JPH0812169B2 - 炭素センサー電極およびその製造方法 - Google Patents
炭素センサー電極およびその製造方法Info
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- JPH0812169B2 JPH0812169B2 JP4266706A JP26670692A JPH0812169B2 JP H0812169 B2 JPH0812169 B2 JP H0812169B2 JP 4266706 A JP4266706 A JP 4266706A JP 26670692 A JP26670692 A JP 26670692A JP H0812169 B2 JPH0812169 B2 JP H0812169B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電気化学的検出器、
環境分析用センサー、病理検査用センサー、および生体
系等の検出用プローブ電極等に用いられる炭素センサー
電極とその製造方法に関する。
環境分析用センサー、病理検査用センサー、および生体
系等の検出用プローブ電極等に用いられる炭素センサー
電極とその製造方法に関する。
【0002】詳しくは、電極材料として純粋な複合炭素
細線および炭素繊維などを、酵素、金属錯体、有機物、
代謝物などの電子受容/供与性物質を含む溶液に浸し、
絶縁性の管中に電極と反応物を同時に保持したことを特
徴とする炭素センサー電極と、その製造方法に関する。
前記電子受容/供与性物質とは、被計測化合物と直接も
しくは膜を通して化学的もしくは電気化学的に反応し
て、被計測化合物から電子を受容するか、被計測化合物
に電子を供与する物質を意味する。以下、この電子受容
/供与性物質を簡単に反応物もしくは反応物質と記す。
細線および炭素繊維などを、酵素、金属錯体、有機物、
代謝物などの電子受容/供与性物質を含む溶液に浸し、
絶縁性の管中に電極と反応物を同時に保持したことを特
徴とする炭素センサー電極と、その製造方法に関する。
前記電子受容/供与性物質とは、被計測化合物と直接も
しくは膜を通して化学的もしくは電気化学的に反応し
て、被計測化合物から電子を受容するか、被計測化合物
に電子を供与する物質を意味する。以下、この電子受容
/供与性物質を簡単に反応物もしくは反応物質と記す。
【0003】
【従来の技術】電気化学的計測法の大きな分野として、
近年、急速に発展してきたセンサーを検出手法とする簡
易迅速分析法は、選択性が非常に高く、高感度な測定が
可能であるため、計測目的成分が極微量で、多数の化合
物が共存する臨床生体試料や環境試料などの分析、評価
に盛んに使われはじめている。
近年、急速に発展してきたセンサーを検出手法とする簡
易迅速分析法は、選択性が非常に高く、高感度な測定が
可能であるため、計測目的成分が極微量で、多数の化合
物が共存する臨床生体試料や環境試料などの分析、評価
に盛んに使われはじめている。
【0004】また、近年、このような特定の物質を感度
良く、迅速に検出可能なセンサー電極を用いて生体系な
どの局所で、生きたまま(in vivo)、その場
(insitu)での、情報を得ることが大変重要とな
ってきた。この目的のためには、容易に作成可能な電極
を使い捨てるか、新しい電極面が容易に得られる構成と
して、生体の特定物質を選択して測定可能であることが
要求される。
良く、迅速に検出可能なセンサー電極を用いて生体系な
どの局所で、生きたまま(in vivo)、その場
(insitu)での、情報を得ることが大変重要とな
ってきた。この目的のためには、容易に作成可能な電極
を使い捨てるか、新しい電極面が容易に得られる構成と
して、生体の特定物質を選択して測定可能であることが
要求される。
【0005】従来、このような計測用電極としては、水
素イオンを計測するpH計、ナトリウムイオンなどの無
機イオンを検出するイオンセンサー、炭素繊維(CF)
やガラス状炭素(GC)などの表面に錯体、有機物など
を化学修飾したセンサー、カーボンペースト(CP)電
極のペーストにグルコースオキシダーゼなどの酵素を混
合し、イオン透過膜で覆ったグルコースセンサーなどの
各種の酵素センサー、免疫代謝物を保持したバイオセン
サー等が検討され、実用化されはじめている。ところ
が、pH計と無機イオンセンサーを除いて、化学修飾セ
