JPH08121686A - 被覆管およびその製造方法 - Google Patents

被覆管およびその製造方法

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JPH08121686A
JPH08121686A JP25662094A JP25662094A JPH08121686A JP H08121686 A JPH08121686 A JP H08121686A JP 25662094 A JP25662094 A JP 25662094A JP 25662094 A JP25662094 A JP 25662094A JP H08121686 A JPH08121686 A JP H08121686A
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JP
Japan
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less
mat
weight
peripheral surface
outer peripheral
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JP25662094A
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English (en)
Inventor
Akira Hattori
昭 服部
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GEN SHOKO KK
GENERAL SHOKO KK
Original Assignee
GEN SHOKO KK
GENERAL SHOKO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性が高く発煙せず施工性が向上する被覆
管およびその製造方法を提供する。 【構成】 原料混合・溶融工程1において、キューポラ
炉にて冷塊原料を溶融し、連続流出する溶融湯をロック
ウール繊維化工程2の繊維化スピンナにて繊維化する。
ロックウール繊維をフェルト工程3でシート状のマット
に集綿し、ニードリング加工工程4でフェルトシート状
のロックウールマットを形成する。ロックウールマット
を圧縮積層工程5で筒状の型管の外周面に所定の厚さで
所定の密度に圧縮積層し、マット部を形成する。マット
部の外周面にアルミニウム箔を貼り付ける。型管を筒状
の被覆体に同軸上に接合し、マット部を軸方向に沿って
被覆体の外周面に移動させた後型管を取り外し、順次被
覆体の外周面にマット部を形成する。マット部の継ぎ目
部分にアルミニウム箔テープを貼り付けて被覆管を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェルトシート状に形
成されたロックウール繊維のシート部材にて被覆された
被覆管およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば空調冷暖房用の配管には、
ポリエチレン発泡断熱材などにてフェルトシート状や筒
状などの所定の形状に形成された断熱保温材が被覆され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、配管内
に流通する熱媒体からの熱負荷などによりポリエチレン
発泡断熱材が劣化して配管とポリエチレン発泡断熱材と
の間に隙間が生じて断熱硬化が低下する。また、冷暖房
の繰り返しにより配管とポリエチレン断熱材との間に結
露が生じ、ポリエチレン発泡断熱材の継ぎ目などから水
滴となって滴下する場合がある。さらに、ポリエチレン
発泡断熱材は耐熱性が低く用途が限られるとともに、着
火した場合には発煙して有害ガスが発生するおそれがあ
る。
【0004】また、配管にポリエチレン発泡断熱材を現
地で被覆することは困難である問題がある。
【0005】本発明は、上記問題点に鑑み、耐熱性が高
く発煙せず施工性が向上する被覆管およびその製造方法
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の被覆管
は、筒状の管体と、この管体の外周面に設けられた厚さ
寸法が10mm以上25mm以下のマット部と、このマット
部の外周面に設けられたアルミニウム層とを備え、前記
マット部は、酸化珪素(SiO2 )が38重量%以上4
4重量%以下、酸化アルミニウム(Al2 3 )が10
重量%以上15重量%以下、酸化カルシウム(CaO)
が30重量%以上38重量%以下、および、酸化マグネ
シウム(MgO)が4重量%以上8重量%以下を含有
し、平均繊維径が4μm以上7μm以下のロックウール
繊維が、0.3重量%以上1重量%以下の結合剤により
フェルトシート状のシート部材に集綿され、このシート
部材が密度を180kg/m3 以上300kg/m3 以下に
前記管体の外周面に圧縮積層されて筒状に形成されたも
のである。
【0007】請求項2記載の被覆管の製造方法は、管状
の被覆体を外周面にアルミニウム層が設けられるマット
部にて被覆形成する被覆管の製造方法において、酸化珪
素(SiO2 )が38重量%以上44重量%以下、酸化
アルミニウム(Al2 3 )が10重量%以上15重量
%以下、酸化カルシウム(CaO)が30重量%以上3
8重量%以下、および、酸化マグネシウム(MgO)が
4重量%以上8重量%以下を含有し、平均繊維径が4μ
m以上7μm以下のロックウール繊維を形成し、このロ
ックウール繊維を0.3重量%以上1重量%以下の結合
剤によりフェルトシート状のシート部材に集綿し、この
シート部材を管状の被覆体と略同形状の型管の外周面に
密度が180kg/m3 以上300kg/m3 以下、かつ、
厚さ寸法が10mm以上25mm以下で圧縮積層して筒状の
マット部を形成し、前記型管を前記被覆体に略同軸上に
接続して前記マット部を前記被覆体に移動した後に型管
を取り外し、前記被覆体の外周面に前記マット部を形成
するものである。
【0008】請求項3記載の被覆管は、筒状の管体と、
この管体の外周面に設けられた厚さ寸法が10mm以上2
5mm以下のマット部と、このマット部の外周面に設けら
れたアルミニウム層とを備え、前記マット部は、酸化珪
素(SiO2 )が40重量%以上42重量%以下、酸化
アルミニウム(Al2 3 )が15重量%以上17重量
%以下、酸化鉄(Fe2 3 )が4重量%以上6重量%
以下、酸化カルシウム(CaO)が16重量%以上19
重量%以下、酸化マグネシウム(MgO)が10重量%
