JPH0812695A - 新規シアル酸供与体 - Google Patents

新規シアル酸供与体

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JPH0812695A
JPH0812695A JP14907294A JP14907294A JPH0812695A JP H0812695 A JPH0812695 A JP H0812695A JP 14907294 A JP14907294 A JP 14907294A JP 14907294 A JP14907294 A JP 14907294A JP H0812695 A JPH0812695 A JP H0812695A
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JP
Japan
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compound
methyl
sialic acid
glycero
group
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JP14907294A
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English (en)
Inventor
Yutaka Yamada
山田  豊
Akihiko Kameyama
昭彦 亀山
Taro Ebara
多朗 江原
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Nisshin Oil Mills Ltd
Original Assignee
Nisshin Oil Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 種々の糖脂質の合成中間体として有用なシア
ル酸供与体を提供すること。 【構成】 式 【化1】 (式中、Rはベンゾイル基、p−フルオロベンゾイル基
またはクロロアセチル基を示し、Acはアセチル基を示
し、Meはメチル基を示しそしてPhはフェニル基を示
す)で表わされるシアル酸供与体。 【効果】 反応性に乏しい比較的大きなオリゴ糖受容体
に対するシアル酸供与体として用いてガングリオキシド
類合成のための製造中間体として効果的である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は種々の糖脂質の合成中間
体として有用なシアル酸供与体およびガングリオシド類
を製造するためのその使用に関する。
【0002】
【発明の背景】シアル酸含有スフィンゴ糖脂質の総称で
あるガングリオシド類は細胞分化、増殖、癌化に伴い劇
的にその分布が変化し、あるいは接着、およびウイルス
や細菌毒素のレセプター機能などを有することから、そ
の生化学的機能の解明さらには治療への応用が期待され
ている。
【0003】ところが、ガングリオシド類は生体内にお
いては極く微量にしか存在せず、しかもオリゴ糖鎖構造
の多様性に加えて、シアル酸さらには脂質部分であるセ
ラミド構造については不飽和結合の数、炭化水素鎖の長
さなどにおいて多様であるため、天然から純粋な単一化
合物を得ることは極めて困難である。こうしたガングリ
オシド類の生化学的機能を分子レベルで解明し、応用を
図るためには、機能評価をするに足る十分な量の構造的
に関連した(系統的な)分子群が、純粋な形で必要であ
り、そのためには目的とするガングリオシド類を、大量
にかつ簡便に、そして系統的に製造し供給できる方法の
開発が不可欠である。
【0004】そこで糖脂質類特にガングリオシド類を化
学合成によって製造しようとする試みがこれまでに数多
くなされてきた。しかしながら、オリゴ糖鎖の合成にあ
たり原料となる糖類の反応性基の多さと反応生成物の多
様性の故に、その合成には未だ多くの問題点が残されて
いる。例えば、ガングリオシド類の合成にあたっては、
独特の構造を持つシアル酸のグリコシル化反応におい
て、一般に行われているグリコシル化反応の立体制御す
なわち糖供与側のC2位の隣接基関与とアノメリック効
果の利用を期待できないため、その合成を困難なものと
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】糖類および糖脂質類の
化学合成についての方法論の解明が進んでいる一方、シ
アル酸のグリコシル化についてもいくつかのアプローチ
が行なわれている。例えば、Y. Ito, T. Ogawa, Tetrah
edron, 46, 89-102, 1990 には、シアル酸のC3位に隣
接基関与をする置換基をエクアトリアルに導入しグリコ
シドを形成させた後、再びC3位の置換基を除去するこ
とによりα−配糖体を合成する方法が開示されている。
また、A. Hasegawa, M. Kiso et al., Journal of Carb