ンサー、酵素センサー、バイオセンサーのほとんどが長
期使用に耐えず、寿命の短い難点がある。
素イオンを計測するpH計、ナトリウムイオンなどの無
機イオンを検出するイオンセンサー、炭素繊維(CF)
やガラス状炭素(GC)などの表面に錯体、有機物など
を化学修飾したセンサー、カーボンペースト(CP)電
極のペーストにグルコースオキシダーゼなどの酵素を混
合し、イオン透過膜で覆ったグルコースセンサーなどの
各種の酵素センサー、免疫代謝物を保持したバイオセン
サー等が検討され、実用化されはじめている。ところ
が、pH計と無機イオンセンサーを除いて、化学修飾セ
ンサー、酵素センサー、バイオセンサーのほとんどが長
期使用に耐えず、寿命の短い難点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来センサーにお
ける寿命の問題を解決するために、さきに電極として良
好な特性を示した複合炭素素材(天然グラファイトと有
機物粘結剤との複合によるシャープペンシル芯素材)を
用い、製造過程で生成する微細孔を積極的に利用して、
その導通性を上げ、孔径を制御して、長期使用可能なセ
ンサー基体を作製することを試みた。
ける寿命の問題を解決するために、さきに電極として良
好な特性を示した複合炭素素材(天然グラファイトと有
機物粘結剤との複合によるシャープペンシル芯素材)を
用い、製造過程で生成する微細孔を積極的に利用して、
その導通性を上げ、孔径を制御して、長期使用可能なセ
ンサー基体を作製することを試みた。
【0007】さらに、この多孔性炭素細線の表面および
導通している内部の微細孔に、酵素、金属錯体、有機
物、代謝物などの反応物を含浸、吸着保持および化学修
飾し、望みの反応物を内蔵あるいは表面に保持したセン
サーを作製する方法を発明した(特願平3−19371
9号)。
導通している内部の微細孔に、酵素、金属錯体、有機
物、代謝物などの反応物を含浸、吸着保持および化学修
飾し、望みの反応物を内蔵あるいは表面に保持したセン
サーを作製する方法を発明した(特願平3−19371
9号)。
【0008】この電極は、特定物質の検出を可能とする
炭素センサー電極であり、以下の点を損なわない。すな
わち、 生体系に対して、電流、電圧、機械的刺激のいずれ
をも加えることが可能な細胞規模の炭素微小センサー電
極を作成すること。
炭素センサー電極であり、以下の点を損なわない。すな
わち、 生体系に対して、電流、電圧、機械的刺激のいずれ
をも加えることが可能な細胞規模の炭素微小センサー電
極を作成すること。
【0009】 計測系を被毒しないこと(もし、生体
内に残存しても安全であること)、、また、食品検査に
も使用できること。
内に残存しても安全であること)、、また、食品検査に
も使用できること。
【0010】 生体および食品などに刺して、極微小
(微量)部分の電気化学的検出を可能とする機械的強度
を具備すること。
(微量)部分の電気化学的検出を可能とする機械的強度
を具備すること。
【0011】 センサー特性にばらつきが少なく、デ
ータの再現性があり、信頼性ある計測が可能であるこ
と。
ータの再現性があり、信頼性ある計測が可能であるこ
と。
【0012】 特殊な前処理を必要とせず、poli
shing程度で安定に電極反応を測定可能であるこ
と。
shing程度で安定に電極反応を測定可能であるこ
と。
【0013】 安価で使い捨てができること。
【0014】などである。
【0015】しかし、この電極には、炭素の濡れ性の悪
さのため、作成した微細孔中へ反応物質を含浸するのが
困難な場合がある、という難点がある。
さのため、作成した微細孔中へ反応物質を含浸するのが
困難な場合がある、という難点がある。
【0016】センサー用電極としての必要条件は、 (i) 電位窓が大きくブランク電流が小さいこと。
【0017】(ii) 特定物質との反応が、再現性良く、
繰返し可能であること。
繰返し可能であること。
【0018】(iii) 電極反応が活性であること。
【0019】(iv) 電極特性に固体差がないこと。
【0020】(v) 不純物の含有が少なく、電極反応を
阻害しないこと。
阻害しないこと。
【0021】(vi) 取扱いや前処理が容易であること。
【0022】などが挙げられる。本発明者らは、先に、
炭素の細棒であるシャープペンシル用の芯を用いたプロ
