JPH10316977A - 噴流型内熱低温乾留装置 - Google Patents

噴流型内熱低温乾留装置

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JPH10316977A
JPH10316977A JP13099797A JP13099797A JPH10316977A JP H10316977 A JPH10316977 A JP H10316977A JP 13099797 A JP13099797 A JP 13099797A JP 13099797 A JP13099797 A JP 13099797A JP H10316977 A JPH10316977 A JP H10316977A
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jet
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洋一 櫻井
Akimasa Arata
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 上昇気流速度を定常化し、炭化水素系原料の
炉内滞在時間を確保するとともに、異物等に起因する流
動化装置の閉塞又は給気流ノズル等の損傷を有効に防止
し、連続運転を可能にする。 【解決手段】 乾留装置1は、内熱炉10、給炭装置2
0及びウィンドボックス30を備え、内熱炉の炉内領域
は、逆錐形の噴流部11と、原円筒形浮遊部12とを備
える。噴流部の逆錐形内壁面18の下端部は、空気及び
水蒸気の高速給気流を吐出するスロート部31を備え
る。浮遊部は、噴流部の上位大径部分と整合し円筒状内
周壁面19を備える。ウィンドボックスの給気流混合領
域は、空気導入口33と、高さ調節可能な蒸気導入管3
6とを備える。ウィンドボックス内の異物又は粗大粒子
等を排出可能な排出装置40が配設され、異物又は粗大
粒子等の系外排出路を選択的に開閉可能な開閉弁装置4
3を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、噴流型内熱流動乾
留装置に関するものであり、より詳細には、所定粒度に
調整された炭化水素系原料を700℃以下の低温乾留雰
囲気にて浮遊(浮游)乾留せしめる希薄流動層を備える
とともに、空気流又は空気/水蒸気混合気流を噴出する
流動化装置を希薄流動層の下部域に配設してなる噴流型
内熱低温乾留装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】空気との接触を実質的に絶たれた不完全
燃焼雰囲気において石炭を加熱し、コークス、チャー、
ガス及び/又はタール等を生成する石炭乾留法が、知ら
れている。この種の石炭乾留法は、粉砕した所定粒径範
囲の原料炭、木粉、亜炭、モミガラ等の炭化水素系原料
を乾留炉に装入し、これを乾留炉内の高温雰囲気又は焼
成雰囲気にて乾留することにより実施される。乾留炉
は、一般に、ロストルにて区画された乾留室及び燃焼室
を有し、炭化水素系原料は、給炭量を制御可能な原料ホ
ッパー及びスクリュー式フィーダーを介して乾留室に装
入される。燃焼室にて生成した高温の燃焼ガス又は熱ガ
スは、ロストルを介して乾留室内に流入する。乾留室内
の炭化水素系原料は、燃焼ガスに浮遊懸吊され、炭化水
素系原料の所謂浮遊層を形成する。高温燃焼ガスの存在
下に乾留室において急速な乾留作用を受けた炭化水素系
原料は、乾留室上部の導出管を介して乾留ガスと共に系
外に送出され、サイクロン分離器に導入され、サイクロ
ン分離器において、コーライト又は半成コークス等の炭
化製品と、乾留ガスとに分離される。
【0003】このような形式の乾留装置が、例えば、特
公昭50−37201号公報に開示されている。同公報
に開示された乾留装置は、農林産物の廃材等を連続的に
炭化/乾留反応せしめる高速内熱炉を有し、内熱炉は、
逆錐形の内熱炉本体および炉底ボックスを備える。炉底
ボックスは、炉内領域に生成した乾留ガスの再循環流
と、空気流又は空気/水蒸気混合流とを混合するととも
に、該混合ガスを炉底部から炉内領域に吹出す。炉内に
装入された炭化水素系原料は、内熱炉の炉床部に流動床
を形成し、乾留ガス及び空気/水蒸気を含む高温の混合
ガスは、炉底ボックスより吐出し、流動床を構成する炭
化水素系原料と均一に混合する。炭化水素系原料は、混
合ガスの燃焼により加熱され、乾留反応ないし炭化反応
する。混合ガスの上昇気流により希薄流動化した炭化水
素系原料は、炉内乾留反応又は炭化反応に伴って比重を
軽減し、炉内に生成した乾留ガスを含む炉内燃焼ガス
は、乾留された炭化水素系原料、即ち、半成コークス等
の炭化製品を系外に搬送する。炭化製品及び燃焼ガス
(乾留ガス)は、炉外のサイクロン装置等に導入され、
該サイクロン装置にて分離される。
【0004】
【発明が解決しよとうする課題】しかしながら、全体的
