JPH08119866A - 抗腫瘍剤 - Google Patents

抗腫瘍剤

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JPH08119866A
JPH08119866A JP25557594A JP25557594A JPH08119866A JP H08119866 A JPH08119866 A JP H08119866A JP 25557594 A JP25557594 A JP 25557594A JP 25557594 A JP25557594 A JP 25557594A JP H08119866 A JPH08119866 A JP H08119866A
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triterpenes
keto
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antitumor agent
cells
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JP25557594A
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Naoshi Okawa
直士 大川
Keizo Aeba
啓三 饗場
Noriyuki Ogawa
紀之 小川
Tomohiro Gotou
智啓 後藤
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Neos Co Ltd
Original Assignee
Neos Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 トリテルペン類の3ケト体を有効成分として
含有する抗腫瘍剤、トリテルペン類がオレアナン系トリ
テルペン類である抗腫瘍剤、及びトリテルペン類がダン
マラン系トリテルペン類である抗腫瘍剤。 【効果】本発明の抗腫瘍剤は、臨床上に用いることがで
き、著しい抗腫瘍効果が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗腫瘍剤に関する。
【0002】
【従来の技術】癌は、日本人の死亡原因の約1/4を占
め、癌の治療法の確立は緊急の課題となっている。薬剤
による癌の治療法としては、化学療法と免疫療法が一般
的である。しかし、合成抗癌剤を用いる化学療法におい
ては、抗癌剤が正常細胞をも損傷するため、重篤な副作
用を引き起こし、効果的な治療法とはなっていない。こ
のため、インターフェロンに代表される免疫療法が注目
された。しかしながら、免疫療法による癌の治癒率は低
く、癌を克服するには至っていない。
【0003】ところで、植物由来のトリテルペン類およ
びこれらを骨格として配糖位を有するサポニン類は、例
えば、ミシマサイコに含有されるオレアナン系トリテル
ペンであるサイコゲン類およびこれらを骨格として配糖
位を有するサイコサポニンのように、抗腫瘍作用を有す
ることが知られている(特開昭62−187408)。
【0004】オレアナン系トリテルペンとしては、上記
サイコゲニン類の他、オレアノール酸、グリチルレチン
酸、ウルソール酸およびこれらの3ケト体があり、これ
らは、発ガンプロモーター類の阻害剤であることが公知
である(H,Ohigashi et al.Cancer Letters,30,143-15
1,1986)。また、ウルソール酸が抗白血病作用を有する
ことも公知である。しかしながら、これらの化合物の3-
ケト体が癌化した細胞の増殖抑制作用を有することにつ
いては知られていない。
【0005】また、薬用ニンジン等に含有されるダンマ
ラン系トリテルペンおよびその配糖体も、抗腫瘍剤とし
て公知である(特公平1−28759、特開昭58−1
3199、特開昭59−10548、特開昭59−18
1217、特開昭59−184198、特開昭63−9
9094)。
【0006】また、ブラジルニンジンに含有されるパフ
酸およびこれを骨格として配糖位を有するパフオサイド
類も、抗腫瘍作用剤として知られている(特開昭59−
10548、特開昭59−184198)。
【0007】さらに、薬用人参であるオタネニンジン
(パナックス・ギンセング、シー・エー・メイヤー、Pa
