JPH0812799B2 - 粒子加速器のマルチパクタリング防止構造 - Google Patents

粒子加速器のマルチパクタリング防止構造

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JPH0812799B2
JPH0812799B2 JP63002065A JP206588A JPH0812799B2 JP H0812799 B2 JPH0812799 B2 JP H0812799B2 JP 63002065 A JP63002065 A JP 63002065A JP 206588 A JP206588 A JP 206588A JP H0812799 B2 JPH0812799 B2 JP H0812799B2
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electric field
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康行 宮内
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石川島播磨重工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、シンクロトロンなどの粒子加速器におけ
るマルチパクタリングを防止する構造に関し、高周波加
速洞のカップラー部をDCカット状態で結合しバイアス電
圧を印加してマルチパクタリングを防止するようにした
ものである。
[従来の技術] 素粒子の研究や原子核実験、あるいは放射性同位元素
の製造などのため粒子加速器が使用されることがある。
この粒子加速器の一つに例えば、シンクロトロンがあ
り、その概略構造は、第4図に示すように、環状のビー
ムダクト1を備えており、周囲に電磁石2が配置され、
入射器3によって入射された電子を電磁石2によって形
成される磁場によって一定の周軌道をとらせながら電子
の回転周期に同期した高周波電界で加速するようになっ
ており、加速された電子は射出部4より取り出されて所
要の目的に使用される。
このようなシンクロトロンでは、電子の軌道が曲げら
れると、光を出してエネルギーを失うため外部からエネ
ルギーを与えて加速するようにしなければならない。
このためビームダクト1の途中に高周波加速洞5が設
置されており、第5図に示すように、電子の回転周期に
共鳴しうる空洞(共鳴筒)6がビームダクト1を構成す
る管7の分断部に配置され、分断部に設けた内部導体8
及びその先端の加速ギャップ部9から形成されている。
そして、空洞6の底部にマイクロ波を導入するための導
波管10が接続され、この導波管10にカップラー部11を構
成する内軸12が中心部に挿通され、カップラー部11の上
端が空洞6に電気的に接地されている。また、この導波
管10の内軸12と外管13の間には、高真空状態の空洞6内
と空気とを仕切るためおよび電気絶縁のためセラミック
ウインド14が取り付けてある。
したがって、導波管10のカップラー部11により空洞6
内に導かれた高周波による磁界と空洞6内の磁界が共鳴
することによりエネルギーが入っていき、空洞6内に磁
界ができ電荷がたってこれにより軸心に沿って走る電子
は加速ギャップ部9,9間を通過する際に加速される。
[発明が解決しようとする課題] このような高周波加速洞5に設けられた導波管10で
は、電界の周期によって同心状の2つの電極12,13に衝
突する電子により二次電子が発生し、この二次電子が雪
崩れ的に発生することによる電流が流れる現象であるマ
ルチパクタリング放電が発生してしまう。
このマルチパクタリング放電が発生すると、導波管10
から送り込まれるマイクロ波が反射されてしまい加速用
のエネルギーが有効に利用できなくなるとともに、真空
遮断用のセラミックウインド14が高温になり、微細なク
ラックが発生するなどの問題がある。
また、粒子加速器において高真空状態が破壊される
と、そのままでは運転ができなくなってしまうという問
題もある。
この発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされ
たもので、マルチパクタリングによってセラミックウイ
ンドなどにクラックが生じ真空破壊を起こすことがな
く、加速用のエネルギーを有効に利用でき、安全かつ安
定した運転を行うことができる粒子加速器のマルチパク
タリング防止構造を提供しようとするものである。
[課題を解決するための手段] 上記問題点を解決するためこの発明の粒子加速器のマ
ルチパクタリング防止構造は、粒子を加速する高周波加
速洞が設けられた粒子加速器において、高周波加速洞に
マイクロ波導入用のカップラー部を絶縁性セラミックを
介装して直流分をカットするように結合するとともに、
このカップラー部に直流分をカットした状態でマイクロ
波を送る一方、このカップラー部にカップラー部に生ず
る高周波電界より強い直流電界を印加したことを特徴と
するものである。
[作用] 粒子加速器の高周波加速洞にマイクロ波導入用のカッ
プラー部を直流分をカットするように結合しておき、こ
のカップラー部にマイクロ波による高周波電界よりも強
い直流電界を印加するようにしており、カップラー部で
発生する二次電子の移動を阻止するよう二次電子を直流
電界によって吸収することでマルチパクタリングを防止
するようにしている。
[実施例] 以下、この発明の一実施例を図面に基づき詳細に説明
する。
第1図はこの発明の粒子加速器のマルチパクタリング
防止構造の一実施例にかかる概略構成図である。
このマルチパクタリング防止構造では、マルチパクタ
リングが二次電子の移動によって起ることから、この二
次電子を吸収するようにするが、マイクロ波導入用の導
波管10に孔を開けるようにすると軸対象な磁場がくずれ
たり、この孔から挿入した電極を介してマイクロ波が外
部に洩れることとなり、エネルギーのロスが生じるとと
もに、装置周辺の実験者などが危険にさらされるという
ことがある。
そこで、導波管10の途中を分岐し、この部分に導波管
10と同様な同軸管15を接続し、この同軸管15にセラミッ
クウインド14が取り付けてあり、空洞6内と仕切るよう
