JPH08178236A - 樹脂燃焼炉及びその燃焼制御方法 - Google Patents

樹脂燃焼炉及びその燃焼制御方法

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Publication number
JPH08178236A
JPH08178236A JP32755794A JP32755794A JPH08178236A JP H08178236 A JPH08178236 A JP H08178236A JP 32755794 A JP32755794 A JP 32755794A JP 32755794 A JP32755794 A JP 32755794A JP H08178236 A JPH08178236 A JP H08178236A
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JP
Japan
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combustion
resin
combustion chamber
furnace
supply port
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Application number
JP32755794A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Narita
博 成田
Koji Goshoo
幸司 五所尾
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IHI Packaged Boiler Co Ltd
Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
IHI Packaged Boiler Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】燃焼処理しなければならない合成樹脂を燃焼不
良を生じさせることなく効果的に完全燃焼させ得、か
つ、連続的に燃焼処理を行えて燃焼温度や燃焼量も比較
的容易に調整できる樹脂燃焼炉及びその燃焼制御方法を
提供する。 【構成】円筒状の燃焼室14を有する炉本体12の長さ
方向で見た一端側に助燃バーナー16が配置されるとと
もに、前記炉本体12の他端側に前記燃焼室14より短
径の燃焼ガス排出口18が設けられ、かつ、前記燃焼室
14にその接線方向に沿って粒状樹脂と樹脂燃焼用一次
空気との混合物を噴射供給する燃焼物供給口30が設け
られるとともに、前記燃焼物供給口30より下流側に樹
脂燃焼用二次空気供給口40が設けられる。運転に際し
て、助燃バーナー16により燃焼室14の内壁を加熱昇
温させ、その壁面温度が燃焼に供される粒状樹脂の溶融
温度以上に達したことが、温度センサ45により検出さ
れたとき、燃焼室14に燃焼物供給口30を通じて粒状
樹脂を樹脂燃焼用一次空気と共にそこで渦流を生成する
ように接線方向に噴射供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂を燃焼不良を
生じさせることなく効果的に完全燃焼させ得るようにさ
れた樹脂燃焼炉、及び、その燃焼制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題に関連して使用済合成樹
脂発泡体樹脂類の回収、処理が重要視されるようにな
り、それらの有効利用のためのマテリアルリサイクルや
サーマルリサイクルについて種々の方法が検討され、一
部は既に実施されている。合成樹脂は材料として繰り返
し再利用する(マテリアルリサイクル)ことも可能とさ
れているが、使用過程における異物質との接触による汚
染や樹脂自身の劣化のため、無制限に再利用を繰り返す
ことはできず、最終処理の一つと焼却処理を行い、その
際発生する熱を有効に利用する(サーマルサイクル)こ
とも必要になってくる。
【0003】元来、樹脂には不燃成分(いわゆる灰分)
は全くないか、極く微量にしか含有されておらず、高カ
ロリーの発熱量をもっているので、樹脂は良質な固形燃
料とも見做されるものである。しかし、燃焼態様が適切
でないと完全燃焼せず、溶融、発煙(黒煙、ばいじん等
の発生)等の不具合が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来においては、樹脂
の燃焼処理は、(1)流動床炉を使用、(2)固定床炉
を使用、(3)微粉燃焼させること、等により行われて
いるが、、それらはそれぞれ次のような問題があった。 (1)流動床炉では、種々の樹脂を粒状とせずに、ベッ
ド材の流動を妨げない範囲で比較的粗粒の状態で燃焼可
能である。しかし、種々の付属設備を必要とするため、
システム全体が複雑となり、据え付けのスペースも大と
なるため設備費が高くなり、多量の処理を行う以外には
適当でない。また、流動床ボイラとして利用する場合に
は、工場等の需要側の蒸気負荷変化が大きいと追従が不
可能である場合が生じる。さらに、流動床では、起動時
や低負荷時等に流動不良のため床内ベッド温度が不均一
となる可能性があり、そのため低融点の樹脂がガス化せ
ず溶融状態で合体し、ベッド内で成長して塊となり、終
には運転不能になることもある。 (2)固定床炉では、樹脂を塊状、粒状、成形品のまま
