JPH0812772B2 - 光電子増倍管 - Google Patents

光電子増倍管

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JPH0812772B2
JPH0812772B2 JP62089607A JP8960787A JPH0812772B2 JP H0812772 B2 JPH0812772 B2 JP H0812772B2 JP 62089607 A JP62089607 A JP 62089607A JP 8960787 A JP8960787 A JP 8960787A JP H0812772 B2 JPH0812772 B2 JP H0812772B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ガンマカメラなどに用いられ、光電陰極に
入射する光入力信号をそのエネルギーに対応した電流に
変換する光電子増倍管に関する。
〔従来の技術〕
従来、光電陰極に入射する光入力信号によって光電陰
極から放出される光電子を第1段ダイノードに入射させ
て二次電子を放出させ、さらに二次電子を第2段ダイノ
ード以後のダイノード列によって増倍させてアノード電
極から信号電流として取出す光電子増倍管が知られてい
る。この種の光電子増倍管では、光電陰極の有効領域を
広くするために、光電陰極の種々の位置に入射した光入
力信号をこれらの入射位置に依存せずに一様に増倍して
アノード電極から取出すことのできるような構造になっ
ているのが望ましい。すなわち光電陰極に焦点に合わさ
れた一定の強度の光入力信号を光電陰極の種々の位置に
入射させ光電陰極を走査したときに得られるアノード電
極からの信号電流は、一様であるのが望ましい。
このために、従来の光電子増倍管では、例えば特公昭
55−30663号に開示されているように、光電陰極からの
光電子が入射する第1段ダイノードの電子放出部の断面
形状を、互いに逆向きに弯曲した複数個の相連なる部分
によって形成された事実上起伏のあるものとし、第2段
ダイノード以後のダイノード列を鳥かご型あるいは千鳥
型のものとしている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
第1段ダイノードの電子放出部の断面形状が互いに逆
向きに弯曲した複数個の相連なる部分を有する上記従来
の光電子増倍管は、第2段ダイノード以後のダイノード
列を鳥かご型あるいは千鳥型のものにする場合には確か
に、光電陰極の入射位置に依らずに、アノード電極から
の信号電流を一様なものとすることができる。
しかしながら、光電子を案内するための受口を設けた
り、あるいは上記第1段ダイノードを箱型のダイノード
列と組合わせて使用する場合には、第1段ダイノードに
入射する光電子の位置によってアノード電極からの信号
電流が変化し、信号電流の一様性が損なわれることが確
認された。
第6図(a)は従来の光電子増倍管の部分概略断面
図、第6図(b)は第6図(a)に示す光電子増倍管の
光電陰極に代えて、第1段ダイノード上を電子ビームで
走査できる電子銃を設けた試験用電子管において、紙面
に沿って、電子ビームで第1段ダイノードを走査したと
きのアノード電極の信号電流を示す図、第6図(c)は
第6図(a)に示す光電子増倍管を用いて測定された光
電陰極の走査位置に対するアノード電極の信号電流を示
す図である。
なお、第6図(b)は、図示しないが、試験用電子管
をXYステージ上に配置し、試験用電子管の各電極に所定
の電圧を印加し、さらに固定した電子銃から直径0.1mm
の電子ビームを第1段ダイノードに入射させるようにし
た状態で、XYステージをパルスモータによって移動さ
せ、第1段ダイノードへの電子ビームの入射位置を少し
づつずらしながらアノード電極からの信号電流を測定し
たものである。この測定結果はX−Yプロッタに表示さ
れる。
第6図(a)に示す従来の光電子増倍管には、浜松ホ
トニクス製光電子増倍管R1307が用いられた。この光電
子増倍管は、光電陰極(図示せず)からの光電子を集束
する集束電極50と、電子放出部51を備えた第1段ダイノ
ード52と、箱型のダイノード列すなわち第2段ダイノー
ド53以後のダイノード列(第2段ダイノード乃至第8段
