JPH0815111A - 毛髪診断方法及び毛髪診断装置 - Google Patents

毛髪診断方法及び毛髪診断装置

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JPH0815111A
JPH0815111A JP17323494A JP17323494A JPH0815111A JP H0815111 A JPH0815111 A JP H0815111A JP 17323494 A JP17323494 A JP 17323494A JP 17323494 A JP17323494 A JP 17323494A JP H0815111 A JPH0815111 A JP H0815111A
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JP
Japan
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hair
load
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toe
region
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JP17323494A
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English (en)
Inventor
Hiroto Tanamachi
宏人 棚町
Noriharu Kirii
範治 桐井
Koji Morita
康治 森田
Nobutaka Horinishi
信孝 堀西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 毛髪のくせ毛の程度を客観的に評価できるよ
うにし、さらに毛髪特性を総合的に評価できるようにす
る。 【構成】 毛髪のToe-in-region (毛髪の伸長と荷重と
の関係図における、微小加重かつ微小伸長域の非フック
領域)の面積を測定し、その測定値に基づいてくせ毛の
程度を評価する。毛髪の総合評価は、Toe-in-region の
面積に基づくくせ毛の程度の評価と、毛髪の切断強度に
基づく損傷程度の評価と、柔軟性の評価とから総合的に
行う。この場合、柔軟性の評価は、毛髪に負荷した荷重
の大きさと伸長率との関係において弾性領域から求めた
毛髪の弾性値と、別個に測定した毛髪径とに基づいて行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、毛髪のくせ毛の程度を
含めて毛髪の特性を客観的に評価する毛髪の毛髪診断方
法並びに毛髪診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、毛髪に艶がない、あるいは毛
髪のまとまりが悪いといった毛髪トラブルの原因の一つ
にくせ毛がある。
【0003】くせ毛の矯正方法としては、現状では化学
処理(ストレートパーマ)と美容師によるブロー以外に
は手立てがないのが実情である。しかし、化学処理によ
ると毛髪が損傷するという問題があり、また、その処理
に要する時間が非常に長いという問題もある。ブローは
毛髪に化学処理程の損傷は引き起こさないが、矯正効果
が一時的であり、洗髪等で毛髪を濡らすことにより容易
に矯正効果が失われるという問題がある。そのため、く
せ毛の矯正を家庭で簡便に行えるようにする方法の開発
が求められている。
【0004】このようなくせ毛の矯正方法を開発するた
めには、まず、くせ毛の程度を客観的に評価するための
データの収集が重要となる。また、くせ毛の程度の他
に、損傷の程度や柔軟性等の毛髪特性に関するデータも
収集し、それらを総合して毛髪特性を評価できるように
することが重要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
でにくせ毛に関する研究例は非常に少なく、くせ毛の程
度を客観的に評価する方法は知られていない。わずか
に、ニグロヘアの形態観察やアミノ酸分析等が報告され
ているにすぎない。
【0006】本発明は以上のような従来技術の問題点を
解決しようとするものであり、くせ毛の程度を客観的に
評価できるようにすること、また、そのくせ毛の程度を
含めて毛髪特性を客観的に総合的に評価できるようにす