ohydrate Chemistry, 10, 493, 1991 には、チオグリコ
シド体を用いることにより直接にα−配糖体を合成する
方法が開示されている。
【0006】しかしながら、これらのシアル酸供与体は
その官能基が適切に保護された比較的小さな(単糖〜3
糖)糖受容体との反応では対応するグリコシル化合物が
かなりの収率で製造されるが、4糖を超える糖受容体と
の反応では、有効な収率が得られないという問題があ
る。シアル酸は多官能性であるというその構造上の特徴
から、大規模な糖鎖構築を目指す場合には、糖鎖構築の
なるべく最後の段階でその導入を行うことが望ましい。
したがって構築中の中間体ユニットが比較的小さなうち
にシアル酸を導入しなければならないこれまでの技術に
解決が求められている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる課題
を解決するために鋭意研究した結果、その水酸基が適切
な保護基で保護されまた反応性基としてチオグリコシド
基を有するシアル酸誘導体が反応性に乏しい比較的大き
なオリゴ糖受容体に対するシアル酸供与体として、すな
わちガングリオシド類合成のための製造中間体としてき
わめてすぐれたものであることを見出して本発明に至っ
た。
【0008】すなわち、本発明は次の一般式
【化2】 (式中、Rはベンゾイル基、p−フルオロベンゾイル基
またはクロロアセチル基を示し、Acはアセチル基を示
し、Meはメチル基を示しそしてPhはフェニル基を示
す)で表わされるシアル酸供与体に関する。
【0009】本発明の一般式(I)で示される化合物の
製造方法を、メチル(フェニル5−アセタミド−4,7,
8,9−テトラ−O−ベンゾイル−3,5−ジデオキシ−
2−チオ−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノニュロ
ピラノシド)オネート(以下、化合物(4)と略記)の合
成を例にとって、次の反応スキーム1に則して説明す
る。
【0010】
【化3】
【0011】なお、上記した反応スキームおよび下記の
記載において用いられる略語および記号の意味はそれぞ
れ次の通りである。 Me : メチル基 Et : エチル基 Ph : フェニル基 Bn : ベンジル基 Ac : アセチル基 CA : クロロアセチル基 Bz : ベンゾイル基 FBz: p−フルオロベンゾイル基 MS : モレキュラーシーブス NIS: N−ヨードコハク酸イミド SE : 2−トリメチルシリルエチル基 Tf : トリフルオロメタンスルフォニル基
【0012】まず出発物質である化合物(1)すなわち
N−アセチルノイラミン酸を、メタノール中、例えばア
ンバーライト120Bのような強酸性イオン交換樹脂を
触媒として、メチルエステル化し、化合物(2)すなわ
ちN−アセチルノイラミン酸メチルエステルを得る。続
いて化合物(2)に、例えばピリジン中、無水安息香酸
を作用させて遊離の水酸基をベンゾイル化して化合物
(3)すなわち、メチル(5−アセタミド−2,4,7,
8,9−ペンタ−O−ベンゾイル−3,5−ジデオキシ−
D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノニュロピラノシ
ド)オネートを得る。最後に化合物(3)に例えば塩化
メチレン中、BF3・OEt2を触媒として、チオフェノ
ールを作用させてチオグリコシド体である本発明の化合
物(4)を得ることができる。
【0013】上記した化合物(4)の他に、本発明の一
般式(I)で示される化合物の具体例としては、メチル
(フェニル5−アセタミド−4,7,8,9−テトラ−O
−p−フルオロベンゾイル−3,5−ジデオキシ−2−
チオ−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノニュロピラ
ノシド)オネート(化合物(5))およびメチル(フェニ
ル5−アセタミド−4,7,8,9−テトラ−O−クロロ
アセチル−3,5−ジデオキシ−2−チオ−D−グリセ
ロ−D−ガラクト−2−ノニュロピラノシド)オネート
(化合物(6))が挙げられ、これらの化合物は上記と同
様にして製造することができる。
【0014】すなわち、上記した化合物(5)および化
合物(6)は、反応スキーム1に示される工程2におい
て、無水安息香酸の代わりにそれぞれ例えばp−フルオ
ロベンゾイルクロライドと無水クロロ酢酸を用いること
により製造することができる。
【0015】シアル酸供与体である本発明の化合物
(4)〜(6)は、いずれもα−チオグリコシド体とβ
−チオグリコシド体の混合物であるが、糖受容体との縮
合反応に際しては、如何様な比での混合物であっても使
用することが可能である。実際上、生成物の同定、縮合
反応におけるモニタリングなどにおいて正確な結果を得
るためには、α体、β体をそれぞれ単離して用いるのが
好ましい。
【0016】このようにして得られた一般式(I)で示
される本発明の化合物は、ガングリオシド類の合成中間