に逆錐形に形成された内熱炉構造体を有する従来の乾留
装置においては、上方に拡開した炉内領域を上昇する燃
焼ガス又は乾留ガスの流速を所望の如く設定し難く、従
って、炉内上部域におけるガス流速の不安定化又は極端
な低下等により、十分な炭化水素系原料の炉内滞在時間
又は浮遊時間を確保し難い事情がある。また、農林産物
の廃材等に混入した石片、金属片、不燃性物質又は無機
物片等の異物、或いは、炉内に生成した燃焼灰等は、上
記炭化水素系原料と共に内熱炉の炉底部に降下し、スロ
ート部を介して炉底ボックス内に自由落下し易く、この
結果、炉底ボックスの閉塞が生じ得る。同様に、炭化水
素系原料に含まれる比較的大粒径の原料炭、或いは、乾
留反応により溶着した大粒径の原料炭等は、内熱炉の炉
底部及びスロート部を介して炉底ボックス内に自由落下
し、炉底ボックス内にて燃焼反応し、この結果、炉底ボ
ックスに配設された空気吐出ノズル又は水蒸気吐出ノズ
ルの損傷又は破損等が生じ得る。かくして、これらの炉
内落下物に対する炉底ボックスの有効な保護対策を可能
にする内熱炉構造の研究・開発が要望される。
【0005】本発明は、かかる課題に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、所定粒度に調整さ
れた炭化水素系原料を浮遊乾留せしめる希薄流動層を備
えた噴流型内熱低温乾留装置において、炉内上部域の上
昇気流速度を定常化し、必要且つ十分な炭化水素系原料
の炉内滞在時間を確保し得る噴流型内熱低温乾留装置を
提供することにある。本発明は又は、噴流層の下部域に
配置され、空気流又は空気/水蒸気混合気流を噴出する
流動化装置を備えた噴流型内熱低温乾留装置において、
流動化装置内に自由落下する金属片等の異物、燃焼灰又
は大粒径の粗大石炭粒子等に起因する流動化装置の閉
塞、或いは、流動化装置内における粗大石炭粒子等の燃
焼による給気流ノズル等の損傷を有効に防止し、継続的
な乾留装置の連続運転を可能にする噴流型内熱低温乾留
装置を提供することを目的とする。本発明は更に、上記
構成の噴流型内熱低温乾留装置において、流動化装置内
に落下ないし流入した異物、燃焼灰又は粗大石炭粒子等
を比較的容易に系外に排出し得るとともに、乾留装置の
運転初期に先混合型バーナノズルとして機能し得る流動
化装置を備えた噴流型内熱低温乾留装置を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するために、本発明は、噴流型流動炉を構成する内熱炉
と、所定粒度に調整された炭化水素系原料を前記内熱炉
に装入する給炭装置と、前記内熱炉の下部域に配設され
た流動化装置とを有し、前記内熱炉の炉内領域は、噴流
層を構成する逆錐形の噴流部と、前記炭化水素系原料の
粒子を炉内領域に浮遊せしめ、該粒子の所要の炉内滞在
時間を確保する円筒形浮遊部とを有し、前記噴流部は、
下方に向かって縮径する円錐形内壁面を備えるととも
に、前記炭化水素系原料の粒子を上方に吹上げる空気及
び/又は水蒸気の高速給気流を吐出するスロート部を下
端部収束領域に備え、前記浮遊部は、該噴流部の上位大
径部分と整合し且つ一体的に連接する所定内径の円筒状
内周壁面を備え、前記高速給気流にて浮遊した前記炭化
水素系原料の粒子を自由落下に抗して炉内領域に所要時
間滞在せしめる浮遊域を前記噴流部の上方域に画成する
ことを特徴とする噴流型内熱低温乾留装置を提供する。
【0007】本発明の上記構成によれば、600℃乃至
700℃以下の内熱低温乾留工程を実行する上記内熱炉
の炉内領域は、噴流層を構成する逆錐形噴流部と、炭化
水素系原料の乾留反応を促進する円筒状浮遊部とを備え
る。給炭装置により炉内領域に装入された炭化水素系原
料粒子は、噴流部の円錐状内周面に沿って降下し、流動
化装置から上方に噴出する高速給気流にて流動化され
る。原料粒子は更に、スロート部を吹き抜ける上昇給気
流の噴出作用ないし誘引作用により炉内領域を上昇し、
該給気流にて浮遊懸吊される。上昇給気流の流速は、上
方に拡開した噴流部にて漸減するとともに、上下方向に
均等化した横断面を有する浮遊部において均一化する。
炉内領域にて浮遊乾留作用を受け、嵩比重が低減した原
料粒子は、上昇給気流により炉頂部から系外に搬出され
る。他方、依然として過大な嵩比重を有する原料粒子
は、自由落下作用により噴流部に降下し、噴流部より噴
出する高速給気流にて再び上方に吹き上げられる。原料
粒子は、かかる自由落下及び上昇運動を反復し、この結
果、適切な浮遊乾留反応の進行に伴ってコークス化する
とともに、脱揮発作用により嵩比重を低減する。かくし
て所望の嵩比重に軽減した原料粒子は、上昇給気流に搬
送され、炉頂部より系外に搬出される。かかる乾留装置
の乾留工程においては、不活性ガス(イナートガス)な
いし乾留ガス再循環流等の炉内導入は、格別に必要とさ
れない。
【0008】本発明は又、噴流型流動炉を構成する内熱
炉と、所定粒度に調整された炭化水素系原料を前記内熱