燃焼させ得るので、燃焼可能な樹脂の形状とサイズに関
しては対応範囲が広いが、炉床面積に対する燃焼量の割
合を広い範囲で変化させることができないので、工場等
の需要側の蒸気負荷に対応した運転は不可能であり、略
一定量の温水や蒸気を発生する用途に限定されるので、
有効利用の点で劣る。また、比較的低温で溶融し、ガス
化しない状態で合体し、塊状となり完全燃焼が維持でき
ず発煙等の不具合が生じやすい。 (3)微粉燃焼とは、合成樹脂を平均粒径0.1mm程
度の微粉にして、空気輸送によって炉内に噴射供給し、
浮遊状態で燃焼させる方法である。このような燃焼方法
では、ボイラ等に対して重油バーナーや微粉炭バーナー
と同様な取り付けが可能とされている。しかし、微粉樹
脂は炉内に噴射された後、溶融、ガス化、燃焼という過
程を経て炉外へ排出されるが、溶融状態で粒子同士が合
体し、粒径が粗大化してしまうことが多く、結果的に重
油燃焼の燃焼室では燃焼が完結しない。また、必要な微
粉度とするためには、加工設備費と運転費が嵩むという
問題もある。
【0005】かかる点に鑑み本発明は、合成樹脂を、燃
焼不良を生じさせることなく効果的に完全燃焼させ得、
しかも、連続的に燃焼処理を行えて燃焼温度や燃焼量も
比較的容易に調整可能で、さらに、装置コストや運転コ
ストを低く抑えることができるとともに、ボイラ等に容
易に組み込むことができるようにされた樹脂燃焼炉、及
び、その燃焼制御方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべ
く、本発明に係る樹脂燃焼炉は、サイクロン型燃焼炉の
構造を持っており、円筒状の燃焼室を有する炉本体の長
さ方向で見た一端側に助燃バーナーが配置されるととも
に、前記炉本体の他端側に前記燃焼室より短径の燃焼ガ
ス排出口が設けられ、かつ、前記燃焼室にその接線方向
に沿って粒状樹脂と樹脂燃焼用一次空気との混合物を噴
射供給する燃焼物供給口が設けられるとともに、前記燃
焼物供給口より下流側に樹脂燃焼用二次空気供給口が設
けられてなる。
【0007】本発明の好ましい態様として、粒状樹脂と
樹脂燃焼用一次空気との混合物を噴射供給する燃焼物供
給口を、その外周に環状冷却通路を備えた二重管構造と
したものが挙げられる。上記構成において、各空気供給
口からの空気供給量を調量ダンパー等により適宜調整で
きるようにすることが好まく、また、前記燃焼物供給口
は高速噴流が得られるように先端部を絞ったノズル構造
にすることが望ましい。
【0008】さらに、本発明の樹脂燃焼炉では、燃焼室
の長さLとその内径Dとの比L/Dを2〜3の範囲に、
また、燃焼ガス排出口の内径dと燃焼室の内径Dとの比
d/Dを0.5〜0.7の範囲に、することが好まし
い。また、本発明に係る樹脂燃焼炉の燃焼制御方法は、
上記樹脂燃焼炉に前記燃焼室の壁面温度を検出する温度
センサを設け、該温度センサにより検出された前記壁面
温度に基づいて、前記粒状樹脂の供給時期及び供給量を
制御することを特徴としている。
【0009】この場合、前記温度センサにより前記燃焼
室の壁面温度が該燃焼室に供給される粒状樹脂の溶融温
度以上となったことが検出された後、前記粒状樹脂を前
記燃焼室に噴射供給することが好ましい態様として挙げ
られる。
【0010】
【作 用】上述の如くに構成される本発明に係る樹脂燃
焼炉及びその燃焼制御方法においては、助燃バーナーに
より燃焼室の内壁が加熱昇温され、燃焼室の壁面温度は
温度センサにより検出される。壁面温度が粒状樹脂の溶
融温度以上に達したとき、燃焼室に燃焼物供給口を通じ
て粒状樹脂が樹脂燃焼用一次空気と共にそこで渦流を生
成するように接線方向に噴射供給される。
【0011】それにより、粒状樹脂は燃焼室の内壁面上
にて溶融するとともに、助燃バーナーの火炎の放射熱に
よりガス化し、一次空気と混合して燃焼しながら燃焼ガ
ス排出口に導かれるとともに、二次空気により確実に完
全燃焼せしめられることになる。そして、粒状樹脂の燃
焼ガスは、ボイラや種々の熱回収装置の内部に導入され
てその熱回収が図られる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。図1は本発明に係る樹脂燃焼炉の一実施例を
示している。図示例の樹脂燃焼炉10は、サイクロン型
焼却炉の構造を持ち、例えば既存の炉筒煙管ボイラ50
に横に寝かせた状態でその下端部が一体的に連結されて
使用される。該樹脂燃焼炉10は、円筒状の燃焼室14
を有する炉本体12の長さ方向で見た一端側の中心軸線
上に助燃バーナー16が配置されるとともに、前記炉本
体12の他端側に前記燃焼室14より短径の燃焼ガス排
出口18が設けられている。
【0013】ここで、前記燃焼室14の長さLとその内
径Dとの比L/Dは2〜3の範囲に、また、燃焼ガス排
出口18の内径dと燃焼室14の内径Dとの比d/Dは
0.5〜0.7の範囲にすることが好ましい。すなわ
ち、比L/Dを小さくするとコンパクトになり、大き
くすると粒状樹脂の滞空時間が長くとれる、樹脂の粒
径を小さくすると燃焼は容易となるがその加工にコスト
がかかる点を勘案し、粗粉砕の樹脂でも確実に完全燃焼
させ得るようにすべくL/Dを2〜3の範囲とするのが
適当である。また、燃焼ガス排出口18の内径dと燃焼
室14の内径Dとの比d/Dについては、圧力損失が少
なく、燃焼空間も確保できるようにその比d/Dを0.