体として有用なものである。そこで、ネオラクト系に属
するVIM−2ガングリオシドの合成を例にとって、本
発明の新規シアル酸供与体とこれまで一般的に用いられ
てきたシアル酸供与体とを対比して次の反応スキーム2
に則して説明する。
【0017】
【化4】
【0018】シアル酸供与体として従来の化合物(8)
すなわちメチル(フェニル5−アセタミド−4,7,8,
9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−2−
チオ−D−グリセロ−β−D−ガラクト−2−ノニュロ
ピラノシド)オネートと、本発明の化合物(9)すなわ
ちメチル(フェニル5−アセタミド−4,7,8,9−テ
トラ−O−ベンゾイル−3,5−ジデオキシ−2−チオ
−D−グリセロ−β−D−ガラクト−2−ノニュロピラ
ノシド)オネートを用い、糖受容体として化合物(7)
すなわち2−(トリメチルシリル)エチルO−(6−O
−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→
4)−O−(2−アセタミド−6−O−ベンジル−2−
デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−(1→3)−
O−(6−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシ
ル)−(1→4)−O−[(2,3,4−トリ−O−ベン
ジル−α−L−フコピラノシル)−(1→3)]−O−
(2−アセタミド−6−O−ベンジル−2−デオキシ−
β−D−グルコピラノシル)−(1→3)−O−(2,
4,6−トリ−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノ
シル−(1→4)−2,3,6−トリ−O−ベンジル−β
−D−グルコピラノシドを用いて、反応スキーム2に示
す工程を実施した。
【0019】こうした反応は、一般的には、シアル酸供
与体(1〜2当量)と糖受容体(1当量)とを、例えば
ジクロロメタン、トルエン、アセトニトリル等の溶媒に
溶解し、この溶液に例えばN−ヨードコハク酸イミド/
トリフルオロメタンスルフォン酸、N−ブロモコハク酸
イミド/トリフルオロメタンスルフォン酸、ジメチルメ
チルチオスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネ
ート(DMTST)等の縮合プロモーターを添加し、−
80℃〜室温、一般的には−50℃〜−20℃の温度で
3時間〜72時間反応を行う。反応収率は、水分の存在
に大きく左右されるので、反応系にはモレキュラーシー
ブス等の脱水剤を添加し、また反応操作全般にわたって
注意する必要がある。特に、シアル酸のαグリコシド体
を優先的に取得することを目指す場合には、上記したい
ずれのプロモーターを使用する場合でも、溶媒はアセト
ニトリルを用いるのが好ましく、また反応は、−45℃
〜−35℃の範囲内で行うのが好ましい。以下に上記反
応スキーム2に示す反応の条件と結果を示す。
【0020】
【表1】 このように本発明の化合物(9)をシアル酸供与体とし
て用いた場合は、7糖からなる糖受容体との縮合反応に
おいてすぐれた成績を示した。
【0021】
【発明の効果】本発明の化合物は、反応性に乏しい比較
的大きなオリゴ糖受容体に対するシアル酸供与体とし
て、すなわちガングリオシド類合成のための製造中間体
として有用な化合物である。本発明の化合物の利用は、
ガングリオシド類を系統的に合成する方法論解明の上
で、シアル酸の導入についての制約を解決するものであ
り、その機能の解明、用途の開発が期待されているガン
グリオシド類の製造に道を拓くものである。
【0022】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
する。 実施例1 化合物(4)のβ−チオグリコシド体である化合物
(9)すなわちメチル(フェニル5−アセタミド−4,
7,8,9−テトラ−O−ベンゾイル−3,5−ジデオキ
シ−2−チオ−D−グリセロ−β−D−ガラクト−2−
ノニュロピラノシド)オネートの合成 1−1. 化合物(2),N−アセチルノイラミン酸メチ
ルエステルの合成 N−アセチルノイラミン酸(20g,64.7mmol)を
無水メタノール(500ml)に溶解し、この溶液に酸型
のアンバーライトIR−l20B(50g)を加え40
℃にて一日撹拌する。T.L.C.(ジクロロメタン:メ
タノール=5:l)にて反応終了を確認後、IR−l2
0Bを濾別し、2リットル程度のメタノールを用いて樹
脂を洗い、濾液と洗液を合わせ減圧下乾固させて化合物
(2)(18.8g,90%)を得た。
【0023】1−2. 化合物(9),メチル(フェニル
5−アセタミド−4,7,8,9−テトラ−O−ベンゾイ
ル−3,5−ジデオキシ−2−チオ−D−グリセロ−β
−D−ガラクト−2−ノニュロピラノシド)オネートの
