JPH0814779A - ヒートパイプ - Google Patents

ヒートパイプ

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JPH0814779A
JPH0814779A JP14944294A JP14944294A JPH0814779A JP H0814779 A JPH0814779 A JP H0814779A JP 14944294 A JP14944294 A JP 14944294A JP 14944294 A JP14944294 A JP 14944294A JP H0814779 A JPH0814779 A JP H0814779A
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JP
Japan
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heat
pipe
magnetic fluid
magnetic field
magnetic
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JP14944294A
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芳明 ▲高▼谷
Yoshiaki Takatani
Hiroshi Yamaguchi
博司 山口
Itaru Kobori
至 小堀
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械的可動部を持たずにきめ細かい熱移送の
制御が可能で、かつ設置場所や設置方向に依存しない熱
輸送構造とする。 【構成】 磁性流体を封入した二重管構造のパイプ10
の両端に、内側に磁性流体との熱伝達を行う凹凸が形成
された熱交換部14,15を設ける。熱交換部14,1
5において磁気を通し易い材料を用いた外管12と磁気
を遮断しかつ熱交換しにくい材料を用いた内管13とが
連通される。外管12に磁性流体に磁場を印加する磁場
印加装置22を取り付け、制御装置23により駆動制御
を行う。磁性流体の温度による磁化の違いにより低温側
で放熱して冷やされた磁性流体は外管12を通って高温
側に移動し、高温側で加熱されて温められた磁性流体は
内管13を経て低温側に移動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、離れた熱源間における
熱輸送制御を行うために用いる熱輸送制御用ヒートパイ
プに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、離れた熱源間における熱輸送手段
として、可動部を持つ機械的な冷凍装置があるが、装置
が複雑で大きく機械的可動部の信頼性の問題や小空間で
の熱輸送は不可能である。そのため、近来省エネルギー
の観点から可動部がないヒートパイプが見直されてお
り、特に高い熱輸送能力の向上から革新を要望されてい
る。ヒートパイプの構造は、図9の如く、ウイック1と
呼ばれる多孔質物質(例えば金網や金属フェルト等)を
内張りした容器2を真空にし、作動流体を適量だけ封入
したものである。そして、容器2は、外から熱を受ける
蒸発部3、外に熱を放出する凝縮部4、残りの部分の断
熱部5に分かれ、蒸発部3では外からの熱でウイック1
中の作動流体が蒸発し、その発生蒸気はわずかな圧力差
で中央の蒸気通路を通って凝縮部4へと移動する。ここ
で蒸気は凝縮し、この際に潜熱を放出する。凝縮液はウ
イック1の毛細管力で蒸気部3へ還流する。
【0003】この流体の潜熱を利用したヒートパイプで
は、凝縮部は必ず対流が生じ易いように吸熱部より下部
にあることが望ましいため、沸騰、凝縮における信頼性
や媒体自体の比重による設置方向や設置場所の制限があ
る。さらにきめ細かい熱輸送制御が困難である。以上の
ような従来の熱輸送方式では、産業上利用するに際して
致命的な制約条件があるという問題が存在している。
