JPH08154904A - 乳房の異常検知用サーモグラフィ - Google Patents

乳房の異常検知用サーモグラフィ

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Publication number
JPH08154904A
JPH08154904A JP6331545A JP33154594A JPH08154904A JP H08154904 A JPH08154904 A JP H08154904A JP 6331545 A JP6331545 A JP 6331545A JP 33154594 A JP33154594 A JP 33154594A JP H08154904 A JPH08154904 A JP H08154904A
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JP
Japan
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breast
thermography
holding frame
temperature
handle
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JP6331545A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Nanba
清 難波
Keiko Tajima
慶子 田島
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Taiho Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Taiho Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 乳房の深部に生じた腫瘍等の異常を検知でき
るサーモグラフィを提供することにある。 【構成】 液晶層を備えた温測シート1を、乳房に深く
食い込むことができるよう乳房より小さい大きさに設定
される把手9付きの保持枠7に止着したことを特徴とす
る乳房の異常検知用サーモグラフィである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒトの乳房における比
較的深部の熱分布までを色調の変化によって識別し、異
常状態の有無や部位を探知、判定するための乳房の異常
検知用サーモグラフィに関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決せんとする課題】サーモ
グラフィの乳房検査への利用は以下に示す原理に基づ
く。即ち乳房の疾患の中で、発育性の腫瘍や活動性の炎
症はそれ自体が熱源となったり、周囲の血管、血流に影
響を及ぼし皮膚表面に部分的な高温を呈し、この高温部
位は斑点状、線状(高温性血管)として現れ、反対側の
乳房の同部位とは明らかに違う温度パターンを示すこと
が知られている。そしてこの温度パターンが相違する現
象を利用して疾患の有無、生理機能診断をサーモグラフ
ィを用いて行うことができる。
【0003】この様なサーモグラフィとして液晶を利用
したものが例えば特開昭56−85327号公報、特開
昭57−164038号公報、特公昭54−3636号
公報、又は実開昭63−78226号公報において知ら
れている。前二者に記載されるサーモグラフィは、液晶
を軟質材料(ポリエチレンテレフタレート、ポリエステ
ル等)の支持プレート上に塗工したブラ型サーモグラフ
ィであるが、このものは、長い帯状のものであって、ヒ
トの胸部に左右乳房を一度に覆う状態で当てがうブラジ
ャー型ものであるため、比較的平らで広範な部分の皮膚
表面温度を一度に測定するには適しているが、素材全体
がフィルム状であるため、押し当て力が弱いという問題
がある。一方、第三者に記載の皮膚温測具は、硬質の支
持枠に液晶が担持されたラテックス層を止着し、乳房に
ラテックス層を押し当てて皮膚表面温度を測定できるよ
うにしたものであるが、この支持枠はカメラと測定点と
の距離を一定にするものであって、乳房への押し込みを
目的とするものでもなく、また、仮にこの支持枠を持っ
て乳房に押し込もうとしても、支持枠は、片方の乳房の
大きさよりも大きいため、熱伝導の妨げになる脂肪層を
周りに押しやって生体深部の測定をすることができない
うえ、左右乳房間の谷部等、凹凸のある部分に対しては
依然として測定しづらいという問題がある。これに対
し、最後者のものに記載の皮膚温測具は、前記第三者の
ものに記載のサーモグラフィを基に、より柔軟な支持体
(軟質塩化ビニルフィルム)を用いることにより、ある
程度凹凸のある部位においても密着性を高め、広い範囲
