JPH0816947A - 感知装置並びにそれを用いた防災システムおよび電子機器および異常検出方法および検出素子並びにそれを用いた検出装置の試験方法 - Google Patents
感知装置並びにそれを用いた防災システムおよび電子機器および異常検出方法および検出素子並びにそれを用いた検出装置の試験方法Info
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- JPH0816947A JPH0816947A JP26202794A JP26202794A JPH0816947A JP H0816947 A JPH0816947 A JP H0816947A JP 26202794 A JP26202794 A JP 26202794A JP 26202794 A JP26202794 A JP 26202794A JP H0816947 A JPH0816947 A JP H0816947A
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Abstract
検出することができ、さらには、発生した火災のタイプ
を判別して出力することの可能な感知装置を提供する。 【構成】 検出素子,例えば有機半導体素子X1は、有
炎火災時に生ずるガスと燻焼火災時に生ずるガスとの両
方に対して特性値,例えば抵抗値が変化し、かつ、有炎
火災時に生ずるガスと燻焼火災時に生ずるガスとでは特
性値変化の極性が異なるという性質を有している。この
性質を利用し、例えば、素子X1の抵抗値を抵抗値抽出
器11で抽出し、抵抗減少判別器12,抵抗増加判別器
13で抵抗値の減少,増加を判別し、これらの判別結果
に基づき情報出力回路14から所定の信号を出力するこ
とによって、火災発生を検出し、および/または、火災
のタイプ(性状)を検出する。
Description
するための感知装置及び防災システム及び電子機器及び
異常検出方法及び検出素子及び検出装置の試験方法に関
する。
て、熱感知器,光電式煙感知器,イオン化式煙感知器,
炎感知器が知られている。また、このような感知装置
は、例えばビルの室内の所定場所に設置されて防災シス
テムを構築したりするのに用いられている。
には、大別して、有炎火災,燻焼火災の2つのタイプの
ものがあるが、従来では、全てのタイプの火災に対して
適用可能な感知器は知られていない。
器,イオン化式煙感知器,炎感知器の特性は、次表(表
1)のようなものとなっており、熱感知器,炎感知器
は、有炎火災に対しては優れた検出性能を有するが、燻
焼火災を良好に検出することはできない。また、光電式
煙感知器,イオン化式煙感知器では、完全燃焼の有炎火
災を良好に検出することができない。
防災システムを構築する場合、感知器の設定される環境
にどのタイプの火災発生が予測されるかを予め調べ、感
知器の種別を選択する必要があり、選択した感知器の種
別が不適切なものである場合には、火災を検出すること
ができないという問題があった。また、適切な種別の感
知器が選択され設置されたとしても、予想しないタイプ
の火災が発生したときには、この火災を検出することが
できないという問題があった。
が発生した場合にもこれを検出することができ、さらに
は、発生した異常(火災)のタイプを判別して出力するこ
との可能な感知装置並びにそれを用いた防災システム及
び電子機器及び異常検出方法及び検出素子及び検出装置
の試験方法を提供することを目的としている。
成するために、請求項1,請求項2,請求項19記載の
発明は、電子アクセプター性ガスと電子ドナー性ガスと
の両方に対して所定の特性値が変化し、かつ、電子アク
セプター性ガスと電子ドナー性ガスとでは特性値変化の
極性が異なる性質をもつ素子を用いて、異常(火災)の発
生を検出し、および/または、異常(火災)のタイプ(性
状)を検出するようになっていることを特徴としてい
る。ここで、上記のような性質をもつ素子としては、請
求項12に記載のように、金属置換フタロシアニン類,
金属酸化物を添加した金属置換フタロシアニン類,ある
いはイオンドープしたポリマー類などの有機半導体素
子、あるいは、半導体レベルの電気伝導度をもつ金属酸
化物などの無機半導体素子があり、また、これらの素子
を用いる場合には、装置の小型化が可能となる。
は、上記の性質をもつ素子を有する検知手段と、検知手
段の素子の特性値の変化を監視し、特性値の変化に応じ
た情報を出力する特性監視手段とを備えていることを特
徴としている。
記載のように、素子の特性値として素子の抵抗値を監視
し、特性値としての抵抗値が所定時間内に所定値以上減
少または増加するときに、異常(例えば火災)が発生した
旨の情報を出力するように特性監視手段が構成されてい
る場合には、異常が有炎火災と燻焼火災のいずれのタイ
プのものであっても、素子の抵抗値が変化するので、全
てのタイプの火災をこの感知装置で検出することができ
る。
ように、特性値としての抵抗値が所定時間内に所定量減
少したか増加したかの極性を検知する極性検知機能が特
性監視手段に設けられており、抵抗値が所定時間内に所
定値以上減少または増加するときに、減少または増加の
極性に対応した性状情報を出力するように特性監視手段
が構成されている場合には、有炎火災のときと燻焼火災
のときとでは、素子の抵抗値の変化極性が異なるので、
この極性を検知することで、有炎火災であるのか燻焼火
災であるのかの別をこの感知装置で性状情報として検出
し、これを出力することができる。
が、所定の導電型をもつ1つの素子からなっている場合
には、抵抗値としては、この素子の抵抗値の減少,増加
が監視される。また、請求項6記載のように、検知手段
が、所定の導電型をもつ第1の素子と、第1の素子とは
反対の導電型をもつ第2の素子とが直列に接続されて構
成されている場合には、抵抗値としては、両方の素子の
抵抗値を反映した抵抗値の減少,増加が監視される。こ
の場合には、ガスに晒されたときの抵抗値の変化は、1
つの素子だけの抵抗値の変化よりも大きく、従って、異
常(火災)の発生、および/または、異常(火災)の性状を
より高感度に検知することができる。
手段が、素子と直列に接続された抽出用素子の両端間の
電位差を素子の特性値として抽出するようになってお
り、該抽出用素子が、その両端間の電位差が時間的に緩
やかに変化するときには、これに追従して抽出用素子の
特性値が変化し、両端間の電位差の緩やかな変化を相殺
するように制御され、また、その両端間の電位差が急激
に変化するときには、これに追従しないように制御さ
れ、その両端間の急激な変化のみが素子の特性値として
抽出されて出力されるようになっている場合、検出素子
の抵抗が雑ガスの影響を受けて緩やかに変化するときに
も、この変化を相殺し、検出素子の抵抗値の急激な変化
のみを抽出することができる。
に、従来公知となっている任意の感知器からの検出結果
と、前記抵抗減少判別手段,前記抵抗増加判別手段から
の判別結果とを組み合わせて、所定の異常情報を出力す
る場合には、より信頼性良く異常情報を出力することが
できる。
ように、このような感知装置を防災システム,電子機器
に用いる場合、どのようなタイプの火災であっても火災
の発生を正確にかつ迅速に検出することができる。ま
た、火災のタイプ(性状)をも検出可能であるので、検出
した火災のタイプ(性状)に応じた適切な処置を迅速に講
ずることができる。
極と、該第1の電極に対向して配置される第2および第
3の電極とを少なくとも有し、第2および第3の電極
が、互いに接続されたり切り離されたりするよう、接続
と切離しとが切換可能になっている検出素子を用いた検
出装置の試験方法であって、検出装置が、検出素子の第
1の電極と第2の電極との間の状態変化を監視し、第1
の電極と第2の電極との間の状態変化に基づいて所定の
検出結果を出力するものである場合に、第2および第3
の電極の接続と切離しとを切換えたときに、素子の見か
け上の状態変化を検出装置が検出して所定の検出結果を
出力するか否かにより、検出装置を簡単な仕方で信頼性
良く試験することができる。
する。
る検出素子の一例を示す図であり、図1(a)は平面図、
図1(b)は図1(a)のA−A線における断面図である。
図1(a),(b)を参照すると、この検出素子は、例え
ば、基質(ガラス,アルミナ,シリコン基板など)100
上に、銅,鉛,ニッケル,コバルト,亜鉛等の金属フタ
ロシアニンを主体としたフタロシアニン層101が蒸着
形成され、フタロシアニン層101上に、金,白金等か
らなる2つの櫛形電極102,103が蒸着形成され
て、有機半導体素子として構成されている。ここで、基
質100は、例えば大きさが3mm×3mm程度、厚さ
が約1mm程度のものであり、また、フタロシアニン層
101の厚さは、例えば10nm〜数100ミクロン程
度のものである。なお、素子の大きさについては、これ
をさらに小さくすることも可能であり、また、電極10
2,103は直接基質100上に蒸着されても良く、こ
れによって素子の小型化を図ることも可能である。
機半導体素子は、p型半導体素子として振る舞い、この
素子を二酸化窒素ガスに晒すと、この素子の電極10
2,103間の抵抗値が減少することが知られている。
すなわち、鉛フタロシアニン,ニッケルフタロシアニ
ン,コバルトフタロシアニンのようなp型半導体として
機能する有機半導体では、二酸化窒素ガスが電子アクセ
プターガスとして働き、抵抗値が減少する。
シアニン,コバルトフタロシアニンなどに、酸化ルテニ
ウム(RuO2),パラジウム(Pd)等が添加(混入)さ
れた有機半導体は、n型半導体として振る舞い、このよ
うな素子を電子アクセプターガスに晒すと、抵抗値が増
加することが知られている。このように、有機半導体素
子は、本来、p型半導体として振る舞うが、触媒や金属
酸化物をドープすることによってn型半導体にすること
も可能である。
て、基質100上に、フタロシアニン層101のかわり
