JPH08126581A - バーベキューコンロ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 屋外での加熱調理器具として使用されるバー
ベキューコンロに関し、コンロ本体を水平に保った状態
での運搬を可能にするとともに、部品点数を増加させる
ことのないバーベキューコンロを提供することを目的と
する。 【構成】 コンロ本体１を所定高さに支持する左右一対
の支持脚２（２ａ，２ｂ）を備え、支持脚２が鉛直平面
内で回動可能にコンロ本体１に枢着されたバーベキュー
コンロにおいて、上記各支持脚２ａ，２ｂが、コンロ本
体１に枢着される枢着部２１と、各枢着部２１より下方
に延設された主脚２２と、該両主脚２２の下端部をコン
ロ本体１の幅方向に連結する接地部２３とで構成され、
支持脚２の最低限の回動範囲を上記コンロ本体１を下方
より支持する支持位置Ａから上記接地部２３をコンロ本
体１上方にまで到達させる運搬位置Ｂまでをとし、上記
運搬位置Ｂにおける接地部２３をコンロ本体１の吊り下
げ用把手として転用するようにした構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は主に屋外での加熱調理器
具として使用されるバーベキューコンロに関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】キャンプやガーデンパーティー等の屋外
での食事には、肉、野菜等種々の材料を焼き網や鉄板上
に載せるだけで比較手軽に行えるバーベキュー料理がよ
く行われる。特に近年のようにアウトドア志向が高まる
状況にあっては、上記バーベキューに使用されるバーベ
キューコンロの需要は増加しつつあり、様々な形態のバ
ーベキューコンロが提供されている。

【０００３】図５は従来のバーベキューコンロの一例を
示す正面図であり、図６は同じく収納状態の正面図及び
底面図である。図５に示すように、バーベキューコンロ
は、上に開口したコンロ本体１と、該コンロ本体１を所
定高さ位置に支持する左右一対の支持脚２（２ａ，２
ｂ）とを備え、上記コンロ本体１内に燃料を配置すると
ともに、該コンロ本体１両側に立設された網受具１１に
よって支持された焼き網１２上の材料を焼くようにして
いる。

【０００４】上記支持脚２ａ，２ｂはそれぞれ鋼管で構
成された主脚２８と、該主脚２８の中間位置においてシ
ャフトＰによって枢支されるとともに、コンロ本体１の
４隅に設けられた枢着部３１によって鉛直平面内で回動
可能に枢着されたプレート状の副脚２９とで構成されて
いる。

【０００５】上記支持脚２によってコンロ本体１を所定
高さにおいて支持する場合には、コンロ本体１の底面に
突設した係止プレート１９に上記主脚２８の上端部を係
止させることにより、各支持脚２ａ，２ｂによる一対の
「Ｙ」字状構造が形成され、コンロ本体１の荷重を支持
することができる。尚、上記構成においては係止プレー
ト１９を複数組設けることにより、上記主脚２８の係止
位置を選択することによってコンロ本体１の支持高さを
段階的に調節することができる。

【０００６】さらに、上記従来例の使用後には、図６に
示すように、係止プレート１９より主脚２８を取り外
し、上記シャフトＰ及び枢着部３９を支点に支持脚２を
コンロ本体１の底面に向かって折り畳むことができ、そ
の後、コンロ本体１の側面に設けられた把手４１を把持
するようにして自動車のトランクや荷台等にそのまま積
載することができる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成によれば、上記把手４１はコンロ本体１に装着
されているため、使用中及び使用終了直後には高温とな
り、別の場所に移動したい場合でも該把手４１を利用す
ることはできない。しかも、運搬時にはコンロ本体１が
横倒しされるので、該運搬時にはコンロ本体の内部を必
ず空にしなければならず、場合によって該コンロを設置
した近辺に燃焼灰が廃棄されることがあり、周囲の環境
保全の観点からも好ましくない。

【０００８】上記の欠点を解消するために、例えばコン
ロ本体を吊り下げるための別部材を装着するようにして
コンロ本体を水平に保ったまま運搬できるような構成も
考えられるが、これでは部品点数が増加し、製造コスト
が上昇するとともに、使用者にとってもキャンプの度に
上記吊り下げ部材を携行しなければならないところから
採用しがたい。