での皮膚表面温度を測定できるよう改良している。しか
しながらこのものは、図13、図14に示すように柔軟
な支持体によって片方の乳房全体を一度に覆うように設
定されるものであるから、凹凸のある部分における密着
性が向上する反面、皮膚表面温度のあまり深部にない表
層付近における異常部分の温度を探知するものである。
【0004】前記各発明を実施したサーモグラフィは乳
癌検査器具として現在市販されているが、医療現場にお
いて浸透するに至っていない。これは、乳房のように厚
い脂房層で覆われた深い部分にできた異常部位の熱を検
知しようとした場合、脂肪層が熱伝導の妨げとなって皮
膚表面上に熱が反映されないことが多く、異常部位の熱
が皮膚表面上に現れてきたときには病状がかなり進行し
ているといったことによる。
【0005】即ち、前二者に記載されるようなブラジャ
ー型のサーモグラフィは、器具としても大型で患者が家
庭内で使用する場合においては非常に扱いにくいうえ、
左右乳房間にある谷間部位に密着させることが難しいこ
ともあって該部位に異常があるか否かの判別が非常にし
にくく、また液晶面積が大きく加工しにくいので制作コ
ストの点でも割高である。また、第三者に記載されるサ
ーモグラフィは、硬質の支持枠を押圧することで強く皮
膚に押し当てることはできるが、片方の乳房全体を広く
覆う大きさであるため、強く押し当てたとしても、厚い
脂肪層を周りにずらした状態での測定ができず、皮膚表
面層の測定しかできないという実情にある。これに対
し、最後の第四者のサーモグラフィは、乳房表面への密
着性を高めるために軟質の支持体を用いており、このた
め、乳房全体測定するには適しているが、乳房に対する
圧迫度は弱く、厚い脂肪層を移動させた状態で深部から
の熱を正確に検知することは事実上困難であり、何れに
しても、これら従来のサーモグラフィは、熱を感知した
ときには状態がかなり進行しているといった事態が往々
にして起こり、癌治療における最大のポイントである早
期発見に至らないケースが多く見られ、従って、患者が
家庭内において、簡単迅速でしかも正確に乳房深部にお
ける異常部位の熱を検知するサーモグラフィが望まれて
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明は内部にマイクロカプセル化した
液晶を備えた温測シートのたわみをなくした乳房の異常
状態を検知するためのハンディタイプのサーモグラフィ
を提供することを目的として創作されたものであって、
内部にマイクロカプセル化した液晶層を備えた温測シー
トと、該温測シートの周囲を保持する硬質の保持枠と、
片手で把持して温測シートを乳房に押し当てることがで
きるよう保持枠から突出する把手とから構成され、かつ
前記保持枠の大きさは、乳房の一部に当てがって食い込
めるよう乳房より小さくなっていることを特徴とするも
のでもある。
【0007】本発明に用いられる液晶層としては、別々
に適用されたカプセル化液晶製剤の数個の層の複合体か
らなるが、その製剤方法としては、例えば、米国特許第
3620889号公報等に記載の従来公知方法により製
造される。ここで液晶は、一般にコレステリック液晶等
を使用するが、コレステリック液晶としては、コレステ
ロールの誘導体、例えば、コレステリンカルボン酸エス
テル(コレステリックノナエート、コレステリックブチ
レート等)、コレステリン炭酸エステル(コレステリッ
クオレイルカーボネート等)、コレステリンハロゲン化
物(コレステリッククロライド等)等の混合物が適当な
割合で使用される。これらの液晶は温度に敏感に反応し
て分子の配列構造を変化し、それぞれの分子配列の状態
に応じて特定の色のみを反射し、温度を色によって識別
するので、人体の皮膚の体温の高いところと高くないと
ころを硬質プレートを通して区別し検知することができ
る。通常、液晶は、その呈色温度範囲で、低温では茶色
又は赤色で高温では青緑色、紺色に変化するので、人体
に該温測シートを当てると、熱のないところは赤又茶色
であるが、熱のあるところは青緑色、紺色を呈すること
になって患部の発見を容易に行いえる。ヒトの胸部にお
ける使用に好ましい液晶は、呈色温度範囲が29度〜3
7度であり、より好ましくは30〜35.5度のもので
ある。
【0008】この様な液晶層を備えた温測シートとして
は、例えば次ぎのように構成して本発明に供することが
できる。つまり、図1にその一例を具体的に示すが、温
測シート1は、基本的には硬質性支持プレート2と、該
支持プレート2の片面(下面)に適当な結合材により保
持された液晶層3とによって構成されるが、液晶は、変
色状態を明確化させるための配慮と、湿度、紫外線によ
って劣化が促進されるため、その劣化原因である湿度、
紫外線等を遮断して、より長い期間発色精度を維持する