以上12重量%以下、および、酸化カリウム(K2 O)
と酸化ナトリウム(Na2 O)との総量が4重量%以上
5重量%以下を含有し、平均繊維径が4μm以上7μm
以下のロックウール繊維がシート状のマットに集綿さ
れ、このマットをニードリング加工によりフェルトシー
ト状に形成したシート部材が密度を180kg/m3 以上
300kg/m3 以下に前記管体の外周面に圧縮積層され
て筒状に形成されたものである。
【0009】請求項4記載の被覆管の製造方法は、管状
の被覆体を外周面にアルミニウム層が設けられるマット
部にて被覆形成する被覆管の製造方法において、酸化珪
素(SiO2 )が40重量%以上42重量%以下、酸化
アルミニウム(Al2 3 )が15重量%以上17重量
%以下、酸化鉄(Fe2 3 )が4重量%以上6重量%
以下、酸化カルシウム(CaO)が16重量%以上19
重量%以下、酸化マグネシウム(MgO)が10重量%
以上12重量%以下、および、酸化カリウム(K2 O)
と酸化ナトリウム(Na2 O)との総量が4重量%以上
5重量%以下を含有し、平均繊維径が4μm以上7μm
以下のロックウール繊維を形成し、このロックウール繊
維をシート状のマットに集綿し、このマットをニードリ
ング加工によりフェルトシート状のシート部材に形成
し、このシート部材を前記管体と略同形状の型管の外周
面に密度が180kg/m3 以上300kg/m3 以下で圧
縮積層して筒状のマット部を形成し、前記型管を前記被
覆体に略同軸上に接続して前記マット部を前記被覆体に
移動した後に型管を取り外し、前記被覆体の外周面に前
記マット部を設けるものである。
【0010】
【作用】請求項1記載の被覆管は、酸化珪素(Si
2 )が38重量%以上44重量%以下、酸化アルミニ
ウム(Al2 3 )が10重量%以上15重量%以下、
酸化カルシウム(CaO)が30重量%以上38重量%
以下、および、酸化マグネシウム(MgO)が4重量%
以上8重量%以下を含有し、平均繊維径が4μm以上7
μm以下のロックウール繊維を、0.3重量%以上1重
量%以下の結合剤によりフェルトシート状のシート部材
に集綿し、このシート部材を密度を180kg/m3 以上
300kg/m3 以下に管体の外周面に圧縮積層して外周
面にアルミニウム層を形成して筒状のマット部を形成す
るため、結合材の添加量が少ないのでマット部の内周側
が内方に向けて広がるようになり、管体の外周面に隙間
が生じることなく安価なロックウール繊維からなるマッ
ト部が形成され、耐熱性が高く安価にマット部を被覆形
成可能で製造性が向上し、マット部を設けた管体を接続
するのみで施工性が向上するとともに、マット部の熱に
よる変質が防止され管体とマット部との間に隙間を生じ
ず断熱性が維持される。また、マット部の外周面に設け
たアルミニウム層により輻射熱が増大して保温性が向上
するとともに、防湿性が向上して結露が防止される。
【0011】請求項2記載の被覆管の製造方法は、管状
の被覆体を外周面にアルミニウム層が設けられるマット
部にて被覆形成する被覆管の製造方法において、酸化珪
素(SiO2 )が38重量%以上44重量%以下、酸化
アルミニウム(Al2 3 )が10重量%以上15重量
%以下、酸化カルシウム(CaO)が30重量%以上3
8重量%以下、および、酸化マグネシウム(MgO)が
4重量%以上8重量%以下を含有し、平均繊維径が4μ
m以上7μm以下のロックウール繊維を、0.3重量%
以上1重量%以下の結合剤によりフェルトシート状のシ
ート部材に集綿し、このシート部材を管状の被覆体と略
同形状の型管の外周面に密度が180kg/m3 以上30
0kg/m3 以下で圧縮積層して筒状のマット部を形成
し、型管を被覆体に略同軸上に接続してマット部を被覆
体に移動した後に型管を取り外し、被覆体の外周面にマ
ット部を形成するため、型管に形成されるマット部は型
管の外周面を摺動可能で、あらかじめ型管に圧縮積層し
たマット部を被覆体に移動させるのみで、被覆体に安価
なロックウール繊維からなるマット部を容易に被覆形成
可能で、シート部材を被覆体に被覆する現場作業が不要
となり施工性が向上する。
【0012】請求項3記載の被覆管は、酸化珪素(Si
2 )が40重量%以上42重量%以下、酸化アルミニ
ウム(Al2 3 )が15重量%以上17重量%以下、
酸化鉄(Fe2 3 )が4重量%以上6重量%以下、酸
化カルシウム(CaO)が16重量%以上19重量%以
下、酸化マグネシウム(MgO)が10重量%以上12
重量%以下、および、酸化カリウム(K2 O)と酸化ナ
トリウム(Na2 O)との総量が4重量%以上5重量%
以下を含有し、平均繊維径が4μm以上7μm以下のロ
ックウール繊維をシート状のマットに集綿し、このマッ
トがニードリング加工によりフェルトシート状に形成さ
れたシート部材を密度が180kg/m3以上300kg/
3 以下に管体の外周面に圧縮積層して外周面にアルミ
ニウム層を形成して筒状のマット部を形成するため、結
合材を用いずともロックウール繊維の絡み付きにより保
形性が容易に得られ、フェルトシート状の形成が容易で
あるとともに、結合材を用いないため絡み合うロックウ
ール繊維が移動可能で柔軟性が向上し、管体への被覆が
容易である。さらに、結合材を用いないのでマット部の
内周側が内方に向けて広がるようになり、管体の外周面
に隙間が生じることなく安価なロックウール繊維からな
るマット部が形成され、耐熱性が高く安価にマット部を
被覆形成可能で製造性が向上し、マット部を設けた管体
を接続するのみで施工性が向上するとともに、マット部
の熱による変質が防止され管体とマット部との間に隙間
を生じず断熱性が維持される。さらに、発煙および高温
暴露による結合材の変質による脱落が防止され、コスト
も低減する。また、マット部の外周面に設けたアルミニ
ウム層により輻射熱が増大して保温性が向上するととも
に、防湿性が向上して結露が防止される。
【0013】請求項4記載の被覆管の製造方法は、管状
の被覆体を外周面にアルミニウム層が設けられるマット
部にて被覆形成する被覆管の製造方法において、酸化珪
素(SiO2 )が40重量%以上42重量%以下、酸化
アルミニウム(Al2 3 )が15重量%以上17重量
%以下、酸化鉄(Fe2 3 )が4重量%以上6重量%
以下、酸化カルシウム(CaO)が16重量%以上19
重量%以下、酸化マグネシウム(MgO)が10重量%
以上12重量%以下、および、酸化カリウム(K2 O)
と酸化ナトリウム(Na2 O)との総量が4重量%以上
5重量%以下を含有し、平均繊維径が4μm以上7μm
