JPH0812252B2 - 海底電導度測定用曳航ケーブル - Google Patents

海底電導度測定用曳航ケーブル

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JPH0812252B2
JPH0812252B2 JP1229626A JP22962689A JPH0812252B2 JP H0812252 B2 JPH0812252 B2 JP H0812252B2 JP 1229626 A JP1229626 A JP 1229626A JP 22962689 A JP22962689 A JP 22962689A JP H0812252 B2 JPH0812252 B2 JP H0812252B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は、例えば海底の機雷を掃海する掃海艇に配
備される海底電導度測定用の曳航ケーブルに関する。
(ロ)従来の技術 第4図は、従来の海底電導度測定用曳航ケーブルを示
す説明図である。
海底の機雷を掃海する掃海艇には、掃海用の通電ケー
ブル51が配備されている。この通電ケーブル51は、通電
長ケーブル51aと通電短ケーブル51bとからなり、両ケー
ブル51a、51bは一体に止着されており、掃海艇の大型ウ
インチ52に巻取られるようになっている。海底の機雷を
掃海する際は、この通電ケーブル51を曳航し、通電長ケ
ーブル51aと通電短ケーブル51bとの先端(電流流し部)
間に、所定の電流を流す。海底を介して両先端間に流れ
る電流により、周辺に磁界が発生し機雷が誘爆する。と
ころで、海底の機雷を安全な状態でかつ正確に掃海する
には、海底の深さや海底の電導度を正確に知る必要があ
る。そこで、従来は海底の電導度を測定するのに、通電
ケーブル51に対し、別途ウインチ55に捲回してある電位
検出ケーブル53を用意し、これらを組合わせて使用して
いる。つまり、それぞれ引き出した通電ケーブル51に対
し電位検出ケーブル53を、束ねバンド54により固定した
状態で、両ケーブル51、53を曳航する。通電ケーブル
(通電長ケーブル51a及び通電短ケーブル51b間)に所定
の電流を流すことで、電位検出ケーブル53の複数の電極
(A、B、C、D、E)間の電圧を計測する。例えば、
電極B−C間の電圧(電位)V1、電極C−D間の電圧
(電位)V2、電極A−E間の電位V3を計測し、この計測
した各電位、及び曳航器(電気伝導度検出部)6の別途
測定した海水電導度・水深等の諸情報を用いて、所定の
計算式により海底の電導度を演算する。なお、また従来
の通電ケーブルは、通電長ケーブルと通電短ケーブルが
それぞれ一本の太い導電線で構成されていた。
(ハ)発明が解決しようとする課題 上記、従来の海底電導度測定用曳航ケーブルでは、電
導度測定に際し、電位検出ケーブルを通電ケーブルに対
し束ねバンドを用いて固定した構造のものである。この
ため、この束ね作業が困難である許かりでなく、通電ケ
ーブル(通電長ケーブルと通電短ケーブルの端末)に対
し、電位検出ケーブル(各電極)を適正位置状態に固定
することが困難であり、曳航中に両ケーブルの位置ずれ
が生じた場合、適当な電位測定をなし得ない等の不利が
あった。そこで、本願発明者等は、通電ケーブルと電位
検出ケーブルを一体化することを検討したが、従来の通
電ケーブルは通電長ケーブル、通電短ケーブルとも一本
の導電線で構成されているものであり、太く質量が大で
あり、なお、電位検出ケーブルを一体化することは限界
があった。
この発明は、上記の問題を解消し、操作性がよく適正
な電位検出を実行し得、しかも専用ウインチで巻取り容
易な海底電導度測定用曳航ケーブルを提供することを目
的とする。
(ニ)課題を解決するための手段及び作用 この目的を達成させるために、この発明の海底電導度
測定用曳航ケーブルでは抗張体と、この抗張体の周囲に
