JPH08160996A - 音声符号化装置 - Google Patents

音声符号化装置

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JPH08160996A
JPH08160996A JP6300505A JP30050594A JPH08160996A JP H08160996 A JPH08160996 A JP H08160996A JP 6300505 A JP6300505 A JP 6300505A JP 30050594 A JP30050594 A JP 30050594A JP H08160996 A JPH08160996 A JP H08160996A
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JP
Japan
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filter
weighting
signal
pole
speech
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Pending
Application number
JP6300505A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Asakawa
吉章 淺川
Hidetoshi Sekine
英敏 関根
卓 ▲高▼島
Taku Takashima
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】低処理量で4kbps以下の低ビットレートで
も高品質な符号化音声品質を得ることの出来る、音声符
号化装置を実現することにある。 【構成】CELP型音声符号化装置において、入力音声
を全極型フィルタと全零型フィルタと高域強調フィルタ
の縦続接続よりなる重み付けフィルタで重み付けした信
号と、駆動音源信号を全極型フィルタと高域強調フィル
タの縦続接続よりなる重み付け合成フィルタを通して得
られた重み付け合成音声との誤差信号に基づいて、駆動
音源を決定する。その場合、全零型フィルタの特性は、
全極型合成フィルタと逆特性であり、また高域強調フィ
ルタは一次微分(一階差分)フィルタである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低ビットレートで高品
質な符号化音声を得るために好適な音声符号化装置に関
し、特に比較的少ない処理量で4kbps以下のビット
レートに適用できる音声符号化装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の音声符号化方式としては、忠実度
は高いがビットレートは下げられない波形符号化方式
(16〜64kbps)と、音声のメカニズムをモデル
化してモデル化パラメータだけを送出するパラメータ
符号化方式(2.4〜8kbps)、および両者の特徴
を取り入れたハイブリッド符号化方式(4〜16kb
ps)が知られている。上記ハイブリッド符号化方式と
しては、合成音声と入力音声(原音声)の重み付き誤差
を評価し、その誤差を最小化するように符号化パラメー
タを決定する,「合成による分析」手法を取り入れた音
声符号化方式が提案されている。この方式は、低ビット
レートにおいても比較的良好な音声品質を得ることに成
功している。その代表的なものとして、符号駆動線形予
測符号化(CELP)方式(例えば、M. R. Schroeder
and B. S. Atal: "Code-excited linear prediction (C
ELP)", Proc. ICASSP 85 (1985.3))があり、8kbp
s程度で実用的な音声品質を達成している。また、上記
CELP方式の改良方式も多数提案されており、例えば
ベクトル和駆動線形予測符号化(VSELP)方式(例
えば、I. A. Gerson and M. A. Jasiuk: "Vector sum e
xcited linear prediction (VSELP) speech coding at
8kbps", Proc. ICASSP 90 (1990.4))は、処理量やメモ
リ容量、ビット誤り耐性の点で優れている。
【0003】一方、移動無線通信のディジタル化が本格
化し、周波数の有効活用の観点から、より低ビットレー
ト(4kbps以下)の音声符号化方式の開発が望まれ
