JPH08136444A - モードホッピングを誘起しその結果を平均することによる光散乱測定装置用レーザー光出力の制御方法及びその照明システム - Google Patents
モードホッピングを誘起しその結果を平均することによる光散乱測定装置用レーザー光出力の制御方法及びその照明システムInfo
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Abstract
ーザー光源を使用できるようにし、迷光による影響を少
なくし、レーザーモニター、及び散乱光検出器における
出力信号を高精度で有効に濾過し、測定できるようにす
る。 【構成】 レーザー駆動電源を散乱光信号の測定周波数
の10〜1000倍の周波数及びレーザーのピーク電流レベ
ル以下の最大振幅で変調し、サンプルセルに向けられる
レーザービームの一部を光感モニター検出器で検出して
レーザービーム出力を求め、前記変調に起因する出力変
動を平滑にする。
Description
分子や微粒子からの散乱光を測定する光散乱測定装置に
関する。
確に測定することは、分子量、分子サイズの他、粒度や
粒子構造のような種々の物理特性を求めるのに便利且つ
応用範囲の広い実験技術である。
装置や濃度検出器と併用すれば、上記諸量の分布差を推
定することもできる。光散乱の測定、測定条件、測定か
ら得られる結果については、ピー.ジェー.ワイアット
(P.J.Wyatt )の論文に詳細が記載されている(Analyt
ica Cbimica Acta Vol 272,pp 1-40(1993))。
たスペースは貴重であるだけに、測定装置の構造はコン
パクトであることが好ましい。コンパクトな構造が必要
なだけに嵩ばる気体レーザー光源よりも極めて小型の半
導体ダイオードレーザー光源を使用する方が望ましい。
但し、半導体ダイオードレーザーには、光散乱測定装置
及び検出器に利用するために克服しなければならない多
くの問題がある。
急激な変化も問題の1つである。レーザーの作用状態が
少し変化しても、基本振動モードが1つのモードから他
のモードへ移動するから、レーザーの動作出力が急変す
る可能性がある。この急変は、温度、駆動電流、又はレ
ーザーへの反射光の小さな変化によって惹起する可能性
がある。サンプルを導入すると、付加光がレーザーに向
って散乱し、溶液の変化する屈折率も散乱光の位相を変
化させる。付加光は、レーザービームが通過するサンプ
ルセルの領域からレーザー内へ反射する可能性がある。
この散乱反射光がレーザーと相互作用するのを防ぐに
は、高価な構成部品を追加しなければならない。米国特
許第4,616,927 号に記載されているような極めて複雑な
サンプル保持構造の場合、入射レーザービームと直交す
るように多数の平行な面を設けてあるため、反射成分を
完全に除くことは殆んど不可能である。温度及び駆動電
流がモードシフト臨界点である時、反射光のレベル及び
位相に僅かなランダム変化があってもレーザー出力が数
%だけ上下に急変動する可能性がある。
散乱光度計によって測定される重要な物性として、サン
プルへの単位面積当り入射光出力と、サンプルからのス
テラジアン当り散乱光出力との比がある。
にあれば、較正のため入射出力を一度だけ測定すればよ
い。然し、レーザー出力は、温度、反射光、駆動電流及
び使用経時に応じて変化する傾向がある。そこで、この
レーザー出力の変動を補正するために採用された従来の
技術では、ビームの一部を分割し、この分割部分を利用
してレーザー出力を光学検出器でモニターする方法がと
られた。検出器から出力されるレーザーモニター信号を
利用すれば、駆動電流を調節する電子回路へのフィード
バックによってレーザー出力を安定させるか、又は測定
データを数学的に処理する過程で散乱光信号を正規化す
ることができる。何れの場合にも、散乱光信号をレーザ
ーモニター信号で除算することになる。
差を伴なう。レーザーのモードホッピングは極めて急激
に起こるから、モニターフィードバック信号及び制御回
路が所要の出力レベルを回復するように、駆動電流を調
節できるまでの短時間に亘ってレーザー出力が変化す
る。同様に、散乱光検出器の信号と、レーザーモニター
検出器の信号との間に、同時性も信号を平均する対称性
もないから、モニターが追跡できない程信号変化が急激
であれば、大きい誤差を生ずる可能性がある。
ビームを構成する空間的及び時間的成分又はビームレッ
トが1つとは限らないという事実がある。従って、レー
ザーモニターは、光散乱検出器が応答するのとは異なる
ビームレット組合わせに応答して、モニターが散乱信号
に比例する信号を正確に追跡するのを妨げる惧がある。
モードホッピングによって惹き起こされる急激な変化に
対し、多くの場合高周波数のレーザー出力変化を回避し
なければならないという理由は、以上に述べた問題点に
よるものである。
レーザーのモードホッピングノイズは極めて高い周波数
で発生し、多くの研究報告や幾つかの特許の主題となっ
ている。この極めて高い周波数のノイズは、所要の通信
信号周波数と同じ周波数で発生するだけに、通信の分野
において特に厄介である。極めて低い周波数で行なわれ
ることの多い光散乱測定の場合には、平均散乱検出器信
号と平均モニター信号を正確に追跡するだけでよい。2.