以下のロックウール繊維をシート状のマットに集綿し、
このマットをニードリング加工によりフェルトシート状
のシート部材に形成し、このシート部材を管体と略同形
状の型管の外周面に密度が180kg/m3 以上300kg
/m3 以下で圧縮積層して筒状のマット部を形成し、型
管を管体に略同軸上に接続してマット部を管体に移動し
た後に型管を取り外し、被覆体の外周面にマット部を形
成するため、型管に形成されるマット部は型管の外周面
を摺動可能で、あらかじめ型管に圧縮積層したマット部
を被覆体に移動させるのみで、被覆体に結合材を用いず
発煙しない安価なロックウール繊維からなるマット部を
容易に被覆形成可能で、シート部材を被覆体に被覆する
現場作業が不要となり施工性が向上する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の被覆管を製造する工程の一実
施例の構成を図面を参照して説明する。
【0015】被覆管の製造工程は、図1に示すように、
原料混合・溶融工程1、ロックウール繊維化工程2、フ
ェルト工程3、ニードリング加工工程4、圧縮積層工程
5および被覆工程6から構成されている。
【0016】そして、原料混合・溶融工程1は、例えば
キューポラ炉が用いられる。なお、電気溶融炉を用いる
などいずれの方法を用いて原料を溶融してもよい。
【0017】また、キューポラ炉には、溶融湯をロック
ウール繊維に繊維化するロックウール繊維化工程2が接
続され、このロックウール繊維化工程2には、繊維化ス
ピンナが設けられている。
【0018】そして、この繊維化スピンナは、内部が水
で冷却される直径が例えば6〜16インチの中空の円盤を
1〜4個組み合わされて構成され、これら円盤の後方に
は、円盤の軸方向に沿って空気を送風する送風装置が設
けられている。さらに、図示しない送風口近傍または繊
維化スピンナの中心からダストオイルを吐出するように
なっている。なお、ダストオイルは、ミシン油やマシン
油、スピンドル油などの潤滑剤をエマルジョン化した水
溶液を使用する。
【0019】さらに、ロックウール繊維化工程2には、
フェルト工程3が接続されている。このフェルト工程3
は、ロックウール繊維をシート状のマットに集綿する通
気性回転体が設けられている。そして、この通気性回転
体は、金網やパンチングメタルなどにて円筒状またはコ
ンベア状に形成され、繊維化スピンナの前方に位置し、
軸方向が送風方向と直交方向に繊維化スピンナの各円盤
に接近して配設されている。さらに、通気性回転体は、
ロックウール繊維が吹きつけられる面より中心軸線に向
って吸気するサクション機能を備えている。
【0020】また、通気性回転体の回転方向側である繊
維化スピンナの反対側には、通気性回転体の外周面より
シート化されたマットを引剥し、幅寸法が略2mとなる
ように振り子状のトラバース運動により折り畳んで例え
ば4ないし10層程度に積層してシート状のマットを形
成し、ニードリング加工工程4に搬送するコンベア装置
が配設されている。なお、このコンベアは、搬送される
マットを秤量する計量装置を備えている。
【0021】そして、フェルト工程3の下流側に接続さ
れたニードリング加工工程4は、ニードリング装置を設
け、このニードリング装置は、先端に微細な鉤部を設け
た細長い針部が、コンベアなどにて搬送されるマットの
厚さ方向に進退自在に無数に設けられている。そして、
搬送されたマットは、無数の針部がマットの厚さ方向に
進出して突き刺さり、さらに鉤部にて引っ掛けられるよ
うに針部が引き抜かれてニードリング処理が行われ、シ
ート部材であるロックウールマットが得られる。なお、
このニードリング装置は、片面側からのみならず、両面
から針部を進退させる構成でもよい。
【0022】さらに、ニードリング加工工程4の下流側
には、圧縮積層工程5が接続され、この圧縮積層工程5
は、ニードリング加工工程4にて形成されたロックウー
ルマットを所定の径寸法の筒状に圧縮積層する圧縮積層
装置と、アルミニウム層被覆装置とを設けている。この
圧縮積層装置は、被覆対象の管体としての管状の被覆体
の外径と略同寸法の管体となる型管を有し、この型管に
ロックウールマットを圧縮積層するようになっている。
また、アルミニウム被覆装置は、型管の外周面にロック
ウールマットが圧縮積層されて筒状に形成されたマット
部の外周面にアルミニウム層を被覆する、例えばアルミ
ニウム箔を貼り付けたり、アルミニウム箔をガラスクロ
スや不燃シート、セラミックスペーパなどの一面に設け
たアルミニウム箔接着シートをアルミニウム箔が表面に
位置するようにマット部に貼り付けたり、アルミニウム
金属を蒸着するなどにより、アルミニウム層を被覆形成
するようになっている。
【0023】そしてさらに、圧縮積層工程5の下流側に
は、被覆工程6が接続され、この被覆工程6は、被覆体
とロックウールマットが圧縮積層された型管とを略同軸
上に接合し、型管の外周面に設けたロックウールマット
を被覆体の外周面に移動させるようになっている。
【0024】なお、圧縮積層工程5のアルミニウム被覆
装置は、被覆工程6に設けてもよい。すなわち、型管に
形成したマット部を被覆工程6において、被覆体に移動
させた後、アルミニウム層をマット部の外周面に設ける
ようにしてもできる。
【0025】次に、上記製造工程の動作を説明する。
【0026】まず、原料混合・溶融工程1において、例
えばキューポラ炉を用いて、冷塊原料とコークスとを、
円筒状の炉体内に上部から投入し、炉体の下部側面に数
個以上開口する送風口から空気または熱風を吹き込み、
コークスを燃焼させて冷塊原料を溶融する。そして、溶
融した原料は、炉体の下部に流下し、炉体底部に溶融湯
だまりを形成し、炉体の下部側面に設けた溶融湯排出口
から連続して流出される。
【0027】なお、冷塊原料としては、フェロニッケル
スラグ、シリコマンガンスラグ、チタンスラグ、珪石、
フライアッシュ、ロウ石、水酸化マグネシウム、酸化マ
ンガン、水酸化アルミニウム、カンラン岩、長石、蛇紋
岩、玄武岩、石灰石、輝緑岩などを適宜配合・混合した
ものを用いる。
【0028】さらに、キューポラ炉から連続流出した溶
融湯を、約1400℃〜1600℃、例えば1490℃
±10℃で3t/H 〜5t/H の定量で、ロックウール繊維
化工程2の繊維化スピンナに流過させ、ロックウール繊
維を形成する。
【0029】すなわち、繊維化スピンナの数個の円盤を
同時に例えば4000rpm 〜10000rpm で高速回転
させ、表面に一定の温度および量に制御された熔融湯を
流下させると、数個の円盤に順次熔融湯が巻き付き乗り