nax ginseng C.A.Mayer )とその類縁植物及びアマチャ
ズル((ギノステムマ・ペンタフィルルム、マキノ、Gy
nostemma pentphyllum Makino )に含有されるダンマラ
ン系サポニン類が種々の薬効を有することは公知であ
る。
【0008】また、このダンマラン系サポニンを加水分
解して得られるプロトパナキサジオール類やプロトパナ
キサトリオール類が強い抗腫瘍性を有することが知られ
ている(特開昭58−131999)。
【0009】更に、ダンマラン系サポニンを加水分解す
ることによって、微量生成するパナキサジオールも強い
抗腫瘍性を有することが知られている(特開昭59−1
81217)。
【0010】しかしながら、これらの抗腫瘍剤は、一般
に抗腫瘍作用が弱く、臨床上に頻用されるには至ってい
ない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、トリテルペ
ン類の抗腫瘍剤の効果を著しく向上させることを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記従来技
術に鑑み、研究を重ねた結果、オレアナン系トリテルペ
ン類及びダンマラン系トリテルペン類の3ケト体が、強
い抗腫瘍作用を有することを見い出し、本発明を完成す
るに至った。
【0013】即ち、本発明は、トリテルペン類の3ケト
体を有効成分として含有する抗腫瘍剤である。
【0014】また、本発明は、上記トリテルペン類がオ
レアナン系トリテルペン類である抗腫瘍剤である。
【0015】さらに、本発明は、上記トリテルペン類
が、ダンマラン系トリテルペン類である抗腫瘍剤でもあ
る。
【0016】本発明において、トリテルペン類とは、フ
シダン、ラノスタン、ダンマラン、ユーファン、シオナ
ン、バッカラン等の四環式及び、ルパン、オレアナン、
ウルサン、ホパン等の五環式を基本骨格とする化合物を
いう。
【0017】本発明において、オレアナン系トリテルペ
ン類の3ケト体とは、オレアナン骨格を有するトリテル
ペンの3ケト体であれば、特に限定されるものではな
い。
【0018】上記一般式(1)〜(3)のオレアナン系
トリテルペン類の3ケト体の化合物中、Rは水素、アル
キルまたは糖であり、アルキルとしては、炭素数1〜2
6個を有する直鎖又は分枝鎖を有するアルキルであり、
好ましくは、炭素数1〜20個を有する直鎖又は分枝鎖
を有するアルキルである。
【0019】より具体的には、メチル、エチル、n-プロ
ピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチ
ル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチ
ル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシ
ル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、オク
タデシル、ノナデシル、エイコシルであることが好まし
い。
【0020】上記Rで表わされる糖としては、ガラクト
ース、グルコース、マンノース、フルクトース等の六炭
糖及び、アラビノース、キシロース、リボース等の五炭
糖も挙げられ、好ましい糖としては、六炭糖、より好ま
しくは、グルコースである。
【0021】尚、上記Rで表わされる糖は、1位の炭素
にエステル結合を形成する。
【0022】上記のオレアナン系トリテルペン類の3−
ケト体の原料としては、オレアナン系トリテルペン、ま
たは、これらを骨格として配糖位を有するサポニンを含
有する植物が用いられる。
【0023】例えば、オレアノール酸を骨格として配糖
位を有するサポニンは、オタネニンジン(パナックス・
ジンセング・シー・エー・メイヤー、Panax ginseng C.
A.Mayer )、トチバニンジン(パナックス・ヤポニカス
・シ・エー・メイヤー(Panaxjaponicus C.A.Mayer)
)、ヒマラヤニンジン(パナックス・シュードジンセ
ング・サブスペンシーズ・ヒマライカス、パル、アング
ステイフロリウス(Panax pseudoginseng subsp.himalai
cus car.angstifolius) )、アメリカニンジン(パナッ
クス・キンキュホリウム、リンネ(Panax quinquefolium