5 GHz駆動電流変調による高周波数モードホッピング
ノイズの軽減が、ジェー.ヴァンダーウォール( J.Van
derwall )及びジェー.ブラックバーン( J.Blackbur
n)によって報告されている(Optics Let.Vol.4,No.9,p
p 295-296,Sept 1979)。また、100 MHz以上の周波
数によって駆動変調するビデオディスクシステムにおけ
るノイズ軽減が、日立の技術者エム.オジマ( M.Ojim
a)及びエス.ヨネザワ(S.Yonezawa)によって報告さ
れている(Applied Opotics Vol.25,No.9, 1 May 1986
)。また、IBMの技術者ケイ.スタブクヤー( K.St
ubkjaer)及びエム.スモール( M.Small)は、50乃
至200 MHz変調によるノイズ軽減を報告した(Electr
onics Let.Vol.19,pp388-399(1983))。前記エム.オ
ジマ(M.Ojima )等は、200 MHz乃至1GHz変調を
利用した。イー.ゲージ(E.Gage)及びエス.ベッケン
ズ( S.Beckens)の論文(Optical Data Storage,SPIE
Vol.1316,pp 199-204 (1990))では、高周波数ノイズ
の軽減に最適の変調駆動周波数が、レーザーへの反射光
の遅延と関連することを明らかにしている。この論文で
は、100 乃至450 MHzの変調駆動周波数が検討され
た。更にまた、これらの論文では、極めて高レベルの変
調が利用されており、実際には、変調サイクルの一部に
おいて限界値以下の駆動電流を流し、この時間に亘って
コヒーレント発光が停止すると考えられている。
yoichi Ito)の米国特許第3,815,045 号(1974年)“Me
thod of and Device for Modulating Directly a Semic
onductor Laser”では、半導体レーザーを2つの空間的
に異なるモード間でシフトするため、変調駆動電流を使
用し、空間モードの1つだけを光学的に選択することで
出力ビームを高周波数変調することが記述されている。
光散乱光度計は、変調された光ビームよりは寧ろ安定し
た光ビームを必要とするから、この方法を光散乱光度計
に応用することはできない。光散乱測定装置に最適のレ
ーザーは、視準ビームを形成するために、1つの空間モ
ードだけで動作する。リョウイチ イトウ( Ryoichi I
to)の前記特許に記述されているように、他の空間モー
ドで動作すれば迷光の問題が深刻になる。
o)及びジェー.イタミ(J.Itami )の日本特許出願昭5
9-9086 号及び対応するドイツ出願DE 41 33 772 A1
(1992年5月21日)では、反射光が500 乃至600 MH
z変調によって充分に軽減されるノイズを発生させるよ
うに構成されたコンパクトディスク読取り検出構造を開
示している。この場合、最適周波数は、ディスクの反射
域からレーザー光源までの距離に応じて選択される。然
しながら、下記の幾つかの理由から、この方式を光散乱
測定装置に応用することはできない。第1に、500 MH
zの駆動電流の使用は、コストの面で問題があり不都合
である。第2に、光散乱サンプルの材料が流体の流れに
乗ってレーザービームと共に、又はレーザービーム内を
移動することが多いから、一定した散乱距離は存在せ
ず、従って、単一の最適変調高周波数は存在しない。第
3に、極めて高い周端数のノイズを軽減することは、0.
