JPH08179382A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH08179382A
JPH08179382A JP6316861A JP31686194A JPH08179382A JP H08179382 A JPH08179382 A JP H08179382A JP 6316861 A JP6316861 A JP 6316861A JP 31686194 A JP31686194 A JP 31686194A JP H08179382 A JPH08179382 A JP H08179382A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal cell
polarizing plate
light
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JP6316861A
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Inventor
Toshihiko Mori
寿彦 森
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】背景部を充分に明るくして、コントラストのよ
いポジ表示を得ることができる反射型の液晶表示装置を
提供する。 【構成】液晶セル30と、その表面側に配置された1枚
の偏光板40と、反射膜41とを備え、かつ、液晶セル
30の液晶分子のツイスト角を60°〜70°とすると
ともに、液晶セル30のΔn・dの値を510nm〜6
30nmとし、偏光板40の透過軸を、液晶セル30の
表側基板31の近傍における液晶分子の配向方向に対し
て、表面側から見て液晶分子のツイスト方向と逆方向に
102°±5°斜めにずらした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ポジ表示を行なう反
射型の液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポジ表示を行なう反射型の液晶表示装置
としては、一般に、TN(ツイステッド・ネマティッ
ク)方式のものが利用されている。図5は従来の液晶表
示装置の断面図であり、この液晶表示装置は、液晶セル
10と、この液晶セル1をはさんでその表面側(図にお
いて上面側)と裏面側(図において下面側)に配置され
た一対の偏光板21,22と、裏面側に配置された裏側
偏光板22の背後に配置された反射膜23とで構成され
ている。
【0003】上記液晶セル10は、内面に透明電極1
3,14が形成されその上に配向膜15,16が形成さ
れた一対の透明基板11,12を枠状のシール材17を
介して接合し、この両基板11,12間の前記シール材
17で囲まれた領域に、液晶分子がツイスト配向したネ
マティック液晶層18を設けたものである。
【0004】なお、この液晶セル10は、時分割駆動さ
れるセグメント表示型のものであり、表側基板11の内
面に設けられた電極13は表示パターンに対応する形状
に形成された複数のセグメント電極、裏側基板12の内
面に設けられた電極14は複数に分割されたコモン電極
である。
【0005】また、両基板11,12の内面にそれぞれ
設けられた配向膜15,16は、例えばポリイミド等か
らなる水平配向膜であり、これら配向膜15,16は、
その膜面を所定方向にラビングすることによって配向処
理されている。
【0006】そして、前記液晶層18の液晶の分子は、
それぞれの基板11,12側における配向方向を前記配
向膜15,16で規制され、これら基板11,12面に
対しある程度プレチルトした状態で、両基板11,12
間においてほぼ90°のツイスト角でツイスト配向して
いる。なお、この液晶層18には、液晶分子にツイスト
配向性を付与するカイラル液晶が添加されている。
【0007】一方、上記一対の偏光板21,22は、そ
の透過軸を、上記液晶セル10の一方の基板の近傍にお
ける液晶分子の配向方向とほぼ直交させるかあるいはほ