移り、高速回転している円盤の遠心力により熔融湯が繊
維化され、繊維化された溶融湯は、送風装置にて0.1
重量%〜0.3重量%の比率でダストオイルとともに軸
方向に吹き出されている風力によって、円盤の円周縁か
ら繊維化スピンナ前方に吹き飛ばされてロックウール繊
維が形成される。
【0030】この際、熔融湯の一部は繊維にならずに未
繊維化物が発生するが、大きい異物は遠心力が大きいの
で軸方向の風力を突き抜けて円盤の接線方向に飛び散
り、ロックウール繊維中には多く含まれない。また、微
細な異物や未繊維化物は、軸方向の風力によりロックウ
ール繊維とともに運ばれ、ロックウール繊維中に未繊維
化物として混在する。
【0031】そして、得られたロックウール繊維の組成
を表1に示す。
【0032】
【表1】 なお、微量成分としては、酸化チタン(TiO2 )、酸
化マンガン(MnO)などである。また、未繊維化物の
径および平均繊維径の測定は、特殊な篩を用いて篩い分
け、電子顕微鏡で200本の未繊維化物の径および平均
繊維径を測定して平均値を算出した。
【0033】そして、繊維化スピンナで繊維化され、送
風により軸方向に吹き出されたロックウール繊維は、繊
維化スピンナの前方に配設されたフェルト工程の円筒状
の通気性回転体の外周面に叩きつけられように吹きつけ
られ、風力によってロックウール繊維同士が絡み合って
塊状になる時間もなく大部分が繊維状で薄い均一なシー
ト状の例えば幅寸法が約2mのマットに集綿される。
【0034】なお、マットに含まれる100μm以上の
未繊維化物は、24重量%で、表1に示すように、50
0μm以上が2重量%、250μm〜500μmが8重
量%、200μm〜250μmが5重量%、100μm
〜200μmが9重量%であった。
【0035】そして、通気性回転体に付着した薄いシー
ト状のマットを、コンベア装置のコンベアによって通気
性回転体の外周面より引剥してコンベア装置に移行し、
幅寸法が略2mとなるように振り子状のトラバース運動
により折り畳んで例えば4ないし10層程度に積層して
移送する。
【0036】なお、マットの密度は、通気性回転体の回
転速度、マットの綿巾、コンベヤの送り速度の複合的調
整によって決まる。
【0037】さらに、コンベアにて移行したマットは、
ニードリング加工工程4のニードリング装置に搬送され
る。そして、搬送されたマットは、無数の針部がマット
の厚さ方向に進出して突き刺さり、さらに鉤部にて引っ
掛けられるように針部が引き抜かれてニードリング加工
処理4が行われ、フェルトシート状のロックウールマッ
トが形成され、このロックウールマットを幅寸法が略1
mになるように長手方向に沿って略2等分してドラムな
どに巻き取る。
【0038】なお、ロックウールマットの取扱強度を増
大させるためにドラムに巻き取る前に幅寸法が略1mと
なるように長手方向に沿って2等分に切断したが、切断
してからニードリング加工を行いドラムに巻き取るよう
にしてもできる。
【0039】そして、得られたロックウールマットは、
表2に示すように、耐熱温度は約700℃、密度が約
0.18g/m3 で、熱伝導率は、約0.035kcal/m
Hr℃(30℃)である。なお、この熱伝導率は、JIS-A-
1412-1989 の保温材の熱伝導率測定方法、すなわち平板
直法に基づいて測定した。
【0040】
【表2】 この後、ドラムに巻き取られたロックウールマットを、
圧縮積層装置にて所定の型寸法の例えば長さ寸法が略1
mのステンレス管などの型管の外周面に、厚さ寸法が1
0mm以上25mm以下で密度が180kg/m3 以上300
kg/m3 以下となるように圧縮積層して、内径が所定の
径寸法のマット部を形成する。さらに、このマット部の
外周面に、アルミニウム被覆装置にてアルミニウム層を
形成する。なお、型管は、ステンレス管に限らず、金属
管、磁器管、合成樹脂管、紙製管などいずれのものでも
できる。
【0041】そして、このアルミニウム層の被覆形成に
おいては、例えばアルミニウム箔を珪酸ソーダなどの無
機接着剤や、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、フェノール
樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、スチレン−ブタジ
エンなどのゴム系接着剤、エチレン酢酸ビニル樹脂およ
び酢酸ビニル樹脂などの有機性接着剤を用いてマット部
に貼り付けたり、アルミニウム箔をガラスクロスの一面
に設けたガラスクロス接着アルミニウム箔をアルミニウ
ム箔が表面に位置するようにマット部に貼り付ける。な
お、アルミニウム箔は、被覆工程6における取扱性、被
覆後の施工時などの取扱性を考慮して厚さ寸法が少なく
とも20μm以上が好ましい。
【0042】次に、被覆工程6において、被覆体として
の例えば長さ寸法が2mの半硬質銅管や軟質銅管、ステ
ンレス管、鋼管などに、ロックウールマットが圧縮積層
されて外周面にマット部が形成された型管を略同軸上に
接合し、型管に設けたアルミニウム層を外周面に有する
マット部を軸方向に沿って被覆体の外周面に移動させ
る。そして、マット部が移動された型管を取り外し、さ
らに別のマット部を設けた型管を被覆体に略同軸上に接
合し、再びマット部をあらかじめ移動されたマット部に
端部が当接するまで被覆体に移動させる。そして、この
後、マット部の端部の当接する部分である継ぎ目部分に
接着剤付アルミニウム箔テープを貼り付けて巻き付け被
覆管を形成する。
【0043】なお、被覆体は、管径や長さ寸法は適宜設
定され、この管径に対応した型管を用いてロックウール
マットを圧縮積層してマット部を形成する。
【0044】また、アルミニウム層の被覆形成は、マッ
ト部を被覆体に移動させた後に形成してもできる。な
お、被覆体に移動する前にマット部の外周面にアルミニ
ウム層を設けることにより、型管に形成したマット部の
保形性が向上し、被覆体に移動する作業が容易となる。
【0045】そして、この被覆管がボイラ用の配管や空
調冷暖房用の配管などとして現場にて配管される。この
被覆管の現場配管の際には、マット部を若干移動させて
被覆体の端部を露出させ、露出させた被覆体の端部を当
接させて溶接やロウ付けにより接合し、再びマット部を
移動させて接合部分を覆い、マット部の当接する継ぎ目
部分を接着剤付アルミニウム箔テープで巻き付けて覆い
配管する。
【0046】なお、マット部は耐熱性が高いため、被覆
体を接合する際のマット部の移動量は接合作業に支障を
きたさない程度でよく、従来のポリエチレン発泡断熱材
を用いたもののように、被覆体を冷却しつつ接合し被覆
