JPH08178873A - マルチエネルギー放射線透過試験方法 - Google Patents

マルチエネルギー放射線透過試験方法

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JPH08178873A
JPH08178873A JP34067394A JP34067394A JPH08178873A JP H08178873 A JPH08178873 A JP H08178873A JP 34067394 A JP34067394 A JP 34067394A JP 34067394 A JP34067394 A JP 34067394A JP H08178873 A JPH08178873 A JP H08178873A
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rays
energy
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JP34067394A
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Toshio Muto
利雄 武藤
Raita Kikko
雷太 橘高
Takuo Nonomura
卓雄 野々村
Iwao Umeda
巌 梅田
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Tokyo Metropolitan Government
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 X線又はγ線の透過試験方法において、高精
度に試料の原子番号又は実効原子番号を求め、簡便かつ
信頼性の高い材質の評価を行う。 【構成】試料(7)を鉛コリメータ(3)と放射線検出
器(4)間に配置する。放射線源(1)から放出されビ
ーム状に絞られた、エネルギーが異なる3種類以上のピ
ークをもつX線又はγ線を放射線検出器(4)により、
試料を置いた場合と置かない場合の1対の計測値を3種
類以上計測する。この計測値をパソコンに送って演算処
理を行い、計数値の中から誤差が設定値より小さい2対
以上の計数値を組み合わせたR値(2種類の放射線エネ
ルギーに対する試料の各質量減衰係数の比)を選択す
る。予め理論的に求めておいたR値と原子番号又は実効
原子番号との関係に、計数値から選択したR値を比較す
ることにより、試料の原子番号又は実効原子番号を求め
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】電離放射線であるX線又はγ線が、細いビ
ーム状に絞られて物質を透過する場合の基本式は、
【数4】
【0002】エネルギーが異なる2種類のX線又はγ線
を用いた、デュアル(2重)エネルギー放射線透過方法
(以下DERTと略す)がある。
【0003】DERTを用いる放射線応用計測は、試料
の厚さ及び密度と無関係に、その成分等を測定できると
いう特長を持つ。
【0004】DERTではR値、即ち2種類のエネルギ
ーのX線又はγ線に対するそれぞれの質量減衰係数の比
を仲介させて、試料の実効原子番号あるいは成分比率
を、次のようにして求める。
【0005】DERTにおいて、細いビーム状のX線又
はγ線が、試料を透過する場合の減衰は、次式で表され
る。
【数5】
【0006】式(2)及び(3)は、次式(4)及び
(5)に変形される。
【数6】
【0007】この式(4)と(5)の比をとることによ
り、式(6)で表されるR値が定義される。
【数7】
【0008】結局、試料の密度及び厚さの項は消えて、
R値は単に質量減衰係数の比となる。そして、2組の放
射線計数値:NLO、NとNHO、Nから求められ
る。
【0009】μとμは既に理論的に得られており、
これを基にR値と原子番号又は実効原子番号Zの関係を
計算で求めることができる。
【0010】ここで、試料が単一元素の場合はその原子