5〜0.7の範囲にすることが好ましい。
【0014】前記助燃バーナー16には外部の燃料供給
装置から電磁式の流量調整弁21が介装された燃料供給
通路22を通じて重油燃料が供給され、該助燃用燃料は
炉本体12の頂部側に設けられた調量ダンパー25が介
装された助燃用空気通路24を通じて燃焼室14の上部
にディフューザー19を介して供給される助燃用空気と
混合されて燃焼せしめられる。前記流量調整弁21は後
述するコントローラ100からローレベルの制御信号が
供給されたときには、その開弁量が小とされ、このとき
には助燃バーナー16にL量(20リットル/h)の重
油燃料が供給され、ハイレベルの制御信号が供給された
ときには、その開弁量が大とされ、このときには助燃バ
ーナー16にH量(40リットル/h)の重油燃料が供
給される。この燃料供給装置の流量調整には、H量、L
量用の2個の電磁弁による切替操作とすることもでき
る。なお、助燃バーナー16用の燃料は重油、ガスのい
ずれでもよい。
【0015】また、前記燃焼室14の上部には、図2を
参照すればよくわかるように、該燃焼室14の接線方向
に沿って設けられた、粒状樹脂と樹脂燃焼用一次空気と
の混合物を噴射供給する燃焼物供給口30が設けられる
とともに、この燃焼物供給口30より下流側の前記燃焼
ガス排出口18に複数本のパイプ状の樹脂燃焼用二次空
気供給口40が斜め下方に向けて開穿されている。この
二次空気供給口40から前記燃焼ガス排出口18の出口
側に向けて、調量ダンパー43が介装された二次空気供
給通路42を通じて供給される二次空気が吹き出される
ようになっている。
【0016】前記燃焼物供給口30は、高速噴流(50
m/s以上)が得られるようにその先端内周部に絞り部
31を持つノズル構造とされ、かつ、その外周に通路3
7を通じて冷却空気が供給される環状冷却通路33を備
えた二重管構造とされている。さらに、燃焼物供給口3
0は、調量ダンパー38が介装された樹脂燃焼用の一次
空気供給通路32がその後端部に連結されるとともに、
その一次空気供給通路32の先端部の中心軸線上にホッ
パー35に貯留されている粒状樹脂を掻き出して搬送す
るスクリューフィーダー36の先端部が配置されてお
り、スクリューフィーダー36をインバーター回路付き
のモーター39で駆動することにより、ホッパー35内
の粒状樹脂がスクリューフィーダー36の先端に搬送さ
れるとともに、そこから前記一次空気供給通路32から
の空気に吸い出されるようにして燃焼物供給口30から
燃焼室14に噴射供給される。この場合、前記モーター
39の回転速度に応じて前記粒状樹脂の供給量が調整さ
れる。また、樹脂供給装置として、スクリューフィーダ
ー以外のイジェクトフィーダー、ロータリーフィーダ
ー、振動フィーダー等を用いることもできる。なお、燃
焼物供給口30は本例では一か所だけであるが複数箇所
設けてもよい。
【0017】そして、本例においては、前記燃焼室14
の上部における前記燃焼物供給口30と略同一の平面上
(同一円周上)に、燃焼室14の壁面温度を検出するた
めの温度センサ45が取り付けられている。温度センサ
45の取り付け位置を前記のように燃焼室14の上部に
しているのは、そこに燃焼物供給口30及び環状冷却通
路33からの空気が噴射供給されるので、そこが燃焼室
14の内壁面のうちでは最も低温になり易く、ここの温
度がある値以上であると他の部位の温度はそれ以上とな
っていることから、該温度センサ45により検出された
壁面温度に基づいて後述するように燃焼制御を行うには
都合が良いからである。
【0018】前記温度センサ45から得られる壁面温度
をあらわす検出信号は、例えばマイクロコンピュータを
内蔵したコントローラ100に供給され、コントローラ
100は、温度センサ45からの検出信号があらわす燃
焼室14の壁面温度に基づいて、流量調整弁21の開弁
量を制御して助燃バーナー16への燃料供給量を調整す
るとともに、スクリューフィーダー36を駆動するモー
