JPH08119236A - 殺菌方法 - Google Patents
殺菌方法Info
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- JPH08119236A JPH08119236A JP6258024A JP25802494A JPH08119236A JP H08119236 A JPH08119236 A JP H08119236A JP 6258024 A JP6258024 A JP 6258024A JP 25802494 A JP25802494 A JP 25802494A JP H08119236 A JPH08119236 A JP H08119236A
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Abstract
き、かつ殺菌した物品を変質させることが少ない方法で
あって、小型の装置で、効率良くかつ強力に殺菌を行え
る方法の提供。 【構成】 電界中に気体又は気体と液体の混合物を通し
て、前記気体又は前記混合物の少なくとも一部を電離さ
せ、次いで前記電界外で、前記少なくとも一部が電離し
た気体又は混合物と被殺菌物とを接触させる殺菌方法。
Description
らに詳しくは、本発明は、包装材料、医療材料、容器等
を安全に、かつ簡便にしかも効率よく殺菌できる殺菌方
法に関する。
ガス等の殺菌剤を用いる方法、ガンマ線や電子線等の放
射線を照射する方法、さらに低圧下におけるグロー放電
を用いる方法等が知られている。
方法は、使用する酸化エチレンガス等の殺菌剤が毒性を
有することが多い。そのため、密閉系で処理しなければ
ならず、処理装置自体が大型となる。さらに、被殺菌物
に殺菌剤が残存する恐れもある。
法は、殺菌剤が残存する恐れはない。しかし、殺菌した
物品の機械的強度を低下させたり、物品が樹脂である場
合には、樹脂が分解等して悪臭が付着したり、変色する
等の問題点がある(特公平3−73309号公報参
照)。
を起こすために真空下で行うことが必要である。そのた
め、設備、コスト、作業性、生産性等に問題があった。
殺菌方法としてプラズマを用いる方法が知られている
〔特開平5−229530号〕。この方法は、例えば複
合酸化物からなるエネルギー変換体に電磁波を照射し、
励起したエネルギー変換体と希ガス等を接触させてプラ
ズマ状態とし、プラズマ状になった希ガス等を被殺菌体
と接触させるものである。
方法は、包装材料等の物品を安全で、容易に殺菌でき、
かつ殺菌した物品を変質させることが少ない方法であ
り、優れた方法である。本発明者は、この方法を実用化
するためにさらに検討を進めた。その結果、多量の物品
を一度に処理するためには、プラズマ状態のガスを多量
に得る必要があり、そのためには、プラズマ状態とする
ためのエネルギー変換体を大型化し、さらに大出力の電
磁波が必要であった。しかし、実用的には、大型の装置
では従来法と対抗することが難しい。さらに、被殺菌体
が厚みのある構造を有する物の場合、内部まで十分に殺
菌できないか、殺菌力を高めるためにエネルギー変換体
に近付けると、被殺菌体の温度が上がり変質する場合が
あることもわかった。
を安全で、容易に殺菌でき、かつ殺菌した物品を変質さ
せることが少ない殺菌方法であって、より小型の装置で
も、即ち、より効率よくかつ強力に殺菌を行える方法を
提供することにある。
又は気体と液体の混合物を通して、前記気体又は前記混
合物の少なくとも一部を電離させ、次いで前記電界外
で、前記少なくとも一部が電離した気体又は混合物と被
殺菌物とを接触させることを特徴とする殺菌方法に関す
る。以下本発明について詳細に説明する。
気体又は気体と液体の混合物を通して、前記気体又は前
記混合物の少なくとも一部を電離させる。電界は、例え
ば、少なくとも1対の高圧電極と接地電極とを用い、こ
の電極間に一定以上の電圧を与えることで発生させるこ
とができる。このような電界の発生装置は、例えばコロ
ナ放電等に用いられる高圧電極と接地電極とをそのまま
用いることができ、高圧電極及び接地電極の少なくとも
いずれか一方の表面が固体誘電体で被覆されているもで
ある。尚、固体誘電体には特に制限はないが、例えば石
英等のセラミックスやハイパロンラバー、ポリエチレン