ーブ電極(特開平1−250854号)が、これらの条
件をほとんど満たすセンサー電極用材料として使用可能
であること、また、炭素繊維の中にも計測用電極として
使用可能なものがあることを見出した。
炭素の細棒であるシャープペンシル用の芯を用いたプロ
ーブ電極(特開平1−250854号)が、これらの条
件をほとんど満たすセンサー電極用材料として使用可能
であること、また、炭素繊維の中にも計測用電極として
使用可能なものがあることを見出した。
【0023】測定対象である生体系には、タンパク質、
脂質などの吸着性の物質が多量に共存している上に、炭
素面に一度吸着したこれらの有機物は酸化除去しないか
ぎり取れにくいので、使い捨てにするか、既に使った電
極部分は折り取る、などの配慮が必要である。また、臨
床検査などで他人の検体に使用した同一センサーを再度
使用することは、上記の理由からも間違いのもととな
る。そこで、使い捨ての特性を持つ構成のセンサーおよ
びセンサー電極に要求される条件を列挙すると、 (1) 生体系に優しい炭素を電極とする。
脂質などの吸着性の物質が多量に共存している上に、炭
素面に一度吸着したこれらの有機物は酸化除去しないか
ぎり取れにくいので、使い捨てにするか、既に使った電
極部分は折り取る、などの配慮が必要である。また、臨
床検査などで他人の検体に使用した同一センサーを再度
使用することは、上記の理由からも間違いのもととな
る。そこで、使い捨ての特性を持つ構成のセンサーおよ
びセンサー電極に要求される条件を列挙すると、 (1) 生体系に優しい炭素を電極とする。
【0024】(2) その炭素材は電極としての活性が
高いこと。
高いこと。
【0025】(3) センサー内に酵素などの反応物を
活性なまま保持可能。
活性なまま保持可能。
【0026】(4) センサー内に酵素などの反応物を
活性なまま保持することが容易かつ、十分に行える。
活性なまま保持することが容易かつ、十分に行える。
【0027】(5) 一度使用済みの電極部分を折り取
るかあるいは切り取れる。
るかあるいは切り取れる。
【0028】(6) 使い捨てられる程度に安価であ
る。
る。
【0029】使い捨てを目的とするセンサー電極は、少
なくとも上記の6項目の条件を満たすものである必要が
ある。この目的には、酵素、金属錯体、有機物、代謝物
などの望みの反応物を、電極表面に常時存在させるのが
容易で、経済的に作成可能なセンサー電極が望ましい。
なくとも上記の6項目の条件を満たすものである必要が
ある。この目的には、酵素、金属錯体、有機物、代謝物
などの望みの反応物を、電極表面に常時存在させるのが
容易で、経済的に作成可能なセンサー電極が望ましい。
【0030】そこで、本発明の課題は、これらの要求を
満たした炭素センサー電極の構成とその製造方法を提供
することにある。
満たした炭素センサー電極の構成とその製造方法を提供
することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明の炭素センサー電
極は、絶縁性の外層の内部に反応物を含む溶液が充填さ
れるとともに、該外層の前記反応物の溶液中に炭素電極
が挿入されていることを特徴とするものである。
極は、絶縁性の外層の内部に反応物を含む溶液が充填さ
れるとともに、該外層の前記反応物の溶液中に炭素電極
が挿入されていることを特徴とするものである。
【0032】また、本発明の炭素センサー電極の製造方
法は、炭素電極を反応物を含む溶液に浸し、該溶液を含
浸させたまま前記炭素電極を絶縁性の外層で覆う方法
か、または、絶縁性のチューブ内に反応物を含有する溶
液を注入し、このチューブ内に炭素電極を差込む方法で
ある。
法は、炭素電極を反応物を含む溶液に浸し、該溶液を含
浸させたまま前記炭素電極を絶縁性の外層で覆う方法
か、または、絶縁性のチューブ内に反応物を含有する溶
液を注入し、このチューブ内に炭素電極を差込む方法で
ある。
【0033】ここで、前記炭素電極は、炭素繊維または
炭素棒を多数まとめて束状にしたものが好ましい。
炭素棒を多数まとめて束状にしたものが好ましい。
【0034】また、前記絶縁性の外層としては、絶縁性
のチューブまたは絶縁シートが好ましい。
のチューブまたは絶縁シートが好ましい。
【0035】また、この反応物質としては、(活性な酵
素、尿酸などの窒素代謝物、アミノ酸代謝物、ドーパミ