体が冷却してからポリエチレン発泡断熱材を移動する必
要がなく、施工性が向上する。
【0047】また、外周面にアルミニウム層を設けたマ
ット部が形成された型管を管体として、この被覆体にマ
ット部を移動させる前に現場に輸送し、被覆体を配管し
つつ型管の端部を配管した被覆体の端部に略同軸上に当
接させ、次々にマット部を被覆体に移動させてもでき
る。
【0048】次に、上記実施例の作用を説明する。
【0049】冷塊原料の配合条件を変えて、上記実施例
と同様の操作により形成したロックウール繊維をニード
リング加工処理してロックウールマットに形成し、この
ロックウールマットを圧縮積層したマット部の外周面に
アルミニウム箔を貼り付け、各種試験を行った。まず、
冷塊原料の配合条件によるロックウールマットの物性試
験の結果を表3に示す。
【0050】なお、物性試験は、ニードリング加工処理
の状況として、ニードリング加工処理によるロックウー
ル繊維の切断、すなわち切断に伴い落下する切断された
ロックウール繊維の粉末重量の大小、ニードリング加工
処理後のロックウールマットのちぎれや亀裂、および、
ロックウールマットの連続状態であるニードリング処理
後のつながり状態について観察して比較した。
【0051】
【表3】 この表3の結果から、従来のフェルトシート化されたロ
ックウール繊維に近似した組成のものである比較例1、
すなわち酸化珪素(SiO2 )および酸化第二鉄(Fe
2 3 )が少なく酸化カルシウム(CaO)が多い場合
には、切断されたロックウール繊維の粉末重量が他に比
べて非常に多く、ロックウール繊維の柔軟性が低いこと
が分かる。このため、ニードリング処理の際のロックウ
ール繊維の絡み付きが得られず、ロックウールマットは
いたるところでちぎれや亀裂が認められ、連続的なフェ
ルトシート状に形成できない。
【0052】また、比較例2は、比較例1より切断され
たロックウール繊維の粉末重量およびロックウールマッ
トのちぎれは若干低下し、連続性は若干向上したが、大
差はない。さらに、比較例3は、若干ではあるが比較例
2よりさらに粉末重量、ロックウールマットのちぎれ、
連続性が向上している。そして、比較例2および比較例
3は、本実施例のSiO2 の含有量と同含有量で、本実
施例よりCaOが多い。また、比較例2より比較例3の
方がCaOの含有量が少ない。これらの結果および比較
例1の結果から、CaOが所定量より多くなるにしたが
ってロックウール繊維の柔軟性が低下することが分か
る。
【0053】一方、比較例4は、CaOの含有量が比較
例3よりさらに少なく、酸化カリウム(K2 O)および
酸化ナトリウム(Na2 O)の含有量が多く本実施例と
略同量である。そして、この比較例4は、比較例3より
切断されたロックウール繊維の粉末重量がかなり低下す
るとともに、ロックウールマットのちぎれおよび亀裂も
低下し、一部であるが連続的なロックウールマットが得
られた。このため、ロックウール繊維の柔軟性の向上に
は、K2 OおよびNa2 Oをある程度含有させる必要が
あることが分かる。
【0054】そして、本実施例は、ほとんど切断された
ロックウール繊維は得られず、ロックウールマットのち
ぎれや亀裂がなく、連続的に安定してフェルトシート状
に形成できた。すなわち、本実施例は、CaOの含有量
が比較例4よりさらに少なく、Fe2 3 の含有量が比
較例4より多くなっており、Fe2 3 を所定量含有す
ることでさらにロックウール繊維の柔軟性が向上するこ
とがわかる。
【0055】さらに、所定の耐熱温度が得られるように
配合量を変化させてニードリング処理をした結果、酸化
珪素(SiO2 )が40重量%以上42重量%以下、酸
化アルミニウム(Al2 3 )が15重量%以上17重
量%以下、酸化鉄(Fe2 3 )が4重量%以上6重量
%以下、酸化カルシウム(CaO)が16重量%以上1
9重量%以下、酸化マグネシウム(MgO)が10重量
%以上12重量%以下、K2 OおよびNa2 Oが4重量
%以上5重量%以下であることが好ましい。
【0056】次に、密度を変化させてロックウールマッ
トを形成し、ニードリング処理状況を観察するととも
に、引っ張り試験などを行った結果、密度が80kg/m
3 より少なくなるとロックウールマットの強度が低下し
て、ちぎれや亀裂など発生する。また、密度が150kg
/m3 より大きくなると熱伝導率が増大し、断熱材とし
ての効果が損なわれる。このため、ロックウールマット
の密度は、80kg/m3〜150kg/m3 であることが
好ましい。
【0057】さらに、ロックウールマットの厚さ寸法
は、5mmより薄くなると、集綿後のマットとしての強度
が低下するとともに断熱効果を低下し、厚さ寸法が40
mmより厚くなるとロックウール繊維が均一となるように
マットを集綿形成することが困難となることから、ロッ
クウールマットの厚さ寸法は、5mm以上40mm以下が好
ましい。
【0058】また、潤滑剤としてのダストオイルは、ロ
ックウール繊維に対して0.1重量%〜0.3重量%の
比率となるように吐出させるのが好ましい。すなわち、
ロックウール繊維に対して0.1重量%より少ないとニ
ードリング処理の際に、針部とロックウール繊維との摩
擦が大きくなり、ロックウール繊維が切断する量が増大
し、ロックウール繊維同士の絡み付き度合いが低下して
ロックウールマットの強度が低下する。また、0.3重
量%より多くなると、ロックウールマットが油っぽくな
り商品価値観が低下するほか、例えばアルミニウム泊を
貼り付けたり、アルミニウム金属を蒸着するなどのアル
ミニウム層を形成する場合に、アルミニウム層が剥離し
やすくなるなどの問題もある。したがって、潤滑剤とし
てのダストオイルは、ロックウール繊維に対して0.1
重量%〜0.3重量%の比率となるように吐出させるの
が好ましい。
【0059】一方、100μm以上の未繊維化物は、2
4重量%以下であることが好ましい。すなわち、100
μm以上の未繊維化物が24重量%より多くなると、ロ
ックウール繊維の絡み付きにより生じる空気層の容量が
少なくなり、保温性が低下するとともに、ロックウール
繊維の含有割合が低下することによりロックウール繊維
の絡み付き度合いが減少して、集綿後のマットおよびロ
ックウールマットの強度が低下するため、100μm以
上の未繊維化物は、24重量%以下が好ましい。
【0060】また、平均繊維径は、4μm以上7μm以
下が好ましい。すなわち、平均繊維径が4μmより小さ
いと、ロックウール繊維が絡み付くための所定の長さと
なるロックウール繊維が形成し難く、また、ニードリン