【０００９】本発明は上記従来の事情に鑑みて提案され
たものであって、コンロ本体を水平に保った状態での運
搬を可能にするとともに、部品点数を増加させることの
ないバーベキューコンロを提供することを目的とするも
のである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は以下の手段を採用する。すなわち、図１乃
至図４に示すように、コンロ本体１を所定高さに支持す
る左右一対の支持脚２（２ａ，２ｂ）を備え、支持脚２
が鉛直平面内で回動可能にコンロ本体１に枢着されたバ
ーベキューコンロにおいて、上記各支持脚２ａ，２ｂ
が、コンロ本体１に枢着される枢着部２１と、各枢着部
２１より下方に延設された主脚２２と、該両主脚２２の
下端部をコンロ本体１の幅方向に連結する接地部２３と
で構成され、支持脚２の最低限の回動範囲を上記コンロ
本体１を下方より支持する支持位置Ａから上記接地部２
３をコンロ本体１上方にまで到達させる運搬位置Ｂまで
をとし、上記運搬位置Ｂにおける接地部２３をコンロ本
体１の吊り下げ用把手として転用するようにした構成と
する。

【００１１】また、上記運搬位置Ｂにおいて、左右両支
持脚２ａ，２ｂの各接地部２３相互がコンロ本体１の上
方で会合する構成としたり、あるいは上記支持位置Ａに
おける支持脚２の主脚２２が下方に拡開した状態で固定
されるとともに、主脚２２に連設された接地部２３が左
右両支持脚２の間隔位置Ｄに向かって屈曲する形状とし
た構成がより好適である。

【００１２】

【作用】上記の構成によれば、運搬位置Ｂにおける支持
脚２の接地部２３がコンロ本体１を水平に保った状態で
運搬できる吊り下げ用部材に転用されるので、該運搬の
ために別部材を装着する必要がなくなる。

【００１３】上記支持脚２は、コンロ本体１の支持位置
から接地部２３がコンロ本体１よりも上方に突出する運
搬位置Ｂまでの範囲で回動すれば上記目的は達成される
が、より望ましくは左右両支持脚２の接地部２３を会合
させる構成を採用することによって、該会合状態の両接
地部２１を片手で把持することができる。

【００１４】さらに望ましくは、上記支持位置Ａにおい
ては、主脚２２が下方に拡開するとともに、該主脚２２
に連設された接地部２３が左右両支持脚２の間隔位置Ｄ
に向かって屈曲する形状とすることによって、上記枢着
部２１、主脚２２から接地部２３に到る屈曲箇所、及び
接地部２３の先端部を頂点とする三角形が形成され、こ
れによって該支持位置Ａに支持脚２を固定するための機
構を付加する必要がなくなる。

【００１５】

【実施例】本発明に関し、図面に基づいてさらに詳細に
説明する。図１は本発明に係る一実施例の正面図であ
り、図２は該実施例の支持脚の斜視図である。

【００１６】図１に示すように、この実施例に係るバー
ベキューコンロは、上に開口したコンロ本体１と、該コ
ンロ本体１を所定高さに支持する左右一対の支持脚２
（２ａ，２ｂ）とを備えるとともに、上記コンロ本体１
の内面に突設した複数の網受具１１によって焼き網１２
ａを囲撓する網フレーム１２がコンロ本体１の内部にお
いて支持されている。また、コンロ本体１の底部に投入
された燃料に燃焼用の空気を供給するために、該コンロ
本体１の前側面に通風扉１４が開設されている。

【００１７】上記各支持脚２ａ，２ｂは、図２に示すよ
うに、コンロ本体１の前後各面において鉛直平面内で回
動可能に枢着される枢着部２１と、該枢着部２１より下
方に延設された主脚２２と、該両主脚２２の下端部をコ
ンロ本体１の長さ方向にわたって連結する接地部２３と
で構成される。この接地部２３の形状は任意であるが、
特にこの実施例では、後述する理由から、左右両支持脚
２ａ，２ｂの間隔位置Ｄに向かって主脚２２の下端部に
おいて屈曲する形状としている。

