JPH0813311B2 - 悪性腫瘍等の治療用組成物および体外循環回路 - Google Patents

悪性腫瘍等の治療用組成物および体外循環回路

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JPH0813311B2
JPH0813311B2 JP1156160A JP15616089A JPH0813311B2 JP H0813311 B2 JPH0813311 B2 JP H0813311B2 JP 1156160 A JP1156160 A JP 1156160A JP 15616089 A JP15616089 A JP 15616089A JP H0813311 B2 JPH0813311 B2 JP H0813311B2
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blood
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mixing
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、悪性腫瘍等の治療用組成物および該治療に
用いられる体外循環回路に関する。
(従来の技術) 悪性腫瘍をはじめ自己免疫疾患、肝不全、DIC、高脂
血症などの難治性疾患の治療方法として「二重濾過血漿
分離交換法」(阿岸鉄三編集;医学書院、1984年)が提
案されている。この方法では、患者から連続的に血液を
抜きとり分離膜を用いて血漿と血球とに分離し、得られ
た血漿からさらに別の分離膜を用いて大分子量分画を除
去した後(アルブミン分画などの血漿蛋白は残され
る)、血球成分とあわせて該患者に返血が行われる。血
漿に含有される上記大分子量分画は、例えば担癌患者の
血液中に存在する種々の特異的・非特異的免疫抑制物質
であると考えられている。このような大分子量分画に属
する免疫抑制物質は、例えば、悪性腫瘍細胞表面が特異
抗原となって生成する抗体に、抗原、抗体、補体などの
種々の物質が結合して大きなマトリックスを形成した免
疫複合体であると考えられている。悪性腫瘍患者におい
ては、このような免疫抑制物質が原因となって免疫能が
低下し、かつこれらの物質をはじめとする諸因子が複雑
に絡み合う結果、腫瘍細胞が正常の状態の免疫監視機構
から逸脱して増殖・転移するのだとされている。そのた
め、上記方法のように大分子量分画を選択的に除くこと
により悪性腫瘍などの改善が行われる。しかし、このよ
うな免疫抑制物質を除去するという方法においては、積
極的に悪性腫瘍細胞を攻撃して壊死させるという効果は
得られない。さらに、分離膜を用いて大分子量分画を除
去する際に、生体にとって必要とされる血漿蛋白の一部
も除去されるおそれがある。
また、血液を処理することによる悪性腫瘍の改善例と
しては、この他報文「高張食塩で処理した担癌家兎血清
の静脈投与により得られた急性の腫瘍壊死」(山本剛
史、臨床免疫1986年6月号544〜547頁)が挙げられる。
この報文によれば、担癌家兎から得られる血漿を濃厚塩
化ナトリウム水溶液と混和した後、該塩化ナトリウム濃
度を希釈もしくは透析により低下した後、再び処理血清
を静脈注射により返血している。このような処理により
癌の縮小が確認されている。
また、この悪性腫瘍の治療方法は特開昭63−91330号
公報にも開示されている。すなわち、「(1)悪性腫瘍
を有する生体から得られた血漿もしくは血清を高張塩溶
液と接触させる工程、および(2)上記(1)の工程で
得られた血漿もしくは血清を前記生体と同一または同種
の生体内に投与する工程、を包含する悪性腫瘍の治療方
法。」 である。そして、この作用機序として、免疫複合体が変
性もしくは解離して抗腫瘍抗体の活性が回復することに
よるものとしている。更に、この発明者によって、この
治療に使用するための装置が特開昭63−102763号公報に
開示されている。
また、このような悪性腫瘍の治療方法として、特開昭
63−93730号公報には、血漿を処理する方法として、高
