JPH08169079A - 耐摩耗性積層体およびその製造方法 - Google Patents

耐摩耗性積層体およびその製造方法

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JPH08169079A
JPH08169079A JP6335018A JP33501894A JPH08169079A JP H08169079 A JPH08169079 A JP H08169079A JP 6335018 A JP6335018 A JP 6335018A JP 33501894 A JP33501894 A JP 33501894A JP H08169079 A JPH08169079 A JP H08169079A
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JP
Japan
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layer
polyester resin
skin
wear
abrasion
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Withdrawn
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JP6335018A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Senda
博 千田
Fusatake Nishimura
房丈 西村
Yoshio Kanemoto
好生 金本
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SENDAETSUSABUROU SHOTEN KK
Original Assignee
SENDAETSUSABUROU SHOTEN KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ポリエステル系積層体において、耐摩耗性を向
上させる。 【構成】当該積層体は支持層11、支持層11の表面に
積層された中間接着層12、中間接着層12の表面に積
層されたポリエステル樹脂層13、およびポリエステル
樹脂層の表面に積層された表皮層14を一体的に備え、
表皮層14はポリエステル樹脂からなる表皮14aと、
表皮14aの少なくとも表面にほぼ均一に分散している
耐摩耗性粒子14bとにより構成されており、表皮層1
4の表面が高い耐摩耗性を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建材、家具材等に使用
される化粧板等の積層体であって、表面が耐摩耗性を有
する耐摩耗性積層体、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】積層体の一形式として、特開昭59−1
06961号公報に示されているように、支持層の一面
に熱硬化性合成樹脂を含浸させて形成した化粧シートを
積層してなる熱硬化性化粧板があり、当該化粧板におい
ては熱硬化性合成樹脂としてメラミン樹脂を使用してい
るのが一般である。当該化粧板においては、表面にメラ
ミン樹脂層が存在していることから、表面が耐摩耗性に
優れているという特性を有する。
【0003】一方、メラミン樹脂より廉価な合成樹脂で
ある不飽和ポリエステル樹脂を使用した化粧板等の積層
体として、支持層の一面に積層された中間接着層、同中
間接着層の一面に積層された不飽和ポリエステル樹脂層
を一体的に備えた積層体がある。当該積層体(以下不飽
和ポリエステル樹脂系積層体と称することがある)は表
面層が硬化したポリエステル樹脂層であることから、上
記したメラミン樹脂系の化粧板に比較して表面の耐摩耗
性が低い。このため、当該積層体は耐摩耗性が要求され
る用途での使用が敬遠されがちであり、かかる用途に使
用されるためには少なくとも上記したメラミン樹脂系の
化粧板が有する程度の耐摩耗性を備えていなければなら
ないる。
【0004】積層体の表面に耐摩耗性を付与する手段と
