JPH08151205A - 捻じりの入ったトーラス状もしくは螺旋状カーボン原子集合体およびその製造方法 - Google Patents

捻じりの入ったトーラス状もしくは螺旋状カーボン原子集合体およびその製造方法

Info

Publication number
JPH08151205A
JPH08151205A JP6292588A JP29258894A JPH08151205A JP H08151205 A JPH08151205 A JP H08151205A JP 6292588 A JP6292588 A JP 6292588A JP 29258894 A JP29258894 A JP 29258894A JP H08151205 A JPH08151205 A JP H08151205A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon
aggregate
molecule
carbon atoms
torus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6292588A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeo Ihara
茂男 井原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP6292588A priority Critical patent/JPH08151205A/ja
Publication of JPH08151205A publication Critical patent/JPH08151205A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Hall/Mr Elements (AREA)
  • Light Receiving Elements (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Pressure Sensors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】新しいトポロジカルな性質をカーボン元素に持
たせ、従来のカーボン元素の利用方法を拡大する。 【構成】内側にカーボン原子の近接原子を結んでできる
リング形状が7角形になるようにカーボン原子を配置
し、外側にはリングとして5角形となるようにカーボン
原子を配置し、それら以外のカーボンのリングがカーボ
ンのグラファイト構造に現われるボンド長さと原子同士
のなす角度(120度)に近くなるようにし、最近接原
子間距離を0.145nm 程度になるようにカーボン原
子を配置して、原子一層分の厚さ、あるいはそれ以上の
厚さで、全体形状が筒状をなす任意の形状のカーボン分
子において、一部を切断し、チューブの軸に対して回転
させ、接合することにより捻じりを形成したカーボン原
子集合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトーラス状カーボン分子
または螺旋状カーボン分子等からなるカーボン原子集合
体およびその製造方法、ならびにそれらカーボン原子集
合体の応用方法および応用物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のカーボン元素の利用方法として
は、ダイヤモンド,グラファイト,すす、あるいはクロ
トー等によって発見され、ネイチャー,第318巻,1
62頁,1985年(Nature, Vol. 318, P.162, 1985)
に記載されている一連のバックミンスターフラーレン分
子,飯島によって発見され、ネイチャー,第354巻,
56頁,1991年(Nature, Vol. 354, P.56, 1991)
に記載されているカーボンナノチューブとしてか、炭化
化合物の形で利用していた。理論上、バンダビルト等に
よって提案され、フィジカル レビュー レターズ,第
68巻,511頁,1992年(Phys. Rev. Lett., Vo
l. 68, P.511, 1992)に記載されているように、カーボ
ンを周期極小平面に配置した物質が提案されている。さ
らにトーラス状にカーボンと螺旋状のものは、特開平6
−69494号公報に示されている。ただし捻じりの効果が
入った構造は提案されていかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のカーボンにはな
い捻じりの効果の入った新しいトポロジカルな性質をカ
ーボン元素に持たせることによって、従来のカーボン元
素の利用方法を拡大することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】カーボン元素を安定な捻
じりを持った構造に配置することによって、新しいトポ
ロジカルな性質をカーボン化合物に持たせることができ
る。
【0005】
【作用】捻じりの入ったトーラス状であるゆえに捻じり
の効果を利用したカーボンの利用方法が生じる。
【0006】
【実施例】図1および図2は本発明によって作られた分
子構造図である。図1に上から見た図を示す。筒は原子
一層からなっている。外側の直径は2.26nm で内径