炉に装入する給炭装置と、前記内熱炉の下部域に配設さ
れた流動化装置とを有し、前記内熱炉の炉内領域は、噴
流層を構成する逆錐形の噴流部と、前記炭化水素系原料
の粒子を炉内領域に浮遊せしめ、該粒子の所要の炉内滞
在時間を確保する円筒形浮遊部とを有し、前記噴流部
は、下方に向かって縮径する円錐形内壁面を備えるとと
もに、空気及び/又は水蒸気の噴出気流を吐出するスロ
ート部を下端部収束領域に備え、該噴出気流は、前記炭
化水素系原料の粒子を上方に吹上げるように前記スロー
ト部を吹抜け、前記スロート部の下方域に配置された流
動化装置は、前記スロート部と連通する給気流混合領域
を形成するハウジングと、前記給気流混合領域に開口す
る空気流入口と、前記給気流混合領域に上下変位可能に
支持された高さ調節可能な水蒸気供給管とを備え、前記
水蒸気供給管の上端部は、前記スロート部に隣接して開
口する水蒸気吐出口を備えることを特徴とする噴流型内
熱低温乾留装置を提供する。
【0009】本発明の上記構成によれば、流動化装置を
構成する水蒸気供給管は、上下変位可能に支持され、水
蒸気吐出口とスロート部との間の距離は、水蒸気供給管
の高さ調節により、適切な間隙寸法に調整される。間隙
寸法は、噴流部に自由落下し得る原料粒子又は異物等の
ハウジング内流入を適切に阻止すべく、乾留装置の運転
条件、噴出給気流の混合割合、流量又は流速、炭化水素
系原料の物性、或いは、炭化水素系原料に混入し得る異
物の寸法・種類等に応じて適宜設定される。かくて、適
切な水蒸気供給管の高さ位置調節により、流動化装置の
閉塞、或いは、給気流ノズル等の損傷は、未然に防止さ
れる。
【0010】本発明は更に、上記構成の噴流型内熱低温
乾留装置において、上記流動化装置のハウジング内に自
由落下した異物又は粗大粒子等を排出可能な排出装置が
上記ハウジングに連結され、該排出装置は、上記異物又
は粗大粒子等の系外排出路を選択的に開閉可能な開閉弁
装置を有することを特徴とする噴流型内熱低温乾留装置
を提供する。本発明の上記構成によれば、スロート部を
介して流動化装置内に落下した異物又は粗大石炭粒子等
は、排出装置を介して系外に排出される。しかも、流動
化装置のハウジングに連結された開閉弁装置は、乾留装
置の運転・稼働中に開放し、異物ないし粗大粒子等を系
外に導出し得る。従って、予測し難い異物又は粗大石炭
粒子等の流動化装置内落下に適切に対処すべく、乾留装
置の連続操業中に流動化装置の異物排出工程又は機能復
元工程を実行することが可能となる。
【0011】本発明は又、上記構成の噴流型内熱低温乾
留装置において、燃焼用炭化水素系燃料を供給する燃料
供給手段が、上記流動化装置の水蒸気供給管に連結さ
れ、該燃料供給手段は、上記乾留装置の運転初期に上記
スロート部に燃焼用燃料を供給することを特徴とする噴
流型内熱低温乾留装置を提供する。流動化装置を構成す
る水蒸気供給管には、燃焼用燃料ガス等の炭化水素系燃
料が、乾留装置の運転初期に供給され、流動化装置は、
先混合型バーナノズルとして機能する。水蒸気供給管の
水蒸気吐出口を介してスロート部に流出した燃焼用燃料
は、空気流入口を介して供給される燃焼用空気又は助燃
空気の存在下にスロート部にて燃焼反応し、運転初期段
階に炉内雰囲気を所要温度に急速に昇温せしめる燃焼火
焔をスロート部及び/又は噴流部に形成する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施形態によれ
ば、上記スロート部、噴流部及び浮遊部の間で上昇及び
下降運動を反復する炭化水素系原料粒子の嵩比重は、乾
留反応により、初期比重の1/3乃至1/4に低減す
る。上記浮遊部の内径及び全高の寸法比は、かかる嵩比
重の低減に要する炉内滞在時間を確保するように設定さ
れる。流動部及び浮遊部の炉内温度条件および原料粒子
の炉内滞在時間は、炭化水素系原料素材の粒径分布又は
炭種等に相応して適宜設定される。或る好適な実施形態
において、上記噴流部の炉内温度条件及び温度分布は、
400乃至700℃の範囲内の温度域、更に好適には、
450乃至600℃の範囲内の温度域に設定され、上記
炉内対流時間は、5乃至6分間程度の時間に設定され
る。
【0013】本発明の好適な実施形態において、内熱炉
の炉内容積は、給炭量又は給炭速度と、原料炭に含有さ
れる水分量に応じた適当な容積に設定され、噴流部にお
ける縮径下端部又はスロート部の内径と、拡径上端部の
内径との寸法比、或いは、噴流部の円錐形内壁面の傾斜
角度は、内熱乾留反応の要求酸素量に相応した適切な炉
内容積及び給気流速を実現し得る値に設定される。
【0014】本発明の或る好適な実施形態によれば、例
えば、1乃至3mm粒径の褐炭を原料炭とする乾留装置に
おいて、浮遊部の内径D2を基準として、噴流部の縮径
下端部又はスロート部の内径D1は、好ましくは、0.
3×D2〜0.5×D2の範囲内、更に好ましくは、
0.35×D2〜0.45×D2の範囲内に設定され、
噴流部の全高H1は、好ましくは、1.3×D2〜1.
