JPH08160038A - ケトン体の分別定量方法及び装置 - Google Patents

ケトン体の分別定量方法及び装置

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JPH08160038A
JPH08160038A JP32959394A JP32959394A JPH08160038A JP H08160038 A JPH08160038 A JP H08160038A JP 32959394 A JP32959394 A JP 32959394A JP 32959394 A JP32959394 A JP 32959394A JP H08160038 A JPH08160038 A JP H08160038A
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Hideo Ueda
秀雄 植田
Mitsuo Hiromoto
光雄 広本
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 少量の体液試料、殊に全血中のケトン体を、
血清分離や除蛋白等の煩雑な前処理を施すことなく、迅
速、容易且つ確実に分別定量する方法を提供する。 【構成】 ケトン体含む液体試料の一定量を加熱するこ
とにより、試料中のアセト酢酸を気化させてアセトンに
分解し、試料ガス中のアセトンをガス分析器で分析する
ことによりアセト酢酸濃度を求める。一方、液体試料中
の3−ヒドロキシ酪酸を、酵素的或いは非酵素的(化学
的)にアセト酢酸或いはアセトンに変換し、同様にして
アセトンを分析して全ケトン体(アセト酢酸と3−ヒド
ロキシ酪酸)の濃度を求め、差演算により3−ヒドロキ
シ酪酸の濃度を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液や尿等の液体試料
中に含まれる、ケトン体の分別定量方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】体液(主に血液及び尿)中に存在するケ
トン体は肝での遊離脂肪酸(FFA)の代謝産物であ
り、アセト酢酸、3−ヒドロキシ酪酸及びアセトンの総
称名である。これは、栄養の3要素(炭水化物、脂肪、
蛋白質)のうち、炭水化物(グルコース)が何等かの理
由で代謝系に取り込まれなくなった状態において、その
代謝エネルギー源として脂肪が利用されることによって
生成される。
【0003】上記現象は、糖尿病、飢餓、栄養不良(嘔
吐症等による)などにより生起され、ケトン体の過剰生
成或いはそのアンバランストなって表れる。尚、FFA
が酸化されてアセチルCoAになり、アセチルCoAが
アセト酢酸になり、その大部分が酵素(3-OH-BADH)によ
り3−ヒドロキシ酪酸に変化する。またアセト酢酸の一
部が脱炭酸(脱CO2 )してアセトンに変化する。即
ち、これらケトン体は生体内(血中)で、アセト酢酸
(AcAc)を中心に図1で示すように平衡反応或いは
分解反応により相互に関係している。しかし、アセトン
は量も少なく(ケトン体中で約2%程度)不安定である
ので、臨床的には重要視されず測定もなされていない。
一方、アセト酢酸及び3−ヒドロキシ酪酸は、これらが
伴う患者の病態生理の把握や、治療のモニターとして重
要な測定成分となっている。
【0004】従って、ケトン体の測定については様々な
手法が従来から開発されているが、現在実用化されてい
るのは、1962年にWilliamsonが開発、実用化された酵素
法である。また、ケトン体専用測定器としてはKETO
−340(三和化学)や自動分析装置(COBAS−B
IOなど)が標準化され、日常検査化されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ケトン体の測
定を必要とする臨床の場では、次の条件(因子)がクリ
アされることが望ましい。測定手技が簡単である(専
門技能者を必要としない)、短時間で測定が完了する
(手間がかからない、すぐに臨床に活用できる)、測
定値の信頼性(性格である)、測定システムが経済的
である(機器が安価でランニングコストが安くつく)な
どである。従来法は、特に及びに関して問題があ
る。
【0006】また、尿ケトン体測定法は、試験紙(テス
トストリップ)法で、殆どの場合日常化されているが、
この方法は簡便な方法であるが半定量的な判定法であ
り、スクリーニングの域をでない。また、検出原理がニ
トロプルヒッド法であることから、ケトン体3成分の内
殆どアセト酢酸にしか感度をもっていない。更に、尿ケ
トン体の場合、腎の排泄閾値の関係から血中ケトン体動
態を正しく反映するものではない。−血中ケトン体が比
較的高濃度、異常血にならないと尿に排泄されない−こ
とは良く知られていることである。このような状況から
鑑みれば、一滴の全血からケトン体レベルが把握できる