は0.78nm である。ここで、原子一層でなく多層の
場合への拡張は容易である。図1では原子間の結合をネ
ットワークで示している。従って、原子は線と線の交点
に位置することになる。例としてとりあげたこの構造
は、トーラス構造になったときカーボン原子432個か
ら構成されている。
【0007】まずトーラス構造について説明する。実施
例では内側にカーボンからなる7角形のリングを5個ず
つ上下にずらして計10個配置し、それに応じて外側に
5角形を5個ずつ上下にずらして計10個配置し、それ
以外のところには、グラファイト構造に近い、カーボン
からなる6角形のリングを全部で160個配置したもの
である。6角形のリングの形は正6角形に近く、最近接
ボンド間距離は0.145nm程度である。この分子の輪の
部分の形状は円に近い。
【0008】分子動力学という原子間にポテンシャルを
仮定し、構造の温度の安定性を調べることのできる手法
を用いて構造を解析すると、このカーボン原子の集合体
からなるトーラス状の分子構造は2000Kでも安定に
存在する。しかも極く低温で求めた凝集エネルギは一原
子あたり−7.4eV であり、グラファイトの一原子あ
たりの凝集エネルギおよび、バックミンスターフラーレ
ンといわれる60個の分子から構成させる球状の安定分
子の凝集エネルギ−7.4eV と同じ値である。従って
トーラス状の分子は安定に存在する。
【0009】このようなトーラス分子はカーボンからな
る6角形のリングの数を調節し、図1に示した分子以外
にもカーボン原子数120,480,1080,144
0,1920などの原子数で作ることが出来る。一般に
原子数をNと置くとNは120または80に3のn乗を掛
けさらに4のm乗を掛けた値となる。ここでnとmは負
でない整数である。これらの場合も凝集エネルギは−
7.4eV に近い値をとり、トーラス状の分子は安定に
存在する。シミュレーションの結果、内側の半径と外側
の半径は構成原子数とともに増大する。
【0010】トーラス構造は6回の回転対象軸を持って
いる。トーラス構造のチューブの中心軸(ポロイダル方
向)に対して右ねじまわりに約180度回転させたとき
得られる捻じり構造を図1と図2に示す。
【0011】図1で100は炭素原子からなる6角形、
101は炭素原子からなる5角形の半分、102は7角
形の半分、104は5角形、108が通常内側に配置さ
れる7角形、103と105が捻じれたことにより、表
側にでてきた7角形を示す(通常のトーラース構造では
100に示したような炭素原子からなる6角形,内側に
ある108の7角形および外側にある図104の5角形
から全体は構成されている)。101と102が合わさ
った部分に6角形が現われる。この6角形により捻じれ
が入っても全体のボンドのパターンは整合する。このポ
ロイダル方向からみると内側に配置されていた7角形を
たどると本来7角形が現われる位置に6角形が現われ、
そのあと本来外側の5角形が現われる。
【0012】図2に図1の反対向きからみた図を示す。
200が通常の6角形,208が内側にある7角形,2
03に外側にくる通常の5角形を示す。捻じりが入った
ことで205の5角形が本来内側にある7角形が配置さ
れる側に配置されている。201は本来外側にある5角
形の半分、202が本来内側にある7角形の半分であ
る。201と202が合わさることにより6角形が現わ
れる。このポロイダル方向からみると外側に配置されて
いた5角形をたどると本来5角形が現われる位置に5角
形の半分と7角形の半分から形成される6角形が現わ
れ、そのあと本来内側の7角形が現われる。
【0013】以上にみてきたように、トーラス構造では
トーラス構造のチューブの中心軸(ポロイダル方向)に
対して右ねじまわりに約180度回転させたとき5角形
の半分と7角形の半分とが合わさった6角形が外側およ
び内側に形成される。その分5角形と7角形は一つずつ
なくなる。それにより、原子間距離は大きく変化するこ
となく、構造に捻じりが入る。特に5角形および7角形
のパターン構造に捻じりが入るため、機械的および電気
的には捻じりの効果が入ることになる。また、左捻じり
の場合でも同様に捻じり構造が形成できる。
【0014】ここでは特定の炭素原子からなる432個
のトーラス構造をもとにしているが、炭素原子240個
のトーラス構造でも、さらにはより一般的な篭状のトー
ラスおよび螺旋構造でも同様にして捻じりの構造を作る
ことができる。本発明による構造では、原子間距離は変
化することなく、構造に捻じりが入るため、凝集エネル
ギや熱力学的性質は捻じりが入らない場合と比べて変化
は少ない。むしろ6角形のみからなるグラファイト構造
が一番安定な構造を作り、5角形や7角形を入れるとエ
ネルギは高くなる。本発明の構造及び構成法では、5角
形や7角形は一つずつ少なくなるので捻じりを入れても
エネルギはむしろ小さくなる。
【0015】図1や図2に示した構造を幾何学的に端で
つなげることによって、様々なトポロジーを持った安定
な構造を作ることができる。実際には従来の螺旋構造を
作る条件のもとで、結晶の成長速度を外圧等の外部条件
を原子が数個分成長する時間より短い時間で変化させる
ことにより捻じり構造を作製する。一方、外部条件を変
化させずに結晶成長させる基板を原子が数個分成長する
時間より短い時間で基板側の空間的な位置を、回転など
