JPH08136352A - 連続浸漬式温度測定器 - Google Patents

連続浸漬式温度測定器

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Publication number
JPH08136352A
JPH08136352A JP6298870A JP29887094A JPH08136352A JP H08136352 A JPH08136352 A JP H08136352A JP 6298870 A JP6298870 A JP 6298870A JP 29887094 A JP29887094 A JP 29887094A JP H08136352 A JPH08136352 A JP H08136352A
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JP
Japan
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temperature
refractory material
temperature measuring
thermocouple
measuring sensor
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Application number
JP6298870A
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English (en)
Inventor
Koji Ogawa
幸二 小川
Hiroshi Suzuki
洋 鈴木
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TYK Corp
Original Assignee
TYK Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 連続浸漬しても破損しない耐用性に優れる温
度測定器の提供。 【構成】 熔融物の温度に対応する熱起電力を検出する
ための測温センサー1と、測温センサー1によって検出
された前記熱起電力を処置して、前記熔融物の温度を求
めるための計測器10と、測温センサー1を計測器10
に接続するための補償導線7とからなる。測温センサー
1は、熱電対4と、熱電対4の下部を覆う保護管6と、
保護管6の周囲に嵌め込まれたスリーブ5とからなる。
保護管6は、本質的に、モリブデン:20から95w
t.%、および、ジルコニア5から80wt.%、から
なるモリブデン−ジルコニア系耐火材によって形成され
ており、スリーブ5は、本質的に、アルミナ−カーボン
系耐火材、ジルコニア−カーボン系耐火材およびマグネ
シア−カーボン系耐火材等のカーボンを含有した酸化物
系耐火材の群から選んだうちの何れか1種または2種以
上の複合材によって形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、誘導加熱炉等の炉
内、溶銑樋内、取鍋内、タンディッシュ内等における熔
融金属および熔融スラグ等の熔融物の温度を、熔融物中
に連続して浸漬したまま測定することができる連続浸漬
式温度測定器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】誘導加熱炉等の炉内、タンディッシュ
内、取鍋内、熔銑樋内等における熔融金属および熔融ス
ラグ等の熔融物の温度は、操業および製品品質に大きな
影響を及ぼす。従って、誘導加熱炉等の炉内等における
熔融金属および熔融スラグ等の熔融物の温度を定期的に
測定する必要がある。
【0003】炉内等における熔融金属の温度を測定する
ために、従来、熱電対を利用したイマージョン式温度測
定器が広く使用されている。図4は熔融物の温度を測定
するための、熱電対を利用した従来のイマージョン式温
度測定器の1部を示す概略垂直断面図である。図4にお
いて、1は測温センサー、11は、紙管、そして、12
は、セラミックスファイバー製管である。紙管11は、
断熱体であるセラミックスファイバー製管12によって
覆われ、そして、測温センサー1と一体的に形成されて
いる。図5は、上述した測温センサー1の詳細を示す概
略垂直断面図である。図5において、41および42の