張塩ばかりでなく、酸性溶液で処理することも有効であ
ることが示されている。そして、この治療用の体外循環
回路として特開昭63−200768号公報が開示されている。
これらの治療(処理)装置(特開昭63−102763号)また
は体外循環回路(特開昭63−200768号)は、第6図に示
すように、生体から採取された血液から血漿を分離する
血漿分離手段と、分離された血漿を高張塩溶液などの処
理剤と接触させて処理する血漿処理手段と、処理された
血漿を生体内の環境に調整するための調整手段と、調整
された血漿と該血漿分離手段によって分離された血球成
分とを混合する混合手段と、混合されたものを生体内へ
還流させ得る還流手段とを備えたものであり、該混合手
段の上流側に調整手段が配置されている。
このような治療方法および装置(回路)は、悪性腫瘍
等の治療用として効果が大きいものであるが、常に完全
な治癒が期待できるレベルには到っていない。そのた
め、更に効果の大きいものが要求されている。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は上記従来の欠点を解決するものであり、その
目的とするところは、悪性腫瘍等の治療用組成物および
有効生体成分除去無しに、効果的に悪性腫瘍などを治療
しうる体外循環回路、さらに生体から採取された血液を
効率よく処理することにより簡便かつ安全に、連続した
方法で悪性腫瘍などを治療しうる上記体外循環回路を提
供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明の悪性腫瘍等の治療用組成物は、 生体から採取された血液から分離された血漿が、無機
塩溶液、有機塩溶液および酸性溶液でなる血漿処理液の
群から選ばれる少なくとも1種と接触処理されたもの
と、 該血液の血球成分とが混合された血液が、該生体内の
血液の塩濃度および/またはpHに調整されたものからな
るものであり、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の体外循環回路は、 1.生体から採取された血液から血漿を分離するための血
漿分離手段と、分離された血漿を、無機塩溶液、有機塩
溶液および酸性溶液でなる血漿処理液の群から選ばれる
少なくとも1種と接触させることにより処理する血漿処
理手段と、処理された血漿と該血漿分離手段によって分
離された血球成分とを混合する混合手段と、混合された
血液の塩濃度および/またはpHを該生体内の血液が有す
る値に調整するための調整手段と、調整された血液を該
生体内へ連続的もしくは断続的に還流させ得る還流手段
とを備えた回路からなり、該混合手段の下流側に該調整
手段が配置された体外循環回路、 2.前記血漿処理手段と前記混合手段の間に、逆流防止手
段を備えた前記1記載の体外循環回路であり、この回路
により上記目的が達成される。
本発明の回路は、例えば第1図に示すように血漿分離
手段1、血漿処理手段200(点線で囲まれた部分)、処
理血漿と血球成分の混合手段3、調整手段400、ポンプ6
1,62,63…などとチューブ71,72,73,74,75…などからな
る還流手段600を有する。
家兎5などの生体の動脈51などからの血液は、ポンプ
61、チューブ71などの還流手段600により血漿分離手段
1に送られ、血漿の一部が分離される。残りの血漿と血
球成分は、チューブ72を通り混合手段3へ送られる。一
方、分離された血漿はチューブ74を通り、ポンプ62によ
り、血漿処理手段200に供給され、ここで血漿処理液と
接触させられ、該混合手段3へ送られる。混合手段3に
て混合した血漿と血球つまり血液は次に、調整手段400
によって生体内の血液の塩濃度および/またはpHに調整
された後、ポンプ63、チューブ73などの還流手段600に
より静脈54より生体内に戻される。
生体の動脈51などや生体の静脈54などと、本発明の体
外循環回路との接続は、注射針などを使用して適宜行わ
れる。
血漿分離手段1としては、例えば中空糸タイプや遠心
分離タイプの血漿分離器などが使用可能であるが、望ま