ための配慮とが必要である。そのため、図1に示すもの
では、支持プレート2の皮膚接触面、つまり前記液晶層
3が保持される側の面に、変色状態を明確化すると共に
紫外線カット機能も備えた黒色ラッカー層4が施され、
更にその下面に、ラッカー層4の剥離防止機能も備えた
防水用保護フィルム5をコートしてある。従って、この
ものでは、皮膚接触面はこの防水用保護フィルムとな
る。一方、皮膚温が観察される側である硬質性支持プレ
ート2自体に紫外線カット機能がない場合(因みに、硬
質性支持プレート2に防水機能が備わっているのでその
対処は一般には必要ない)、その面(上面)に、透明又
は艶消しの紫外線カットインクを塗布するか、又は素材
自体に紫外線カット機能を有したフィルム6を貼着す
る。この様にして製造された温測シート1は、表裏が水
及び紫外線から有効に保護され、しかも常法によって行
われる洗浄及び消毒が可能になる。尚、紫外線カットイ
ンクを塗布したものでは、その剥離を防止するためフイ
ルム等の保護コートをさらに行うことが望ましい。
【0009】さらに、前記温測シート1を製造する方法
としては、次ぎのようなものにすることができる。つま
り、基材フィルムとなる硬質性支持プレート2の下面に
予め周囲に糊代2aが残るよう円形に液晶3を塗布し、
該塗布された液晶3の下面に黒ラッカー4のコートを施
す。更に該側における液晶3の防水対策のため、防水用
保護フィルム5を糊代2aの部分において貼着して密封
成形する。又必要に応じて硬質性支持プレート2の温度
を観察する上面側に紫外線遮断性を有する紫外線遮断用
保護フィルム6を貼付る。この際、てかりの防止のため
艶消しされたフィルムを用いることが実用上望ましい。
紫外線の遮断は紫外線遮断インクを塗布することも可能
であるが、何れにしろ、液晶の色変化を見るため透明性
の高いものであることが必要である。そして、この様に
して完成された温測シートを硬質の保持枠に固着するこ
とになるが、前記方法によって完成されたものでは、温
測シート周囲に糊代部位があり、この糊代部位において
接着剤による接着、熱溶着等の化学的あるいは物理的方
法を用いて固着できるが、このとき、適当な断熱材を温
測シートと保持枠とのあいだに介在することで、保持枠
に熱が奪われてしまうことを防止して、より正確な温度
分布が表示されてより精度の高い温測ができる。また、
温測シートは、保持枠の下枠面に止着することが好まし
く、これによって、保持枠の最も深く食い込む下枠面位
置での温測ができることとなる。
【0010】そうして、温測シートは、保持枠を乳房に
深く食い込ませたとき、生体深部からの熱伝導の妨げと
なる脂肪層を回りに押しだすため殆ど撓むことのないも
のとすることが好ましく、そのため、少なくとも片面を
硬質材の支持プレートとして押し当てたときの変形、撓
みを少なくすることが好ましい。さらに、硬質材の支持
プレートの材質としては、熱伝導率が低く、非毒性で、
抗アレルギー性物質の透明または半透明のものであれば
何れでもよく、例えば、ポリエステル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリプロピレン等が挙げられるが、特に好ましくは
ポリエステルである。また、温測シートの形状は、これ
を囲繞する保持枠が一様に乳房に食い込むようにするた
め円形であることが好ましく、その直径は実際の乳房の
大きさから勘案してこれよりも小さく、凡そ3〜7cm
であることが好ましい。
【0011】一方、保持枠の材料としては、周りに押し
出した脂肪層が戻らないよう乳房に食い込むことができ
る硬質材料であれば何れでもよく、例えば、アルミニウ
ム等の金属でもよいが金属は熱伝導率が高いため、金属
性保持枠に熱が奪われてしまうという問題がある。尤
も、この場合、前述した断熱材を厚くする等して確りと
した断熱対策を計ることで金属でも採用できる。これに
対し、硬質の樹脂材は、熱伝導率が低いため断熱材も薄
くでき、場合によっては断熱材なしに実施できて好適で
あるが、そのようなものとして、例えばポリエチレンテ
テレフタレート、ポリ1,4−ブチレンテレフタレート
(PBT)等のポリアセタール類が挙げられるが、好ま
しくはポリ1,4−ブチレンテレフタレート(PBT)
である。また、保持枠に、温度表示と該表示された温度
による液晶の変化色を表示する表示部を設けた場合に
は、温測シートに表示されたものの温度を、そのまま温
度数値に当てはめて認識することができ、都合がよい
が、表示部を、温度と液晶変化色とが印刷された表示シ
ートとし、該表示シートを、保持枠上面に止着するよう
に構成することで、表示部の保持枠への取付けが簡単に
なる。
【0012】さらに、保持枠に把手が設けられるが、こ
の把手は、保持枠とともに一体型形成することができ、