グ処理の際に切断してロックウール繊維の絡み付き度合
いが減少することによる集綿後のマットおよびロックウ
ールマットの強度が低下する。さらに、平均繊維径が7
μmより大きくなると、マットおよびロックウールマッ
トの密度が増大して、ロックウール繊維の絡み付きによ
り生じる空気層の容量が少なくなり、保温性が低下す
る。また、平均繊維径が7μmより大きくなると、ロッ
クウール繊維の曲げ率が低下して、ニードリング処理の
際に切断してロックウール繊維の絡み付き度合いが減少
することによるマットおよびロックウールマットの強度
が低下する。したがって、平均繊維径は、4μm以上7
μm以下が好ましい。
【0061】また、このロックウールマットを密度を変
化させて圧縮積層してマット部を形成し、引っ張り試験
などを行った結果、密度が180kg/m3 より少なくな
るとマット部の強度が低下して、型管から被覆体への移
動の際などにちぎれや亀裂など発生する。また、密度が
300kg/m3 より大きくなると熱伝導率が増大し、断
熱材としての効果が損なわれる。このため、ロックウー
ルマットの密度は、180kg/m3 〜300kg/m3
あることが好ましい。
【0062】さらに、マット部の厚さ寸法は、10mmよ
り薄くなると、集綿後のマットとしての強度が低下する
とともに断熱効果を低下し、厚さ寸法が25mmより厚く
なると被覆管の外面の柔軟性が増大して取扱性が低下す
ることから、マット部の厚さ寸法は、10mm以上25mm
以下が好ましい。
【0063】また、アルミニウム層を形成する厚さ寸法
が約35μmのアルミニウム箔をマット部に貼り付ける
際に合成ゴム系樹脂を接着剤として使用し、この使用量
を変化させて接着力などの試験を行った。その結果を表
4に示す。
【0064】
【表4】 この表4に示す結果から、合成ゴム系樹脂の使用量が3
0g/m2 の場合には、マット部との接着力が弱く剥離
しやすい。また、使用量が100g/m2 の場合には、
強固な接着力が得られるが、高温暴露させた場合、合成
ゴム系樹脂が変質して発煙する量が増大し始める。この
ため、アルミニウム箔を貼り付ける際に合成ゴム系樹脂
を用いた場合、使用量は30g/m2 以上100g/m
2 、好ましくは55g/m2 である。
【0065】また、アルミニウム箔の透湿度(g/m2
・24h)を、JIS-Z-0208-1976 の防湿包装材料の透湿度
試験方法、すなわちカップ法により測定した結果、透湿
度は約240で、被覆管のアルミニウム箔の内周側のマ
ット部はあまり吸湿されないことが分かる。このため、
例えばクーラなどの冷却装置の配管を保温する場合に
は、結露などによりマット部が吸湿する場合があるが、
アルミニウム層により、アルミニウム層の表面に結露す
るのみで、ロックウール繊維の絡み付きにより生じる空
気層内にまで結露するのを防止できる。なお、アルミニ
ウム層は黒度が極めて小さいため、輻射率が大きく、保
温性が向上できる。
【0066】一方、被覆体として外径が9.52mm、厚
さ寸法が0.8mmの銅管に厚さ寸法が10mmで密度が1
80g/m3 のマット部を形成し、このマット部の外周
面に厚さ寸法が20μmのアルミニウム箔を貼り付けた
場合の断熱性能について、測定した。
【0067】なお、周囲温度が30℃、相対温度8.3
%で銅管内に約5℃の冷媒を流過させた条件で測定し、
比較例として厚さ寸法が10mmのポリエチレン発泡断熱
材を同形状の銅管の外周面に設けた従来の被覆管を用い
た。その結果を、図2に示す。
【0068】この図2に示す結果から、本実施例の断熱
性能はポリエチレン発泡断熱材とほぼ同じ断熱性能であ
ることが分かる。
【0069】次に、他の実施例の被覆管を製造する工程
の構成を図3を参照して説明する。
【0070】図3に示す実施例の被覆管の製造工程は、
原料混合・溶融工程11、ロックウール繊維化工程12、フ
ェルト工程13、圧縮積層工程14および被覆工程15から構
成されている。
【0071】そして、原料混合・溶融工程11は、図1に
示す実施例と同様に、例えばキューポラ炉が用いられ、
このキューポラ炉には、溶融湯をロックウール繊維に繊
維化するロックウール繊維化工程12が接続され、このロ
ックウール繊維化工程12には、繊維化スピンナが設けら
れている。
【0072】さらに、ロックウール繊維化工程12には、
フェルト工程13が接続されている。このフェルト工程13
は、図1に示す実施例と同様の通気性回転体が設けら
れ、この通気性回転体の回転方向側である繊維化スピン
ナの反対側には、振り子状のトラバース運動によりロッ
クウールマットを形成する計量装置を備えたコンベア装
置が設けられている。
【0073】そして、フェルト工程13の下流側には、図
1に示す実施例と同様の圧縮積層工程14が接続され、さ
らに、この圧縮積層工程14の下流側には、図1に示す実
施例と同様の被覆工程15が接続されている。
【0074】次に、上記図3に示す実施例の製造工程の
動作を説明する。
【0075】まず、図1に示す実施例と同様に、原料混
合・溶融工程11において、例えばキューポラ炉を用い
て、冷塊原料を混合溶融し、溶融湯を約1400℃〜1
600℃、例えば1490℃±10℃で3t/H 〜5t/H
の定量で、ロックウール繊維化工程12の繊維化スピンナ
に流過させ、ロックウール繊維を形成する。
【0076】なお、冷塊原料としては、高炉冷塊スラグ
や溶融スラグに珪石を適宜配合・混合したものを用い
る。そして、配合比は、得られたロックウール繊維の組
成が、酸化珪素(SiO2 )が38重量%以上44重量
%以下、酸化アルミニウム(Al2 3 )が10重量%
以上15重量%以下、酸化カルシウム(CaO)が30
重量%以上38重量%以下、および、酸化マグネシウム
(MgO)が4重量%以上8重量%以下となるように調
整する。
【0077】また、ロックウール繊維化工程12におい
て、図1に示す実施例と同様に高速回転する繊維化スピ
ンナの数個の円盤にて熔融湯を繊維化し、繊維化された
溶融湯は、送風装置にて0.3重量%〜1重量%の比率
で例えば熱硬化性の結合剤とともに軸方向に吹き出され
ている風力によって、円盤の円周縁から繊維化スピンナ
前方に吹き飛ばしてロックウール繊維を形成する。
【0078】なお、結合剤としては、ウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、メラミン樹脂およびエポキシ樹脂などの
各種高分子有機結合剤や、熱硬化性、気硬性、光硬化性
などのいずれの結合剤が用いられ、特に、フェノール樹
脂は、比較的耐熱性が高く安価で取扱性が良好であるた