ぼ平行にして配置されており、ポジ表示を行なう液晶表
示装置では、この両偏光板21,22の透過軸を互いに
ほぼ直交させている。
【0008】図6は、上記液晶セル10の液晶分子配向
方向と、一対の偏光板21,22の透過軸の向きとを示
す表面側から見た図であり、図において、11aは液晶
セル10の表側基板11の近傍における液晶分子の配向
方向(配向膜15のラビング方向)、12aは裏側基板
12の近傍における液晶分子の配向方向(配向膜16の
ラビング方向)を示している。
【0009】この図6のように、液晶セル10の表側基
板11の近傍における液晶分子の配向方向11aは、液
晶セル10の横軸Sに対して表面側から見て左回りにほ
ぼ45°の方向、裏側基板12の近傍における液晶分子
の配向方向12aは、前記横軸Sに対して表面側から見
て左回りにほぼ135°の方向にあり、液晶分子は、裏
側基板12側から表側基板11側に向かい、表面側から
見て右回りにほぼ90°のツイスト角でツイスト配向し
ている。
【0010】また、図6において、21aは表側偏光板
21の透過軸、22aは裏側偏光板22の透過軸を示し
ており、表側偏光板21の透過軸21aは、上記横軸S
に対して表面側から見て左回りにほぼ135°またはほ
ぼ45°(図では135°)の方向、裏側偏光板22の
透過軸22aは、上記横軸Sに対して表面側から見て左
回りにほぼ45°または135°(図では45°)の方
向にある。
【0011】すなわち、表側偏光板21の透過軸21a
は、液晶セル10の表側基板11の近傍における液晶分
子の配向方向11aとほぼ直交またはほぼ平行であり、
裏側偏光板22の透過軸22aは、表側偏光板21の透
過軸とほぼ直交している。
【0012】この液晶表示装置は、その表面側から入射
する外光(自然光または室内照明光等)を裏面側の反射
膜23で反射させて表示するものであり、液晶セル10
の液晶分子が基板11,12面に対して最も倒伏した初
期のツイスト配向状態にあるときは、表側偏光板21を
透過して入射した直線偏光が液晶セル10の液晶層18
を透過する間にほぼ90°旋光されて裏側偏光板22に
入射する。
【0013】そして、前記裏側偏光板22の透過軸22
aは上記表側偏光板21の透過軸とほぼ直交しているた
め、前記ほぼ90°旋光された光が裏側偏光板22を透
過して反射膜23で反射され、前記裏側偏光板22と液
晶セル10と表側偏光板21とを順次透過して表面側に
出射して、表示が明状態になる。
【0014】また、液晶セル10の両基板11,12の
電極13,14間に、液晶分子が基板11,12面に対
してほぼ垂直に立上がり配向するような値の電圧を印加
すると、表側偏光板21を透過して入射した直線偏光
が、液晶層18での旋光作用を受けずに裏側偏光板22
に入射して、その光が前記裏側偏光板22で吸収され、
表示がほぼ黒の暗状態になる。すなわち、上記液晶表示
装置は、明状態の背景中に、ほぼ黒の暗状態で表示パタ
ーンを表示するものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の液
晶表示装置は、その表示の背景部の明るさが低く、した
がって、コントラストのよいポジ表示が得られないとい
う問題をもっていた。これは、上記背景部が、表側偏光
板21と裏側偏光板22とをそれぞれ2回ずつ(計4
回)透過した光で表示されるためであり、従来の液晶表
示装置では、その表面側から入射した光の光量が、まず
表側偏光板21を透過して直線偏光となるときにほぼ5
0%に減少し、次いで裏側偏光板22を2回透過してそ
の都度光量を減じるとともに、この後、表側偏光板21
を再び透過してさらに光量を減じるため、背景部の光出
射率がかなり悪くなってしまう。
【0016】なお、偏光板の透過軸に沿った偏光成分の
光に対する透過率は通常90%前後であり、偏光板2
1,22を計4回透過した光の出射率(液晶表示装置へ
の入射光量に対する出射光量の比率)は、入射光のうち
表側偏光板21の透過軸21aに沿った偏光成分の光の
比率を0.5(50%)、偏光成分の光に対する偏光板
21,22の透過率をそれぞれ0.9(90%)とする