【0004】そこで、上記の問題を解消する熱輸送方式
として、可動部が不要であったり、設置方法に制限を受
けない磁性流体を媒体としたヒートパイプ、熱ポンプ等
の熱輸送装置が、例えば特開昭61−173049号公
報、特開昭62−41568号公報、特開昭63−35
180号公報、特開平2−140566号公報、実開昭
62−198374号公報に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁性流
体を用いた従来の熱輸送方式では、閉回路とされた配管
となっており、多大の設置スペースが必要となり実用上
制約がある。また、熱の授受において、アルミニウム製
フィン等で放熱する場合は素材の固体熱伝導率の制約、
放熱スペースの制約、強制放熱の場合では送風機構や制
御回路、ファン用のスペースが必要となり、いろんな制
約が存在する。また、アルミニウム製フィンと伝導面接
合部での伝熱抵抗の影響等による放熱量に限度がある。
以上のような不都合点が存在し、従来の方式ではエネル
ギーの効率向上に対する課題解決にいたっていないのが
現状である。
【0006】そこで、本発明は、機械的可動部を持たず
に磁場を制御することできめ細かい熱移送の制御が可能
となり、設置場所や設置方向に依存しない極めて効率的
な熱輸送が可能となるヒートパイプを提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、図1の如く、磁場により磁化される磁性流体と、
該磁性流体を封入した二重管構造のパイプ10と、前記
磁性流体に磁場を印加する磁場印加手段11とを有し、
前記パイプ10の両端に熱交換部14,15が設けら
れ、該熱交換部14,15において外管12と内管13
とが連通されたものである。
【0008】そして、パイプ10の外管12に磁気を通
し易い材料を用い、内管13に磁気を遮断しかつ熱交換
しにくい材料を用い、熱交換部14,15の内側に、磁
性流体との熱伝達を行う凹凸が形成されている。また、
パイプ10の長手方向に沿って磁場を変化させる流体速
度可変手段が設けられている。
【0009】
【作用】上記課題解決手段において、磁性流体の温度が
高くなると磁化を減少させ、磁石が磁性流体を引き付け
る力の均衡が崩れるため、磁性流体が駆動される。つま
り、磁性流体の磁化は高温側より低温側の方が大きいの
で、低温側の磁性流体が引き付けられ、磁性流体は低温
側から高温側に流れるようになる。そのため、低温側で
冷された磁性流体は磁場の強い外管12を通って高温側
に移動し、高温側で温められた磁性流体は内管13を通
り低温側に移動する循環が行われ、離れた熱源間におけ
る熱輸送が可能となる。
【0010】そして、内外管の材料の違いにより、この
間での熱損失が軽減されて温度差を大きくでき、磁性流
体の磁化の差が顕著となる。またパイプ10の両端の熱
交換部14,15において、受熱あるいは放熱が促進さ
れ、磁性流体との熱伝達の効率が向上する。またパイプ
10の長手方向に沿って磁場を変化させると、磁性流体
は磁化の差を強く与えられ、効率のよい磁性流体の駆動
が行われる。
【0011】
【実施例】本実施例のヒートパイプは、図1の如く、磁
場により磁化される感温性磁性流体と、磁性流体を封入
した閉循環回路である同心二重管構造のパイプ10と、
磁性流体に磁場を印加する磁場印加手段11とを有し、
パイプ10は外管12と内管13とからなり、パイプ1
0の両端に熱の授受を行う熱交換部14,15が設けら
れ、熱交換部14,15において外管12と内管13と
が連通されている。
【0012】すなわち、熱輸送媒体として磁場により容
易に磁化される磁性流体を用い、二重管構造を持つ閉回
路に充填した磁性流体を高温熱源で加熱、低温熱源で放
熱冷却し、外管12の適所に配置された磁場印加手段1
1で流体速度、つまり熱輸送量を制御するシステムであ
る。
【0013】前記磁性流体は、液体に磁性粒子が混入さ
れたもので、液体は例えば液体窒素、液体水素、液体ヘ
リウム、アンモニアあるいは水等とされ、磁性粒子は例
