JPH08146017A - 表面形態解析装置 - Google Patents
表面形態解析装置Info
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- JPH08146017A JPH08146017A JP31235394A JP31235394A JPH08146017A JP H08146017 A JPH08146017 A JP H08146017A JP 31235394 A JP31235394 A JP 31235394A JP 31235394 A JP31235394 A JP 31235394A JP H08146017 A JPH08146017 A JP H08146017A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】原子レベルの分解能を有するSPMに表面形態
解析システムを組合せることによって、トライボロジ現
象を支配する比較的高い突起先端部で構成される試料最
表面の幾何学的構造の的確な把握を可能とする。 【構成】SPMと表面形態解析用の解析システムからな
り、試料表面のSPM像を測定し、試料最表面部の幾何
学的構造を表わす形状パラメータを導出する。即ち、突
起検出の際に突起高さのスライスレベルを決め、スライ
スレベルよりも高い突起のみを抽出し、突起密度を算出
し、検出された全突起夫々につき表面プロファイルの積
分中心面からの突起高さと突起尖鋭度を求め、全突起に
関する突起高さと突起尖鋭度のデータから、平均値と標
準偏差を算出し、中心面平均突起高さと突起高さの標準
偏差、平均突起尖鋭度と突起尖鋭度の標準偏差を夫々導
出する。
解析システムを組合せることによって、トライボロジ現
象を支配する比較的高い突起先端部で構成される試料最
表面の幾何学的構造の的確な把握を可能とする。 【構成】SPMと表面形態解析用の解析システムからな
り、試料表面のSPM像を測定し、試料最表面部の幾何
学的構造を表わす形状パラメータを導出する。即ち、突
起検出の際に突起高さのスライスレベルを決め、スライ
スレベルよりも高い突起のみを抽出し、突起密度を算出
し、検出された全突起夫々につき表面プロファイルの積
分中心面からの突起高さと突起尖鋭度を求め、全突起に
関する突起高さと突起尖鋭度のデータから、平均値と標
準偏差を算出し、中心面平均突起高さと突起高さの標準
偏差、平均突起尖鋭度と突起尖鋭度の標準偏差を夫々導
出する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は試料表面の表面形態解析
装置に関し、特に摩擦・摩耗が問題とされる試料表面の
SPM(Scanning Probe Microscope;走査型プローブ
顕微鏡)を用いた表面形態解析装置に関する。
装置に関し、特に摩擦・摩耗が問題とされる試料表面の
SPM(Scanning Probe Microscope;走査型プローブ
顕微鏡)を用いた表面形態解析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、試料表面の形状は、表面粗さの大
小関係によってのみ評価されていた。例えば、中心面平
均粗さRa等がそれに相当する。ここで、Raとは、積分中
心面から表面プロファイルまでの距離の平均値として定
義され、試料表面のうねりがどの程度の振幅を有してい
るかを表す指標である。
小関係によってのみ評価されていた。例えば、中心面平
均粗さRa等がそれに相当する。ここで、Raとは、積分中
心面から表面プロファイルまでの距離の平均値として定
義され、試料表面のうねりがどの程度の振幅を有してい
るかを表す指標である。
【0003】一方、試料表面形態を測定する装置に関し
ていえば、原子間力顕微鏡(AFM)に代表されるSPM
(Scanning Probe Microscope)が開発されたことによ
り、試料表面の原子構造までもが画像化できる技術が近
年著しく発達してきた。
ていえば、原子間力顕微鏡(AFM)に代表されるSPM
(Scanning Probe Microscope)が開発されたことによ
り、試料表面の原子構造までもが画像化できる技術が近