ター39の回転速度、言い換えれば、燃焼室14への粒
状樹脂の供給量を制御し、さらには、各空気供給通路2
4,32,42に介装された調量ダンパー25,38,
43の開度を調整して、助燃用空気、一次空気、二次空
気の供給量をも調整するようにされている。
【0019】上述した如くの構成のもとで、本例の樹脂
燃焼炉10において、粒状樹脂の燃焼処理開始にあたっ
ては、まず、コントローラ100から燃料供給通路22
に介装された流量調整弁21にハイレベルの制御信号が
供給され、助燃バーナー16にH量(40リットル/
h)の重油が供給される。このときは、調量ダンパー2
5が所定開度に開かれ、助燃用空気がディフューザー1
9を介して燃焼室14内に供給され、助燃バーナー16
における重油燃料の燃焼により、燃焼室14の内壁が加
熱昇温される。なお、このとき助燃バーナー16にH量
(40リットル/h)の燃料を供給するようにしている
のは、昇温時間を短縮するためである。
【0020】そして、コントローラ100は、温度セン
サ45により検出された燃焼室14の壁面温度が燃焼に
供される粒状樹脂の溶融温度以上に達したとき、モータ
ー39に駆動制御信号を供給してスクリューフィーダー
36を作動させるとともに、一次空気供給通路32に介
装された調量ダンパー38及び二次空気供給通路42に
介装された調量ダンパー43を所定開度に開く。それに
より、燃焼室14に燃焼物供給口30を通じて粒状樹脂
が樹脂燃焼用一次空気と共にそこで渦流を生成するよう
に接線方向に沿って噴射供給される。また、それと同時
に、流量調整弁21に供給されている制御信号のレベル
がハイからローに切り換えられ、流量調整弁21の開弁
量が小とされ、それによって、助燃バーナー16への重
油燃料の供給量がH量(40リットル/h)からL量
(20リットル/h)に切り換えられるとともに、その
燃料量に応じて調量ダンパー25の開度が調整される。
【0021】この場合、燃焼物供給口30からの一次空
気量(環状冷却通路33からの冷却空気量を含む)と、
助燃用空気供給通路24からの助燃空気量と、二次空気
供給口40からの二次空気量と、の比は3対3対4程度
が好ましく、全空気量は、粒状樹脂と重油燃料を燃焼す
るのに必要な理論空気量の1.3〜2.0倍、より好ま
しくは1.5〜1.8倍の範囲とされる。
【0022】このようにされることにより、燃焼室14
に一次空気と共に噴射供給された粒状樹脂は、燃焼室1
4の内壁面上にて溶融するとともに、助燃バーナー16
の火炎の放射熱によりガス化し、一次空気と混合して燃
焼しながら燃焼ガス排出口18に導かれるとともに、二
次空気供給口40から吹き込まれる二次空気により確実
に完全燃焼せしめられることになる。
【0023】そして、粒状樹脂の燃焼ガスは、燃焼ガス
排出口18が連結されたボイラ50に導入されてその熱
回収が図られる。次に上記した如くの樹脂燃焼炉10で
の粒状樹脂の燃焼制御方法のより具体的な実例を以下に
説明する。 〔具体的実施例1〕 (1)燃焼処理物:粒状の発泡ポリスチレン減容品(溶
融温度=約400度C) (2)条件:図3に粒状樹脂(発泡ポリスチレン減容
品)供給量と燃焼室の壁面温度(度C)との関係を示し
たように、温度センサ45により検出される燃焼室14
の壁面温度が400度Cになるまでは、燃焼室14に燃
焼物供給口30から粒状樹脂を供給せず、400度Cに
なった後、直ちに燃焼室14に燃焼物供給口30から粒
状の発泡ポリスチレン減容品を一次空気と共に10kg
/h供給する。このとき助燃バーナー16への重油燃料
の供給量を前記したようにH量(40リットル/h)か
らL量(20リットル/h)に切り換える。次いで、燃
焼室14の壁面温度が450度Cになった直後に、粒状
の発泡ポリスチレン減容品の供給量を10kg/hから
30kg/hに増量する。 (3)結果:燃焼室14の壁面温度は、粒状樹脂供給量
を10kg/hから30kg/hに増量した直後は45