ダイノード)とを有している。第1段ダイノード52の電
子放出部51は、互いに逆向きに弯曲した複数個の相連な
る部分51a,51b,51c,51d,51eを有している。
このような構造の従来の光電子増倍管の光電陰極に、
光点を入射させて、光電陰極の各位置を走査すると、光
電陰極からの光電子は、それぞれ、集束電極50によって
集束されて、第1段ダイノード52に入射する。第1段ダ
イノード52から放出される二次電子は、第2段ダイノー
ド53以後のダイノード列により増倍されてアノード電極
(図示せず)から信号電流として取出される。
ところで、電子放出部51の部分51cは、光電子増倍管
の管軸A−A上にほぼ位置し、部分51cの表面は、光電
子増倍管の管軸A−Aに対してほぼ垂直となっているた
めに、この部分51cに入射した光電子によって放出され
る二次電子は、第2段ダイノード53に向かわない。また
電子放出部51の部分51eの表面は、傾斜が急になってい
るために、この部分51eに入射した光電子によって放出
される二次電子は、第2段ダイノード53を飛び越えて、
第3段ダイノード54に入射するようになる。
第6図(a)に示す光電子増倍管の光電陰極に代えて
第1段ダイノード52の電子放出部51上を電子ビームで走
査できる電子銃を設けた試験用電子管(図示せず)にお
いて、紙面に沿って第1段ダイノード52の電子放出部51
を電子ビームで直接走査すると、アノード電極からは第
6図(b)のような信号電流が出力される。第6図
(b)からわかるように電子放出部51の部分51a,51b,51
dのところでは、アノード電極の信号電流は大きいが、
部分51c,51eのところでは、アノード電極の信号電流が
小さくなる。
また、第6図(a)に示す光電子増倍管の光電陰極を
光によって走査すると、アノード電極からの信号電流
は、第6図(c)に示すような結果となる。第6図
(c)において、アノード電極の信号電流は、理想的に
は、一様なものでなければならないが、実際には、一様
性が損なわれている。第6図(b)と第6図(c)とを
比較すれば明らかなように、第6図(c)において光電
子増倍管の光電陰極を光によって走査したときのアノー
ド電極の信号電流の非一様性は、第1段ダイノード52の
電子放出部51の各部分51a乃至51eのいずれの部分に光電
子が入射するかということと強い相関がある。すなわ
ち、アノード電極からの信号電流は、第1段ダイノード
52の電子放出部51の部分51c,51eに光電子が入射すると
きには、小さなものとなると推測される。このように、
第6図(a)に示す光電子増倍管では、アノード電極か
らの信号電流は光電子が第1段ダイノード52の電子放出
部51のどの位置に入射するかによって異なるという問題
があった。
さらに、光電陰極からの光電子の軌道は地磁気の影響
を受けるので、光電子増倍管の向きを変えるごとに、第
1段ダイノードへの入射位置が変化し、アノード電極か
らの信号電流が変動することが確認された。
第7図は、第6図(a)に示す構造の従来の光電子増
倍管を用いて、アノード電極からの信号電流の地磁気に
よる変化を電流計によって測定した結果を示している。
なお、第7図の測定に際して、図示しないが、光電子
増倍管および光源は、磁気シールドされた暗箱内に設け
られた磁束発生器すなわちコイル内の磁束が均一となる
位置に配置されている。また光源は、光電子増倍管の光
電陰極に均一に光が入射するように配置されている。第
7図の測定では、コイルに電圧を印加し、磁束を地磁気
と同程度の0.4ガウスに設定している。
光電子増倍管の管軸を“北”の方位に相当する磁束の
方向に最初設定し、“西”、“南”、“東”の方位に相
当する磁束の方向に、光電子増倍管の向きを順次に変え
ると、アノード電極の信号電流もそれにつれて順次に変
化する。第7図では信号電流は、光電子増倍管の管軸が
“西”の方位に相当する磁束の方向に向いたときに最も
小さく“東”の方位に相当する磁束の方向に向いたとき
に最も大きくなる。信号電流のこの変化幅W1を同じ種類
の種々の光電子増倍管を用いて測定し、その平均値W1
求める。浜松ホトニクス製光電子増倍管R1307を13本用
いて変化幅W1を繰返し測定しその平均値W1を求めた結果
は、“7.4"パーセントであった。