テレフタレート等のポリエステルの積層体等を用いるこ
とができる。
に制限はなく、発生させた電界内を通過する気体又は気
体と液体の混合物をどの程度電離させる必要があるか否
かにより適宜決定できる。例えば、気体又は気体と液体
の混合物の流量が多い場合は、一定以上の割合で電離さ
せる目的で、電界中の滞在時間が長くなるように調整す
ることができ、そのような場合、高圧電極と接地電極を
並列に複数設けたり、或いは高圧電極と接地電極の少な
くとも一方を帯状の形状にすることもできる。
は、例えば、周波数が50〜1,000kHzの範囲の
交流電圧とすることが適当である。交流電圧の周波数
は、電極間距離や誘電体材質等を考慮して決定すること
ができる。好ましい周波数は1〜100kHzの範囲で
ある。さらに、高圧電極と接地電極との間の電圧は、使
用する気体や気体と液体との混合物の種類や流量、電極
間距離等を考慮して適宜決定でき、例えば2000〜2
0,000Vの範囲とすることが適当である。好ましい
電圧は4000〜8000Vの範囲である。
電界中で電離可能な気体である。そのような気体とし
て、例えば、酸素、窒素、希ガス(アルゴン、ヘリウム
及びネオン)、水素、空気等を挙げることができる。希
ガス中でも、アルゴンは電離し易すく、コスト的に優れ
ているので好ましい。また、ヘリウムは電離が連続的に
なりやすいという観点から好ましい。特に、アルゴン
は、ヘリウムよりも比重が空気により近く、大気圧下で
の取扱が容易であるため、より好適に使用することがで
きる。また、上記気体の2種以上を混合して併用するこ
ともできる。
液体の混合物」の気体は、前記の電界中で電離可能な気
体である。また、液体は、例えば、水、過酸化水素又は
過酸化水素水、エタノール、エタノールと水との混合物
等であることができる。過酸化水素水を用いる場合、過
酸化水素の濃度は、市販され、入手が容易であるという
観点からは、例えば過酸化水素濃度50%以下のもので
あることが適当である。それ以下の濃度においては、殺
菌条件等を考慮して、市販の過酸化水素水を水で希釈し
て適宜濃度を調整することができる。但し、殺菌効果を
考慮すると1%以上の過酸化水素水を用いることが好ま
しい。
霧状の液体は、液体の供給源と接続しているネブライザ
ーに上記気体をキャリアーガスとして通すことにより発
生させることができる。また、霧状の気体は、これらに
キャリアーガスをバブリングさせることによっても発生
させることができる。また、「気体と液体の混合物」
は、気体の一部をキャリアーガスとし、気体とキャリア
ーガスとで得られた霧状物を残りの気体と混合すること
によっても調製することができる。気体(キャリアーガ
スも含む全ての気体)と液体との割合は、特に制限はな
いが、気体1リットル当たり1mg〜100mgの範囲
とすることが、放電持続と被殺菌物への圧力と言う観点
から適当である。さらに、霧状物の粒子径は、例えば約
50〜3000μmの範囲とすることが局所放電防止と
言う観点から好ましい。
混合物は、少なくとも一部が電離することが必要であ
る。そこで、気体又は気体と液体の混合物の流量、電界
発生のため投入する電圧及び電流(電力)量、電極の数
及び形状、等は、気体又は気体と液体の混合物は、少な
くとも一部が電離できるように適宜決定する。又、ガス
圧は、通常は大気圧付近であることが、操作が容易であ
ることから好ましい。但し、後述のように、殺菌容器内
が大気圧よりやや加圧状態(大気圧より最大1気圧まで
の陽圧)になるようにして操作することが、殺菌効果を
高めることができ、特に、厚みのある被殺菌体の内部ま
で殺菌することができるという観点から好ましい。
気体又は気体と液体の混合物は、被殺菌物と接触させ
る。接触方法に特に制限はない。但し、固定した被殺菌
物に上記気体又は混合物のガス流を接触させるか、又は
上記気体又は混合物を充填した容器に被殺菌物を導入す
ることもできる。特に、被殺菌物を設置するチャンバー
内は、前記のように大気圧よりやや加圧状態(大気圧よ
り最大1気圧)になるようにして操作することが、殺菌
効果を高めることができ、特に、厚みのある被殺菌体の
内部まで殺菌することができるという観点から好まし
い。また、チャンバー内を陽圧にすることにより、チャ
ンバー内の無菌状態を維持することもできる。