ンなどの神経伝達物質、ビタミン類、酢酸やクエン酸な
どの有機酸、アミン類、アルコール類、麻酔剤や薬物な
どの医薬品、を含む)有機物、錯イオン類、(塩酸や硫
酸などの)無機酸、(アンモニアや水酸化物などの)ア
ルカリ、前記無機酸およびアルカリの塩、酸素や塩素、
酸化窒素類などの)可溶性ガス、およびこれらの混合物
のいずれか、またはこれらを含有するものが挙げられ
る。
素、尿酸などの窒素代謝物、アミノ酸代謝物、ドーパミ
ンなどの神経伝達物質、ビタミン類、酢酸やクエン酸な
どの有機酸、アミン類、アルコール類、麻酔剤や薬物な
どの医薬品、を含む)有機物、錯イオン類、(塩酸や硫
酸などの)無機酸、(アンモニアや水酸化物などの)ア
ルカリ、前記無機酸およびアルカリの塩、酸素や塩素、
酸化窒素類などの)可溶性ガス、およびこれらの混合物
のいずれか、またはこれらを含有するものが挙げられ
る。
【0036】さらに、前記反応物のバルク溶液中への流
失を防止するために、前記反応物は、ワセリン、パラフ
ィン、オイル、グリセリン、寒天、ゼラチン等の坦体物
質により保持してもよい。
失を防止するために、前記反応物は、ワセリン、パラフ
ィン、オイル、グリセリン、寒天、ゼラチン等の坦体物
質により保持してもよい。
【0037】さらにまた、前記絶縁性の外層の先端開口
部は、前記反応物のバルク溶液中への流失を防止するた
めに、イオン透過膜により封止してもよい。
部は、前記反応物のバルク溶液中への流失を防止するた
めに、イオン透過膜により封止してもよい。
【0038】さらに、前記外層の基端部に反応物を含む
溶液を供給する反応液供給装置を接続し、常に新鮮な反
応物質を電極先端に補給できるようにしてもよい。前記
反応液供給装置としては、注液器や低速微調整可能なポ
ンプなどが考えられる。
溶液を供給する反応液供給装置を接続し、常に新鮮な反
応物質を電極先端に補給できるようにしてもよい。前記
反応液供給装置としては、注液器や低速微調整可能なポ
ンプなどが考えられる。
【0039】以下、さらに本発明を図面を参照して説明
する。
する。
【0040】本発明の炭素センサー電極は、図1にその
概略構成を示すように、外層が絶縁性の管1であり、そ
の内部に反応物質2を内蔵し、各種の形状、素材の炭素
を電極材3として貫通させた構成となっている。反応物
質2は活性な酵素、代謝物、錯イオン、酸、アルカリ、
溶存ガス、有機物などである。管1の中に内蔵されたこ
れらの反応物質2が反応中に直ちにバルク溶液内へ流失
しないように、ワセリン、グリセリン、オイル、パラフ
ィン、寒天、ゼラチンなどの保持物質と共存しているこ
とを特徴とする。また、管1の先端部分を電気抵抗の低
いイオン交換膜、導電性高分子膜で覆い、液の流失を防
いでもよい。さらに、液の流失が生じても常に新鮮な反
応液を電極先端に補給されるように、管1の基端部に不
図示の注射器等の反応液供給装置を接続してもよい。
概略構成を示すように、外層が絶縁性の管1であり、そ
の内部に反応物質2を内蔵し、各種の形状、素材の炭素
を電極材3として貫通させた構成となっている。反応物
質2は活性な酵素、代謝物、錯イオン、酸、アルカリ、
溶存ガス、有機物などである。管1の中に内蔵されたこ
れらの反応物質2が反応中に直ちにバルク溶液内へ流失
しないように、ワセリン、グリセリン、オイル、パラフ
ィン、寒天、ゼラチンなどの保持物質と共存しているこ
とを特徴とする。また、管1の先端部分を電気抵抗の低
いイオン交換膜、導電性高分子膜で覆い、液の流失を防
いでもよい。さらに、液の流失が生じても常に新鮮な反
応液を電極先端に補給されるように、管1の基端部に不
図示の注射器等の反応液供給装置を接続してもよい。
【0041】作成法は単純で、第1の製造方法は、適当
に保持物質と共に溶解された反応物質2の温液に、例え
ば炭素繊維束の電極材3を浸して、十分に電極材3の周
りを反応物質2で濡らし、絶縁性の管1の中に、そのま
ま通すか、針状のガイドを使って通し、センサー電極を
作成する。常温になれば、粘張性の保持物質のために反
応物質が流失しないセンサーができあがる。第2の製造
方法は、保持物質と共に溶解された反応物質2の温液を
ピペット先端に取り付けた絶縁性の管1に吸い上げ、そ
の液中に電極材3とする炭素材をさし込んで、上下に上
げ下げしながら反応物質2で十分に電極表面を濡らす。
加温により特性の変化する反応物質を取り扱う場合に