LINNE) )等の薬用ニンジンの地上部および地下部、テ
ンサイ(Beta vulgaris var.altissima) の前草、オリー
ブ(Olea europaea L.)の葉、リンゴ(Mulus pumila Mil
l.var.domestica Schneid) 果皮、青紫蘇(Perilla fult
escens Brit.var.Decne.f.purpurea Makino) 葉および
チョウジ(Syzygium aromaticum Merr.et Perry) の芽が
挙げられる。
【0024】また、グリチルレチン酸を骨格とするサポ
ニンを含有する植物としては、甘草(Glycyrrhiza gkabr
a L.)が挙げられ、ウルソル酸を含有する植物として
は、リンゴ、サクランボ(Prunus avinum L.)等が挙げら
れる。
【0025】上記オレアナン系トリテルペンは、一般的
な方法に従って、上記の植物から抽出する。
【0026】即ち、先ず最初に上記原料を乾燥するか、
適宜処理して乾燥したものを適切な溶媒で抽出し、粗抽
出物が得られる。次いで、これらの粗抽出物を化学的処
理及び酵素的処理を行い、各種トリテルペンを得る。
【0027】これらのトリテルペンを有機溶剤に溶解
し、適当な酸化剤を添加して撹拌する。酸化生成物をカ
ラムクロマトグラフィー及び/又は再結晶により分離
し、3ケト体を得る。
【0028】上記トリテルペンが、3位以外に水酸基を
有する場合には、これらを保護した後、3位の酸化反応
を行なえばよい。
【0029】アルコール、糖との結合は、常法に従い行
なえる。例えば、Rがグルコースの場合、得られた3ケ
ト体と、2,3,4,6−アセチルグルコースを適当な
溶媒に溶解し、酸触媒による脱水反応によりエステル化
を行なう。
【0030】トリテルペンを溶解するための有機溶剤と
しては、エーテル、アセトン、クロロホルム、塩化メチ
レン等を用い、酸化剤としては、ジクロム酸ピリジニウ
ム、ジョーンズ試薬(クロム酸、濃硫酸に水を加えたも
の)等を用いる。
【0031】反応は、通常、室温で2〜3時間行い、得
られた生成物は、HPLCやTLC分析により確認す
る。
【0032】本発明において、ダンマラン系トリテルペ
ン類の3ケト体とは、ダンマラン骨格を有するトリテル
ペンの3ケト体であれば、特に限定されるものではな
い。
【0033】本発明のダンマラン系トリテルペンの3−
ケト体を生産するための原料は、プロトパナキサジオー
ル核及び/又はプロトパナキサトリオール核、或いは、
これらを骨格として類似した配糖位を有するサポニンを
含有する植物が用いられる。
【0034】例えば、上記オタネニンジンやアマチャズ
ルの他、三七ニンジン(パナックス・シュードギンゼン
グ、ワーリッヒ、Panax pseudoginseng WALICHまたは、
パナックス・ノトギンゼング・バーキル、Panax notogi
nseng BURKILL )、アメリカニンジン(パナックス・キ
ンキユホリウム、リンネ、Panax quinqufolim LINN
E)、トチバニンジン(パナックス・ヤポニカス・シー
・エー・メイヤー、Panaxjaponicus C.A.Mayer )、ヒ
マラヤニンジン(パナックス・シュードギンゼング、サ
ブスペシーズ、ヒマライカス、バル、アングステイフロ
リウス、Panax pseudoginseng subsp.himalaicus var.a
ngstifolius )等の地上部および地下部:シラカンバ
(ベツーラ・プラチフィラ、スカチェフ、バル、ジャポ
ニカ、Butula pulatyphylla Sukacthev var.japonica)
等のカンバ類の緑葉等が挙げられる。
【0035】これら植物から、ダンマラン系トリテルペ
ンの3−ケト体を生産するための原料を得るためには、
まず、最初に上記植物原料を、適切な溶媒で抽出し、粗
抽出物を得る。
【0036】次いで、この粗抽出物を、プロトパナキサ
ジオール骨格を有するものと、プロトパナキサトリオー
ル骨格を有するものとに分別し、前記オレアナン系トリ
テルペン類の場合と同様に、それぞれに化学的処理及び
/又は酵素的処理を行い、ダンマラン系トリテルペンを
得る。これを酸化処理することによって、3−ケト体を
得る。
【0037】尚、3位の水酸基をケト化することによ
り、抗腫瘍活性が増強するトリテルペン類は、前記で示