1 乃至10秒の信号平均が使用されることの多い光散乱
測定装置において、殆んど無意味であるということであ
る。
レーザー出力そのものに重点を置いており、検出された
信号の濾過、信号平均又は信号とレーザーモニターの比
算出を直接利用してはいない。
レーザー出力の比だけを求めればよい光散乱測定装置全
体の総合的な性能に着目した。これにより、レーザー出
力の変動を有効に追跡するか、又は信号検出後に除去す
ることができるなら、レーザー出力に変動があってもか
まわない。問題に対する本発明の提案は、検出システム
に含まれる信号処理フィルタの通過帯域以上のモードホ
ッピングノイズの周波数を偏移させることにある。従っ
て、レーザー駆動変調、整合信号平均フィルタ及び散乱
光/入射光比算出が本発明の要点である。
クトな固体レーザー光源を使用できるようにすることに
ある。同様の技術は、当業者には明らかなように、高周
波数変動を伴なうその他のタイプのレーザー光源にも応
用できる。光散乱測定装置又は光度計は、通常1つ又は
2つ以上の角度から散乱光を測定するが、ビームスプリ
ッタ等によって入射光源の強さをもモニターするのが普
通であるから、ゆっくりと変化する非定常出力の光源と
も併用できる。レーザーに再入射する反射光及び/又は
迷光に起因するモードホッピング及び温度変化に起因す
るモードホッピングのため、レーザー、特に固体ダイオ
ードレーザーの出力に標準的な技術では充分に平均化も
モニターもできない急激な強さの変動又は段階的な変化
が現われることがある。例えば、モード構造の変化はレ
ーザーの総出力を変化させるだけでなく、レーザーモニ
ター出力とサンプルへの入射出力の比をも変化させる可
能性がある。このような問題は、散乱光が弱い小さい分
子の極めて薄い溶液の場合特に深刻であり、迷光は、レ
ーザーモードの変化と共に変化し易いから迷光を正確に
差引く必要がある。本発明は、レーザーモニターにおい
ても、散乱光検出器においても、高い精度で出力信号を
有効に濾過し測定することができるように、レーザーの
強さを変調することによって、この問題の解決に役立て
ようとするものである。総てのモード構造を査定するた
め、レーザー駆動電流を急激に変調することにより、平
均化された信号に現われる段階的な変化を排除する。そ
の結果、残ったゆっくりした変化を正確に追跡し、散乱
光と入射光の正確な比を求めることができる。外部光学
系を有するレーザーの場合、モード構造を変化させるた
め、例えば、レーザー共振器ミラーの移動や、レーザー
共振器内での光位相変調等のような変調形式を利用する
ことができる。
散乱比に対するモードホッピングの影響を軽減する。そ
れ故、本発明は、レーザー自体によって形成される光信
号を抑制しようとする点で公知技術とは対照的である。
変調されたレーザー出力は急激な出力変動を含んでいる
が、変調されたレーザー出力を電子的に平均化すること
によって、出力レベルの急激な変動を除き、平均化レー
ザー出力には、小さい、ゆっくりした、平滑な変動だけ
を残す。このゆっくり変動する平均レーザー出力レベル
を、スプリットビームモニターを利用して測定する。光
散乱信号も同様に平均化して、平滑な、ゆっくり変動す
る信号を形成することにより、光散乱測定のため必要
な、各モニター角度における散乱光信号とレーザー出力
信号との比を求めるようにした。
れたサンプルセル1を通過する流体を利用した光散乱光
度計による光散乱測定の構成を示す。この散乱光検出器
2も後述する照明光源/レーザーのモニターに利用され
る検出器も共に、一般的には、線形増幅器が組込まれた
ハイブリッド形式のフォトダイオードである。この検出
に光増倍管が使用されたこともあるが、殆んど如何なる
タイプのレーザーダイオードからの赤色波長においても
その量子効率は極めて低い。サンプルは固体レーザー3
によって照明され、このレーザーの制御電源4は波形発
生器5によって変調される。固体レーザー3は、レーザ