は、常温で上記のいずれかの方法により溶液を導入した
後、管1の先端部分を電気抵抗の低いイオン交換膜か導
電性高分子膜で覆い液の流失を防ぐとよい。
に保持物質と共に溶解された反応物質2の温液に、例え
ば炭素繊維束の電極材3を浸して、十分に電極材3の周
りを反応物質2で濡らし、絶縁性の管1の中に、そのま
ま通すか、針状のガイドを使って通し、センサー電極を
作成する。常温になれば、粘張性の保持物質のために反
応物質が流失しないセンサーができあがる。第2の製造
方法は、保持物質と共に溶解された反応物質2の温液を
ピペット先端に取り付けた絶縁性の管1に吸い上げ、そ
の液中に電極材3とする炭素材をさし込んで、上下に上
げ下げしながら反応物質2で十分に電極表面を濡らす。
加温により特性の変化する反応物質を取り扱う場合に
は、常温で上記のいずれかの方法により溶液を導入した
後、管1の先端部分を電気抵抗の低いイオン交換膜か導
電性高分子膜で覆い液の流失を防ぐとよい。
【0042】一度使用した炭素センサー電極先端は、折
り(切り)取って必ず新しい電極面を使用すれば再現性
のよい結果が得られる。
り(切り)取って必ず新しい電極面を使用すれば再現性
のよい結果が得られる。
【0043】保持物質(担体)をほとんど共存させない
場合でも、管1に注液器あるいは低速微調整可能なポン
プを取り付けて僅かに陰圧にすることによって、反応液
を含む溶液を電極周りに保持すれば、センサーとして使
用可能である。
場合でも、管1に注液器あるいは低速微調整可能なポン
プを取り付けて僅かに陰圧にすることによって、反応液
を含む溶液を電極周りに保持すれば、センサーとして使
用可能である。
【0044】
【作用】前記構成の本発明の炭素センサー電極は、絶縁
外層内に酵素などの反応物を内蔵させて炭素繊維などを
電極とした長期使用可能な構造のセンサー電極であり、
先端を容易に除去でき、そのため、新鮮なセンサー電極
面を容易に提供でき、極めて実用的である。
外層内に酵素などの反応物を内蔵させて炭素繊維などを
電極とした長期使用可能な構造のセンサー電極であり、
先端を容易に除去でき、そのため、新鮮なセンサー電極
面を容易に提供でき、極めて実用的である。
【0045】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれら実施例に限定されるものではない。
はこれら実施例に限定されるものではない。
【0046】(実施例1)疑似的なペルオキシダーゼと
して働く鉄EDTA錯イオンを絶縁管である内径1mm
のシリコーンチューブに内蔵させて、このチューブに電
極材として直径0.2mmのシャープペンシル芯の束を
差し込んでセンサー電極を得た。このセンサー電極を用
いてバルク溶液中に存在する過酸化水素の検出を行っ
た。この反応は次の式に従って触媒的に進行するので、
感度の増大、選択性に優れている。本反応の概念図を図
2に示す。
して働く鉄EDTA錯イオンを絶縁管である内径1mm
のシリコーンチューブに内蔵させて、このチューブに電
極材として直径0.2mmのシャープペンシル芯の束を
差し込んでセンサー電極を得た。このセンサー電極を用
いてバルク溶液中に存在する過酸化水素の検出を行っ
た。この反応は次の式に従って触媒的に進行するので、
感度の増大、選択性に優れている。本反応の概念図を図
2に示す。
【0047】
【数1】 Fe(III)EDTA + e → Fe(II)EDTA (I) Fe(II)EDTA + H2O2 → Fe(III)EDTA (II) (I)式の反応は、酢酸系緩衝溶液を用いるpH3.5
−5の領域で安定に反応が進行する。(II)式の反応
は、このpH領域で(I)の反応よりはるかに速い反応
で、過酸化水素が存在すると瞬時にFe(III)ED
TAが再生してくる酵素類似の反応を行う。
−5の領域で安定に反応が進行する。(II)式の反応
は、このpH領域で(I)の反応よりはるかに速い反応
で、過酸化水素が存在すると瞬時にFe(III)ED
TAが再生してくる酵素類似の反応を行う。
【0048】(I)の反応は、ボルタンメトリー法で約
−0.3V vs. SCE(pHにより多少異なる)
にFeEDTA波として検出できるが、過酸化水素が存
在すると、その波高が過酸化水素の量とともに高くなる
ので、過酸化水素の検出ができる。この時、溶液内に酸