と、 0.5×0.94 ×100=約33(%) である。なお、この出射率は、液晶セル10および反射
膜23での光ロスを無視した値である。
【0017】このように、従来の液晶表示装置は、背景
部の光出射率が約33%程度とかなり低く、したがっ
て、背景部の明るさが低くて、コントラストのよいポジ
表示を得ることができなかった。この発明は、背景部を
充分に明るくして、コントラストのよいポジ表示を得る
ことができる反射型の液晶表示装置を提供することを目
的としたものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明の液晶表示装置
は、内面に電極が形成された表裏一対の基板間に液晶分
子がツイスト配向した液晶層を設けてなる液晶セルと、
前記液晶セルの表面側に配置された1枚の偏光板と、前
記偏光板を透過して入射し前記液晶セルの液晶層を透過
した光を反射させる反射膜とを備え、かつ、前記液晶セ
ルの液晶分子のツイスト角を60°〜70°とするとと
もに、前記偏光板の透過軸を、前記液晶セルの表側基板
の近傍における液晶分子の配向方向に対して斜めにずら
したことを特徴とするものである。
【0019】この発明において、前記液晶セルの液晶の
屈折率異方性Δnと液晶層厚dとの積Δn・dの値は5
10nm〜630nmとし、前記偏光板の透過軸は、前
記液晶セルの表側基板の近傍における液晶分子の配向方
向に対し、表面側から見て液晶分子のツイスト方向と逆
方向に102°±5°斜めにずらすのが望ましい。
【0020】また、この発明において、前記反射膜は、
液晶セルの裏側基板の外面に配置してもよいし、前記反
射膜を、液晶セルの裏側基板の内面に形成された電極で
兼用してもよい。
【0021】
【作用】この発明の液晶表示装置においては、液晶セル
の表面側だけに1枚の偏光板を配置し、この偏光板の透
過軸を前記液晶セルの表側基板の近傍における液晶分子
の配向方向に対して斜めにずらしているため、前記偏光
板を透過して入射した直線偏光が、液晶セルの液晶層を
透過する間に、液晶の複屈折効果によって各波長光がそ
れぞれ偏光状態の異なる楕円偏光となった光となり、そ
の光が反射膜で反射されて再び前記液晶層を透過する間
に、前記液晶の複屈折効果によりさらに偏光状態を変え
られて前記偏光板に入射する。
【0022】そして、この液晶表示装置では、前記液晶
セルの液晶分子のツイスト角を60°〜70°としてい
るため、液晶分子が基板面に対して最も倒伏した初期の
ツイスト配向状態にあるときは、液晶層を往復して透過
した各波長光が、前記偏光板の透過軸に沿った直線偏光
に近い偏光状態の光となり、その光のほとんどが前記偏
光板を透過して出射して、表示が明状態になる。
【0023】また、液晶セルの両基板の電極間に、液晶
分子が立上がり配向するような電圧を印加すると、液晶
層38に加わる電界の強さに応じて液晶分子がツイスト
配向状態を保ちつつ基板面に対して立上がるように配向
状態を変え、それにともなって液晶層の複屈折性が変化
するが、液晶分子がある程度まで立上がり配向すると、
液晶層を往復した透過した各波長光が、前記偏光板の透
過軸に沿った偏光成分の光が少ない偏光状態の光にな
り、その光のほとんどが前記偏光板で吸収されて、表示
がほぼ黒の暗状態になる。
【0024】この液晶表示装置では、液晶セルの表面側
だけに1枚の偏光板を配置しているため、偏光板による
光量の減少は、液晶表示装置への入射光が前記偏光板を
透過して直線偏光となるときの減少と、液晶層を往復透
過した光が前記偏光板を透過して出射する際の減少との
2回だけであり、したがって、偏光板を透過することに
よる光の損失を抑制して背景部の光出射率を高くするこ
とができるから、背景部を充分に明るくして、コントラ
ストのよいポジ表示を得ることができる。
【0025】また、この発明の液晶表示装置において、
前記液晶セルのΔn・dの値を510nm〜630nm
とし、前記偏光板の透過軸を、前記液晶セルの表側基板
の近傍における液晶分子の配向方向に対し、表面側から
見て液晶分子のツイスト方向と逆方向に102°±5°
斜めにずらしておけば、液晶分子が初期のツイスト配向