装置により行うことができる。図中、1は石英被覆電極
てあり、2は金属電極であり、1及び2で高圧電極15
を構成する。3は金属電極であり、接地電極を構成す
る。4はハウジング、5はガスの導入管、6は高圧ブッ
シング(高圧絶縁物質からなる差し込み)、7は高圧電
源、8は被殺菌体、9は排気管、10はネブライザー、
11はの供給源、12は液体(例えば、過酸化水素水)
の供給源、13は液体を満たしたバブリング容器、14
は電離状態の気体又は気体と液体との混合物である。気
体のみを電離させる場合には、ネブライザー10やバブ
リング容器13を通すことなく、気体を導入管5から、
電界が発生している高圧電極15と接地電極3との間に
供給する。また、気体と液体の混合物を、電離させる場
合には、ネブライザー10かバブリング容器13に気体
を通して得られる霧状のガスを導入管5から、電界が発
生している高圧電極15と接地電極3との間に供給す
る。高圧電極15と接地電極3との間を通過したガス
は、少なくとも一部が電離し、このガスは被殺菌体8の
方に移動し、被殺菌体を殺菌した後、排気管9から排気
される。
ための1実施態様であり、例えば、被殺菌体8を電離ス
ペースとは別室に配置し、電離スペースで得られたガス
を被殺菌体8を収納する別室に導入して殺菌を施すこと
もできる。また、ガスの流量及びの滞留時間等を考慮し
て、チャンバー内の規模は適宜変更することができる。
各種のプラスチック単体、またはこれらのプラスチック
を複数積層、あるいはこれらのプラスチックと金属箔と
を積層した積層材料からなる物品を挙げることができ
る。また、これら物品の形態は、食品用又は薬品用包装
のシートまたはロール、若しくは容器トレイ、ボトル等
であることができる。さらに、被殺菌物としては、天然
繊維または合成樹脂繊維からなる織布または不織布、及
び紙または上記繊維よりなる衣服類等を例示することが
できる。特に本発明の方法は、ガーゼ、マスク、綿等の
厚みのある物品の殺菌に有効である。
形態は、例えば、袋、自立袋、成形容器、成形シート、
ボトル等であることができる。本発明の方法は、食品、
薬品等の無菌を要求する、例えばアセブチック用分野、
及び衛生的に無菌を要求する分野へと応用範囲は広い。
明の方法によれば、例えば、大腸菌(E.coli)、
サルモネラ・ティフィ(Sal.typhi)、枯草菌
(B.subtilis)、黄色ブドウ球菌(Stap
hylococcus.aureus)、アスペルギル
ス・ニガー(Asp.niger)等の菌を殺菌するこ
とができる。
法を実施した。実験条件である電圧、出力、周波数、気
体の種類と流量、液体の種類と流量、処理時間、霧状物
の生成方法(ネブライザー又はバブリング)、被殺菌物
の種類を表1に示す。尚、被殺菌物と電極との距離は1
0cmとした。
用いた。テストピースAは、無菌ポリエステルテープに
バシルス・スブチリス(Bacillus subti
lis)の芽胞子(endspore)を1ピース当た
り106 個になるように付着させた(スポアー径5mm
φ)ものである。テストピースBは、栄研器材株式会社
製、商品名テスパーG(OG滅菌乾熱用滅菌効果測定
用)を用いた。
トゥイーン(Tween)80生理食塩水10mlに1
時間浸積後攪拌して、残存胞子を抽出した。また、テス
トピースBを、生理食塩水量を50mlとして、残存胞
子を抽出した。得られた残存胞子抽出液を、標準寒天培
地を用いて、35℃で48時間培養した。培養後、出現
したコロニー数から1ピース当たりの残存胞子を算出し
た。結果を表1に示す。尚、表1中、コントーロルの残
存胞子数は4.2×106 (胞子数/ピース)であり、
滅菌数は、−log(処理品の胞子数/コントーロルの
胞子数)として表した。
離を5cmとし、処理時間を60分間とし、かつ液体
(過酸化水素水)を用いなかった以外は実施例1と同様
にして、図1に示す装置を用いて、大気圧下で、本発明
の殺菌方法を実施した。実験条件である電圧、出力、周
波数、気体の種類と流量、処理時間、霧状物の生成方
法、被殺菌物の種類を表1に示す。実施例1と同様にし
て殺菌試験及び評価を行った。試験条件及び評価結果を
表1に示す。
0号に記載のプラズマを用いた殺菌方法と同様に、包装
材料等の物品を安全で、容易に殺菌でき、かつ殺菌した