その場合に、把手は、保持枠から傾斜する状態で突出す
る構成にすることが好ましく、この様にしたときには、
梃子の原理を利用して保持枠および温測シートを乳房に
強く押し当てることができ、その傾斜角としては5度〜
25度であることが操作性の面から好ましい。そして傾
斜状に突出する把手を設ける場合に、把手を、保持枠の
上面から上方に突出する基部と該基部から傾斜状に突出
する把持部とで構成することができ、この様にすること
により、保持枠を乳房に深く食い込ませたとき、把手ま
でが乳房に食い込んでしまうことを防止できて都合がよ
い。しかもこのとき、把手を、補強部を介して保持枠に
補強しておけば、強度的にも強いものにできて、より深
く食い込ませることができて都合がよい。さらに把手
を、保持枠上面(もしくは下面)に折畳めるよう保持枠
に揺動自在に枢支することもでき、この様にしたときに
は、不使用時にコンパクトに保管できるという利点があ
る。特に、下面に折畳む構成としたとき、該折畳まれた
把手によって温測シートを保護できるという利点が有り
都合がよい。
【0013】尚、本発明は、必ずしも上記の具体的な実
施例構造に限定されるものではなく、本発明の構成要件
を具備し、且つ効果を有する範囲内で適宜変更して実施
できることは勿論である。又、本発明が実施されたサー
モグラフィを用いて診断する場合に、同じものを2つ用
いて同時に乳房の対称部位を検査することもできる。
【0014】以下、さらに本発明が実施された幾つかの
実施例について、図面を用いてより具体的に説明する。
【実施例】本実施例で採用される温測シート1は、前記
方法によって完成したものであるが、図2、図3に示さ
れる第一実施例のものでは、液晶層が直径5cmの温測
シート1を、リング板状をした硬質保持枠7の下面に適
宜な接着剤で固着したものであるが、保持枠7と温測シ
ート1とのあいだには断熱材8が介装されている。そし
てこのものは、保持枠7から傾斜状の把手9が一体的に
突出している。そして、この様にすることにより把手枠
付きのサーモグラフィとすることができ、片手で把手9
を持ち、梃子の原理で保持枠7を乳房に押圧することが
できて、乳房深部の観測がより容易になるという利点が
ある。この場合に、強く押圧して乳房に深く食い込ませ
ることができ、そうしたときには、保持枠7及び温測シ
ート1が硬質材からなっているので、生体深部からの熱
伝導の妨げとなる脂肪層をできるだけ保持枠7の周囲に
押しだして、深部における温度の温測が可能となる。因
みに保持枠7は、乳房皮膚面に直接押し当てるものであ
るため、それなりの厚さを有した強いものにする必要に
なるが、あまり厚すぎると温測シート1を見るのに邪魔
になり、これらを勘案すると、0.5〜3cm程度が好
ましいものといえる。また、このものには、温測される
温度とその温度における液晶の変化色とが印刷された表
示シート10が保持枠上面に貼着されているため、温測
シート1の変化を、そのまま温度に換算して認識するこ
とができて都合がよい。
【0015】図4、図5に示す第二実施例、図6、図7
に示す第三実施例のものは、第一実施例と同じ温測シー
ト1を用いているが、このものにおいて、把手9は、さ
らに補強部9cによって補強される状態で保持枠7に支
持されるため、その強度アップが計れることになる。そ
の場合に、第三実施例のものでは、補強部9cが保持枠
上面に形成されるので、該補強部が乳房に食い込むこと
もない。
【0016】さらに、図8、図9、図10に第四実施例
を示すが、このものは、把手9が保持枠7に支軸11を
介して揺動自在に枢支される構成にしたものである。つ
まり、不使用時においては、把手9を保持枠7の下面に
折畳み収納することができ、そして使用時に、支軸11
を支点として揺動させて突出させるものであり、その場
合の回り止めをするため、把手としての突出時に、把手
基端部に9aに形成したストッパ9dを保持枠7の上面
に回り止め状に当接させるように構成しておけばよく、
この様にすることにより、不使用時において把手9が邪
魔にならないコンパクトな折畳み状態にして収納するこ
とができると共に、把手9で温測シート1の保護もでき
るという利点がある。
【0017】
【試験例】図11、図12に、本発明の第一実施例が実
施された把手枠付きのサーモグラフィを用いて乳房検査
をするときの代表的な使用例を、図13、図14に比較
例として従来のサーモグラフィを用いた代表的な使用例
を示す。因みに、従来のサーモグラフィは、大きさ、形
状等は、凡そ前述した前述の特公昭54−3636号公
報に記載されるものに準じているが、このものは実際に
市販されている商品「テルマンマ」(登録商標:大鵬薬
品工業株式会社製)である。そして、本発明が実施され
たものが従来品に比して如何に優れたものであるかの比