した、20(S)-プロトパナキサジオール、20(R)-プロトパ
ナキサジオール、20(S)-プロトパナキサトリオール、20
(R)-プロトパナキサトリオール、ベツーラフォリエント
リオール、パナキサジオール、パナキサトリオール、オ
レアノール酸、グリチルレチン酸、ウルソール酸の他
に、エキノシスト酸、バヨゲニン、ジプソゲニンヘデラ
ゲニン、メジコゲニン酸、パフ酸、キラ酸、ジヒドロウ
ルビタシンF、サイコゲニン類、アブルソサイドAのア
グリコン部、アセシン、ギムネマ酸及びシーサポニンの
アグリコン部、アルベノサイドAのアグリコン部、アス
トラガラサイドIII のアグリコン部、アベナシンA1の
アグリコン部、アベナシンB2のアグリコン部、アズキ
サポニンのアグリコン部、カメリジンI及びIIのアグリ
コン部、シミシフコサイドのアグリコン部、コルブリン
のアグリコン部、コルブノサイドのアグリコン部、シダ
ミンのアグリコン部、シクロホエサイドBのアグリコン
部、ジアノサイドのアグリコン部、ジペノサイドのアグ
リコン部、ヘキソライドのアグリコン部、ハセオロサイ
ドのアグリコン部、プロパピリオゲニンのアグリコン
部、ソヤサポニンのアグリコン部、サリコサイドのアグ
リコン部、ビルギアウレアサポニンのアグリコン部、チ
チフィンのアグリコン部、ネオアルソサイドのアグリコ
ン部、アクチノステモサイドのアグリコン部が含まれ
る。
【0038】尚、上記トリテルペン中、トリテルペンの
アグリコン部は、その配糖体であってもよい。
【0039】本発明の抗腫瘍剤により抑制される細胞と
しては、マウスのメラノーマ細胞、子宮頸部癌細胞、肺
癌細胞、腹水癌細胞、モリス肝癌細胞が挙げられる。
【0040】
【発明の効果】本発明の抗腫瘍剤は、臨床上に用いるこ
とができ、著しい抗腫瘍効果が得られる。
【0041】以下、本発明を実施例により具体的に説明
する。
【0042】
【実施例】
実施例1 5ml用ナスフラスコにオレアノール酸50.0mg
(ca.0.11mmol)、シリカゲル0.2g、ジ
クロム酸ピリジニウム85mg(2等量)、塩化メチレ
ン3mlを採取し、室温で2時間撹拌した。反応液にエ
ーテルを適宜加えてシリカゲル(ワコーゲルC200)
を通過させ、減圧下に流出液の溶媒を留去して粗生成物
35mgを得た。粗生成物をメタノールから再結晶し
て、3−ケトオレアノリック酸11mgを得た。
【0043】実施例2 5ml用ナスフラスコにグリチルレチン酸50.0mg
(ca.0.11mmol)、アセトン2ml、クロロ
ホルム1mlを採取し、室温にて撹拌しながらジョーン
ズ試薬(クロム酸26.7g、濃硫酸23mlに水を加
えて100mlとしたもの)45μl(1.1等量)を
マイクロシリンジで滴下した。室温で2時間撹拌した
後、亜硫酸水素ナトリウム溶液15mlを添加し、エー
テルで抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過
した後、減圧下に溶媒を除去して粗生成物49mgを得
た。粗生成物をアセトンから再結晶して、3−ケトグリ
チルレチン酸25mgを得た。
【0044】実施例3 5ml用ナスフラスコにウルソール酸50.0mg(c
a.0.11mmol)を採取し、実施例2と同様の操
作により、3−ケトウルソール酸25mgを得た。
【0045】実施例4 HAMの合成培地F−10およびL−15の7:3混液
に、牛胎児血清10%を添加して用いた。
【0046】Coster 96 well plates の各wellにマウス
のメラノーマ細胞(B16BL6)の懸濁液0.1ml(1×1
3 cells)を採取した。2〜3時間後、所定の3−ケ
トオレアノール(I)を含有する培地0.1mlを添加
し、5%CO2 インキュベーター内で4日間、37℃に
て培養した。培養終了後、WST-1を用いたMTT アッセイ
により細胞数を測定した。
【0047】図1から明らかなように、3−ケトオレア
ノール酸は腫瘍細胞の増殖を強く抑制した。
【0048】比較例1 オレアノール酸(II)について、実施例4と同じ操作に
よってマウスのメラノーマ細胞に対する作用を検討し
た。
【0049】図1から明らかなように、オレアノール酸
はメラノーマ細胞の増殖を全く抑制しなかった。
【0050】実施例5 シラカンバの緑葉22.26kgを、エーテル80Lに
3日間浸漬し、濾過した後、減圧下溶媒を留去し、約1