物品を変質させることが少なく、さらに上記殺菌方法よ
り、より小型装置で、即ち、より効率よくかつ強力に殺
菌を行える方法を提供することができる。
ある。
Claims (6)
- 【請求項1】 電界中に気体又は気体と液体の混合物を
通して、前記気体又は前記混合物の少なくとも一部を電
離させ、次いで前記電界外で、前記少なくとも一部が電
離した気体又は混合物と被殺菌物とを接触させることを
特徴とする殺菌方法。 - 【請求項2】 気体が、酸素、窒素、アルゴン、ヘリウ
ム及びネオンからなる群から選ばれる少なくとも1種で
ある請求項1記載の殺菌方法。 - 【請求項3】 混合物を構成する気体が請求項2記載の
気体であり、液体が水、過酸化水素又は過酸化水素水で
ある請求項1記載の殺菌方法。 - 【請求項4】 液体が霧状である請求項1又は3記載の
殺菌方法。 - 【請求項5】 電界を少なくとも1対の高圧電極と接地
電極との間で発生させ、前記高圧電極及び接地電極の少
なくともいずれか一方の表面が固体誘電体で被覆されて
いる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の殺菌方法。 - 【請求項6】 高圧電極と接地電極との間に、50Hz
〜1,000kHzの範囲の交流電流を供給する請求項
1〜5のいずれか1項に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25802494A JP3844521B2 (ja) | 1994-10-24 | 1994-10-24 | 殺菌方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25802494A JP3844521B2 (ja) | 1994-10-24 | 1994-10-24 | 殺菌方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08119236A true JPH08119236A (ja) | 1996-05-14 |
JP3844521B2 JP3844521B2 (ja) | 2006-11-15 |
Family
ID=17314477
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25802494A Expired - Fee Related JP3844521B2 (ja) | 1994-10-24 | 1994-10-24 | 殺菌方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3844521B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004248989A (ja) * | 2003-02-21 | 2004-09-09 | Kinpei Fukushima | プラズマ滅菌装置 |
US7700039B2 (en) | 2004-03-19 | 2010-04-20 | Japan Science And Technology Agency | Microwave plasma sterilizing method and device |
-
1994
- 1994-10-24 JP JP25802494A patent/JP3844521B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2004248989A (ja) * | 2003-02-21 | 2004-09-09 | Kinpei Fukushima | プラズマ滅菌装置 |
US7700039B2 (en) | 2004-03-19 | 2010-04-20 | Japan Science And Technology Agency | Microwave plasma sterilizing method and device |
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JP3844521B2 (ja) | 2006-11-15 |
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