JPH08133979A - 局所適用薬剤組成物 - Google Patents

局所適用薬剤組成物

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JPH08133979A
JPH08133979A JP7236758A JP23675895A JPH08133979A JP H08133979 A JPH08133979 A JP H08133979A JP 7236758 A JP7236758 A JP 7236758A JP 23675895 A JP23675895 A JP 23675895A JP H08133979 A JPH08133979 A JP H08133979A
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JP
Japan
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composition
oleyl alcohol
cyclosporin
propylene glycol
weight
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Pending
Application number
JP7236758A
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English (en)
Inventor
Tatsuaki Natsuyama
龍煥 夏山
Kiyoshi Ochiai
清 落合
Suisei Nomichi
翠星 野路
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SANDO YAKUHIN KK
Original Assignee
SANDO YAKUHIN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 局所に適用し得る、優れた皮膚透過性を有す
る薬剤組成物を提供する。 【解決手段】 シクロスポリン類またはマクロライド系
化合物、オレイルアルコール、プロピレングリコールお
よび増粘剤からなる薬剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有効成分としてシク
ロスポリン類またはマクロライド系化合物を含有する局
所適用薬剤組成物に関する。さらに詳しくは、皮膚疾
患、特に表皮細胞の病的増殖および/または角質化を含
む皮膚病の処置に適した、局所適用、特に皮膚適用組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シクロスポリン類は環状ウンデカペプチ
ドの既知の一群の化合物であり、例えば、サンディミュ
ン(SANDIMMUN)という商標名で市販されてい
る化合物(シクロスポリンA)の他に、ジヒドロシクロ
スポリンDおよびシクロスポリンG等の多くの化合物が
知られている(特開平2−17127号公報参照)。こ
の中でも、シクロスポリンA(以下単に「シクロスポリ
ン」ということがある)は、臓器移植における拒否反応
の抑制および移植片対宿主病の抑制の用途において、現
在臨床で広く使用されており、重度の乾せんならびにベ
ーチェット病に対しても使用されている。
【0003】また、様々な自己免疫疾患および炎症状
態、特に自己免疫要素を含む病因を伴う炎症状態、例え
ば関節炎(例、リウマチ様関節炎、進行性蔓延関節炎お
よび変形性関節炎)およびリウマチ疾患に対する有用性
がインビトロ、動物モデルおよび臨床試験において確認
されている。
【0004】さらに、マラリア、コクシジオイデス症お
よび住血虫症に対する作用、駆虫特に抗原生動物作用、
脱毛症に対する作用、多薬品耐性腫瘍に対する作用が確
認されている。
【0005】一方、マクロライド系化合物は大環ラクト
ンで、環の員数が12またはそれ以上の化合物の総称で
ある。ラクタム系マクロライドは、ラクトン(エステ
ル)結合に加えて環内にラクタム(アミド)結合を有す
る興味深い化合物であり、これには、ラパマイシン、ア
スコマイシン、FK−506などStreptomyc
es属の微生物が産生するラクタム系マクロライドやそ
の誘導体や類似体が豊富に存在する。これらラクタム系
マクロライドは特異な薬理学的特性を有するとされてお
り、特に免疫抑制及び抗炎症作用が注目されている。
【0006】ラパマイシンは免疫抑制作用のあるラクタ
ム系マクロライドで、Streptomyces hy
groscopicusにより産生される。ラパマイシ
ンの構造はKesseler,H.等により1993年
に明らかになった(Hely. Chim. Act
a; 76: 117)。ラパマイシンの誘導体とし
て、国際公開第94/09010号パンフレットに公開
されている40−O−(2−hydroxy)ethy
l−rapamycinなどの40−O−alkyla
ted誘導体など多くの種類が合成されている。ラパマ
イシンとその構造類似化合物および誘導体はラパマイシ
ン類と総称される。
【0007】アスコマイシン類は異なるクラスのラクタ
ム系マクロライドで、代表的な化合物としてはFK−5
06、アスコマイシンが存在する。これらの多くが強力
な免疫抑制および抗炎症作用を有する。FK−506は
Merck Index,11版(1989)のApp
endixにA5項目としてその構造式が記載されてい
る。アスコマイシンは米国特許第3,244,592号
明細書に記載されている。アスコマイシンとFK−50
6は、ヨーロッパ特許出願公開第427680号明細書
に公開されている33−epi−chloro−33−
desoxy−ascomycinなどのハロゲン化誘
導体など、多くの誘導体が合成されている。アスコマイ