Lに濃縮した。更にシラカバ葉にエーテル40Lを加え
て7日間放置し、濾過した後、減圧下溶媒を留去して、
約1Lに濃縮した。
【0051】これらのエーテル層を合し、減圧下、約1
Lに濃縮した後、メタノール2L、水酸化カリウム20
0g、水500mlを加えて3時間還流した。放冷後、
2Lの分液漏斗に反応溶液800mlと食塩水500m
lをとり、エーテルで抽出した。同様の操作を5回繰り
返して全反応液を処理した後、抽出液に無水硫酸ナトリ
ウム1kgを加えて一夜放置し、濾過後、溶媒を留去し
て、黒緑色粘稠な油状物質520gを得た。
【0052】上記けん化生成物を、エーテル:ヘキサン
(1:4)混合溶媒に溶解した後、シリカゲル(ワコー
ゲルC-200 、和光純薬社製)1.8kgを充填したカラ
ム用ガラス管に添加した。次いで、エーテル:ヘキサン
(1:4)混合溶媒10L、エーテル10L、メタノー
ル:エーテル(1:19)混合溶媒8Lで展開した。エ
ーテルで溶離した分画を留去して、茶色油状物122g
を得た。
【0053】これにアセトン約500mlを加えて溶解
した後、冷所に放置したところ、微淡黄色結晶12.0
gが析出した。さらに、アセトンから再結晶を行い、1
1.0gのベツーラフォリエントリオール(3−α−2
0(S)−プロトパナキサジオール)を得た。
【0054】50mlナスフラスコにPDC1.80
g、シリカゲル(ワコーゲル C−200)4g、塩化
メチレン40mlを採取し、撹拌しながらベツーラフォ
ィエントリオール2.00gを徐々に加え、室温で2時
間撹拌した。反応物をシリカゲル(ワコーゲル C−2
00、20g:溶出溶媒、エーテル100ml)で分離
溶出し、減圧下に留去して無色結晶1.92gを得た。
生成物をメタノール:エーテル(1:9)混合溶媒から
再結晶することにより、3−ケト−20(S)−プロト
パナキサジオール0.65gを得た。
【0055】10mlナスフラスコに、3−ケト−20
(S)−プロトパナキサジオール360mg、エーテル
5mlを採取し、撹拌しながら水素化ホウ素ナトリウム
を加え、2時間撹拌した。反応溶液に水50mlを加
え、エーテルで抽出し、食塩水で洗浄した。抽出液に無
水硫酸マグネシウムを加えて脱水し、濾過した後、減圧
下に溶媒を留去して無色結晶337mgを得た。エーテ
ルから2回再結晶して、20(S)−プロトパナキサジ
オール137mgを得た。
【0056】実施例6 30mlのナスフラスコにベツーラフォリエントリオー
ル300mg、エタノール10ml、2N塩酸5mlを
採り、100℃にて20時間撹拌した。反応後に水を加
えてエーテルで抽出し、食塩水で洗浄した後、硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、流去して、無色結晶292mgを得
た。この粗成物をシリカゲル(ワコーゲル C−20
0)5gを充填したカラム(口径:10mm、高さ:1
30mm)を用いて分離し、3αパナキサジオール13
0mgを得た。
【0057】20mlナスフラスコに、3αパナキサジ
オール93.2mg、シクロヘキサノン1.05ml、
トルエン10mlを採り、防湿下還流撹拌しながら、A
l(O−i−Pr)3 123.9mgをトルエンに溶か
した溶液を1時間かけて滴下した。引き続き1時間還流
した後放冷し、エーテルでシリカゲルのショートカラム
を通し、適宜、水及びベンゼンを加えながら留去して淡
黄色油状結晶101.6mgを得た。
【0058】同様の操作で得た粗成物132.3mg
を、ワコーゲルC−200 4gを充填したカラム(口
径:10mm、高さ:100mm)により分離し、3−
ケトパナキサジオール78.6mgを得た。
【0059】1mlナスフラスコに3−ケトパナキサジ
オール20mg、アセトン1ml、ジョーンズ試薬(ク
ロム酸26.7g、硫酸23ml、蒸留水100ml)
20μlを採取し、室温で3時間撹拌した。亜硫酸水素
ナトリウムを加えてエーテルで抽出し、食塩水で洗浄し
た後、硫酸マグネシウムで乾燥、留去して無色結晶1
5.7mgを得た。メタノール/エーテル=1:1から
再結晶して、3,12−ケトパナキサジオール8.1m
gを得た。
【0060】1mlのナスフラスコに3−ケトパナキサ
ジオール22.2mg、水素化ホウ素ナトリウム4m
g、エタノール1mlを採り、室温で1時間撹拌した。
水を加えてエーテルで抽出し、食塩水で洗浄した後、硫