ている。CELPやVSELPを単純に低ビットレート
化しようとすると、品質劣化が大きくなり、使用するた
めには限界がある。これは適応コードブック検索による
長期予測精度が低下し、周期成分の再現性が低下する結
果、復号音声の雑音感が強くなるためである。そこで、
周期性の再現性を高める方法が提案されている。すなわ
ち、日本のディジタル方式自動車・携帯電話(ディジタ
ルセルラ)のハーフレート音声符号化方式に採用された
ピッチ同期雑音源CELP(PSI−CELP)方式
(例えば、三樹、他、”PSI−CELP音声符号化の
基本アルゴリズム”、NTT R&D,Vo.l43,
No.4(1994))では、雑音性音源を長期予測ラ
グの間隔で繰り返すことによって、周期性の再現性を高
めている。なお、ピッチ同期処理とは、非周期性の雑音
的な波形をあるピッチで繰り返すことにより、ある単位
の周期性を取り出す処理である。前述のように、CEL
P方式,VCELP方式では、合成音声と入力音声(原
音声)の重み付き誤差を評価し、その誤差を最小化する
ように符号化パラメータを決定する『合成による分析」
手法を用いているが、ここでは、さらに重み付け誤差を
評価する聴覚重み付けを高性能化するため、量子化前の
線形予測係数を用いた極零型フィルタを採用している。
聴覚重み付けは、評価する場合に、入力音声の雑音成分
が必ずしも人間の耳に聞える音の良さとは対応しないこ
とに基づいている。すなわち、入力音声の周波数成分の
うち、高い周波数での雑音は耳ざわりではないが、低い
周波数での雑音は非常に耳ざわりになるので、それを補
正するために行われる。極零型フィルタとは、後述の式
(数5)で示されるような特性を有するフィルタであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】携帯電話端末を小型化
し、かつ通話時間や待ち受け時間を長くするためには、
回路の低消費電力化が必須である。このためには、音声
符号化アルゴリズムをいかに低処理量で実現するかが課
題となる。ハーフレート音声符号化の標準方式であるP
SI−CELP方式は処理が複雑であるため、固定小数
点DSP(ディジタル信号処理LSI)で実現しようと
すると40MIPSもの処理量になると予想される。P
SI−CELPの処理を分析したところ、重み付けフィ
ルタ処理に関係する部分が全体のおよそ1/3を占めて
おり、最も処理量がかかっていることがわかった。な
お、ハーフレートとは、誤り訂正を含むビットレートを
フルレートの半分にした音声符号化方式である。また、
MIPS(million instruction
per second)は、1秒間に100万回の命令
数のことであって、この値が多ければ多いほど処理が複
雑で、処理がし難いということになる。この問題に対
し、重み付けフィルタを低処理量で実現可能な別の形式
のものに変更することが考えられるが、コードブックの
学習は所定の重み付け処理を前提としているため、特性
が異なる重み付けフィルタを用いると音質が劣化すると
いう問題が生じる。本発明の目的は、このような従来の
課題を解決し、低処理量で実現でき、特性が所定のもの
とほとんど変わらない重み付けフィルタを提案すること
により、比較的低処理量で高品質な復号音声の得られる
音声符号化装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の音声符号化装置における重み付けフィルタ
は、極零型フィルタと高域強調フィルタの縦続接続によ
って構成され、特に全零型フィルタは全極型合成フィル
タの逆特性を有するものである。また、全極型合成フィ
ルタと重み付けフィルタを縦続接続した重み付け合成フ
ィルタは、全極型フィルタと高域強調フィルタの縦続接
続によって構成される。
【0006】
【作用】本発明のスペクトル包絡情報算出部では、入力
音声信号(101)からLPC(線形予測)分析(102)によ
りLPC係数を算出する。このLPC係数は、以下に述
べる重み付けフィルタ及び重み付け合成フィルタ(105)
の係数に用いられる。次に、入力音声信号は重み付けフ
ィルタ(105)に入力され、ここで重み付き入力音声信号
が得られる。ここで重み付けフィルタ(105)は、前述の
LPC係数によって制御される全極型フィルタ(501)と
全零型フィルタ(502)と高域強調フィルタ(503)との縦続
接続によって構成されるものである。特に、全零型フィ
ルタ(502)の特性は復号処理で用いられる全極型合成フ