配置される浮力体と、先端がそれぞれ裸状に一定長さ突
出し、かつ、それぞれが互いに絶縁された2本の導電線
を配列接続してなる通電長ケーブル、通電短ケーブルか
らなる通電ケーブルと、互いに絶縁された複数本の導線
からなり、各導線の先端に裸状に外部に臨出して電極を
形成した電位検出ケーブルとから構成され、これら抗張
体、浮力体、通電ケーブル及び電位検出ケーブルを1本
の複合ケーブルに形成し、かつ段階的に先細に形成して
いる。
このような構成を有する海底電導度測定用曳航ケーブ
ルでは、抗張体と浮力体と、2本の通電長ケーブルと2
本の通電短ケーブルと、電位検出ケーブルとが1本に纏
められている。従って、通電長ケーブルの先端(電流を
流すための端部)、導電短ケーブルの先端位置に対し、
電位検出ケーブルの複数の電極との位置決めが、当初よ
り適正に設定されている。従って、この1本の曳航ケー
ブルでは単一のウインチに巻き取られており、海底電導
度の測定に際し、従来のように通電ケーブルに対し、別
途捲回収納されている電位検出ケーブルを引出し、位置
決めしつつ束ね固定する等の困難な作業が不要となる。
また、通電ケーブルを構成する通電長ケーブル及び通電
短ケーブルを各2本に分割し、並列接続したものである
から、各通電長・短テーブルを小径に設定できる。従っ
て、通電ケーブルの基本径が小さくなる結果、曲げ半径
を小さくできるためウインチ巻取りが容易となる許かり
でなく、通電ケーブルの全体としての表面積が大きくな
り、通電電流による発熱の冷却効率が向上する等の作用
を発揮し得る。
(ホ)実施例 第3図は、この発明に係る海底電導度測定用曳航ケー
ブルを曳航する状態を示す説明図である。
曳航ケーブルWは、通電ケーブル1と電位検出ケーブ
ル2が一体に止着され1本の複合ケーブルを構成してい
る。この曳航ケーブルWは、船舶(掃海挺)のウインチ
Yに捲かれた状態で配備され、船舶の演算処理部4に電
気的に接続されている。例えば、通電ケーブル1は電流
検出部(図示せず)を介して演算処理部4の電流検出部
用電源に接続され、過電電流が流されると共に、電流検
出部により過電電流(通電する電流の大きさ)が演算処
理部4に取り込まれる。また、電位検出ケーブル2は延
長ケーブルを介して演算処理部4の入力変換器(図示せ
ず)に接続されており、各電極(A、B、C、D、E)
間の電圧が、演算処理部4に入力される。更に、船舶
(掃海挺)には曳航器(電気伝導度検出部)6が曳航し
てあり、この曳航器6により計測された深度、海水電導
度等の情報が、結合器61を介して演算処理部4に取り込
まれるようになっている。演算処理部4では、通電電
流、各電極間の電位、深度及び海水電導度の諸情報を一
定の計算式により演算し、海底Zの電導度を算出する。
第1図は、実施例の海底電導度測定用曳航ケーブルを
示す正面図である。
この曳航ケーブルWは、通電ケーブル1と電位検出ケ
ーブル2とからなる。通電ケーブル1と電位検出ケーブ
ル2は、一体に止着され1本のケーブルとして構成して
ある。通電ケーブル1は、2本の通電長ケーブル11、11
と、2本の通電短ケーブル12、12とからなり、各ケーブ
ル11、12は電気的に絶縁され、別個独立状に配備してあ
る。この通電ケーブル1の基端側(船舶側)の各端子11
a、12aは、補助ケーブルを介して前述の演算処理部(電
流検出部)4に接続される。また、通電ケーブル1の先
端側、つまり通電長ケーブル11及び通電短ケーブル12の
先端は、それぞれ外部に裸状に一定長さ突出させ、電流
流し部(電極ケーブル)11b、12bに設定してある。
上記電位検出ケーブル2は、所定長さを有する、例え
ば7本の電線21、22、23、24、25、26、27を1本に束ね
固定した〔第2図(A)参照〕もので、絶縁された各5
本の電線を、それぞれ異なる所定長さ位置で切断し、そ
の所定長さ位置に、電極A、B、C、D、Eを裸状に外