このような磁束の方向による信号電流の大きな変化の
原因は、磁束の方向に依存して光電陰極から放出された
光電子の軌道が影響を受け第1段ダイノードへの入射位
置が変化し、第6図(b)に示した試験用電子管の信号
電流特性から理解できるように、第1段ダイノードへの
入射位置の変化に対応してアノード電極からの信号電流
が変化することによる。
このために従来の光電子増倍管を例えばガンマカメラ
などに用いる場合には、その設置方位により信号電流の
大きさが変化するので、撮像した画像に歪みが生ずると
いう問題があった。
本発明は、ダイノード列に箱型のものを用いた場合で
も第1段ダイノードへの光電子の入射位置に依らずに一
様な信号電流を得ることができると同時に、地磁気の影
響を受けにくい構造の光電子増倍管を提供することを目
的としている。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、光電陰極と、光電陰極からの光電子を第1
段ダイノードへ案内するための漏斗型の受口と、光電陰
極から放出された光電子の入射によって二次電子を放出
する第1段ダイノードと、第1段ダイノードから放出さ
れる二次電子を増倍するダイノード列と、ダイノード列
によって増倍された二次電子を信号電流として取出すア
ノード電極とを備え、前記第1段ダイノードは、管軸と
交差し管軸と表面が鋭角をなすように配置される第1の
平面状電子放出部分(20b)と、該第1の平面状電子放
出部分(20b)の一方の端縁に相連なり、管軸に対して
表面がほぼ直角となるように配置される第2の平面状電
子放出部分(20a)と、前記第1の平面状電子放出部分
(20b)の他方の端縁に相連なり、管軸に対して全表面
が鋭角をなすように配置される第3の曲面状電子放出部
分(20c)と、第3の曲面状電子放出部分(20c)の前記
第1の平面状電子放出部分(20b)とは反対の側の端縁
に相連なり、管軸に対して表面が鋭角をなすように配置
される第4の平面状電子放出部分(20d)との4つの電
子放出部分からなり、4つの各電子放出部分(20a),
(20b),(20c),(20d)は、互いに同じ向きに湾曲
して相連なっていることを特徴とする光電子増倍管によ
って、上記従来技術の問題点を改善するものである。
〔作用〕
本発明では、光電陰極から放出された光電子が漏斗型
の受口に沿った軌道で第1段ダイノードの電子放出部に
入射すると、電子放出部からは二次電子が放出される。
ところで電子放出部は、管軸と交差し管軸と表面が鋭角
(すなわち90゜よりも小さい角度)をなすように配置さ
れる第1の平面状電子放出部分(20b)と、該第1の平
面状電子放出部分(20b)の一方の端縁に相連なり、管
軸に対して表面がほぼ直角となるように配置される第2
の平面状電子放出部分(20a)と、前記第1の平面状電
子放出部分(20b)の他方の端縁に相連なり、管軸に対
して全表面が鋭角をなすように配置される第3の曲面状
電子放出部分(20c)と、第3の曲面状電子放出部分(2
0c)の前記第1の平面状電子放出部分(20b)とは反対
の側の端縁に相連なり、管軸に対して表面が鋭角をなす
ように配置される第4の平面状電子放出部分(20d)と
の4つの電子放出部分からなり、4つの電子放出部分か
らなり、4つの各電子放出部分(20a),(20b),(20
c),(20d)は、互いに同じ向きに湾曲して相連なって
いるので、電子放出部のどの位置に光電子が入射したと
しても放出される二次電子は漏斗型の受口に入射した
り、あるいは段間飛び越えしたりすることはなく、次の
ダイノード列に確実に入射する。これによって第1段ダ
イノードから放出された二次電子をダイノード列によっ
て確実に増倍し、アノード電極から信号電流として取出
すことができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本発明に係る光電子増倍管の実施例の構成
図、第2図は第1図に示す第1段ダイノードの拡大斜視
図である。
第1図には、円筒形の外囲器2を備えたヘッドオン型
の光電子増倍管1が示されている。外囲器2の一端にあ
るフェースプレート3の内面には、半透明の光電陰極4
が形成されている。一方、外囲器2側壁5の内面には、