えばフェライト、酸化マンガン、酸化鉄、硫化鉄、純鉄
あるいは粉末形磁石等とされている。
【0014】前記パイプ10の外管12は磁気を通し易
い材料、例えばテフロン、黄銅を用い、内管13は磁気
を減衰させて内部への磁気を遮断しかつ外側の磁性流体
と内側の磁性流体とが熱交換しにくい材料、例えば中空
鋼管を用い、内管13が外管12よりも長く形成されて
いる。そして、内管13は、両端が外管12より突出し
た状態で外管12に内装されて固定部材により取り付け
られている。
【0015】前記熱交換部14,15は、アルミニウ
ム、銅等の材料によってパイプ10よりも大きい中空の
箱状に形成され、外管12に装着されて密閉されてい
る。そして、吸熱を行う高温側熱交換部14では、その
パイプ10と対向する直角な内側面に毛細フィン16が
設けられている。排熱を行う低温側熱交換部15では、
そのパイプ10と対向する直角な内側面に棒状フィン1
7が図2に示すように一面にわたって突設されている。
これによって、熱輸送媒体である磁性流体との熱伝達の
向上が図られ、特に高温側熱交換部14では、媒体と接
触する表面積が大きくなるように毛細フィン16にし
て、受熱の効率を上げている。両熱交換部14,15
は、熱源となる壁体18に接触される。また、各熱交換
部14,15には、サーミスタ、熱電対等の温度検出素
子19,20が配設され、両素子19,20と温度検出
装置21とによって温度センサが構成されている。
【0016】前記磁場印加手段11は、磁性流体を磁化
する磁場印加装置22と、磁場印加装置22を駆動して
熱輸送量制御を行う制御装置23とからなる。磁場印加
装置22は、電磁石からなり、外管12の高温側熱交換
部寄りの外周に取り付けられている。制御装置23は、
マイクロコンピュータを有し、温度センサからの検出信
号に基づいて磁場印加装置22に対する電源からの通電
を制御するもので、両熱交換部14,15が設定された
温度になるように磁性流体の移動速度、つまり熱輸送量
が制御される。
【0017】(動作原理)温度Tと磁場Hから示される
磁化曲線から磁化Mを求め、磁化と温度の関数として次
式により表せる。
【0018】M=M(H,T) (1) 磁場の影響区間ΔXにおいて、磁化Mを磁場Hで積分す
ると磁場により誘起される圧力ΔPは次式から求められ
る。
【0019】
【数1】
【0020】また、同心二重管構造のパイプ10内にお
ける非圧縮性流体の定常な流れにおいて、速度uは流体
微小部分の力の釣り合い条件から次式により求められ
る。ただしΔXは磁場の影響されている区間(β−α)
である。
【0021】
【数2】
【0022】ここで、a,bは外円および内円の半径、
rは平均半径である。したがって、二重管内における層
流の流量Qが次式により求められる。
【0023】
【数3】
【0024】(有磁場の場合)磁性流体流動の理論は、
磁性流体の温度が高くなると磁化を減少させ、磁石のキ
ューリーポイントが急激に変化することで磁石が磁性流
体を引き付ける力の均衡が崩れるため、磁性流体が駆動
されることである。つまり、磁性流体の磁化は高温側よ
り低温側の方が大きいので、低温側の磁性流体が引き付
けられ、磁性流体は低温側から高温側に流れるようにな
る。そのため、低温側で冷された磁性流体は外管12を
通り高温側に移動し、高温側で温められた磁性流体は内
管13を通り低温側に移動する循環が行われる。
【0025】ここで、有磁場の場合の熱輸送量を考え
る。加熱量WH,冷却量WCはそれぞれ次式により求めら
れる。なお、ΔTC,ΔTHは二重管の入口での温度差で
ある、添字のCは冷却側、Hは加熱側を示す。Cpは磁
性流体の比熱で、マグネタイトとトルエンの場合、11
87.7(J/Kg・K)である。
【0026】 WC=ρ・Q・CP・ΔTC (5) WH=ρ・Q・CP・ΔTH−Wh (6) ただし、(6)式の第二項は磁気熱量効果で、次式で求
められる。なお、磁気熱量効果とは、磁性体に磁場を作
用させると、一般にわずかな温度上昇あるいは温度降下
がおこることである。