シン、FK−506およびこれらの構造類似化合物や誘
導体はアスコマイシン類と総称される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらシクロス
ポリンまたはマクロライド系化合物であるFK−506
は、その注射または経口投与における副作用のために、
これまで臓器移植における拒否反応の抑制および重度の
自己免疫疾患の治療以外の用途に広範囲に使用すること
が阻まれてきた。ピーター・エム・イライアスは上記の
特開平2−17127号公報において、この問題を解決
するために、シクロスポリンおよびC12-24 モノ−また
はポリ不飽和脂肪酸またはアルコールを含む局所適用組
成物を開示している。しかしながらこのピーター・エム
・イライアスの開示には、増粘剤を含んだ形態の具体的
な組成物が十分な皮膚透過性を有することは示されてい
なかった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等はシクロスポ
リン類またはマクロライド系化合物およびオレイルアル
コールからなる組成物に、溶剤としてプロピレングリコ
ールを用いることにより高い皮膚透過性が得られること
を見い出し、さらに特定の増粘剤を配合することによっ
てのみ、十分な皮膚透過性を保持しかつ、局所適用し得
る半固形状組成物が得られることを見出して本発明を完
成し得たものである。
【0010】したがって、本発明はシクロスポリン類ま
たはマクロライド系化合物、オレイルアルコール、プロ
ピレングリコールおよび特定の増粘剤を含む局所適用薬
剤組成物を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】シクロスポリン類としては前述の
シクロスポリンAが好ましい。本発明で使用するシクロ
スポリン類の量は、組成物の全重量に対して0.01〜
40重量%、特に0.1〜30重量%が好ましく、最も
好ましくは0.5〜20重量%である。
【0012】マクロライド系化合物としては40−O−
(2−ハイドロキシ)エチル−ラパマイシン、または3
3−エピ−クロロ−33−デスオキシ−アスコマイシン
が好ましい。本発明で使用するマクロライド系化合物の
量は、組成物の全重量に対して0.01〜40重量%、
特に0.05〜20重量%が好ましく、最も好ましくは
0.1〜10重量%である。
【0013】本発明で使用するオレイルアルコールの量
は、組成物の全重量に対して0.1〜50重量%、特に
0.5〜30重量%が好ましく、最も好ましくは1〜2
0重量%である。
【0014】本発明で使用するプロピレングリコールの
量は、組成物の全重量に対して10〜99.88重量
%、特に15〜99.35重量%が好ましく、最も好ま
しくは20〜98.8重量%である。
【0015】本発明で使用し得る増粘剤はカルボキシビ
ニルポリマーおよびポリエチレングリコール(PEG)
である。
【0016】カルボキシビニルポリマーは、分子量約4
50,000〜5,000,000、特に1,250,
000〜4,000,000のものが好ましい。量は組
成物の全重量に対して、0.01〜25重量%、特に
0.1〜10重量%が好ましく、最も好ましくは0.1
〜5重量%である。カルボキシビニルポリマーについて
は、中和されていないものはトリエチルアミン、ジイソ
プロパノールアミンなどの中和剤を加えることにより容
易にゲル化できる。ポリエチレングリコールは分子量約
100〜100,000、特に200〜20,000が
好ましく、1,000〜20,000のものが最も好ま
しい。量は組成物の全重量に対して、0.01〜80重
量%、特に0.1〜60重量%が好ましく、最も好まし
くは、1〜50重量%である。
【0017】本発明の局所適用薬剤組成物の製剤形態は
半固形、例えば、ゲル、ペーストおよび軟膏等である。
これらの製剤形態は病状、適用箇所等によって好適に選
択され、当業者に公知の方法で製剤化される。
【0018】本発明の組成物中には、上記成分の他に、
例えば溶剤、界面活性剤、保存剤、保湿剤および着色剤
等も適宜含有し得る。
【0019】本発明の組成物は特に、表皮の病的増殖お
よび/または角質化を伴う皮膚病の処置、特に乾せんな
らびにアトピー性皮膚炎、接触皮膚炎およびアレルギー
性皮膚炎を含む皮膚炎の治療に使用し得る。また、例え
ば円形脱毛症、全身性脱毛症、男性型脱毛症または他の
自己免疫もしくは自己免疫関連疾患に関連する脱毛症、
例えば乾せん性脱毛症を含む脱毛症の処置における毛髪
成長保護に使用し得る。さらに、皮膚移植体の維持なら
びに天ほうそう(尋常性天ほうそうおよび類天ほうそう
を含む)、魚鱗せん、へん平紅色苔せん、白斑および硬
皮症の処置に使用し得る。
【0020】本発明の組成物は、適応症、病状、適用箇
所等により異なるが、シクロスポリン類またはマクロラ
イド系化合物を0.1〜20重量%、好ましくは0.5
〜10重量%含むものを、1日に1回〜数回(例えば、
2回〜5回)、1mg/cm2 〜20mg/cm2 患部
に塗布することにより、臨床上好ましい効果を示し得
る。
【0021】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに詳しく説
明する。
【0022】参考例 シクロスポリン、オレイルアルコールおよび溶剤(基
剤)からなる組成物の皮膚透過性試験を図1の2−チャ
ンバーセルを用いて行った。温度32℃において、ドナ
ーフェーズ1にシクロスポリン1%、オレイルアルコー
ル5%および溶剤(基剤)94%からなる組成物、ま
た、コントロールとしてシクロスポリン1%およびオレ
イルアルコール99%からなる組成物を6ml入れ、
0.1%のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60を含む