により変化させ、捻じりを入れることもできる。
【0016】図3はカーボン原子432個から構成され
るトーラス構造の展開図である。ここから基本構造を取
り出すと図4に示す扇型401と402の部分となる。
これら二つの扇形401と402を組み合わせると、図
5の1つの7角形と1つの5角形を持つ扇型の単位とな
る。
【0017】ここで、以下では「(5角形の数,7角形
の数)扇単位」と記述して、どのような単位かを記述す
る。図6には(1,1)扇、図7には(3,3)扇、図
8には(5,5)扇を示す。図8の扇型は4つの(1,
1)扇を接続するときに捻じりを入れて2回つなげて得
られる。このとき中心の2つの(1,1)扇の接続には
捻じりを入れない。図9には(3,3)扇を示す。図9
の扇型は3つの(1,1)扇を接続するときに捻じりを
入れて2回つなげて得られる。
【0018】図10および図11に(7,7)扇を示
す。この扇型は5つの(1,1)扇を接続するときに捻
じりを入れて2回つなげて得られる。このとき中心の3
つの(1,1)扇の接続には捻じりを入れない。このよ
うにいろいろな捻じりの入れ方により極めて多様な構造
が得られるが捻じりの入った接続のところには必ず、チ
ューブの中心軸(ポロイダル方向)に対して5角形の半
分と7角形の半分とが合わさった6角形が外側および内
側に形成される。
【0019】図12および図13はトーラス構造のとき
の(3,3)−(1,0,−1)扇と書ける。ここでハ
イフォンのあとの( )のなかの数字は左端の接続から
みてポロイダル方向に右に捻じり(1)、次の接続は捻
じらず(0)、その次の接続で左に捻じる(−1)こと
を示す。
【0020】図14と図15では螺旋の捻じり構造の上
面および下面からの構造をそれぞれ示す。また図16と
図17ではピッチの異なる螺旋の捻じり構造の上面およ
び下面からの構造をそれぞれ示す。
【0021】前述した5角形や7角形の稜線に捻じりが
ある場合、5角形や7角形が電子の伝達に関しては散乱
中心になるため、電子は5角形および7角形のところで
散乱される。さらに捻じりのあるために大きい構造を作
ることが可能になり、磁場の磁束程度の大きさの捻じれ
リングを作ることができる。定常状態では、磁束は量子
化されており、磁束の幅は磁場の強さにも依存するが数
ミクロン以下のオーダーである。磁束の直径Rgは弱い
磁場のときで数十オングストロームである。一方炭素原
子からなるリングの直径Rcも同程度である。従ってリ
ングに電場をかけて、電流の大きさを比較すると磁束に
対してチューブの伝導度は大きく変化する。
【0022】電磁気学では、電流は磁場の変化と電場の
変化に直接結び付いている。Rg>Rcのとき磁場は一
様であるから、リングに電流を流そうとしても磁場が変
化しないので電流は流れない、Rg<Rcのとき磁場は
一様でないため、電流は流れる。その結果、ある種のス
イッチングが可能になる。Rg=Rcに近い条件が成り
立つとき電流が流れると自己磁束により磁束が大きくな
り、電流が流れなくなり、そうすると磁束が小さくなり
電流が流れる。これにより、発振が起こる。
【0023】一方、回路があったときその周回積分をと
ったとき、時間に依存する項の他に幾何学的な項が存在
し、電子状態を変化させる。任意の幾何学的な形状と5
角形および7角形による電子の散乱の効果によって、電
子状態は制御される。それゆえ捻じりによって両者の関
係を調整し、超伝導状態や電子の曲在状態等をいろいろ
と変化させることが可能になる。
【0024】以上述べたトーラス分子または集合体ある
いは、螺旋分子に窒素やボロンなどの原子を添加した分
子または集合体や局所温度,ストレス,電解等によっ
て、リングをひずませたり、捻じれを入れたり、カーボ
ン原子を挿入したり取り去ったりすることにより欠陥を
入れるなどして、リングの結合の仕方を変化させたトー
ラス分子または螺旋分子または集合体を作り、カーボン
原子だけから作られるトーラス分子(特開平6−69494
号)で開示された用途に対して用いることができる。
【0025】最後にトーラス分子あるいは、螺旋構造の
分子の作製方法について述べる。
【0026】低温で、球状のカーボン分子の5角形を走
査型トンネル電子顕微鏡(STM)の探針でとらえ、探
針で押し潰してこれらの分子を作製したり、あるいは、
カーボン原子を一つ一つSTMでこれらの分子構造にな
るように電場や磁場をあてながら配置して作製する方法
が考えられる。
【0027】また、これらの分子に不純物が入った構造
を得るのに、不純物を入れた球状の分子を作製しておき
STMで潰して作製する方法や、純粋のカーボンからな
るトーラス分子あるいは、螺旋構造の分子を、作製して
おきそこに、新たに分子または原子を一つ一つSTMで
配置して作製する方法がある。
【0028】すなわち、本発明のカーボン原子集合体
は、以下のような方法によって得られる。
【0029】圧力,温度,電場,光,放射線,磁場,放
電アークの電流電圧のいずれかを適当に変化させ、内側
にカーボン原子の近接原子を結んでできるリング形状が
7角形になるようにカーボン原子を配置し、外側にはリ
ングとして5角形となるようにカーボン原子を配置し、
それら以外のカーボンのリングがカーボンのグラファイ
ト構造に現われるボンド長さと原子同士のなす角度(1
20度)に近くなるようにし、最近接原子間距離を0.