しくは中空糸タイプのものが良い。
また、血漿処理手段200は血漿処理液貯槽21、ポンプ2
2、チューブ23および血漿処理用反応槽24、さらに必要
に応じてコック25で構成される。該処理液貯槽21は血漿
処理液が収容される。該反応槽24の容器形状は特に限定
はされない。箱型反応槽、シリンジ状反応槽、バッグ状
反応槽のほか血漿と血漿処理液とを効果的に接触させる
ために、例えば、スパイラル状反応器、コイル状反応
器、ループ状反応器も使用され得る。但し前三者につい
ては血漿処理手段200にコック25をつけるのが望まし
い。また、血漿と処理液の接触を良くするために、該反
応槽を転倒型ロッカープラットフォーム型の混合機にセ
ットしたり、あるいは容器内に攪拌器を備えるなども推
奨される。
血漿処理液としては、無機塩溶液、有機塩溶液および
酸性の溶液の内の少なくとも一種が用いられる。使用さ
れる無機塩には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化
マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸ナトリウム、
リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウ
ム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウムなどがある。有
機塩には、例えば、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリ
ウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ピロリン酸ナト
リウム、ピロリン酸カリウム、フタル酸ナトリウム、フ
タル酸カリウム、フマル酸ナトリウム、フマル酸カリウ
ム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、コハク酸ナト
リウム、コハク酸カリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリ
ウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウムがある。さらに、
「Goodの緩衝液」の成分として知られるPIPES−ナトリ
ウム、PIPES−カリウム、MOPS−ナトリウム、MOPS−カ
リウム、HEPES−ナトリウム、HEPES−カリウム、Tris−
塩酸塩、グリシン−塩酸塩、Tricine塩酸塩、TAPS−ナ
トリウム、TAPS−カリウム、CAPS−ナトリウム、CAPS−
カリウム、TES−ナトリウム、TES−カリウム、Bicine塩
酸塩などがある。上記無機塩および有機塩は、その対に
なる酸もしくは塩基もしくはその組合せによってpHを6.
0〜8.0の範囲で緩衝作用をもたせるか、適当な緩衝液を
用いてpH6.0〜8.0にすることが好ましい。これらの無機
塩もしくは有機塩は0.5M以上、好ましくは1〜4M程度の
水溶液(高張塩)とし、血漿1mlあたり0.1〜100ml、好
ましくは0.5〜30mlの割合で用いられる。
酸性溶液としては、塩酸、リン酸、酢酸、クエン酸な
どの通常の無機塩または有機酸水溶液が用いられ得、好
ましくは各種酸性の緩衝液が用いられる。酸性の緩衝液
としてはグリシン−塩酸緩衝液、クエン酸緩衝液、酢酸
緩衝液、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、フタル酸カリウ
ム−塩酸緩衝液などがある。上記酸性水溶液のpHは血漿
と混合したときに5.0以下、好ましくは3.5以下(通常10
-3モル以上)となるように調整される。
混合手段3としては、処理ずみ血漿と血球成分とを混
合し得るものであればいかなるものでもよい。特別の攪
拌手段を備えることは必須ではなく、単なる容器であっ
てもかまわない。好ましい例としては、通常の血液回路
に使用されるエアーチャンバーなどが挙げられる。ま