アルミナイズ被膜6が形成されている。フェースプレー
ト3の内面の光電陰極4は、例えばアンチモン化カリウ
ム・セシウム形(バイアルカリ)のものであっても良い
し、あるいは、他の周知の材料で形成されても良い。
さらに外囲器2の内部には、光電陰極4から放出され
た光電子を集束する集束電極8と、集束電極8によって
集束された光電子が入射する第1段ダイノード9と、第
1段ダイノード9から放出される二次電子を増倍するダ
イノード列すなわち第2段ダイノード10乃至第8段ダイ
ノード16と、増倍された二次電子を信号電流として取出
すアノード電極17とが設けられている。
第1段ダイノード9は、第2図に詳細に示すように、
一対の側壁19−1,19−2と、電子放出部20とからなって
いる。さらに、第1段ダイノード9には漏斗型の受口18
−1,18−2,18−3が取付けられている。電子放出部20
は、前述した従来の光電子増倍管の第1段ダイノード52
の電子放出部51とは異なり、互いに同じ向きに弯曲した
複数個の相連なる部分20a,20b,20c,20dを有している。
電子放出部20の部分20bは、光電子増倍管1の管軸B−
Bと交差するが、従来の第1段ダイノード52と異なり、
部分20bの表面と管軸B−Bとのなす角度θは、第1図
からわかるように、90゜よりも小さな鋭角となってい
る。
また、第1図において、第1段ダイノード9乃至第7
段ダイノード15には、それぞれに対応してメッシュ電極
21乃至27が設けられており、第2段ダイノード10乃至第
8段ダイノード16のダイノード列は箱型(Box&GRID
型)のものとなっている。
このような構成の光電子増倍管1では、以下に説明す
るように、第2段ダイノード10乃至第8段ダイノード16
のダイノード列が箱型のものであっても、第1段ダイノ
ード9への光電子の入射位置に依存してアノード電極か
らの信号電流が大きく変動するという事態を有効に阻止
している。
第3図(a)は第1図に示す光電子増倍管の部分概略
断面図、第3図(b)は第1図に示す光電子増倍管の光
電陰極4に代えて、第1段ダイノード9上を電子ビーム
で走査できる電子銃を設けた試験用電子管において、紙
面に沿って電子ビームで第1段ダイオード9を走査した
ときのアノード電極17からの信号電流を示す図、第3図
(c)は第1図に示す光電子増倍管を用いて測定された
光電陰極の走査位置に対するアノード電極の信号電流を
示す図である。
なお第3図(b),(c)はそれぞれ、第6図
(b),(c)に対応した図であり、第6図(b),
(c)と全く同様の仕方および条件で測定された結果を
示したものである。
第1図に示す光電子増倍管の光電陰極4に光点を入射
させて光電陰極4の各位置を走査すると、光電陰極4か
らの光電子はそれぞれ、集束電極8によって集束され、
漏斗型の受口18−1乃至18−3に沿った軌道で第1段ダ
イノード9の電子放出部20に入射する。電子放出部20か
ら放出される二次電子は、箱型の第2段ダイノード10乃
至第8段ダイノード16のダイノード列により増倍されて
アノード電極17から信号電流として取出される。
ところで、電子放出部20の各部分20a乃至20dは互いに
同じ向きに弯曲して相連なっており、また電子放出部20
の部分20bの表面は、光電子増倍管1の管軸B−Bと90
゜よりも小さい角度θをなしているので、これらの各部
分20a乃至20dから放出される二次電子は、確実に第2段
ダイノード10に入射する。
第3図(a)すなわち第1図に示す光電子増倍管の光
電陰極4に代えて、第1段ダイノード9の電子放出部20
上を電子ビームで走査できる電子銃(図示せず)を設け
た試験用電子管(図示せず)において、紙面に沿って第
1段ダイノード9の電子放出部20を電子ビームで直接走
査すると、アノード電極17からは第3図(b)のような
信号電流が出力される。第3図(b)を第6図(b)と
比較すれば明らかなように、部分20a,20b,20c,20dの全
ての範囲にわたって、アノード電極17からの信号電流に
はばらつきが少なくなっている。
また第3図(a)すなわち第1図に示す光電子増倍管
の光電陰極4を光によって走査すると、アノード電極17
からの信号電流は第3図(c)に示すような結果とな
る。第3図(c)を第6図(c)と比較すれば明らかな
