ル、トーとソールから一連に上方にのびているヒールと
フェイスから一連に上方にのびているホーゼルのあいだ
でゴルフボールを捉えるための平らなフェイスを有する
形状にメタルクラブヘッドをステンレスで精密鋳造によ
り形成してメタルクラブヘッド内に第一空洞を形成する
とともに、この第一空洞に圧縮流体を充填したものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はメタルウッドゴルフクラ
ブに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般にゴルフクラブの１セットはウッ
ド、アイアンとパターよりなる。ウッドはティーグラン
ドからの長打かフェアウェイからの比較的長いショット
に使用されるが、この長打に使用される木製クラブのヘ
ッド、所謂ドライバーは伝統的にカキの木から作られて
いたため、“パーシモン”と呼ばれている。

【０００３】１９７０年代、新しい焼流し精密鋳造によ
って、ゴルフクラブの木のヘッドにステンレスが原料と
して使用されることが可能になった。これらのメタルウ
ッドは木製のクラブヘッドより遙かに耐久性に優れてい
る。

【０００４】ところが、ステンレスは木より比重がかな
り重いため、メタルウッドゴルフクラブのヘッドは貝型
構造、つまり中が空洞になるように作られており、この
空洞構造は、クラブヘッドの重さがクラブヘッドの周囲
に分散されるという付随した長所を持っている。このこ
とによりクラブフェイスの中心、所謂“スイートスポッ
ト”から外れたところでボールを打つことによる影響が
減少した。ゴルフのプロたちにとっては、周囲に重さが
かかることによって、ウッドのクラブよりも真っ直ぐボ
ールが打てるようになった。あまり熟練していないゴル
ファーにとっては、ウッドのクラブよりボールを遠くへ
打てるようになった。いずれにしてもメタルウッドは、
周囲に重さがかかることと丈夫であることにより、木の
それより一般的に好まれている。メタルウッドはウッド
の需要の大部分を占めている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の長所
のほかに、メタルウッドの空洞構造は短所を持ってい
る。即ち、クラブフェイスでゴルフボールを打つとき、
クラブフェイスの撓みによりクラブヘッドが振動を起こ
す。その振動はシャフトを通してゴルファーの手に伝え
られるため、結果的にメタルウッドの特徴の“金属質”
の感触となる。その振動はまたインパクトの瞬間に“金
属質”の音を起こす。メタルウッドのこういう感触も音
も一般的にゴルファーには好まれない。

【０００６】クラブヘッドの振動を鈍らせ金属質の音や
感触を除く努力の結果、メタルウッドの空洞部分は通例
コルク及びポリウレタンフォームで満たされているが、
それでもやはり、木のクラブの音や感触はメタルクラブ
のそれよりもゴルファーに好まれる。本発明は上記問題
点に鑑み提案されたもので、メタルクラブの飛距離を確
保できながらも木製のクラブヘッドと同様の感触を有す
るメタルウッドゴルフクラブを提供できるようにするこ
とを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にかかるメタルウッドゴルフクラブは、上端
にグリップを形成したシャフトと、該シャフトの下端に
取付けられたメタルクラブベッドとを有するメタルウッ
ドゴルフクラブにおいて、メタルクラブヘッドは、その
底にソール、その前にトー、後ろにヒール、トーとソー
ルから一連に上方にのびているヒールとフェイスから一
連に上方にのびているホーゼルのあいだでゴルフボール
を捉えるための平らなフェイスを有する形状にメタルク
ラブヘッドをステンレスで精密鋳造により形成してメタ
ルクラブヘッド内に第一空洞を形成するとともに、この
第一空洞に圧縮流体を充填したことを特徴とするもので
ある。

【０００８】次に、第一空洞と連通した第二空洞をシャ
フト内方に形成し、この第一空洞と第二空洞とに圧縮流
動体を充填したり、グリップの上端のシャフト部分に圧
縮流体注入用の口金を設けたことも特徴とするものであ
る。

【０００９】また、ソール部分に圧縮流体注入用の口金
を設け、圧縮流体注入用の口金が自動車タイヤの圧縮流
体注入具から圧縮流体を注入可能な口金であることも特
徴とし、圧縮流体が圧縮空気であることも特徴とするも
のである。