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、後述する
ように毛髪のToe-in-region の面積、又は毛髪の荷重負
荷時もしくは膨潤時の回転角度を指標としてくせ毛の程
度を良好に評価できることを見出し、本発明を完成させ
るに至った。
【0008】即ち、本発明は、毛髪へ荷重を負荷し、そ
のときの荷重の大きさと毛髪の伸長との関係から毛髪の
Toe-in-region の面積を求め、得られたToe-in-region
の面積に基づいてくせ毛の程度を評価することを特徴と
する毛髪診断方法を提供する。
【0009】また、毛髪の一端を支持し、他端に荷重を
負荷したとき又は毛髪を膨潤させたときの毛髪の回転角
度を測定し、その回転角度に基づいてくせ毛の程度を評
価することを特徴とする毛髪診断方法を提供する。
【0010】さらに、本発明は、毛髪のくせ毛の程度の
評価と、毛髪の損傷程度の評価と、毛髪の柔軟性の評価
とから毛髪を診断する方法であって、 (A) 毛髪のくせ毛の程度を上記の少なくとも一つの方法
により評価し、 (B) 毛髪の損傷程度を毛髪の切断強度に基づいて評価
し、 (C) (i) 毛髪へ荷重を負荷したときの荷重の大きさと毛
髪の伸長率を求め、(ii)得られた荷重の大きさと伸長率
とに基づいて毛髪の弾性領域における弾性値を求め、(i
ii) 毛髪径を測定し、(iv)弾性値と毛髪径とに基づいて
毛髪の柔軟性を評価することを特徴とする毛髪診断方法
を提供する。
【0011】また、本発明は、毛髪への荷重手段、荷重
値測定手段、毛髪長測定手段及び表示手段を備え、さら
に毛髪のToe-in-region の面積を算出する演算手段を有
していることを特徴とする毛髪診断装置を提供する。
【0012】以下、本発明の毛髪診断方法と毛髪診断装
置を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】一般に、毛髪に荷重を負荷した場合の伸長
と荷重との関係は、図1に示すような曲線で表される。
なお、このような伸長と荷重の測定は、市販のロードセ
ルなどを用いて行うことができる。
【0014】図中、斜線部分Aとして示した、微小荷重
かつ微小伸長域の非フック領域がToe-in-region と称さ
れる部分である。これまでに、Toe-in-region に関して
は、毛髪を伸長させるときに起こる捩じれの解消と曲げ
により現れるという報告がある(Y.K.KAMATH, S.B.HORN
EY,H.D.WEIGMANN, J.Soc.Cosmet.Chem.,35,21(198
4))。本発明者らは、このToe-in-region について毛髪
の特性との関係について検討した結果、Toe-in-region
の面積は、くせ毛(捩じれ毛髪、スパイラル毛髪を含
む)をまっすぐに伸ばすために必要なエネルギーであ
り、くせ毛は直毛に比してToe-in-region の面積が大き
いことを見出した。
【0015】また、次式
【0016】
【数1】縮毛率=(L0 −L)/L0 (式中、Lは、図1の伸長と荷重との関係図において、
荷重により毛髪が伸長しはじめる点Bの毛髪の長さであ
り、図2(a)のように毛髪に荷重を負荷せず、毛髪が
捩じれている状態の毛髪本来の長さに相当する。L
0 は、図1の伸長と荷重との関係図において、毛髪の弾
性領域Cの直線の外挿点Dの伸長を有する毛髪の長さで
あり、図2(b)のように毛髪のくせが伸びた状態の毛
髪の長さである。)で定義される縮毛率とToe-in-regio
n の面積とには高い正の相関があることを見出した。
【0017】このような知見に基づき、本発明の一つの
態様においては、くせ毛の程度の評価の指標の一つとし
てToe-in-region の面積を使用する。例えば、多数の毛
髪について目視等によりくせ毛の程度を評価しておき、
一方、それらの毛髪について一定の条件下でToe-in-reg
ion の面積を測定し、それらのデータを蓄積しておく。
そして、評価すべき当該毛髪についてToe-in-region の
面積を測定し、蓄積しておいたデータとの対比により当
該毛髪のくせ毛の程度を評価する。
【0018】この場合、Toe-in-region の面積は、図1
のように伸長と荷重との関係図の斜線部分Aの面積とし
て求めてもよいが、別途毛髪の断面積を測定し、毛髪に
負荷した荷重をその断面積で除して応力を求め、応力と