年著しく発達してきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】摩擦力の主たる起源
は、2物体の真実接触面に働く凝着力であり、その真実
接触面積は、2表面が接触している時の接触荷重と、2
表面のうちの軟らかい方の表面の塑性流動圧力とで大部
分が決定される。
は、2物体の真実接触面に働く凝着力であり、その真実
接触面積は、2表面が接触している時の接触荷重と、2
表面のうちの軟らかい方の表面の塑性流動圧力とで大部
分が決定される。
【0005】実際のトライボロジ現象は、弾性変形をも
含む動的な現象であるため、正確な理解を得るためには
かなり複雑な解析が必要とされる。いずれにしろ、2物
体の接触面は、2表面の比較的高い突起先端部が変形す
ることによって形成されており、接触荷重や表面材料の
機械的物性値の違いによってどの程度の低さの突起まで
が接触に関与するかが決まる。
含む動的な現象であるため、正確な理解を得るためには
かなり複雑な解析が必要とされる。いずれにしろ、2物
体の接触面は、2表面の比較的高い突起先端部が変形す
ることによって形成されており、接触荷重や表面材料の
機械的物性値の違いによってどの程度の低さの突起まで
が接触に関与するかが決まる。
【0006】すなわち、トライボロジ現象を理解する上
では、表面粗さ等の表面全体の形状を反映する情報より
はむしろ、比較的高い突起先端部で構成される試料最表
面の幾何学的構造(突起の面内分布、突起の空間分布そ
して突起先端形状)を知る必要がある。
では、表面粗さ等の表面全体の形状を反映する情報より
はむしろ、比較的高い突起先端部で構成される試料最表
面の幾何学的構造(突起の面内分布、突起の空間分布そ
して突起先端形状)を知る必要がある。
【0007】このことは、より軽荷重下でおこる微視的
現象になるほど重要性を帯びて来る。それにもかかわら
ず従来の試料表面の形状は、ほとんどの場合が単に表面
粗さの大小関係によってのみ評価されていた。
現象になるほど重要性を帯びて来る。それにもかかわら
ず従来の試料表面の形状は、ほとんどの場合が単に表面
粗さの大小関係によってのみ評価されていた。
【0008】前述したように、一方ではSPMのような
極めて微細な表面形態を測定する装置が目ざましく発達
しながらも、そこで得られた情報をトライボロジ学的に
取り扱う解析システムが乏しいために、マイクロトライ
ボロジと呼ばれるnm(ナノメータ)オーダ或はそれ以下
の微視的摩擦・摩耗現象の理解が遅れているのが現状で
ある。
極めて微細な表面形態を測定する装置が目ざましく発達
しながらも、そこで得られた情報をトライボロジ学的に
取り扱う解析システムが乏しいために、マイクロトライ
ボロジと呼ばれるnm(ナノメータ)オーダ或はそれ以下
の微視的摩擦・摩耗現象の理解が遅れているのが現状で
ある。
【0009】従って、本発明の目的は、上記問題点を解
消し、原子レベルの分解能を有するSPMに表面形態解
析システムを組合せることによって、トライボロジ現象
を支配する比較的高い突起先端部で構成される試料最表
面の幾何学的構造(突起の面内分布、突起の空間分布そ
して突起先端形状)の的確な把握を可能にすることにあ
る。
消し、原子レベルの分解能を有するSPMに表面形態解
析システムを組合せることによって、トライボロジ現象
を支配する比較的高い突起先端部で構成される試料最表
面の幾何学的構造(突起の面内分布、突起の空間分布そ
して突起先端形状)の的確な把握を可能にすることにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、SPM(Scanning Probe Microscope;
走査型プローブ顕微鏡)を構成するデータ処理装置が、
少なくとも、試料表面突起の面内分布、空間分布、及び
突起先端形状に関する指標を導出する表面形態解析シス
テムを具備したことを特徴とする表面形態解析装置を提
供する。
め、本発明は、SPM(Scanning Probe Microscope;
走査型プローブ顕微鏡)を構成するデータ処理装置が、
少なくとも、試料表面突起の面内分布、空間分布、及び
突起先端形状に関する指標を導出する表面形態解析シス
テムを具備したことを特徴とする表面形態解析装置を提
供する。