ィルタの逆特性である。一方、長期予測ベクトル(110)
や統計コードベクトル(111)によって構成される駆動音
源信号は、重み付け合成フィルタ(105)に入力され、重
み付き合成音声信号(116)が得られる。ここで重み付け
合成フィルタ(105)は全極型合成フィルタと前述の重み
付けフィルタと同一特性のフィルタとの縦続接続からな
るが、重み付けフィルタ(105)のなかの全零型フィルタ
の特性から、最終的にはLPC係数によって制御される
全極型フィルタと高域強調フィルタの縦続接続によって
構成されることになる。音源情報決定手段では、重み付
き入力音声信号と重み付き合成音声信号の2乗誤差を最
小化するような音源ベクトルを選択する。
【0007】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の一実施例を説明
する。図1は、本発明の一実施例を示す音声符号化装置
の符号化部の構成図である。本発明は、符号駆動線形予
測(CELP)音声符号化方式に基づいており、基本的
な処理の流れは一般のCELP型音声符号器と同じであ
る。図1を用いて、符号化部における駆動音源決定の原
理を詳述する。同図では、音源の周期性を表す成分とし
て適応コードブック108の出力である長期予測ベクト
ル110と、周期性以外の成分(ランダム性、雑音性)
として統計コードブック109の出力であるコードベク
トル111に、それぞれの利得112、113を乗じて
加算した荷重和114を駆動音源としている。なお、利
得112,113として、長期予測ラグ、コードベクト
ル指標の振幅が正規化されている。最適な駆動音源を得
るためのコードブック108,109の検索は、次のよ
うにしてなされる。一般に、駆動音源を合成フィルタに
入力して得られる合成音声が、原音声(入力音声)に一
致するような駆動音源が得られれば良いが、実際にはな
んらかの誤差(量子化歪)を伴う。したがって、この誤
差を最小化するように駆動音源を決定すれば良いことに
なるが、人間の聴覚特性は必ずしも誤差量と音声の主観
品質の対応が取れないことが知られている。そこで、聴
覚特性との対応が良くなるように重み付けした誤差を用
いるのが一般的である。聴覚重み付けについては、例え
ば、文献、B. S. Atal and J. R. Remde: "A new model
of LPC excitation for producing natural-sounding
speech at low bit rates", Proc. ICASSP 82 (1982.5)
に記載されている。
【0008】この聴覚重み付け誤差を評価するために、
駆動音源114は重み付け合成フィルタ105に入力さ
れ、重み付け合成音声116を得る。入力音声101も
聴覚重み付けフィルタ104を通して重み付け入力音声
115を得、重み付け合成音声116との差を取って重
み付け誤差波形117を得る。なお、聴覚重み付けフィ
ルタ104と重み付け合成フィルタ105のフィルタ係
数は、あらかじめ入力音声101をLPC(線形予測)
分析部102に入力して得られたLPCパラメータ10
3によって決められる。重み付け誤差波形117は、2
乗誤差計算部118において誤差評価区間にわたって2
乗和が計算され、重み付け2乗誤差119が得られる。
前述のように、駆動音源は長期予測ベクトルと統計コー
ドベクトルとの荷重和であるから、駆動音源の決定は、
各コードブックからどのコードベクトルを選択するかを
決めるコードベクトル指標の決定に帰着する。すなわ
ち、長期予測ラグ106とコードベクトル指標107を
順次変えて重み付け2乗誤差119を算出し、誤差最小
化部120において重み付け誤差が最小となるものを選
択すれば良い。このような駆動音源決定法を、「合成に
よる分析」法と呼んでいる。この様にして最適な駆動音
源が決定したならば、長期予測ラグ106、コードベク
トル指標107、利得112、113、及びLPCパラ
メータ103を、伝送パラメータとして多重化部121
において多重化し、送信データ122とする。また、こ
の時の駆動音源114を用いて適応コードブック108
の状態が更新される。上述の「合成による分析」法を忠
実に実行しようとすると、すなわち毎回重み付け誤差を
評価しながら長期予測ラグ106と統計コードベクトル
の指標107を同時に最適化しようとすると、膨大な処
理量となる。そのため、実際には逐次最適化等の手法が
用いられる。本来ならば、適応コードブック108と統