【００１０】

【作用】本発明のメタルクラブヘッドを有するゴルフク
ラブでは、少なくともメタルクラブヘッド内に形成され
た第一空洞が圧縮流体で充満され、第一空洞内が高圧の
状態に保たれていることから、フェイス部分でゴルフボ
ールを打った時に、このインパクトでフェイス部分が撓
もうとするのを圧縮流体が圧力で第一空洞の内面部分か
ら押圧してこれを防止するので、ゴルフボールへの反発
力が強く成るとともに、フェイス部分の撓みによる音の
発生を無くすことができる。

【００１１】また、グリップの上端のシャフト部分やソ
ール部分に圧縮流体注入用の口金を設けたものでは此処
から圧縮流体を注入出来、リークによる圧縮流体の減少
を補正でき、この圧縮流体注入用の口金が自動車タイヤ
の圧縮流体注入具から圧縮流体を注入可能な口金である
場合には車での移動時に給油所で簡単に補充することも
できるのである。

【００１２】

【実施例】以下、本発明にかかるメタルウッドゴルフク
ラブを図面に基づいて説明する。図１、図３は本発明に
かかるメタルウッドゴルフクラブを示し、このメタルウ
ッドゴルフクラブ１のクラブヘッド２は上端にグリップ
３が据えつけられたシャフト４の下端に取り付けられて
いる。

【００１３】このクラブヘッド２は部分的に平らなソー
ル５を有し、クラブヘッド２のリーディングエッジ並び
に正面にはトー６が形成されている。クラブヘッド２の
背面はヒール７が一体に形成されている。トー６とヒー
ル７の間のソール５から通常上へ上昇している部分は平
らなフェイス８である。このフェイス８はゴルフボール
と接触する面である。図示の如くフェイス８にはゴルフ
ボールにスピンをかけるために適当な溝９を備えてもよ
い。フェイス８はソール５と直角には形成されない。む
しろ、フェイス８は、ドライバーなら７〜１２度、フェ
アウェイウッドなら１５〜１７度、７番ウッドなら２６
度、直角から背面に傾いている。これらの角度はロフト
と呼ばれる。

【００１４】フェイス８とヒール７から上へ、トー６よ
り遠ざかって伸びている部分はホーゼル１０である。ホ
ーゼル１０は、図３に示すように、シャフト４の下端１
１を受けて適合するような円筒状部分１２が形成されて
いる。ゴルフの初期の時代ではクラブシャフト４は木で
できていたが、今日ではメタルかカーボンでできてい
る。シャフト４は典型的に空洞構造で、上端４ａから下
端４ｂにかけて先細りになっており、カーボンのシャフ
トでは１インチにつき０．０７５インチの割合で先細り
になっており、メタルのシャフトでは段をつけて先細り
になっている。

【００１５】シャフト４の上端４ａはゴルファーに容易
にクラブシャフト４を握らせ、ゴルファーの握りからク
ラブ１が滑ることなくゴルファーがクラブ１を振ること
が出来るようにグリップ１３で覆われている。シャフト
４の下端４ｂはホーゼル１０の円筒状部分１２にエポキ
シ樹脂によって永久的にはりつけられている。エポキシ
樹脂は、本発明によって要求される内圧に耐え、ゴルフ
ボールを打つときに発生する圧力に耐えるような流動体
をもらさない封印すにるようになっている。

【００１６】前記ホーゼル１０の円筒形部分１２とシャ
フト４の間には純粋に美観のためであるプラスチックの
整った輪で、取り付けられている。ホーゼル１０もシャ
フト４もソール５から５０度〜６０度の角度でクラブヘ
ッド２のトー６より遠ざかって伸びており、この角度を
“ライ”という。ヘッド２は好ましくはステンレスを焼
流し精密鋳造で形成され、内部に空洞（第一空洞）１４
を設ける。図１〜３に示す特徴は、コルクやポリウレタ
ンフォームで満たされる伝統的なメタルウッドゴルフク
ラブを生産するために一般に使用されているものと同一
の鋳型をヘッドを形成するのに使用することである。