組合せは、白金および白金−ロジウム合金からなる熱電
対、13は、熱電対41、42を熔融金属または熔融ス
ラグ等の熔融物から保護するための、石英ガラス製保護
管、71および72の組合せは、熱電対41、42を図
示しない計測器に接続するための補償導線、14は、熱
電対41、42と補償導線71、72との間の接続部を
収容するためのハウジング、そして、15は、熔融金属
または熔融スラグ等の熔融物から石英ガラス製保護管1
3を保護するための、1以上の貫通孔を有する鉄または
アルミ製のキャップである。更に、図4に示すように、
ハウジング14および補償導線71、72は、断熱機能
を有する紙管11およびセラミックスファイバー製管1
2によって保護されている。
【0004】熱電対を利用した上述した従来のイマージ
ョン式温度測定器によって、熔融金属の温度は、次のよ
うにして測定される。図6は従来のイマージョン式温度
測定器によって熔融物の温度を測定する状態を示す一部
断面正面図である。図6に示すように、図4に示した、
熱電対を利用した従来のイマージョン式温度測定器の紙
管11の上部は、図示しないホルダーによって垂直方向
に支持される。図示しない昇降機を操作することによっ
て、測温センサー1のキャップ15に覆われた部分は、
熔融金属に向かって斜め方向に降下して、熔融金属中に
浸漬される。測温センサー1のキャップ15に覆われた
部分を熔融金属中に浸漬すると、キャップ15の1つ以
上の貫通孔を通ってキャップ15内に浸入した熔融金属
が石英ガラス製保護管13と接触する。石英ガラス製保
護管13に覆われた熱電対41、42によって熔融金属
の温度に対応する熱起電力が検出され、そして、補償導
線71、72を介して、図示しない計測器によって、熔
融金属の温度が求められる(以下、「従来技術」とい
う)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術には次のような問題点があった。
【0006】熱電対41、42を覆う石英ガラス製保護
管13は、高い耐熱衝撃性を有しているが、熔融金属に
対する耐溶損性が低いので、熔融金属中に浸漬される
と、保護管13が短時間に溶損する。その結果、測温セ
ンサー1を1回測定する毎に引上げて繰り返し浸漬する
イマージョン式の測定しかできない。しかも、短時間の
浸漬中に熔融金属が保護管13の中に浸入して熱電対4
1、42が断線する。従って、測定を1回または数回行
う毎に、測温センサー1、紙管11およびセラミックス
ファイバー製管12よりなるイマージョン式測温用プロ
ーブを交換する必要があり、交換作業に時間がかかると
共に不経済である。
【0007】このようなことから、高い耐熱衝撃性を有
し、且つ、熔融金属に対する耐溶損性に優れる材料によ
って保護管を構成することが考えられる。
【0008】しかしながら、誘導加熱炉等の炉内等の熔
融金属の上部には、熔融スラグが生成するため、熔融金
属および熔融スラグの両者に対する対策を考慮しなけれ
ばならない。即ち、熔融金属に対して耐溶損性に優れる
材料は、熔融スラグ中においては短時間で損耗してしま
う問題があり、一方、熔融スラグに対して耐溶損性に優
れる材料は、熔融金属中に浸漬した際には熱衝撃により
割れてしまったり、強度不足により折損してしまう問題
がある。
【0009】従って、この発明の目的は、誘導加熱炉等
の炉内等における熔融金属および熔融スラグの温度を、
熔融物中に連続して浸漬したままで、長時間にわたって
測定することができる連続浸漬式温度測定器を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】我々は、上述した観点か
ら、誘導加熱炉等の炉内等における熔融金属および熔融
スラグの熔融物の温度を、熔融物中に連続して浸漬した
ままで、長時間にわたって測定することができる連続浸
漬式温度測定器を開発すべく、鋭意研究を重ねた。
【0011】その結果、我々は、次の知見を得た。即
ち、測温センサーのための保護管を、本質的に、モリブ
デン(Mo):20から95wt.%、および、ジルコ
ニア(ZrO2 )5から80wt.%、からなるモリブ
デン−ジルコニア(Mo−ZrO2 )系耐火材によって
形成すると、耐熱衝撃性および耐溶損性に優れた保護管
を得ることができ、更に、保護管の周囲に、本質的に、