較検討をした。それには、超音波、X線、触診又はしこ
りセンサー等の形態的補助診断により異常部位と疑われ
る部分があると所見される無作為の乳癌患者19例につ
いて、本発明が実施されたサーモグラフィについては該
当する部分に強く押し当て、温度変化によって発色した
液晶の色調が安定してからポラロイドカメラ等で撮影す
る。更に繰返し反対側の乳房の同部位についても同様の
検査を行い左右の温度、パターン、周囲の温度との比較
を行った。一方、比較例である前記従来のサーモグラフ
ィについては、その記載される用法に従い図13に示す
ようにして胸部に押し当て、温度変化によって発色した
液晶の色調が安定してからポラロイドカメラ等で撮影し
た。これによると、本発明が実施されたものでは、上記
方法によって14人について高温を呈する血管像の出現
を確認でき、73.7%という高い所見率となったが、
比較例のものは、その半分の7人しか高温を呈する血管
像の出現を確認することができず、36.8%という低
い所見率になった。これは、本発明が実施されたもので
は、図12に示すように、サーモグラフィが、脂肪を周
りに追い出すようにして乳房深部まで食い込み、深部に
発生している腫瘍による高温部位までもを温測したのに
対し、比較例のものは、図14に示すように、サーモグ
ラフィが乳房深部まで食い込むことがなく、表層のみの
発見となって、深部に発生している腫瘍による高温部位
は脂肪による断熱で観察されなかったことによることに
起因し、事実、本発明が実施されたものでは、従来のも
のサーモグラフィでは殆ど手遅れとなるまで観測される
ことがない乳房深くの大胸筋近くに発生した腫瘍につい
て、筋肉を貫いて腫瘍に入っていく血管の温度までをも
観察することができ、サーモグラフィによる乳房の腫瘍
発見の信頼性を大いに向上できた。
【0018】
【発明の効果】要するに、本発明は上述のごとく構成さ
れたものであるから、乳房に把手を把持して押しつけた
とき、生体深部からの熱伝導の妨げとなる脂肪層を回り
に押出して深く食い込みやすい構造のサーモグラフィと
なって、片手でも検査部位に容易に圧力をかけることが
でき、この結果、従来のサーモグラフィでは検知するこ
とのできない深部における異常部位の熱を簡単にしかも
より正確に検知し、描出できることになって、従来のサ
ーモグラフィのように生体内の比較的浅いところまでし
か検知できないという欠点を補い、生体のより深部から
の熱の検出が簡便に行える。詳しくいうならば、従来の
サーモグラフィでは見られなかった深部の腫瘍周辺から
腫瘍に向かって走行する熱血管までもがより明瞭にしか
も簡便に描出されることとなって、乳癌検診や自宅での
乳房自己検診の際の視検診の所見の補助用具として使用
でき、乳癌の早期発見に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】温測シートの拡大断面である。
【図2】第一実施例のサーモグラフィの平面図である。
【図3】図2のI−I断面図である。
【図4】第二実施例のサーモグラフィの平面図である。
【図5】図4のII−II断面図である。
【図6】第三実施例のサーモグラフィの平面図である。
【図7】図6のIII−III断面図である。
【図8】第四実施例のサーモグラフィの平面図である。
【図9】図8の側面図である。
【図10】図8のIV−IV断面図である。
【図11】第二実施例のサーモグラフィを用いて乳房を
検査している状態を表した作用説明図である。
【図12】図11の乳房検知状態を示す断面図である。
【図13】従来のサーモグラフィを用いて乳房を検査し
ている状態を表した作用説明図である。
【図14】図13の乳房検知状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 温測シート 2 硬質性支持プレート 3 液晶層 4 黒色ラッカー塗装部 5 防水フィルム 6 紫外線カットフィルム 7 保持枠 8 断熱材 9 把手 10 表示シート 11 支軸
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年9月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項10
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】この様な液晶層を備えた温測シートとして
は、例えば次のように構成して本発明に供することがで
きる。つまり、図1にその一例を具体的に示すが、温測
シート1は、基本的には硬質性支持プレート2と、該支
持プレート2の片面(下面)に適当な結合材により保持
された液晶層3とによって構成されるが、液晶は、変色
状態を明確化させるための配慮と、湿度、紫外線によっ