た、混合条件は血球に対して溶血や障害のでない条件を
予め定めておいてその範囲内で行わなくてはいけない。
調整手段400は、例えば、脱塩装置や希釈装置であ
り、血漿処理手段200において処理された結果高塩濃度
または低pHとなっている血液を、もとの生体内の血液の
塩濃度および/またはpHに適合させる機能を有する。脱
塩装置としては、透析装置、イオン交換器、ゲル濾過装
置などが用いられる。例えば、透析装置としては、中空
糸型の透析器などが適当である。また、イオン交換樹脂
を用いてNaClを除去するには、Na+を除く陽イオン交換
樹脂カラム及びCl-を除く陰イオン交換樹脂カラムが順
次配置される。ゲル濾過装置には、血液成分よりも遅れ
て溶出される塩を回路外に除去する送液路(図示せず)
が設けられる。これらの脱塩装置には、脱塩と共に脱水
する機能を備えた装置をつけ同時に除水することが好ま
しい。
また、回路の適当な場所に圧力検知器81,82,83などが
設けられるが、これらとしては、ピロー式圧力検知器な
どが例示される。
ところで、本回路においては、ポンプ61からチューブ
71、血漿分離手段1、チューブ72、混合手段3を通り、
調整手段400に達するまでの回路の部分(第1図におい
て、実線で囲んだ部分)が陽圧になりがちである。陽圧
状態になると、例えば濃厚塩化ナトリウムなどの処理液
で処理された血漿と血球成分との混合液が、チューブ75
を通って血漿処理用反応槽24側に逆流し、濃厚塩化ナト
リウムなどの処理液と接触することにより、血球成分に
障害が起こる恐れがある。これを避けるために、血漿処
理手段200を混合手段3の間に、第2図に示すたように
逆流防止手段9を備えることが好ましい。
逆流防止手段9としては、市販の各種の逆流防止弁が
使用可能であり、特には限定されない。例えば、第3図
に示したような鴨のくちばし型のものが良い。第3図に
おいて、91はハウジング、92は弁本体、93は接続チュー
ブであり、ハウジング91内に装着される弁本体92は、第
4図に示すように、筒部94の先端部に先端側が尖った弁
部95を延設すると共に、筒部94の基端部にフランジ98を
設けて構成されている。弁部95は対向する一対の傾斜片
96,96を有し、両傾斜片96,96の先端に両傾斜片96,96間
を離間可能な切り口97が設けられている。弁本体92はゴ
ム、可撓性プラスチック等の弾性な材料で形成されてお
り、一対の傾斜片96,96の内面に所定圧力以上の溶液が
作用した際には、両傾斜片96,96の先端部がその液体の
圧力で押されて外側へ変形することで切り口97が開口
し、その切り口97を通して液体が通過できるようになっ
ている。また、一対の傾斜片96,96の内面側に作用する
液体の圧力が所定圧力未満の時には、両傾斜片96,96の
先端部は変形することなく切り口97は閉塞した状態であ
って液体はこの弁本体92を通過することはできないもの
である。このような型式の逆流防止弁としては、発売
元:大塚製薬株式会社、製造減:日本医工株式会社の逆
流防止弁(商品名:大塚輸液セットPG−A)などが例示
される。
この他の型式の逆流防止弁、例えば人工弁として用い
られているボール弁、円盤弁等も使用できる。
(作用) この回路は、混合手段の下流側に調整手段が配置され
ているので、処理済み血漿と血球成分との混合物は調整
回路に達するまでは、依然として高濃度の処理液にさら
される。従って、血液の液体成分ばかりでなく血球成分
も処理されることになる。この回路を使用して治療する
と、調整手段が混合手段の上流に配置されているものに
比し、より効果的に治療可能である。このように、従来
の回路よりも更に高い効果が得られることの作用機序に
ついては不明であるが、多分、血球成分を刺激すること
により、非特異的な免疫賦活作用が促進され、抗腫瘍性
が高まったものであろう。
(実施例) 以下に本発明の実施例および実施例をあげ、さらに説
明する。
実施例1 第5図に示した回路を使用し、血球成分と高濃度NaCl
溶液が接触した際の血球の溶血および血球像について観
察した。
第5図において、血液バッグ50には家兎より採取した