7×D2の範囲内、更に好ましくは、1.4×D2〜
1.6×D2の範囲内に設定され、浮遊部の全高H2
は、好ましくは、1.7×D2〜2.1×D2の範囲
内、更に好ましくは、1.8×D2〜2.0×D2の範
囲内に設定される。噴流部及び浮遊部の寸法比及び各部
寸法は、炭化水素系原料の種別及び物性、殊に、炭種に
適した適切な炉内ガス流速を確保し得る値に設定され
る。好ましくは、噴流部の縮径下端部又はスロート部の
給気流速は、炭種及び粒径分布に相応した適切な流速域
に設定され、更に好ましくは、レイノズル数のアレン領
域に相当する流速域に設定される。本発明の更に好適な
実施形態において、浮遊部の内径D2の3乗積、即ち、
(D2)3 [m3]は、給炭量 [TON/hr] ×(0.45〜
0.65)の範囲内に設定され、更に好適には、給炭量
×(0.5〜0.6)の範囲内に設定される。
【0015】本発明の他の好ましい実施形態において、
上記水蒸気供給管に接続された蒸気供給系は、供給蒸気
流量を可変制御し得る蒸気流量制御手段を有し、上記空
気流入口に連結された空気供給系は、空気導入量を可変
制御可能な空気流量制御手段を備える。蒸気流量制御手
段および空気流量制御手段は、例えば、原料炭の湿分増
加等に伴って噴流部の温度が低下したとき、相対的に水
蒸気流量を低減し且つ空気流量を増大せしめ、これによ
り、噴流部及び浮遊部の内熱反応による発生熱量を増大
させる。
【0016】本発明の更に好適な実施形態によれば、上
記給炭装置の原料装入口は、上記噴流部及び浮遊部の連
接部近傍に配置され、好ましくは、浮遊部内周壁面の下
端部に配置され、炉内に導入された炭化水素系原料は、
高速の上昇給気流と干渉せずに、噴流部の逆錐形内壁面
に沿ってスロート部に流下する。本発明の或る実施形態
によれば、上記空気流入口を介して上記噴流装置内に流
入した空気流は、ハウジング内領域において旋回流を形
成し、スロート部に上昇する。スロート部にて最大線速
度を呈する空気流は、希薄流動層の形成に要する所望の
初速を確保し、スロート部にて混合した空気流及び水蒸
気流は、噴流部の内周壁面に沿って旋回半径を漸増する
上昇給気流を内熱反応域に形成する。
【0017】本発明の或る実施形態において、1乃至1
0mmの粒径範囲に粉砕された原料炭が内熱炉に装入され
る。炉内領域の上昇気流速度は、赤熱した最小粒径1mm
の石炭粒子の飛散又は吹き飛びを防止するとともに、最
大粒径10mmの粒子の浮遊運動を維持・管理し得る速度
に設定される。炉内領域の上昇気流速度は、好ましく
は、0.25乃至0.5m/sに設定される。
【0018】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明の実施例
に係る噴流型内熱低温乾留装置について、詳細に説明す
る。図1は、本発明の実施例に係る乾留装置の全体構成
を示す概略縦断面図であり、図2及び図3は、図1に示
す乾留装置のウィンドボックス構造及びスロート部構造
を示す横断面図及び縦断面図である。乾留装置1は、噴
流型流動炉を構成する内熱炉10と、内熱炉10に対し
て原料石炭を装入する給炭装置20と、内熱炉10の炉
底部に連結されたウィンドボックス30と、ウィンドボ
ックス内の異物等を系外に排出する排出装置40と、内
熱炉10の上部域と連通するサイクロンホッパー50と
を備える。乾留装置1による乾留操作又は乾留工程は、
燃焼反応を完結し得ない酸素不足又は低酸素濃度の不完
全燃焼反応により、石炭粒を所定温度範囲に加熱し、賦
活/炭化するためのものであり、内熱炉10に導入され
る燃焼用空気流量は、炉内燃焼反応に要する理論空気比
未満の所定空気比に規制される。従って、給炭装置20
を介して内熱炉10内に装入された石炭粒は、完全燃焼
に要する空気比又は酸素濃度に達しない不完全燃焼雰囲
気において部分燃焼し、発熱する。かかる部分燃焼反応
は、石炭粒の燃焼反応により生成する徴粉炭、タール、
揮発分及び熱分解ガスと、ウィンドボックス30より噴
出する上昇気流中の酸素との燃焼反応(酸化反応)によ
り助勢され、この結果、外部又は外界からの熱補給を実
質的に要しない部分燃焼反応、即ち、内熱反応が生起し
且つ維持される。
【0019】給炭装置20は、原料石炭供給系に連結さ
れた給炭バンカー21と、原料バンカー21の下部域に
配置されたスクリュー式フィーダー22とを備える。原
料石炭を受入れ可能な原炭受入装置(図示せず)に供給
された炭化水素系原料は、一次乾燥装置(図示せず)に
て所定の含水率、例えば、5%程度の含水率に水分量を
調整された後、粉砕機(図示せず)により所定粒径、例
えば、10mm以下の粒径の炭化水素系原料に粉砕され、
しかる後、バケット・エレベ−タ−及び振動式フィ−ダ
−等を含む原料搬送装置(図示せず)により給炭バンカ
ー21に投入される。スクリュー式フィーダー22は、
螺旋形態の羽根部を有する回転スクリュー23を備え、
回転スクリュー23は、回転駆動装置24に連結され
る。回転駆動装置24は、給炭量制御装置(図示せず)
の制御下に作動する電動モータ及び減速機を備えてお
り、回転スクリュー5を所定速度で回転させる。かくし
て、給炭装置20は、10mm以下の所定粒度分布を有す