伸長との関係図から求めてもよい。さらに、毛髪に荷重
を負荷しない場合の毛髪の長さで伸長を除して伸長率を
求め、荷重又は応力と伸長率との関係からToe-in-regio
n の面積を求めてもよい。応力と伸長率との関係からTo
e-in-region の面積を求めることにより、Toe-in-regio
n の面積を指標として毛髪のくせ毛の程度をより正確に
評価することが可能となる。
【0019】また、本発明者らは、SEM観察によりく
せ毛には捩じれが存在していること、この捩じれには周
期性がないこと、この捩じれを評価する方法としては、
毛髪の一端を支持して吊し、他端に荷重を負荷すること
により毛髪の捩じれを解消させ、それによって生じる回
転現象を利用すること、あるいは毛髪の一端を支持して
吊し、毛髪を膨潤させることにより毛髪の捩じれを解消
させ、それによって生じる回転現象を利用することが有
効であることを見出した。
【0020】このような知見に基づき、本発明の他の態
様においては、くせ毛の程度の評価の指標の一つとし
て、毛髪の荷重負荷時あるいは膨潤時の回転角度を使用
する。例えば、多数の毛髪について目視等によりくせ毛
の程度を評価しておき、一方、それらの毛髪について荷
重負荷時あるいは膨潤時の毛髪の捩じれの解消による回
転角度を一定条件下で測定し、それらのデータを蓄積し
ておく。そして、評価すべき当該毛髪について、荷重負
荷時あるいは膨潤時の回転角度を測定し、蓄積しておい
たデータとの対比により当該毛髪のくせ毛の程度を評価
する。
【0021】また、本発明者らは、くせ毛は、真円率
(毛髪横断面の長径と短径の比)が直毛に比して小さい
ことも見出した。したがって、本発明においては、くせ
毛の程度の評価の指標の一つとして、毛髪の真円率を使
用してもよい。
【0022】さらに、本発明者らは、くせ毛は直毛に比
して弾性値が大きいことも見出した。したがって、本発
明においては、くせ毛の程度の評価の指標の一つとし
て、毛髪の弾性値を使用してもよい。
【0023】ここで、弾性値とは、前述の図1のように
伸長と荷重との関係を求めた場合に、弾性領域(図中C
1 −C2 間)の直線の傾きを意味する。なお、このよう
な直線の傾きは、荷重と伸長率との関係において弾性領
域の直線の傾きから求めたものでもよい。一般に、繊維
状物体の弾性領域の特性を示す指標としては、単位面積
当たりの荷重(即ち、応力)と伸長率との割合を示すヤ
ング率(弾性率)が使用されているが、本発明でいう弾
性値はこのヤング率とは異なる。ヤング率を得るために
は、毛髪の断面積を測定することが必要となるが、毛髪
の断面は円形でなく、かなり偏平な楕円形状であるため
に、その値を簡便かつ正確に測定することは容易でな
い。これに対して上述の意味での弾性値は毛髪の断面積
をファクターとしないので、簡便に得ることができる。
また、一般に毛髪の切断強度は環境湿度の増加に伴って
低下するが、弾性値は環境湿度に影響されにくい。した
がって、弾性値を使用することにより、環境湿度によら
ず、毛髪を評価できるという利点も得られる。
【0024】伸長と荷重との関係から弾性値を求める方
法は、公知の方法を採用することができ、例えば、最小
二乗法により直線を近似し、その直線の傾きを求めても
良い。また、伸長の変化に対する荷重の変化は弾性限界
点に向かうにつれて低下するので、この変化が所定の値
に減少した点と荷重負荷開始点との2点から直線の傾き
を求めても良い。
【0025】なお、くせ毛の程度の評価の指標として、
弾性値に代えて弾性率を使用することもできる。この場
合には、くせ毛は直毛に比して弾性率が小さい。
【0026】以上のように、本発明においては、毛髪の
くせ毛の程度を評価するにあたり、Toe-in-region の面
積、荷重負荷時あるいは膨潤時の回転角度の少なくとも
一つを指標とし、さらに必要に応じて真円率、弾性値、
弾性率を指標とする。
【0027】毛髪の特性を総合的に評価するに際して
は、くせ毛の程度だけでなく、損傷程度も評価すること
が好ましい。毛髪の損傷程度は、毛髪の切断強度を指標
として評価することができる。ここで、切断強度の測定
方法としては、ロードセルを使用すればよい。
【0028】また、毛髪の特性を総合的に評価するに際
しては、毛髪の柔軟性も評価することが好ましい。毛髪
の柔軟性の評価方法に関しては、本発明者らは、既に、
前述のようにして求めた弾性値と、別途測定した毛髪の