合成 化合物(2)(525mg,1.62mmol)をピリジン(6m
l)に溶解し、この溶液に無水安息香酸(3.7g,1
6.4mmol)と4−ジメチルアミノピリジン(5mg)を
加え、50℃にて54時間攪拌した後、室温にてメタノ
ール(3ml)を加え、減圧濃縮した。得られた残渣をジ
クロロメタンに溶解し、2N HCl、1M NaCl、
1M NaHCO3の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムに
て乾燥した。溶媒を留去して得られたシラップをカラム
クロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)
に供してアモルファス状物質を得た。次にこれをジクロ
ロメタン(10ml)に溶解し、氷冷下、チオフェノール
(0.2ml, 1.95mmol)とBF3・OEt2(0.24
ml,1.88mmol)を加え、ゆっくりと室温に戻した。
室温で48時間撹拌後、反応液をジクロロメタンにて希
釈し、1M NaHCO3、水の順で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムにて乾燥した。減圧濃縮後、得られたシラップ
をカラムクロマトグラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エ
チル:ヘキサン=1:2)より化合物(9)(620mg,
46%)をアモルファス状物質として得た。
【0024】[α]D=−56.8゜(c 1.035,クロ
ロホルム) IR νmax;3370(NH),1724,1266
(エステル),1690,1534(アミド),713
(Ph )1 H NMR(CDCl3)δ;1.79(s,3H,Ac
N),2.33(dd,1H,Jgem=13.6Hz,J
3ax.4=11.7Hz,H−3ax),2.96(dd,
1H,Jgem=13.8Hz,J3eq.4=4.7Hz,H−
3eq),3.64(s,3H,MeO),4.38
(q,1H,H−5),4.52(dd,1H,Jgem
12.2Hz,J8.9=8.9Hz,H−9),4.97
(dd,Jgem=12.2Hz,J8.9′=2.1Hz,H
−9′),5.03(dd,1H,H−6),5.56
(m,1H,H−8),6.04(m,1H,H−
7),7.05−8.09(m,25H,アロマティック
ス) C4641NO12S=831.89
【0025】実施例2 化合物(5)のβ−チオグリコシド体である化合物(1
2)すなわちメチル(フェニル5−アセタミド−4,7,
8,9−テトラ−O−p−フルオロベンゾイル−3,5−
ジデオキシ−2−チオ−D−グリセロ−β−D−ガラク
ト−2−ノニュロピラノシド)オネートの合成 実施例1−1に従って得た化合物(2)(525mg,1.
62mmol)をピリジン(8ml)に溶解し、氷冷下、p
−フルオロベンゾイルクロライド(1.2ml,10.1mm
ol)を滴下し、その後ゆっくりと室温に戻した。室温に
て20時間攪拌後、メタノール(4ml)を加え、減圧濃
縮した。得られた残渣を、ジクロロメタンに溶解し、2
N HCl、1M NaCl、1M NaHCO3の順に洗
浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去し
て得られたシラップをカラムクロマトグラフィー(酢酸
エチル:ヘキサン=1:2)に供して、アモルファス状
物質を得た。次にこれをジクロロメタン(10ml)に溶
解し、氷冷下、チオフェノール(0.2ml,1.95mm
ol)とBF3・OEt2(0.24ml,1.88mmol)を加
え、ゆっくりと室温に戻した。室温で48時間撹拌後、
反応液をジクロロメタンにて希釈し、1M NaHC
3、水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し
た。減圧濃縮後、得られたシラップをカラムクロマトグ
ラフィーに供し、溶出溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=
1:2)より化合物(12)(600mg,41%)をアモ
ルファス状物質として得た。
【0026】[α]D=−51.5゜(c 1.04,クロロ
ホルム) IR νmax;3376(NH),1727,1264
(エステル),1690,1532(アミド),766
(Ph)1 H NMR(CDCl3)δ;1.79(s,3H,Ac
N),2.63(dd,1H,Jgem=13.7Hz,J
3ax.4=11.7Hz,H−3ax),2.95(dd,
1H,Jgem=14.8Hz,J3eq.4=4.7Hz,H−
3eq),3.67(s,3H,MeO),4.38
(q,1H,H−5),4.51(dd,1H,Jgem
12.2Hz,J8.9=8.8Hz,H−9),4.91
(dd,1H,Jgem=12.2Hz,J8.9′=2.3H
z,H−9′),4.98(dd,1H,J5.6=10.
