JPH0816935B2 - 波浪画像発生方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、波浪画像発生方式に関するものであり、
特に、航空機用の飛行シミュレーション装置等のための
デジタル式の画像発生装置において波浪に対する所望の
模様（テクスチュア）を発生させることができる波浪画
像発生方式に関するものである。

［従来の技術］ 第３図は、従来のこの種の波浪画像発生のやり方を説
明するための波浪例示図である。この第３図において、
（31）は波浪の発生区画であって、例えば、ある所定の
記憶手段（図示されない）の単位記憶区画である。そし
て、この波浪発生区画（31）にある所要の波浪パターン
（32）が格納されている。

この従来のやり方によれば、前記の記憶手段内の波浪
画像発生区画（31）に格納されている波浪の模様（テク
スチュア）は、ある固定された方向ｖだけに平行移動す
るようにされている。このために、海面等での波浪の形
状は、単位部位での波浪がそのままの形状を保持して平
行移動するだけであって、複雑な形状の変化をともなう
ような波のうねり等を模擬することができず、波浪の発
生が単調かつ不自然であった。

［発明が解決しようとする課題］ 上記された従来の波浪画像の発生のやり方によれば、
ある所定の記憶手段内の波浪画像発生区画に格納されて
いる波浪の模様（テクスチュア）がそのままの形状を保
持して固定的な方向に平行移動するようにされており、
このために、海面等での波浪の形状は、単位部位での波
浪がそのままの形状で平行移動するだけであって、複雑
な形状の変化をともなうような波のうねり等を模擬する
ことができず、波浪の発生が単調かつ不自然であるとい
う問題点があった。

この発明は上記された問題点を解決するためになされ
たものであって、ある所定の単位部位において画定され
た複数種類の波浪パターンを用意しておき、これらの波
浪パターンを任意所望の方向に移動させることにより、
時間の経過とともに刻々と変化する波のうねり等を簡単
に模擬することができるようにされた波浪画像発生方式
を得ることを目的とする。

［課題を解決するための手段］ この発明に係る波浪画像発生方式は： 所定の演算処理を施すホスト計算機としてのCPU; 前記CPUの制御の下に座標の変換処理を施す座標変換
部； 複数個の波浪パターン毎に選択的に平行移動を行わせ
る平行移動部； 複数個の波浪パターンを個別に記憶させておくパター
ン記憶部；および、 前記複数個のパターン記憶部からの波浪パターン信号
に基づいて合成波浪パターンを生成させるパターン混合
部； を含んでなるものである。

［作用］ この発明によれば、複数種類の波浪パターンについて
個別に任意の方向での平行移動が可能となり、それだけ
複雑で自然に近い波浪パターンの合成ができるようにさ
れる。

［実施例］ 第１図は、この発明の一実施例である波浪画像発生方
式を示す概略構成図である。この第１図において、 CPU（11）は波浪画像の発生のために必要な各種のデ
ジタル・データの演算処理を実行するためのものであ
る。

このCPU（11）の後段に接続されている座標変換部（1
2）は、スクリーン座標から後述の波浪パターンに関す
るパターン記憶部（波浪パターンを記憶する機能を果た
すもの）座標に変換する機能を果たすものであって、あ
る所定の基本サイズ（個々の波浪パターンに与えられた
長さの中で最長のもの）に基づいて所要の座標変換を施
すものである。

平行移動部（131）〜（13i）は、CPU（11）からの対
応のデジタル・データに基づいてそれぞれの波浪パター
ンに関する平行移動量を決定するためのものであって、
ある所定のスイッチ部とシフタ部とから構成されてい
る。なお、このシフタ部で与えられる一種の係数値（ψ
_１）〜（ψ_ｉ）は、それぞれの波浪パターンのサイズと
ある基本のサイズとの比を示す数値であって、通常は２
のベキ乗で表されている。

パターン記憶部（141）〜（14i）は、それぞれの波浪
パターンを記憶しておく機能を果たすものであって、２
次元的な広がりをもつようにされており、前記波浪パタ
ーンの種類に対応する個数が用意されている。

（15）はパターン混合部であって、その前段に設けら
れているパターン記憶部（141）〜（14i）からの各種の
波浪パターンを適当に混合することにより、所望の波浪
画像を生成させるためのものである。