径とに基づいて柔軟性を評価する方法を提案した(特願
平6−124439号明細書の特許請求の範囲)。この
方法においては、多数の毛髪について官能的に柔軟性の
評価をしておき(例えば、柔らかい、普通、硬い等)、
一方、それらの毛髪について前述の弾性値を求めると共
に毛髪径を測定する。そして、図3のような毛髪径と弾
性値との関係図を得、これをデータとして蓄積してお
く。そして、評価すべき当該毛髪について、弾性値と毛
髪径を求め、蓄積しておいたデータとの対比により当該
毛髪の柔軟性を評価する。この方法によると簡便、迅速
かつ正確に毛髪の柔軟性を評価することができる。した
がって、毛髪の特性を総合的に評価するにあたり毛髪の
柔軟性も評価する場合には、この柔軟性の評価方法を採
用することが好ましい。
【0029】上述のくせ毛の程度の評価、毛髪の切断強
度の測定による損傷程度の評価、毛髪の弾性値に基づく
柔軟性の評価を組み合わせて、毛髪の特性を総合的に評
価する方法としては、図4に示した流れで評価すること
ができる。即ち、まず、本発明のくせ毛の評価方法にし
たがって、くせ毛の程度の大小を評価する。この場合、
くせ毛の程度の評価方法としては、上述のToe-in-regio
n の面積や荷重負荷時あるいは膨潤時の回転角度を指標
とし、さらに必要に応じて真円率、弾性値、弾性率も指
標とする。次に、毛髪の切断強度を測定して損傷程度の
大小を評価する。さらに毛髪の弾性値と毛髪径も測定
し、柔軟性を評価する。
【0030】本発明の毛髪診断装置は、上述の本発明の
方法を実施する装置であり、特に、Toe-in-region の面
積を測定し、得られたToe-in-region の面積に基づいて
毛髪のくせ毛の程度を評価するために有用な装置であ
る。この装置は、毛髪への荷重手段、そのときの荷重値
測定手段、毛髪長測定手段、表示手段を備え、さらに毛
髪のToe-in-region の面積を算出する演算手段を有す
る。この場合、毛髪への荷重手段、そのときの荷重値測
定手段及び毛髪伸長測定手段自体は公知のロードセルと
同様に構成することができ、表示装置はCRTにより各
測定値が表示されるようにしたものを使用することがで
きるが、特に、荷重速度を0.5〜50mm/min程
度に変えられるようにし、また、荷重精度を0.1g以
下程度とすることが好ましい。また、演算手段として
は、荷重値測定手段及び毛髪長測定手段からのデータに
基づいて、毛髪の伸長やToe-in-region の面積を算出で
きるようにプログラムしたCPUを使用することができ
る。また、このような装置としては、毛髪切断強度が容
易にわかるように、荷重により毛髪が切断したときの荷
重値が表示されるようにしたものが好ましい。さらに真
円率や弾性値も同一装置で求められるように、毛髪径測
定手段も備えたものが好ましい。この場合、毛髪径測定
手段自体としては、マイクロメータ、レーザ外径測定機
等を用いることができ、特に測定精度1μm以下のもの
を使用することが好ましい。
【0031】
【作用】本発明の方法によれば毛髪のくせ毛の程度を、
Toe-in-region の面積又は荷重負荷時あるいは膨潤時の
毛髪の回転角度を指標として評価するので、くせ毛の程
度を客観的に評価することが可能となる。また、このよ
うなくせ毛の評価に加えて、毛髪の切断強度により毛髪
の損傷の程度を評価し、弾性値と毛髪径により毛髪の柔
軟性を評価すると、毛髪の特性を総合的に評価すること
が可能となる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0033】実施例1:乾燥時の毛髪の真円率とToe-in
-region の面積 目視により直毛とくせ毛とに分類した毛髪各110本、
合計220本を選出し、乾燥時(20℃、65%RH)
における真円率とToe-in-region の面積との関係を調べ
た。この場合、Toe-in-region の面積は次のようにして
測定した。
【0034】[Toe-in-region の面積の測定方法]試料
とする毛髪を本来のくせ毛状態にするために、まずその
毛髪1本を水で10分間膨潤させ、一端を支持して吊
し、自然乾燥させた。次に、図5に示したように、毛髪
1の両端を引張り、3cmの間隔tをおいた2点に粘着
テープ2a、2bを貼り付けた。そして、粘着テープ2
a、2bの貼着部位を引張り試験機(テンシロン、オリ
エンテック(株)製)を用いて一定の速度(2mm/m