【0027】
【数4】
【0028】しかし、磁場の影響する場所において磁気
熱量効果を求めると、総熱輸送量の約3%のため無視す
ることができる。さらに、磁性流体と管との熱移動量を
考えると、冷やされた外管12内の磁性流体の熱は外管
12から熱を奪う。しかし、有磁場の場合において、こ
の熱は総熱輸送量の約0.5%であるため無視すること
ができる。次に、外管壁より失われる放熱量は総熱輸送
量の約4%であるため無視することができる。また、内
管13内の磁性流体と外管12内の磁性流体の間に熱移
動が起こる。しかし、これは循環熱量である。よって有
磁場の場合の熱輸送量を冷却量Wcによって求めること
ができる。
【0029】(無磁場の場合)無磁場の場合、内管より
外管の方の温度分布が高いため、内管内の磁性流体の熱
は内管から熱を奪い、外管内の磁性流体の熱は外管に熱
を与える。前者の熱は総熱輸送量の約7%、後者の熱は
約5%であるため無視することができる。したがって、
熱輸送量は熱伝導として促えることができる。その場
合、フーリエの式より次式で与えられる。
【0030】
【数5】
【0031】ただし、T1は冷却側の入口での温度、T2
は高温側の入口での温度、(r2 2i−r2 1i)は層の断面
積、Lはテストセクションの長さである。したがって、
それぞれの層の熱移動量を足し合わせることにより、無
磁場の場合の熱輸送量を求めることができる。すなわ
ち、
【0032】
【数6】
【0033】そして、磁場の印加条件を変化させたとき
の熱輸送量と温度の関係を図3に示す。CASE1は無
磁場、CASE2は900Gaussの磁場、CASE
3は1500Gaussの磁場、CASE4は2700
Gaussの磁場、CASE5は4500Gaussの
磁場を用いた場合である。
【0034】これより、熱輸送量は高温側の温度を上げ
ると、磁性流体の高温側の入口の内管13と外管12と
の温度差が大きくなり、熱輸送量が大きくなることがわ
かる。そして、磁場を印加することにより熱輸送量は大
きくなり、しかも磁場強度の上昇に伴い熱輸送量は大き
くなる。すなわち、磁場により二重管内の磁性流体の流
れが速くなるために、熱輸送量が大きくなると考えられ
る。
【0035】次に、本発明の磁性流体を用いたヒートパ
イプの熱輸送量をアルミニウム丸棒、従来のヒートパイ
プを用いた場合と比較する。ここで、高温側温度T1
低温側温度T2、熱伝導率λ、断面積Aとすると、アル
ミニウム丸棒の熱輸送量QAは、次式より求まる。
【0036】
【数7】
【0037】ただし、Lは丸棒全長である。
【0038】従来のウイック付きヒートパイプとして、
トルエンを媒体にして水平で使用した場合の熱輸送量Q
Hは、次式より求まる。
【0039】
【数8】
【0040】ただし、Keは熱透過率、Δhνは蒸発潜
熱、σは表面張力、reはウイックの毛細管相当径、ν
は動粘度であり、Leff=1/2・(Le+Lc)+
Laで、Leは有効蒸発部長さ、Lcは有効凝縮部長
さ、Laは断熱部長さ。
【0041】そして、L=450mmのアルミニウム丸
棒を仮に基準として本発明のヒートパイプ、アルミニウ
ム丸棒、従来のヒートパイプの熱輸送量を比較する。た
だし、温度差高温側55℃、低温側20℃とし、比率は
アルミニウム丸棒を1としたときの値を示す。
【0042】
【表1】
【0043】これより、磁場を加えた本発明の二重管構
造のヒートパイプでは、従来のヒートパイプや無磁場の
二重管構造のヒートパイプに比べて熱輸送量が大きく増
大していることがわかる。
【0044】したがって、磁性流体は低温側から高温側
に流れるようになるが、二重管構造のパイプ10とする
ことにより、従来のヒートパイプのように冷やされた磁
性流体と温められた磁性流体とを対向流れの過程で混合
することを防止でき、高温側で加熱されて温められた磁
性流体は内管13を経て低温側に移動し、低温側で放熱
して冷やされた磁性流体は外管12を通って高温側に移
動することにより得られる層流を作り出すことができ、
熱伝達効率の向上が図られる。しかも、二重管構造のパ