め好ましい。
【0079】そして、繊維化スピンナで繊維化され、送
風により軸方向に吹き出されたロックウール繊維は、繊
維化スピンナの前方に配設されたフェルト工程13の円筒
状の通気性回転体の外周面に叩きつけられように吹きつ
けられ、風力によってロックウール繊維同士が絡み合っ
て塊状になる時間もなく大部分が繊維状で薄い均一なシ
ート状のマットに集綿される。
【0080】なお、繊維化は、図1に示す実施例と同様
に、ロックウール繊維の平均繊維径が4μm以上7μm
以下となるように調整する。
【0081】さらに、通気性回転体に付着した薄いシー
ト状のマットを、コンベア装置のコンベアによって通気
性回転体の外周面より引剥してコンベア装置に移行し、
幅寸法が略2mとなるように振り子状のトラバース運動
により折り畳んで例えば4ないし10層程度に積層し、
結合剤を熱硬化させてロックウールマットを形成し、こ
のロックウールマットを幅寸法が略1mとなるように長
手方向に沿って略2等分してドラムなどに巻き取る。
【0082】なお、得られたロックウールマットの熱伝
導率は、ほぼ図1に示す実施例のものと同等であった。
【0083】この後、ドラムに巻き取ったロックウール
マットを、図1に示す実施例と同様に、圧縮積層工程14
の圧縮積層装置にて型管の外周面に厚さ寸法が10mm以
上25mm以下で密度が180kg/m3 以上300kg/m
3 以下となるように圧縮積層して、内径が所定の径寸法
のマット部を形成する。さらに、このマット部の外周面
に、図1に示す実施例と同様にアルミニウム被覆装置に
てアルミニウム層を形成する。
【0084】次に、被覆工程15において、図1に示す実
施例と同様に、被覆体にロックウールマットが圧縮積層
されて外周面にマット部が形成された型管を略同軸上に
接合し、型管に設けたマット部を被覆体に移動させる作
業を繰り返し、マット部の端部の継ぎ目部分に接着剤付
アルミニウム箔テープを巻き付け被覆管を形成する。
【0085】次に、上記図3に示す実施例の作用を説明
する。
【0086】まず、冷塊原料の配合条件を酸化アルミニ
ウム(Al2 3 )および酸化マグネシウム(MgO)
が一定となるように配合量を変えて、上記実施例と同様
の操作により形成したロックウール繊維を0.6重量%
のフェノール樹脂を結合剤としてロックウールマットに
形成し、このロックウールマットの冷塊原料の配合条件
による物性試験の結果を表5に示す。
【0087】なお、物性試験は、冷塊原料の溶融性、ロ
ックウールマットの復元力について観察して比較した。
【0088】
【表5】 この表4の結果から、酸化珪素(SiO2 )が46重量
%で酸化カルシウム(CaO)が34重量%のものは、
原料の溶融性が悪く、製造性が損なわれることが分か
る。一方、酸化珪素(SiO2 )が36重量%で酸化カ
ルシウム(CaO)が41重量%のものは、原料の溶融
性は優れているが、ロックウールマットの復元力が悪
い。
【0089】そして、各種配合の結果、酸化珪素(Si
2 )が38重量%以上44重量%以下、酸化アルミニ
ウム(Al2 3 )が10重量%以上15重量%以下、
酸化カルシウム(CaO)が30重量%以上38重量%
以下、および、酸化マグネシウム(MgO)が4重量%
以上8重量%以下が原料の溶融性、ロックウールマット
の復元力が良好で、特に、酸化珪素(SiO2 )が42
重量%で酸化カルシウム(CaO)が34重量%のもの
は、原料の溶融性およびロックウールマットの復元力が
良好で好ましい。
【0090】また、ロックウール繊維の結合剤であるフ
ェノール樹脂の添加量を変化させて接着力などの試験を
行った。その結果を表6に示す。
【0091】
【表6】 この表6に示す結果から、フェノール樹脂の添加量が
0.2重量%の場合には、高温暴露時にフェノール樹脂
が変質して発煙する量がわずかであるが、ロックウール
マットの強度が弱くロックウールマットを型管に圧縮積
層する際にちぎれるなどの問題がある。一方、添加量が
1.2重量%の場合には、ロックウールマットの強度が
強くロックウールマットを型管に圧縮積層する際にちぎ
れるなどの問題はないが、高温暴露時にフェノール樹脂
が変質して発煙する量が多くなる。
【0092】そして、各種添加量を異なさせた結果、フ
ェノール樹脂の添加量は、0.3重量%以上1重量%以
下、特に、0.6重量%が好ましい。
【0093】上記図3に示す実施例によれば、結合剤の
添加量を0.3重量%以上1重量%以下に設定したた
め、従来の結合剤を用いるものに比して、結合剤の添加
量を減少でき、高温暴露の際の発煙性を低下できる。
【0094】なお、結合剤の添加量を低減させたため、
型管に圧縮積層して形成したマット部の強度を維持する
ため、被覆体に移動させる前にマット部の外周面にアル
ミニウム層を形成することが好ましい。
【0095】
【発明の効果】請求項1記載の被覆管によれば、ロック
ウール繊維を、0.3重量%以上1重量%以下の結合剤
によりフェルトシート状のシート部材に集綿し、このシ
ート部材を管体の外周面に圧縮積層して筒状のマット部
を形成するため、結合材の添加量が少ないのでマット部
の内周側が内方に向けて広がるようになり、管体の外周
面に隙間が生じず断熱性が維持でき、耐熱性が高く安価
なマット部を被覆形成でき製造性を向上でき、マット部
を設けた管体を接続するのみで施工性を向上できるとと
もに、マット部の外周面に設けたアルミニウム層により
輻射熱が増大して保温性を向上でき、防湿性が向上して
結露を防止できる。
【0096】請求項2記載の被覆管の製造方法によれ
ば、ロックウール繊維を、0.3重量%以上1重量%以
下の結合剤によりフェルトシート状のシート部材に集綿
し、このシート部材を管状の被覆体と略同形状の型管の
外周面に圧縮積層して形成した筒状のマット部を、型管
を被覆体に略同軸上に接続して被覆体に移動した後に型
管を取り外し、被覆体の外周面にマット部を形成するた
め、型管に形成されるマット部は型管の外周面を摺動可
能で、あらかじめ型管に圧縮積層したマット部を被覆体
に移動させるのみで、被覆体に安価なロックウール繊維
からなるマット部を容易に被覆形成でき、シート部材を
被覆体に被覆する現場作業が不要となり施工性を向上で
きる。
【0097】請求項3記載の被覆管によれば、ロックウ
ール繊維をシート状に集綿したマットをニードリング加
工によりフェルトシート状に形成し、管体の外周面に圧
縮積層して筒状のマット部を形成するため、結合材を用
いずともロックウール繊維の絡み付きにより保形性が容
易となり、フェルトシート状に容易に形成でき、結合材
を用いないため絡み合うロックウール繊維が移動可能で