番号になるが、試料が化合物又は混合物であれば実効原
子番号になる。
【0011】R値と原子番号又は実効原子番号Zの関係
は、R−Z曲線で示される。
【0012】即ち、試料の原子番号又は実効原子番号Z
は、その密度及び厚さに無関係に、2組の計数値:N
LO、NとNHO、Nから求めることができる。
【0013】これが従来の技術である、エネルギーの高
低差が比較的大きい2種類のみのX線又はγ線を用い
た、デュアル(2重)エネルギー放射線透過方法(DE
RT)である。
【0014】しかし、2種類のエネルギーのみのX線又
はγ線を用いたDERT法では、原理的には可能ではあ
るが、実際上の計測における測定誤差のために試料の密
度及び厚さに制限が生じる。
【0015】その理由は、X線又はγ線は確率的に発生
することから、同じ計測時間であっても計数値は近くて
も必ずしも同じにはならないことによる。
【0016】即ち、NLO、N、NHO、Nは計数
値であるから統計的な揺らぎがある。
【0017】更に、DERTにおいては、NLO
、NHO、Nの独立した4つの計数値を用いるの
で、それぞれの統計的な揺らぎが相互に影響して、式
(6)で得られるR値の変動幅が一層大きくなる。
【0018】従って、計測から得たR値から求められた
原子番号又は実効原子番号Zも、大きい誤差を含む結果
になる。
【0019】ここで、DERTにおける計数の統計誤差
を、数学的に解析する。
【0020】R値の変動幅が大きくなる理由は、次の誤
差の基本式に示されるように、試料の厚さとX線又はγ
線のエネルギーの関係によって、誤差の大きさが変わる
ためである。
【0021】DERTにおける誤差の基本式は、式
(7)で表せる。
【数8】 ここで、δRはRについての誤差である。また、δN
LO、δN、δNHO、およびδNは、各計数値:
LO、N、NHO、Nのそれぞれの誤差である。
【0022】計数値Nと誤差δNの関係は、δN=N
1/2であり、δN/N=1/Nになる。
【0023】この関係を式(7)に当てはめ、また式
(4)及び式(5)を式(7)に代入すると、式(7)
は式(8)になる。
【数9】
【0024】式(8)より、δR/Rを小さくするに
は、先ず、すべての計数値:NLO、N、NHO、N
を大きくする必要があることが分かる。
【0025】特に、低エネルギー側のX線又はγ線の計
数値:Nは、他の計数値:NLO、NHO、Nより
小さいので、Nを統計誤差が十分小さくなるまで十分
に大きくする必要がある。
【0026】更に、NLO/N又は、NHO/N
1に近い場合、即ち、試料の密度又は厚さに対してX線
又はγ線のエネルギーが高過ぎて、試料による吸収が少
ない場合は、ln(NLO/N)又はln(NHO
)は小さくなるので、δR/Rが大きくなることが
分かる。
【0027】ここで式(1)より得られる1/μρ=t
/ln(N/N)は、平均自由行程と呼ばれるX線又
はγ線エネルギーに対応する試料の厚さであり、1平均
自由行程はX線又はγ線が試料の電子と平均して1回相
互作用を起こす厚さを意味する。
【0028】1平均自由行程(1/μρ=1)前後の厚
さが、入射したX線又はγ線が試料と相互作用を起こし
て、しかも試料による吸収が比較的少ないので、透過放
射線の測定に適している。
【0029】しかし、試料の厚さが薄い場合は、特に高
エネルギー側のX線又はγ線に対する計数値:NHO
は、計数値そのものは大きいが試料による吸収が少
ないので、試料の有無に対する相違は小さくなり、N
/NHOは1に近い。
【0030】即ち、試料の厚さがtが小さい場合は、高
エネルギー側のX線又はγ線に対して、μρt=ln
(NHO/N)が小さくなる。
【0031】従って、δR/Rを小さくするには、式
(8)より、高エネルギー側のX線又はγ線の計数値の
比:NHO/Nを、大きくする必要があることがわか
る。
【0032】しかし、NHO/Nを大きくするには、
高エネルギー側のX線又はγ線の平均自由行程:1/μ
ρが大きくなる低いエネルギーのX線又はγ線を採用
する必要がある。