新鮮ヘパリン加血200ml、血漿処理液貯槽21には3M NaC
l水溶液をいれた。ポンプ61を作動し、血漿分離器(旭
メディカル社:AM−03)1へ10ml/minの速度で血液を導
き、血漿分離させた。血漿と血漿処理液を、それぞれポ
ンプ62および22によって、共に2.5ml/minの速度で、血
漿処理用反応槽24(血液バック:テルモ分離バックテル
フレックス150ml,テルモ社)へ流入させた。コック25
は、この際閉じておいた。また、血漿分離器1を素通り
した濃縮血球成分はチェンバー31にプールした。
血漿分離開始から20分後に、ポンプ61,62,22を止め
た。
更に10分後に、コック25を開け、濃縮血球成分とNaCl
処理ずみ血漿を、それぞれポンプ63,64で7.5ml/minと5m
l/minの速度でチェンバー32に流入させ混合した。混合
開始から10,20,30分後に、チャンバー32よりサンプリン
グし、その塩素イオン濃度の測定、血球像顕微鏡観察、
更に遠心分離(1000G)し、その上清の観察およびOD415
nmの測定を行った。塩素イオン濃度は、イオンクロマト
(DEIONEX社)で測定した。その結果いずれも塩素イオ
ン濃度は24.85g/(塩化ナトリウム濃度で0.7M)であ
り、血球像や上清の観察およびOD415nmは表1に示すよ
うな結果を得た。これより混合後20分までならば溶血は
起こらず、この方法で血球と処理ずみ血漿を混合するこ
とが可能であることが分かった。
実施例1−1 家兎20羽の背部皮下に可移植性癌VX2を移植した。15
日目には約2cm×2cmの腫瘍が触診で見つかった。16日目
に5羽の家兎について、第1図の体外循環回路を用いて
投与実験を行った。
第1図において、各ポンプ61,62,22,63にはファルマ
シア社ペリスターポンプを使用した。チューブ71,72,7
3,74,75,23には滅菌済み塩化ビニルチューブを用いた。
血漿分離手段1には血漿分離器Microflo Tipe H−2
(旭メディカル社)を用いた。血漿処理液貯槽21には蒸
気滅菌済み3M NaCl水溶液をいれた。反応槽24には、血
液バック(テルモ分離バックテルフレックス150ml,テル
モ社)を使用した。混合手段3には、通常のエアーチャ
ンバーを混合器として使用した。調整手段400には、前
記のMicroflo Tipe H−2のハウジングを使用し、プラ
ズマフローAP−03H(旭メディカル社)の中空糸部分を
充填したものを、透析器として使用した。この際、透析
外液を含む系を陰圧にして除水も同時に行えるようにし
た。
体外循環を行う前に、チューブ23については、3M Na
Cl水溶液にてプライミングを行ない、血漿処理液貯槽2
1、チューブ23、反応槽24を除く全回路は、ヘパリン含
有生理食塩水にてプライミングを行った。家兎耳介動脈
51より、ポンプ61にて5ml/minで血液を回路に導いた。
ヘパリン供給器52からヘパリン(血液凝固阻止剤)を0.
3ml/minにて添加した。血漿のポンプ62、血漿処理液の
ポンプ22は1ml/minにて動作させ、それぞれを反応槽24
に導入した。コック25は、予め閉鎖しておき、血漿分離
開始から30分後にコック25を開け、反応済みの血漿と血
球成分を混合器3にて血球成分と合流させた。なお、コ
ック25を開けた時、混合器3から血球成分が、反応槽24
側に逆流するのがみられた。全血状態で透析器400に
て、透析外液として生理食塩水を100ml/minにて使用し
て、透析と除水(1ml/min)を行なった後、ヘパリンを
中和するためにプロタミン供給器53からプロタミンを加
え、反応側の耳介静脈54を返血した。合流してから返血
までの時間は約12分であった。投与実験終了後、家兎の
観察を続け、腫瘍を移植してからの平均生存日数を求め
たところ表2の結果を得た。
実施例1−2 実施例1−1のVX2を移植した20羽の家兎のうち、実
施例1−1の投与実験に使用しなかったもののうちの5
羽について、第1図の体外循環回路の代わりに、逆流防
止手段がセットされた第2図の体外循環回路を使用した