アルミナ−カーボン(Al2 3 −C)系耐火材、ジル
コニア−カーボン系耐火材(ZrO2 −C)およびマグ
ネシア−カーボン系耐火材(MgO−C)等のカーボン
を含有する酸化物系耐火材の群から選んだうちの何れか
1種または2種以上の複合材によって形成されているス
リーブを嵌め込むことにより、保護管を熔融スラグから
保護することができ、長時間にわたって、熔融物中に連
続して浸漬したまま測定することができる。
【0012】この発明の連続浸漬式温度測定器は、上述
した知見に基づいてなされたものであって、熔融物の温
度に対応する熱起電力を検出するための測温センサー
と、前記測温センサーによって検出された前記熱起電力
を処置して、前記熔融物の温度を求めるための計測器
と、前記測温センサーを前記計測器に接続するための補
償導線とからなり、前記測温センサーは、熱電対と、前
記熱電対の少なくとも下部を覆う、前記熔融物から前記
熱電対を保護するための保護管と、前記保護管の周囲に
嵌め込まれたスリーブとからなり、前記保護管は、本質
的に、モリブデン(Mo):20から95wt.%、お
よび、ジルコニア(ZrO2 )5から80wt.%、か
らなるモリブデン−ジルコニア(Mo−ZrO2 )系耐
火材によって形成されており、前記スリーブは、本質的
に、アルミナ−カーボン(Al2 3−C)系耐火材、
ジルコニア−カーボン系耐火材(ZrO2 −C)および
マグネシア−カーボン系耐火材(MgO−C)等のカー
ボンを含有する酸化物系耐火材の群から選んだうちの何
れか1種または2種以上の酸化物系耐火材によって形成
されていることに特徴を有するものである。
【0013】
【作用】熱電対は保護管によって覆われ、保護管を形成
するモリブデン−ジルコニア(Mo−ZrO2 )系耐火
物は、石英ガラスよりも、熔融金属および熔融スラグに
対する耐溶損性が極めて高いため、測温センサーの熔融
金属および熔融スラグに対する耐溶損性が大幅に向上す
る。また、モリブデン−ジルコニア系耐火材は、耐熱衝
撃性が高く熱電対が断線する恐れがほとんどない。この
ように、従来の石英ガラス製保護管よりも耐用性が極め
て高い保護管を使用することにより、測温センサーを連
続的に浸漬して測定可能である。勿論、本発明の連続浸
漬式温度測定器の測温センサーを、繰り返し浸漬して測
定するスポット測温において使用することもでき、従来
よりも多数回の測定が可能である。更に、モリブデン−
ジルコニア系耐火材は、熱伝導性が良いため測温センサ
ーとの応答性も良好である。
【0014】保護管の周囲に、アルミナ−カーボン系耐
火材、ジルコニア−カーボン系耐火材またはマグネシア
−カーボン系耐火材等カーボンを含有する酸化物系耐火
材によって形成されたスリーブが嵌め込まれており、こ
のスリーブが熔融スラグから保護管を保護する。測温セ
ンサーにおいては、従来一般的に、熔融金属浸漬部より
も熔融スラグ浸漬部のほうが耐用度が低く、この熔融ス
ラグ浸漬部が測温センサーの寿命を短くしていた。上記
のようなスリーブを保護管の周囲に嵌め込んで保護管を
保護することにより、測温センサーの熔融スラグ浸漬部
の耐用度が、熔融金属浸漬部と同等となり、結果として
測温センサー寿命が大幅に延びる。
【0015】更に、モリブデン−ジルコニア系耐火材に
よって形成された保護管の周囲に、アルミナ−カーボン
系耐火材等のカーボン含有耐火材によって形成されたス
リーブを嵌め込むことによって、モリブデン−ジルコニ
ア系耐火材によって形成された保護管が、カーボン含有
耐火材等によって形成されたスリーブの芯金材のように
作用し、熔融スラグ中に浸漬されているスリーブの割
れ、脱落等を防ぐことができ、更に、スリーブに亀裂が
生じても、保護管内部まで熔融金属が浸入せず、熱電対
が損傷しない。
【0016】次に、この発明の連続浸漬式温度測定器の
保護管を形成するモリブデン−ジルコニア(Mo−Zr
2 )系耐火材の化学成分組成を、上述のように限定し
た理由を以下に述べる。
【0017】(1)モリブデン(Mo):モリブデン
(Mo)には、保護管を形成する耐火材の熱伝導性を高
めて、測温センサーの応答性を高める作用がある。更
に、モリブデンには、保護管を形成する耐火材の耐熱衝
撃性を高める作用がある。しかしながら、モリブデンの
含有量が、20wt.%未満の場合は、上述した所望の