る粉砕炭を所定の給炭速度にて内熱炉10内に装入す
る。
【0020】内熱炉10は、逆錐形の噴流部11及び直
胴形の浮遊部12を備え、スクリュー式フィーダー22
の吐出口25は、噴流部11及び浮遊部12の連接部近
傍に配置され、浮遊部12の下端部内周面に開口する。
内熱炉10の壁体は、鋼板等の金属材料にて成形され、
噴流部11及び浮遊部12の内壁面18、19は、耐熱
性キャスタブル・ライニング材料、耐熱レンガ、耐火・
断熱レンガ又は耐熱性セラミックス材料等の各種耐火・
耐熱性被覆材にて被覆され、上下方向に延在する連続炉
内領域14を画成する。噴流部11は、全体的に逆錐形
に形成され、下方に向かって所定角度をなして縮径ない
し収束する錐面18を炉内に形成し、ウィンドボックス
30のスロート部31が、噴流部11の下端部に開口す
る。他方、浮遊部12は、全体的に円筒形に形成され、
実質的に均一な内径を有する内周壁面19を有し、耐火
ダクト51の流入口52に接続可能な導出ポート15
が、浮遊部12の炉頂部中央領域に配設される。スロー
ト部31に隣接する噴流部11の下端部内径D1と、噴
流部11の上端部内径(浮遊部12の内径)D2との寸
法比D1:D2は、D1:D2=(0.35〜0.4
5):1の範囲内の所定比率に設定され、噴流部11の
全高H1と浮遊部12の全高H2との寸法比H1:H2
は、H1:H2=(0.75〜0.85):1の範囲内
の所定比率に設定される。また、上記高さ寸法H1は、
H1=(1.4〜1.6)×D2の範囲内の所定値に設
定される。
【0021】図2及び図3に示す如く、ウィンドボック
ス30は、内熱炉10と実質的に同一の耐火・耐熱構造
を有するハウジング32と、ハウジング32の周壁及び
底壁に配設された空気導入口33及び蒸気導入装置34
とを備える。ハウジング32の内壁面は、噴流部11及
び浮遊部12と同様に、所定の耐火・耐熱性被覆材にて
被覆される。スロート部31及びハウジング32の中心
軸線は、内熱炉10の中心軸線と一致し、ハウジング3
2内の給気流混合領域35及びスロート部31の噴流ポ
ートは、内熱炉10の中心軸線を中心とする円形の横断
面形状を有する。
【0022】ウィンドボックス30の内周壁面に開口す
る空気導入口33は、空気流量制御弁39を備えた空気
導入管路OA(仮想線で示す)に連結され、所定流速の
空気流を実質的に水平にウィンドボックス30内に導入
する。また、蒸気導入装置34は、ウィンドボックス3
0の中心軸線を中心に垂直に配向された蒸気導入管36
を備える。蒸気導入管36は、ウィンドボックス30の
傾斜底壁41を貫通する円筒形垂直ガイド38に気密状
態に支持され、給気流混合領域35内に突出する。垂直
ガイド38は、蒸気導入管36の管体を上下変位可能に
支持する。ウィンドボックス30から垂下する蒸気導入
管36の下端部は、蒸気流量制御弁45を介装した水蒸
気給送管路ST(仮想線で示す)に連結され、蒸気導入
管36の上端部は、スロート部31から所定間隔を隔て
て位置決めされた蒸気吐出口37を備える。蒸気吐出口
37は、水蒸気給送管路STにより供給された水蒸気を
上方に吐出する先端ノズルとして機能するとともに、ス
ロート部31に対向する拡大部分を有し、流路面積を調
節可能な環状流路をスロート部31及び蒸気吐出口37
の間に画成する。
【0023】ウィンドボックス30の傾斜底壁41は、
給気流混合領域35内の異物、例えば、石炭原料に混入
した金属片、或いは、比較的大粒径の石炭粒塊等を系外
に排出する導出ノズル42に連続する。排出装置40を
構成する導出ノズル42は、手動開閉操作可能なガスロ
ックダンパー又はロータリーバルブ等の開閉弁装置43
に接続される。所望により、開閉弁装置43の弁本体
は、弁体を開閉作動する開閉駆動装置(図示せず)に作
動的に連結され、開閉弁装置43の流出端44は、給気
流混合領域35内の異物を排出可能な排出手段に連結さ
れる。
【0024】図1に示す如く、内熱炉10の頂部導出ポ
ート15に接続された耐火ダクト51は、サイクロンホ
ッパー50の上部流入ポート53に連結される。下方に
収束する逆錐形態のサイクロンホッパー50は、乾留ガ
スを系外に給送する乾留ガス送出ポート54と、半成コ
ークスを導出するコークス導出ポート又はシュートノズ
ル55とを備える。サイクロンホッパー50の頂壁に配
置された乾留ガス送出ポート54は、乾留ガスダクト5
6に連結され、乾留ガスダクト56は、系外の燃焼装
置、乾留ガス回収装置又は乾留ガス循環装置等に接続さ
れる。他方、シュートノズル55は、半成コークス送出
管路57に連結され、半成コークス送出管路57は、半
成コークスを回収するコ−クス回収装置(図示せず)に
接続される。
【0025】次に、上記乾留装置1の作動について説明
する。原炭受入装置に供給された炭化水素系原料は、一
次乾燥装置において所定の含水率に調整され、粉砕機に
て所定粒径、例えば、10mm以下の粒径に粉砕された
後、原料搬送装置により給炭バンカー21内に投入され
る。スクリュー式フィーダー22は、回転駆動装置24
の作動により回転スクリュー23を回転させ、所定の給
炭速度にて原料炭を内熱炉10の炉内領域14に装入
し、原料炭は、噴流部11の円錐状内周面18に沿って