【００１８】また、上記支持脚２は枢着部２１を支点と
して、上記コンロ本体１を下方より支持する支持位置Ａ
から上記接地部２３がコンロ本体１上方にまで到達する
運搬位置Ｂを経て、上記接地部２３がコンロ本体１の上
面に受け止められる収納位置Ｃにまでの範囲で回動が可
能な構成としている。従って、上記回動動作の際に左右
の支持脚２ａ，２ｂ相互が干渉することを避けるため、
図２に示すように、一方の支持脚２ａの幅寸法Ｗa より
も他方の支持脚２ｂの幅寸法Ｗb を小さくしている。

【００１９】このような構成の実施例を使用するにはま
ず上記収納位置Ｃにある支持脚２ａ，２ｂの各接地部２
３を上方に引き起こし、さらにコンロ本体１を浮かせる
ようにして接地部２３全体を地面Ｇに接地させる支持位
置Ａにまで回動させる。該接地部２３は上記のように左
右両支持脚２ａ，２ｂの間隔位置Ｄに向かって屈曲する
ように形成しているので、支持位置Ａにおいては該地面
Ｇに対する主脚２２の取りうる角度θが一義的に規定さ
れる。従って、該支持位置Ａに支持脚２を保持するため
のストッパや係止具等の補助部材が無くてもコンロ本体
１を安定して支持することができる利点がある。

【００２０】このようにして設置される実施例の使用後
は、コンロ本体１を地面Ｇよりやや持ち上げながら、上
記支持位置Ａから運搬位置Ｂにまで回動させる操作を各
支持脚２ごとに行う。この運搬位置Ｂにおいては上記の
ように左右の支持脚２ａ，２ｂの接地部２３を会合させ
るようにし、該会合した一対の接地部２３を同時に把持
することにより該接地部２３が吊り下げ用部材に転用さ
れる。これによって１人或いは２人でコンロ本体１を水
平に保ったまま運搬することができるようになる。

【００２１】尚、バーベキューコンロで調理を行ってい
る間はコンロ本体１の上方が高温になるため上記のよう
にして運搬することは難しいが、それに代わって例えば
図３に示すように、キャンプ地周辺で採取できるような
棒材７０を接地部２３の下方にくぐらせ、該棒材７０の
両端部を持ち上げると、接地部２３は上記回動範囲内に
あって最高の高さとなる運搬位置Ｂ′にまで回動し、コ
ンロ本体１を吊り下げることができる。

【００２２】上記のようにして運搬したバーベキュコン
ロを自動車のトランクや荷台に収納する際には、上記各
接地部２３をコンロ本体１の受溝１３に嵌合させる収納
位置Ｃにまで回動させるようにし、これによって該バー
ベキューコンロをコンパクトにすることができる。

【００２３】以上のように、この実施例によれば、各接
地部２３がコンロ本体１よりも上方になる運搬位置Ｂ，
Ｂ′まで回動させることができるので、コンロ本体１を
水平に保った状態で運搬できる吊り下げ用部材を装着す
る必要がなくなり、部品点数が節約される。

【００２４】また、上記運搬位置Ｂにおいては左右両支
持脚２の接地部２３を会合させ、該会合状態の両接地部
２３を片手で把持することができるので、１人でも運搬
することが可能となる。

【００２５】さらに、上記支持位置Ａにおいて、主脚２
２が下方に拡開するとともに、該主脚２２に連設された
接地部２３が左右両支持脚２の間隔位置Ｄに向かって屈
曲する形状とすることによって、上記枢着部２１、主脚
２２から接地部２３に到る屈曲箇所、及び接地部２３の
先端部を頂点とする三角形が形成され、これによって該
支持位置Ａに支持脚２を固定するための別部材もしくは
機構を付加する必要がなくなる。