効果が得られない。一方、モリブデンの含有量が、95
wt.%を超えると、金属モリブデンの酸化および熔融
金属中への溶出が生じて、保護管を形成する耐火材が劣
化して、保護管が損傷する。従って、モリブデンの含有
量は、20から95wt.%の範囲内に限定すべきであ
る。
【0018】(2)ジルコニア(ZrO2 ):ジルコニ
ア(ZrO2 )には、保護管を形成する耐火材の耐溶損
性を高める作用がある。しかしながら、ジルコニアの含
有量が、5wt.%未満の場合は、上述した作用に所望
の効果が得られない。一方、ジルコニアの含有量は、8
0wt.%を超えると、保護管に熱的スポーリング損傷
が生じる。従って、ジルコニアの含有量は、5から80
wt.%の範囲内に限定すべきである。
【0019】次に、この発明の連続浸漬式温度測定器の
保護管の周囲に嵌挿するスリーブを、アルミナ−カーボ
ン(Al2 3 −C)系耐火材、ジルコニア−カーボン
系耐火材(ZrO2 −C)およびマグネシア−カーボン
系耐火材(MgO−C)等のカーボン(C)を含有する
耐火材によって形成する理由を以下に述べる。
【0020】アルミナ(Al2 3 )、ジルコニア(Z
rO2 )またはマグネシア(MgO)等の酸化物系耐火
材は、強度が強く、熔融スラグおよび熔融金属に対する
耐溶損性が高い。しかしながら、上記の耐火材をカーボ
ン(C)を含有させないで熔融スラグに適用した場合、
熔融物に浸漬したときのヒートショックにより、前記耐
火材に割れおよび亀裂が生じてしまう。従って、熱伝導
率の高いカーボンと、前記耐火材とを複合させることに
より、熱伝導率が高くなり、ヒートショックに強い耐火
材を得ることができる。従って、カーボンの添加は必須
条件であり、0wt.%超え〜100wt.%未満の範
囲内で含有させる。カーボン含有量が上述の範囲を外れ
ると、上述した作用に所望の効果が得られない。
【0021】カーボン(C)と複合する材料は、熔融ス
ラグ(熔融物)の成分に応じて、アルミナ、ジルコニ
ア、マグネシアまたはその他の酸化物系耐火材のうちか
ら何れか1種または2種以上の複合材を選択する。これ
は、すべての熔融スラグに対応可能な耐火材料は存在し
ないからである。カーボン(C)としては天然黒鉛、人
造黒鉛、無定形炭素およびピッチ等いずれでもよい。
【0022】次に、この発明の連続浸漬式温度測定器の
1実施態様を、図面を参照しながら説明する。図1はこ
の発明の連続浸漬式温度測定器の測温センサーを示す概
略垂直断面図、図2は図1に示した測温センサーの先端
部の詳細を示す概略垂直断面図、図3はこの発明の連続
浸漬式温度測定器によって熔融物の温度を測定する状態
を示す一部断面正面図である。
【0023】図1〜図3に示すように、この発明の連続
浸漬式温度測定器は、測温センサー1、補償導線7およ
び計測器10からなっている。測温センサー1は、熱電
対4、保護管6、スリーブ5およびスリーブ8からなっ
ている。図2に示すように、熱電対4は、その先端部分
4aを除き、アルミナ(Al2 3 )系耐火材製絶縁管
2によって覆われている。更に、保護管6と絶縁管2と
の間に、アルミナ(Al2 3 )系耐火材製保護管3が
設けられ、先端部分4aも含めて熱電対4および絶縁管
2を覆っている。絶縁管2および保護管3によって覆わ
れた熱電対4は、上述した化学成分組成を有するモリブ
デン−ジルコニア(Mo−ZrO2 )系耐火材によって
形成された、保護管6によって、更に覆われている。保
護管6の周囲には、保護管6の先端部分を除き、上述し
た化学成分組成を有する耐火材によって形成されたスリ
ーブ5が嵌め込まれている。更に、スリーブ5の上部の
周囲およびその上方には、セラミックファイバーなどの
断熱材からなるスリーブ8が嵌め込まれている。スリー
ブ8は、その上部にフランジ8aを有している。
【0024】測温センサー1の上方にはステンレス鋼製
のホルダー9が設けられている。ホルダー9は、水平部
9a、垂直部9b、および、水平部9aと垂直部9bと
を結合する結合部9cとからなっている。そして、ホル
ダー9の垂直部9bの下部9dは、スリーブ8の中央部
に嵌め込まれている。熱電対4には補償導線7が接続さ
れ、補償導線7はスリーブ5、スリーブ8およびホルダ
ー9内を通って計測器10に接続されている。
【0025】図3に示すように、図示しない昇降機によ