降下する。空気導入管路OAは、例えば、外界雰囲気の
常態空気を圧送し、空気導入口33は、比較的高速の空
気流をウィンドボックス30の給気流混合領域35内に
吐出する。空気流は、蒸気導入管36の外周領域を旋回
し、スロート部31の狭小流路に向かって上昇する。水
蒸気給送管路STは、常圧下に生成した水蒸気を圧送
し、蒸気吐出口37は、比較的高速の水蒸気流をスロー
ト部31の狭小流路に向かって上方に吐出する。スロー
ト部31において、空気流及び水蒸気流の混合気流が形
成され、該混合気流は、流動化剤として、噴流部11内
に流入し、円錐状内周面18に沿って下降する原料炭を
誘引し、該原料炭を上方に吹き上げる。原料炭は、空気
/水蒸気混合気流に同伴し、炉内領域14にて浮遊し、
上昇する。
【0026】噴流部11の温度は、低温乾留反応におい
て一般に必要とされる温度、即ち、450乃至700℃
の範囲内の温度域に設定され、原料炭の炉内滞留時間
は、十分な乾留作用の進行を確保し得る時間、例えば、
約5乃至6分程度の時間に設定される。温度条件及び滞
留時間等の運転条件は、空気導入口33及び蒸気吐出口
37の空気流量及び水蒸気流量により可変制御され、炭
種に相応して適当に設定変更される。
【0027】炉内領域14の水平断面積は、上方に拡開
する噴流部11の形態に相応して増大するので、混合気
流の流速は、上方域に移行するにつれて漸減し、この結
果、混合気流中に浮遊した原料炭の上昇速度は低下し、
ついには、上昇速度を維持し得ず、重力作用により下降
する。降下した原料炭は、スロート部31から噴出する
比較的高速の上昇混合気流により、再び上昇し、かくし
て、原料炭は、炉内領域14にて上昇運動及び降下運動
を反復する。スロート部31、噴流部11及び浮遊部1
2の間における原料炭の上下動ないし浮遊運動の間に、
内熱が原料炭に伝熱し、原料炭は、乾留作用及び脱揮発
作用によりコークス化する。
【0028】原料炭の嵩比重は、コークス化反応に伴っ
て低減し、初期の原炭嵩比重の1/3乃至1/4に減少
する。軽量化した原料炭は、浮遊部12の上昇混合気流
により押上げられ、内熱反応により生成した乾留ガス
(分解ガス及び燃焼ガス) と一緒に、頂部導出ポート1
5、耐火ダクト51及び上部流入ポート53を介して、
サイクロンホッパー50に流入する。内熱炉10の乾留
作用により半成コークス化した原料炭は、サイクロンホ
ッパー50における旋回流円心分離作用により、乾留ガ
スから分離され、半成コークスとしてシュートノズル5
5及び半成コークス送出管路57により系外に導出さ
れ、回収装置にて回収される。他方、サイクロンホッパ
ー50にて分離された乾留ガスは、乾留ガスダクト56
を介して系外の乾留ガス回収装置又は乾留ガス循環装置
等に給送される。
【0029】実運転において、石片、鉄片、ボルト、ナ
ット、或いは、各種金属塊等の異物が原料炭に混入して
おり、このような異物は、一般に、嵩比重が大きく、従
って、原料炭と一緒に炉内領域14に装入された異物
は、噴流部11を降下し、スロート部31を介してウィ
ンドボックス30内に落下し得る。また、原料炭に含有
され、或いは、乾留作用に伴う溶着現象により炉内領域
14にて生成した比較的大粒径の原料炭も又、上記異物
と同様に噴流部11を降下し、スロート部31を介して
ウィンドボックス30内に落下し、給気流混合領域35
に堆積し得る。ウィンドボックス30内に自由落下した
異物は、給気流混合領域35の閉塞を生じさせる虞があ
り、また、ウィンドボックス30内に落下した大粒径原
料炭は、給気流混合領域35にて燃焼反応し、空気導入
口33及び蒸気導入管36の損傷又は破損等をもたらす
懸念があり、従って、これらの落下物は、乾留装置の連
続運転を阻害し得る。
【0030】本実施例において、円筒形垂直ガイド38
により上下変位可能に支持された蒸気導入管36は、適
切な蒸気導入管36の高さ調整により、先端ノズル37
とスロート部31との間の距離を所望の如く調整し得
る。適切な蒸気導入管36の高さ設定の結果、上記異物
及び上記大粒径原料炭のウィンドボックス30内落下を
防止し得るとともに、適切な混合気流速度を確保し得る
適当な流路面積の間隙が、先端ノズル37の外周領域に
形成される。かくして、異物又は大粒径原料炭のウィン
ドボックス内落下を未然に防止し、乾留装置1の連続操
業を確保することが可能となる。また、長時間の連続運
転によりウィンドボックス30内に落下し得る予期せぬ
異物又は大径原料炭、或いは、燃焼灰等は、導出ノズル
42を介してウィンドボックス30に連結された開閉弁
装置43の開放により、系外に排出される。開閉弁装置
43は、乾留装置1の運転中に開閉作動し得るので、継
続的な乾留装置1の連続操業を確保しつつ、ウィンドボ
ックス30内の堆積物を系外に導出することができる。
【0031】更に、乾留装置の連続運転の間に、原料炭
の湿分増加等に起因する噴流部11の温度低下が生じた
とき、蒸気導入装置34の水蒸気供給量を制限ないし低
減するとともに、空気導入口33の空気導入量を相対的
に増大せしめ、これにより、内熱反応による炉内発生熱
量を増大させ、炉内温度を上昇させることができる。ま