ービーム10と呼ばれる視準出力を形成するように、視
準レンズ部材と組合わせるのが普通である。本発明の好
ましい実施例では、波形発生器5が三角波を形成する。
サンプルセル1は、米国特許第4,616,927 号に記載され
ているものと同様の構成のものでよいが、固体レーザー
3によって照明される他のタイプのサンプルセル1、例
えば矩形又は円筒形セルを光度計においても同じレーザ
ー変調法と併用することができる。
ログフィルター6を含む増幅器を具えている。散乱光検
出器2からの出力信号をディジタルフィルター7を含む
個々のディジタイザ回路がディジタル化することによ
り、測定すべき実験状態と馴染まない高周波信号を阻止
する。アナログ及びディジタルフィルターは、測定すべ
き光散乱信号から典型的な周波数の信号を通過させ、レ
ーザーの変調に伴なって発生する周波数信号を阻止する
ように選択された低域フィルターであるのが普通であ
る。アナログマルチプレクサを利用して総ての信号を単
一のA/Dコンバータへ切換えることによっても、最終
的に同じ結果が得られることは云うまでもない。こうし
て処理されたディジタル信号をコンピューター9の直列
ポートを介して前記コンピューターへ伝送するためディ
ジタルマルチプレクサー8によって多重化すればよい。
リッタ11によってこれと関連する同様なアナログ成分
及びディジタル成分を有するレーザーモニター12に向
けられる。
力を制御し、ダイオードの損傷を防止するための重要な
パラメータであるから、従来の構成では電流調整電源を
利用することが多い。ノートン等価電源及び限流抵抗器
も利用できることは云うまでもない。レーザー電流を変
調して利用可能なモード状態を“サンプル”する便利な
方法として、レーザー電流が周期波形と共に変化するよ
うに、電源の基準電圧に周期波形電圧を加える。三角波
以外の波形を使用してもよいが、各電流レベルにおける
消費時間が等しいという点で三角波が好ましい。好まし
い実施例では、単一の制御装置によって、ピーク電流を
レーザーダイオードにとっての安全値に制限し、独自の
制御装置によって、変調度を調整することができる。変
調の深度は、モードホッピングノイズが可能な限り平滑
化されるように調整すればよい。
ることにする。レーザー光出力は駆動電流が限界レベル
を超えて上昇するに従って急速に増大する。経験に照ら
して、モードホッピングノイズを平滑化するには、限界
レベル以上の電流を最大限約50%に及んでピーク間変
調することになるが、一般的には約15%で充分であ
る。例えば、60maで使用され、限界電流が40maであ
るダイオードの場合、平滑化を達成するのに0.15×(60
−40)=3maのピーク間変調が必要である。固体レーザ
ー3の最大レーザーダイオード駆動電流は、レーザーを
修復不能に損傷させるような瞬間ピーク値よりも低い値
に制限される。実際には瞬間最大値に極めて近い平均電
流でレーザーを駆動することができる。最大値以下の駆
動電流では、変調に或る程度の時間消費を伴ない、平均
出力が低くなる。
変調が15%に過ぎないことにある。即ち、平均出力の
損失が極く少なくて済むからである。最適変調周波数
は、或る程度システム次第で異なってくる。例えば、69
0nm において単一横モードで作用する東芝TOLD 914
0 のような20mW InGaAIPレーザーを組込んだ
ワイアット テクノロジー コーポレイション( Wyatt
Technology Corporation )から市販されている。mini
DAWN(登録商標)光度計の場合、150 Hzの変調周
波数が便利且つ有効であるとの所見を得た。
ジタルフィルターによって有効に処理するのに充分高
く、縦モードホッピングを有効にサンプルするのに充分
低かった。理想として、変調周波数は測定された散乱光
信号の周波数の10乃至1000倍でなければならない。光
散乱測定装置に使用されるレーザー出力ビームは、直線