6Hz,J6.7=2.1Hz,H−6),5.50(m,
1H,H−8),5.72(m,1H,H−4),5.9
8(m,1H,H−7),7.01−8.11(m,21
H,アロマティックス) C46374NO12S=903.85
【0027】実施例3 化合物(6)のβ−チオグリコシド体である化合物(1
3)すなわちメチル(フェニル5−アセタミド−4,7,
8,9−テトラ−O−クロロアセチル−3,5−ジデオキ
シ−2−チオ−D−グリセロ−β−D−ガラクト−2−
ノニュロピラノシド)オネートの合成 実施例1−1に従って得た化合物(2)(210mg,65
0μmol)を、ジクロロメタン(2ml)と2,6−ルチジ
ン(1.5ml)トリエチルアミン(50μl)の混合溶
媒に溶解し、0℃で、無水クロロ酢酸(660mg,3.
86mmol)のジクロロメタン(4ml)溶液を滴下した。
0℃で18時間攪拌後、反応液を2NHCl、1M N
aClの順に洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し
た。溶媒を留去して得られたシラップをカラムクロマト
グラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)に供し
て、アモルファス状物質を得た。次にこれをジクロロメ
タン(10ml)に溶解し、氷冷下、チオフェノール
(0.2ml,1.95mmol)とBF3・OEt2(0.24m
l,1.88mmol)を加え、ゆっくりと室温に戻した。室
温で、48時間撹拌後、反応液をジクロロメタンにて希
釈し、1M NaHCO3、水の順で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムにて乾燥した。減圧濃縮後、得られたシラップ
をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=
1:2)に供して、化合物(13)(231mg,49%)
をアモルファス状物質として得た。
【0028】[α]D=−128.3゜(c 1.035,ク
ロロホルム) IR νmax;3374(NH),1755,1265
(エステル),1682,1531(アミド)1 H NMR(CDCl3)δ;1.93(s,3H,Ac
N),2.18(t,1H,H−3ax),2.61(d
d,1H,Jgem=13.8Hz,J3eq.4=4.7Hz,
H−3eq),3.65(s,3H,MeO),4.1
1,4.12,4.17,4.22(4s,8H,4CA
O ),4.62(dd,1H,Jgem=12.3Hz,J
8.9=1.7Hz,H−9),4.73(dd,1H,J
6.7=2.6Hz,J5.6=10.5Hz,H−6),5.
04(m,1H,H−8),5.49−5.58(m,2
H,H−4,H−7),7.31−7.49(m,5H,
Ph) C2629Cl4NO12S=721.45
【0029】実施例4 応用例1 4−1.化合物(10)すなわち2−(トリメチルシリ
ル)エチルO−(メチル5−アセタミド−4,7,8,9
−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−D−グ
リセロ−α−D−ガラクト−2−ノニュロピラノシロネ
ート)−(2→3)−O−(6−O−ベンジル−β−D
−ガラクトピラノシル)−(1→4)−O−(2−アセ
タミド−6−O−ベンジル−2−デオキシ−β−D−グ
ルコピラノシル)−(1→3)−O−(6−O−ベンジ
ル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−O−
[(2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラ
ノシル)−(1→3)]−O−(2−アセタミド−6−
O−ベンジル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシ
ル)−(1→3)−O−(2,4,6−トリ−O−ベンジ
ル−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−2,3,
6−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシドの
合成 化合物(8)(140mg,240μmol)と化合物(7)
(300mg,120μmol)をアセトニトリル(9.0m
l)に溶解し、MS−3A(3.0g)存在下 室温にて
5時間撹拌した。その後NIS(165mg,720μmo
l)を加え、さらに−43℃まで冷却して、トリフルオ
ロメタンスルホン酸(27μl,300μmol)を添加
し、−43℃にて42時間撹拌した。反応終了後、反応
液にNa223を加え、しばらく撹拌した後セライト
濾過し、酢酸エチルにて洗浄した。濾液と洗液を合わせ
て、1M NaCO3、水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムにて乾燥後濃縮した。得られたシラップをカラムク
ロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=2
0:1−15:1)にて精製し標記の化合物(10)(1
40mg,39.2%)をアモルファス状物質として得
た。
【0030】[α]D=−18.3゜(c 1.0450,ク
ロロホルム) IR νmax;3428(NH,OH),2925,28
68(メチル,メチレン),1745,1219(エス
テル),1690,1532(アミド),1664,1
537(アミド),859,838(SE),738,
699(Ph)1 H NMR(CDCl3)δ;1.00(m,2H,Me
SiCH2CH2O),1.10(d,3H,J5.6=6.