【0011】本発明の表面形態解析装置においては、好
ましくは、前記表面形態解析システムが、解析対象の試
料表面のSPM像を測定し、得られたSPM3次元プロ
ファイルデータを基に試料表面の突起を検出する工程で
あって、該突起を検出する際に、接触荷重及び表面材料
から成る機械的物性値を考慮して突起高さのスライスレ
ベルを決定し、該スライスレベルよりも高さの高い突起
のみを抽出し、抽出された有効突起数から突起密度(D
p)を算出する工程と、検出された全ての突起のそれぞ
れについて表面プロファイルの積分中心面からの突起高
さと突起尖鋭度を求める工程と、前記全ての突起に関す
る突起高さと突起尖鋭度のデータから、その基本統計量
として平均値と標準偏差を算出し、中心面平均突起高さ
(μph)及び突起高さの標準偏差(σph)、平均突起尖
鋭度(μspn)及び突起尖鋭度の標準偏差(σspn)と、
をそれぞれ導出する工程を含み、上記各工程より、試料
最表面部の幾何学的構造を表す形状のパラメータを導出
することを特徴とする。
ましくは、前記表面形態解析システムが、解析対象の試
料表面のSPM像を測定し、得られたSPM3次元プロ
ファイルデータを基に試料表面の突起を検出する工程で
あって、該突起を検出する際に、接触荷重及び表面材料
から成る機械的物性値を考慮して突起高さのスライスレ
ベルを決定し、該スライスレベルよりも高さの高い突起
のみを抽出し、抽出された有効突起数から突起密度(D
p)を算出する工程と、検出された全ての突起のそれぞ
れについて表面プロファイルの積分中心面からの突起高
さと突起尖鋭度を求める工程と、前記全ての突起に関す
る突起高さと突起尖鋭度のデータから、その基本統計量
として平均値と標準偏差を算出し、中心面平均突起高さ
(μph)及び突起高さの標準偏差(σph)、平均突起尖
鋭度(μspn)及び突起尖鋭度の標準偏差(σspn)と、
をそれぞれ導出する工程を含み、上記各工程より、試料
最表面部の幾何学的構造を表す形状のパラメータを導出
することを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明によれば、原子レベルの分解能を有する
SPMを構成するコンピュータ等のデータ処理装置に表
面形態解析システムを搭載した表面形態解析装置を用い
ることにより、試料最表面部の幾何学的構造を表す5つ
の形状パラメータを得るものであり、実際のトライボロ
ジ現象を支配する比較的高い突起先端部で構成される試
料最表面の幾何学的構造(突起の面内分布、突起の空間
分布そして突起先端形状)を的確に把握することを可能
とし、2物体間の界面で生じるマイクロトライボロジ現
象の理解が極めて容易になる。
SPMを構成するコンピュータ等のデータ処理装置に表
面形態解析システムを搭載した表面形態解析装置を用い
ることにより、試料最表面部の幾何学的構造を表す5つ
の形状パラメータを得るものであり、実際のトライボロ
ジ現象を支配する比較的高い突起先端部で構成される試
料最表面の幾何学的構造(突起の面内分布、突起の空間
分布そして突起先端形状)を的確に把握することを可能
とし、2物体間の界面で生じるマイクロトライボロジ現
象の理解が極めて容易になる。
【0013】すなわち、本発明によれば、2表面の間で
生じるマイクロトライボロジ現象の解析が著しく進展
し、摩擦・摩耗が問題となる様々な機械的駆動部の耐久
性の向上及び省エネルギー化の実現に役立つ。
生じるマイクロトライボロジ現象の解析が著しく進展
し、摩擦・摩耗が問題となる様々な機械的駆動部の耐久
性の向上及び省エネルギー化の実現に役立つ。
【0014】
【実施例】以下に本発明を実施例に即して一層詳しく説
明する。
明する。
【0015】図1に、SPMとして代表的な原子間力顕
微鏡(AFM)を用いた場合の本発明の一実施例に係る表
面形態解析装置の構成の概略を示す。
微鏡(AFM)を用いた場合の本発明の一実施例に係る表
面形態解析装置の構成の概略を示す。
【0016】図1を参照して、本装置は、xyz-走査系
1、力−変位変換器2、光波干渉変位検出器3、及びz-
制御回路4からなるAFM本体と、コンピュータ5、そし
て表示装置6とから構成される。xyz-走査系1は、探針
のX-Y方向の2次元走査及びZ方向における試料表面と探