生理食塩水を充填したレシーバーフェーズ2中に透過し
たシクロスポリンの量を測定し、ヘアレスラットの皮膚
3の単位面積当たりの透過量を記録した。結果を表1に
示す。
【0023】
【表1】
【0024】以下の実施例および比較例において、特に
記載のない限り、割合はすべて重量に基づくものであ
る。
【0025】実施例1 下記組成のシクロスポリン含有ゲルを製造した。
【0026】 シクロスポリン 1% オレイルアルコール 5% カルボキシビニルポリマー 0.2% トリエチルアミン 0.17% プロピレングリコール 残部実施例2 下記組成のシクロスポリン含有軟膏を製造した。
【0027】 シクロスポリン 1% オレイルアルコール 5% ポリエチレングリコール4000 4.5% プロピレングリコール 残部 増粘剤として本発明の組成物で使用する特定の化合物以
外のものを用いて、以下の比較例を行った。
【0028】比較例1 下記組成のシクロスポリン含有軟膏を製造した。
【0029】 シクロスポリン 1% オレイルアルコール 5% ステアリン酸 2% プロピレングリコール 残部比較例2 下記組成のシクロスポリン含有ゲルを製造した。
【0030】 シクロスポリン 1% オレイルアルコール 5% 軽質無水ケイ酸 5% プロピレングリコール 残部比較例3 下記組成のシクロスポリン含有軟膏を製造した。
【0031】 シクロスポリン 1% オレイルアルコール 5% パラフィン 7% ミリスチン酸イソプロピル 11% ポリソルベート80 2% プロピレングリコール 残部比較例4 下記組成のシクロスポリン含有軟膏を製造した。
【0032】 シクロスポリン 1% オレイルアルコール 5% パラフィン 7% 流動パラフィン 11% ポリソルベート80 2% プロピレングリコール 残部比較例5 下記組成のシクロスポリン含有軟膏を製造した。
【0033】 シクロスポリン 1% オレイルアルコール 10% ワセリン 20% プロピレングリコール 残部比較例6 下記組成のシクロスポリン含有ゲルを製造した。
【0034】 シクロスポリン 1% オレイルアルコール 5% ポリオキシエチレン(160) ポリオキシプロピレン(30) グリコール 30% プロピレングリコール 残部比較実験 実施例1、2および比較例1〜6の組成物に対して参考
例と同様の方法で皮膚透過実験を行った。結果を表2に
示す。
【0035】
【表2】
【0036】表2より実施例1、2の組成物は比較例1
〜6の組成物に比べて、有意に皮膚透過性がよいことが
判る。
【0037】実施例3 下記組成のマクロライド系化合物含有軟膏を製造した。
【0038】 33−エピ−クロロ−33− デスオキシ−アスコマイシン 0.5% オレイルアルコール 5% ポリエチレングリコール4000 4.5% プロピレングリコール 残部比較例7 下記組成のマクロライド系化合物含有軟膏を製造した。
【0039】 33−エピ−クロロ−33− デスオキシ−アスコマイシン 0.5% オレイルアルコール 5% ステアリン酸 2% プロピレングリコール 残部比較例8 下記組成のマクロライド系化合物含有ゲルを製造した。
【0040】 33−エピ−クロロ−33− デスオキシ−アスコマイシン 0.5% オレイルアルコール 5% 軽質無水ケイ酸 5% プロピレングリコール 残部比較例9 下記組成のマクロライド系化合物含有軟膏を製造した。
【0041】 33−エピ−クロロ−33− デスオキシ−アスコマイシン 0.5% オレイルアルコール 5% パラフィン 7% ミリスチン酸イソプロピル 11% ポリソルベート80 2% プロピレングリコール 残部比較例10 下記組成のマクロライド系化合物含有ゲルを製造した。
【0042】 33−エピ−クロロ−33− デスオキシ−アスコマイシン 0.5% オレイルアルコール 5% ポリオキシエチレン(160) ポリオキシプロピレン(30) グリコール 30% プロピレングリコール 残部 実施例3および比較例7〜10の組成物に対して参考例
と同様の方法で皮膚透過性試験を行い、33−エピ−ク
ロロ−33−デスオキシ−アスコマイシンの皮膚透過量
を測定した。結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】表3より実施例3の組成物は比較例7〜1
0の組成物に比べて、有意に皮膚透過性がよいことが判
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】皮膚透過性試験を行う2−チャンバーセル装置
の図である。
【符号の説明】
1 ドナーフェーズ 2 レシーバーフェーズ 3 ヘアレスラットの皮膚 4 シンクロモーター 5 撹拌子 6 ジャケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 38/00 ADA 47/10 E 47/32 F 47/34 F

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロスポリン類またはマクロライド系
    化合物、オレイルアルコール、プロピレングリコールお
    よび増粘剤を含む局所適用薬剤組成物。
  2. 【請求項2】 増粘剤がカルボキシビニルポリマーであ
    る請求項1に記載の局所適用薬剤組成物。
  3. 【請求項3】 増粘剤がポリエチレングリコールである
    請求項1に記載の局所適用薬剤組成物。
JP7236758A 1994-09-16 1995-09-14 局所適用薬剤組成物 Pending JPH08133979A (ja)

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JP6-222031 1994-09-16
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