【００２６】また、図４は本発明に係る他の実施例の正
面図である。図４に示すように、図１乃至図３に示す実
施例とは異なり、上記網フレーム１２を支持する網受具
１１をコンロ本体１とは別部材とし、使用時に限って該
網受具１１を該コンロ本体１の側面に立設する構成して
いる。これによって、この実施例の不使用時には該網受
具１１及び網フレーム１２をコンロ本体１より脱却する
ようにしている。

【００２７】また、上記コンロ本体１の前後各側面に
は、支持脚２の接地部２３に符合する幅寸法で収納溝１
３を形成するようにし、支持脚２の収納位置Ｃにおいて
は接地部２３をこの収納溝１３に嵌合させるようにして
いる。

【００２８】従って、上記実施例によれば支持脚２を収
納位置Ｃにまで回動させたときにはコンロ本体１の上面
がほぼ平坦になり、上記図１乃至図３に示す実施例より
も収納状態での占有容積が小さくなる利点がある。

【００２９】尚、本発明においては上記支持脚が支持位
置と運搬位置との間で回動が可能でさえあればよく、特
に支持脚の形状は限定されず、例えば上記実施例とは逆
に、支持位置における支持脚の両主脚が下方に向かって
狭まる形状とするとともに、該主脚の下端部に連設され
る接地部が外側に向かって屈曲する形状としても上記同
様の作用・効果を奏することになる。

【００３０】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、コンロ
本体を所定高さに支持する左右一対の支持脚を備え、支
持脚が鉛直平面内で回動可能にコンロ本体に枢着された
バーベキューコンロにおいて、支持脚の最低限の回動範
囲を既述の構成とすることにより、支持脚の接地部を吊
り下げ用把手として転用することができるので、該吊り
下げ用の部品を付加することなく、運搬作業が容易に行
えることになる。

【００３１】特に上記運搬作業にあたっては上記各支持
脚の接地部を会合させることにより、一人ででもコンロ
本体を運搬することができる。さらに上記接地部を両支
持脚間の間隔位置に向かって屈曲する形状とすることに
より、支持位置において支持脚の回動動作を阻止する機
構を設けなくとも、支持脚が下方に拡開するようにして
固定され、安定してコンロ本体を支持することができる
ようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る一実施例の正面図である。

【図２】本発明に係る一実施例の支持脚の斜視図であ
る。

【図３】本発明に係る一実施例の使用態様を示す概念図
である。

【図４】本発明に係る他の実施例の正面図である。

【図５】従来例の使用状態の正面図である。

【図６】従来例の収納状態の正面図及び底面図である。

【符号の説明】

１ コンロ本体 ２（２ａ，２ｂ） 支持脚 ２１ 枢着部 ２２ 主脚 ２３ 接地部 Ａ 支持位置 Ｂ 運搬位置 Ｄ 支持脚の間隔位置

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンロ本体(1) を所定高さに支持する左
   右一対の支持脚(2:2a,2b))を備え、支持脚(2) が鉛直平
   面内で回動可能にコンロ本体(2) に枢着されたバーベキ
   ューコンロにおいて、 上記各支持脚(2) が、コンロ本体(2) に枢着される枢着
   部(21)と、各枢着部(21)より下方に延設された主脚(22)
   と、該両主脚(22)の下端部をコンロ本体(1) の幅方向に
   連結する接地部(23)とで構成され、該支持脚(2) の最低
   限の回動範囲を、上記コンロ本体(2) を下方より支持す
   る支持位置(A) から上記接地部(23)をコンロ本体(1) 上
   方にまで到達させる運搬位置(B) までとし、該運搬位置
   (B) における接地部(23)をコンロ本体(1) の吊り下げ用
   把手として転用するようにしたことを特徴とするバーベ
   キューコンロ。
2. 【請求項２】 上記運搬位置(B) において、左右両支持
   脚(2) の接地部(23)がコンロ本体(1) の上方で会合する
   ようにした請求項１に記載のバーベキューコンロ。
3. 【請求項３】 上記支持位置(A) における支持脚(2) の
   主脚(22)が下方に拡開した状態で固定されるとともに、
   主脚(22)に連設された接地部(23)が左右両支持脚(2) の
   間隔位置(D) に向かって屈曲する形状とした請求項１に
   記載のバーベキューコンロ。