針との所定間隔の維持等を行なう駆動回路を備え、z-制
御回路4は探針のZ方向のサーボ制御を行なう。また、
光波干渉変位検出器3は、光の干渉を用いて力−変位変
換器2の探針の変位を検出し、力−変位変換器2を介し
てサンプル(試料)表面における原子間力を一定に保つ
ようにする。
1、力−変位変換器2、光波干渉変位検出器3、及びz-
制御回路4からなるAFM本体と、コンピュータ5、そし
て表示装置6とから構成される。xyz-走査系1は、探針
のX-Y方向の2次元走査及びZ方向における試料表面と探
針との所定間隔の維持等を行なう駆動回路を備え、z-制
御回路4は探針のZ方向のサーボ制御を行なう。また、
光波干渉変位検出器3は、光の干渉を用いて力−変位変
換器2の探針の変位を検出し、力−変位変換器2を介し
てサンプル(試料)表面における原子間力を一定に保つ
ようにする。
【0017】コンピュータ5は測定制御及びデータ処理
を担っており、表面形態解析用の解析システム7が組み
込まれている。
を担っており、表面形態解析用の解析システム7が組み
込まれている。
【0018】図3を参照して、本実施例に係る表面形態
解析システムの解析フローを以下に説明する。
解析システムの解析フローを以下に説明する。
【0019】(1)試料表面のSPM像を測定し(ステッ
プ301)、得られたSPM3次元プロファイルデータを
基に表面突起を検出する。この突起検出の際に、接触荷
重や表面材料の機械的物性値を考慮して突起高さのスラ
イスレベルを決め、それよりも高さの高い突起のみを抽
出する(ステップ302)。抽出された有効突起数から、
(a)突起密度Dpを算出する(ステップ303)。
プ301)、得られたSPM3次元プロファイルデータを
基に表面突起を検出する。この突起検出の際に、接触荷
重や表面材料の機械的物性値を考慮して突起高さのスラ
イスレベルを決め、それよりも高さの高い突起のみを抽
出する(ステップ302)。抽出された有効突起数から、
(a)突起密度Dpを算出する(ステップ303)。
【0020】(2)検出された全突起のそれぞれについて
表面プロファイルの積分中心面からの突起高さと突起尖
鋭度(突起尖鋭度の定義については後に説明する)を求
める(ステップ304)。
表面プロファイルの積分中心面からの突起高さと突起尖
鋭度(突起尖鋭度の定義については後に説明する)を求
める(ステップ304)。
【0021】(3)ステップ304にて得られた突起に関する
突起高さと突起尖鋭度のデータから、それぞれの平均値
と標準偏差を算出し、(b)中心面平均突起高さμph、
(c)突起高さの標準偏差σph、(d)平均突起尖鋭度
μspn、(e)突起尖鋭度の標準偏差σspnを導出する
(ステップ305)。
突起高さと突起尖鋭度のデータから、それぞれの平均値
と標準偏差を算出し、(b)中心面平均突起高さμph、
(c)突起高さの標準偏差σph、(d)平均突起尖鋭度
μspn、(e)突起尖鋭度の標準偏差σspnを導出する
(ステップ305)。
【0022】ここで、突起尖鋭度SPNを説明すると、図
2を参照して、突起頂点から±50nmまでの傾斜角(tan
θ)をそれぞれk+、k-とした場合、SPN′=1/2(|k+|
+|k-|)とし、SPN′をディスク等試料表面の径方向
及びこれと直交する円周方向についてそれぞれ求め、両
者の平均値を突起尖鋭度SPNとする。
2を参照して、突起頂点から±50nmまでの傾斜角(tan
θ)をそれぞれk+、k-とした場合、SPN′=1/2(|k+|
+|k-|)とし、SPN′をディスク等試料表面の径方向
及びこれと直交する円周方向についてそれぞれ求め、両
者の平均値を突起尖鋭度SPNとする。
【0023】このようにして、試料最表面部の幾何学的
構造を的確に表す5つの形状パラメータを得る。
構造を的確に表す5つの形状パラメータを得る。
【0024】本実施例に係る表面形態解析装置の実際の
適用例として、ハード磁気ディスク表面の表面形態を解
析した例を以下に説明する。
適用例として、ハード磁気ディスク表面の表面形態を解
析した例を以下に説明する。
【0025】ハード磁気ディスク装置では、コンタクト
・スタート/ストップ(CSS)と呼ばれる起動停止法を
採用している。CSS方式では、ディスク停止時には磁気