4Hz,H−6,Fucユニット),1.24−2.09
(7s,21H,AcN,AcO),2.68(dd,
1H,Jgem=13.0Hz,J3eq.4=4.1Hz,H−
3eq,Neu5Acユニット),3.74(H−2,
Neu5Ac−GalのGal残基),3.78(s,
3H,MeO),4.06(H−3,Neu5Ac−G
alのGal残基),4.48(H−1,Neu5Ac
−GalのGal残基),4.93(H−4,Neu5
Acユニット),5.29(m,1H,H−7,Neu
5Acユニット),5.36(m,1H,H−8,Ne
u5Acユニット),7.11−7.40(m,65H,
アロマティックス) C162195347Si=2964.40
【0031】より詳しく構造を確認するために、化合物
(10)の遊離の水酸基をすべてアセチル化した。 [α]D=−26.2゜(c 0.565,クロロホルム) IR νmax;3350(NH,OH),2922,28
62(メチル,メチレン),1749,1227(エス
テル),1684,1536(アミド),859,83
8(SE),739,699(Ph)1 H NMR(CDCl3)δ;1.01(m,2H,Me
SiCH2CH2O),1.09(d,3H,J5.6=6.
4Hz,H−6,Fucユニット),1.25−2.13
(8s,24H,AcN,AcO),2.59(dd,
1H,Jgem=12.5Hz,J3eq.4=4.5Hz,H−
3eq,Neu5Acユニット),3.56(H−3,
Fuc−ラクトサミンのGal残基),3.85(s,
3H,MeO),4.29(H−2,Neu5Ac−G
alのGal残基),4.54(H−3,Neu5Ac
−GalのGal残基),4.88(H−2,Fuc−
ラクトサミンのGal残基),5.04(d,1H,J
3.4=3.5Hz,H−4,Neu5Ac−GalのGa
l残基),5.37(dd,J6.7=2.4Hz,J7.8
8.7Hz,H−7,Neu5Acユニット),5.48
(d,J3.4=3.6Hz,H−4,Fuc−ラクトサミ
ンのGal残基),5.54(m,1H,H−8,Ne
u5Acユニット),7.00−7.40(m,65H,
アロマティックス)
【0032】4−2.化合物(11)すなわち2−(ト
リメチルシリル)エチルO−(メチル5−アセタミド−
4,7,8,9−テトラ−O−ベンゾイル−3,5−ジデオ
キシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノニュロ
ピラノシロネート)−(2→3)−O−(6−O−ベン
ジル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−O
−(2−アセタミド−6−O−ベンジル−2−デオキシ
−β−D−グルコピラノシル)−(1→3)−O−(6
−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1
→4)−O−[(2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−
L−フコピラノシル)−(1→3)]−O−(2−アセ
タミド−6−O−ベンジル−2−デオキシ−β−D−グ
ルコピラノシル)−(1→3)−O−(2,4,6−トリ
−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシル−(1→
4)−2,3,6−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコ
ピラノシドの合成 化合物(9)(495mg,596μmol)と化合物
(7)(743mg,298μmol)をアセトニトリル
(19.0ml)に溶解し、MS−3A(6.3g)存在下
室温にて5時間撹拌した。その後NIS(410mg,
1.79mmol)を加え、さらに−43℃まで冷却して、
トリフルオロメタンスルホン酸(66μl,746μmo
l)を添加し、−43℃にて42時間撹拌した。反応終
了後、反応液に Na223を加え、しばらく撹拌した
後セライト濾過し、酢酸エチルにて洗浄した。濾液と洗
液を合わせて、1M NaCO3、水の順で洗浄し、無水
硫酸ナトリウムにて乾燥後濃縮した。得られたシラップ
をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノ
ール=25:1−20:1)にて精製し標記の化合物
(11)(750mg,78.3%)をアモルファス状物
質として得た。
【0033】[α]D=+27.0゜(c 1.0,クロロホ
ルム) IR νmax;3436(NH,OH),2920,28
66(メチル,メチレン),1724,1272(エス
テル),1666,1537(アミド),858,83
8(SE),737,713,700(Ph)1 H NMR(CDCl3)δ;1.00(m,2H,Me
SiCH2CH2O),1.10(d,3H,J5.6=6.