しては、メラミン樹脂系の化粧板の耐摩耗性を一層向上
すべき手段が上記公報に示されている。当該耐摩耗性付
与手段は、メラミン樹脂系の化粧板を構成する化粧シー
トの表面に微結晶セルロースを結合剤として耐摩耗性の
鉱物粒子を結合させ、さらにこの状態でメラミン樹脂を
含浸させるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した不
飽和ポリエステル樹脂系積層体に耐摩耗性を付与する場
合にも、当然上記したメラミン樹脂系化粧板のごとく表
面に耐摩耗性粒子を結合させる手段を採用することが考
えられる。しかしながら、上記した結合手段を採用する
場合には、耐摩耗性粒子を結合させる表面がポリエステ
ル樹脂層であることから耐摩耗性粒子の結合強度が十分
ではなく、また耐摩耗性粒子の結合工程と、その後の硬
化性樹脂の含浸工程と、含浸した硬化性樹脂を硬化させ
るための加熱工程を必要とするため、製造工程が3工程
も増加して製造が面倒になるとともに、製造コストの上
昇を招くという問題がある。
【0006】従って、本発明の第1の目的は、上記した
ポリエステル樹脂系積層体における表面の耐摩耗性を、
メラミン樹脂系化粧板が有する耐摩耗性の程度またはそ
れ以上に向上させることにあり、また本発明の第2の目
的は、このような耐摩耗性積層体を容易にかつ安価に製
造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は耐
摩耗性積層体に関するもので、当該積層体は支持層、同
支持層の一面に積層された中間接着層、同中間接着層の
一面に積層されたポリエステル樹脂層、および同ポリエ
ステル樹脂層の一面に積層された表皮層を一体的に備
え、前記表皮層はポリエステル樹脂からなる表皮と、同
表皮の表面にほぼ均一に分散している耐摩耗性粒子とに
より構成されていることを特徴とするものである。
【0008】当該積層体においては、前記支持層が木質
系材料、無機質系材料から選ばれた材料にて形成され、
前記中間接着層が紙、不織布から選ばれた材料にて形成
され、前記ポリエステル樹脂層が硬化性の不飽和ポリエ
ステル樹脂にて形成され、前記表皮が硬化性の不飽和ポ
リエステル樹脂にて形成され、かつ前記耐摩耗性粒子が
無機質系材料にて形成されていること、前記耐摩耗性粒
子がセラミック粒子であること、および/または前記表
皮層を構成する表皮の厚みが50〜200μmであり、
かつ前記耐摩耗性粒子の粒径が10〜200μmである
こと等が好ましい。
【0009】また、本発明の第2の発明は耐摩耗性積層
体の製造方法に関するもので、当該製造方法は支持層、
同支持層の一面に積層された中間接着層、同中間接着層
の一面に積層されたポリエステル樹脂層、および同ポリ
エステル樹脂層の一面に積層された表皮層を一体的に備
え、前記表皮層はポリエステル樹脂からなる表皮と、同
表皮の少なくとも表面にほぼ均一に分散している耐摩耗
性粒子とにより構成されている耐摩耗性積層体の製造方
法であって、前記支持層の一面に接着剤を介して前記中
間接着層を載置して接着する工程、前記表皮層を形成す
る工程、および同表皮層を前記中間接着層の一面に液状
のポリエステル樹脂を介して載置して同ポリエステル樹
脂を硬化させ前記ポリエステル樹脂層を形成する工程か
らなることを特徴とするものである。
【0010】当該製造方法においては、前記表皮層を、
前記耐摩耗性粒子が分散している液状のポリエステル樹
脂を同ポリエステル樹脂とは非親和性のフイルム上に塗
布して硬化して形成すること、前記表皮層を、前記表皮
が半硬化状態にあるとき前記フイルムと一体に、前記中
間接着層上に塗布した液状のポリエステル樹脂層の一面
に載置して硬化させて、同ポリエステル樹脂と一体に前
記表皮を硬化することが好ましい。
【0011】本発明に係る積層体においては、同積層体
を構成する支持層として木材、木質系合板、木質系ハー
ドボード、石膏ボード、無機質繊維ボード、その他の無
機質材料からなる各種形状の支持層を採用することがで
きる。また、中間接着層としては各種の紙、繊維紙、不
織布等を採用することができ、これらを接着剤を介して