偏光されるのが普通である。但し、このような偏光は、
本発明にとって重要ではない。本発明の好ましい実施例
では、光散乱の測定に際して散乱光検出器2を含む水平
面に対して入射光を垂直方向へ偏光させる。
施例において、レーザー出力を変調するのに利用される
三角波の印加電圧及びこの印加電圧によるレーザー駆動
電流を夫々示す。散乱光検出器2の光学的流体セルをサ
ンプル溶離液が通過するのに伴なって形成される典型的
な光散乱信号の測定周波数は、数Hz又はそれ以下であ
る。この事実に基づき、モードホッピングに起因するレ
ーザー出力の不規則性を充分に平滑化するには、約150
Hzの変調周波数が適当であるとの所見を得た。周波数
が比較的高い散乱信号の測定を必要とする場合には、レ
ーザー変調周波数もこれに対応して増大させねばならな
い。
検出周波数よりも1桁乃至3桁大きくしなければならな
い。ポリマーサンプルの液体クロマトグラフィ分離と共
に行なわれる典型的な光散乱測定には、50乃至5000H
zの周波数で充分である。経験に照らして、レーザー電
流を変調するのに最適な周波数及び振幅は、個々のレー
ザー及び検出システムの構成に応じて異なるとの所見を
得た。後述する例から明らかなように、モードホッピン
グノイズによって、以後の散乱測定に影響を及ぼすよう
な種々のタイプのレーザー光源について、最適の変調周
波数及び振幅を見つけることは、光散乱測定の専門家に
とって比較的に容易なことであろう。本発明の好ましい
実施例では、レーザー制御電源4を三角波変調するが、
その他の波形を利用しても満足な成果が得られることは
当業者にとって明らかである。例えば、簡単な正弦波、
鋸波、及びその他の周期的又はランダムな波形によって
走査することにより、出力変動の原因であると考えられ
るあらゆるモードをサンプルすることができる。
波変調によって集められた実験データを示す。図3Aの
データ13は、ダイオードレーザーをヒートガンで瞬間
加熱し、次いで自然冷却させることによって得られる非
変調レーザー出力を示す。150 Hzの15%変調三角波
レーザー電流を使用すると図3Bに示すような出力特性
14が得られる。なお、散乱信号はビームモニター信号
による除算で正規化されるから、レーザー出力の平滑な
長時間に亘る変動は、典型的な光散乱測定にとって重要
ではない。このような正規化は、各アナログ散乱光及び
レーザーモニター信号をA/Dコンバータによってディ
ジタル化し、ディジタル信号プロセッサによってディジ
タルデータを濾過し、ディジタル化され、濾過された値
をコンピュータ手段に記憶させ、各ディジタル化散乱光
信号をディジタル化レーザーモニター信号によって除算
することにより必要な比を計算して、各散乱光信号のデ
ィジタル化された比を得る。出力比信号自体がアナログ
値であるアナログ除算手段によって、前記平滑化信号比
を求めることもできる。この一般的な方法に代わる方法
として、例えば、レーザーモニター信号を利用して平均
レーザー出力を調整する方法も当業者なら思い付くこと
ができるであろう。
する溶媒中に細いポリスチレンサンプルを注入すると、
図3Cに示す非変調散乱90°の光散乱信号15、及び
これと対応する図3Cで示したレーザー出力16が得ら
れる。散乱光がレーザーへ反射することによって起こる
モードホッピングに起因するのが図3Cのピーク17に
おけるノイズである。レーザー変調した場合の平均的光
散乱信号を図3Dの18で、レーザー出力を19で夫々
示した。図3Dに示すピーク20には、図3Cに示すピ
ーク17のようなピークデータ不規則性が見られない。
なお、非変調レーザー電流に対応する光散乱信号は、光
の一部をレーザーへ反射させること及び/又は反射光の
位相を変えることによって、レーザー出力自体に影響を
及ぼした。
れるようなレーザーダイオードに変調電流を供給する回
路の好ましい実施例の簡略図である。電位差計21は演
算増幅器26の非反転入力に可調DC電圧を供給する。