【0033】ここで、DERTにおいてはエネルギーの
高低差が比較的大きい2種類のX線又はγ線を用いる必
要があるので、もし高エネルギー側のX線又はγ線に低
いエネルギーのものを採用すると、低エネルギー側のX
線又はγ線は更に低いエネルギーのものを採用する必要
が出てくる。
【0034】このことは、低エネルギー側のX線又はγ
線の計数値:Nは小さくなり、統計誤差が十分小さく
なるまで計数値を大きくすることが難しくなるという矛
盾を生じる。
【0035】即ち、同じ原子番号又は実効原子番号の試
料であっても、その試料の厚さに対してX線又はγ線の
エネルギーが不適切であれば、計測したR値の誤差も大
きくなり、その結果得られた原子番号又は実効原子番号
Zの信頼性が低いものとなる。
【0036】このように、DERTの特色は測定対象の
試料の密度又は厚さに無関係にその原子番号又は実効原
子番号が求められることであるが、実際には上述のよう
な限界がある。
【0037】この発明で解決しようとする課題は、この
ような制限に対して適切な方法を提供することであり、
以下に発明した測定方法について述べる。
【0038】それは、従来DERTで行われた2種類の
みのエネルギーのX線又はγ線のみを用いるのではな
く、この発明ではその原理にとらわれず、3種類以上の
エネルギーのX線又はγ線を用いる。
【0039】これを、マルチ(多重)エネルギー放射線
透過試験方法(以下MERTと略す)と名付ける。
【0040】即ち、3種類以上のエネルギーのX線又は
γ線を用いて計測を行い、ここで得られた計数値の中か
ら、試料の厚さに対するX線又はγ線のエネルギーの不
適切な計測値を除外し、次のように、式(8)の誤差δ
R/Rの小さい計測値のみを選択することにより、信頼
性の高い式(6)のR値を求める。
【0041】先ず、すべての計数値うちから、1万以上
の計数値のものを選択する。
【0042】次に、試料の厚さt(cm)、密度ρ(g
/cm)及び質量減衰係数μ(cm/g)の積:μ
ρt(無次元)=ln(N/N)が、約0.2から
2.3になるエネルギーのX線又はγ線を選択するた
め、0.8から0.1なるN/Nのものを選択する。
【0043】これによりδR/Rが約5%以下のRを選
別できる。
【0044】なお、エネルギーが比較的近くN/N
相違が小さい場合は1/μρもほぼ同じ値になるので、
平均して1/μρ又は1/μρとして、1種類のエ
ネルギーとして取り扱う。
【0045】これらの処理によって、ほぼ同じ原子番号
又は実効原子番号の試料であっても、測定する試料の厚
さに対して、エネルギーの高い方の放射線はそのエネル
ギーが高過ぎず、エネルギーの低い方の放射線は低過ぎ
ない、2種類以上のエネルギーの放射線を選択できる。
【0046】また、ほぼ同じ厚さの試料であるが原子番
号又は実効原子番号の異なる場合も、その試料の原子番
号又は実効原子番号に適した2種類以上のエネルギーの
放射線を選択できる。
【0047】結果として、DERTにおける誤差の基本
式:式(7)のδR/Rが小さくなるR値が得ることが
できる。
【0048】更に得られたR値の信頼性は次のように確
認できる。
【0049】即ち、μρt=ln(N/N)より、そ
れぞれのエネルギーに対する値を、i、j、k・・・と
すると、
【数10】 である。 ここで、μ、μ,μ・・・は、それぞ
れ求めたZ値から各エネルギーに対応する試料の質量吸
収係数である。
【0050】ところが試料は一つであるから、その厚さ
tは、
【数11】 である。
【0051】もし、t、t、t等の値に著しく相
違のある場合は、得られたZ値は誤差が大きく信頼性が
低いことになる。
【0052】tの値がほぼ同じ計数値から得られたR値
あれば、得られた原子番号又は実効原子番号Z値は誤差
が小さく、信頼性が高いことになる。
【0053】このように、ほぼ同じ原子番号又は実効原
子番号の試料であっては測定する試料の厚さに対し、ま
た、ほぼ同じ厚さの試料であるが原子番号又は実効原子
番号の異なる試料に対して、エネルギーの高い方の放射