145nm 程度になるようにカーボン原子を配置し
て、原子一層分の厚さ、あるいはそれ以上の厚さで、全
体形状が筒状をなす任意の形状のカーボン分子におい
て、一部を切断し、チューブの軸に対して回転させ、接
合することにより捻じりを形成する。
【0030】圧力,温度,電場,光,放射線,磁場,放
電アークの電流電圧のいずれかを適当に変化させ、内側
にカーボン原子の近接原子を結んでできるリング形状が
7角形になるようにカーボン原子を配置し、外側にはリ
ングとして5角形となるようにカーボン原子を配置し、
それら以外のカーボンのリングがカーボンのグラファイ
ト構造に現われるボンド長さと原子同士のなす角度(1
20度)に近くなるようにし、最近接原子間距離を0.
145nm 程度になるようにカーボン原子を配置し
て、原子一層分の厚さ、あるいはそれ以上の厚さで、全
体形状がトーラス状あるいは螺旋状をなすカーボン分子
において、5角形の半分と7角形の半分が重なり合いち
ょうど6角形を作るようにして約チューブの軸に対して
180度程度回転させた捻じりを形成した原子の配置構
造を持たせる。
【0031】圧力,温度,電場,光,放射線,磁場,放
電アークの電流電圧のいずれかを適当に変化させ、内側
にカーボン原子の近接原子を結んでできるリング形状が
7角形になるようにカーボン原子を配置し、外側にはリ
ングとして5角形となるようにカーボン原子を配置し、
それら以外のカーボンのリングがカーボンのグラファイ
ト構造に現われるボンド長さと原子同士のなす角度(1
20度)に近くなるようにし、最近接原子間距離を0.
145nm 程度になるようにカーボン原子を配置し
て、原子一層分の厚さ、あるいはそれ以上の厚さで、全
体形状がトーラス状をなすことを特徴とするカーボン分
子において、多角形がはれるように約チューブの軸に対
して30度の整数倍程度回転させた捻じりを形成した原
子の配置構造を持たせる。
【0032】上記のようにして得られたカーボン原子集
合体からなるトーラス状分子および/または螺旋構造
に、カーボン原子以外の元素を添加する。
【0033】上記のようにして得られたカーボン原子集
合体を、大きさを空間的に変化させて他の材料上に置
き、1次元的または2次元または3次元的に広がりを持
つ結晶構造を有する巨大分子またはその集合体を形成す
る。
【0034】上記のようにして得られたカーボン原子集
合体に、局所温度,ストレス,電解等によって、リング
をひずませたり、捻じれを入れたり、カーボン原子を挿
入したり取り去ったりすることにより欠陥を導入する。
【0035】上記のようにして得られたカーボン原子集
合体を、他の球状分子や円筒形分子あるいは螺旋分子に
巻き付けて複合化されたカーボン原子集合体を形成す
る。
【0036】上記のようにして予め作成されたカーボン
原子集合体に、新たに分子または原子を一つ一つSTM
で配置してカーボン原子集合体を形成する。
【0037】また、本発明のカーボン原子集合体は、以
下のように、様々な分野での応用が可能である。
【0038】特定の大きさのトーラス状分子あるいは螺
旋構造あるいはその集合体に、上記トーラスの穴の大き
さに合う特定の大きさの他の原子または分子を、上記穴
の部分に吸着させることを特徴とする指示薬。
【0039】特定の大きさのトーラス状分子あるいは螺
旋構造あるいはその集合体に、他の原子を穴の部分に吸
着させ、トーラスの穴の大きさに合う原子または分子を
置くか、あるいはトーラス状分子を大きさをかえたりか
えなかったりして積み上げた構造を有することを特徴と
する圧力センサとして利用する。
【0040】特定の大きさのトーラス状分子あるいは螺
旋構造あるいはその集合体に他の原子を吸着させ、トー
ラスの円筒のなかに取り込むことを特徴とする分子カプ
セルを形成する。
【0041】特定の大きさのトーラス状分子あるいは螺
旋構造あるいはその集合体に他の原子または分子を吸着
させ、円筒状空間内に上記他の原子または分子を取り込
ませることで消臭剤として利用する。
【0042】特定の大きさのトーラス状分子あるいは螺
旋構造あるいはその集合体の円筒状空間内に他の細長い
分子を通すことでロータとして機能させることを特徴と