た、乾留装置の運転開始時期に必要とされる昇温時に
は、過渡的に蒸気導入管36に炭化水素系燃料ガスを導
入し、蒸気導入管36を炉内昇温バーナーとして使用し
得る。なお、パイロットバーナー及び燃料供給制御弁等
の付帯設備が、蒸気導入管36に関連して適宜配設され
るが、これらの付帯設備については、図を簡略化するた
めに図示を省略してある。
【0032】以上説明した如く、本実施例の乾留装置1
は、噴流型流動炉を構成する内熱炉10と、所定粒度に
調整された原料炭を内熱炉10に装入する給炭装置20
と、内熱炉10の下部域に配設された流動化装置、即
ち、ウィンドボックス30とを備え、内熱炉10の炉内
領域は、噴流層を構成する逆錐形の噴流部11と、原料
炭粒子を炉内領域に浮遊せしめ、該粒子の所要の炉内滞
在時間を確保する円筒形浮遊部12とにより構成され
る。噴流部11は、下方に向かって縮径する円錐形内壁
面18を備えるとともに、原料炭粒子を上方に吹上げ可
能な空気及び水蒸気の高速給気流を吐出するスロート部
31を下端部収束領域に備える。浮遊部12は、噴流部
11の上位大径部分と整合し且つ一体的に連接するとと
もに、空気及び水蒸気の高速給気流にて浮遊した原料炭
粒子を自由落下に抗して炉内領域に所要時間滞在せしめ
る浮遊域を噴流部11の上方域に画成する。スロート部
31の下方域に配置されたウィンドボックス30は、ス
ロート部31と連通する給気流混合領域を形成するハウ
ジング32と、ハウジング32に開口する空気導入口3
3と、給気流混合領域に上下変位可能に支持された高さ
調節可能な蒸気導入管36とを備え、蒸気導入管36の
上端部は、スロート部31に隣接して開口する先端ノズ
ル37を備える。ハウジング内の異物又は粗大粒子等を
排出可能な排出装置40がハウジング32に連結され、
排出装置40は、異物又は粗大粒子の系外排出路を選択
的に開閉可能な開閉弁装置43を有する。
【0033】かかる構成の乾留装置1によれば、逆錐形
噴流部11は、内熱反応の急激な進行により比較的多量
の乾留ガスを生成し且つ比較的大きな燃焼発熱を生起す
るのに対し、円筒形浮遊部12においては、層高に比例
して炉内生成ガス量が増量することなく、しかも、熱放
散によりガス膨張作用が低下する結果、上昇気流のガス
流速が安定し、実質的に一定の上昇ガス流の速度分布が
得られる。従って、内熱炉全体が逆錐形に形成された従
来構造の乾留装置と対比し、炉内乾留作用により生成し
た浮遊半成コークスは、円筒形浮遊部12に比較的長時
間滞留し、乾留反応の進行に伴う嵩比重の減少に従って
順次、上昇気流に同伴し、炉外に送出される。かかる浮
遊部12の適切な寸法設定により、乾留工程の定性的な
制御をなし得るので、石炭の種類に相応して浮遊部12
の全高を演算ないし推算し、原料炭粒の所望の炉内滞留
時間を確保することができ、しかも、酸素不足の雰囲気
下に十分な浮遊・流動操作及び内熱伝熱作用を発揮する
比較的簡素な内熱炉構造を提供し得るので、均一且つ安
価な半成コークスを大量生産することが可能となる。
【0034】また、上記乾留装置による低温乾留法は、
乾留反応に要する有効な炉内滞留時間を比較的低圧の装
置系にて確保し、高速流動伝熱作用により石炭粒を低温
乾留し得る。従って、流動化剤として N2 、CO2 等のイ
ナートガス又は循環ガスを格別に要しない。しかも、灰
分の溶融に起因して従来の目皿型流動法において比較的
高頻度に生じ得た目詰り現象等を確実に回避し得るの
で、長時間の連続運転を要する工業的乾留装置、例え
ば、日産50TON の生産量を要する連続稼働設備等とし
て好適に使用し得る。なお、上記乾留装置にて生産され
た均一な半成コークスは、煉炭・豆炭の原料、鋳物用コ
ークス原料、鉱炉用コークス原料、或いは、活性炭等の
原料として好適に利用し得る。
【0035】以上、本発明の好適な実施例について詳細
に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるもので
はなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で
種々の変形又は変更が可能であり、該変形例又は変更例
も又、本発明の範囲内に含まれるものであることは、い
うまでもない。例えば、上記乾留装置により多種多様の
農林産物の廃材、例えば、木材片又はモミガラ等の粒状
化物を低温乾留することができる。また、上記乾留装置
にて生成した乾留ガスを系外の熱利用プロセスに送出
し、乾留ガスの保有顕熱および乾留ガスの可燃成分の燃
焼熱量を熱交換器又は廃熱ボイラー等にて回収し、かか
る熱回収により生成された水蒸気等の熱媒体流体を各種
乾燥装置や、各種製造/精製プロセス等に供給しても良
い。
【0036】
【発明の効果】以上説明した如く、請求項1に記載され
た本発明の上記構成によれば、所定粒度に調整された炭
化水素系原料を浮遊乾留せしめる希薄流動層を備えた噴
流型内熱低温乾留装置において、炉内上部域の上昇気流
速度を定常化し、必要且つ十分な炭化水素系原料の炉内
滞在時間を確保し得る噴流型内熱低温乾留装置を提供す
ることが可能となる。
【0037】また、請求項2に記載された本発明の上記
構成によれば、噴流層の下部域に配置され、空気流又は