支持層の一面に接着させる。また、ポリエステル樹脂層
および表皮層の表皮を形成する合成樹脂としては、不飽
和ポリエステル樹脂を主体とするもので、熱の硬化作用
により硬化性のもの、硬化剤の作用により硬化するも
の、空気の硬化作用により硬化するもの、これら作用の
総合により硬化するもの等、硬化性のポリエステル樹脂
を採用することができる。また、耐摩耗性粒子として
は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、シリコ
ンカーバイト等のセラミック質粒子、ガラス、その他の
鉱物粒子等の無機質材料からなる粒子を採用することが
できる。
【0012】また、本発明の積層体の製造方法におい
て、表皮層を形成する際に使用される非親和性のフイル
ムとしては、ビニロン等のビニル系樹脂、テトラフルオ
ロエチレン、その他のフッソ系樹脂、ポリエチレンテレ
フタレート等の飽和ポリエステル、ポリプロピレン、ポ
リエチレン等のポリオレフィン、ナイロン等のポリアミ
ドからなるフイルムを採用することができる。
【0013】
【発明の作用・効果】本発明に係る耐摩耗性積層体にお
いては、そのポリエステル樹脂層の表面に、表皮の少な
くとも表面に耐摩耗性粒子がほぼ均一に分散している表
皮層が形成されているとともに、表皮がポリエステル樹
脂層と同一または類似のポリエステル樹脂にて形成され
ていて同樹脂層との親和性が高く、同樹脂層に対して高
い接着強度を示す。このため、表皮層内の耐摩耗性粒子
のポリエステル樹脂層に対する結合強度が高く、当該耐
摩耗性積層体は高い耐摩耗性を長期間保持する。また、
当該耐摩耗性積層体においては、特に耐摩耗性粒子が無
機質材料からなる粒子であって、表皮層を構成する表皮
の厚みが50μm以上であり、かつ耐摩耗性粒子の平均
粒径が10μm以上である場合には、耐摩耗性が一層向
上するとともにこの高い耐摩耗性を長期間保持する。な
お、表皮層を構成する表皮の厚みは、耐摩耗性積層体の
その後の加工性、例えば各種の鋸による切断の容易性等
を考慮すれば200μm以下であることが好ましく、ま
た表皮の厚みとの関連において耐摩耗性粒子の粒径は2
00μm以下であることが好ましい。
【0014】また、本発明に係る耐摩耗性積層体の製造
方法によれば、予め調製しておいた表皮層を中間接着層
の一面に液状のポリエステル樹脂を介して載置して、同
ポリエストル樹脂を硬化させることによりポリエストル
樹脂層の形成と同時に同ポリエステル樹脂層の一面に表
皮層を接着固定させることから、従来のメラミン樹脂系
化粧板の製造において必須の工程である耐摩耗性粒子の
結合、硬化性樹脂の含浸、含浸した硬化性樹脂の硬化と
いう3つの工程を同時に行うことと同様の結果が得ら
れ、製造工程の増加を大幅に抑制することができる。ま
た、当該製造方法において特に、表皮層を、耐摩耗性粒
子が分散している液状のポリエステル樹脂を同ポリエス
テル樹脂とは非親和性のフイルム上に塗布して硬化して
形成する手段を採用すれば、また表皮層を表皮が半硬化
状態にあるとき前記フイルムと一体に、中間接着層上に
塗布した液状のポリエステル樹脂層の一面に載置して硬
化させる手段を採用すれば、耐摩耗性粒子が少なくとも
表皮の表面に均一に分散している表皮層をポリエステル
樹脂層の一面に容易にかつ強固に固着することができ、
同表皮層のポリエステル樹脂層に対する接着強度を一層
向上させることができる。
【0015】
【実施例】
(耐摩耗性積層体)図1には、本発明の一実施例に係る
耐摩耗性積層体が示されている。当該積層体はポリエス
テル化粧板であって、化粧板10は支持層11、中間接
着層12、ポリエステル樹脂層13、および表皮層14
からなる4層構造に構成されている。支持層11は木質
系の合板からなるもので、1.0mm〜30mmの範囲
の厚みのものが採用される。中間接着層12はチタン紙
を熱硬化型接着剤を介して支持層11の表面に接着して
なる50μm〜100μmの厚みを有するもので、接着
剤はチタン紙および合板内に一部浸透した状態で熱硬化
して中間接着層12を支持層11の表面に強固に接着し
ている。従って、中間接着層12はチタン紙に熱硬化型