4Hz,H−6,Fucユニット),1.25,1.8
4,1.85(3s,9H,AcN),2.22(H−3
ax,Neu5Acユニット),2.85(dd,1
H,Jgem=13.0Hz,J3eq.4=4.5Hz,H−3
eq,Neu5Acユニット),3.53(s,3H,
MeO),3.85(H−2,Neu5Ac−Galの
Gal残基),4.27(H−3,Neu5Ac−Ga
lのGal残基),4.58(H−1,Neu5Ac−
GalのGal残基),5.38(m,1H,H−4,
Neu5Acユニット),5.85(H−7,Neu5
Acユニット),5.90(H−8,Neu5Acユニ
ット),6.99−8.15(m,85H,アロマティッ
クス) C182203347Si=3212.69
【0034】より詳しく構造を確認するために、化合物
(11)の遊離の水酸基をすべてアセチル化した。 [α]D=−5.6゜(c 1.0,クロロホルム) IR νmax;3380(NH,OH),2922,28
66(メチル,メチレン),1749,1726,12
68,1247(エステル),1690,1533(ア
ミド),858,838(SE),738,714,7
00(Ph)1 H NMR(CDCl3)δ;1.00(m,2H,Me
SiCH2CH2O),1.09(d,3H,J5.6=6.
4Hz,H−6,Fucユニット),1.25−2.18
(8s,24H,AcN,AcO),2.78(dd,
1H,Jgem=12.6Hz,J3eq.4=4.5Hz,H−
3eq,Neu5Acユニット),3.61(s,3
H,MeO),4.77(dd,1H,J2.3=10.3
Hz,J3.4=3.2Hz,H−3,Neu5Ac−Ga
lのGal残基),4.80(dd,1H,J8.9=8.
6Hz,H−9,Neu5Acユニット),5.05
(dd,1H,J1.2=8.5Hz,J2.3=10.3H
z,H−2,Neu5Ac−GalのGal残基),
5.12(d,1H,J3.4=3.2Hz,H−4,Ne
u5Ac−GalのGal残基),5.49(d,J3.4
=3.4Hz,H−4,Fuc−ラクトサミンのGal
残基),5.91(dd,J6.7=2.8Hz,J7.8
7.4Hz,H−7,Neu5Acユニット),6.10
(m,1H,H−8,Neu5Acユニット),7.0
5−8.02(m,85H,アロマティックス)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式 【化1】 (式中、Rはベンゾイル基、p−フルオロベンゾイル基
    またはクロロアセチル基を示し、Acはアセチル基を示
    し、Meはメチル基を示しそしてPhはフェニル基を示
    す)で表わされるシアル酸供与体。
  2. 【請求項2】 化合物がメチル(フェニル5−アセタミ
    ド−4,7,8,9−テトラ−O−ベンゾイル−3,5−ジ
    デオキシ−2−チオ−D−グリセロ−D−ガラクト−2
    −ノニュロピラノシド)オネートである請求項1に記載
    のシアル酸供与体。
  3. 【請求項3】 化合物がメチル(フェニル5−アセタミ
    ド−4,7,8,9−テトラ−O−p−フルオロベンゾイ
    ル−3,5−ジデオキシ−2−チオ−D−グリセロ−D
    −ガラクト−2−ノニュロピラノシド)オネートである
    請求項1に記載のシアル酸供与体。
  4. 【請求項4】 化合物がメチル(フェニル5−アセタミ
    ド−4,7,8,9−テトラ−O−クロロアセチル−3,5
    −ジデオキシ−2−チオ−D−グリセロ−D−ガラクト
    −2−ノニュロピラノシド)オネートである請求項1に
    記載のシアル酸供与体。
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