に、半導体レベルの電気伝導度をもつ金属酸化物の層1
01'を形成し、この金属酸化物層上に2つの櫛形電極
102,103を形成して、この検出素子を無機半導体
素子として構成することもでき、検出素子をこのような
無機半導体素子として構成する場合にも、上述した有機
半導体素子と同様の性質をもたせることができる。
酸化亜鉛,酸化鉄等やこれらを主成分としたものを用い
る場合、この金属酸化物は、電子アクセプターガスに晒
すと、抵抗値が増加し、n型半導体として振舞う。
ロム,酸化ニッケル等やこれらを主成分としたものを用
いる場合、この金属酸化物は、電子アクセプターガスに
晒すと、抵抗値が減少し、p型半導体として振舞う。
101のかわりに、上述のような金属酸化物の層10
1'を形成して無機半導体素子を得る場合にも、金属酸
化物層101'の厚さを、フタロシアニン層101の場
合と同様、例えば10nm〜数100ミクロン程度のも
のにすることができる。また、無機半導体素子の大きさ
を、有機半導体素子と同様、3mm×3mm程度、さら
にこれよりも小さくすることができ、また、電極10
2,103は、直接基質100上に蒸着されても良く、
これによって、有機半導体素子と同様に、素子の小型化
を図ることができる。
出素子(有機半導体素子,無機半導体素子)に各種火災か
ら発生するガスを晒し、そのときの素子の抵抗値の変化
を調べた。次表(表2)には、その結果が示されている。
素子がp型のものである場合、素子の抵抗値は、有炎火
災のガスに晒されると減少し、また、燻焼火災のガスに
晒されると増加することを見出した。また、検出素子が
n型のものである場合、素子の抵抗値は、有炎火災のガ
スに晒されると増加し、また、燻焼火災のガスに晒され
ると減少することを見出した。すなわち、これらの素子
では、有炎火災から生じるガスは主に電子アクセプター
性ガスとして反応し、燻焼火災から生じるガスは主に電
子ドナー性ガスとして反応することを見出した。
出素子の電子アクセプター性ガス,電子ドナー性ガスに
対する応答特性RSP1,RSP2をそれぞれ示してい
る。なお、図2(a)の各応答特性RSP1,RSP2
は、図2(b)のように、検出素子と直列に抵抗200を
設け、検出素子と抵抗200に電源201によって所定
電圧Eを印加した状態で、素子を時刻t1から時刻t2ま
で電子アクセプター性ガス,電子ドナー性ガスにそれぞ
れ晒したときの素子の抵抗値の変化を、抵抗200の電
圧降下Vとして得たものである。図2(a)の応答特性R
SP1,RSP2から、検出素子では、電子アクセプタ
ー性ガス,電子ドナー性ガスのいずれに対しても抵抗値
が変化するが、電子アクセプター性ガスと電子ドナー性
ガスとでは、抵抗値の変化の極性が互いに異なることが
わかる。
火災のいずれの場合にも、検出素子(有機半導体素子,
無機半導体素子)の抵抗値が変化し、また、有炎火災と
燻焼火災とでは、検出素子の抵抗値変化の極性が異なる
という上記実験結果に着目してなされたものである。
す図である。図3を参照すると、この感知装置は、少な
くとも1つの有機半導体素子あるいは無機半導体素子か
らなる検知部1と、検知部1の所定の特性値の変化を監
視し、該所定の特性値の変化に基づき所定の異常情報を
出力する特性値監視部2とを有している。
は、検知部1の所定部分の抵抗値を上記所定の特性値と
して抽出する抵抗値抽出器11と、抽出された抵抗値に
基づき抵抗値が減少したかを判別する抵抗減少判別器1
2と、抽出された抵抗値に基づき抵抗値が増加したかを
判別する抵抗増加判別器13と、抵抗減少判別器12か
らの判別結果と抵抗増加判別器13からの判別結果とに
基づき所定の異常情報を出力する情報出力回路14とを
備えている。
別器12からの判別結果と抵抗増加判別器13からの判
別結果との論理和をとる論理和回路15を有し、論理和
回路15からの出力を異常発生信号(火災発生信号)Y
1として出力し、また、抵抗減少判別器12からの判別
結果を第1の異常性状信号(第1の火災性状信号)Y2
として出力し、抵抗増加判別器13からの判別結果を第
2の異常性状信号(第2の火災性状信号)Y3として出
力するようになっている。
成例を示す図である。図4の感知装置では、検知部1に
1つの検出素子X1が用いられている。ここで、検出素
子X1には、有機半導体である鉛フタロシアニンや金属
酸化物である酸化ニッケルのようなp型半導体としての
機能を有するものが用いられても良いし、酸化ルテニウ
ムとパラジウムが混入したフタロシアニン(有機半導体)
や金属酸化物である酸化スズのようなn型半導体として
の機能を有するものが用いられても良い。
に直列に接続される抵抗31と、検出素子X1と抵抗3
1に所定電圧Eを印加する電源32と、バッファ33と
により構成されており、検出素子X1の抵抗値を、抵抗
31の端子間の電圧Vとして抽出するようになってい
る。なお、バッファ33は、検出素子X1のインピーダ
ンスが極めて高いことから、抵抗31の端子間の電圧V
をインピーダンス変換して出力するために設けられてい
る。
抗34とコンデンサ35とからなるRC時定数回路と、
抵抗36と抵抗37とからなる電圧分割回路と、RC時
定数回路のコンデンサ35の端子間電圧V1が−側端子
に加わり、また、電圧分割回路の抵抗37の端子間電圧
V2が+側端子に加わって、+側端子の電圧V2が−側端
子の電圧V1よりも高いときに、論理値“1”の判別結
果を出力するコンパレータ38とにより構成されてい
る。
1,R2,R3、および、コンデンサ35の容量値C1は、
抵抗減少判別器12が、所定期間Δt以内で所定量ΔV
以上の電圧Vの増加のみを検出できるよう(所定時間Δ
t以内で所定量ΔR以上の素子X1の抵抗値の減少のみ
を検出できるよう)、適宜な値に設定されている。すな
わち、抵抗値R1,R2,R3および容量値C1は、所定時
間Δt以内に所定量ΔVだけ過渡的に増加する図5(a)
に示すような電圧Vに対しては、電圧V1と電圧V2とが
図5(b)に示す関係を満たし、また、所定量ΔV増加す
るのに所定時間Δt以上かかる図6(a)に示すような電
圧Vに対しては、電圧V1と電圧V2とが図6(b)に示す
ように、常にV2<V1の関係を満たし、また、所定量Δ
V以上には増加しない図7(a)に示すような電圧Vに対
しても、電圧V1と電圧V2とが図7(b)に示すように、
常にV2<V1の関係を満たすような適宜の値に設定され
ている。
少する場合(素子X1の抵抗値が増加する場合)には、図
8(b)に示すように、抵抗34,36,37の抵抗値R
1,R2,R3,コンデンサ35の容量値C1と無関係に、
常に、電圧V1は電圧V2よりも高くなる。
値R1,R2,R3,コンデンサ35の容量値C1が適切に
設定されていることにより、抵抗減少判別器12のコン
パレータ38の+側素子に加わる電圧V2は、電圧Vが
所定時間Δt以内に所定量ΔV以上増加したときにのみ
(電圧Vの変化が図5(a)のようになる場合にのみ)、電
圧V1よりも大きくなり、従って、コンパレータ38か
らは、この場合にのみ、論理値“1”が出力されるよう
になっている(図5(c))。
定量ΔV以上増加しないときには、電圧V2は電圧V1よ
りも常に小さく、従って、コンパレータ38から論理値
“1”が出力されることはない。これにより、経年変化
により電圧Vが緩やかに変動する場合,あるいは電子ド
ナー性ガスに晒されなくなったときに電圧Vが緩やかに
回復増加する場合などに(電圧Vが図6(a)のように変
化するときに)、コンパレータ38からは論理値“1”
が出力されることはないので(図6(c))、誤検出がなさ
れるのを有効に防止できる。また、電圧Vがノイズ的に
僅かに増加した場合などのときにも(電圧Vが図7
(a)のように変化するときにも)、コンパレータ38
からは論理値“1”が出力されることはないので(図7
(c))、誤検出がなされるのを有効に防止できる。
場合にも、電圧V2は図8(b)に示すように電圧V1より
も常に小さく、従って、コンパレータ38から論理値
“1”が出力されることはない(図8(c))。
抵抗40とコンデンサ43とからなるRC時定数回路
と、RC時定数回路の抵抗40の端子間電圧(すなわ
ち,コンデンサ43の端子間電圧)V3が+側に加わり、
また、電圧Vが電圧V4として−側に加わって、+側端
子の電圧V3が−側端子の電圧V4よりも高いときに、論
理値“1”の判別結果を出力するコンパレータ44とに
より構成されている。
R6、および、コンデンサ43の容量値C2は、抵抗増加
判別器13が、所定期間Δt以内で所定量ΔV'以上の
電圧Vの減少のみを検出できるよう(所定時間Δt以内
で所定量ΔR'以上の素子X1の抵抗値の増加のみを検
出できるよう)、適宜な値に設定されている。すなわ
ち、抵抗値R5,R6および容量値C2は、所定時間Δt
以内に所定量ΔV'だけ過渡的に減少する図9(a)に示
すような電圧Vに対しては、電圧V3と電圧V4とが図9
(b)に示す関係を満たし、また、所定量ΔV'減少する
のに所定時間Δt以上かかる図10(a)に示すような電
圧Vに対しては、電圧V3と電圧V4とが図10(b)に示
すように、常にV3<V4の関係を満たし、また、所定量
ΔV'以上には減少しない図11(a)に示すような電圧
Vに対しても、電圧V3と電圧V4とが図11(b)に示す
ように、常にV3<V4の関係を満たすような適宜の値に
設定されている。
に、増加する場合(素子X1の抵抗値が減少する場合)に
は、図12(b)に示すように、抵抗40,42の抵抗値
R5,R6,コンデンサ43の容量値C2と無関係に、常
に、電圧V4は電圧V3よりも高くなる。
R5,R6,コンデンサ43の容量値C2が適切に設定さ
れていることにより、抵抗増加判別器13のコンパレー
タ44の+側端子に加わる電圧V3は、電圧Vが所定時
間Δt以内に所定量ΔV'以上減少したときにのみ(電圧
Vの変化が図9(a)のようになる場合にのみ)、電圧V4
よりも大きくなり、従って、コンパレータ44からは、
この場合にのみ、論理値“1”が出力されるようになっ