素が溶存していると酸素も(II)式と類似の反応を行
うので、本センサー電極挿入の前にあらかじめ溶液内の
酸素は不活性ガスなどを10分程度吹き込んで除去して
おく必要がある。本センサー電極の先端をハサミで切り
取って繰り返し検出を試みたところ、FeEDTA還元
波の高さの相対標準偏差は10回の繰り返しで4.6%
であった。
−0.3V vs. SCE(pHにより多少異なる)
にFeEDTA波として検出できるが、過酸化水素が存
在すると、その波高が過酸化水素の量とともに高くなる
ので、過酸化水素の検出ができる。この時、溶液内に酸
素が溶存していると酸素も(II)式と類似の反応を行
うので、本センサー電極挿入の前にあらかじめ溶液内の
酸素は不活性ガスなどを10分程度吹き込んで除去して
おく必要がある。本センサー電極の先端をハサミで切り
取って繰り返し検出を試みたところ、FeEDTA還元
波の高さの相対標準偏差は10回の繰り返しで4.6%
であった。
【0049】(実施例2)天然の酵素反応の多くは、反
応終了後、過酸化水素が生成してくるので、その溶液内
での過酸化水素の含有量を計測することによって酵素反
応の進行を推測できる。天然のわさび中にあるペルオキ
シダーゼを内蔵した本構成のセンサー電極が最終目標で
あるが、実施例1で利用しているFeEDTAを使用し
ても、上記のように過酸化水素の検出が容易に行える。
pH4.5の溶液中に存在する1〜5mM量の過酸化水
素の検出を試みたところ、図3に示す結果が得られ、本
発明のセンサー電極の特性の高さが確認された。なお、
図中の曲線Oは、センサー内のFeEDTAのみによる
リニア・スキャン・ボルタンモグラム(LSV)であ
り、曲線1は、0.75%H2 O2 が共存する場合のL
SVであり、曲線2は、1.0%H2 O2 が共存する場
合のLSV、曲線3は1.5%H2 O2 が共存する場合
のLSVである。
応終了後、過酸化水素が生成してくるので、その溶液内
での過酸化水素の含有量を計測することによって酵素反
応の進行を推測できる。天然のわさび中にあるペルオキ
シダーゼを内蔵した本構成のセンサー電極が最終目標で
あるが、実施例1で利用しているFeEDTAを使用し
ても、上記のように過酸化水素の検出が容易に行える。
pH4.5の溶液中に存在する1〜5mM量の過酸化水
素の検出を試みたところ、図3に示す結果が得られ、本
発明のセンサー電極の特性の高さが確認された。なお、
図中の曲線Oは、センサー内のFeEDTAのみによる
リニア・スキャン・ボルタンモグラム(LSV)であ
り、曲線1は、0.75%H2 O2 が共存する場合のL
SVであり、曲線2は、1.0%H2 O2 が共存する場
合のLSV、曲線3は1.5%H2 O2 が共存する場合
のLSVである。
【0050】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明による反
応物内蔵型炭素センサー電極の実施により、従来長期に
わたる使用が不可能であった。センサー電極に代わっ
て、多くの生体試料などの中の特定物質検出のために、
その場測定(in situ)向きの良好な炭素センサ
ー電極の提供が可能となる。
応物内蔵型炭素センサー電極の実施により、従来長期に
わたる使用が不可能であった。センサー電極に代わっ
て、多くの生体試料などの中の特定物質検出のために、
その場測定(in situ)向きの良好な炭素センサ
ー電極の提供が可能となる。
【0051】すなわち、本炭素センサー電極は、絶縁性
管内に酵素などの反応物を内蔵させて炭素繊維などを電
極とした長期使用可能な構造のセンサー電極であり、先
端折り(切り)取りおよび使い捨てが可能であり、それ
によって新しいセンサー電極面を容易に提供できる実用
的なセンサー電極となる。
管内に酵素などの反応物を内蔵させて炭素繊維などを電
極とした長期使用可能な構造のセンサー電極であり、先
端折り(切り)取りおよび使い捨てが可能であり、それ
によって新しいセンサー電極面を容易に提供できる実用
的なセンサー電極となる。
【図1】本発明のセンサー電極の概略構成を示す斜視図
である。
である。
【図2】本発明のセンサー電極の反応の概念図である。
【図3】本発明のセンサー電極での反応の結果のリニア
−スキャンボルタンモグラム(LSV)である。
−スキャンボルタンモグラム(LSV)である。