空気/水蒸気混合気流を噴出する流動化装置を備えた噴
流型内熱低温乾留装置において、流動化装置内に自由落
下する金属片等の異物、燃焼灰又は大粒径の粗大石炭粒
子等に起因する流動化装置の閉塞、或いは、流動化装置
内における粗大石炭粒子等の燃焼による給気流ノズル等
の損傷を有効に防止し、継続的な乾留装置の連続運転を
可能にする噴流型内熱低温乾留装置を提供することが可
能となる。
【0038】更に、請求項3及び請求項4に記載された
本発明の上記構成によれば、上記構成の噴流型内熱低温
乾留装置において、流動化装置内に落下ないし流入した
異物、燃焼灰又は粗大石炭粒子等を比較的容易に系外に
排出し得るとともに、乾留装置の運転初期に先混合型バ
ーナノズルとして機能し得る流動化装置を備えた噴流型
内熱低温乾留装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る噴流型内熱低温乾留装置
の全体構成を示す概略縦断面図である。
【図2】図1に示す噴流型内熱低温乾留装置におけるウ
ィンドボックスの構造を示す横断面図である。
【図3】図1に示す噴流型内熱低温乾留装置におけるス
ロート部及びウィンドボックスの構造を示す縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1 乾留装置 10 内熱炉 11 噴流部 12 浮遊部 14 連続炉内領域 18 円錐状内周面 19 円筒状内周面 20 給炭装置 21 給炭バンカー 22 スクリュー式フィーダー 30 ウィンドボックス 31 スロート部 32 ハウジング 33 空気導入口 34 蒸気導入装置 36 蒸気導入管 37 蒸気吐出口 38 垂直ガイド 40 排出装置 43 開閉弁装置 50 サイクロンホッパー 51 耐火ダクト

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 噴流型流動炉を構成する内熱炉と、所定
    粒度に調整された炭化水素系原料を前記内熱炉に装入す
    る給炭装置と、前記内熱炉の下部域に配設された流動化
    装置とを有し、前記内熱炉の炉内領域は、噴流層を構成
    する逆錐形の噴流部と、前記炭化水素系原料の粒子を炉
    内領域に浮遊せしめ、該粒子の所要の炉内滞在時間を確
    保する円筒形浮遊部とを有し、 前記噴流部は、下方に向かって縮径する円錐形内壁面を
    備えるとともに、前記炭化水素系原料の粒子を上方に吹
    上げる空気及び/又は水蒸気の高速給気流を吐出するス
    ロート部を下端部収束領域に備え、 前記浮遊部は、該噴流部の上位大径部分と整合し且つ一
    体的に連接する所定内径の円筒状内周壁面を備え、前記
    高速給気流にて浮遊した前記炭化水素系原料の粒子を自
    由落下に抗して炉内領域に所要時間滞在せしめる浮遊域
    を前記噴流部の上方域に画成することを特徴とする噴流
    型内熱低温乾留装置。
  2. 【請求項2】 噴流型流動炉を構成する内熱炉と、所定
    粒度に調整された炭化水素系原料を前記内熱炉に装入す
    る給炭装置と、前記内熱炉の下部域に配設された流動化
    装置とを有し、前記内熱炉の炉内領域は、噴流層を構成
    する逆錐形の噴流部と、前記炭化水素系原料の粒子を炉
    内領域に浮遊せしめ、該粒子の所要の炉内滞在時間を確
    保する円筒形浮遊部とを有し、 前記噴流部は、下方に向かって縮径する円錐形内壁面を
    備えるとともに、空気及び/又は水蒸気の噴出気流を吐
    出するスロート部を下端部収束領域に備え、該噴出気流
    は、前記炭化水素系原料の粒子を上方に吹上げるように
    前記スロート部を吹抜け、 前記スロート部の下方域に配置された流動化装置は、前
    記スロート部と連通する給気流混合領域を形成するハウ
    ジングと、前記給気流混合領域に開口する空気流入口
    と、前記給気流混合領域に上下変位可能に支持された高
    さ調節可能な水蒸気供給管とを備え、前記水蒸気供給管
    の上端部は、前記スロート部に隣接して開口する水蒸気
    吐出口を備えることを特徴とする噴流型内熱低温乾留装
    置。
  3. 【請求項3】 前記流動化装置のハウジング内に自由落
    下した異物又は粗大粒子等を排出可能な排出装置が前記
    ハウジングに連結され、該排出装置は、前記異物又は粗
    大粒子等の系外排出路を選択的に開閉可能な開閉弁装置
    を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の噴流
    型内熱低温乾留装置。
  4. 【請求項4】 前記流動化装置を構成する水蒸気供給管
    には、燃焼用炭化水素系燃料を供給する燃料供給手段が
    連結され、該燃料供給手段は、前記乾留装置の運転初期
    に前記スロート部に燃焼用燃料を供給することを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の噴流型内熱
    低温乾留装置。
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