ている(図9(c))。
定量ΔV'以上減少しないときには、電圧V3は電圧V4
よりも常に小さく、従って、コンパレータ44から論理
値“1”が出力されることはない。これにより、経年変
化により電圧Vが緩やかに変動する場合,あるいは電子
アクセプター性ガスに晒されなくなったときに電圧Vが
緩やかに回復減少する場合などに(電圧Vが図10(a)
のように変化するときに)、コンパレータ44から論理
値“1”が出力されることはないので(図10(c))、誤
検出がなされるのを有効に防止できる。また、電圧Vが
ノイズ的に僅かに減少した場合などのときにも(電圧V
が図11(a)のように変化するときにも)、コンパレー
タ44からは論理値“1”が出力されることはないので
(図11(c))、誤検出がなされるのを有効に防止でき
る。
る場合にも、電圧V3は図12(b)に示すように電圧V4
よりも常に小さく、従って、コンパレータ44から論理
値“1”が出力されることはない(図12(c))。
図4に示した第1の具体的な構成例に基づいて説明す
る。
は、異常(火災)が発生し検出ガス(燃焼ガス)が発生す
るときに、このガスに検出素子(有機半導体素子あるい
は無機半導体素子)X1が晒されるように、検知部1を
配置する。検出素子X1として、例えば、p型半導体の
機能をもつ鉛フタロシアニンなどの有機半導体素子や酸
化ニッケルなどの金属酸化物素子(無機半導体素子)が用
いられる場合、この検出素子X1が有炎火災から生ずる
燃焼ガスのうちの電子アクセプター性ガスに晒される
と、その抵抗値が急激に減少し、抵抗値抽出器11の抵
抗31の端子間電圧Vは、図2(a)の応答特性RSP1
のように急激に増加する。すなわち、検出素子X1がい
かなるガスにも晒されていないときの抵抗31の端子間
電圧をV0とするとき、抵抗31の端子間電圧Vは、素
子X1が例えば時刻t1に有炎火災から生ずる電子アク
セプター性ガスに晒されるときには、図5(a)に示すよ
うに、V0から開始して所定時間Δt以内に所定量ΔV
以上増加する。この端子間電圧Vは、バッファ33を介
して抵抗減少判別器12と抵抗増加判別器13とに加わ
る。
は、抵抗減少判別器12では、RC時定数回路のコンデ
ンサ35の端子間電圧V1,電圧分割回路の抵抗37の
端子間電圧V2が図5(b)に示すように変化し、これに
より、コンパレータ38からは、図5(c)に示すよう
に、論理値“1”の信号が出力される。この結果、情報
出力回路14からは、異常発生信号(火災発生信号)Y1
と第1の異常性状信号(第1の火災性状信号)Y2とが出
力される。なお、このとき、抵抗増加判別器13のコン
パレータ44からの出力は、論理値“0”であるので、
第2の異常性状信号(第2の火災性状信号)Y3は出力さ
れない。
ター性ガスに晒されなくなるときには、抵抗31の端子
間電圧Vは、図2(a)の応答特性RSP1に示すよう
に、電圧V0に向かって立下る(回復する)が、この立下
り(回復)は緩やかであるので、所定時間Δt以内に所定
量ΔV’以上は減少せず、従って、このときに、抵抗増
加判別器13が誤まって動作することはない。すなわ
ち、応答特性RSP1の回復時には、いずれの信号Y
1,Y2,Y3も出力されることはない。
から生ずる燃焼ガスのうちの電子アクセプター性ガスに
晒されるとき、これを確実に検知し、火災発生信号Y1
と、第1の火災性状信号Y2とを迅速に出力することが
できる。
ずる燃焼ガスのうちの電子ドナー性ガスに晒される場合
には、その抵抗値が急激に増加し、抵抗値抽出器11の
抵抗31の端子間電圧Vは、図2(a)の応答特性RSP
2のように急激に減少する。すなわち、検出素子X1が
いかなるガスにも晒されていないときの抵抗31の端子
間電圧をV0とするとき、抵抗の端子間電圧Vは、素子
X1が例えば時刻t1に燻焼火災から生ずる電子ドナー
性ガスに晒されるときには、図9(a)に示すように、V
0から開始して所定時間Δt以内に所定量ΔV'以上減少
する。この端子間電圧Vは、バッファ33を介して抵抗
減少判別器12と抵抗増加判別器13とに加わる。
は、抵抗増加判別器13では、RC時定数回路のコンデ
ンサ43の端子間電圧V3が図9(b)に示すように変化
し、これにより、コンパレータ44からは、図9(c)に
示すように、論理値“1”の信号が出力される。この結
果、情報出力回路14からは、異常発生信号(火災発生
信号)Y1と第2の異常性状信号(第2の火災性状信号)
Y3とが出力される。なお、このとき、抵抗減少判別器
12のコンパレータ38の出力は、論理値“0”である
ので、第1の異常性状信号(第1の火災性状信号)Y2は
出力されない。
ガスに晒されなくなるときには、コンデンサ43の端子
間電圧V3は、図2(a)の応答特性RSP2に示すよう
に、電圧V0に向かって立上がる(回復する)が、この立
上り(回復)は緩やかであるので、所定時間Δt以内に所
定量ΔV以上は減少せず、従って、このときに、抵抗減
少判別器12が誤まって動作することはない。すなわ
ち、応答特性RSP2の回復時には、いずれの信号Y
1,Y2,Y3も出力されることはない。
から生ずる燃焼ガスのうちの電子ドナー性ガスに晒され
るときにも、これを確実に検知し、火災発生信号Y1
と、第2の火災性状信号Y3とを迅速に出力することが
できる。
置を用いることにより、有炎火災(完全燃焼の有炎火
災,不完全燃焼の有炎火災の両方を含む)が発生する場
合,燻焼火災が発生する場合のいずれの場合にも、火災
発生信号Y1が出力されるので、これにより、火災の発
生を検出することができる。また、素子X1として、有
機半導体である鉛フタロシアニンや金属酸化物である酸
化ニッケルのようなp型半導体を用いると、有炎火災が
発生する場合には、第1の火災性状信号Y2が出力さ
れ、また、燻焼火災が発生する場合には、第2の火災性
状信号Y3が出力されるので、これにより、どのタイプ
(性状)の火災が発生したかを検出することができる。
機半導体素子,無機半導体素子を用いており、また信号
処理回路も簡単な構成であるので、全体として小型化,
低コスト化を図ることができる。
構成例を示す図である。図13の感知装置では、検知部
1に、p型半導体として機能する第1の検出素子X2と
n型半導体として機能する第2の検出素子X3との2つ
の検出素子を用い、これら2つの検出素子X2,X3を
直列に接続し、その接続交点CSの電圧変化を検知する
よう構成されている。すなわち、図4の構成例と比べ、
抵抗31のかわりにn型半導体の検出素子X3が設けら
れた構成となっている。なお、p型半導体として機能す
る第1の検出素子X2としては、鉛フタロシアニンなど
の有機半導体素子や酸化ニッケルなどの金属酸化物素子
(無機半導体素子)などが用いられ、また、n型半導体と
して機能する検出素子X3には、酸化ルテニウムとパラ
ジウムが混入したフタロシアニンのなどの有機半導体素
子や酸化スズなどの金属酸化物素子(無機半導体素子)が
用いられる。
電子アクセプター性ガスに晒されるとき、p型半導体と
して機能する第1の検出素子X2は抵抗値が減少する一
方、n型半導体として機能する第2の検出素子X3は抵
抗値が増加する。また、燻焼火災のような電子ドナー性
ガスに晒されるとき、p型半導体として機能する第1の
検出素子X2は抵抗値が増加する一方、n型半導体とし
て機能する第2の検出素子X3は抵抗値が減少する。
子ドナー性ガスに晒されるときに2つの検出素子X2,
X3の抵抗変化によって接続交点CSから得られる電圧
変化は、図4の感知装置において抵抗31の端子間に得
られる電圧変化に比べて、倍加され、ガス検知をより高
感度に行なうことができる。また、第2の検出素子X3
として、温度変化により、第1の検出素子X2と同様の
抵抗変化をするものを用いる場合には、温度による抵抗
の変化は、素子X2と素子X3との両者においてバラン
スがとれ、これにより、温度変化によっては交点CSに
おける電圧が影響されず(変化せず)、ガス検出の信頼性
を向上させることができる。また、素子X2,X3の湿
度によるリークがある場合にも、素子X2の湿度による
特性が素子X3の湿度によりリーク特性とほぼ同じもの
である場合には、湿度によるリークがあっても、これに
よっては接続交点CSにおける電圧が影響されず(変化
せず)、ガス検出の信頼性を向上させることができる。
素子X1,素子X2にp型半導体を用いたが、素子X
1,素子X2にn型半導体のものを用いることもできる
(この場合、図13の感知装置では、素子X3にp型半
導体のものを用いる)。このときには、上述した説明と
は逆に、燻焼火災のときに第1の火災性状信号Y2が出
力され、有炎火災のときに第2の火災性状信号Y3が出
力される。
て、例えば抵抗31または素子X3の抵抗値が素子X1
または素子X2の抵抗値に比べて非常に小さい場合に
は、信号(電圧)Vは非常に小さなものとなり、信号(電
圧)Vを十分に検出することができなくなる。従って、
素子X1または素子X2に直列接続される抵抗31また
は素子X3としては、素子X1または素子X2の抵抗値
になるべく近い抵抗値をもつものを用いるのが良い。
導体のものである場合、その抵抗は、櫛型電極の形状
(櫛間の間隔や櫛の長さなど)等に応じて、107Ω〜1
011Ω程度であり、従って、抵抗31または素子X3と
しては、素子X1または素子X2の抵抗値が107Ω程
度であれば、107Ωになるべく近い抵抗値のものを用
い、また、素子X1またはX2の抵抗値が1011Ω程度
であれば、1011Ωになるべく近い抵抗値のものを用い
るのが良い。
常の環境下において、雑ガスの吸着,脱離により、抵抗
値が緩やかに変化する。図4または図13の感知装置で
は、前述したように、抵抗減少判別器12,抵抗増加判
別器13において、抵抗値が所定の時間内に所定量変化
する場合のみを検知し、従って、抵抗値の緩やかな変化
は検知せず、このような雑ガスからの影響を受けないよ
うに構成されているが、これのかわりに、抵抗減少判別