0度Cプラスマイナス15度C程度であったが、その5
分後には上昇を開始し、約30分後には500度Cに達
した。その後、燃焼処理を停止して炉内状態を点検した
が、未燃物は見当たらず、供給された粒状の発泡ポリス
チレン減容品は全て完全燃焼したことが確認された。
【0024】〔具体的実施例2〕 (1)燃焼処理物:粒状の発泡ポリスチレン減容品(溶
融温度=約400度C) (2)条件:図4に粒状樹脂(発泡ポリスチレン減容
品)供給量と燃焼室の壁面温度(度C)との関係を示し
たように、温度センサ45により検出される燃焼室14
の壁面温度が400度Cになるまでは、燃焼室14に燃
焼物供給口30から粒状樹脂を供給せず、400度Cに
なった後、直ちに燃焼室14に燃焼物供給口30から粒
状の発泡ポリスチレン減容品を一次空気と共に10kg
/h供給する。このとき助燃バーナー16への重油燃料
の供給量を前記したようにH量(40リットル/h)か
らL量(20リットル/h)に切り換える。次いで、燃
焼室14の壁面温度が425度Cになった直後に、粒状
の発泡ポリスチレン減容品の供給量を10kg/hから
20kg/hに増量し、さらに、燃焼室14の壁面温度
が425度Cになった直後に、粒状の発泡ポリスチレン
減容品の供給量を20kg/hから30kg/hに増量
した。 (3)結果:燃焼室14の壁面温度は、粒状樹脂供給量
を10kg/hから20kg/hに増量した直後は41
0度C付近まで低下したが、その5分後には上昇を開始
し、30kg/hに増量した直後には約440度まで低
下したが、その5分後には上昇を開始し、約30分後に
は520度Cに達した。その後、燃焼処理を停止して炉
内状態を点検したが、未燃物は見当たらず、供給された
粒状の発泡ポリスチレン減容品は全て完全燃焼したこと
が確認された。
【0025】上述の如くに、本例の樹脂燃焼炉10にお
いては、助燃バーナー16により燃焼室14の内壁を加
熱昇温し、燃焼室の壁面温度が燃焼に供される粒状樹脂
の溶融温度以上に達したとき、燃焼室14に燃焼物供給
口30を通じて粒状樹脂を一次空気と共に接線方向に噴
射供給するようにされるので、粒状樹脂は燃焼室の内壁
面上にて溶融するとともに、助燃バーナーの火炎の放射
熱によりガス化し、一次空気と混合して燃焼しながら燃
焼ガス排出口に導かれるとともに、二次空気により確実
に完全燃焼せしめられる。
【0026】従って、本例の樹脂燃焼炉10によれば、
燃焼処理しなければならない合成樹脂を、燃焼不良を生
じさせることなく効果的に完全燃焼させ得、しかも、サ
イクロン型燃焼炉の構造を持つことから、連続的に燃焼
処理を行えて燃焼温度や燃焼量も比較的容易に調整可能
で、さらに、装置コストや運転コストを低く抑えること
ができるとともに、ボイラ等に容易に組み込むことがで
きるという利点が得られる。
【0027】なお、上記樹脂燃焼炉10をボイラに組み
込む場合、重油等を主燃料とするボイラに対して当該樹
脂燃焼炉10を補助燃焼手段として組み込んで、粒状樹
脂を補助燃料として使用するのが普通であるが、粒状樹
脂を主燃料として利用することもできる。このように粒
状樹脂を主燃料として利用すべく樹脂燃焼炉10をボイ
ラに組み込んだ例を図5及び図6に示す。この例は、側
部に煙突部63が設けられた円筒状の炉本体61内に多
数本の水管62,62,─が同一円周上に配列されてな
る立型多管式貫流ボイラ60の上部中央連結部65に樹
脂燃焼炉10の燃焼ガス排出口18を接続したものであ
り、樹脂燃焼炉10から得られる粒状樹脂の燃焼ガスと
水管62内の水との熱交換を行うようにされている。こ
の場合であっても、その燃焼制御方法はすでに説明した
と同様に行い得ることは理解されよう。
【0028】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明に係る樹脂燃焼炉によれば、サイクロン型燃焼炉の構
造を持ち、助燃バーナーにより燃焼室の内壁を加熱昇温