する分子機械を形成する。
【0043】カーボン原子集合体からなる特定の大きさ
の螺旋構造あるいはその集合体を、ばねとして機能させ
ることを特徴とする分子機械を形成する。
【0044】特定の大きさのトーラス状分子あるいは螺
旋構造あるいはその集合体を組み合わせ、歯車として機
能させることを特徴とする分子機械を形成する。
【0045】特定の大きさのトーラス状分子あるいは螺
旋構造あるいはその集合体を組み合わせ、分子あるいは
集合体の含むカーボン原子の数によって、電子あるいは
ホールのエネルギバンド構造を変化させて、特定の波長
の光に反応せしめることで光デバイスとして利用する。
【0046】特定の大きさのトーラス状分子あるいは螺
旋構造あるいはその集合体の穴を、他の分子で塞ぎ、穴
の部分に中性子やガンマ線をあて、化学反応や核反応を
起こさせ、穴を塞いでいる分子を前記カーボン原子集合
体から勢い良く飛び出させることで分子に運動エネルギ
を与えることで、加速された粒子線を得る。
【0047】特定の大きさのトーラス状分子あるいは螺
旋構造あるいはその集合体にリード線をつけ、磁場また
は電場により前記カーボン原子集合体内の電子分布を変
化させることで微細電子デバイスとして利用する。
【0048】トーラス状分子あるいは螺旋構造あるいは
その集合体にリード線をつけるかまたは電子走査トンネ
ル顕微鏡の探針を近付け、磁場または電場により前記カ
ーボン原子集合体内の電子分布を変化させることで微細
電子デバイスとして利用する。
【0049】トーラス状分子あるいは螺旋構造を加熱
し、熱運動によって前記カーボン原子集合体穴の大きさ
を大きくし、前記の穴に他の分子を挿入し、前記カーボ
ン原子集合体を急冷して穴の大きさを小さくし、上記他
の分子を切断または粉砕する。
【0050】カーボン原子集合体からなる特定の大きさ
の複数の螺旋構造を用い、一方の螺旋から他方の螺旋に
捻じれを入れたり、螺旋の捻じれのあるなしを別の螺旋
で読み取ったりすることにより、情報の読み書きを行な
うことで情報処理を行なわせる。
【0051】磁束一本が、捻じり炭素構造から作られる
ループを通るか通らないかによって電流を流すか流さな
いかを制御することで、情報処理を行なわせる。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、従来のカーボンにはな
い新しいトポロジカルな性質をカーボン元素に持たせる
ことによって、従来のカーボン元素の利用方法を拡大す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の分子構造の図。
【図2】本発明の一実施例の分子構造の図。
【図3】トーラスおよび螺旋構造の展開図。
【図4】基本構成単位を示す図。
【図5】最小の扇型構造を示す図。
【図6】扇型構造を示す図。
【図7】扇型構造を示す図。
【図8】扇型構造の上面図。
【図9】扇型構造の側面図。
【図10】扇型構造の上面図。
【図11】扇型構造の下面図。
【図12】トーラス分子からできる扇型構造の上面図。
【図13】トーラス分子からできる扇型構造の下面図。
【図14】螺旋分子からできる扇型構造の上面図。
【図15】螺旋分子からできる扇型構造の下面図。
【図16】ピッチの異なる螺旋分子からできる扇型構造
の上面図。
【図17】ピッチの異なる螺旋分子からできる扇型構造
の下面図。
【図18】磁束と捻じりの入った分子構造を示す図。
【符号の説明】
100…6角形、101…5角形の半分、102…7角
形の半分、103…7角形、104…5角形。

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧力,温度,電場,光,放射線,磁場,放
    電アークの電流電圧のいずれかを適当に変化させ、内側
    にカーボン原子の近接原子を結んでできるリング形状が
    7角形になるようにカーボン原子を配置し、外側にはリ
    ングとして5角形となるようにカーボン原子を配置し、
    それら以外のカーボンのリングがカーボンのグラファイ
    ト構造に現われるボンド長さと原子同士のなす角度(1
    20度)に近くなるようにし、最近接原子間距離を0.
