JPH081177A - 浄化槽の運転方法および浄化槽 - Google Patents

浄化槽の運転方法および浄化槽

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JPH081177A
JPH081177A JP13977694A JP13977694A JPH081177A JP H081177 A JPH081177 A JP H081177A JP 13977694 A JP13977694 A JP 13977694A JP 13977694 A JP13977694 A JP 13977694A JP H081177 A JPH081177 A JP H081177A
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JP
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tank
filter bed
aerobic filter
aerobic
treated
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JP13977694A
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English (en)
Inventor
Hachiro Sato
八郎 佐藤
Yoshito Kitai
良人 北井
Masanobu Iwahashi
正修 岩橋
Kazuyuki Honda
和之 本田
Katsumi Hamada
勝己 浜田
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 濾床内で全体としてほぼ均一に、好気性菌を
育成する事の出来る浄化槽およびその運転方法を提供す
る。 【構成】 複数の散気管(D1),(D2),………を、濾
床の下面全面に気泡を供給可能に、前記濾床(C)の直
下方のみに配設し、前記複数の散気管(D一),(D二),
………に対して、一部に対して酸素含有ガスを供給する
とともに、残部に対して酸素含有ガスを供給しない状態
を設定時間ごとに順次切り替える運転を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】被処理水に酸素含有ガスを供給
し、好気性菌を好気濾床槽内の被処理水中で育成して、
その被処理水を好気処理する浄化槽の運転方法あるいは
浄化槽に関し、さらに詳しくは、内部に好気濾床槽を備
え、その好気濾床槽内に、酸素含有ガスを導入するガス
供給管を連設してそのガス供給管からの酸素含有ガスを
被処理水に供給自在な複数の散気管を設けるとともに、
前記被処理水を好気処理する好気性菌を育成自在な好気
濾床を配設し、前記好気濾床槽内で前記好気濾床同士の
間、あるいは、前記好気濾床槽と他の水処理層とを区画
する隔壁と前記好気濾床とのあいだに被処理水の流路を
形成する上下貫通空間を設けてある浄化槽を運転する浄
化層の運転方法、あるいは、内部に好気濾床槽を備え、
その好気濾床槽内に、酸素含有ガスを導入するガス供給
管を連設してそのガス供給管からの酸素含有ガスを被処
理水に供給自在な複数の散気管を設けるとともに、前記
被処理水を好気処理する好気性菌を育成自在な一対の好
気濾床を配設し、前記好気濾床槽内で前記好気濾床同士
の間に上下貫通空間を設けてある浄化槽、あるいは、内
部に好気濾床槽を備え、その好気濾床槽内に、酸素含有
ガスを導入するガス供給管を連設してそのガス供給管か
らの酸素含有ガスを被処理水に供給自在な複数の散気管
を設けるとともに、前記被処理水を好気処理する好気性
菌を育成自在な好気濾床を配設し、前記好気濾床槽内で
被処理水の流路を形成する上下貫通空間を設けてある浄
化槽に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の浄化槽は、内部に好気濾
床槽を備え、その好気濾床槽内には、酸素含有ガスを導
入するガス供給管を連設してそのガス供給管からの酸素
含有ガスを被処理水に供給自在な散気管を設けるととも
に、一対の好気濾床を横に並設してそれらの好気濾床同
士の隙間の直下方に前記散気管を配設してあり、被処理
水に酸素含有ガスを供給すれば、その酸素含有ガスの気
泡は、前記隙間を上昇して被処理水を上昇させつつ前記
被処理水に溶解するので、そのとき上昇した被処理水
は、好気濾床内を下降するので、被処理水は、前記隙間
に形成された上昇流路を上昇して、好気濾床内に形成さ
れた下降流路を下降する循環流路を形成する構成になっ
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記隙間を
気泡とともに被処理水が上昇する上昇流路を形成したと
すると、その気泡は、短時間の内に被処理水の液面にま
で上昇してしまい、気液の接触時間が短くなるので、被
処理水への酸素溶解効率が低くなり、被処理水に供給さ
れる酸素量が低下することで、好気性菌が被処理水を好
気処理する処理能力が低下するとともに、好気性菌が十
分に育成されなくなるおそれがあった。
【0004】また、隙間を上昇した被処理水は、好気濾