イプ10によって閉回路を形成することによって、外観
上1本のパイプとなり小型化を図ることができ、設置に
関する制約をなくすことができる。
【0045】特に外管12の材質は磁場を通過させる素
材のもの、内管13は磁場を減衰させ外の磁性流体と内
の磁性流体とが熱交換しにくい素材のものを選択するこ
とによって、内外管の間での熱損失が軽減されて温度差
を大きくでき、磁性流体の磁化の差が顕著になり、磁場
駆動による大きな熱輸送能力が得られる。
【0046】また、熱の授受を行うパイプ両端の受熱面
および放熱面にフィン構造の凹凸を設けたことにより、
磁性流体との熱伝達を効率よく行え、簡単な構造で大量
の熱輸送が従来型のヒートパイプに比べ可能となる。な
お、従来のヒートパイプにあっては、パイプに対向する
直角な面には媒体との熱伝達を促進するようなフィン構
造が設けられていないのが一般的である。
【0047】以上の如く、感温性磁性流体の磁化温度依
存特性を利用したヒートパイプは構造が簡単で可動部が
ないので、磁場印加形態を単純化することで小型で実用
性の高いエネルギー変換装置あるいは自動冷却装置とし
て応用できる。その応用例として、図1の実施例は高温
熱源と低温熱源が比較的離れたときの高温側から低温側
への熱輸送に適したものであり、図4の実施例は高温熱
源と低温熱源が比較的接近したときの熱輸送に適したも
のである。後者の場合、磁場印加装置22はパイプの長
手方向にわたって長い電磁石とされ、外管12全体を覆
うように配置されている。そして、電磁石は高温熱源に
向かうほど強い磁場となる磁場勾配が与えられ、これが
パイプ10の長手方向に沿って磁場を変化させる流体速
度可変手段となっており、磁性流体に対して磁化の差を
強く与えることができ、効率よく磁性流体の駆動が行え
る。
【0048】また、図5,6は、本発明のヒートパイプ
HPが小型製氷器に組み込まれ電子冷凍素子(サーモモ
ジュール)30の放熱に応用された場合を示す。図中、
31は製氷皿、32は熱媒体、33は反転モータ用ステ
ータ、34は断熱壁、35は軸受、36は放熱フィンで
あり、ヒートパイプHPの磁場印加装置22である磁石
は、製氷皿31を反転させる反転モータと共通化され、
構造の簡略化が図られている。そして、断熱壁34を貫
通したヒートパイプHPにより製氷の際の熱が内管13
を通って輸送されて、外気に効率よく放熱されること
で、従来のヒートパイプ構造ではできなかった高性能で
コンパクトな製氷機構が得られる。なお、ヒートパイプ
HPは回転自在に支持されており、製氷皿31と一体的
に反転されると逆極となり製氷面が温かくなり、氷が落
ちるようになっている。
【0049】図7は、本発明のヒートパイプHPを例え
ば隔壁40を隔てた左右の室41,42をそれぞれの異
なった保存温度に保つ必要がある場合への応用例を示
す。隔壁40を貫通したヒートパイプHPを配し、右室
41では低温側熱交換部15が冷却装置43に接触し、
左室42では高温側熱交換部14が熱交換器44に接触
している。図中、45は圧縮機、46は熱交換器であ
る。そして、右室41で冷やされた磁性流体は外管12
を通って左室42に移動して、左室42において受熱す
ることにより左室42の室温が低下する。これにより、
右室41に設けられた冷却装置43だけで左室42の室
温を制御することができ、各室に冷却装置を設ける必要
がなくなり、簡単な構造で構成できる。
【0050】以上のように、このヒートパイプによる熱
輸送システムは、電子装置や半導体の冷却、電子冷凍の
放熱等、場所的に空間を制約され、かつ高性能の排熱を
要求される排熱処理(熱移動)に対して、可動部のない
熱の廃棄を効率的に行うコンパクトなシステムとするこ
とができる。しかも、応用力の広い熱輸送手段を提供す
るものであるので、空調機器、冷凍冷蔵応用機器、宇宙
機器や調理機器等への応用も幅広く行える。
【0051】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、本発明の範囲内で上記実施例に多くの修