計コードブック109のあらゆる組み合わせを考えなけ
ればならないが、あまりにも繁雑となるため、実際には
一方だけ近似度が良くなるように決定している。
【0009】図2は、本発明の一実施例を示す音声符号
化装置の復号部の機能ブロック図である。まず、受信デ
ータ222が多重分離部221で各種パラメータに分離
される。長期予測ラグ206に基づき適応コードブック
208を検索し、長期予測ベクトル210を出力する。
また、コードブック指標207に基づき統計コードブッ
ク209を検索し、音源ベクトル211を出力する。長
期予測ベクトル210と音源ベクトル211にそれぞれ
の利得212と213を乗じ、加算した信号を駆動音源
214として合成フィルタ230に入力する。合成フィ
ルタのフィルタ係数は、LPCパラメータ203によっ
て決まる。ポストフィルタ231は必須ではないが、合
成音声の主観的品質を改善するために多用され、その出
力が出力音声232となる。なお、ポストフィルタは、
人間の耳に明瞭に聞えるようにするための加工をするも
のである。図1において、入力音声101は所定の標本
化周波数(通常8kHz)でA/D変換されたディジタ
ル音声信号である。また、LPC分析部102では、分
析フレーム長の音声データ101を読み出し、LPC係
数を算出する。フレーム長は、例えば40ms(320
サンプル)程度である。長期予測分析と統計コードブッ
ク検索では、フレームをさらに分割したサブフレーム単
位に実行される。サブフレーム長は、例えば10ms
(80サンプル)程度である。
【0010】図3は、本発明の実施例の符号化部と等価
な符号化処理を行う場合の構成図である。本発明は、上
記聴覚重み付けフィルタ(以下、単に重み付けフィルタ
と呼ぶ)と重み付け合成フィルタに関するものであるた
め、これらについて詳述する。通常CELP符号器の構
成は、図1に示すようになっているが、これは図3の構
成の等価変換になっている。すなわち、入力音声信号1
01と、駆動音源信号を復号側で使用するのと同じ合成
フィルタ305に入力して得られる合成音声信号316
の誤差信号317を重み付けフィルタ330に入力し、
重み付き誤差信号331の2乗誤差最小化によって駆動
音源を決定する。ここで誤差信号に重み付けを施すの
は、誤差信号のスペクトル特性を加工し、人間の聴覚特
性を反映するようにするためである。より具体的に述べ
ると、ホルマントと呼ばれるエネルギが集中している周
波数成分では誤差がマスクされ、相対的に低エネルギの
周波数成分の誤差は強調されて知覚されるため、誤差信
号の周波数特性を入力音声のホルマントに相当する部分
を抑圧し、そうでない部分を強調するように重み付けす
る。なお、実際の構成においては図3よりも図1の構成
が取られるのは、図1では入力音声信号に対する重み付
けは1回で済むこと、また後述のようにある条件下では
重み付け合成フィルタの構成が簡略化されること等のた
めである。すなわち、どのような時でも簡略化されるわ
けではなく、ある条件下で合成フィルタの分母分子が約
分できる場合である。
【0011】具体的な重み付けフィルタの説明をする前
に、密接に関係する合成フィルタについて説明する。復
号側の合成フィルタ230は、通常(数1)で示される
全極型フィルタである。
【数1】 ここでNpはLPC分析次数、αq(i)はi次のLPC係
数の量子化値を示す。なお、量子化値を用いるのは、音
声符号化の主目的が情報圧縮であるため、復号側で使用
できるのは所定のビット数で符号化された伝送コードか
ら復号された量子化値であるからである。重み付けフィ
ルタの一例として、ディジタルセルラ(ディジタル方式
の携帯電話)のフルレート音声符号化方式に採用されて
いるVSELP方式の重み付けフィルタを(数2)に、
それに対応する重み付け合成フィルタを(数3)に、そ
れぞれ示す。
【数2】
【数3】 (数2)と(数3)から明らかなように、重み付けフィ
ルタWV(z)はパラメータλ(0<λ<1)によって感度
を調節された全極型フィルタと、合成フィルタA(z)の
逆特性である全零型フィルタの縦続接続である。すなわ
ち、分母を分子に置き替えた逆特性のフィルタと、有か
無かの全極型フィルタとを縦続接続したものは乗算した
値となる。また、重み付け合成フィルタHV(z)は、(数
1)と(数2)を乗算したものであって、分母と分子が
相殺されて簡略化され、上記の全極型フィルタそのもの
になる。本実施例では、重み付け合成フィルタがこのよ