演算増幅器26は電界効果トランジスター28のゲート
を制御し、該ゲートはレーザーダイオード29への電流
を制御する。電流制御用の演算増幅器26に対する負帰
還は、直列抵抗器27に発生する電圧によって与えられ
る。変調は、結合コンデンサー23及び可調結合抵抗器
24を介して方形波電圧22を電流制御入力にAC結合
することによって行なわれる。前記抵抗器24及び結合
コンデンサー23のフィルタ作用が方形波を所期の三角
波に極めて近い波に変換する。変調のAC結合は電位差
計21による平均DCレーザー電流の制御と前記抵抗器
24による変調振幅の制御が独立に行なわれることを可
能にする。
乱測定装置に利用して有効な成果を得るための好ましい
手段を以上に説明したが、当業者には明らかなように上
述した本発明の好ましい実施態様に対し、多様な変更を
加えることは可能であり、変調の形式、振幅及び周波数
に関する如何なる変更も総て本発明の範囲に含まれる。
式の一部を形成する安定化方法のブロックダイヤグラ
ム。
加電圧及びその結果得られるレーザー駆動電流を示すグ
ラフ。
出力モードホッピングノイズに対するノイズ軽減方法の
効果を示すグラフ。C及びDは、光散乱サンプルからの
反射光に起因するレーザー出力モードホッピングノイズ
に対するノイズ軽減方法の効果を示すグラフ。
体InGaAIPレーザーの電源に対する典型的なレー
ザー安定化を図る回路図。
Claims (25)
- 【請求項1】 モードホッピング不安定性に起因する固
有ノズルを有する光散乱測定用レーザー光源の制御方法
において、 a)散乱光信号の測定周波数の約10乃至1000倍の周波
数及びレーザーのピーク電流レベル以下の最大振幅でレ
ーザー駆動電流を変調し、 b)発射されるレーザービームの一部を分割し、前記分
割部分を光感モニター検出器で検出することにより前記
レーザービームの出力を表わす値を求め、 c)前記変調に起因する出力変動を平滑化するように選
択された信号平均フィルタで前記モニター検出器からの
信号を平均し、 d)1つ又は2つ以上の角度から前記変調レーザービー
ムによって照射されるサンプルの散乱光を検出し、夫々
の前記角度における夫々の前記検知散乱光信号を前記モ
ニター検出器の前記出力変動を平滑化するように選択さ
れた信号平均フィルタと略等しい信号平均フィルタで平
均し、夫々の前記信号平均フィルタによって前記照明レ
ーザービームの前記変調に起因する検出散乱光変動を平
滑化し、 e)こうして平滑化された散乱光信号を同様に平滑化さ
れたレーザーモニター信号によって除算することにより
前記測定角度ごとに前記サンプルからの散乱光とサンプ
ルへの入射光との出力比を形成する ステップから成ることを特徴とする光散乱測定用レーザ
ー光源の制御方法。 - 【請求項2】 前記変調レーザー駆動電流の最小振幅
が、レーザーを起動させるのに必要な限界駆動電流より
も大きいことを特徴とする請求項1記載の制御方法。 - 【請求項3】 前記レーザー駆動電流変調器のピーク間
変調が、限界値以上の電流の約15%であることを特徴
とする請求項1記載の制御方法。 - 【請求項4】 前記レーザー駆動電流の変調が約150 H
z であることを特徴とする請求項1記載の制御方法。 - 【請求項5】 前記レーザー光源が、固体ダイオードレ
ーザーであることを特徴とする請求項1記載の制御方
法。 - 【請求項6】 前記変調が、50乃至5000Hzであるこ
とを特徴とする請求項1記載の制御方法。 - 【請求項7】 前記検出されたレーザーモニター散乱光
信号が、ディジタル化され、前記出力比がコンピュータ
手段によって計算されることを特徴とする請求項1記載
の制御方法。 - 【請求項8】 前記散乱光信号の夫々が、前記レーザー
モニター信号によってアナログ除算されることによって
前記出力比を得ることを特徴とする請求項1記載の制御
方法。 - 【請求項9】 前記レーザー駆動電流が、三角波形によ