線はそのエネルギーが高過ぎず、エネルギーの低い方の
放射線は低過ぎない、2種類以上のエネルギーの放射線
を選択できる。
【0054】従来技術である2種類のエネルギーの計測
値を用いるDERTでは、測定誤差のために試料の密度
及び厚さに制限を生じるが、この発明の3種類以上のエ
ネルギーのX線又はγ線を用いるMERTでは、測定値
を適宜取捨選択することがてき、誤差が小さく信頼性の
高い結果を得ることができる。
【産業上の利用分野】
【0055】この発明の応用分野は広範囲にわたり、例
えば、貴金属合金の品位鑑定、宝石類の鑑別、鉱物の鑑
別、材料組成の確認、鉱石の金属含有量の測定、石炭の
灰分量の測定、土砂の水分量の測定、食肉の脂肪分の測
定、人体の骨塩量の測定等、工業のみならず農業や医学
等にまで及ぶ。
【従来の技術】
【0056】この発明の関する従来の技術として、2種
類のみのエネルギーが異なるX線又はγ線を用いた、デ
ュアルエネルギー放射線透過方法(DERT)がある。
【0057】この内容は[0001]より[0013]
に記述してある。
【0058】DERTは、2種類のみのエネルギーのX
線又はγ線に対する放射線測定器からの信号を取り出し
て演算処理を行う必要があるが、パソコンが普及してい
る現在では、データ処理に関しては特に困難な問題では
ない。
【発明が解決しようとする課題】
【0059】従来技術のDERTでは、試料の原子番号
又は実効原子番号Zをその密度及び厚さに無関係に求め
ることは、原理的には可能ではあるが、実際の計測にお
いては、測定誤差のために試料の密度及び厚さに制限が
生じる。
【0060】その理由は[0014]より[0036]
に記述してある。
【0061】すなわち、DERTでは試料の厚さに対し
てX線又はγ線のエネルギーが不適切であれば、得られ
る結果は、図3及び図4に示すように、誤差が大きく、
信頼性が低いものとなる。
【0062】この発明で解決しようとする課題は、試料
の厚さ及び原子番号又は実効原子番号に対するX線又は
γ線のエネルギーの不適切さを除去し、計測から求まる
R値の変動幅を小さくして、これより誤差が少なく信頼
性の高い原子番号又は実効原子番号Zを得ることであ
る。
【0063】MERTにおいて、図5に例示する放射線
測定器からの信号を取り出してDERTに比べてより複
雑な演算処理を行う必要があるが、現在のパソコンの能
力で十分に計算できるので、データ処理に関しては特に
問題ではない。
【課題を解決するための手段】
【0064】この発明では、従来DERTで行われた2
種類のみのエネルギーのX線又はγ線のみを用いるので
はなく、3種類以上のエネルギーが異なるX線又はγ線
を発生する放射線源を用いるMERTによる。
【0065】この内容は[0037]より[0053]
に記述してある。
【作 用】
【0066】電離放射線であるX線又はγ線が物質を透
過する場合は、光子としてその物質の電子と相互作用を
起こす。
【0067】この相互作用には、光子エネルギーに依存
する光電効果、コンプトン散乱、コヒーレント散乱及び
電子対生成がある。
【0068】これらの相互作用の和は、X線又はγ線で
ある光子の物質の単位質量当たりの電子に対する全断面
積である。
【0069】この全断面積は、式(1)中にある試料の
質量減衰係数:μで表わされる。
【0070】物質の単位質量当たりの電子数は、その物
質を構成する元素の割合、原子番号又は実効原子番号Z
によって決まる。
【0071】逆に、原子番号又は実効原子番号Zが分か
れば、その物質を構成する元素の割合、即ち、その物質
の成分がわかることになる。
【0072】ここで試料の密度及び厚さの項を消すため
にDERTが用いられる。
【0073】この内容は[0001]より[0012]
に記述してある。
【0074】μとμは理論的に算出されており、2
組のX線又はγ線エネルギーに対する質量減衰係数の
比:R=μ/μが算出できる。
【0075】これを基にR値と原子番号又は実効原子番
号Zの関係は、2組のエネルギーのX線又はγ線の組み