状態にあるとき、つまりΔn・dの値が510nm〜6
30nmであるときに、液晶層を往復して透過した各波
長光が、前記偏光板の透過軸に沿った直線偏光にさらに
近い偏光状態の光になるし、また、液晶分子がある程度
まで立上がり配向したときに、液晶層を往復して透過し
た各波長光が、前記偏光板の透過軸に沿った偏光成分の
光がさらに少ない偏光状態の光になるため、より明るく
かつ無彩色の背景を表示できるとともに、その背景中に
表示される暗表示を、より暗くかつ黒に近くすることが
できる。
【0026】また、この発明の液晶表示装置は、液晶セ
ルの表面側だけに1枚の偏光板を配置したものであるた
め、2枚の偏光板を用いている従来の液晶表示装置に比
べて、その製造コストを低減することができる。
【0027】さらに、この発明の液晶表示装置におい
て、前記反射膜は、液晶セルの裏側基板の外面に配置し
てもよいが、この反射膜を、液晶セルの裏側基板の内面
に形成された電極で兼用すれば、別に反射膜を設ける必
要がなくなるため、液晶表示装置の製造コストをさらに
低減することができる。
【0028】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図1〜図3を参
照して説明する。図1は液晶表示装置の断面図であり、
この液晶表示装置は、液晶セル30と、この液晶セル3
0の表面側(図において上面側)に配置された1枚の偏
光板40と、前記液晶セル30の裏面側に配置された反
射膜41とで構成されている。
【0029】上記液晶セル30は、内面に透明電極3
3,34が形成されその上に配向膜35,36が形成さ
れた一対の透明基板31,32を枠状のシール材37を
介して接合し、この両基板31,32間の前記シール材
37で囲まれた領域に、液晶分子が60°〜70°のツ
イスト角でツイスト配向したネマティック液晶層38を
設けたものであり、この実施例では、前記液晶セル30
として、液晶分子のツイスト角がほぼ64°で、液晶の
屈折率異方性Δnと液晶層厚dとの積Δn・dの値(液
晶層38に電界を印加していない無電界状態での値)が
510nm〜630nmのものを用いている。
【0030】この液晶セル10は、時分割駆動されるセ
グメント表示型のものであり、表側基板31の内面に設
けられた電極33は表示パターンに対応する形状に形成
された複数のセグメント電極、裏側基板32の内面に設
けられた電極34は複数に分割されたコモン電極であ
る。
【0031】また、両基板31,32の内面にそれぞれ
設けられた配向膜35,36は、例えばポリイミド等か
らなる水平配向膜であり、これら配向膜35,36は、
その膜面を所定方向にラビングすることによって配向処
理されている。
【0032】そして、前記液晶層38の液晶の分子は、
それぞれの基板31,32側における配向方向を前記配
向膜35,36で規制され、これら基板31,32面に
対しある程度プレチルトした状態で、両基板31,32
間においてほぼ64°のツイスト角でツイスト配向して
いる。なお、この液晶層38には、液晶分子にツイスト
配向性を付与するカイラル液晶が添加されている。
【0033】一方、上記偏光板40は、その透過軸を、
上記液晶セル30の表側基板31の近傍における液晶分
子の配向方向に対し、所定角度て斜めにずらして配置さ
れている。
【0034】図2は、上記液晶セル30の液晶分子配向
方向と偏光板40の透過軸の向きを示す表面側から見た
図であり、図において、31aは液晶セル30の表側基
板31の近傍における液晶分子の配向方向(配向膜35
のラビング方向)、32aは裏側基板12の近傍におけ
る液晶分子の配向方向(配向膜36のラビング方向)を
示している。
【0035】この図2のように、液晶セル30の表側基
板31の近傍における液晶分子の配向方向31aは、液
晶セル30の横軸Sに対して表面側から見て左回りにほ
ぼ58°の方向、裏側基板32の近傍における液晶分子
の配向方向32aは、前記横軸Sに対して表面側から見
て左回りにほぼ122°の方向にあり、液晶分子は、裏
側基板32側から表側基板31側に向かい、表面側から