ことは大変重要で、必要とされるものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、血中ケトン体
のアセト酢酸(AcAc)及びヒドロキシ酪酸(3−O
HBA)をそれぞれアセトン(Ac)に変換し、ガス分
析器(アセトン検出器)にてそれぞれ由来のアセトン量
を求め、アセト酢酸及びヒドロキシ酪酸量を産出するこ
とを基本概念とする。まず、第一ステップとして、酵素
的反応により、 3−OHBA → AcAc+H+ (1) (詳しい反応のメカニズムは図1による) 次いで、非酵素的(加熱による気化)により、 AcAc →Ac+CO2 (2) これは、熱エネルギーによる単なる分解(脱炭酸)反応
で容易に起こる。或いは、次の反応により、3−OHB
Aを一挙にAcまで分解する反応を用いてもよい。 3−OHBA → Ac+CO2 +H+ (3) この場合は非酵素的で、酸化剤として、H2SO4 −K2Cr2O
7 などを用いる(吉川春寿:臨床医化学−実験編、195
5、共同医書など)。
【0008】血中ケトン体とは、AcAc、3−OHB
A及びAcの三成分を総称して言うが、血中(静脈血)
成分比は、それぞれAcAc20%、3−OHBA78
%、及びAc2%と言われている。本発明においては、
最終的にAcAc、3−OHBAをAcに変換して軽量
するわけであるが、もともと血中に存在するAcの含有
分は、AcAc、3−OHBAに合算する形となる。し
かし、Acは常にその存在率が少ないことから、臨床的
に差異がないと考えられる(図2参照)。
【0009】
【実施例】具体的には、次の通りである(図3参照)。 1 AcAc測定方法(酵素変換前処理なし、1系統検
出システム) 採血直後の全血0.5mlを、恒温槽1で37℃に保温し
た生理食塩水4.5ml(バイアル)に入れ、手で3〜4
回転混和話する。その後、ピペットにて100μlを秤
量し、ガス分析装置2の試料注入口3から一気にヒード
ブロック部4へ中に注入する。これにより、液体試料中
のAcAcは反応(2)に基づき脱炭酸されてAcに変
化(変換)される。ここでは、もともとAcとして存在
するものと、変換して新たに生じたAcとは合わさって
ガス化され、これがクロマトカラム5、検出器6により
濃度に比例した電気信号に変換される。この信号レベル
を〔M〕とする。尚、図3中符号7はキャリアガスボン
ベ、符号8はCPU、符号9はキーボード、符号10は
プリンターである。
【0010】一方、液体試料中に存在する3−OHBA
は、ヒートブロック温度(60〜150℃、より好まし
くは80〜100℃)程度では分解せずAcの発生は起
こらないので、AcAcと3−OHBAは分別できるこ
とになる。ヒードブロック温度がより高温(例えば、1
50℃以上)になったり、ヒードブロック部4の材質に
よってはその触媒作用でAcを生成する可能性があるの
で、温度管理、材質管理を正しくする必要がある。 2 全ケトン体測定方法(酵素的或いは化学的−非酵素
的−変換処理・1系統検出システム) 酵素的変換方法 採血直後の全血0.5mlを、恒温槽1で37℃に保温し
た酵素液(3−OHBA、NAD、ピルビン酸、LD
H、リン酸バッファ、pH8.0を含む)4.5mlの入っ
たバイアルに入れ、手で3〜4回転倒混和た後、恒温槽
1に10分間静置する。これにより、反応(1)が進行
し、バイアル内のケトン体(3−OHBA)はAcAc
に変換される。この液を、ピペットにて100μlで秤
量し、上記1と同様に操作する。この信号レベルを
〔N〕とする。
【0011】化学的(非酵素的)変換方法 反応液(1M−H2SO4 −K2Cr2O7 )4.5mlの入ったバ
イアルに全血を0.5ml注入し、手で3〜4回転倒混和
た後、室温で10分間静置する。これにより、反応
(3)が進み、3−OHBAは全に変換される。この液
を用いて、上記1と同様に操作する。この場合、恒温槽
1は不要である。このときの信号レベルを〔N〕とす
る。
【0012】3 AcAc/3−OHBA 2成分同時
(分別又は比率)測定方法 (変換処理、及び前処理なし、2系統検出システム) −3−OHBAの測定(算出)方法− 3−OHBA信号レベル〔O〕は、上記1及び2の操作
から得られた信号〔M〕及び〔N〕から、次式(4)に
より求める。 〔O〕=〔N〕−〔M〕 (4) (ケトン体濃度の求め方) ここで得られた信号レベル〔M〕、〔N〕及び〔O〕
に、係数fを乗じた値が、それぞれのケトン体濃度(μ
M)となる。係数fは、標準溶液の測定(標準液の信号
レベル〔Q〕)から求められる。 (標準溶液の作り方−係数fの求め方−) 標準溶液は、生理食塩水をベースにしたアセトン1mM
溶液である。この標準溶液の信号レベルを〔Q〕とした
とき、f=1000/〔Q〕である。
【0013】
【発明の効果】生体中のケトン体動態を1滴程度の僅か
な全血で把握できることは、本検査が持つ臨床的意義と
その適用範囲の拡がりから考えれば、計り知れないもの