1 絶縁管 2 反応物質 3 電極材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 27/327 27/38 (56)参考文献 特開 昭62−123349(JP,A) 特開 平1−250854(JP,A) 特開 平3−205549(JP,A) 特開 平4−74957(JP,A) 特開 平5−18928(JP,A)
Claims (21)
- 【請求項1】 絶縁性の外層の内部に電子受容/供与性
物質を含む溶液が充填されるとともに、該外層の前記電
子受容/供与性物質の溶液中に炭素電極が挿入されてい
ることを特徴とする炭素センサー電極。 - 【請求項2】 前記炭素電極が、炭素繊維を多数まとめ
て束状にしたものであることを特徴とする請求項1に記
載の炭素センサー電極。 - 【請求項3】 前記炭素電極が、炭素棒を多数まとめて
束状にしたものであることを特徴とする請求項1に記載
の炭素センサー電極。 - 【請求項4】 前記絶縁性の外層が、絶縁性のチューブ
であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに
記載の炭素センサー電極。 - 【請求項5】 前記絶縁性の外層が、絶縁シートから構
成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいず
れかに記載の炭素センサー電極。 - 【請求項6】 前記電子受容/供与性物質が、活性な酵
素,尿酸などの窒素代謝物,アミノ酸代謝物,ドーパミ
ンなどの神経伝達物質,ビタミン類,酢酸やクエン酸な
どの有機酸,アミン類,アルコール類,麻酔剤や薬物な
どの医薬品,を含む有機物、錯イオン類、塩酸や硫酸な
どの無機酸、アンモニアや水酸化物などのアルカリ、前
記無機酸およびアルカリの塩、酸素や塩素,酸化窒素類
などの可溶性ガス、およびこれらの混合物のいずれか、
またはこれらを含有するものであることを特徴とする請
求項1ないし5のいずれかに記載の炭素センサー電極。 - 【請求項7】 前記電子受容/供与性物質を含む溶液
が、坦体により保持されていることを特徴とする請求項
1ないし6のいずれかに記載の炭素センサー電極。 - 【請求項8】 前記坦体が、ワセリン、パラフィン、オ
イル、グリセリン、寒天、ゼラチンの少なくとも一つで
あることを特徴とする請求項7に記載の炭素センサー電
極。 - 【請求項9】 前記絶縁性の外層の先端開口部が、イオ
ン透過膜により封止されていることを特徴とする請求項
1ないし8のいずれかに記載の炭素センサー電極。 - 【請求項10】 前記外層内に電子受容/供与性物質を
含む溶液を供給する反応液供給装置を、前記外層の基端
部に接続したことを特徴とする請求項1ないし9のいず
れかに記載の炭素センサー電極。 - 【請求項11】 炭素電極を電子受容/供与性物質を含
む溶液に浸し、該溶液を保持させたまま前記炭素電極を
絶縁性の外層で覆い、該炭素電極周囲に前記電子受容/
供与性物質を共存させることを特徴とする炭素センサー
電極の製造方法。 - 【請求項12】 前記絶縁性の外層を、絶縁性のチュー
ブとすることを特徴とする請求項11に記載の炭素セン
サー電極の製造方法。 - 【請求項13】 前記絶縁性の外層を、絶縁シートを用
いて構成することを特徴とする請求項11に記載の炭素
センサー電極の製造方法。 - 【請求項14】 絶縁性のチューブ内に電子受容/供与
性物質を含有する溶液を注入し、このチューブ内に炭素
電極を差込み、該炭素電極に前記電子受容/供与性物質
を含浸、保持および化学修飾させるとともに、該炭素電
極周囲に前記電子受容/供与性物質を共存させることを
特徴とする炭素センサー電極の製造方法。 - 【請求項15】 前記炭素電極を、炭素繊維を多数まと
めて束状にしたものから構成することを特徴とする請求
項11ないし14のいずれかに記載の炭素センサー電極
の製造方法。 - 【請求項16】 前記炭素電極を、炭素棒を多数まとめ
て束状にしたものから構成することを特徴とする請求項
11ないし14のいずれかに記載の炭素センサー電極の
製造方法。 - 【請求項17】 前記電子受容/供与性物質が、活性な
酵素,尿酸などの窒素代謝物,アミノ酸代謝物,ドーパ
ミンなどの神経伝達物質,ビタミン類,酢酸やクエン酸
などの有機酸,アミン類,アルコール類,麻酔剤や薬物
などの医薬品,を含む有機物、錯イオン類、塩酸や硫酸