ヘッドをトレーリング・エッジに搭載した浮動ヘッドス
ライダとディスクは接触しており、ディスクが起動し回
転速度を増すにつれて浮動ヘッドスライダは接触摺動状
態から流体力学効果により完全浮上状態に移行する。こ
のため、ディスクとスライダの界面におけるトライボロ
ジ特性が装置の信頼性及び耐久性の鍵を握り、ディスク
表面形態の評価技術及び制御技術が極めて重要となる。
・スタート/ストップ(CSS)と呼ばれる起動停止法を
採用している。CSS方式では、ディスク停止時には磁気
ヘッドをトレーリング・エッジに搭載した浮動ヘッドス
ライダとディスクは接触しており、ディスクが起動し回
転速度を増すにつれて浮動ヘッドスライダは接触摺動状
態から流体力学効果により完全浮上状態に移行する。こ
のため、ディスクとスライダの界面におけるトライボロ
ジ特性が装置の信頼性及び耐久性の鍵を握り、ディスク
表面形態の評価技術及び制御技術が極めて重要となる。
【0026】本実施例に係る表面形態解析装置を用いて
解析したのは、3.5インチスパッタカーボンディスクで
あり、基板表面のテクスチャ工法の異なる次の2枚のデ
ィスクからなる。1枚は基板テクスチャ加工としてダイ
ヤモンド遊離砥粒によるバフ研磨を施したもので、これ
をディスクAとする。他は上記テクスチャ加工後、更に
2段テクスチャとして所定の加工を施したもので、これ
をディスクBとする。
解析したのは、3.5インチスパッタカーボンディスクで
あり、基板表面のテクスチャ工法の異なる次の2枚のデ
ィスクからなる。1枚は基板テクスチャ加工としてダイ
ヤモンド遊離砥粒によるバフ研磨を施したもので、これ
をディスクAとする。他は上記テクスチャ加工後、更に
2段テクスチャとして所定の加工を施したもので、これ
をディスクBとする。
【0027】まずディスクA、Bについて摩擦係数μの
測定を行った。測定はAl2O3・TIC製スライダを使用し、
ロード圧59mN、相対速度3.14m/secのもとで行った。以
下に示す摩擦係数μの結果はディスク1回転の平均のμ
である。
測定を行った。測定はAl2O3・TIC製スライダを使用し、
ロード圧59mN、相対速度3.14m/secのもとで行った。以
下に示す摩擦係数μの結果はディスク1回転の平均のμ
である。
【0028】ディスクAの摩擦係数μは0.18であるのに
対し、ディスクBのμは0.42とディスクAの倍以上の値
を示した。
対し、ディスクBのμは0.42とディスクAの倍以上の値
を示した。
【0029】次に、両ディスクのAFM測定後、表面形態
解析を行った。AFM測定条件を以下に記す。測定エリア
は10×10μm2、サンプル数400×400、測定時の面内空間
分解能は25nm、また垂直空間分解能は3.052×10-3nmで
ある。解析結果を表1に示す。尚、今回の解析では、ス
ライダロード圧とスパッタカーボン保護膜の塑性流動圧
力を考慮して、突起検出のスライスレベルを相対負荷面
積率0.5%の面とした。
解析を行った。AFM測定条件を以下に記す。測定エリア
は10×10μm2、サンプル数400×400、測定時の面内空間
分解能は25nm、また垂直空間分解能は3.052×10-3nmで
ある。解析結果を表1に示す。尚、今回の解析では、ス
ライダロード圧とスパッタカーボン保護膜の塑性流動圧
力を考慮して、突起検出のスライスレベルを相対負荷面
積率0.5%の面とした。
【0030】
【表1】
【0031】表1に示した解析結果より、従来の表面形
態を表す指標であるRaにはディスクA、B間でほとんど
違いが見られず、この指標が両ディスク間の甚しい摩擦
係数μの違いを説明する情報は何等与えないことが明ら
かになった。
態を表す指標であるRaにはディスクA、B間でほとんど
違いが見られず、この指標が両ディスク間の甚しい摩擦
係数μの違いを説明する情報は何等与えないことが明ら
かになった。
【0032】一方、本発明の表面形態解析システムによ
る形状パラメータに着目すると、突起高さの標準偏差σ
phと平均突起尖鋭度μspnにおいて両ディスク間に顕著
な違いが見られる。
る形状パラメータに着目すると、突起高さの標準偏差σ
phと平均突起尖鋭度μspnにおいて両ディスク間に顕著
な違いが見られる。
【0033】ディスクBの方がディスクAに較べ、標準