    145nm 程度になるようにカーボン原子を配置し
    て、原子一層分の厚さ、あるいはそれ以上の厚さで、全
    体形状が筒状をなす任意の形状のカーボン分子におい
    て、一部を切断し、チューブの軸に対して回転させ、接
    合することにより捻じりを形成したことを特徴とするカ
    ーボン原子集合体。
  2. 【請求項2】圧力,温度,電場,光,放射線,磁場,放
    電アークの電流電圧のいずれかを適当に変化させ、内側
    にカーボン原子の近接原子を結んでできるリング形状が
    7角形になるようにカーボン原子を配置し、外側にはリ
    ングとして5角形となるようにカーボン原子を配置し、
    それら以外のカーボンのリングがカーボンのグラファイ
    ト構造に現われるボンド長さと原子同士のなす角度(1
    20度)に近くなるようにし、最近接原子間距離を0.
    145nm 程度になるようにカーボン原子を配置し
    て、原子一層分の厚さ、あるいはそれ以上の厚さで、全
    体形状がトーラス状あるいは螺旋状をなすカーボン分子
    において、5角形の半分と7角形の半分が重なり合いち
    ょうど6角形を作るようにして約チューブの軸に対して
    180度程度回転させた捻じりを形成した原子の配置構
    造を持つことを特徴とするカーボン原子集合体。
  3. 【請求項3】圧力,温度,電場,光,放射線,磁場,放
    電アークの電流電圧のいずれかを適当に変化させ、内側
    にカーボン原子の近接原子を結んでできるリング形状が
    7角形になるようにカーボン原子を配置し、外側にはリ
    ングとして5角形となるようにカーボン原子を配置し、
    それら以外のカーボンのリングがカーボンのグラファイ
    ト構造に現われるボンド長さと原子同士のなす角度(1
    20度)に近くなるようにし、最近接原子間距離を0.
    145nm 程度になるようにカーボン原子を配置し
    て、原子一層分の厚さ、あるいはそれ以上の厚さで、全
    体形状がトーラス状をなすことを特徴とするカーボン分
    子において、多角形がはれるように約チューブの軸に対
    して30度の整数倍程度回転させた捻じりを形成した原
    子の配置構造を持つことを特徴とするカーボン原子集合
    体。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3記載のカーボン原子集合体
    からなるトーラス状分子および/または螺旋構造に、カ
    ーボン原子以外の元素を添加したことを特徴とするカー
    ボン原子集合体。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4に記載のカーボン原子集合
    体を、大きさを空間的に変化させて他の材料上に置き、
    1次元的または2次元または3次元的に広がりを持つ結
    晶構造を有する巨大分子またはその集合体を形成するこ
    とを特徴とするカーボン原子集合体の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1乃至4記載のカーボン原子集合体
    からなる特定の大きさのトーラス状分子あるいは螺旋構
    造あるいはその集合体に、上記トーラスの穴の大きさに
    合う特定の大きさの他の原子または分子を、上記穴の部
    分に吸着させることを特徴とする指示薬。
  7. 【請求項7】請求項1乃至4記載のカーボン原子集合体
    からなる特定の大きさのトーラス状分子あるいは螺旋構
    造あるいはその集合体に、他の原子を穴の部分に吸着さ
    せ、トーラスの穴の大きさにあう原子または分子を置く
    か、あるいはトーラス状分子を大きさをかえたりかえな
    かったりして積み上げた構造を有することを特徴とする
    圧力センサ。
  8. 【請求項8】請求項1乃至4記載のカーボン原子集合体
    からなる特定の大きさのトーラス状分子あるいは螺旋構
    造あるいはその集合体に他の原子を吸着させ、トーラス
    の円筒のなかに取り込むことを特徴とする分子カプセル
    の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1乃至4記載のカーボン原子集合体
    からなる特定の大きさのトーラス状分子あるいは螺旋構
    造あるいはその集合体に他の原子または分子を吸着さ
    せ、円筒状空間内に上記他の原子または分子を取り込ま
    せることで消臭機能を有する消臭剤。
  10. 【請求項10】請求項1乃至4記載のカーボン原子集合
    体からなる特定の大きさのトーラス状分子あるいは螺旋
    構造あるいはその集合体の円筒状空間内に他の細長い分
    子を通すことでロータとして機能させることを特徴とす
    る分子機械。
  11. 【請求項11】請求項1乃至4記載のカーボン原子集合
    体からなる特定の大きさのトーラス状分子あるいは螺旋
    構造あるいはその集合体を組み合わせ、歯車として機能
    させることを特徴とする分子機械。
  12. 【請求項12】請求項1乃至4記載のカーボン原子集合
    体からなる特定の大きさのトーラス状分子あるいは螺旋
    構造あるいはその集合体を組み合わせ、分子あるいは集
    合体の含むカーボン原子の数によって、電子あるいはホ
    ールのエネルギバンド構造を変化させて、特定の波長の
    光に反応せしめることを特徴とする光デバイス。
  13. 【請求項13】請求項1乃至4記載のカーボン原子集合
    体からなる特定の大きさのトーラス状分子あるいは螺旋
    構造あるいはその集合体の穴を、他の分子で塞ぎ、穴の
    部分に中性子やガンマ線をあて、化学反応や核反応を起
    こさせ、穴を塞いでいる分子を前記カーボン原子集合体