て劣化が促進されるため、その劣化原因である湿度、紫
外線等を遮断して、より長い期間発色精度を維持するた
めの配慮とが必要である。そのため、図1に示すもので
は、支持プレート2の皮膚接触面、つまり前記液晶層3
が保持される側の面に、変色状態を明確化すると共に紫
外線カット機能も備えた黒色ラッカー層4が施され、更
にその下面に、ラッカー層4の剥離防止機能も備えた防
水用保護フィルム5をコートしてある。従って、このも
のでは、皮膚接触面はこの防水用保護フィルムとなる。
一方、皮膚温が観察される側である硬質性支持プレート
2自体に紫外線カット機能がない場合(因みに、硬質性
支持プレート2に防水機能が備わっているのでその対処
は一般には必要ない)、その面(上面)に、透明又は艶
消しの紫外線カットインクを塗布するか、又は素材自体
に紫外線カット機能を有したフィルム6を貼着する。こ
の様にして製造された温測シート1は、表裏が水及び紫
外線から有効に保護され、しかも常法によって行われる
洗浄及び消毒が可能になる。尚、紫外線カットインクを
塗布したものでは、その剥離を防止するためフィルム等
の保護コートをさらに行うことが望ましい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】さらに、前記温測シート1を製造する方法
としては、次のようなものにすることができる。つま
り、基材フィルムとなる硬質性支持プレート2の下面に
予め周囲に糊代2aが残るよう円形に液晶3を塗布し、
該塗布された液晶3の下面に黒ラッカー4のコートを施
す。更に該側における液晶3の防水対策のため、防水用
保護フィルム5を糊代2aの部分において貼着して密封
成形する。又必要に応じて硬質性支持プレート2の温度
を観察する上面側に紫外線遮断性を有する紫外線遮断用
保護フィルム6を貼着する。この際、てかりの防止のた
め艶消しされたフィルムを用いることが実用上望まし
い。紫外線の遮断は紫外線遮断インクを塗布することも
可能であるが、何れにしろ、液晶の色変化を見るため透
明性の高いものであることが必要である。そして、この
様にして完成された温測シートを硬質の保持枠に固着す
ることになるが、前記方法によって完成されたもので
は、温測シート周囲に糊代部位があり、この糊代部位に
おいて接着剤による接着、熱溶着等の化学的あるいは物
理的方法を用いて固着できるが、このとき、適当な断熱
材を温測シートと保持枠とのあいだに介在することで、
保持枠に熱が奪われてしまうことを防止して、より正確
な温度分布が表示されてより精度の高い温測ができる。
また、温測シートは、保持枠の下枠面に止着することが
好ましく、これによって、保持枠の最も深く食い込む下
枠面位置での温測ができることとなる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】
【試験例】図11、図12に、本発明の第一実施例が実
施された把手枠付きのサーモグラフィを用いて乳房検査
をするときの代表的な使用例を、図13、図14に比較
例として従来のサーモグラフィを用いた代表的な使用例
を示す。因みに、従来のサーモグラフィは、大きさ、形
状等は、凡そ前述した前述の特公昭54−3636号公
報に記載されるものに準じているが、このものは実際に
市販されている商品「テルマンマ」(登録商標:株式会
社山口薬品商会製)である。そして、本発明が実施され
たものが従来品に比して如何に優れたものであるかの比
較検討をした。それには、超音波、X線、触診又はしこ
りセンサー等の形態的補助診断により異常部位と疑われ
る部分があると所見される無作為の乳癌患者19例につ
いて、本発明が実施されたサーモグラフィについては該
当する部分に強く押し当て、温度変化によって発色した
液晶の色調が安定してからポラロイドカメラ等で撮影す
る。更に繰返し反対側の乳房の同部位についても同様の
検査を行い左右の温度、パターン、周囲の温度との比較
を行った。一方、比較例である前記従来のサーモグラフ
ィについては、その記載される用法に従い図13に示す
ようにして胸部に押し当て、温度変化によって発色した
液晶の色調か安定してからホラロイドカメラ等で撮影し
た。これによると、本発明が実施されたものでは、上記
方法によって14人について高温を呈する血管像の出現
を確認でき、73.7%という高い所見率となったが、
比較例のものは、その半分の7人しか高温を呈する血管
像の出現を確認することができず、36.8%という低
い所見率になった。これは、本発明が実施されたもので
は、図12に示すように、サーモグラフィか、脂肪を周
りに追い出すようにして乳房深部まで食い込み、深部に
発生している腫瘍による高温部位までもを温測したのに
対し、比較例のものは、図14に示すように、サーモグ