in)で引張り、そのときの伸長と荷重を求め、これら
をプロットして図1のような伸長と荷重との関係図を求
め、Toe-in-region の面積を測定した。なお、Toe-in-r
egion の面積は、計測の便宜上得られた伸長と荷重との
関係図を4倍の面積に拡大して求めた。
【0035】この結果を図6及び図7に示す。図6か
ら、くせ毛は直毛に比して真円率が小さいことがわか
る。また、図7から、くせ毛は直毛に比してToe-in-reg
ion の面積が大きいことがわかる。したがって、真円率
やToe-in-region の面積を用いてくせ毛の程度を評価で
きることがわかる。
【0036】実施例2:乾燥時及び湿潤時の毛髪の弾性
率とToe-in-region の面積 目視により直毛とくせ毛とに分類した毛髪各15本、合
計30本を選出し、乾燥時(20℃、65%RH)及び
膨潤時(20℃、水中)における弾性率とToe-in-regio
n の面積との関係を調べた。この場合、弾性率は実施例
1と同様にして引張り試験機(テンシロン、オリエンテ
ック(株)製)を用いて伸長と荷重とを求め、一方、レ
ーザ外径測定機(アンリツ(株)製)を用いて毛髪の断
面積を求め、単位面積当たりの荷重(即ち、応力)と伸
長率とから算出した。この結果を図8に示す。
【0037】また、得られた伸長と荷重との関係図から
Toe-in-region の面積を測定した。この結果を図9に示
す。
【0038】図8から、乾燥時及び膨潤時の双方におい
て、くせ毛は直毛に比して弾性率が小さいことがわか
る。また、図9から、乾燥時にはくせ毛は直毛に比して
Toe-in-region の面積が相当に大きいが、膨潤時にはそ
の差は小さくなることがわかる。したがって、毛髪の弾
性率やToe-in-region の面積からくせ毛の程度を評価で
きることがわかる。
【0039】実施例3:縮毛率とToe-in-region の面積
との関係 目視により直毛、くせ毛、まじり毛と認められる3名の
女性の毛髪各40本、合計120本について、実施例1
と同様に引張り試験機を用いて、縮毛率((L0 −L)
/L0 )とToe-in-region の面積とを測定し、縮毛率と
Toe-in-regionの面積との関係をプロットとした。
【0040】この結果を図10に示す。また、この相関
係数を求めたところ、0.94であった。これから、両
者には高い正の相関関係があることがわかる。
【0041】実施例4:毛髪の荷重時、膨潤時の回転角
度 目視により直毛、くせ毛、まじり毛と認められる3名の
女性の毛髪各40本、合計120本について、乾燥時
(20℃、65%RH)及び膨潤時にそれぞれ毛髪に荷
重した場合の毛髪の回転角度を次のように測定した。
【0042】即ち、乾燥時(20℃、65%RH)の毛
髪の回転角度としては、図11(a)に示すように、長
さ3cmの毛髪1の一端に0.3gの水平バー3をつ
け、毛髪1を基板5上に垂直に吊し、上方から光Lをあ
て、水平バー3の影を基板5に映した。次に、図11
(b)に示すように荷重4をつけ、同様に上方から光L
をあて、水平バー3の影を基板5に映し、その影の回転
角度θを求めた。この場合、荷重の重さを0〜50gの
範囲で変化させた。
【0043】また、膨潤時の毛髪の回転角度としては、
図12(a)に示すように、長さ3cmの毛髪1の一端
に0.3gの水平バー3をつけた毛髪1を水浴6中に吊
し、上方から光Lをあて、水平バー3の影を水浴6の底
部に映した。この状態で放置し、所定時間経過後、図1
2(b)に示すように、同様に上方から光Lをあて、水
平バー3の影を水浴6の底部に映し、その場合の影の回
転角度θを求めた。
【0044】この結果を図13及び図14に示す。これ
らの図から、くせ毛は直毛に比して荷重時及び膨潤時の
回転角度が大きいことがわかる。したがって、荷重時の
回転角度及び膨潤時の回転角度を用いてくせ毛の程度を
評価できることがわかる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、毛髪のくせ毛の程度を
客観的に評価することが可能となり、さらに、くせ毛の
評価に加えて、毛髪の損傷の程度や柔軟性も評価するこ
とにより、毛髪の特性を総合的に客観的に評価すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】毛髪の伸長と荷重との関係図である。