    から勢い良く飛び出させることで分子に運動エネルギを
    与えることを特徴とする粒子加速方法。
  14. 【請求項14】請求項1乃至4記載のカーボン原子集合
    体からなる特定の大きさのトーラス状分子あるいは螺旋
    構造あるいはその集合体にリード線をつけ、磁場または
    電場により前記カーボン原子集合体内の電子分布を変化
    させることを特徴とする電子デバイス。
  15. 【請求項15】請求項1乃至4記載のカーボン原子集合
    体からなる特定の大きさのトーラス状分子あるいは螺旋
    構造あるいはその集合体にリード線をつけるかまたは電
    子走査トンネル顕微鏡の探針を近付け、磁場または電場
    により前記カーボン原子集合体内の電子分布を変化させ
    ることを特徴とする電子デバイス。
  16. 【請求項16】請求項1乃至4記載のカーボン原子集合
    体からなる特定の大きさのトーラス状分子あるいは螺旋
    構造を加熱し、熱運動によって前記カーボン原子集合体
    穴の大きさを大きくし、前記の穴に他の分子を挿入し、
    前記カーボン原子集合体を急冷して穴の大きさを小さく
    し、上記他の分子を切断または粉砕することを特徴とす
    る分子の加工方法。
  17. 【請求項17】請求項1乃至4記載のカーボン原子集合
    体からなる特定の大きさの螺旋構造あるいはその集合体
    を、ばねとして機能させることを特徴とする分子機械。
  18. 【請求項18】請求項1乃至4記載のカーボン原子集合
    体からなる特定の大きさの複数の螺旋構造を用い、一方
    の螺旋から他方の螺旋に捻じれを入れたり、螺旋の捻じ
    れのあるなしを別の螺旋で読み取ったりすることによ
    り、情報の読み書きを行なうことを特徴とする情報処理
    方法。
  19. 【請求項19】請求項1乃至4または請求項16記載の
    カーボン原子集合体に、局所温度,ストレス,電解等に
    よって、リングをひずませたり、捻じれを入れたり、カ
    ーボン原子を挿入したり取り去ったりすることにより欠
    陥を導入してなることを特徴とするカーボン原子集合
    体。
  20. 【請求項20】請求項1乃至4または16または19記
    載のカーボン原子集合体を、他の球状分子や円筒形分子
    あるいは螺旋分子に巻き付けてなるカーボン原子集合
    体。
  21. 【請求項21】球状のカーボン分子の5角形を探針でと
    らえ、STMで押し潰して請求項1乃至4記載のカーボ
    ン集合体を作製する方法。
  22. 【請求項22】カーボン原子を一つ一つSTMで配置し
    て請求項1乃至4記載のカーボン集合体を作製する方
    法。
  23. 【請求項23】予め作成された請求項1乃至4または1
    6または19記載のカーボン原子集合体に、新たに分子
    または原子を一つ一つSTMで配置して作製するカーボ
    ン原子集合体の作成方法。
  24. 【請求項24】磁束一本が、捻じり炭素構造から作られ
    るループを通るか通らないかによって電流を流すか流さ
    ないかを制御する信号制御方法。
JP6292588A 1994-11-28 1994-11-28 捻じりの入ったトーラス状もしくは螺旋状カーボン原子集合体およびその製造方法 Pending JPH08151205A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6292588A JPH08151205A (ja) 1994-11-28 1994-11-28 捻じりの入ったトーラス状もしくは螺旋状カーボン原子集合体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6292588A JPH08151205A (ja) 1994-11-28 1994-11-28 捻じりの入ったトーラス状もしくは螺旋状カーボン原子集合体およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08151205A true JPH08151205A (ja) 1996-06-11

Family

ID=17783723

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6292588A Pending JPH08151205A (ja) 1994-11-28 1994-11-28 捻じりの入ったトーラス状もしくは螺旋状カーボン原子集合体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08151205A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002308612A (ja) * 2001-04-02 2002-10-23 Gogotsi Yury グラファイト多面結晶体及びその単離方法とその用途
JP2003165100A (ja) * 2001-11-30 2003-06-10 Sony Corp らせん構造体およびその製造方法ならびに機能材料およびその製造方法ならびに磁気感応素子およびその製造方法ならびに一次元伝導体およびその製造方法ならびに電子装置およびその製造方法
US7974123B2 (en) 2001-03-12 2011-07-05 Yeda Research And Development Co. Ltd. Method using a synthetic molecular spring device in a system for dynamically controlling a system property and a corresponding system thereof