【００１７】また、これと同様にシャフト４の内部にも
空洞（第二空洞）１５を形成してある。図３に示すよう
に、空洞１４，１５はシャフト４の下端４ｂで流動体が
流通可能に形成してある。従来のメタルウッドゴルフク
ラブの構造においては、ヘッドの空洞１４はコルクかポ
リウレタンフォームで満たされていたが、本発明におい
ては、空洞１４に固形の物質を誘導する必要はなく、む
しろ、空洞１４，１５は圧縮流動体、好ましくは圧縮空
気で満たされている。

【００１８】図１〜３において、圧縮流動体はシャフト
４の上端４ａに設けられたバルブ（注入用口金）１６か
ら注入される。バルブ１６は圧縮流動体の誘導のために
適合した様々な形することができるが、自動車のタイヤ
に圧縮空気を満たすために使用されている型の金属バル
ブを使用するのが便利であるのを発明者は発見した。

【００１９】図１及び図２に示されている実施例におい
て、バルブ１６は保護キャップ１７で覆われている。代
わりに、グリップ１３は、完全にバルブ１６を隠す目的
で今までどおりのエンドキャップ１８が設けられてい
る。また、バルブ１６は注入された流動体を漏らさない
ようにマウンティングディスク１９に取付けられてお
り、マウンティングディスク１９は流動体を漏らさない
ようにこのようにシャフト４の上端４ａに気密状に取り
つけられている。このような配置によって、流動体を漏
らさないシャフト４へのクラブヘッド２の接続によっ
て、圧縮流動体を漏らさない空洞１４，１５に圧縮流動
体が送り込まれる。このように、流動体を漏らさない空
洞１４，１５を圧縮流動体で満たしたのち、クラブ１は
圧縮流動体がバルブ１６を通って開放されるまで圧縮流
動体を持ちつづける。

【００２０】図４と図５には本発明の別の実施例が示さ
れている。この実施例においてクラブヘッド２のソール
５にはバルブ１６がのせられるような不可欠なボス（縁
補強部）２０が設けられている。その実施例において、
バルブ１６はボスの細い管２１を貫いていて、回しては
めこまれている。バルブ１６とボス２０は好ましくはソ
ール５の底部に形成された細いネジ２２にかみ合って回
してはめこまれるように適合された保護キャップ２３に
よって覆われている。保護キャップ２３はスロット２４
に示されるような締めたり緩めたりできるよう使われて
いる。

【００２１】どちらかの実施例を使用して、ヘッド２の
空洞１４とシャフト４の空洞１５の両方に圧縮流動体が
流通できるようになっている。もしヘッド２の空洞１４
とシャフト４の空洞１５とが流動体を行き来させていな
かったら図１〜図３の実施例ではシャフト４を圧縮流動
体で満たすのに利用され、図４と図５の実施例はクラブ
ヘッド２には別の圧縮流動体で満たすのに使用されてい
たかもしれない。

【００２２】出願人は、実際のゴルファーと機械に、本
発明の効果を確かめるために広範囲なテストを行った。
メタルウッドゴルフクラブがある一定のレベルまで圧縮
流動体で満たされると、そのクラブは従来のいかなるメ
タルウッドゴルフクラブよりも良いウッドのクラブの音
と感触を作りだす。出願人は試しの流動体として空気を
そのクラブに試してみた。ゴルフクラブの感触や音にお
いて容易に感知できる変化がみられるのはおよそ９０〜
１５０ｐｓｉｇの空気圧力のときであるとテストによっ
て判明している。

【００２３】本発明にかかるクラブをテストしたとき、
出願人は付属する驚くべき利点を発見した。それは、本
発明にかかるメタルウッドゴルフクラブは従来のメタル
ウッドゴルフクラブを使用するよりゴルフボールを遠く
へ飛ばすことが出来るということである。中から下のハ
ンディキャップをもつゴルファー達に、空気圧力が１５
０ｐｓｉｇの本発明にかかるメタルウッドゴルフクラブ
と自身のドライバーとを比較するテストを行ったとこ
ろ、本発明にかかるメタルウッドのドライバーで打った
ボールはどれもみな従来のメタルウッドのドライバーで
打ったものよりも高く、１０〜２０ヤード遠くへ飛ん
だ。