見て右回りにほぼ64°のツイスト角でツイスト配向し
ている。
【0036】また、図2において、40aは上記偏光板
40の透過軸を示しており、この偏光板40の透過軸4
0aは、上記横軸Sに対して表面側から見て左回りにほ
ぼ160°の方向にある。
【0037】すなわち、この偏光板40の透過軸40a
は、液晶セル30の表側基板31の近傍における液晶分
子の配向方向31aに対しし、表面側から見て液晶分子
のツイスト方向と逆方向(左回り)にほぼ102°斜め
にずれている。
【0038】この液晶表示装置は、その表面側から入射
する外光(自然光または室内照明光等)を裏面側の反射
膜41で反射させて表示するものであり、この液晶表示
装置においては、液晶セル30の表面側だけに1枚の偏
光板40を配置し、この偏光板40の透過軸40aを液
晶セル30の表側基板31の近傍における液晶分子の配
向方向31aに対して斜めにずらしているため、前記偏
光板40を透過して入射した直線偏光が、液晶セル30
の液晶層38を透過する間に、液晶の複屈折効果によっ
て各波長光がそれぞれ偏光状態の異なる楕円偏光となっ
た光となり、その光が反射膜41で反射されて再び前記
液晶層38を透過する間に、前記液晶の複屈折効果によ
りさらに偏光状態を変えられて前記偏光板40に入射す
る。
【0039】そして、この液晶表示装置では、液晶セル
30の液晶分子のツイスト角をほぼ64°としているた
め、液晶分子が基板31,32面に対して最も倒伏した
初期のツイスト配向状態にあるときは、液晶層38を往
復して透過した各波長光が、偏光板40の透過軸40a
に沿った直線偏光に近い偏光状態の光となり、その光の
ほとんどが前記偏光板40を透過して出射して、表示が
明状態になる。
【0040】また、液晶セル30の両基板31,32の
電極33,34間に、液晶分子が立上がり配向するよう
な電圧を印加すると、液晶層38に加わる電界の強さに
応じて液晶分子がツイスト配向状態を保ちつつ基板3
1,32面に対して立上がるように配向姿勢を変え、そ
れにともなって液晶層38の複屈折性が変化するが、液
晶分子がある程度まで立上がり配向すると、液晶層38
を往復した透過した各波長光が、偏光板40の透過軸4
0aに沿った偏光成分の光が少ない偏光状態の光にな
り、その光のほとんどが前記偏光板40で吸収されて、
表示がほぼ黒の暗状態になる。
【0041】したがって、この液晶表示装置は、偏光板
を1枚だけ備えたものであるが、明状態の背景中に、ほ
ぼ黒の暗状態で表示パターンを表示するポジ表示が可能
である。
【0042】この液晶表示装置では、液晶セル30の表
面側だけに1枚の偏光板40を配置しているため、偏光
板による光量の減少は、液晶表示装置への入射光が前記
偏光板40を透過して直線偏光となるときの減少と、液
晶層38を往復透過した光が前記偏光板40を透過して
出射する際の減少との2回だけであり、したがって、偏
光板を透過することによる光の損失を抑制して背景部の
光出射率を高くすることができるから、背景部を充分に
明るくして、コントラストのよいポジ表示を得ることが
できる。
【0043】この背景部の明るさと暗表示の暗さ(黒
さ)は、液晶セルのΔn・dの値によって異なるが、上
記実施例のように、液晶セル30のΔn・dの値を51
0nm〜630nmとし、偏光板40の透過軸40a
を、液晶セル30の表側基板31の近傍における液晶分
子の配向方向31aに対し、表面側から見て液晶分子の
ツイスト方向と逆方向にほぼ102°斜めにずらしてお
けば、液晶分子が初期のツイスト配向状態にあるとき、
つまりΔn・dの値が510nm〜630nmであると
きに、液晶層38を往復して透過した各波長光が、偏光
板40の透過軸40aに沿った直線偏光にさらに近い偏
光状態の光になるし、また、液晶分子がある程度まで立
上がり配向したときに、液晶層38を往復して透過した
各波長光が、偏光板40の透過軸40aに沿った偏光成
分の光がさらに少ない偏光状態の光になるため、より明
るくかつ無彩色の背景を表示できるとともに、その背景
中に表示される暗表示を、より暗くかつ黒に近くするこ
とができる。
【0044】すなわち、図3は、液晶セル30の液晶分