ラフィが乳房深部まで食い込むことがなく、表層のみの
発見となって、深部に発生している腫瘍による高温部位
は脂肪による断熱で観察されなかったことによることに
起因し、事実、本発明が実施されたものでは、従来のも
のサーモグラフィでは殆ど手遅れとなるまで観測される
ことがない乳房深くの大胸筋近くに発生した腫瘍につい
て、筋肉を貫いて腫瘍に入っていく血管の温度までをも
観察することができ、サーモグラフィによる乳房の腫瘍
発見の信頼性を大いに向上できた。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】
【発明の効果】要するに、本発明は上述のごとく構成さ
れたものであるから、乳房に把手を把持して押しつけた
とき、生体深部からの熱伝導の妨げとなる脂肪層を回り
に押出して深く食い込みやすい構造のサーモグラフィと
なって、片手でも検査部位に容易に圧力をかけることが
でき、この結果、従来のサーモグラフィでは検知するこ
とのできない深部における異常部位の熱を簡単にしかも
より正確に検知し、描出できることになって、従来のサ
ーモグラフィのように生体内の比較的浅いところまでし
か検知できないという欠点を補い、生体のより深部から
の熱の検出が簡便に行える。詳しくいうならば、従来の
サーモグラフィでは見られなかった深部の腫瘍周辺から
腫瘍に向かって走行する熱血管までもがより明瞭にしか
も簡便に描出されることとなって、乳癌検診や自宅での
乳房自己検診の際の視触診の所見の補助用具として使用
でき、乳癌の早期発見に効果がある。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部にマイクロカプセル化した液晶層を
    備えた温測シートと、該温測シートの周囲を保持する硬
    質の保持枠と、片手で把持して温測シートを乳房に押し
    当てることができるよう保持枠から突出する把手とから
    構成され、かつ前記保持枠の大きさは、乳房の一部に当
    てがって食い込めるよう乳房より小さくなっていること
    を特徴とする乳房の異常検知用サーモグラフィ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、把手は、温測シート
    のシート面に対し傾斜する状態で保持枠から突出してい
    ることを特徴とする記載の乳房の異常検知用サーモグラ
    フィ。
  3. 【請求項3】 請求項2において、把手の傾斜角は5度
    〜25度であることを特徴とする乳房の異常検知用サー
    モグラフィ。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、または3において、温測
    シートは円形であることを特徴とする乳房の異常検知用
    サーモグラフィ。
  5. 【請求項5】 請求項4において、温測シートの直径は
    3〜7cmであることを特徴とする乳房の異常検知用サ
    ーモグラフィ。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4または5におい
    て、把手は、保持枠の上面から上方に突出する基部と該
    基部から傾斜状に突出する把持部とで構成されているこ
    とを特徴とする乳房の異常検知用サーモグラフィ。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5または6にお
    いて、把手は、保持枠に補強部を介して補強されている
    ことを特徴とする乳房の異常検知用サーモグラフィ。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5、6または7
    において、把手は、保持枠に折畳み揺動自在に軸支され
    ていることを特徴とする乳房の異常検知用サーモグラフ
    ィ。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3、4、5、6、7また
    は8において、保持枠には、温度表示と該表示された温
    度による液晶の変化色を表示する表示部が設けられてい
    ることを特徴とする乳房の異常検知用サーモグラフィ。
  10. 【請求項10】 請求項9において、表示部は、温度と
    液晶変化色とが印刷さされた表示シートであり、該表示
    シートを保持枠上面に止着したことを特徴とする乳房の
    異常検知用サーモグラフィ。
JP6331545A 1994-12-09 1994-12-09 乳房の異常検知用サーモグラフィ Pending JPH08154904A (ja)

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