ように、アノード電極17の信号電流は、ほぼ一様となっ
ており、理想的なものに近くなっている。
このように第1図に示す光電子増倍管では第1段ダイ
ノード9の電子放出部20への光電子の入射位置に依存し
ない一様な信号電流をアノード電極17から取出すことが
できる。
さらに、第1図に示す構造の光電子増倍管1では、以
下に説明するように、アノード電極17からの信号電流の
地磁気による変動を有効に阻止することができる。
第4図は、第1図に示す構造の光電子増倍管1を用い
てアノード電極17からの信号電流の地磁気による変化を
測定した結果を示している。なお第4図は、第7図と全
く同様の仕方および条件で測定された結果を示したもの
である。
前述したと同様に、光電子増倍管1の管軸B−Bを
“北”の方位に相当する磁束の方向に最初設定し、
“西”、“南”、“東”の方位に相当する磁束の方向に
光電子増倍管1の向きを順次に変えると、アノード電極
17の信号電流もそれにつれて順次に変化し、信号電流は
“西”の方位で最も小さく、“東”の方位で最も大きく
なる。第1図に示す光電子増倍管を9個用いて信号電流
のこの変化幅W2を繰返し測定し、その平均値W2を求めた
結果は、“4.7"パーセントであった。この結果から第1
図に示す構造の光電子増倍管1を用いた場合には、地磁
気による変化幅W2の平均値W2は、従来の光電子増倍管に
おける変化幅W1の平均値W1に比べてかなり小さくなり、
従来の約64%までに改善されたことがわかる。
このように第1図に示す光電子増倍管1では、第1段
ダイノード9の電子放出部20が互いに同じ向きに弯曲し
た複数個の相連なる部分20a乃至20dを有し、部分20bの
表面と管軸B−Bとのなす角度θを90゜よりも小さくし
ているので、地磁気によって第1段ダイノード9への光
電子入射位置が変化した場合でもアノード電極17からの
信号電流の変化幅W2は小さくなり、出力信号変化を減少
させることができる。
上述の実施例では、第2段ダイノード10乃至第8段ダ
イノード16のダイノード列を箱型のものとして説明した
が、鳥かご型あるいは千鳥型のダイノード列を用いた場
合でも、アノード電流の信号電流の一様性を確保するこ
とができる。また第1段ダイノード9として電子放出部
20が第1図乃至第3図に示すような複数個の相連なる部
分20a乃至20dをもつものを用いたが、第5図に示すよう
な1/4円形の断面形状の電子放出部30を有する第1段ダ
イノード31を備えた光電子増倍管32を用いた場合にもア
ノード電極の信号電流の一様性を確保することができ
る。しかしながら第5図に示す第1段ダイノード31を用
いた場合には、第1図乃至第3図に示す第1段ダイノー
ド9に比べて有効面積が小さくなる。
このように第1図乃至第3図に示す構造の光電子増倍
管では大きな有効面積をもつと同時に、ダイノード列を
箱型、鳥かご、千鳥型のいずれのものにしてもアノード
電極の信号電流の一様性をも確保し、地磁気の影響を少
なくすることができるので、ガンマカメラなどの歪みの
ない画像を得るような用途に特に適している。
〔発明の効果〕
以上に説明したように、本発明によれば、光電陰極
と、光電陰極からの光電子を第1段ダイノードへ案内す
るための漏斗型の受口と、光電陰極から放出された光電
子の入射によって二次電子を放出する第1段ダイノード
(9)と、第1段ダイノード(9)から放出された二次
電子を増倍するダイノード列と、ダイノード列によって
増倍された二次電子を信号電流として取り出すアノード
電極とを備え、前記第1段ダイノード(9)は、管軸と
交差し管軸と表面が鋭角をなすように配置される第1の
平面状電子放出部分(20b)と、該第1の平面状電子放
出部分(20b)の一方の端縁に相連なり、管軸に対して
表面がほぼ直角となるように配置される第2の平面状電
子放出部分(20a)と、前記第1の平面状電子放出部分
(20b)の他方の端縁に相連なり、管軸に対して全表面
が鋭角をなすように配置される第3の曲面状電子放出部
分(20c)と、第3の曲面状電子放出部分(20c)の前記
第1の平面状電子放出部分(20b)とは反対の側の端縁
に相連なり、管軸に対して表面が鋭角をなすように配置
される第4の平面状電子放出部分(20d)との4つの電