接着剤が一部浸透した状態を呈していて、支持層11の
表面を平滑にする作用と化粧作用とを有している。
【0016】ポリエステル樹脂層13は不飽和ポリエス
テル樹脂を硬化してなる50μm〜250μmの厚みを
有するものである。ポリエステル樹脂層13は中間接着
層12を構成するチタン紙の色彩、模様等の有無によ
り、着色層、非着色の透明層のいずれかに形成され、チ
タン紙が色彩、模様等を有する化粧紙の場合には非着色
層が選択され、またチタン紙が色彩、模様等を有してい
ない非化粧紙の場合には各種の色彩の着色層が選択され
る。ポリエステル樹脂層13を着色層に形成するには、
各種色彩の顔料を分散させた液状のポリエステル樹脂を
採用して、これを中間接着層12の表面に塗布して硬化
させる。これにより、ポリエステル樹脂層13は色彩を
呈するとともに、中間接着層12の表面に強固に接着さ
れる。
【0017】表皮層14はポリエステル樹脂層13を形
成する不飽和ポリエステル樹脂と同一種類のポリエステ
ル樹脂からなる表皮14aと、表皮14aの少なくとも
表面に均一に分散している耐摩耗性粒子14bからなる
もので、耐摩耗性粒子14bとしてはアルミナ、シリ
カ、ジルコニア、チタニア、シリコンカーバイト等のセ
ラミック質粒子、ガラス、その他の鉱物粒子等の無機質
材料からなる粒子が採用される。また、表皮14aの厚
みは50〜200μmの範囲にあり、かつ耐摩耗性粒子
14bの平均粒径は10〜200μmの範囲にある。化
粧板10は、これらの範囲においては特に、耐摩耗性が
高く、耐摩耗性の寿命が長く、かつ加工性の良好な耐摩
耗性積層体が得られる。
【0018】(耐摩耗性積層体の製造方法)当該化粧板
10は、下記の製造方法により製造される。すなわち、
当該製造方法は、支持層11の表面に接着剤を介して中
間接着層12を形成する材料を載置して接着する第1工
程、表皮層14を形成する第2工程、中間接着層12の
表面に液状のポリエステル樹脂を塗布して同ポリエステ
ル樹脂上に表皮層14を載置して同ポリエステル樹脂を
硬化させる第3工程からなるものである。
【0019】第1工程においては、中間接着層12の形
成に使用する接着剤として硬化型接着剤を採用し、同接
着剤を支持層11の表面全面に均一に塗布してその上に
形成材料である紙、不織布等を載置し、加熱および/ま
たは加圧して接着剤を硬化することにより紙、不織布等
を支持層11の表面に接着する。この場合、接着剤が支
持層11の表層部と紙、不織布等の下層部に浸透した状
態となってこれら両者を強固に接着し、支持層11の表
面に中間接着層12を形成する。中間接着層12は支持
層11の表面を平滑化するとともに、紙、不織布等とし
て着色または模様を有するものを採用した場合には化粧
シートとしても機能する。
【0020】第2工程においては、表皮層14として表
皮14aとその少なくとも表面に均一に分散している耐
摩耗性粒子14bからなる表皮層を採用するもので、表
皮14aはポリエステル樹脂層13に使用する不飽和ポ
リエステル樹脂と同一または類似の不飽和ポリエステル
樹脂が採用される。また、耐摩耗性粒子14bとしては
上記したごとく、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタ
ニア、シリコンカーバイト等のセラミック質粒子、ガラ
ス、その他の鉱物粒子等の無機質材料からなる粒子が採
用される。表皮層14において、表皮14aの厚みは5
0〜200μmの範囲にあり、耐摩耗性粒子14bの平
均粒径は10〜200μmの範囲にある。
【0021】表皮層14を形成する方法としては、図2
および図3に示すフィルム枠20を使用する方法が好ま
しい。フィルム枠20は枠体21にフィルム22を張設
してなるもので、耐摩耗性粒子14bを分散させた硬化
剤を添加してなる液状の不飽和ポリエステル樹脂15を
フィルム22上にスプレー等の手段で塗布して表皮層1
4を形成する。フィルム22は表皮14aを構成する不
飽和ポリエステル樹脂に対して非親和性の特性を有する
もので、このようなフィルムとしては、ビニロン等のビ
ニル系樹脂、テトラフルオロエチレン、その他のフッソ