偏差σph、平均突起尖鋭度μspnとも小さい。すなわ
ち、ディスクBの方がより最表面部の突起の高さのばら
つきが小さく、また突起先端が平坦な形状を持っている
といえる。
偏差σph、平均突起尖鋭度μspnとも小さい。すなわ
ち、ディスクBの方がより最表面部の突起の高さのばら
つきが小さく、また突起先端が平坦な形状を持っている
といえる。
【0034】これらの解析結果から次のことが推定され
る。ディスクBはディスクAに較べ最表面部の突起高さ
が比較的揃っており、しかも突起先端形状がより平坦な
ためスライダとの真実接触面積が大きいこと、更に突起
先端形状の平坦性からスライダとの接触界面に存在する
液体潤滑剤や吸着水のメニスカスによる毛細管力がより
大きいことにより摩擦係数μが高くなっている。
る。ディスクBはディスクAに較べ最表面部の突起高さ
が比較的揃っており、しかも突起先端形状がより平坦な
ためスライダとの真実接触面積が大きいこと、更に突起
先端形状の平坦性からスライダとの接触界面に存在する
液体潤滑剤や吸着水のメニスカスによる毛細管力がより
大きいことにより摩擦係数μが高くなっている。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明(請求項
1)によれば、原子レベルの分解能を有するSPMに突
起の面内分布、空間分布そして突起先端形状に関する情
報を担う形状パラメータを導出する表面形態解析システ
ムを組み合わせたことにより、実際のトライボロジ現象
を支配する比較的高い突起先端部で構成される試料最表
面の幾何学的構造を適切に表現することができる。
1)によれば、原子レベルの分解能を有するSPMに突
起の面内分布、空間分布そして突起先端形状に関する情
報を担う形状パラメータを導出する表面形態解析システ
ムを組み合わせたことにより、実際のトライボロジ現象
を支配する比較的高い突起先端部で構成される試料最表
面の幾何学的構造を適切に表現することができる。
【0036】このため、本発明によれば、2表面の間で
生じるマイクロトライボロジ現象の解析が著しく進展
し、摩擦・摩耗が問題となる様々な機械的駆動部の耐久
性の向上及び省エネルギー化の実現に役立つ。
生じるマイクロトライボロジ現象の解析が著しく進展
し、摩擦・摩耗が問題となる様々な機械的駆動部の耐久
性の向上及び省エネルギー化の実現に役立つ。
【0037】また、本発明(請求項2)に記載される表
面形態解析システムを具備した場合、試料表面のSPM
像から試料最表面部の幾何学的構造を的確に表す5つの
形状パラメータが得られるため、2表面の間で生じるマ
イクロトライボロジ現象の解析を著しく容易化する。
面形態解析システムを具備した場合、試料表面のSPM
像から試料最表面部の幾何学的構造を的確に表す5つの
形状パラメータが得られるため、2表面の間で生じるマ
イクロトライボロジ現象の解析を著しく容易化する。
【図1】本発明の一実施例に係る表面形態解析装置の構
成を示す図であり、原子間力顕微鏡(AFM)のデータ処
理装置(コンピュータ)に表面形態解析システムを搭載
した表面形態解析装置の概略構成図である。
成を示す図であり、原子間力顕微鏡(AFM)のデータ処
理装置(コンピュータ)に表面形態解析システムを搭載
した表面形態解析装置の概略構成図である。
【図2】本発明に係る表面形態解析装置に搭載されてい
る解析システムにおいて評価される突起尖鋭度の定義を
表す図である。
る解析システムにおいて評価される突起尖鋭度の定義を
表す図である。
【図3】本発明の一実施例に係る表面形態解析システム
の解析フローを示す流れ図である。
の解析フローを示す流れ図である。
1 xyz-走査系 2 力−変位変換器 3 光波干渉変位検出器 4 z-制御回路 5 コンピュータ(表面形態解析システム搭載) 6 表示装置 7 表面形態解析システム
Claims (2)
- 【請求項1】SPM(Scanning Probe Microscope;走
査型プローブ顕微鏡)を構成するデータ処理装置が、少
なくとも、試料表面突起の面内分布、空間分布、及び突
起先端形状に関する指標を導出する表面形態解析システ
ムを具備したことを特徴とする表面形態解析装置。 - 【請求項2】前記表面形態解析システムが、解析対象の