子のツイスト角を64°とし、偏光板40の透過軸40
aを液晶セル30の表側基板31の近傍における液晶分
子の配向方向31aに対して表面側から見て液晶分子の
ツイスト方向と逆方向に102°斜めにずらした液晶表
示装置について、液晶セル30のΔn・dを種々の値に
選んで、赤,緑,青の各波長光R,G,B(R=620
nm,G=550nm,B=450nm)の出射率を調
べた結果を示している。なお、前記出射率は、液晶表示
装置への入射光量に対する出射光量の比率である。
【0045】この図3のように、上記各波長光R,G,
Bの出射率は、液晶セル30のΔn・dの値によって異
なり、Δn・dの値が510nm〜630nmの範囲で
は、各波長光R,G,Bの出射率が全てほぼ最大(ほぼ
偏光板の透過率と同じ50%)になる。
【0046】すなわち、液晶セル30のΔn・dの値を
510nm〜630nmとしたときの出射光は、各波長
光R,G,Bの出射率に差がほとんどない無彩色光(白
色光)であり、その明るさも充分高い。
【0047】なお、Δn・dの値を630nmより大き
くすると、青の波長光Bの出射率が低くなり、出射光が
赤と緑の色が強い色に着色するとともに、その明るさも
低下する。
【0048】また、図3のように、Δn・dの値を51
0nmより小さくしてゆくすると、Δn・dがある値に
なるまでは各波長光R,G,Bの出射率が低下してゆ
き、Δn・dの値を200nm〜300nmの範囲にし
たときに、各波長光R,G,Bの出射率が最小(数%)
になる。
【0049】つまり、液晶セル30のΔn・dの値を2
00nm〜300nmとしたときの出射光は、各波長光
R,G,Bの出射率が極くわずかで、それぞれの出射率
の差も小さい光であり、したがって、液晶表示素子の表
示が、より暗くかつ黒に近くなる。
【0050】一方、液晶セル30に対して垂直に入射す
る光に対する液晶の屈折率異方性Δnは、液晶層38に
加わる電界の強さが高くなるほど、つまり基板31,3
2面に対する液晶分子の立上がり角が大きくなほど小さ
くなり、それにともなって液晶セル30のΔn・dの値
が小さくなる。
【0051】したがって、液晶セル30の無電界状態で
のΔn・dの値を510nm〜630nmに設定してお
けば、図3に示したように、無電界状態で表示がオフ
(明)状態になり、電極33,34間に前記Δn・dの
値が200nm〜300nmになるような値の電圧を印
加したときに表示がオン(暗)状態になるから、上記液
晶表示装置に、背景部が明るくかつ無彩色で、背景中に
表示される暗表示がより暗くかつ黒に近い、高コントラ
ストのポジ表示を行なわせることができる。
【0052】なお、上記実施例で用いた液晶セル30は
時分割駆動されるものであるため、選択しないセグメン
ト電極33とコモン電極34との間にもある程度の値の
電圧が印加されるが、この電圧の値を、液晶分子がほと
んど立上がり配向しない程度に、つまりΔn・dの値が
510nm〜630nmの範囲に保たれるように設定す
れば、背景部のうちの選択しないセグメント電極33に
対応する部分も、電極33,34がない領域の明るさと
同じ明るさになる。
【0053】また、図3に示したように、液晶セル30
のΔn・dの値が200nmよりもさらに小さくなる
と、各波長光R,G,Bの出射率が再び高くなってゆ
き、Δn・dがほぼ0になったとき(液晶分子が基板面
に対してほぼ垂直に立上がり配向したとき)に、全ての
波長光R,G,Bの出射率が最大になって、出射光が明
るい無彩色になるが、上記液晶表示装置は、無電界状態
で明るい無彩色が得られるものであるため、液晶セル3
0にΔn・dの値がほぼ0になるような高い電圧を印加
する必要はない。
【0054】そして、上記液晶表示装置は、液晶セル3
0の電極33,34間に電圧を印加しない無電界状態で
明表示を得、前記電極33,34間に液晶分子をΔn・
dの値が200nm〜300nmになるような立上がり
状態に配向させる値の電圧を印加して暗表示を得るもの
であるため、液晶分子を基板面に対してほぼ垂直に立上
がり配向させる電圧を印加して暗表示を得る従来の液晶