正および変更を加え得ることは勿論である。磁場印加装
置は単に磁石であってもよく、磁場の強さを変える場合
には同じ磁石で個数を変えたり、異なる磁場の強さを持
つ磁石を使えばよい。
【0052】また、流体速度可変手段として、磁場印加
装置を移動自在として、例えば図8のようにその移動装
置50をラックピニオン機構を用いて移動させてもよ
く、カム機構、シリンダ、ソレノイド等を用いてもよ
い。また、異なる磁場の磁石を高温側から大きい順に並
べてもよい。
【0053】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、磁性流体を作動流体として磁場を印加すること
により熱輸送が行われるため、可動部分が必要なく、故
障の発生が極めて低い熱輸送システムを提供することが
できる。しかも、二重管構造のパイプによって閉回路を
形成することによって、外観上1本のパイプとなり小型
化を図ることができ、設置場所や設置方向等の制約をな
くすことができる。特に外管の材質は磁場を通過させる
素材のもの、内管は磁場を減衰させ外の磁性流体と内の
磁性流体とが熱交換しにくい素材のものを選択すること
によって、内外管の間での熱損失が軽減されて温度差を
大きくでき、磁性流体の磁化の差が顕著になり、磁場駆
動による大きな熱輸送能力が得られる。
【0054】また、熱の授受を行うパイプ両端の受熱面
および放熱面に凹凸を設けたことにより、磁性流体との
熱伝達を効率よく行え、簡単な構造で大量の熱輸送が従
来型のヒートパイプに比べ可能となる。
【0055】そして、パイプの長手方向に沿って磁場を
変化させることにより、磁性流体に対して磁化の差を強
く与えることができ、効率よく磁性流体の駆動が行え、
きめ細かい熱輸送制御を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すヒートパイプの構成図
【図2】低温側熱交換部を正面から見た図
【図3】熱輸送量−温度線図
【図4】高温熱源と低温熱源が比較的接近したヒートパ
イプの構成図
【図5】本発明のヒートパイプを応用した小型製氷器を
示す図で、(a)は平面図、(b)は反転モータ部分を
示す図
【図6】同じく(a)は断面図、(b)は製氷皿の側面
【図7】本発明のヒートパイプを応用した室温を制御す
るシステムの概略構成図
【図8】流体速度可変手段の他の実施例を示すヒートパ
イプの構成図
【図9】従来のウイック付きヒートパイプの構成図
【符号の説明】
10 パイプ 11 磁場印加手段 12 外管 13 内管 14 高温側熱交換部 15 低温側熱交換部 22 磁場印加装置 23 制御装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁場により磁化される磁性流体と、該磁
    性流体を封入した二重管構造のパイプと、前記磁性流体
    に磁場を印加する磁場印加手段とを有し、前記パイプの
    両端に熱交換部が設けられ、該熱交換部において外管と
    内管とが連通されたことを特徴とするヒートパイプ。
  2. 【請求項2】 パイプの外管に磁気を通し易い材料を用
    い、内管に磁気を遮断しかつ熱交換しにくい材料を用い
    たことを特徴とする請求項1記載のヒートパイプ。
  3. 【請求項3】 熱交換部の内側に、磁性流体との熱伝達
    を行う凹凸が形成されたことを特徴とする請求項1また
    は2記載のヒートパイプ。
  4. 【請求項4】 パイプの長手方向に沿って磁場を変化さ
    せる流体速度可変手段が設けられたことを特徴とする請
    求項1記載のヒートパイプ。
JP14944294A 1994-06-30 1994-06-30 ヒートパイプ Pending JPH0814779A (ja)

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Cited By (10)

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