試料表面のSPM像を測定し、得られたSPM3次元プ
ロファイルデータを基に試料表面の突起を検出する工程
であって、該突起を検出する際に、接触荷重及び表面材
料から成る機械的物性値を考慮して突起高さのスライス
レベルを決定し、該スライスレベルよりも高さの高い突
起のみを抽出し、抽出された有効突起数から突起密度
(Dp)を算出する工程と、 検出された全ての突起のそれぞれについて表面プロファ
イルの積分中心面からの突起高さと突起尖鋭度を求める
工程と、 前記全ての突起に関する突起高さと突起尖鋭度のデータ
から、その基本統計量として平均値と標準偏差を算出
し、中心面平均突起高さ(μph)及び突起高さの標準偏
差(σph)、平均突起尖鋭度(μspn)及び突起尖鋭度
の標準偏差(σspn)と、をそれぞれ導出する工程を含
み、 上記各工程より、試料最表面部の幾何学的構造を表す形
状のパラメータを導出することを特徴とする請求項1記
載の表面形態解析装置。
Priority Applications (1)
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JP6312353A JP2870431B2 (ja) | 1994-11-24 | 1994-11-24 | 表面形態解析装置 |
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JP6312353A JP2870431B2 (ja) | 1994-11-24 | 1994-11-24 | 表面形態解析装置 |
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JPH08146017A true JPH08146017A (ja) | 1996-06-07 |
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Citations (3)
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---|---|---|---|---|
JPH02311709A (ja) * | 1989-05-29 | 1990-12-27 | Canon Inc | 変位量検出装置 |
JPH04113257A (ja) * | 1990-09-04 | 1992-04-14 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 濃度測定方法 |
JPH0882632A (ja) * | 1994-09-12 | 1996-03-26 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 微細構造の構造寸法計測方法 |
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1994
- 1994-11-24 JP JP6312353A patent/JP2870431B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
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JPH02311709A (ja) * | 1989-05-29 | 1990-12-27 | Canon Inc | 変位量検出装置 |
JPH04113257A (ja) * | 1990-09-04 | 1992-04-14 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 濃度測定方法 |
JPH0882632A (ja) * | 1994-09-12 | 1996-03-26 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 微細構造の構造寸法計測方法 |
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JP2870431B2 (ja) | 1999-03-17 |
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