表示装置に比べて、低い駆動電圧で表示駆動することが
できる。
【0055】また、上記液晶表示装置は、液晶セル30
の表面側だけに1枚の偏光板40を配置したものである
ため、2枚の偏光板を用いている従来の液晶表示装置に
比べて、その製造コストを低減することができる。
【0056】なお、上記実施例では、液晶セル30の液
晶分子のツイスト角をほぼ64°としたが、このツイス
ト角が60°〜70°の範囲であれば、上記実施例と同
様に、背景部を充分に明るくして、コントラストのよい
ポジ表示を得ることができるし、さらに、液晶セル30
のΔn・dの値が510nm〜630nmであり、液晶
セル30の表側基板31の近傍における液晶分子の配向
方向31aに対する偏光板40の透過軸40aのずれ角
が、表面側から見て液晶分子のツイスト方向と逆方向に
102°±5°の範囲であれば、より明るくかつ無彩色
の背景を表示できるとともに、その背景中に表示される
暗表示を、より暗くかつ黒に近くすることができる。
【0057】また、上記実施例では、液晶セル30の裏
面側に反射膜41を配置しているが、反射膜は、液晶セ
ル30の裏側基板32の内面に形成された電極で兼用し
てもよい。
【0058】図4は、この発明の他の実施例を示す液晶
表示装置の断面図であり、この実施例の液晶表示装置
は、液晶セル30の裏側基板32側の電極(ここではコ
モン電極)34′を、アルミニュウムまたはアルミニュ
ウム系合金や銀等の光反射率の高い金属膜で形成し、こ
の電極34′に反射膜を兼ねさせたものである。
【0059】なお、この実施例の液晶表示装置は、液晶
セル30の裏側基板32の内面に形成された電極34′
を反射膜を兼ねる電極とした以外の構成は、図1および
図2に示した実施例のものと同じであるから、重複する
説明は図に同符号を付して省略する。
【0060】この実施例の液晶表示装置においても、液
晶セル30の液晶分子のツイスト角が60°〜70°の
範囲であれば、背景部を充分に明るくして、コントラス
トのよいポジ表示を得ることができるし、さらに、液晶
セル30のΔn・dの値が510nm〜630nmであ
り、液晶セル30の表側基板31の近傍における液晶分
子の配向方向31aに対する偏光板40の透過軸40a
のずれ角が、表面側から見て液晶分子のツイスト方向と
逆方向に102°±5°の範囲であれば、より明るくか
つ無彩色の背景を表示できるとともに、その背景中に表
示される暗表示を、より暗くかつ黒に近くすることがで
きる。
【0061】そして、この実施例では、反射膜を、液晶
セル30の裏側基板32の内面に形成された電極34′
で兼用しているため、別に反射膜を設ける必要がなくな
るから、液晶表示装置の製造コストをさらに低減するこ
とができる。
【0062】
【発明の効果】この発明の液晶表示装置は、内面に電極
が形成された表裏一対の基板間に液晶分子がツイスト配
向した液晶層を設けてなる液晶セルと、前記液晶セルの
表面側に配置された1枚の偏光板と、前記偏光板を透過
して入射し前記液晶セルの液晶層を透過した光を反射さ
せる反射膜とを備え、かつ、前記液晶セルの液晶分子の
ツイスト角を60°〜70°とするとともに、前記偏光
板の透過軸を、前記液晶セルの表側基板の近傍における
液晶分子の配向方向に対して斜めにずらしたものである
から、偏光板を透過することによる光の損失を抑制し、
背景部を充分に明るくして、コントラストのよいポジ表
示を得ることができる。
【0063】また、この発明の液晶表示装置において、
前記液晶セルのΔn・dの値を510nm〜630nm
とし、前記偏光板の透過軸を、前記液晶セルの表側基板
の近傍における液晶分子の配向方向に対し、表面側から
見て液晶分子のツイスト方向と逆方向に102°±5°
斜めにずらしておけば、液晶分子が初期のツイスト配向
状態にあるとき、つまりΔn・dの値が510nm〜6
30nmであるときに、液晶層を往復して透過した各波
長光が、前記偏光板の透過軸に沿った直線偏光にさらに
近い偏光状態の光になるし、また、液晶分子がある程度
まで立上がり配向したときに、液晶層を往復して透過し
た各波長光が、前記偏光板の透過軸に沿った偏光成分の