器12,抵抗増加判別器13での処理に先立って、雑ガ
スからの影響による素子X1またはX2の抵抗値の緩や
かな変化に基づく電圧の緩やかな変化を、相殺できるよ
うな機構が設けられていても良い。
X1に直列に接続されている抵抗31は、固定抵抗値の
ものであるので、この抵抗31の両端の電圧Vは、素子
X1の抵抗値が雑ガスからの影響によって緩やかに変化
するときに、これに応じて緩やかに変化し、これがノイ
ズ成分となる。また、図13の感知装置では、素子X2
が例えばp型半導体のものであるとき、これに直列に接
続されている素子X3はn型半導体のものであるので、
交点CSの電圧Vは、素子X2,素子X3の抵抗値が雑
ガスからの影響によって緩やかに変化するとき、その約
2倍の変化率で変化し、これがノイズ成分となる。
はX2の抵抗値が急激に変化するときにのみ、急激に変
化する電圧Vを出力し、素子X1またはX2の抵抗値が
緩やかに変化するときには、これに影響されずにほとん
ど変化しないほぼ一定の電圧Vが出力されるような機構
(すなわち、電圧Vにノイズ成分として重畳しないよう
な機構)を設け、これにより、判別処理に先立ってノイ
ズの影響を予め相殺するようにしても良い。
殺するようにした感知装置の具体的な構成例を示す図で
ある。なお、図14には、図3の感知装置において、特
に、検知部1と抵抗値抽出器11に対応する構成が示さ
れている。図14の構成例では、検知部1に、例えばp
型半導体として機能する1つの検出素子(X1またはX
2と同様の検出素子)X4が用いられている。また、抵
抗値抽出器11として、検出素子X4に直列に接続され
るアナログスイッチ(トランスミッションゲート)71
と、抵抗72とコンデンサ73とからなる第1のRC時
定数回路と、抵抗75とコンデンサ76とからなる第2
のRC時定数回路と、抵抗78と抵抗79とからなる電
圧分割回路と、検出素子X4とアナログスイッチ71に
電源から所定電圧Eを与えた状態で、検出素子X4とア
ナログスイッチ71との接続交点CSの電圧Vがゲート
電圧として加わり、電源からの所定電圧Eがドレインに
加わり、また、ソース側が抵抗80を介して接地されて
おり、ソース電圧が検出電圧V’として最終的に抽出さ
れる電界効果型トランジスタ(FET)81と、トランジ
スタ81のソース電圧V’が+側端子に加わり、また、
電圧分割回路の抵抗79の端子間電圧V6が−側端子に
加わって、ソース電圧V’と抵抗79の端子間電圧V6
との差電圧(V’−V6)を第1のRC時定数回路を介し
てアナログスイッチ71のコントロール電圧として出力
する差分回路(コンパレータ)82と、第1のRC時定数
回路の抵抗72と並列に接続され、第2のRC時定数回
路の抵抗75の端子間電圧V7がコントロール電圧とし
て加わるアナログスイッチ(トランスミッションゲート)
83とを有している。
スイッチ71との接続交点CSの電圧Vが電界効果型ト
ランジスタ81のゲートに加わり、この電界効果型トラ
ンジスタ81のドレイン,ソース間に電流が流れると
き、ゲート,ソース間の電圧降下をVgsとすると、ソー
ス電圧V’は、(V−Vgs)となる。このソース電圧V’
は、差分回路82の+側端子に加わり、差分回路82か
らは、ソース電圧V’と差分回路82の−側端子電圧V
6との差電圧(V’−V6)が出力される。
の影響によって時間的に緩やかに変化し、接続交点CS
の電圧Vが、例えば図15(a)に符号Vr1あるいは符号
Vr2で示すように時間的に緩やかに変化するときには、
ソース電圧V’もこれを反映して時間的に緩やかに変化
する。差分回路82の−側端子電圧V6は、電源電圧E
を一定の比で分割したものであり、一定値となっている
ので、差分回路82からの差電圧(V’−V6)も接続交
点CSの電圧Vを反映して時間的に緩やかに変化する。
らなる第1のRC時定数回路は、差分回路82からの差
電圧(V’−V6)が緩やかに変化するものであるので、
これをほぼ直流電圧のものとして波形変形せずにアナロ
グスイッチ71にコントロール電圧VCNTとして加え
る。この結果、接続交点CSの電圧Vが図15(a)に符
号Vr1あるいは符号Vr2で示すように、時間的に緩やか
に増加し、あるいは減少するときには、アナログスイッ
チ71のコントロール電圧VCNTも、図15(b)に示す
ように、図15(a)の符号Vr1あるいは符号Vr2で示す
電圧波形を反映した電圧VCNT1あるいはVCNT2となり、
アナログスイッチ71は、その入出力間の電圧(抵抗
値),すなわち接続交点CSの電圧Vを減少させ、ある
いは増加させるように働く。
点CSの電圧Vが緩やかに変化するとき、所定の時間遅
延後、接続交点CSの電圧Vを、その変化の方向とは、
反対の方向に変化させる(電圧Vが増加するときには減
少させ、電圧Vが減少するときには増加させる)フィー
ドバック制御ループによって、接続交点CSの電圧Vが
ほぼ一定の電圧となるようにしている。従って、素子X
4の抵抗値が雑ガスの影響を受けて時間的に緩やかに変
化するときにも、接続交点CSの電圧Vは、このフィー
ドバック制御により、符号VCで示すように、ほぼ一定
のものとなり、ソース電圧V’をも、ほぼ一定のものに
することができ、これを抽出結果(検出電圧)として出力
することができる。
ガスあるいは電子ドナー性ガスに晒されて、その抵抗値
が、急激に減少あるいは増加し、接続交点CSの電圧V
が図16(a)に符号Vr1あるいは符号Vr2で示すよう
に、時間的に急激に変化するときには、これを反映し
て、ソース電圧V’も時間的に急激に変化し、また、差
分回路82からの差電圧(V’−V6)も時間的に急激に
変化する。
的に急激に変化する差電圧(V’−V6)をそのRC時定
数で緩和し、緩やかな波形に変形してアナログスイッチ
71にコントロール電圧VCNTとして加える。この結
果、アナログスイッチ71のコントロール電圧V
CNTは、図16(b)に符号VCNT1あるいはVCNT2で示す
ようになり、アナログスイッチ71は、このコントロー
ル電圧によってその入出力間の電圧(抵抗値)を変化させ
ても、図16(a)に示すような急激な電圧変化には追従
しない。従って、接続交点CSの電圧Vの急激な変化
は、アナログスイッチ71の抵抗値変化によってはほと
んど影響を受けず、ソース電圧V’も、ほぼ図16(a)
を反映した時間的に急激に変化するものとなり、これを
抽出結果(検出電圧)として出力することができる。
4の抵抗値が緩やかに変化するときには、ほぼ一定の電
圧V’を抽出結果として出力することができ、素子X4
の抵抗値が急激に変化するときには、これに応じた急激
に変化する電圧V’を抽出結果として出力することがで
きるので、雑ガスなどによるノイズの影響を受けずに、
検出素子X4の特定のガスによる抵抗値変化のみを電圧
変化として信頼性良く得ることができる。
ッチ71として、CMOSのトランスミッションゲート
を用いることができ、この場合、アナログスイッチ71
の抵抗値を平均的に107Ω〜1011Ω程度のものにす
ることができる。従って、アナログスイッチ71とし
て、使用される検出素子X4の抵抗値とほぼ同程度の抵
抗値をもつものを用いれば、平常状態時において、接続
交点CSの電圧Vを電源電圧Eの1/2程度の電圧値
(E/2程度)にすることができる。なお、このときに
は、差分回路82の−側端子電圧V6が(E/2−Vgs)
となるように、電圧分割回路の抵抗78および抵抗79
を設定しておく必要がある。
子X4とほぼ同程度の抵抗値をもつアナログスイッチ7
1が用いられることにより、信号(電圧)Vを十分に大き
なものとすることができ、抽出結果である信号(電圧)
V’を、これを検出させるのに十分な大きなものにする
ことができる。
動作は、電源を投入後、所定の時間が経過し、回路全体
がほぼ定常的な状態になった後(交点CSの電圧がほぼ
E/2程度になった後)なされるのが良い。
た状態になるまでの時間(すなわち、交点CSの電圧V
がE/2程度となるまでの時間)は、第1のRC時定数
回路によって定まり、この時間は、なるべく短かい方が
良い。図14の構成例において、第1のRC時定数回路
の抵抗72と並列に接続されているアナログスイッチ
(トランスミッションゲート)83は、電源投入後、交点
CSの電圧Vを、短時間のうちに、ほぼE/2程度にす
るために設けられている。
状態では、アナログスイッチ83のコントロール電圧
は、所定値以下となっており、アナログスイッチ83は
オフの状態となっているが、電源が投入された直後は、
抵抗75とコンデンサ76とからなる第2のRC時定数
回路によって、アナログスイッチ83のコントロール電
圧は過渡的に所定の電圧値以上となり、アナログスイッ
チ83がオンになる(アナログスイッチ83が導通状態
となる)。この結果、第1のRC時定数回路の抵抗72
両端はほぼ短絡状態となり、これにより、コンデンサ7
3は急速に充電され、この電圧がアナログスイッチ71
のコントロール電圧として加わることで、交点CSの電
圧を迅速にE/2程度にすることができる。
コントロール電圧V7によってオン・オフ作動するもの
であり、トランスファ領域で作動させるアナログスイッ
チ71とは、その作動の態様を異にしている。
ッチ71は、その両端間の電圧(抵抗値)をコントロール
電圧によって、可変制御する電圧制御型可変素子(可変
抵抗器)として機能し、このような電圧制御型可変素子
として機能するものであれば、アナログスイッチ71に
限らず、任意の素子を用いることができる。
流制御型可変素子(可変抵抗器)を用いることもできる。
図17は電圧制御型可変素子のかわりに電流制御型可変
素子を用いた感知装置の具体例を示す図である。なお、
図17において図14と対応する箇所には同じ符号を付
している。
として、フォトカプラ85が用いられている。より詳細
に、図17の構成例では、検出素子X4には、フォトカ
プラ85のフォトトランジスタ86が直列に接続されて
いる。また、抵抗72とコンデンサ73とからなる第1
のRC時定数回路の出力段には、インピーダンス変換回