合わせから、これに対するR−Z曲線が理論的に得られ
る。
【0076】一方、実験的には、試料を置いて透過させ
た場合の計数値:N、Nと、試料を置かない場合の
計数値:NLO、NHO(Lはエネルギーの低い方、H
はエネルギーの高い方を表す)より、式6)のR=ln
(NLO/N)/ln(NHO/N)が求められ
る。
【0077】実験的に得られたR値を、理論的に得られ
たR−Z曲線と比較して原子番号又は実効原子番号Zを
求めることにより、その物質の成分が分かることにな
る。
【0078】なお試料が単一元素の場合はその原子番号
になるが、試料が化合物又は混合物であれば実効原子番
号になる。
【実施例】
【0079】図5に示す放射線測定装置を用いて、ほぼ
同じ厚さの試料であるが原子番号の異なる試料に対し
て、その元素の原子番号Zと適切なエネルギーのγ線を
選択して得られたR値からなるR−Z曲線を図1に示
す。
【0080】図5に示す放射線測定装置を用いて、ほぼ
同じ実効原子番号の試料であるが異なる厚さの金合金試
料に対して、適切なエネルギーのγ線を選択して得られ
た金の含有率に対するR値の散布図を図2に示す
【発明の効果】
【0081】従来技術である2種類のエネルギーの計測
値を用いるDERTでは、測定誤差のために試料の密度
及び厚さに制限を生じるが、この発明の3種類以上のエ
ネルギーのX線又はγ線を用いるMERTでは、測定値
を適宜取捨選択することができる。
【0082】従って、MERTは、図1に例示するよう
に、同じ厚さの試料であるが原子番号又は実効原子番号
の異なる試料に対して、また、図2に例示するように、
ほぼ同じ原子番号又は実効原子番号の試料であっては測
定する試料の厚さに対して、エネルギーの高い方の放射
線はそのエネルギーが高過ぎず、エネルギーの低い方の
放射線は低過ぎない、2種類以上のエネルギーの放射線
を選別できる。
【0083】この選別によって、誤差が小さく信頼性の
高い結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のMERTによって、ほぼ同じ厚さの
試料であるが実効原子番号の異なる試料に対して、Eu
−152の適切なエネルギーのγ線を選択した、元素の
原子番号ZとそのR値のR−Z曲線。黒マークの測定値
を結んだ実線の曲線が誤差が少ない。Zが22から50
までは(122/779keV),(244/1408
keV),(344/779keV)の組み合わせが、
Zが50から82までは(244/I408keV),
(344/1408keV)、(344/779ke
V)の組み合わせが適している。
【図2】この発明のMERTによって、ほぼ同じ実効原
子番号の試料であるが異なる厚さの試料に対して、Eu
−152の適切なエネルギーのγ線を選択した、厚さ1
mmと5mmの金合金の金の含有率に対するR値の散布
図。薄い試料に対しては(244/779keV)の組
み合わせが、厚い試料に対しては(344/1408k
eV)及び(344/779keV)の組み合わせが適
している。
【図3】従来技術であるDERTによる、Na−22γ
線のR−Z曲線。Zの大きさに拘わらず、計算値に対す
る厚さ5mmの値の相違は小さいが、厚さ1mmの値の
相違は大きい。また厚さ5mmの場合でZの大きい値の
計算値に対する相違は小さいが、Zの小さい値の相違は
大きい。
【図4】従来技術であるDERTによる、Na−22γ
の金のR値こおける厚さに関する誤差分布。厚さが薄く
なると誤差が大きくなり、厚さが約10mm以上のもの
は誤差が小さいが、約5mm以下のものは誤差が大き
い。
【図5】従来技術であるDERT及びこの発明のMER
Tによる測定装置の例、(A)は装置全体の正面図、
(B)は装置の主要部分を拡大した断面図。この測定装
置に、図示されていないが、計測装置及びパソコンを接
続する。測定装置、計測装置及びパソコンは、従来技術
のものを利用できるが、パソコンのソフトはこの発明の
MERTに適したものにする。
【符号の説明】