酸マグネシウムで乾燥、留去して、無色結晶17.2m
gを得た。更に、20%水−メタノールから再結晶し
て、パナキサジオール10mgを得た。
【0061】実施例7 HAMの合成培地F−10およびL−15の7:3混液
に、牛胎児血清2%を添加して用いた。
【0062】Coster 96 well plates の各wellにマウス
のメラノーマ細胞(B16BL6)の懸濁液0.1ml(1×1
3 cells)を採取した。2〜3時間後、0〜40μM
の3−ケトプロトパナキサジオール(I)を含有する培
地0.1mlを添加し、5%CO2 インキュベーター内
で4日間、37℃にて培養した。培養終了後、WST-1を
用いたMTT アッセイにより細胞数を測定した。
【0063】比較例として、上記と同じ操作により、プ
ロトパナキサジオール(II)がマウスのメラノーマ細胞
(B16BL6)に及ぼす作用について検討した。
【0064】図2から明らかなように、3−ケトプロト
パナキサジオールは、プロトパナキサジオールよりも強
く腫瘍細胞の増殖抑制することが分かる。
【0065】実施例8 実施例として、3−ケトパナキサジオール(III)、比較
例としてパナキサジオール(IV)及び3,12−ケトパ
ナキサジオール(V)を用いて、これらの化合物がマウ
スのメラノーマ細胞(B16BL6)の増殖に及ぼす影響を検
討した。牛胎児血清を10%添加した以外は、実施例7
と同様の操作を実施した。
【0066】図3から明らかなように、3−ケトパナキ
サジオールは、パナキサジオールよりも腫瘍細胞の増殖
を強く抑制することが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】オレアノール酸のメラノーマ細胞に対する増殖
抑制を示す。
【図2】3−ケト−20(S)−プロトパナキサジオー
ルによるマウスのメラノーマ細胞(B16BL6)の増殖抑制
を示す。
【図3】3−ケトパナキサジオールによるマウスのメラ
ノーマ細胞(B16BL6)の増殖抑制を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07J 9/00 7433−4C 17/00 7433−4C 63/00 7433−4C (72)発明者 後藤 智啓 滋賀県甲賀郡甲西町大池町1の1 株式会 社ネオス中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリテルペン類の3ケト体を有効成分と
    して含有する抗腫瘍剤。
  2. 【請求項2】 トリテルペン類がオレアナン系トリテル
    ペン類である請求項1に記載の抗腫瘍剤。
  3. 【請求項3】 オレアナン系トリテルペン類の3ケト体
    が、17位又は20位にアルコール又は糖とのエステル
    を有することを特徴とする請求項2に記載の抗腫瘍剤。
  4. 【請求項4】 オレアナン系トリテルペン類の3ケト体
    が、一般式(1) 【化1】 〔式中、Rは水素、アルキルまたは糖を示す。〕で表わ
    される3ケトオレアノール酸またはそのエステル、一般
    式(2) 【化2】 〔式中、Rは水素、アルキルまたは糖を示す。〕で表わ
    される3ケトウルソル酸、又は、一般式(3) 【化3】 〔式中、Rは水素、アルキルまたは糖を示す。〕で表わ
    される3ケトグリチルレチン酸である請求項3に記載の
    抗腫瘍剤。
  5. 【請求項5】 トリテルペン類がダンマラン系トリテル
    ペン類である請求項1に記載の抗腫瘍剤。
  6. 【請求項6】 ダンマラン系トリテルペン類が、一般式
    (4) 【化4】 で表わされる3−ケト−20(S)−プロトパナキサジ
    オール、一般式(5) 【化5】 で表わされる3−ケト−20(R)−プロトパナキサジ
    オール、一般式(6) 【化6】 で表わされる3−ケト−20(S)−プロトパナキサト
    リオール、一般式(7) 【化7】 で表わされる3−ケト−20(R)−プロトパナキサト
    リオール、一般式(8) 【化8】 で表わされる3−ケトパナキサジオール、又は、一般式
    (9) 【化9】 で表わされる3−ケトパナキサトリオールである請求項
    5に記載の抗腫瘍剤。
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