って、本発明温度測定器を、例えばタンディッシュのフ
タ16の挿入孔17から挿入し、フランジ8aを挿入孔
17の縁部に掛止する。このようにして熔融物18中に
スリーブ5および保護管6が浸漬されると、保護管6内
に収容された熱電対4によって熔融物18の温度に対応
する熱起電力が検出され、そして、補償導線7を介し
て、計測器10によって、熔融物18の温度が求められ
る。また、図示はしないが、浸漬により赤熱した保護管
6の色をみて測定する放射温度計(光温度計、パイロ式
温度計ともいう)によって処理し温度を測定することも
できる。
【0026】
【実施例】次に、この発明を、比較例と対比しながら、
更に、詳細に説明する。
【0027】〔実施例1〕モリブデン:75wt.%お
よびジルコニア25wt.%、からなるこの発明の範囲
内の化学成分組成を有するモリブデン−ジルコニア(M
o−ZrO2 )系耐火材製の、600mmの長さ、25
mmの外径および13mmの内径を有する保護官6、0
wt.%超え〜100wt.%未満の範囲内のカーボン
を含有する、この発明の範囲内の化学成分組成を有する
アルミナ−カーボン系耐火材、ジルコニア−カーボン系
耐火材またはマグネシア−カーボン系耐火材等のカーボ
ンを含有する酸化物系複合材製の、500mmの長さ、
85mmの外径および28mmの内径を有するスリーブ
5、その先端部分を除きアルミナ耐火材製絶縁管2によ
って覆われた、白金および白金−ロジウム合金からなる
熱電対4、保護管6と絶縁管2との間に、先端部分4a
も含めて熱電対4および絶縁管2を覆ったアルミナ系耐
火材製保護管3、および、300mmの長さ、160m
mの外径および100mmの内径を有する、セラミック
ファイバー断熱材製のスリーブ8からなる、図1、図2
に示した、この発明の範囲内の測温センサー1(以下、
「本発明供試体」という)No. 1を調製した。
【0028】比較のために、モリブデン:75wt.%
およびジルコニア25wt.%、からなる化学成分組成
を有するモリブデン−ジルコニア系耐火材製の、100
0mmの長さ、50mmの外径および28mmの内径を
有する保護官6、その先端部分を除きアルミナ耐火材製
絶縁管2によって覆われた、白金および白金−ロジウム
合金からなる熱電対4、保護管6と絶縁管2との間に、
先端部分4aも含めて熱電対4および絶縁管2を覆った
アルミナ系耐火材製保護管3からなる、図7に示す、こ
の発明の範囲外の測温センサー1(以下、「比較用供試
体」という)No. 2を調製した。
【0029】図7は、比較用に調製した、この発明の範
囲外の連続浸漬式温度測定器の測温センサーを示す概略
垂直断面図、図8は図7に示した温度測定器によって熔
融物の温度を測定する状態を示す一部断面正面図であ
る。図7、図8に示すように、測温センサー1は、熱電
対4および保護管6からなっている。熱電対4は、その
先端部分4aを除き、アルミナ系耐火材製絶縁管2によ
って覆われている。更に、保護管6と絶縁管2との間
に、アルミナ系耐火材製保護管3が設けられ、先端部分
4aも含めて熱電対4および絶縁管2を覆っている。絶
縁管2および保護管3によって覆われた熱電対4は、耐
火材によって形成された、保護管6によって、更に覆わ
れている。保護管6の上端には、フランジ19が取り付
けられている。更に、測温センサー1の上方にはステン
レス鋼製の管からなるホルダー9が設けられている。そ
して、ホルダー9の下端部は、フランジ19に取り付け
られている。
【0030】更に、比較のために、0wt.%超え〜1
00wt.%未満のカーボンを含有する、アルミナ−カ
ーボン系耐火材、ジルコニア−カーボン系耐火材または
マグネシア−カーボン系耐火材製の、600mmの長
さ、85mmの外径および13mmの内径を有するスリ
ーブ55、その先端部分を除きアルミナ耐火材製絶縁管
2によって覆われた、白金および白金−ロジウム合金か
らなる熱電対4、スリーブ55と絶縁管2との間に、先
端部分4aも含めて熱電対4および絶縁管2を覆ったア
ルミナ系耐火材製保護管3からなる、図9に示す、この
発明の範囲外の測温センサー1(以下、「比較用供試
体」という)No. 3を調製した。
【0031】図9は、比較用に調製した、この発明の範
囲外の連続浸漬式温度測定器の測温センサーを示す概略