し、燃焼室の壁面温度が燃焼に供される粒状樹脂の溶融
温度以上に達したとき、燃焼室に被燃焼物とされる粒状
樹脂を一次空気と共に接線方向に噴射供給するようにさ
れるので、燃焼処理すべき合成樹脂を燃焼不良を生じさ
せることなく効果的に完全燃焼させ得、しかも、連続的
に燃焼処理を行えて燃焼温度や燃焼量も比較的容易に調
整可能で、さらに、装置コストや運転コストを低く抑え
ることができるという優れた効果を奏する。
【0029】また、本発明に係る燃焼制御方法によれ
ば、燃焼室の壁面温度を検出する温度センサによって燃
焼室の壁面温度が燃焼に供される粒状樹脂の溶融温度以
上に達したことが検出して、被燃焼物とされる粒状樹脂
の供給時期及び供給量を制御するようにしているので、
合成樹脂の完全燃焼とその連続的に燃焼処理を確実に行
うことができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る樹脂燃焼炉の一実施例を示す概略
構成図。
【図2】図1に示される樹脂燃焼炉の燃焼物供給口の接
続状態を示す断面図。
【図3】図1に示される樹脂燃焼炉の燃焼処理手順の一
例の説明に供されるグラフ。
【図4】図1に示される樹脂燃焼炉の燃焼処理手順の他
の例の説明に供されるグラフ。
【図5】図1に示される樹脂燃焼炉をボイラに組み込ん
だ状態を示す側面図。
【図6】図5の水平断面図。
【符号の説明】
10−樹脂燃焼炉 12−炉本体 14−燃焼室 16−助燃バーナー 18−燃焼ガス排出口 21−流量調整弁 24−助燃空気供給通路 30−燃焼物供給口 32−一次空気供給通路 33−環状冷却通路 35−ホッパー 36−ロータリーフィーダー 39−モーター 40−二次空気供給口 42−二次空気供給通路 45−温度センサ 50,60−ボイラ 100−コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F23G 5/24 ZAB B 5/50 ZAB M G 7/12 Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状の燃焼室を有する炉本体の長さ方
    向で見た一端側に助燃バーナーが配置されるとともに、
    前記炉本体の他端側に前記燃焼室より短径の燃焼ガス排
    出口が設けられ、かつ、前記燃焼室にその接線方向に沿
    って粒状樹脂と樹脂燃焼用一次空気との混合物を噴射供
    給する燃焼物供給口が設けられるとともに、前記燃焼物
    供給口より下流側に樹脂燃焼用二次空気供給口が設けら
    れてなる樹脂燃焼炉。
  2. 【請求項2】 前記燃焼物供給口が、その外周に環状冷
    却通路を備えた二重管構造である、請求項1記載の樹脂
    燃焼炉。
  3. 【請求項3】 円筒状の燃焼室を有する炉本体の長さ方
    向で見た一端側に助燃バーナーが配置されるとともに、
    前記炉本体の他端側に前記燃焼室より短径の燃焼ガス排
    出口が設けられ、かつ、前記燃焼室にその接線方向に沿
    って粒状樹脂と樹脂燃焼用一次空気との混合物を噴射供
    給する燃焼物供給口が設けられるとともに、前記燃焼物
    供給口より下流側に樹脂燃焼用二次空気供給口が設けら
    れてなる樹脂燃焼炉の燃焼制御方法において、 前記燃焼室の壁面温度を検出する温度センサを設け、該
    温度センサにより検出された前記壁面温度に基づいて、
    前記粒状樹脂の供給時期及び供給量を制御することを特
    徴とする、樹脂燃焼炉の燃焼制御方法。
  4. 【請求項4】 前記温度センサにより前記燃焼室の壁面
    温度が該燃焼室に供給される粒状樹脂の溶融温度以上と
    なったことが検出された後、前記粒状樹脂を前記燃焼室
    に噴射供給することを特徴とする請求項1記載の樹脂燃
    焼炉の燃焼制御方法。
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