光がさらに少ない偏光状態の光になるため、より明るく
かつ無彩色の背景を表示できるとともに、その背景中に
表示される暗表示を、より暗くかつ黒に近くすることが
できる。
【0064】また、この発明の液晶表示装置は、液晶セ
ルの表面側だけに1枚の偏光板を配置したものであるた
め、2枚の偏光板を用いている従来の液晶表示装置に比
べて、その製造コストを低減することができる。
【0065】さらに、この発明の液晶表示装置におい
て、前記反射膜は、液晶セルの裏側基板の外面に配置し
てもよいが、この反射膜を、液晶セルの裏側基板の内面
に形成された電極で兼用すれば、別に反射膜を設ける必
要がなくなるため、液晶表示装置の製造コストをさらに
低減することができる。
【0066】なお、上述した各実施例では、液晶セル3
0をセグメント表示型のものとしたが、この液晶セル
は、単純マトリックス型またはアクティブマトリックス
型のものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す液晶表示装置の断面
図。
【図2】同じく液晶セルの液晶分子配向方向と偏光板の
透過軸の向きを示す表面側から見た図。
【図3】液晶セルのΔn・dを種々の値に選んで赤,
緑,青の各波長光の出射率を調べた結果を示す図。
【図4】この発明の他の実施例を示す液晶表示装置の断
面図。
【図5】従来の液晶表示装置の断面図。
【図6】従来の液晶表示装置における液晶セルの液晶分
子配向方向と一対の偏光板の透過軸の向きを示す表面側
から見た図。
【符号の説明】
30…液晶セル 31…表側基板 32…裏側基板 31a…表側基板の近傍における液晶分子の配向方向 32a…裏側基板の近傍における液晶分子の配向方向 33,34…透明電極 34′…反射膜を兼ねる電極 35,36…配向膜 38…液晶層 40…偏光板 40a…透過軸 41…反射膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内面に電極が形成された表裏一対の基板間
    に液晶分子がツイスト配向した液晶層を設けてなる液晶
    セルと、前記液晶セルの表面側に配置された1枚の偏光
    板と、前記偏光板を透過して入射し前記液晶セルの液晶
    層を透過した光を反射させる反射膜とを備え、 かつ、前記液晶セルの液晶分子のツイスト角を60°〜
    70°とするとともに、前記偏光板の透過軸を、前記液
    晶セルの表側基板の近傍における液晶分子の配向方向に
    対して斜めにずらしたことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】液晶セルの液晶の屈折率異方性Δnと液晶
    層厚dとの積Δn・dの値は510nm〜630nmで
    あり、偏光板の透過軸は、前記液晶セルの表側基板の近
    傍における液晶分子の配向方向に対し、表面側から見て
    液晶分子のツイスト方向と逆方向に102°±5°斜め
    にずれていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表
    示装置。
  3. 【請求項3】反射膜は、液晶セルの裏側基板の外面に配
    置されていることを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】反射膜は、液晶セルの裏側基板の内面に形
    成された電極で兼用されていることを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載の液晶表示装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100300434B1 (ko) * 1999-09-30 2001-11-02 김순택 반사형 액정표시소자
KR100681991B1 (ko) * 1998-04-20 2007-02-15 소니 가부시끼 가이샤 반사형 액정 표시 장치

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