がある。即ち、 1)従来法は、血清分離や除蛋白などのためにの器具や
時間と労力を要するが、本発明方法によれば時間と技術
の必要とする検体の前処理は全く不要となる。 2)本発明によるガス分析装置は、高感度で極低濃度の
検出が可能であるから、採血(液体処理:検体)量は少
量であり、そのため、被検者(患者)は勿論、採血者側
の負担も極めて軽くなる。 3)検体を保存、処理、移動するための容器、器具を必
要としない。即ち、単に少量の血液を採取するための器
具だけでよい。結果として、経済的である。 4)検体を採取してから、結果が判明するまで、最大で
も15分程度であるから、すぐに臨床、診断に活用する
ことができる。 5)被検者及び検査者側に、肉体的、精神的及び時間的
な負担がかからないので、精密な病態生理を把握するた
め、繰り返し測定することも容易である。結果として、
正確な診療ができる。 6)更に、本発明(技術)を他の測定成分に適用するこ
とにより、従来困難とされていた検査項目(例えば、乳
酸とピルビン酸)が、簡便に測定可能となる。そのた
め、臨床上意義深い、必要な新規検査項目の発掘(開
発)にも効果を奏するものと考えられる。 このように、本発明方法は体液(血液、尿)中のケトン
体測定を大幅に合理化するだけでなく、本発明の基本技
術を応用することにより、計り知れない実用的効果をも
たらすものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ケトン体の相互関係を示す説明図である。
【図2】アセト酢酸(AcAc)について、従来法(酵
素法)と本発明方法の相関関係を示すグラフである。
【図3】本発明に使用するガス分析装置の一例を示す概
略図である。
【符号の説明】
1 恒温部 2 ガス分析装置 3 試料注入口 4 ヒードブロック部 5 クロマトカラム 6 検出器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケトン体を含む液体試料の一定量を秤量
    し、該秤量した液体試料を加熱することにより試料中の
    アセト酢酸を気化分解してアセトンに変換し、試料ガス
    中のアセトンをガス分析器で分析することを特徴とする
    アセト酢酸の分別定量方法。
  2. 【請求項2】 ケトン体を含む液体試料中のヒドロキシ
    酪酸を、酵素的或いは非酵素的にアセト酢酸に変換し、
    該アセト酢酸を含む一定量の試料を加熱することにより
    試料中のアセト酢酸を気化分解してアセトンに変換し、
    試料ガス中のアセトンをガス分析器で分析することを特
    徴とする全ケトン体の定量方法。
  3. 【請求項3】 ケトン体を含む液体試料中のヒドロキシ
    酪酸及びアセト酢酸を、酵素的或いは非酵素的にアセト
    ンに変換し、該アセトンを含む一定量の試料を加熱する
    ことにより気化し、試料ガス中のアセトンをガス分析器
    で分析することを特徴とする全ケトン体の定量方法。
  4. 【請求項4】 ケトン体を含む液体試料中のヒドロキシ
    酪酸を酵素的或いは非酵素的にアセト酢酸に変換した場
    合と、アセト酢酸に変換しない場合において、いずれも
    試料を加熱してアセト酢酸をアセトンに変換して分析
    し、後者からアセト酢酸の値を求め、両者の差からヒド
    ロキシ酪酸の値を求めることを特徴とするケトン体の分
    別定量方法。
  5. 【請求項5】 ケトン体を含む液体試料中のヒドロキシ
    酪酸を酵素的或いは非酵素的にアセトンに変換した場合
    と、アセトンに変換しない場合において、いずれも試料
    を加熱してガス分析によりアセトンを分析し、後者から
    アセト酢酸の値を求め、両者の差からヒドロキシ酪酸の
    値を求めることを特徴とするケトン体の分別定量方法。
  6. 【請求項6】 ガス成分を分画するクロマトカラム部の
    前に、注入された液体試料を中のアセト酢酸を気化分解
    してアセトンに変換するための60℃〜150℃に加熱
    されたヒートブロックを組み込んだことを特徴とするケ
    トン体の分別測定装置。
JP32959394A 1994-12-01 1994-12-01 ケトン体の分別定量方法及び装置 Pending JPH08160038A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111448458A (zh) * 2017-09-07 2020-07-24 力保科学公司 多参数代谢脆弱性指数评估

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111448458A (zh) * 2017-09-07 2020-07-24 力保科学公司 多参数代谢脆弱性指数评估

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