子放出部分からなり、4つの各電子放出部分は、互いに
同じ向きに湾曲して相連なっているので、電子放出部の
どの位置に光電子が入射したとしても、放出される二次
電子は漏斗型の受口に入射したり、あるいは段間飛び越
えしたりすることはなく、次のダイノード列に確実に入
射する。これによって第1段ダイノードから放出された
二次電子をダイノード列によって確実に増倍し、アノー
ド電極から信号電流として取出すことができる。すなわ
ち、アノード電極からの信号電流の変動は少なく、地磁
気の影響をも受けにくいようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る光電子増倍管の実施例の構成図、
第2図は第1図に示す光電子増倍管の第1段ダイノード
の斜視図、第3図(a)は第1図に示す光電子増倍管の
部分概略断面図、第3図(b)は第1図に示す光電子増
倍管の光電陰極に代えて第1段ダイノードを電子ビーム
で走査できる電子銃を設けた試験用電子管において測定
された第1段ダイノードの走査位置に対するアノード電
極の信号電流を示す図、第3図(c)は第1図に示す光
電子増倍管を用いて測定された光電陰極の走査位置に対
するアノード電極の信号電流を示す図、第4図は第1図
の光電子増倍管を用いて信号電流の地磁気による変化を
測定した結果を示す図、第5図は本発明に係る光電子増
倍管の変形例を示す図、第6図(a)は従来の光電子増
倍管の部分概略断面図、第6図(b)は第6図(a)の
光電子増倍管の光電陰極に代えて第1段ダイノードを電
子ビームで走査できる電子銃を設けた試験用電子管にお
いて測定された第1段ダイノードの走査位置に対するア
ノード電極の信号電流を示す図、第6図(c)は第6図
(a)に示す光電子増倍管を用いて測定された光電陰極
の走査位置に対するアノード電極の信号電流を示す図、
第7図は従来の光電子増倍管を用いて信号電流の地磁気
による変化を測定した結果を示す図である。 1,32……光電子増倍管、4……光電陰極、 9,31……第1段ダイノード、 18−1,18−2,18−3……漏斗型の受口、 19−1,19−2……側壁、 20,30……電子放出部、 20a乃至20d……第1段ダイノードの各部分、 10乃至16……第2段ダイノード乃至第8段ダイノード、
17……アノード電極、 21乃至27……メッシュ電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光電陰極と、光電陰極からの光電子を第1
    段ダイノードへ案内するための漏斗型の受口と、光電陰
    極から放出された光電子の入射によって二次電子を放出
    する第1段ダイノード(9)と、第1段ダイノード
    (9)から放出された二次電子を増倍するダイノード列
    と、ダイノード列によって増倍された二次電子を信号電
    流として取り出すアノード電極とを備え、前記第1段ダ
    イノード(9)は、管軸と交差し管軸と表面が鋭角をな
    すように配置される第1の平面状電子放出部分(20b)
    と、該第1の平面状電子放出部分(20b)の一方の端縁
    に相連なり、管軸に対して表面がほぼ直角となるように
    配置される第2の平面状電子放出部分(20a)と、前記
    第1の平面状電子放出部分(20b)の他方の端縁に相連
    なり、管軸に対して全表面が鋭角をなすように配置され
    る第3の曲面状電子放出部分(20c)と、第3の曲面状
    電子放出部分(20c)の前記第1の平面状電子放出部分
    (20b)とは反対の側の端縁に相連なり、管軸に対して
    表面が鋭角をなすように配置される第4の平面状電子放
    出部分(20d)との4つの電子放出部分からなり、4つ
    の各電子放出部分(20a),(20b),(20c),(20d)
    は、互いに同じ向きに湾曲して相連なっていることを特
    徴とする光電子増倍管。
  2. 【請求項2】前記ダイノード列は箱形のものであること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の光電子増倍
    管。
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