系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等の飽和ポリエス
テル、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィ
ン、ナイロン等のポリアミドからなるフイルムを採用す
ることができる。これらのフィルム22は表皮14aに
対する離型性がよく、表皮層14の表面から容易に剥離
させることができる。
【0022】フィルム枠20を使用して表皮層14を形
成する方法においては、液状の不飽和ポリエステル樹脂
に均一に分散していた耐摩耗性粒子14bは自重により
沈降して、不飽和ポリエステル樹脂を塗布した直後から
漸次フィルム22側に移行する。このため、耐摩耗性粒
子14bが表皮14aの少なくとも表面の全面にほぼ均
一に分散した表皮層14が容易に形成される。
【0023】第3工程においては、ポリエステル樹脂層
13の形成に使用するポリエステル樹脂としては、熱ま
たは硬化剤の作用により硬化する不飽和ポリエステル樹
脂を採用し、液状の状態で中間接着層12の表面全面に
均一に塗布して、その上に表皮層14を載置して硬化す
る。これにより、表皮層14が表面に強固に固着したポ
リエステル樹脂層13が形成される。中間接着層12を
構成する紙、不織布等が着色または模様を有していない
場合には、不飽和ポリエステル樹脂としては適宜色彩の
顔料を分散させたものが採用され、また紙、不織布等が
着色または模様を有している場合には顔料を分散させて
いない透明のものが採用される。
【0024】第3工程において、表皮層14はその表皮
14aが完全に硬化した後または半硬化状にあるとき
に、中間接着層12に塗布された液状のポリエステル樹
脂層13の表面に載置する。この場合、表皮層14の表
皮14aが半硬化状態にあるとき液状のポリエステル樹
脂上に載置するようにすれば、同樹脂の硬化の際に表皮
14aが同樹脂と一体的に硬化されるため、表皮層14
のポリエステル樹脂層13に対する接着強度が一段と向
上する。
【0025】(耐摩耗性積層体の製造実験)本実験で
は、耐摩耗性積層体の耐摩耗試験に供するため、図1に
示す各種表皮層14からなる化粧板10を製造した。ま
た、本製造実験においては、各種表皮層14の形成には
図2および図3に示すフィルム枠20を使用した。化粧
板10は、3.0mmの厚みの合板からなる支持層1
1、厚み80μmのチタン紙からなる中間接着層12、
各種の厚みの不飽和ポリエステル樹脂を主体とするポリ
エステル樹脂層13、および各種の表皮層14からなる
もので、また表皮層14は各種の厚みの表皮14aとシ
リコンカーバイトの粉末からなる各種の平均粒径の耐摩
耗性粒子14bとにより構成している。また、各化粧板
10は下記の条件で製造した。
【0026】支持層11の表面に中間接着層12を形成
する第1工程においては、接着剤としてユリア樹脂、酢
酸ビニル樹脂エマルジョン、小麦粉、および硬化剤から
なる硬化型接着剤を使用し、同接着剤を支持層11の表
面に77g/m2の量をロールコータにて塗布し、坪量
70g/m2、厚み80μmの模様付きのチタン紙を載
置する。この状態で、チタン紙上からプレス機にて11
0℃、7kg/cm2、50秒間熱圧縮して、支持層1
1の表面に接着した中間接着層12を形成した。
【0027】表皮層14を形成する第2工程において
は、ポリエステル樹脂層13を形成する不飽和ポリエス
テル樹脂と同じ不飽和ポリエステル樹脂を使用し、これ
に各種平均粒径のシリコンカーバイト粉末を均一に分散
させて、異なる粒径のシリコンカーバイト粉末が分散し
ている複数の原料を調製する。これらの各原料15を水
平状に支持されたフィルム枠20のフィルム22上にス
プレーにより噴霧して均一の厚みに塗布して、異なる厚
みの表皮14aと異なる粒径の耐摩耗性粒子14bから
なる各種の表皮層14を形成した。
【0028】表皮層14と一体のポリエステル樹脂層1
3を形成する第3工程においては、このように形成され
た表皮層14を、表皮14aが半硬化状態にあるときに
フィルム枠20と一体に、中間接着層12上に塗布した
ポリエステル樹脂層13を形成するための液状のポリエ