って変調されることを特徴とする請求項1記載の制御方
法。 - 【請求項10】 前記レーザー駆動変調器のピーク間変
調が、限界値以上の電流の50%以下であることを特徴
とする請求項1記載の制御方法。 - 【請求項11】 前記レーザー駆動変調器の変調周波数
が、測定された散乱光信号の帯域周波数の10乃至1000
倍であることを特徴とする請求項1記載の制御方法。 - 【請求項12】 前記レーザービームが、直線偏光され
ることを特徴とする請求項1記載の制御方法。 - 【請求項13】 前記検出器が、フォトダイオードであ
ることを特徴とする請求項1記載の制御方法。 - 【請求項14】 モードホッピング不安定性に起因する
固有ノイズを有する視準ビームを発射するレーザー光源
を組込んだ光散乱測定装置用照明システムにおいて、 a)前記モードホッピング不安定性の影響を受ける前記
視準ビームを発射するレーザー発射手段と、 b)散乱光信号測定用周波数の約10乃至1000倍の周波
数と前記レーザーのピーク電流レベル以下の最大振幅で
レーザー駆動電流を変調できる変調手段と、 c)発射された前記視準レーザービームの一部を分割す
る手段及び前記分割部分を光感モニター検出手段で検出
することによって前記ビームの出力を表わすモーター信
号を出力する手段と、 d)前記視準レーザービームの前記変調に起因する前記
モニター信号の変動を平滑し、前記光散乱装置に使用さ
れる信号平均フィルタに略等しいモニター信号平均フィ
ルタ手段と から成ることを特徴とする光散乱測定装置用照明システ
ム。 - 【請求項15】 前記変調手段が、レーザーを起動させ
るのに必要な限界駆動電流以上の最小レーザー駆動電流
を出力することを特徴とする請求項14記載の照明シス
テム。 - 【請求項16】 前記変調手段が、前記レーザー駆動電
流を限界値以上の電流の約15%ピーク間変調すること
を特徴とする請求項14記載の照明システム。 - 【請求項17】 前記モニター信号平均フィルタ手段
が、前記モニター信号を変換するA/Dコンバータと、
ディジタル変換された信号を記憶するディジタル記憶手
段と、前記記憶されたディジタル変換信号を処理し、平
均するディジタル信号処理手段とから成ることを特徴と
する請求項14記載の照明システム。 - 【請求項18】 前記レーザー手段が、固体ダイオード
レーザーであることを特徴とする請求項14記載の照明
システム。 - 【請求項19】 前記変調手段が、前記レーザー駆動電
流を50乃至5000Hzで変調することを特徴とする請求
項14記載の照明システム。 - 【請求項20】 前記光感モニター検出器が、フォトダ
イオードであることを特徴とする請求項14記載の照明
システム。 - 【請求項21】 前記レーザー駆動電流変調手段が、前
記レーザー駆動電流を変調することによって三角波形を
形成することを特徴とする請求項14記載の照明システ
ム。 - 【請求項22】 前記レーザー駆動変調器のピーク間変
調の振幅が、限界値以上の電流の50%以下であること
を特徴とする請求項14記載の照明システム。 - 【請求項23】 前記レーザー駆動変調器の変調周波数
が、測定散乱光信号の帯域周波数の10乃至1000倍であ
ることを特徴とする請求項14記載の照明システム。 - 【請求項24】 前記レーザーが、直線偏光出力ビーム
を形成することを特徴とする請求項14記載の照明シス
テム。 - 【請求項25】 レーザーが、約690nm の波長で作用す
ることを特徴とする請求項18記載の照明システム。
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1994
- 1994-11-14 JP JP27939794A patent/JP4346694B2/ja not_active Expired - Lifetime
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