【図2】毛髪のくせ毛状態と伸長状態との説明図であ
る。
【図3】毛髪径と弾性値と柔軟性との関係図である。
【図4】毛髪特性の総合評価方法の流れ図である。
【図5】毛髪のToe-in-region の面積の測定方法の説明
図である。
【図6】毛髪の真円率を示した図である。
【図7】毛髪のToe-in-region の面積を示した図であ
る。
【図8】毛髪の乾燥時及び膨潤時の弾性率を示した図で
ある。
【図9】毛髪の乾燥時及び膨潤時のToe-in-region の面
積を示した図である。
【図10】毛髪の縮毛率とToe-in-region の面積との関
係図である。
【図11】毛髪の乾燥時における荷重負荷時の回転角度
の測定方法の説明図である。
【図12】毛髪の膨潤時における回転角度の測定方法の
説明図である。
【図13】毛髪の乾燥時における荷重と回転角度との関
係図である。
【図14】毛髪の膨潤時における浸漬時間と回転角度と
の関係図である。
【符号の説明】 1 毛髪 2a、2b 粘着テープ 3 水平バー 4 荷重 5 基板 6 水浴

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 毛髪へ荷重を負荷し、そのときの荷重の
    大きさと毛髪の伸長との関係から微小荷重かつ微小伸長
    域の非フック領域(以下、毛髪のToe-in-region とい
    う)の面積を求め、得られたToe-in-region の面積に基
    づいてくせ毛の程度を評価することを特徴とする毛髪診
    断方法。
  2. 【請求項2】 さらに毛髪の断面積を測定し、毛髪へ負
    荷した荷重の大きさと毛髪の断面積から毛髪の応力を求
    め、その応力と伸長との関係からToe-in-region の面積
    を求める請求項1記載の毛髪診断方法。
  3. 【請求項3】 毛髪へ荷重を負荷したときの伸長率を求
    め、毛髪へ負荷した荷重又は応力と伸長率との関係から
    Toe-in-region の面積を求める請求項1記載の毛髪診断
    方法。
  4. 【請求項4】 毛髪の一端を支持し、他端に荷重を負荷
    したとき又は毛髪を膨潤させたときの毛髪の回転角度を
    測定し、その回転角度に基づいてくせ毛の程度を評価す
    ることを特徴とする毛髪診断方法。
  5. 【請求項5】 毛髪のくせ毛の程度の評価と、毛髪の損
    傷程度の評価と、毛髪の柔軟性の評価とから毛髪を診断
    する方法であって、 (A) 毛髪のくせ毛の程度を請求項1〜4の少なくとも一
    つの方法により評価し、 (B) 毛髪の損傷程度を毛髪の切断強度に基づいて評価
    し、 (C) (i) 毛髪へ荷重を負荷したときの荷重の大きさと毛
    髪の伸長率を求め、(ii)得られた荷重の大きさと伸長率
    とに基づいて毛髪の弾性領域における弾性値を求め、(i
    ii) 毛髪径を測定し、(iv)弾性値と毛髪径とに基づいて
    毛髪の柔軟性を評価することを特徴とする毛髪診断方
    法。
  6. 【請求項6】 毛髪への荷重手段、荷重値測定手段、毛
    髪長測定手段及び表示手段を備え、さらに毛髪のToe-in
    -region の面積を算出する演算手段を有していることを
    特徴とする毛髪診断装置。
  7. 【請求項7】 さらに、毛髪径測定手段を有する請求項
    6記載の毛髪診断装置。
JP17323494A 1994-07-01 1994-07-01 毛髪診断方法及び毛髪診断装置 Pending JPH0815111A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106705774A (zh) * 2017-01-12 2017-05-24 中国农业科学院兰州畜牧与兽药研究所 羊毛卷曲数测量尺
CN108139307A (zh) * 2015-09-30 2018-06-08 株式会社爱茉莉太平洋 利用形态维持压力的毛发的弹性测定方法

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CN106705774B (zh) * 2017-01-12 2024-03-01 中国农业科学院兰州畜牧与兽药研究所 羊毛卷曲数测量尺

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