こと以外は、実施例1−1と同様にして投与実験を行な
い平均生存日数を求めた。逆流防止手段9としては、第
3図に示した逆流防止弁を使用した。この実験の結果も
表2に示した。
比較例1−1 実施例1−1のVX2を移植した20羽の家兎のうち、実
施例1−1,1−2の投与実験に使用しなかったもののう
ちの5羽について、回路を用いた投与実験をせずに観察
を続け、腫瘍を移植してからの平均生存日数を求めた。
この結果も表2に示した。
比較例1−2 実施例1−1のVX2を移植した家兎のうち、実施例1
−1,1−2および比較例1−1に使用しなかった5羽に
ついて、16日目に第6図に示した通りの従来法の体外循
環回路で投与実験を行った。すなわち、処理ずみ血漿を
調整(透析)してから血球成分と混合する方法である。
第6図において、ポンプ61,62,63,22を、チューブ71,
72,73,74,75,23、血漿分離手段1、血漿処理用反応槽2
4、混合手段3および調整手段400は、実施例1−1と同
じものを使用した。血漿処理液貯槽21には実施例1−1
と同様に、蒸気滅菌済み3M NaCl水溶液をいれた。
体外循環を行う前に、チューブ23については、3M Na
Cl水溶液にてプライミングを行ない、血漿処理液貯槽2
1、チューブ23、反応槽24をのぞく全回路は、ヘパリン
含有生理食塩水にてプライミングを行った。家兎耳介動
脈51より、ポンプ61にて5ml/minで血液を回路に導い
た。ヘパリン供給器52からヘパリンを0.3ml/minにて添
加した。血漿のポンプ62、血漿処理液のポンプ22は1ml/
minにて動作させ、それぞれを反応槽24に導入した。コ
ック25は、予め閉鎖しておき、血漿分離開始から30分後
に開けた。
次に透析器400にて、透析外液として生理食塩水を100
ml/minにて使用して透析と除水(1ml/min)を行った。
透析後、血漿を混合器3にて血球と混合させた後、プロ
タミン供給器53からプロタミンを加え、反対側の耳介静
脈54に返血した。
投与実験終了後、家兎の観察を続け、腫瘍を移植して
からの平均生存日数を求めた。この結果も表2に示し
た。
この結果、処理された血漿成分と血球成分を混合した
後に、生体内の環境に調整した実施例1−1および1−
2においては、平均生存日数が延びることが分った。逆
流防止弁を使用した実施例1−2においては、平均生存
日数が特に延びていた。
実施例2−1 実施例1−1において、血漿処理液として、3M NaCl
水溶液の代わりに3Mクエン酸ナトリウム水溶液を使用し
たこと以外は、実施例1−1と同様にして実験し、平均
生存日数を求めた。その結果を表3に示した。
実施例2−2 実施例1−2において、血漿処理液として、3M NaCl
水溶液の代わりに3Mクエン酸ナトリウム水溶液を使用し
たこと以外は、実施例1−2と同様にして実験し、平均
生存日数を求めた。その結果を表3に示した。
比較例2−1 実施例2−1のVX2を移植した20羽の家兎のうち、実
施例2−1,2−2の投与実験に使用しなかったもののう
ちの5羽について、回路を用いた投与実験をせずに観察
を続け、腫瘍を移植してからの平均生存日数を求めた。
この結果も表3に示した。
比較例2−2 実施例2−1のVX2を移植した家兎のうち、実施例2
−1,2−2および比較例2−1に使用しなかった5羽に
ついて、3M NaCl水溶液の代わりに、3Mクエン酸ナトリ
ウム水溶液を使用したこと以外は、比較例1−2と同様
にして実験し、腫瘍を移植してからの平均生存日数を求
めた。この結果も表3に示した。
この結果、実施例2−1および2−2においては平均
生存日数が延びることが分った。逆流防止弁を使用した
実施例2−2においては、平均生存日数が特に延びてい
た。
実施例3−1 実施例1−1において、血漿処理液として、3M NaCl
水溶液の代わりに0.15M NaCl含有0.1M酢酸水溶液を使用
したこと以外は、実施例1−1と同様にして実験し、平
均生存日数を求めた。その結果を表4に示した。
実施例3−2 実施例1−2において、血漿処理液として、3M NaCl