などの無機酸、アンモニアや水酸化物などのアルカリ、
前記無機酸およびアルカリの塩、酸素や塩素,酸化窒素
類などの可溶性ガス、およびこれらの混合物のいずれ
か、またはこれらを含有するものであることを特徴とす
る請求項11ないし16のいずれかに記載の炭素センサ
ー電極の製造方法。 - 【請求項18】 前記電子受容/供与性物質の溶液に坦
体物質を添加して、前記電子受容/供与性物質のバルク
溶液中への流失を防止することを特徴とする請求項11
ないし17のいずれかに記載の炭素センサー電極の製造
方法。 - 【請求項19】 前記坦体物質が、ワセリン、パラフィ
ン、オイル、グリセリン、寒天、ゼラチンの少なくとも
一つを用いることを特徴とする請求項18に記載の炭素
センサー電極の製造方法。 - 【請求項20】 前記絶縁性の外層中に前記炭素電極を
配置した後、前記絶縁性の外層の先端開口部をイオン透
過膜により封止することを特徴とする請求項11ないし
19のいずれかに記載の炭素センサー電極の製造方法。 - 【請求項21】 前記外層の基端部に、前記電子受容/
供与性物質を含む溶液を継続的に供給することのできる
反応液供給装置を、さらに、接続することを特徴とする
請求項11ないし20のいずれかに記載の炭素センサー
電極の製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4266706A JPH0812169B2 (ja) | 1992-09-09 | 1992-09-09 | 炭素センサー電極およびその製造方法 |
EP93114278A EP0592805A3 (en) | 1992-09-09 | 1993-09-06 | Carbon sensor electrode and process for producing the same |
US08/317,816 US5503728A (en) | 1992-09-09 | 1994-10-04 | Carbon sensor electrode and process for producing the same |
US08/411,525 US5704118A (en) | 1992-09-09 | 1995-03-28 | Method of making a carbon sensor electrode |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4266706A JPH0812169B2 (ja) | 1992-09-09 | 1992-09-09 | 炭素センサー電極およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0694671A JPH0694671A (ja) | 1994-04-08 |
JPH0812169B2 true JPH0812169B2 (ja) | 1996-02-07 |
Family
ID=17434557
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4266706A Expired - Lifetime JPH0812169B2 (ja) | 1992-09-09 | 1992-09-09 | 炭素センサー電極およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0812169B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4811048B2 (ja) * | 2006-02-17 | 2011-11-09 | 株式会社豊田中央研究所 | 電極材料、並びにそれを用いたバイオセンサー及び燃料電池 |
CN115058888B (zh) * | 2022-06-02 | 2023-11-28 | 山东大学 | 一种Fe-N-C纳米酶原位修饰的碳纤维及其制备方法 |
-
1992
- 1992-09-09 JP JP4266706A patent/JPH0812169B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0694671A (ja) | 1994-04-08 |
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