路90を介してフォトカプラ85の発光ダイオード87
が接続されている。なお、インピーダンス変換回路90
は、演算増幅器88と所定の抵抗値をもつ抵抗89とに
より構成されている。
値が、雑ガスなどの影響によって、時間的に緩やかに変
化し、接続交点CSの電圧Vが図15(a)に符号Vr1あ
るいは符号Vr2で示すように、時間的に緩やかに変化す
るときには、第1のRC時定数回路は、これをほぼ直流
電圧のものとして波形変形せずに、インピーダンス変換
回路90を介して、フォトカプラ85の発光ダイオード
87に加える。すなわち、この場合、発光ダイオード8
7に加わる電圧(発光ダイオード87に供給される電流)
は、図15(b)に示したと同様に、図15(a)の符号V
r1あるいは符号Vr2で示す電圧波形を反映したものとな
り、発光ダイオード87から出射する光の光量の変化
も、この電圧波形を反映したものとなる。これにより、
発光ダイオード87から出射する光を受光するフォトト
ランジスタ86に流れる電流(フォトトランジスタ86
の抵抗値)は、図15(a)の符号Vr1あるいは符号Vr2
で示す電圧波形を反映して変化し(すなわち電流が緩や
かに増加するか、あるいは緩やかに減少し)、この結
果、接続交点CSの電圧Vを減少させ、あるいは増加さ
せて、接続交点CSの電圧V,ソース電圧V’がほぼ一
定の電圧となるようフィードバック制御することができ
る。
少あるいは増加し、接続交点CSの電圧Vが図16(a)
に符号Vr1あるいは符号Vr2で示すように、時間的に急
激に変化するときには、第1のRC時定数回路は、これ
に追従しない。従って、発光ダイオード87に加わる電
圧は、図15(b)に示したと同様に、緩やかな波形のも
のとなり(図16(b)参照)、発光ダイオード87から出
射する光の光量も緩やかに変化する。これにより、フォ
トトランジスタ86に流れる電流(フォトトランジスタ
の抵抗値)も、緩やかに変化し、この結果、接続交点C
Sの電圧Vの急激な変化は、フォトトランジスタ86に
流れる電流の変化によってほとんど影響を受けず、ソー
ス電圧V’も、ほぼ図16(a)を反映した急激に変化す
るものとなる。
図14の構成例と同様に、素子X4の抵抗値が緩やかに
変化するときには、ほぼ一定の電圧V’を抽出結果とし
て出力することができ、素子X4の抵抗値が急激に変化
するときには、これに応じた急激に変化する電圧V’を
抽出結果として出力することができるので、雑ガスなど
によるノイズの影響を受けずに、検出素子X4の特定の
ガスによる抵抗値変化のみを電圧変化として信頼性良く
得ることができる。なお、図17の構成例では、電流制
御型可変素子(抵抗器)として、フォトカプラ85を用い
たが、上述のような電流制御型可変素子として機能する
ものであれば、フォトカプラ85に限らず、任意の素子
を用いることができる。
例において、抵抗値抽出器11としては、図14あるい
は図17の構成のものを用いることができる。この場
合、電圧制御型可変素子(アナログスイッチ)71,電流
制御型可変素子(フォトカプラ)85は、抽出用素子とし
て機能する。抵抗値抽出器11に図14あるいは図17
の構成のものが用いられる場合には、抵抗減少判別器1
2,抵抗増加判別器13としては、図4,図13に示し
たような構成のものを用いることもできるし、あるい
は、図4,図13に示したような構成に比べて、より簡
単な構成のものを用いることもできる。
図14あるいは図17の構成のものが用いられるとした
ときの、抵抗減少判別器12,抵抗増加判別器13の構
成例がそれぞれ示されている。図18を参照すると、こ
の抵抗減少判別器12は、抵抗95と抵抗96とからな
る電圧分割回路と、抵抗96の両端間の固定電圧V8と
ソース電圧V’とを比べ、ソース電圧V’が固定電圧V
8よりも大きくなるときに第1の火災発生信号Y2を出
力するコンパレータ38とを有している。
判別器13は、抵抗97と抵抗98とからなる電圧分割
回路と、抵抗97の両端間の固定電圧V9とソース電圧
V’とを比べ、ソース電圧V’が固定電圧V9よりも小
さくなるときに第2の火災発生信号Y3を出力するコン
パレータ44とを有している。
20(a),(b)にそれぞれ示すように設定されている。
すなわち、図20(a),(b)のように、電圧V’の所定
量ΔV以上の増加あるいは減少だけを検出するように、
抵抗95,96,抵抗97,98の抵抗値が設定されて
いる。
では、雑ガス等の影響で検出素子X4の抵抗値が緩やか
に変化しても、ソース電圧V’はほぼ一定に保持される
ので、抵抗減少判別器12,抵抗増加判別器13には、
図18,図19にそれぞれ示したような簡単な構成のも
のを用いることができる。
の環境下において雑ガスの吸着,脱離により抵抗値が緩
やかに変化するものであるとして説明したが、上述のよ
うな各検出素子としては、検出可能なガスに対して高い
感度を有し、例えば、二酸化窒素に対してppbのオー
ダーで検出可能なものもあり、このような素子が用いら
れる場合には、環境に浮遊する雑ガスからの影響を受け
て、抵抗値が急激に変化し、火災発生信号Y1,第1の
火災性状信号Y2,第2の火災性状信号Y3が出力され
てしまうことも考えられる。このような事態をも防止す
るために、図3の感知装置において、情報出力回路14
を例えば図21に示すように変形することもできる。図
21の例では、情報出力回路14は、従来公知となって
いる感知器,例えば通常の煙感知器46の出力と、論理
和回路15の出力、コンパレータ38の出力、コンパレ
ータ44の出力との論理積をそれぞれとり、火災発生信
号Y1、第1の火災性状信号Y2、第2の火災性状信号
Y3をそれぞれ出力する論理積回路47,48,49を
さらに有している。このように、例えば通常の煙感知器
46の出力との論理積をとり、通常の煙感知器46から
所定の出力結果が出力されたときにのみ、抵抗減少判別
器12,抵抗増加判別器13からの判別結果に基づい
て、火災発生信号Y1,第1の火災発生信号Y2,第2
の火災発生信号Y3を出力することによって、環境に浮
遊する雑ガスからの影響を低減させ、検出の信頼性を向
上させることもできる。
いが、各検出素子の抵抗値は数桁のオーダーで変化する
ものもあるので、抵抗値抽出器11において、ログアン
プ等によりダイナミックレンジの拡大を図ったり、ある
いは、自動利得調整器により信号処理のし易いレンジに
信号をたえず維持するようになっていても良い。また、
抵抗減少判別器12,抵抗増加判別器13については、
図4,図13,図18,図19に示した構成は、単なる
一例であって、これ以外の構成のものにすることも可能
である。
4は、火災発生信号Y1,第1の火災発生信号Y2,第
2の火災発生信号Y3を出力可能な構成となっている
が、用途等に応じ、火災発生信号Y1だけを出力可能な
構成になっていても良いし、あるいは、第1の火災発生
信号Y2,第2の火災発生信号Y3だけを出力可能な構
成になっていても良い。
いた防災システム(例えば火災警報システム)の構成例を
示す図である。この防災システムでは、受信機51から
延びている線路Lに図3に示したような感知装置52が
接続されている。ここで、受信機51は、中央処理装置
53と、感知装置52との間での伝送制御を行なう伝送
制御部54と、警報を出力する警報出力部55とを有し
ている。また感知装置52は、例えばビル内の所定の場
所に設置されているとする。
機51の警報出力部55が図23に示すように、火災の
発生を報知する火災発生報知部56と、発生した火災の
タイプ(性状)を報知する火災性状報知部57とを備えて
いる場合、有炎火災が発生すると、感知装置52からの
火災発生信号Y1,第1の火災性状信号Y2によって受
信機51の警報出力部55の火災発生報知部56,火災
性状出力部57は、火災が発生したこと、および発生し
た火災のタイプ(性状)が有炎火災であることをオペレー
タ等に知らせたり、有炎火災であるときに必要な警報制
御を行なうことができる。より具体的には、有炎火災で
ある旨の第1の火災性状信号Y2が出力されることによ
り、消火機器の制御を迅速に行ない、また避難誘導を直
ちに行なうことができる。
2からの火災発生信号Y1,第2の火災性状信号Y3に
よって、受信機51の火災発生報知部56,火災性状出
力部57は、火災が発生したこと、および発生した火災
のタイプ(性状)が燻焼火災であることをオペレータ等に
知らせたり、燻焼火災であるときに必要な警報制御を行
なうことができる。より具体的には、燻焼火災である旨
の第2の火災性状信号Y3が出力されることにより、排
煙機器の制御を迅速に行ない、また、さらに火災が拡大
するかを監視し、火災の進行状態に応じて避難誘導を行
なうことができる。
Y2と第2の火災性状信号Y3との論理和をとって、火
災発生信号Y1を生成する機能を有している場合には、
感知装置52としては、その情報出力回路14が第1の
火災性状信号Y2と第2の火災性状信号Y3だけを出力
可能なものを用いても良い。また、受信機51の警報出
力部55が火災の発生を知らせるだけの機能しか有して
いないときには、感知装置52としては、その情報出力
回路14が火災発生信号Y1だけを出力可能なものを用
いても良い。
置が図3に示すような構成のものであるとし、火災発生
信号Y1,第1の火災性状信号Y2,第2の火災性状信
号Y3を出力するように構成されているが、この感知装
置の特性値監視部2が、図3の構成において抵抗値抽出
器11のみを有するように、構成されていても良い。す
なわち、抵抗値の抽出結果を最終出力として出力するよ
うに、感知装置を構成することもできる。より具体的に
は、図4,図13の構成における素子33のアナログ出
力信号V,あるいは図14,図17の構成におけるソー
ス電圧(アナログ出力信号)V’が最終出力として出力さ
れるよう、感知装置を構成することもできる。この場
合、この感知装置を上述のような防災システムに用いる
とき、図3の特性値監視部2の抵抗減少判別器12,抵