水溶液の代わりに0.15M NaCl含有0.1M酢酸水溶液を使用
したこと以外は、実施例1−1と同様にして実験し、平
均生存日数を求めた。その結果を表4に示した。
比較例3−1 実施例3−1のVX2を移植した20羽の家兎のうち、実
施例3−1,3−2の投与実験に使用しなかったもののう
ちの5羽について、回路を用いた投与実験をせずに観察
を続け、腫瘍を移植してからの平均生存日数を求めた。
この結果も表4に示した。
比較例3−2 実施例3−1のVX2を移植した家兎のうち、実施例3
−1,3−2および比較例3−1に使用しなかった5羽に
ついて、3M NaCl水溶液の代わりに、0.15M NaCl含有
0.1M酢酸水溶液を使用したこと以外は、比較例1−2と
同様にして実験し、腫瘍を移植してからの平均生存日数
を求めた。この結果も表4に示した。
この結果、実施例3−1および3−2は平均生存日数
が延びることが分った。逆流防止弁を使用した実施例3
−2は、平均生存日数が特に延びていた。
(発明の効果) このように、混合手段の下流側に調整手段が配置され
ているので、血漿成分ばかりでなく血球成分も刺激さ
れ、より効率的に悪性腫瘍などの治療がなされる。
また、血漿処理手段と混合手段の間に、逆流防止手段
を設けることによって、血球成分の溶血又は損傷が防止
され、より効率的に悪性腫瘍などの治療がなされる。
患者の血液を処理し、返血するというのが基本的な操
作であるため、患者の身体に外科手術のような負担を与
えず、処理中に血漿蛋白が失われることが殆どなく、し
かも外部の環境と遮断された回路であるため雑菌などの
混入がなく安全である。
本回路を用いて、手術を行うことの難しい患者や抗癌
剤投与の不適切な悪性腫瘍患者の治療が、連続的かつ効
果的になされ得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の回路の1例を示す説明図、第2図
は、本発明の回路の他の例を示す説明図、第3図は、逆
流防止弁の1例を示す正面図、第4図(a)(b)
(c)は逆流防止弁の弁本体の一部破断正面図、底面
図、側面図、第5図は、本発明の実施例の装置を示す説
明図、第6図は、従来の回路の1例を示す説明図であ
る。 1……血漿分離手段、3……混合手段、5……家兎、9
……逆流防止手段、21……血漿処理液貯槽、24……血漿
処理用反応槽、25……コック、22,61,62,63……ポン
プ、23,71,72,73,74,75……チューブ、200……血漿処理
手段、400……調整手段、600……還流手段。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生体から採取された血液から分離された血
    漿が、無機塩溶液、有機塩溶液および酸性溶液でなる血
    漿処理液の群から選ばれる少なくとも1種と接触処理さ
    れたものとを、該血液の血球成分とが混合された血液
    が、該生体内の血液の塩濃度および/またはpHに調整さ
    れたものからなる悪性腫瘍等の治療用組成物。
  2. 【請求項2】生体から採取された血液から血漿を分離す
    るための血漿分離手段と、分離された血漿を、無機塩溶
    液、有機塩溶液および酸性溶液でなる血漿処理液の群か
    ら選ばれる少なくとも1種と接触させることにより処理
    する血漿処理手段と、 処理された血漿と該血漿処理手段によって分離された血
    球成分とを混合する混合手段と、 混合された血液の塩濃度および/またはpHを該生体内の
    血液が有する値に調整するための調整手段と、 調整された血液を該生体内へ連続的もしくは断続的に還
    流させ得る還流手段とを備えた回路からなり、 該混合手段の下流側に該調整手段が配置されることを特
    徴とする体外循環回路。
  3. 【請求項3】前記血漿処理手段と前記混合手段の間に、
    逆流防止手段を備えることを特徴とする請求項2記載の
    体外循環回路。
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