JPH0816675B2 - ガスクロマトグラフ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はラボラトリオートメーションに適したガスク
ロマトグラフ装置に関する。

（従来技術） 近年におけるキャピラリーカラムの性能向上によって
一つのキャピラリーカラムでカバーすることができる分
析対象の範囲が拡くなり、数種類のキャピラリーカラム
を用意すれば通常の分析作業には不自由を来すことがな
いと言われている。

このようなことから、規模の大きな分析室では、分析
対象に応じたキャピラリカラムを固定的に装架した複数
のガスクロマトグラフユニットを用意して、試料に適し
たガスクロマトグラフユニットを用いて分析する手法が
採用されている。

しかしながら、個々のガスクロマトグラフユニットに
オートサンプラーを備え付けることにより試料の注入作
業を自動化することは可能となるとしても、試料に適し
たガスクロマトグラフ装置の選択や分析条件の設定には
熟練を要し、ガスクロマトグラフを熟知した人に頼らざ
るを得ない場合が多く、効率的な運用が困難であるとい
う問題があった。

（目的） 本発明のような事情に鑑みてなされたものであって、
その目的とするところは、複数のガスクロマトグラフユ
ニットを有機的に結合して高い信頼性と高い効率により
運用することができるガスクロマトグラフ装置を提供す
ることにある。

（発明の概要） すなわち、本発明においては異なる分析条件が設定さ
れ、かつそれぞれ同一部位に試料注入口を有する複数の
ガスクロマトグラフユニットと、試料容器収集部と前記
ガスクロマトグラフユニットとの間を移動する試料移送
手段と、試料容器に記録された分析条件データを読取る
手段と、前記分析条件データに基づいてガスクロマトグ
ラフユニットを選択するとともに、選択されたガスクロ
マトグラフユニットに試料を注入するように前記試料移
送手段を作動せしめる制御手段とを備えるようにした。

（実施例） そこで、以下に本発明の詳細を図示した実施例に基づ
いて説明する。

第１図は、本発明の一実施例を示すものであって、図
中符号11、12、13…は、それぞれ異なるカラムを備えた
ガスクロマトユニットで、その筺体上面に試料注入口11
a、12a、13a‥‥と、これから一定の関係をもって位置
検出用部材11b、12b、13bが配置されている。20は、試
料移送機構で、各ユニットの位置検出部材と一定の位置
関係を持つように配設された軌道21に後述する搬送部材
22を移動可能に取付け、伝導部材23を介してサーボモー
タ24によりサンプルトレイ25とユニット11、12、13の間
を移動するように構成されている。

22は、前述の搬送部材で、第２図に基体22aに昇降機
構22b、22bを介して基板22cを上下動可能に取付け、こ
こにシリンジ22dを固定するホルダ22e、シリンジ操作機
構22fを設け、また前述の位置検出部材11b〜13bを検出
するセンサ26を取付けて構成されている。なお、図中符
号27は、後述する制御装置30からの信号を各駆動部材22
b、22fに、また位置検出用のセンサ26からの信号を制御
装置に伝送するケーブルを示す。

再び第１図に戻って、図中符号30は、マイクロコンピ
ュータを使用した制御装置で、サンプルトレイ25の近傍
に配置したデータ読取装置31からのデータの入力を受け
ていずれかのガスクロマトグラフユニットの選択を行な
い、選択されたガスクロマトグラフユニットにサンプル
トレイ25から試料移送機構20により試料を移送して注入
し、さらには各ユニットの動作を管理するようにプログ
ラムされている。