抗増加判別器13,情報出力回路14の各機能を受信機
51にもたせることもできる。すなわち、図4,図13
の構成における素子33のアナログ出力信号V,あるい
は図14,図17の構成におけるソース電圧(アナログ
出力信号)V’を受信機51に送信し、受信機51にお
いて火災判別等を行なわせることもできる。
置が組み込まれた電子機器の構成例を示す図である。図
24の電子機器は、機器の各部分に電力を供給する電源
部61と、図3に示したような感知装置52と、感知装
置52の情報出力回路14からの信号に応じて電源部6
1を制御する電源制御部62と、情報出力回路14から
信号に応じて警報を出力する警報出力部63とを有して
いる。
す図あり、図25の例では、電源制御部62にラッチン
グリレー64が用いられ、ラッチングリレー64には、
感知装置52の情報出力回路14からの火災発生信号Y
1が入力するようになっている。すなわち、信号Y1が
ラッチングリレー64に入力するとき、ラッチングリレ
ー64が駆動し、機器の各部への電源部61からの電源
供給を遮断するようになっている。なお、電源制御部6
2にラッチングリレー以外のものを用いることも可能で
ある。例えば、火災発生信号Y1が入力した時点から所
定の期間、電源部61からの電源供給を遮断するような
構成のものを用いることも可能である。
は、火災発生信号Y1,第1の火災性状信号Y2,第2
の火災性状信号Y3が入力するようになっており、信号
Y1により火災の発生を報知し、また、信号Y2,Y3
によって火災のタイプ(性状)を報知するようになってい
る。
火災現象が発生する場合に、この火災現象から発生する
ガスに晒されるように感知装置52の検知部1(少なく
とも1つの有機半導体素子あるいは無機半導体素子)が
配置されるとき、機器内において、有炎火災,燻焼火災
のいずれのタイプの火災が発生しても、火災発生信号Y
1によって機器の各部への電源供給を断にすることがで
き、また、火災発生信号Y1,第1の火災性状信号Y
2,第2の火災性状信号Y3によって、警報出力部63
では、例えば図22の防災システムの受信機51の警報
出力部55と同様に、火災が発生したこと、および、発
生した火災のタイプが有炎火災または燻焼火災であるこ
とをオペレータ等に知らせたり、必要な警報制御を行な
うことができる。
感知器として、バイメタルのような温度を検出する熱感
知器,イオン式煙感知器,光電式煙感知器が知られてい
る。しかしながら、熱感知器では、燻焼のような火災に
対してはほとんど感度を示さず、熱のみしか検出できな
いという大きな欠点があった。また、イオン式煙感知器
は、煙の測定電離箱(チャンバ)内の電離化のために放射
線源からのα粒子の飛程距離程度の大きさが必要で、小
型化には限界があり、また、放射線を使用しているため
に機器の廃棄のときには容易に処分できず大きな問題と
なること、機器内の部品の異常加熱による燻焼火災に対
してはあまり感度が期待できないなどの欠点があった。
また、光電式煙感知器は、信号処理の関係から散乱光方
式の原理で煙による散乱光信号と暗箱内面で反射する雑
音光との比をある程度維持する必要があることから、暗
箱の大きさを小さくできないという欠点があった。さら
に、回路的には、散乱光信号は極めて微弱であることか
ら高利得の増幅器がいること、省電力化するためのパル
ス駆動するなど回路が極めて複雑でコストも高くなると
いう欠点もあった。
ガス感知器も知られているが、これらのガス感知器で
は、特定のガスに対する異常の発生を検出するのみで、
異常の性状を検出することはできない。
知装置は、前述のように、有炎火災,燻焼火災のいずれ
をも検知し、また、その性状をも検知し、従って、本発
明の感知装置を電子機器に組み込む場合、防災制御を確
実に行なうことができる。
器では、特定のガスに対してのみ反応して特定のガスの
選択性を向上させるため(特定のガスについての感度を
高めるため)、ガス感知器自身を加熱しなければならな
いという欠点があった。
ガス感知器では、金属酸化物を高温加熱装置によって、
200℃〜300℃程度の温度に加熱し、このときに、
金属酸化物が電子ドナー性ガス(一方の種類のガス)につ
いてのみ反応し(金属酸化物の抵抗が減少し)、電子アク
セプター性ガス(他方の種類のガス)については電子ドナ
ー性ガスと比べてほとんど反応しない(金属酸化物の抵
抗がほとんど変化しない)という性質を利用して、一方
の種類の特定のガス,すなわち電子ドナー性ガスの発生
のみを検出するようになっている。
出素子に酸化ニッケル,酸化スズなどの金属酸化物の無
機半導体素子を用いる場合にも、電子アクセプター性ガ
スと電子ドナー性ガスとの両方に対して抵抗値が変化
し、かつ、電子アクセプター性ガスと電子ドナー性ガス
とでは抵抗値変化の極性が異なるという素子の性質に着
目し、素子のこのような性質を利用することで、異常の
発生を検出できるのみならず、異常の性状をも検出する
ようにしており、従って、このような検出処理がなされ
るためには、金属酸化物の温度を電子アクセプター性ガ
スと電子ドナー性ガスとの両方に反応するという性質が
現われる温度にする必要がある。
〜300℃程度の温度に加熱する場合には、現われな
い。すなわち、金属酸化物を高温加熱した場合には、主
に一方の種類のガスにのみ反応し、電子アクセプター性
ガスと電子ドナー性ガスとの両方に確実に反応するとい
う性質は現われない。
物を用いる場合にも、この金属酸化物が両方の種類のガ
スに反応するという性質を利用するため、従来のガス感
知器のような高温加熱装置を用いる必要がなく、また、
高温加熱装置を用いることはできない。
半導体素子が用いられる場合にも、これを加熱する必要
がなく、加熱せずとも、両方の種類のガスに極めて高感
度である。このように、有機半導体素子,無機半導体素
子の検出素子を用いた本発明の感知装置は、特別な加熱
装置を用いずとも(すなわち低消費電力で)、通常の煙感
知器よりも高感度にかつ、有災,燻焼のいずれかの火災
が発生した場合でも、これを検出することができ、さら
には、その性状をも検出できるので、従来の感知器では
火災にまで至ってしまったものでも、火災のごく初期の
状態を検出し、電子機器の電源を遮断し、電気に起因す
る異常加熱による火災を未然に防ぐことができる。
用いた本発明の感知装置は、前述のように、従来の感知
器よりも小型化が可能であるので、機器内に特別な場所
を設けずに設置でき、消費電流も少なく、素子自身のコ
ストも安く、量産品の機器にはコストの負担をかけず
に、防災機能を実現できる。特に、有機半導体,無機半
導体自体の小型化が可能であることから、電子機器の所
要の回路等が実装されている電気回路基板上に検出素子
を実装することによって、感知装置が組み込まれる場合
にも、機器の小型化を維持することができる。
半導体素子にフタロシアニン類(例えば、金属置換フタ
ロシアニン類、金属酸化物を添加した金属置換フタロシ
アニン類)を用いるとして説明したが、有機半導体素子
はフタロシアニン類に限定されるものでなく、フタロシ
アニン類の他にも、例えば、イオンをドープしたポリピ
ロール等の導電性ポリマー類などの有機半導体素子をも
用いることもでき、導電性ポリマー類などを用いる場合
にも、前述したと同様の効果を得ることができる。
て、酸化ニッケル,酸化スズなどの金属酸化物を用いて
いるが、無機半導体としては、酸化ニッケル,酸化スズ
などの混合物を用いても良いし、あるいは、これらの金
属酸化物にPt,Pd,Ruなどの貴金属触媒やアルミ
ナ,シリカ等のバインダを加えたものを用いることもで
きる。
て振る舞うことが知られているので、湿度の影響を低減
するためにフタロシアニンに疎水性の官能基をつけた有
機半導体素子を用いることもできる。また、アルカンと
フタロシアニンを溶剤に混合させ、この溶剤を基質に塗
布することで、耐湿性の向上を図ることもできる。
て、その構造が図1(a),(b)に示したようなものとな
っているが、前述したように、基質100上に、櫛形電
極102,103を直接形成し、その上に、フタロシア
ニン層101を蒸着形成して、検出素子を構成すること
も可能である(図26(a),(b)参照)。
て、その電極構造が図1(a),(b),あるいは図26
(a),(b)に示したような櫛形電極型式のものとなって
いる場合を例にとって説明したが、図1(a),(b),図
26(a),(b)以外にも種々の変形が可能である。例え
ば、素子が円形形状などの場合には、電極形状を図27
に示すような同心円形状のものとすることができる。ま
た、検出素子としては、その構造が櫛形電極型式のもの
に限らず、種々の型式のものを用いることができる。図
28(a),(b),(c)には、従来の各種のガスセンサが
示されており、本発明の検出素子の構造を、例えば図2
8(a),(b),(c)に示されるような従来のガスセンサ
の構造と同様のものにすることもできる。なお、図28
(a)あるいは図28(b)の構造では、白金などの電極2
02,203間に感ガス半導体と溶剤との混合ペースト
201を注入し、2つの電極202,203を混合ペー
ストで包み込んで、固め、焼結して、素子を形成するこ
とができる。また、図28(c)の構造では、電極20
2,203間に感ガス半導体204を注入し、これを圧
力で固めて、素子を形成することができる。
(a),(b),図27のような構造になっている場合にお
いて、さらに、所望の目的等に応じて、櫛形電極の構造
を変形することも可能である。例えば、図29には、感
知装置の機能試験を行なうのに適した櫛形電極構造が示
されている。すなわち、図29の検出素子では、1つの
櫛形電極91と、該櫛形電極91にそれぞれ対向して配
置されている2つの櫛形電極92,93との合計3つの
櫛形電極が半導体に対して設けられており、2つの電極
92,93は、図30に示すように、切換手段(スイッ
チ)94によって、互いに接続されたり切離されたりす
るようになっている。
と電極93の間に設けられている切換手段(スイッチ)9