部に臨出させている(2本の電線は実施例では未使
用)。この曳航ケーブルWの長さは、実施例では約500m
程度に設定してある。そして、上記電線21の電極Aは基
端側の端子部11a、12aより48m位置に、電線22の電極B
は248m位置に、電線23の電極Cは298m位置に、電線24の
電極Dは398m位置に、そして電線25の電極Eは498m位置
に、それぞれ設定してある。また、上記通電短ケーブル
12の先端12bは、端子12aより193m位置に、通電長ケーブ
ル11の先端11bは端子11aより343m位置に設定してある。
つまり、通電ケーブル(長・短ケーブル11、12の先端11
b、12b)1と電位検出ケーブル(各電極A、B、C、
D、E)2との相対位置関係が、理論上、電位測定に最
も適正となるように設定してある。更に、上記電極A、
B、C、D、Eには、それぞれスイッチ部A1、B1、C1、
D1、E1が配備してあり、各電線21、22、23、24、25の絶
縁状態(ショート状態)をテストできるようになってい
る。
第2図(A)は、曳航ケーブルWの船舶艦上部分にお
ける断面図である。曳航ケーブルWは、中心部の抗張帯
31の外周に、2本に分割した通電長ケーブル11、11と、
2本に分割した通電短ケーブル12、12及び電位検出ケー
ブル2を円陣状に配列している。艦上部分は、海水に投
入されることがないため、浮力体が必要でない反面、通
電電流により通電ケーブル1が発熱するため、通電長・
短ケーブル11、12の径を太く設定してある。第2図
(B)、第2図(C)及び第2図(D)は、曳航ケーブ
ルWの水中部、つまり海水投入部分を示す断面図であ
る。第2図(B)は、電極Aと通電短ケーブル先端12b
間における曳航ケーブルWの断面図である。この海水中
に投入される水中部分では、中心抗張体31の外周に浮力
体32を周設すると共に、抗張体31の外周に円陣状に配列
する各通電長ケーブル11、11、通電短ケーブル12、12の
径を細く設定している。通電長・短ケーブル11、12をそ
れぞれ各2本に分割しているために、径を細くし得る結
果、通電ケーブル1の曲げ半径が小さくなり、且つ熱発
散性の表面積が拡大する。また、各通電長ケーブル11、
通電短ケーブル12間には浮力体32を介装状に配置し、各
通電長・短ケーブル11、12を対向状にクロス配置してあ
り、この部分における磁気発生をより小さくしている。
第2図(C)は、電極Bと電極C間における曳航ケーブ
ルWの断面図である。この部分における曳航ケーブルW
は、通電短ケーブル12の存在がなく、全体の径が一層細
くなっている。更に、第2図(D)は通電長ケーブル端
末11bと電極E間における曳航ケーブルWの断面図であ
る。この部分における曳航ケーブルWは、通電長ケーブ
ル11の存在がなく、電位検出ケーブル2の外周に浮力体
32を周設しただけの極めて小径に設定している。なお、
第2図(B)、第2図(C)及び第2図(D)におい
て、電位検出ケーブル2の各導線がいずれも7本で、第
2図(A)のものと同じ本数なのは、本来、第2図
(B)において、電線21が電気的に不要であり、第2図
(C)において、電線21、22が同じく不要であり、第2
図(D)において、電線21、22、23は同じく不要である
が、細い電位検出ケーブル2から、それぞれ不要の導線
を引き抜くのは大変であるため、残存させたためであ
る。
このような構成を有する海底電導度測定用曳航ケーブ
ルでは、抗張体31と、浮力体32と、2本の通電長ケーブ
ル11、11と2本の通電短ケーブル12、12と、電位検出ケ
ーブル2とが1本に纏められている。従って、通電長ケ
ーブル11の先端(電流を流すための端部)11b、通電短
ケーブル12の先端12b位置に対し、電位検出ケーブル2
の複数の電極A、B、C、D、Eとの位置決めが、当所
より適正に設定されている。従って、この1本の曳航ケ
ーブルWでは単一のウインチYに巻き取られており、海