ステル樹脂の表面に載置し、フィルム枠20のフィルム
22上から圧延し、その後2時間放置して表皮14aお
よびポリエステル樹脂を硬化して表皮層14と一体のポ
リエステル樹脂層13を形成し、その後フィルム枠20
を表皮層14から除去した。なお、表皮14aの半硬化
状態を判定する手段としては、表皮14a上に指を接触
させる手段でよく、指を接触させてまだ柔らかさを感じ
る程度が好ましい。
【0029】ポリエステル樹脂層13を形成するための
液状のポリエステル樹脂としては、不飽和アルキドにナ
フテン酸コバルトおよびスチレンモノマーを含む不飽和
ポリエステル樹脂、または必要により同樹脂に顔料を添
加して使用して、ローラ台上に載置してある第1工程で
形成された2層構造体の中間接着層12の表面に塗布
し、塗布後に表皮層14を載置した。その後、表皮層1
4上から自重40kgのローラーを5回往復動させて液
状のポリエステル樹脂を圧延した。この場合の圧延時の
ローラー圧は5kg/cm2であった。その後、2時間
放置してポリエステル樹脂を硬化させ、中間接着層12
の表面に強固に接着したポリエステル樹脂層13を表皮
層14と一体的に形成した。
【0030】(耐摩耗性積層体の耐摩耗性試験)各種の
表皮層14からなる各種の化粧板10の試験片(試験N
O.1〜NO.36)について耐摩耗性試験を行うとと
もに、比較例のためこれらと同一の条件で製造され表皮
層14を備えていない化粧板の試験片(A)、および従
来のメラミン樹脂系の熱硬化性化粧板の試験片(B)に
ついて耐摩耗性試験を行った。耐摩耗性試験は、熱硬化
性化粧板試験法JIS K6902(1963)に基づ
いて行い、耐摩耗性は各試験片を4000回回転させた
場合の摩耗量(g)の多少により判別した。得られた結
果を下記の表1,表2に示すとともに、各平均粒径の粒
子における表皮層中の含有量(%)と摩耗量(g)との
関係を図4に示す。なお、比較例として行った耐摩耗性
試験では、試験片(A)についての摩耗量は試験片の回
転数850回において0.5gであるのに対して、試験
片(B)についての摩耗量は試験片の回転数955回に
おいて0.3gであった。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表1,表2を参照すると明らかなように、
本発明に係る化粧板10は従来のこの種の不飽和ポリエ
ステル樹脂系化粧板(A)に比較して極めて高い耐摩耗
性を備えていること、および従来のメラミン樹脂系化粧
板(B)に比較しても極めて高い耐摩耗性を備えている
ことが認められる。また、本発明に係る化粧板10にお
いては、表皮層14中の耐摩耗性粒子14bの平均粒径
が大きいほうが高い耐摩耗性を示し、かつ表皮層14中
の耐摩耗性粒子14bの含有率が高いほうが高い耐摩耗
性を示す。耐摩耗性粒子14bの平均粒径の下限値は、
含有率をも考慮すれば10μm以上、好ましくは20μ
m以上である。また、表皮層14の表皮14aの厚みの
下限値は、耐摩耗性粒子の結合力との関係から50μm
以上であり、かつその上限は化粧板10の加工の容易性
を考慮すれば200μm以下であることが好ましく、表
皮14aの上限と関連して耐摩耗性粒子の平均粒径の上
限も200μmである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る耐摩耗性積層体である
化粧板の縦断面図である。
【図2】同化粧板を構成する表皮層のフィルム枠上での
一部切欠斜視図である。
【図3】同表皮層の形成過程を示す概略説明図である。
【図4】同化粧板における表皮層中の耐摩耗性粒子の各
平均粒径における含有率と摩耗量の関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
10…化粧板(耐摩耗性積層体)、11…支持層、12
…中間接着層、13…ポリエステル樹脂層、14…表皮
層、14a…表皮、14b…耐摩耗性粒子、15…原
液、20…フィルム枠、21…枠体、22…フィルム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 3/00 KJQ C08L 67/06 MSC