1 放射線源 2 鉛遮蔽容器 3 鉛コリメーター 4 ゲルマニウム半導体放射線検出器 5 上下可動架台 6 液体窒素デュワー 7 試 料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅田 巌 静岡県熱海市熱海1739番地の34 熱海パサ ニアクラブ904

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】X線又はγ線の透過試験方法において、3
    種類以上のエネルギーが異なる細い放射線ビームを用い
    る計測。この条件を満たす放射線源及び放射線測定器を
    用いて、試料を置かない場合に測定した計数値と、試料
    を置いた場合に測定した透過放射線の計数値:Nio
    (i=1,2,・・L,・・H,・・)のうちか
    ら、2種類の放射線エネルギーに対応する計数値を組み
    合わせた比:次式のR値を算出し、更にこれに対応した
    原子番号又は実効原子番号を、予め理論計算されたその
    放射線エネルギーに対応した試料の質量減衰係数の比:
    μ/μより求める。 【数1】 ここで、ρは試料の密度、tは試料の厚さであり、Lは
    エネルギーの低い方、Hはエネルギーの高い方を表す。
    μとμは既に理論的に得られており、これを基にR
    値と原子番号又は実効原子番号Zの関係を計算で求める
    ことができる。即ち、R値と原子番号又は実効原子番号
    Zの関係は、理論的に計算されたR−Z曲線で示され
    る。ここで、試料が単一元素の場合はその原子番号にな
    るが、試料が化合物又は混合物であれば実効原子番号に
    なる。一方、2組の計数値:NLO、NとNHO、N
    から、その密度及び厚さに無関係に、計測によって原
    子番号又は実効原子番号を求めることができる。計測に
    よって得られたR値を、理論的に計算されたR−Z曲線
    と比較することにより、計測した試料の原子番号又は実
    効原子番号Zを求めることができる。この発明のデータ
    処理は、先ず測定したすべての計数値から1万以上のも
    のを選択し、更に、試料の厚さ、密度及び質量減衰係数
    の積:μρtが約0.2から2.3になるX線又はγ線
    のエネルギーを選択するため、μρt=ln(Nio
    )より、0.8から0.1になるN/Nioを選
    択する。次に、選択されたln(Nio/N)から、
    2種類以上のエネルギーの放射線に対する計測値:ln
    (NLO/N)とln(NHO/N)を組み合わせ
    て、複数のR値を求める。これによって次式で表される
    R値の統計誤差:δR/Rが、約5%以下のR値を選別
    できる。 【数2】 更に、μρt=ln(N/N)より、それぞれのエネ
    ルギーに対する値を、i,j,k・・・とすると、 【数3】 となる。ここで、μ、μ、μ・・・は、それぞれ
    求めたZ値から各エネルギーに対応する試料の質量吸収
    係数である。従って、tの値がほぼ同じであれば得られ
    たR値の誤差は小さく、結果の信頼性が高いことを確認
    できる。エネルギーの高い方の放射線はそのエネルギー
    が高過ぎず、エネルギーの低い方の放射線は低過ぎな
    い、2種類以上のエネルギーの放射線を適宜選択するこ
    とによって、精度良く測定できる試料の原子番号又は実
    効原子番号の範囲及び試料の厚さの範囲を拡大できる。
    即ち、3種類以上のエネルギーが異なるX線又はγ線を
    用いることにより、得られた計数値の中から不適切な計
    測値を除外し、誤差の小さい計測値のみを選択すること
    により、信頼性の高い上式のR値が求まる。3種類以上
    のエネルギーが異なるX線又はγ線を用いる透過試験方
    法を、マルチエネルギー放射線透過試験方法と名付け
    る。
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