垂直断面図、 10は図9に示した測温センサーの先端
部の詳細を示す概略垂直断面図、図11は図10に示し
た温度測定器によって熔融物の温度を測定する状態を示
す一部断面正面図である。図9〜図11に示すように、
測温センサー1は、熱電対4およびスリーブ55からな
っている。熱電対4は、その先端部分4aを除き、アル
ミナ系耐火材製絶縁管2によって覆われている。更に、
スリーブ55と絶縁管2との間に、アルミナ系耐火材製
保護管3が設けられ、先端部分4aも含めて熱電対4お
よび絶縁管2を覆っている。絶縁管2および保護管3に
よって覆われた熱電対4は、スリーブ55によって、更
に覆われている。スリーブ55の上端には、フランジ1
9が取り付けられている。測温センサー1の上方にはス
テンレス鋼製の管からなるホルダー9が設けられてい
る。そして、ホルダー9の垂直部の下端部は、フランジ
19に取り付けられている。
【0032】更に、比較のために、石英ガラス製保護官
13、白金および白金−ロジウム合金からなる熱電対4
1、42、および、キャップ15からなる、図4および
図5に示した、この発明の範囲外の従来の測温センサー
1(以下、「比較用供試体」という)No. 4を調製し
た。
【0033】製鋼工場において、連続鋳造用ダンディッ
シュ(T/D)の1560℃の温度に調整された熔鋼中
に、本発明供試体No. 1および比較用供試体Nos.2、3
を、図3、図8、図11に示すように、200mmの浸
漬深さに熱電対4の先端部分を浸漬し、浸漬したままの
状態で熔鋼の温度を連続的に測定し、各供試体の耐用時
間および応答時間遅れを調べた。その結果を、表1に示
す。また、比較用供試体No. 4においては、前記浸漬深
さまで熱電対4の浸漬を繰り返して熔鋼温度を測定しス
ポット測温を実施した。なお、応答時間遅れとは、熔融
物の温度が変化した場合にその変化後の温度を測定する
までの時間である。また、耐用時間、応答時間(遅れ)
は、各供試体毎に10本から得られた数値の平均値を表
している。
【0034】
【表1】
【0035】表1から明らかなように、モリブデン−ジ
ルコニア系耐火材によって形成した保護管を使用した
が、スリーブを使用しなかった比較用供試体No. 2にお
いては、50時間の浸漬によって、保護管中に熔融物が
浸入して、熱電対が断線した。
【0036】アルミナ−カーボン系耐火材等によって形
成したスリーブを使用したが、モリブデン−ジルコニア
系耐火材によって形成した保護管を使用しなかった比較
用供試体No. 3においては、45時間の浸漬によって、
スリーブ中に熔融物が浸入して、熱電対が断線した。更
に、比較用供試体No. 3においては、応答時間遅れが4
5秒と劣っていた。
【0037】石英ガラス製保護管を使用した従来技術の
比較用供試体No. 4においては、5秒間の浸漬によっ
て、石英ガラス保護管中に熔融物が浸入して、熱電対が
断線した。従って、連続浸漬による測温には適さないこ
とがわかる。
【0038】これに対して、本発明供試体No. 1におい
ては、100時間もの長時間にわたって、熔融物の温度
を測定することができた。また、応答時間遅れが15秒
と優れていた。
【0039】〔実施例2〕図1、図2に示す、この発明
の範囲内の測温センサー1(以下、「本発明供試体」と
いう)Nos.5〜8を調製した。調製された各供試体の、
モリブデン−ジルコニア系耐火材製の保護管6の化学成
分組成、長さおよび外径、並びに、スリーブ5の材質、
化学成分組成、長さおよび外径を表2に示す。そして、
表3に示す各設備において、表3に示す浸漬深さに各供
試体を浸漬し、浸漬したままの状態で熔融物の温度を連
続的に測定した。但し、本発明供試体No. 7において
は、浸漬により赤熱した保護管6の色をみて測定する放
射温度計により温度を測定した。このことを、表3には
“測温媒体:放射温度計”と示してある。このときの、
各供試体ごとの耐用時間の最高値および平均値、並び
に、立ち上がり応答時間を、表3に併せて示す。耐用時
間の最高値は表2に示される回数測定を実施した中の最
高値、耐用時間の平均値は表2に示される回数実施した
平均値、そして、立ち上がり応答時間は、室温の測温セ
ンサーを浸漬後、熔融物の温度を測定できるようになる
までの時間である。