になっている。なお、セラミックウインド14を導波管10
の先端部付近に設けるようにしても良い。
また、導波管10の先端部に設けられるカップラー部11
は、直流分をカットし、高周波分は導通するように容量
性の接続となっており、具体的には、第2図に示すよう
に、導波管10の先端部外周に絶縁性のセラミックで作ら
れた円筒体16が嵌合され、その外側に導波管10の外管13
が接地されるとともに内軸12と接続され、カップラー部
11は、セラミックの円筒体16を挾んだ形で接続され、コ
ンデンサを介して接続されたのと同じ状態になってい
る。そして、外管13はセラミックウインド14の下側で切
断されて隙間が形成され、外周の導電性リングで連結さ
れて直流電圧を印加できるようにしてあり、内軸12につ
いても同様の構造とされて直流電圧を印加できるように
してある。
さらに、導波管10の基端部に接続されるマイクロ波源
17、例えばクライストロンや送信管との間も直流分をカ
ットした状態で接続するため導波管10の途中の同軸管15
よりも基端側にDCカットモジュール18が介装され、マイ
クロ波のみを送ることができるようになっている。な
お、マイクロ波源17自体にDCカットの機能がある場合に
は、特にこのDCカットモジュール18を介装する必要はな
い。
このように高周波加速洞5の空洞6にたして容量的に
接続された同軸管15の基端部には、直流電源19が接続さ
れ、例えば内軸12がプラス側とされ、外管13がマイナス
側となっている。この直流電源19による電圧は、粒子の
加速のためマイクロ波源17から供給される高周波の電圧
よりも高い電圧を印加できるようになっている。
このように構成された粒子加速器のマルチパクタリン
グ防止構造によれば、粒子の加速のために必要なマイク
ロ波は、マイクロ波源17から導波管10を介してカップラ
ー部11に送られ、DCカットモジュール18やDCカット構造
のカップラー部11があっても、高周波であるので何等関
係なく、高周波電界を誘導形成する。
一方、カップラー部11に同軸管15を介してマイクロ波
の高周波の電圧より高い直流電圧が直流電源19を介して
印加してあるので、導波管10のカップラー部11の内軸12
を常にプラス側に保持することができ、空間中にある二
次電子を全て吸収することができ、電子の流れを阻止し
てマルチパクタリングを防止できる。
したがって、マルチパクタリング放電がなくなり、セ
ラミックで形成したセラミックウインド14が高温になっ
たり微細なクラックを生じることがなく、真空リークの
原因となることがない。
次に、第3図により直流分をカットして結合する場合
の他のカップラー部11に構造について説明する。
このカップラー部11では、マイクロ波の通過効果を上
げるためには、DCカット部分の静電容量を大きくするこ
とが有効であることから、導波管10の外管13の外側に嵌
合したセラミック製の円筒体16に変えてセラミックを直
接薄膜20として形成するようにしている。
このセラミックの薄膜20を形成する方法としては、例
えばCVD法や溶射法やその他の薄膜形成法を用いる。
こうしてセラミックを薄膜20にすることで、内軸12と
外管13との極板間隔を小さくすることができ、容量性結
合率を所定の値にすることができる。
なお、上記実施例では、導波管の内軸をプラス側にす
るよう直流電圧を印加するようにしたが、逆に内軸をマ
イナス側にするよう直流電圧を印加するようにしても良
い。
[発明の効果] 以上、実施例とともに具体的に説明したようにこの発
明の粒子加速器のマルチパクタリング防止構造によれ
ば、粒子加速器の高周波加速洞にマイクロ波導入用のカ
ップラー部を直流分をカットするように結合しておき、
このカップラー部にマイクロ波による高周波電界よりも
強い直流電界を印加するようにしたので、カップラー部
で発生する二次電子の移動を阻止するよう二次電子を直
流電界によって吸収することができき、マルチパクタリ
ングの発生を防止することができる。
したがって、真空封じ用のセラミックウインドにクラ
ックが生じたり、高温になることが防止される。
また、同軸の導波管に同軸管を分岐して取り付け、こ
の部分から直流電圧を印加するようにすれば、マイクロ
波がもれるようなことがなく、安全に粒子加速器を運転
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図はこの発明の粒子加速器のマルチパクタ
リング防止構造にかかり、第1図は一実施例の概略構成
図、第2図は一実施例のカップラー部の拡大断面図、第
3図は他の実施例のカップラー部の拡大断面図、第4図
および第5図はこの発明の適用対象の一例にかかるシン
クロトロンの全体説明図および高周波加速洞の断面図で
ある。 1:ビームダクト、2:電磁石、3:入射器、4:射出部、5:高
周波加速洞、6:空洞、7:管、8:内部導体、9:加速ギャッ
プ部、10:導波管、11:カップラー部、12:内軸、13:外
管、14:セラミックウインド、15:同軸管、16:円筒体、1
7:マイクロ波源、18:DCカットモジュール、19:直流電
源、20:セラミックの薄膜。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒子を加速する高周波加速洞が設けられた
    粒子加速器において、高周波加速洞にマイクロ波導入用
    のカップラー部を絶縁性セラミックを介装して直流分を
    カットするように結合するとともに、このカップラー部
    に直流分をカットした状態でマイクロ波を送る一方、こ
    のカップラー部にカップラー部に生ずる高周波電界より
    強い直流電界を印加したことを特徴とする粒子加速器の
    マルチパクタリング防止構造。
JP63002065A 1988-01-08 1988-01-08 粒子加速器のマルチパクタリング防止構造 Expired - Lifetime JPH0812799B2 (ja)

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実験物理学講座28「加速器」新版(昭57年)共立出版株式会社P.18−19

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