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持層、同支持層の一面に積層された中間
    接着層、同中間接着層の一面に積層されたポリエステル
    樹脂層、および同ポリエステル樹脂層の一面に積層され
    た表皮層を一体的に備え、前記表皮層はポリエステル樹
    脂からなる表皮と、同表皮の少なくとも表面にほぼ均一
    に分散している耐摩耗性粒子とにより構成されているこ
    とを特徴とする耐摩耗性積層体。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の耐摩耗性積層体におい
    て、前記支持層が木質系材料、無機質系材料から選ばれ
    た材料にて形成され、前記中間接着層が紙、不織布から
    選ばれた材料にて形成され、前記ポリエステル樹脂層が
    硬化性の不飽和ポリエステル樹脂にて形成され、前記表
    皮が硬化性の不飽和ポリエステル樹脂にて形成され、か
    つ前記耐摩耗性粒子が無機質系材料にて形成されている
    ことを特徴とする耐摩耗性積層体。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の耐摩耗性積層体
    において、前記耐摩耗性粒子がセラミック粒子であるこ
    とを特徴とする耐摩耗性積層体。
  4. 【請求項4】請求項1または2に記載の耐摩耗性積層体
    において、前記表皮層を構成する表皮の厚みが50〜2
    00μmであり、かつ前記耐摩耗性粒子の平均粒径が1
    0〜200μmであることを特徴とする耐摩耗性積層
    体。
  5. 【請求項5】支持層、同支持層の一面に積層された中間
    接着層、同中間接着層の一面に積層されたポリエステル
    樹脂層、および同ポリエステル樹脂層の一面に積層され
    た表皮層を一体的に備え、前記表皮層はポリエステル樹
    脂からなる表皮と、同表皮の表面にほぼ均一に分散して
    いる耐摩耗性粒子とにより構成されている耐摩耗性積層
    体の製造方法であり、前記支持層の一面に接着剤を介し
    て紙、不織布から選ばれた材料を載置して前記中間接着
    層を形成する工程、前記表皮層を形成する工程、および
    同表皮層を前記中間接着層の一面に液状のポリエステル
    樹脂を介して載置して同ポリエステル樹脂を硬化させ前
    記ポリエステル樹脂層を形成する工程からなることを特
    徴とする耐摩耗性積層体の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の製造方法において、前記
    表皮層を、前記耐摩耗性粒子が分散している液状のポリ
    エステル樹脂を同ポリエステル樹脂とは非親和性のフイ
    ルム上に塗布して硬化して形成することを特徴とする耐
    摩耗性積層体の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の製造方法において、前記
    表皮層を、前記表皮が半硬化状態にあるとき前記フイル
    ムと一体に前記中間接着層の一面に塗布した液状のポリ
    エステル樹脂上に載置して、同ポリエステル樹脂と一体
    に前記表皮を硬化することを特徴とする耐摩耗性積層体
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011508683A (ja) * 2007-12-21 2011-03-17 サーファス・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディトゲゼルシャフト 装飾模様入り積層体を製造するための方法
JP2011515605A (ja) * 2008-03-24 2011-05-19 バイオベーション,エルエルシー バイオラミネート合成組立部品および関連する方法

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