第２図は、上記実施例の動作を説明するための、波浪
パターンの例示図である。この第２図において、（21
1）〜（21i）は波浪パターンの発生区画であって、例え
ば、ある所定の記憶手段（図示されない）の単位記憶区
画である。そして、これらの波浪パターン発生区画（21
1）〜（21i）には、それぞれに、ある所要の波浪パター
ン（221）〜（22i）が格納されている。そして、これら
の波浪パターンの平行移動方向は、それぞれに、v1〜v2
にされている。また、（23）は前記各種の波浪パターン
が合成される合成波浪パターン発生区画であって、この
合成波浪パターン発生区画（23）には、所望の合成処理
の結果としての合成波浪パターン（24）が得られること
になる。

次に、上記の第１図および第２図を適宜参照しなが
ら、この発明の実施例方式の動作について説明する。

例えばブラウン管式の表示装置のような、波浪画像を
表示するための所要の波浪画像表示装置（図示されな
い）に対して与えられる、１フレーム毎の合成波浪画像
信号について、ホスト計算機としてのCPU（11）から伝
送される視点位置（X₀、Y₀）および姿勢マトリクス（T
M）に基づき、座標変換部（12）においては、下記の
（１）式に示されるような演算を実行する。

A_X＝（U/W）＋X₀ A_Y＝（V/W）＋Y₀ （ただし、ｐ、ｑ、１は表示装置のスクリーンにおける
画素位置を示す。） そして、上記の演算実行の結果としての基本サイズに
関する記憶手段のメモリ・アドレスA_XおよびA_Yを、次段
の平行移動部（131）〜（13i）に伝送する。

そして、この平行移動部（131）〜（13i）において
は、スイッチの働きに基づき、それぞれに対応する平行
移動量（D_X1、D_Y1）〜（D_Xi、D_Yi）を加算するととも
に、それぞれの実スケールに戻すための係数（ψ_１）〜
（ψ_ｉ）を用いて所要のシフト処理を施す。

X_i＝A_X＋D_Xi ← →（ψ_ｉ分のシフト） Y_i＝A_Y＋D_Yi ← →（ψ_ｉ分のシフト） （ただし、ｉは波浪パターンの番号） ここで得られたX_iおよびY_iは、パターン記憶部（14
i）でのＸ方向およびＹ方向に対するアドレスとして用
いられ、これに該当する波浪パターン値がパターン混合
部（15）に送られて、所望の波浪パターンの合成が行わ
れる。

［発明の効果］ 以上説明されたように、この発明に係る波浪画像発生
方式によれば、ある所定の基本サイズに基づく座標変換
が実行されて、当該基本サイズでのパターン記憶部のメ
モリ・アドレスが求められ、各種の波浪パターンに関す
る実際のメモリ・アドレスを前記基本サイズとの所定の
比率による補正を施すようにされており、このために、
座標変換部を個別の波浪パターンに対応させて用意して
おく必要がなくなる。

また、平行移動部に所定のスイッチ部を設けるように
したことから、複数個の波浪パターンの平行移動の要否
を個別の波浪パターンに対応させて決定することが可能
となり、それだけ複雑な合成波浪パターンを任意に発生
させることができる。

更に、前記複数個の波浪パターンの個別の平行移動量
について、ホスト計算機としてのCPU側において適切な
制御をすることも可能となり、これによっても最終的に
得られる合成波浪パターンの形状が任意かつ複雑なもの
になり、それだけ自然界の実際の波浪に近似させること
がでるという効果が奏せられることになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の一実施例である波浪画像発生方式
を示す概略構成図、第２図は、上記実施例の動作を説明
するための、波浪パターンの例示図、第３図は、従来の
波浪画像発生に関する説明のための波浪例示図である。 （11）はCPU、（12）は座標変換部、（131）〜（13i）
は平行移動部、（141）〜（14i）はパターン記憶部、
（15）はパターン混合部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】所定の演算処理を施すホスト計算機として
   のCPU; 前記CPUの制御の下に座標の変換処理を施す座標変換
   部； 複数個の波浪パターン毎に選択的に平行移動を行わせる
   平行移動部； 複数個の波浪パターンを個別に記憶させておくパターン
   記憶部；および、 前記複数個のパターン記憶部からの波浪パターン信号に
   基づいて合成波浪パターンを生成させるパターン混合
   部； を含んでなることを特徴とする波浪画像発生方式。