うに簡略化されるため、図1の構成とすることで処理量
が低減される。
【0012】重み付けフィルタの他の一例として、ディ
ジタルセルラのハーフレート音声符号化方式に採用され
ているPSI−CELP方式のものを(数4)に示す。
【数4】 ここでαfirは(数5)に示す極零型フィルタのインパ
ルス応答をNfir+1サンプルで打ち切ったものであ
る。すなわち、インパルス応答で繰り返しエコーが生じ
るが、ある箇所で打ち切る。(数4)のフィルタは処理
量削減を目的とした、(数5)のフィルタの近似となっ
ている。
【数5】 ここで(数5)の極零型フィルタには量子化前のLPC
係数が使用されているが、これは入力音声の特徴をより
良く反映させるためである。(数4)に対応する重み付
け合成フィルタを(数6)に示す。すなわち、(数6)
は(数4)と(数1)の乗算した値を持つ式である。
【数6】 ここでNfirとNpはほぼ同程度の次数に設定されるか
ら、(数6)の重み付け合成フィルタの処理量は(数
3)の重み付けフィルタの約2倍となる。なお、PSI
−CELPでは重み付けフィルタとしてはさらにピッチ
重み付けフィルタが縦続接続されているが、これは極零
型フィルタとは独立の特性を示すので、本実施例では除
外して考える。本発明の重み付けフィルタにピッチ重み
付けを付加しても、なんら問題がないことは言うまでも
ない。
【0013】図4は、(数2)による重み付き入力音声
の周波数特性図である。さて、PSI−CELPの処理
量を分析したところ、重み付け合成フィルタの処理に要
する処理量は、全処理量の約1/3を占めることがわか
った。もし重み付け合成フィルタを(数3)のものに換
えても音質が変わらないならば、全体の処理量を15%
から20%程度低減できることになる(対応する重み付
けフィルタも(数2)のものに換える)。しかしなが
ら、実際には音質劣化をきたし、図4の(C)に示すよ
うにAおよびBに比べて殆んど類似性がなく、単純な置
換ではうまくいかないことが判明した。これは重み付け
フィルタの特性の差によるもので、重み付け入力音声の
周波数特性を比較すると図4のように明らかに異なるこ
とからも理解できる。さらに、PSI−CELPのコー
ドブックは(数4)の重み付けを行うことを前提とした
学習により作成されているので、重み付けフィルタの変
更によってコードブックとの整合性が悪くなることも一
因である。
【0014】図5は、本発明の実施例を示す重み付けフ
ィルタの構成図である。本発明の重み付けフィルタ10
4は、全極型フィルタ501と全零型フィルタ502と
高域強調フィルタ503の縦続接続となっており、各フ
ィルタの順序を変えてもなんら問題がないことは言うま
でもない。ここで、全極型フィルタ501と全零型フィ
ルタ502による極零型フィルタは(数2)と同形式で
あり、高域強調フィルタは一例として一階差分フィルタ
を用いている。従って、本発明の重み付けフィルタは
(数7)のように表される。
【数7】 ここで、μは高域強調の度合いを示すパラメータであ
る。図6は、上記(数7)に対応する重み付け合成フィ
ルタの構成を示す図である。(数7)の全零型フィルタ
の特性は(数1)の全極型合成フィルタと逆特性である
ため、全極型フィルタ601と高域強調フィルタ602
の縦続接続となる。伝達関数を(数8)に示す。
【数8】 これは(数3)の合成フィルタと一階差分フィルタを縦
続接続したものとなっている。
【0015】図7は、入力音声信号を本実施例の重み付
け合成フィルタに通して得られた重み付き入力音声信号
の周波数特性図であり、図8は、重み付き入力音声の比
較を示す図である。なお、本実施例ではλ=0.9、μ
=0.4としている。(数6)による重み付き入力音声
信号の周波数特性との類似度が高いことがわかる。図7
からも明らかなように、本実施例による重み付け入力音
声波形は、(数4)によるものとほぼ一致していること
がわかる。また、本実施例による符号化音声を聴取した
ところ、(数4)、(数6)を用いた場合の符号化音声
と殆んど区別できないことがわかった。これは、図8の
(数4)による重み付けの音声波形と(数7)の本発明
による重み付けの音声波形とが殆んど等しい波形である
ことからも明らかである。一階差分フィルタの処理量は
無視しうる程度であるため、本実施例によれば音質劣化
を伴わずに重み付け合成フィルタの処理を約1/2に低
減でき、その結果、PSI−CELP方式の全処理量の
15%から20%の削減が可能となった。なお、一階差
分フィルタは高域強調フィルタの一例であり、他の形式