4を開,閉することによって感知装置の機能試験を行な
うことができる。すなわち、感知装置は、電極91と電
極93との間の抵抗値を監視し、この抵抗値の変化を検
知して所定の検出結果を出力するようになっており、通
常の動作モード時には、スイッチ94を例えば閉に保持
し、電極92を電極93に電気的に接続した状態にして
おく。この場合には、櫛形電極は、実質的に図1(a),
(b),図26(a),(b)に示したと同様の構造となり、
この検出素子の電極91と電極93(および電極92)と
の間の電位差(電圧)に基づいて、所定の物理現象(例え
ば火災現象)の検知動作を行なうことができる。なお、
通常の動作モード時に、スイッチ94を開に保持した状
態にしておいても良い。
開から閉に、あるいは閉から開に切り換え、電極92を
電極93から電気的に切り離しあるいは接続し、このと
きの電極91と電極93との間の抵抗値の変化を検知す
ることで、感知装置の機能試験を行なうことができる。
極92と電極93とがともに対称となっており、素子自
体の抵抗がどのように変化しようとも、電極91,電極
92間の抵抗値と電極91,電極93間の抵抗値とは、
ほぼ等しい。従って、電極91,電極92間の抵抗値を
R,電極91,電極93間の抵抗値をRとするとき、ス
イッチ94が閉になっている場合の電極91と電極93
との間の抵抗値は、図31(a)からわかるように、R/
2となっている。この状態で、スイッチ94を開にし、
電極92を電極93から電気的に切り離すと、電極91
と電極93との間の抵抗値は、図31(b)からわかるよ
うに、Rとなり、2倍となる。すなわち、スイッチ24
を閉から開に切り換えることによって、検出素子の抵抗
値を、見かけ上、急激に増加させることができ、このと
きに、感知装置が例えば図3の構成である場合には、火
災発生信号Y1,第2の火災発生信号Y3が出力される
か否かを調べることにより、図3の構成の感知装置が正
常か否かを試験することができる。また、スイッチ94
が開になっている状態で(電極91,93間の抵抗値が
Rとなっている状態で)、スイッチ94を閉にし、電極
92を電極93に電気的に接続すると、電極91と電極
93との間の抵抗は、R/2となり、1/2倍となる。
すなわち、スイッチを開から閉に切り換えることによっ
て、検出素子の抵抗値を、見かけ上、急激に減少させる
ことができ、このときに、感知装置が例えば図3の構成
のものである場合には、火災発生信号Y1,第1の火災
発生信号Y2が出力されるか否かを調べることにより、
図3の構成の感知装置が正常か否かを試験することがで
きる。
3とが対称となっているが、電極92と電極93とは、
これらを電気的に接続したり、切り離したりするときに
電極91と電極93との間の抵抗値を急激に変化させる
機能をもつものであれば良く、従って、必ずしも対称に
する必要はなく、また、上記機能を有するものであれば
任意の形状,構造のものにすることができる。
のにすることもできるし、素子が円形形状などの場合、
図27に対応させて、図32(b)に示すような同心円構
造のものにすることもできる。
1,92,93としているが、必要に応じ、さらに多く
の電極とすることもできる。例えば、電極91を2つに
分割して合計4つの電極としたり、電極92,93をさ
らに分割することも可能である。
なっているとして説明したが、電極91と電極92,9
3とが対向している構造であれば、これが櫛形でない場
合にも、同様にして試験を行なうことができる。
の発生、および/または、異常の性状を検知するための
素子として、有機半導体素子あるいは無機半導体素子を
用いているが、本発明は、有機半導体素子,無機半導体
素子に限定されるものではない。すなわち、本発明で用
いられる素子としては、基本的には、電子アクセプター
性ガスと電子ドナー性ガスとの両方に対して特性値が変
化し、かつ、電子アクセプター性ガスと電子ドナー性ガ
スとで特性値変化の極性が異なるという性質をもつ素子
であれば良く、従って、このような性質を有するもので
あれば、有機半導体素子,無機半導体素子以外の素子を
も用いることができる。例えば有機半導体と無機半導体
とを混合した素子を用いることもできる。
特性値として素子の抵抗値を挙げたが、電子アクセプタ
ー性ガスと電子ドナー性ガスとの両方に対して変化し、
かつ、その変化の極性が電子アクセプター性ガスと電子
ドナー性ガスとで異なるものであれば、抵抗値以外のも
のをも用いることもできる。例えば、電子アクセプター
性ガスと電子ドナー性ガスとの両方に対して容量値が変
化し、かつ、その容量値の変化の極性が電子アクセプタ
ー性ガスと電子ドナー性ガスとで異なる性質をもつ素子
の場合、この素子の容量値を素子の特性値として用いる
ことができる。素子の特性値として、例えば素子の容量
値を用いる場合、特性値監視部2には、容量値変化を検
知するための発振回路などを用いることができる。
災から生じる電子アクセプター性ガスと燻焼火災から生
じる電子ドナー性ガスに反応する素子について説明した
が、これらに限定されるものではなく、例えば、有炎火
災から生じる電子ドナー性ガスと燻焼火災から生じる電
子アクセプター性ガスに反応するというようなこれまで
に述べた素子とは反対の特性をもつ素子を用いることも
できる。
災と燻焼火災との両方を検出することを意図している
が、表2からわかるように、本発明に用いられる検出素
子は、TF1,TF4,TF5,TF6のような有炎火
災(着炎火災)を確実に検出することができるので、本発
明の感知装置,例えば図3の構成の感知装置を、有炎火
災のみを検出する有炎火災検出装置としても用いること
ができる。また、本発明に用いられる検出素子は、TF
2,TF3のような燻焼火災を確実に検出することがで
きるので、本発明の感知装置を燻焼火災のみを検出する
燻焼火災検出装置としても用いることができる。特に、
TF1,TF4,TF5,TF6のような着炎火災が発
生したときには、一般に、火災の進展が早く、緊急に避
難を要するので、このような着炎火災を確実に捉える検
知装置が火災検知にとって重要であると考えられ、従っ
て、本発明の検出素子は、有炎火災を検出する場合に特
に有用である。
4,TF5,TF6のような有炎火災(着炎火災)を検出
できる検知装置として、炎式感知器が従来知られてい
る。しかしながら、炎式感知器は、直接炎から放射され
る紫外線あるいは赤外線エネルギーを受け取る必要があ
り、炎と感知器の間に障害物があると、感度が著しく低
下し、炎を良好に検出することができないことがある。
発生する特定のガスを検出するので、炎と検知装置との
間に障害物があるような場合にも、炎,すなわち着炎火
災を確実に検出することが可能となる。
いは、燻焼火災のみを検出する場合、感知装置(検出装
置)としては、例えば図3の構成のままでも良いし、あ
るいは、よりコンパクトな構成にすることもできる。す
なわち、使用される素子がp型であるかn型であるかに
応じて、抵抗減少判別器12または抵抗増加判別器13
のいずれか一方が設けられていれば良く、また情報出力
回路14は、抵抗減少判別器12(または抵抗増加判別
器13)からの出力Y2(またはY3)を火災発生信号と
して直接出力するものであれば良い。
知装置として用いられる場合、有炎火災が生じたときに
は、炎と検出素子との間に障害物があっても、火災発生
信号を確実に出力することができ、有炎火災を確実に検
出することができる。同様に、燻焼火災検出用の感知装
置として用いられる場合、燻焼火災が生じたときには、
火災発生信号を確実に出力することができ、燻焼火災を
確実に検出することができる。
装置)において、検出素子X4としては、特定のガスに
対してその特性値(例えば抵抗値)が急激に減少あるいは
増加する素子が用いられているとして説明したが、図1
4乃至図17の感知装置(検出装置)は、検出素子が特定
の物理現象を検出したときにその特定値(例えば抵抗値)
が急激に減少あるいは増加するものであれば、上記検出
素子X4に限らず、一般的な任意の検出素子(例えば光
検出素子や温度検出素子など)にも同様に適用すること
ができて、検出素子のノイズによる影響を著しく低減
し、特定の物理現象のみを信頼性良く検出することがで
きる。
も、特徴のある電極構造および切換手段をもつ検出素子
として、特定のガスに対してその特定値(例えば抵抗値)
が急激に減少あるいは増加する検出素子X4が用いられ
ている場合について説明したが、この電極構造および切
換手段は、上記検出素子X4に限らず、一般的な任意の
半導体素子(例えば光検出素子,回転センサ,位置検出
素子,温度検出素子など)にも同様に適用できる。従っ
て、本発明の上述したような試験方法は、半導体素子の
第1の電極と第2の電極との間の状態変化を監視し、こ
の状態変化に基づいて所定の検出結果を出力するもので
あれば、火災検出装置のみならず、任意の検出装置の試
験に用いることができる。すなわち、任意の半導体素子
を組込んだ任意の検出装置の試験を信頼性良くかつ容易
に行なうことができる。
ば、電子アクセプター性ガスと電子ドナー性ガスとの両
方に対して特性値が変化し、かつ、電子アクセプター性
ガスと電子ドナー性ガスとでは特性値変化の極性が異な
るという素子の性質を用いて、異常を検出し、および/
または、異常の性状を検出するようになっているので、
どのタイプの異常(例えば火災)が発生した場合にもこれ
を検出することができ、さらには、発生した異常(火災)
のタイプを判別して出力することができる。
す図である。
特性を説明するための図である。
る。
図である。
す図である。
る。
である。
である。
る。
る。
る。
めの図である。
成例を示す図である。
構成例を示す図である。
を示す図である。
を示す図である。
を示す図である。
方を説明するための図である。
見かけ上の抵抗を説明するための図である。
を示す図である。
Claims (21)
- 【請求項1】 電子アクセプター性ガスと電子ドナー性