柔軟性を向上でき、管体に容易に被覆できるとともに、
結合材を用いないのでマット部の内周側が内方に向けて
広がるようになり、管体の外周面に隙間が生じず断熱性
が維持でき、耐熱性が高く安価なマット部を被覆形成で
き製造性を向上でき、マット部を設けた管体を接続する
のみで施工性を向上でき、マット部の外周面に設けたア
ルミニウム層により輻射熱が増大して保温性を向上で
き、防湿性が向上して結露を防止できる。
【0098】請求項4記載の被覆管の製造方法によれ
ば、ロックウール繊維をシート状に集綿しニードリング
加工によりフェルトシート状に形成したシート部材を、
管体と略同形状の型管の外周面に圧縮積層して筒状のマ
ット部を形成し、型管を管体に略同軸上に接続してマッ
ト部を管体に移動した後に型管を取り外し、管体の外周
面にマット部を設けるため、型管に形成されるマット部
は型管の外周面を摺動可能で、あらかじめ型管に圧縮積
層したマット部を被覆体に移動させるのみで、被覆体に
結合材を用いず発煙しない安価なロックウール繊維から
なるマット部を容易に被覆形成でき、シート部材を被覆
体に被覆する現場作業が不要となり施工性を向上でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被覆管の製造方法の一実施例の構成を
示すブロック図である。
【図2】同上の断熱性能の実験結果を示すグラフであ
る。
【図3】本発明の被覆管の製造方法の他の実施例の構成
を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,11 原料混合・溶融工程 2,12 ロックウール繊維化工程 3,13 フェルト工程 4 ニードリング加工工程 5,14 圧縮積層工程 6,15 被覆工程

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の管体と、 この管体の外周面に設けられた厚さ寸法が10mm以上2
    5mm以下のマット部と、 このマット部の外周面に設けられたアルミニウム層とを
    備え、 前記マット部は、 酸化珪素(SiO2 )が38重量%以上44重量%以
    下、酸化アルミニウム(Al2 3 )が10重量%以上
    15重量%以下、酸化カルシウム(CaO)が30重量
    %以上38重量%以下、および、酸化マグネシウム(M
    gO)が4重量%以上8重量%以下を含有し、平均繊維
    径が4μm以上7μm以下のロックウール繊維が、0.
    3重量%以上1重量%以下の結合剤によりフェルトシー
    ト状のシート部材に集綿され、 このシート部材が密度を180kg/m3 以上300kg/
    3 以下に前記管体の外周面に圧縮積層されて筒状に形
    成されたことを特徴とする被覆管。
  2. 【請求項2】 管状の被覆体を外周面にアルミニウム層
    が設けられるマット部にて被覆形成する被覆管の製造方
    法において、 酸化珪素(SiO2 )が38重量%以上44重量%以
    下、酸化アルミニウム(Al2 3 )が10重量%以上
    15重量%以下、酸化カルシウム(CaO)が30重量
    %以上38重量%以下、および、酸化マグネシウム(M
    gO)が4重量%以上8重量%以下を含有し、平均繊維
    径が4μm以上7μm以下のロックウール繊維を形成
    し、 このロックウール繊維を0.3重量%以上1重量%以下
    の結合剤によりフェルトシート状のシート部材に集綿
    し、 このシート部材を管状の被覆体と略同形状の型管の外周
    面に密度が180kg/m3 以上300kg/m3 以下、か
    つ、厚さ寸法が10mm以上25mm以下で圧縮積層して筒
    状のマット部を形成し、 前記型管を前記被覆体に略同軸上に接続して前記マット
    部を前記被覆体に移動した後に型管を取り外し、 前記被覆体の外周面に前記マット部を形成することを特
    徴とする被覆管の製造方法。
  3. 【請求項3】 筒状の管体と、 この管体の外周面に設けられた厚さ寸法が10mm以上2
    5mm以下のマット部と、 このマット部の外周面に設けられたアルミニウム層とを
    備え、 前記マット部は、 酸化珪素(SiO2 )が40重量%以上42重量%以
    下、酸化アルミニウム(Al2 3 )が15重量%以上
    17重量%以下、酸化鉄(Fe2 3 )が4重量%以上
    6重量%以下、酸化カルシウム(CaO)が16重量%
    以上19重量%以下、酸化マグネシウム(MgO)が1
    0重量%以上12重量%以下、および、酸化カリウム
    (K2 O)と酸化ナトリウム(Na2 O)との総量が4
    重量%以上5重量%以下を含有し、平均繊維径が4μm
    以上7μm以下のロックウール繊維がシート状のマット
    に集綿され、 このマットをニードリング加工によりフェルトシート状
    に形成したシート部材が密度を180kg/m3 以上30
    0kg/m3 以下に前記管体の外周面に圧縮積層されて筒
    状に形成されたことを特徴とする被覆管。
  4. 【請求項4】 管状の被覆体を外周面にアルミニウム層
    が設けられるマット部にて被覆形成する被覆管の製造方
    法において、 酸化珪素(SiO2 )が40重量%以上42重量%以
    下、酸化アルミニウム(Al2 3 )が15重量%以上
    17重量%以下、酸化鉄(Fe2 3 )が4重量%以上
    6重量%以下、酸化カルシウム(CaO)が16重量%
    以上19重量%以下、酸化マグネシウム(MgO)が1
    0重量%以上12重量%以下、および、酸化カリウム
    (K2 O)と酸化ナトリウム(Na2 O)との総量が4
    重量%以上5重量%以下を含有し、平均繊維径が4μm
    以上7μm以下のロックウール繊維を形成し、 このロックウール繊維をシート状のマットに集綿し、 このマットをニードリング加工によりフェルトシート状
    のシート部材に形成し、 このシート部材を前記管体と略同形状の型管の外周面に
    密度が180kg/m3以上300kg/m3 以下で圧縮積
    層して筒状のマット部を形成し、 前記型管を前記被覆体に略同軸上に接続して前記マット
    部を前記被覆体に移動した後に型管を取り外し、 前記被覆体の外周面に前記マット部を設けることを特徴
    とする被覆管の製造方法。
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