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7974123B2 (en) 2001-03-12 2011-07-05 Yeda Research And Development Co. Ltd. Method using a synthetic molecular spring device in a system for dynamically controlling a system property and a corresponding system thereof
JP2002308612A (ja) * 2001-04-02 2002-10-23 Gogotsi Yury グラファイト多面結晶体及びその単離方法とその用途
JP2003165100A (ja) * 2001-11-30 2003-06-10 Sony Corp らせん構造体およびその製造方法ならびに機能材料およびその製造方法ならびに磁気感応素子およびその製造方法ならびに一次元伝導体およびその製造方法ならびに電子装置およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5401975A (en) Method for constructing a carbon molecule and structures of carbon molecules
Knupfer Electronic properties of carbon nanostructures
Dresselhaus Future directions in carbon science
Ajayan et al. Electron-energy-loss spectroscopy of carbon nanometer-size tubes
Zhang et al. Carbon nano-tubes; their formation process and observation by electron microscopy
Amelinckx et al. A structure model and growth mechanism for multishell carbon nanotubes
US20040110005A1 (en) Carbon nano particles having novel structure and properties
Perez et al. Nanostructured materials from clusters: Synthesis and properties
US7868404B2 (en) Vortex spin momentum transfer magnetoresistive device
Lafdi et al. Cobalt‐doped carbon nanotubes: Preparation, texture, and magnetic properties
JPH08151205A (ja) 捻じりの入ったトーラス状もしくは螺旋状カーボン原子集合体およびその製造方法
Pei et al. Effects of different hydrogen distributions on the magnetic properties of hydrogenated single-walled carbon nanotubes
Chen et al. Topologically nontrivial and trivial zero modes in chiral molecules
Kusakabe et al. Magnetism of nanometer-scale graphite with edge or topological defects
Wang et al. Growth of spiral carbon tubes by a mixed-valent oxide-catalytic carbonization process
Bovin et al. The quantum structure of carbon tori
Pokropivny Room-T c superconductivity on whispering mode in quasi-1D composite of superconducting nanotubes: Is it possible?
Fu et al. Ring-bipolaron exciton in neutral fullerene C 60
Pokropivny Composite on base of 2D nanotubular lattice as ideal high-Tc superconductor
JP4221845B2 (ja) 強磁性フラクタル結合体の相転移の制御方法、フラクタル結合体の相転移の制御方法、フラクタル結合体、強磁性フラクタル結合体、情報処理方法、情報記憶方法、情報記憶媒体、情報処理装置および情報記憶装置
Yatoo et al. A Concise Review of Single-Molecule Magnets, Carbon Nanotubes and Hybrids Between Them
Plankina carbon nanotubes. TUBALL is a revolutionary carbon nanotube for the tire industry. Carbon nanotubes: properties
Rao et al. Nanostructured forms of carbon: an overview
Zhang et al. Giant optical anisotropy in cylindrical self-assembled InAs/GaAs quantum rings
De Heer et al. Carbon Nanotubes and Aligned Carbon Nanotube Films