【００２４】

【発明の効果】以上に説明したように本発明のメタルウ
ッドゴルフクラブによれば、少なくとも、メタルクラブ
ヘッド内に形成された第一空洞が圧縮流体で充満され、
第一空洞内が高圧の状態に保たれていることから、フェ
イス部分でゴルフボールを打った時に、このインパクト
でフェイス部分が撓もうとするのを圧縮流体が圧力で第
一空洞の内面部分から押圧してこれを防止するので、ゴ
ルフボールへの反発力が強く成る。これにより、ゴルフ
ボールの飛距離を従来のメタルクラブヘッドのゴルフク
ラブより大幅に延ばすことだできると言う利点がある。

【００２５】更に、インパクト時にフェイス部分が撓も
うとするのを圧縮流体がその圧力で第一空洞の内面部分
から押圧してこれを防止するので、フェイス部分の撓み
による音の発生、従来のメタルクラブヘッドに発生して
いた所謂“金属質”の音を無くして伝統的な“パーシモ
ン”製のクラブヘッドに遜色のない感触にすることがで
きるという利点もある。

【００２６】加えて、グリップの上端のシャフト部分や
ソール部分に圧縮流体注入用の口金を設けたものでは此
処から圧縮流体を注入出来、リークによる圧縮流体の減
少を補正したり、ゴルフクラブの所有者好みに合わせた
圧力にすることができると言う利点もある。

【００２７】また、グリップの上端のシャフト部分やソ
ール部分に圧縮流体注入用の口金を設けた、この圧縮流
体注入用の口金が自動車タイヤの圧縮流体注入具から圧
縮流体を注入可能な口金である場合には車での移動時に
給油所で簡単に補充することができ至便なものにするこ
とができると言う利点もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】はメタルウッドゴルフクラブの斜視図である。

【図２】はシャフトの端部の部分図である。

【図３】はメタルウッドゴルフクラブの空洞構造を示し
た部分図である。

【図４】はクラブの底面に凹凸を設けて作られたバルブ
を有するメタルウッドゴルフクラブのヘッドの斜視図で
ある。

【図５】は図４のクラブヘッドの要部の断面図である。

【符号の説明】

１・・・メタルウッドゴルフクラブ ２・・・メタルクラブヘッド ４・・・シャフト ４ａ・・・４の上端 ４ｂ・・・４の下端 ５・・・ソール ６・・・トー ７・・・ヒール １０・・・ボーゼル １４・・・第一空洞 １５・・・第二空洞 １６・・・口金

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上端にグリップを形成したシャフトと、該
   シャフトの下端に取付けられたメタルクラブベッドとを
   有するメタルウッドゴルフクラブにおいて、メタルクラ
   ブヘッドは、その底にソール、その前にトー、後ろにヒ
   ール、トーとソールから一連に上方にのびているヒール
   とフェイスから一連に上方にのびているホーゼルのあい
   だでゴルフボールを捉えるための平らなフェイスを有す
   る形状にメタルクラブヘッドをステンレスで精密鋳造に
   より形成してメタルクラブヘッド内に第一空洞を形成す
   るとともに、この第一空洞に圧縮流体を充填したことを
   特徴とするメタルウッドゴルフクラブ。
2. 【請求項２】第一空洞と連通した第二空洞をシャフト内
   方に形成し、この第一空洞と第二空洞とに圧縮流動体を
   充填したことを特徴とする請求項１に記載のメタルウッ
   ドゴルフクラブ。
3. 【請求項３】グリップの上端のシャフト部分に圧縮流体
   注入用の口金を設けたことを特徴とする請求項１または
   ２に記載のメタルウッドゴルフクラブ。
4. 【請求項４】ソール部分に圧縮流体注入用の口金を設け
   たことを特徴とする請求項１または２に記載のメタルウ
   ッドゴルフクラブ。
5. 【請求項５】圧縮流体注入用の口金が自動車タイヤの圧
   縮流体注入具から圧縮流体を注入可能な口金であること
   を特徴とする請求項３または４に記載のメタルウッドゴ
   ルフクラブ。
6. 【請求項６】圧縮流体が圧縮空気である請求項１乃至５
   の何れか１項に記載のメタルウッドゴルフクラブ。