底電導度の測定に際し、従来のように通電ケーブル1に
対し、別途捲回収納されている電位検出ケーブル2を引
出し、位置決めしつつ束ね固定する等の困難な作業が不
要となる。また、通電ケーブル1を構成する通電流ケー
ブル11及び通電短ケーブル12を各2本に分割したから、
各通電長・短ケーブル11、12を小径に設定できる。従っ
て、通電ケーブル1の基本径が小さくなる。つまり曲げ
半径を小さくできる結果、ウインチY巻取りが容易とな
る許かりでなく、通電ケーブル1の全体としての表面積
が大きくなり、通電電流による発熱の海水冷却効率が向
上する。さらに、2本の通電長ケーブル11、11及び2本
の通電短ケーブル12、12を、それぞれ対向状(クロス
状)に分散配置すれば、通電電流の順方向と逆方向のよ
り対称性(分布の均一性)が保たれ、磁界の打ち消しが
完全となる。
(ヘ)発明の効果 この発明では、以上のように抗張体と、浮力体と、2
本の通電長ケーブルと2本の通電短ケーブルと、電位検
出ケーブルとを一体に止着し、一本の複合ケーブルとな
したから、単一のウインチに捲回収納されている曳航ケ
ーブルを単に引出し、曳航するだけの簡易な作業で適正
な電位検出を実行できる。従って、従来のように、電位
検出に際し通電ケーブルに対し別個電位検出ケーブルを
位置決めしながら、2本のケーブルを束ねる困難な作業
が解消されると共に、電位検出ケーブルと通電ケーブル
の位置ずれによる誤った電位検出が解消できると共に、
通電短ケーブルに延長ケーブルを接続して、通電長、短
ケーブル間の間隔を改造する作業も解消される。また、
通電ケーブルを構成する通電長ケーブル及び通電短ケー
ブルを、それぞれ各2本に並行導線に分割したから、各
通電長・短ケーブルを小径に設定できる。従って、通電
ケーブルの基本径が小さくなるため、曲げ半径を小さく
できウインチ巻取りが容易となる許かりでなく、通電ケ
ーブルの全体としての表面積が大きくなり、通電電流に
よる発熱の冷却効率が向上する。更に、2本の通電長ケ
ーブル及び2本の通電短ケーブルを、それぞれ対向状
(クロス状)に分散配置すれば、通電電流の順方向と逆
方向のより対称性(分布の均一性)が保たれ、磁界の打
ち消しが完全となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例海底電導度測定用曳航ケ
ーブルを示す正面図、第2図(A)は、同曳航ケーブル
の艦上部分における断面図、第2図(B)は、同曳航ケ
ーブルの電極Aと通電短ケーブルと先端との間における
断面図、第2図(C)は、電極Bと電極C間における同
曳航ケーブルの断面図、第2図(D)は、通電長ケーブ
ル先端と電極E間における同曳航ケーブルの断面図、第
3図は、実施例曳航ケーブルを使用する状態を示す説明
図、第4図は、従来の海底電導度測定用曳航ケーブルを
示す説明図である。 1:通電ケーブル、2:電位検出ケーブル、 11:通電長ケーブル、12:通電短ケーブル、 31:抗張体、32:浮力体、 A、B、C、D、E:電極。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抗張体と、この抗張体の周囲に配置される
    浮力体と、先端がそれぞれ裸状に一定長さ突出し、か
    つ、それぞれが互いに絶縁された2本の導電線を並列接
    続してなる通電長ケーブル、通電短ケーブルからなる通
    電ケーブルと、互いに絶縁された複数本の導線からな
    り、各導線の先端に、裸状に外部に臨出して電極を形成
    した電位検出ケーブルとから構成され、これら抗張体、
    浮力体、通電ケーブル及び電位検出ケーブルを1本の複
    数ケーブルに形成し、かつ段階的に先細に形成したこと
    を特徴とする海底電導度測定用曳航ケーブル。
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