のフィルタによって実現しても良いことは言うまでもな
い。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
CELP型音声符号化装置において、符号化音声の主観
品質を向上させるために従来用いられていた重み付けフ
ィルタの特性を、処理量を大幅に低減した構成の重み付
けフィルタで実現できるので、音声品質を劣化させるこ
となく全体の処理量を削減できる。この結果、比較的低
処理量で、4kbps以下のビットレートでも良好な音
声品質の音声符号器を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の音声符号化装置の符号化部
の構成図である。
【図2】本発明の一実施例の音声符号化装置の復号化部
の構成図である。
【図3】図1の実施例の符号化部と等価な符号化処理の
構成図である。
【図4】(数2)による重み付き入力音声の周波数特性
図である。
【図5】本発明の重み付けフィルタの構成図である。
【図6】本発明の重み付け合成フィルタの構成図であ
る。
【図7】本発明の重み付けフィルタによる重み付き入力
音声の周波数特性図である。
【図8】本発明とその他の重み付き入力音声の比較のた
めの波形例図である。
【符号の説明】
102…線形予測分析部、104,330…重み付けフ
ィルタ、108,208…適応コードブック、109,
209…統計コードブック、105…重み付け合成フィ
ルタ、120,118…2乗誤差最小化回路、230,
305…合成フィルタ、501,601…全極型フィル
タ、502…全零型フィルタ、503,602…高域強
調フィルタ、121…多重化回路、221…多重分離回
路、231…適応ポストフィルタ、330…聴覚重み付
けフィルタ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】あらかじめ定められた長さのフレームに分
    割された入力音声信号からスペクトル包絡情報を算出す
    る手段と、前記スペクトル包絡情報によって制御される
    全極型合成フィルタと、人間の聴覚特性を反映させる重
    み付けフィルタと、駆動音源信号を前記全極型合成フィ
    ルタに入力して得られる合成音声信号と前記入力音声信
    号との誤差信号を前記重み付けフィルタに入力して得ら
    れる重み付き誤差信号に基づいて音源情報を決定する手
    段とを具備する音声符号化装置において、 前記重み付けフィルタは、前記スペクトル包絡情報によ
    って制御される全極型フィルタと、前記スペクトル包絡
    情報によって制御される全零型フィルタと、高域周波数
    を強調する高域強調フィルタとの縦続接続によって構成
    されることを特徴とする音声符号化装置。
  2. 【請求項2】あらかじめ定められた長さのフレームに分
    割された入力音声信号からスペクトル包絡情報を算出す
    る手段と、前記入力音声信号を入力して、人間の聴覚特
    性を反映させる重み付けフィルタと、前記スペクトル包
    絡情報によって制御される全極型合成フィルタと、前記
    重み付けフィルタと同じ特性のフィルタとの縦続接続か
    らなる重み付け合成フィルタと、駆動音源信号を前記重
    み付け合成フィルタに入力して得られる重み付き合成音
    声信号と前記入力音声信号を前記重み付けフィルタに入
    力して得られる重み付き入力音声信号との誤差信号に基
    づいて音源情報を決定する手段とを具備する音声符号化
    装置において、 前記重み付けフィルタは、前記スペクトル包絡情報によ
    って制御される全極型フィルタと、前記スペクトル包絡
    情報によって制御される全零型フィルタと、高域周波数
    を強調する高域強調フィルタとの縦続接続によって構成
    されることを特徴とする音声符号化装置。
  3. 【請求項3】前記全零型フィルタの特性は、前記全極型
    合成フィルタと逆特性であることを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の音声符号化装置。
  4. 【請求項4】前記高域強調フィルタは、一次微分(一階
    差分)フィルタであることを特徴とする請求項1から請
    求項3までのいずれかに記載の音声符号化装置。
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