ガスとの両方に対して所定の特性値が変化し、かつ、電
子アクセプター性ガスと電子ドナー性ガスとでは特性値
変化の極性が異なるという性質をもつ素子を用いて、異
常の発生を検出し、および/または、異常の性状を検出
するようになっていることを特徴とする感知装置。 - 【請求項2】 有炎火災時に生ずるガスと燻焼火災時に
生ずるガスとの両方に対して所定の特性値が変化し、か
つ、有炎火災時に生ずるガスと燻焼火災時に生ずるガス
とでは特性値変化の極性が異なるという性質をもつ素子
を用いて、火災発生を検出し、および/または、火災の
性状を検出するようになっていることを特徴とする感知
装置。 - 【請求項3】 請求項1記載の素子を有する検知手段
と、検知手段の素子の所定の特性値の変化を監視し、所
定の特性値の変化に応じた情報を出力する特性監視手段
とを備えていることを特徴とする感知装置。 - 【請求項4】 請求項2記載の素子を有する検知手段
と、検知手段の素子の所定の特性値の変化を監視し、所
定の特性値の変化に応じた情報を出力する特性監視手段
とを備えていることを特徴とする感知装置。 - 【請求項5】 請求項3または請求項4記載の感知装置
において、前記検知手段は、所定の導電型をもつ1つの
素子からなり、前記特性監視手段は、前記素子の特性値
として前記素子の抵抗値を抽出する抵抗値抽出手段を備
えていることを特徴とする感知装置。 - 【請求項6】 請求項3または請求項4記載の感知装置
において、前記検知手段は、所定の導電型をもつ第1の
素子と、第1の素子とは反対の導電型をもつ第2の素子
とが直列に接続されて構成されており、前記特性監視手
段は、直列に接続されている前記第1の素子と第2の素
子との両方の抵抗値を反映した抵抗値を所定の特性値と
して抽出する抵抗値抽出手段を有していることを特徴と
する感知装置。 - 【請求項7】 請求項5記載の感知装置において、前記
抵抗値抽出手段は、前記素子と直列に接続される抽出用
素子を有し、該抽出用素子の両端間の電位差を素子の特
性値として抽出するようになっており、前記抽出用素子
は、その両端間の電位差が時間的に緩やかに変化すると
きには、これに追従して抽出用素子の特性値が変化し、
両端間の電位差の緩やかな変化を相殺するように制御さ
れ、また、その両端間の電位差が急激に変化するときに
は、これに追従しないように制御され、その両端間の急
激な変化のみが前記素子の特性値として抽出されて出力
されるようになっていることを特徴とする感知装置。 - 【請求項8】 請求項5または請求項6記載の感知装置
において、前記特性監視手段は、さらに、前記抵抗値抽
出手段によって抽出した抵抗値が所定時間内に所定量減
少したかを判別する抵抗減少判別手段と、抽出した抵抗
値が所定時間内に所定量増加したかを判別する抵抗増加
判別手段と、抵抗減少判別手段および抵抗増加判別手段
からの判別結果に基づいて、所定の異常情報を出力する
情報出力手段とを備えていることを特徴とする感知装
置。 - 【請求項9】 請求項8記載の感知装置において、前記
情報出力手段は、前記抵抗減少判別手段から抵抗減少の
判別結果が得られるか、または、前記抵抗増加判別手段
から抵抗増加の判別結果が得られるときのいずれの場合
にも異常発生情報を出力する異常発生出力手段を備えて
いることを特徴とする感知装置。 - 【請求項10】 請求項8記載の感知装置において、前
記情報出力手段は、前記抵抗減少判別手段から抵抗減少
の判別結果が得られるときに第1の異常性状情報を出力
し、また、前記抵抗増加判別手段から抵抗増加の判別結
果が得られるときに第2の異常性状情報を出力する異常
性状出力手段を備えていることを特徴とする感知装置。 - 【請求項11】 請求項8記載の感知装置において、前
記情報出力手段は、前記抵抗減少判別手段から抵抗減少
の判別結果が得られるか、または、前記抵抗増加判別手
段から抵抗増加の判別結果が得られるときのいずれの場
合にも異常発生情報を出力する異常発生出力手段と、前
記抵抗減少判別手段から抵抗減少の判別結果が得られる
ときに第1の異常性状情報を出力し、また、前記抵抗増
加判別手段から抵抗増加の判別結果が得られるときに第
2の異常性状情報を出力する異常性状出力手段を備えて
いることを特徴とする感知装置。 - 【請求項12】 請求項8記載の感知装置において、前
記情報出力手段は、従来公知となっている任意の感知器
からの検出結果と、前記抵抗減少判別手段,前記抵抗増
加判別手段からの判別結果とを組み合わせて、所定の異
常情報を出力するようになっていることを特徴とする感
知装置。 - 【請求項13】 請求項8記載の感知装置において、前
記情報出力手段は、従来公知となっている任意の感知器
から所定の検出結果が出力されたときにのみ、前記抵抗
減少判別手段,前記抵抗増加判別手段からの判別結果に
基づいて所定の異常情報を出力するようになっているこ
とを特徴とする感知装置。 - 【請求項14】 請求項1または請求項2記載の感知装
置において、前記素子は、金属置換フタロシアニン類,
金属酸化物を添加した金属置換フタロシアニン類,ある
いはイオンドープしたポリマー類などの有機半導体素
子、あるいは、半導体レベルの電気伝導度をもつ金属酸
化物などの無機半導体素子、あるいは、有機半導体と無
機半導体とを混合した素子であることを特徴とする感知
装置。 - 【請求項15】 請求項1乃至請求項14のいずれか一
項に記載の感知装置を用い、該感知装置から出力される
情報に基づき防災制御を行なうようになっていることを
特徴とする防災システム。 - 【請求項16】 請求項1乃至請求項14のいずれか一
項に記載の感知装置を用い、該感知装置から出力される
情報に基づき異常制御を行なうようになっていることを
特徴とする電子機器。 - 【請求項17】 請求項16記載の電子機器において、
前記感知装置で異常が検出されたときに、機器の各部に
電力を供給する電源を断にすることを特徴とする電子機
器。 - 【請求項18】 請求項16記載の電子機器において、
前記感知装置に用いられている素子は、前記機器の所定
の電気回路が実装されている電気回路基板上に実装され
ていることを特徴とする電子機器。 - 【請求項19】 電子アクセプター性ガスと電子ドナー
性ガスとの両方に対して所定の特性値が変化し、かつ、
電子アクセプター性ガスと電子ドナー性ガスとでは特性
値変化の極性が異なるという性質をもつ素子を用いて、
異常の発生を検出し、および/または、異常の性状を検
出することを特徴とする異常検出方法。 - 【請求項20】 半導体素子として形成され、所定の物
理現象を検出する機能を有する検出素子において、半導
体の特性値変化を電気的に取出すための電極構造を有
し、前記電極構造は、第1の電極と、該第1の電極に対
向して配置される第2および第3の電極とを少なくとも
有し、前記第2および第3の電極は、互いに接続された
り切り離されたりするよう、接続と切離しとが切換可能
になっていることを特徴とする検出素子。 - 【請求項21】 半導体素子として形成され、所定の物
理現象を検出する機能を有する検出素子を用いた検出装
置の試験方法であって、前記検出素子は、半導体の特性
値変化を電気的に取出すための電極構造を有し、前記電
極構造は、第1の電極と、該第1の電極に対向して配置
される第2および第3の電極とを少なくとも有し、前記
第2および第3の電極は、互いに接続されたり切り離さ
れたりするよう、接続と切離しとが切換可能になってお
り、前記検出装置が、検出素子の第1の電極と第2の電
極との間の状態変化を監視し、第1の電極と第2の電極
との間の状態変化に基づいて所定の検出結果を出力する
ものである場合に、前記第2および第3の電極の接続と
切離しとを切換えたときに、前記検出素子の見かけ上の
状態変化を前記検出装置が検出して所定の検出結果を出
力するか否かを調べることにより、該検出装置を試験す
る検出装置の試験方法。
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---|---|---|---|
JP06262027A JP3126601B2 (ja) | 1993-09-30 | 1994-09-29 | 感知装置並びにそれを用いた防災システムおよび電子機器および火災検出方法および検出素子並びにそれを用いた検出装置の試験方法 |
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JP28006593 | 1993-10-13 | ||
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2008140108A (ja) * | 2006-12-01 | 2008-06-19 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 火災警報装置 |
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JP2020533726A (ja) * | 2017-09-13 | 2020-11-19 | 4モール エンタープライジーズ アイピー,エルエルシー4Morr Enterprises Ip,Llc | 煙検知器からの煙検知器データ送信を行うシステム及び方法 |
-
1994
- 1994-09-29 JP JP06262027A patent/JP3126601B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US6736710B2 (en) | 2001-09-25 | 2004-05-18 | Nihon Microcoating Co., Ltd. | Polisher for polishing end surface of semiconductor wafer |
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