次に、このように構成した装置の動作を第４図に示し
たフローチャートに基づいて説明する。

試料を採取して容器Ｂに収容した時点で、この試料に
適した分析条件を表わすコードを記したラベルＬを容器
Ｂに貼付してサンプルトレイ25に載置する（第３図）。
この容器Ｂは、トレイ25によりコード読取装置31に運ば
れてラベルＬに記録されている分析条件を読取られ、次
いでサンプリング位置に移動させられる。制御装置30
は、データ読取装置31により読取られた分析条件に最も
適したガスクロマトグラフユニット、例えばユニット12
を選択する一方、試料移送機構20を作動させて容器Ｂか
らのシリンジ22dによって一定量の試料を採取する。試
料採取後、制御装置30は、試料移送機構20を作動させて
ガスクロマトグラフユニット12に向けて移動させ、目的
のガスクロマトグラフユニット12の位置検出用部材12b
に達した時点で減速し、ここから一定の距離を移動して
シリンジ22dの注射針22gを試料注入口12aに位置を合せ
させ、ついで、昇降機構22b、22bを駆動してシリンジ22
dの注射針22gを試料注入口12aに挿入後、シリンジ駆動
機構22fにより試料をユニット12に注入する。これによ
り、試料は、最適の分析条件でもって分析されることに
なる。

一方試料注入を終えたシリンジ22dは、試料移送機構2
0によって図示しない洗浄部に運ばれて洗浄を受け、次
の試料注入に備える。

第２の試料を収容した容器Ｂ′がトレイ25によりデー
タ読取装置31に運ばれてこれの分析条件が読取られる
と、制御装置30はこの分析条件に合ったガスクロマトグ
ラフユニットを選択するとともに、試料移送機構20を作
動させて第２の試料を選択されたガスクロマトグラフユ
ニットに注入する。

一方、第２の試料を分析するに最適なガスクロマトグ
ラフユニット、例えばユニット12が稼働中の場合には、
制御装置30はこの第２の試料を分析することなくサンプ
ルトレイ25を１試料分だけ移動させ、第３の試料につい
ての分析条件を検出してこれの分析を実行させる。

一定時間が経過した段階で、ペンデイングした第２の
試料を再びデータ読取装置31に移送して上記工程を繰返
す。

なお、この実施例においては、１本の軌道上に一台の
試料移送機構を装荷しているが、複数の移送機構を装荷
することにより試料注入に要する時間を短縮することが
可能となる。

また、この実施例においては試料収集部からシリンジ
により各クロマドグラフユニットに試料を搬送するよう
にしているが、サンプリング機構を予め備えたガスクロ
マトグラフユニットを使用する場合には、サンプルトレ
イから試料容器を各ユニットのサンプリング機構に搬送
するようにしても同様の作用を奏することは明らかであ
る。

（効果） 以上、説明したように本発明においては、異なる分析
条件が設定され、かつそれぞれ同一部位に試料注入口を
有し、試料移動経路に配置された複数のガスクロマトグ
ラフユニットと、試料容器収集部とガスクロマトグラフ
ユニットとの間を移動する試料移送手段と、試料容器に
記録された分析条件データを読取る手段と、分析条件デ
ータに基づいてガスクロマトグラフユニットを選択する
とともに、選択されたガスクロマトグラフユニットに試
料を注入するように試料移送手段を作動せしめる制御手
段とを備えるようにしたので、複数のガスクロマトグラ
フユニットを有機的に結合させてシステムとして運用す
ることができるばかりでなく、一つの試料移送手段移送
手段により複数のユニットに試料を注入できて分析設備
のコストを引き下げることができ、さらには試料移送手
段の軌道を延長するだけで簡単にガスクロマトグラフユ
ニットを増設することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す装置の構成図、第２図
は同上装置における試料移送機構の一実施例を示す斜視
図、第３図は試料容器の一実施例を示す斜視図、及び第
４図は第１図装置の動作を示すフローチャートである。 11、12、13……ガスクロマトグラフユニット 20……試料移送機構 21……軌道、22……搬送部材 25……サンプルトレイ、30……制御装置 31……データ読取装置、Ｂ……試料容器 Ｌ……分析条件記録用ラベル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】異なる分析条件が設定され、かつそれぞれ
   同一部位に試料注入口を有し、試料移動経路に配置され
   た複数のガスクロマトグラフユニットと、試料容器収集
   部と前記ガスクロマトグラフユニットとの間を移動する
   試料移送手段と、試料容器に記録された分析条件データ
   を読取る手段と、前記分析条件データに基づいてガスク
   ロマトグラフユニットを選択するとともに、選択された
   ガスクロマトグラフユニットに試料を注入するように前
   記試料移送手段を作動せしめる制御手段とを備えてなる
   ガスクロマトグラフ装置。