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】表3において、“予熱温度”とは測定器の
予熱温度を示し、“タンディッシュパウダー”とは、熔
融物の表面上に保温の目的でフタをする為に使用される
ものである。
【0043】表2から明らかなように、本発明供試体No
s.5〜8のいずれも、耐用時間の最高値が60〜133
時間と長く、耐用時間の平均値が40〜64時間と長
く、そして、立ち上がり応答時間も1〜12分と短か
く、何れの結果も良好であった。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明の連続浸
漬式温度測定器によれば、誘導加熱炉等の炉内、タンデ
ィッシュ内、取鍋内、熔銑樋内等における熔融金属およ
び熔融スラグの熔融物の温度を、1つの測温センサーに
よって、測温センサーを熔融物に浸漬したままで、長時
間にわたって測定することができ、また、測温センサー
を繰り返し浸漬して測定するスポット測温においても、
従来よりも多数回の測定が可能であり、かくして、工業
上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の連続浸漬式温度測定器の測温センサ
ーを示す概略垂直断面図である。
【図2】図1に示した測温センサーの先端部の詳細を示
す概略垂直断面図である。
【図3】図1に示したこの発明の連続浸漬式温度測定器
によって熔融物の温度を測定する状態を示す一部断面正
面図である。
【図4】従来のイマージョン式温度測定器の1部を示す
概略垂直断面図である。
【図5】図4に示す測温センサーの詳細を示す概略垂直
断面図である。
【図6】図4に示した温度測定器によって熔融物の温度
を測定する状態を示す一部断面正面図である。
【図7】比較用の連続浸漬式温度測定器の測温センサー
を示す概略垂直断面図である。
【図8】図7に示した連続浸漬式温度測定器によって熔
融物の温度を測定する状態を示す一部断面正面図であ
る。
【図9】比較用の連続浸漬式温度測定器の測温センサー
を示す概略垂直断面図である。
【図10】図9に示した測温センサーの先端部の詳細を
示す概略垂直断面図である。
【図11】図9に示した連続浸漬式温度測定器によって
熔融物の温度を測定する状態を示す一部断面正面図であ
る。
【符号の説明】
1:測温センサー 2:アルミナ耐火材製絶縁管 3:アルミナ耐火材製保護管 4、41、42:熱電対 4a:熱電対の先端部分 5、55:スリーブ 6:保護管 7、71、72:補償導線 8:スリーブ 8a:フランジ 9:ホルダー 9a:水平部 9b:垂直部 9c:結合部 9d:下端部 10:計測器 11:紙管 12:セラミックスファイバー製管 13:石英ガラス製保護管 14:ハウジング 15:キャップ 16:フタ 17:挿入孔 18:熔融物 19:フランジ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熔融物の温度に対応する熱起電力を検出
    するための測温センサーと、前記測温センサーによって
    検出された前記熱起電力を処置して、前記熔融物の温度
    を求めるための計測器と、前記測温センサーを前記計測
    器に接続するための補償導線とからなり、前記測温セン
    サーは、熱電対と、前記熱電対の少なくとも下部を覆
    う、前記熔融物から前記熱電対を保護するための保護管
    と、前記保護管の周囲に嵌め込まれたスリーブとからな
    り、前記保護管は、本質的に、モリブデン(Mo):2
    0から95wt.%、および、ジルコニア(ZrO2
    5から80wt.%、からなるモリブデン−ジルコニア
    (Mo−ZrO2 )系耐火材によって形成されており、
    前記スリーブは、本質的に、アルミナ−カーボン(Al
    2 3 −C)系耐火材、ジルコニア−カーボン系耐火材
    (ZrO2 −C)およびマグネシア−カーボン系耐火材
    (MgO−C)等のカーボンを含有する酸化物系耐火材
    の群から選んだうちの何れか1種または2種以上の複合
    材によって形成されていることを特徴とする、熔融物の
    温度を測定するための連続浸漬式温度測定器。
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