床内を下降することになり、隙間を上昇する被処理水の
上昇流速に比べて、好気濾床内を下降する被処理水の下
降流速は、前記好気濾床の抵抗によって極めて遅くな
る。そのため、前記好気濾床に着床した好気性菌や、剥
離汚泥がその好気濾床内に偏在しているような場合に
は、前記好気濾床内に均等に酸素含有ガス供給すること
が出来ず、好気性菌の育成状況に偏りが生じ、好気濾床
内に、被処理水の循環流が生じずに滞留する部分が出来
たり、被処理水が単に通過するだけで、好気性菌に酸素
溶解済の被処理水が接触しない部分が生じたりしてやは
り、好気性菌が十分に育成されなくなるおそれがあっ
た。
【0005】従って、本発明の目的は、上記欠点に鑑
み、好気濾床内で全体としてほぼ均一に、好気性菌を育
成する事の出来る浄化槽およびその運転方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明の第一の形態にあっては、浄化槽を運転する
に、複数の散気管を好気濾床の直下方に設けるととも
に、その散気管の一部に対して酸素含有ガスを供給する
とともに、残部に対しては酸素含有ガスを供給しない状
態を、前記複数の散気管に対して設定時間ごとに順次切
替えることを特徴手段とする。
【0007】本発明の第二の形態にあっては、浄化槽を
構成するに、一対の好気濾床の直下方で、前記好気濾床
の下面に気泡を供給可能に、散気管を各別に配設すると
ともに、酸素含有ガス供給手段からの酸素含有ガスを、
択一的にそれぞれのガス供給管に供給自在に切り替える
ガス供給切替手段を設けてあることを特徴構成とする。
【0008】本発明の第三の形態にあっては、浄化槽を
構成するに、好気濾床の下面に気泡を供給可能に、か
つ、好気濾床の直下方それぞれに複数の散気管を横に並
設するとともに、酸素含有ガス供給手段からの酸素含有
ガスを、それぞれの前記複数の散気管に各別に複数のガ
ス供給管を連設し、前記複数のガス供給管それぞれに酸
素含有ガスを各別に供給自在な酸素含有ガス供給手段を
連設してあり、散気管の一部に対して酸素含有ガスを供
給するとともに、残部に対しては酸素含有ガスを供給し
ない状態を、前記複数の散気管に対して設定時間ごとに
順次切替えるガス供給切替手段を設けてあることを特徴
構成とする。
【0009】本発明のそれぞれの形態における作用効果
は以下の通りである。
【0010】
【作用】本発明の第一の形態の特徴手段によれば、散気
管の一部に対して酸素含有ガスを供給するとともに、残
部に対しては酸素含有ガスを供給しない状態を、前記複
数の散気管に対して設定時間ごとに順次切替えることが
できるから、好気濾床の一部のみに気泡を供給するとと
もに、残部の気泡供給を停止することが出来る。
【0011】このとき、好気濾床の一部に酸素含有ガス
を供給すれば好気濾床内の一部に被処理水の上昇する上
昇流路を形成する。また、その上昇した被処理水は、上
下貫通空間(以下単に、隙間と称する)を下降する下降
流路を形成し、かつ、他方の好気濾床内においても被処
理水が下降する下降流路を形成するので、被処理水が好
気濾床内を上昇するとともに好気濾床内を下降する循環
流路が形成される。
【0012】一般に気泡が好気濾床に接触すると好気濾
床に着床した好気性菌や、好気濾床に付着した汚泥等は
剥離されやすく、浮遊汚泥として被処理水中に浮遊する
が、前記浮遊汚泥の一部はその好気濾床槽内に沈殿して
しまうことになる。この場合、好気性菌が好気濾床槽内
に沈殿してしまうと、酸素の供給を受けにくくなるので
好気性処理に寄与しにくくなる傾向があるという不都合
が生じることになる。それに対して、上記好気濾床内を
下降する下降流路を含む循環流路が形成されると、前記
浮遊汚泥の一部は、前記好気濾床内のゆっくりとした下
降流で好気濾床槽内を下降することになり、好気濾床に
再び着床あるいは付着し易い。その結果、好気濾床に育
成される好気性菌は全体としてはあまり減少せず、しか
も、一旦浮遊した汚泥は、表面積が大になって、微生物
に処理されやすくなっているので、汚泥の好気性処理の
効率も向上しやすい。また、汚泥の好気性処理の効率が
向上すれば、好気濾床槽内に汚泥が沈殿しにくくなる。
【0013】このような酸素含有ガス供給を交互に繰り
返して行えば、被処理水の上昇流路にある好気濾床のみ
ならず、下降流路にある好気濾床においても好気性菌が
好気性処理を効率よく行えるようになり、汚泥等が好気
濾床に過剰に付着して好気性菌の活性を低下させるよう
な不都合が起きにくくなるとともに、前記好気濾床Cに
着床した好気性菌が、直接酸素供給を受けて活性化し、
増殖しやすく、被処理水の好気処理が進行しやすくな
る。
【0014】また、一般に、好気濾床に汚泥が付着しす
ぎると好気性菌に酸素が供給されにくくなるのに対し
て、複数の散気管のうちの一部のみに酸素含有ガス供給
を集中させると、その酸素含有ガスは大きな気泡となっ
て好気濾床内を上昇することになるから、前記好気濾床
内に過剰に付着した汚泥等を剥離させることができ、逆
洗の機能も代用することが出来る。そのため、好気濾床
に着床した好気性菌に酸素が供給されにくくなる不都合
を解消することが出来、好気性菌の活性を高く維持しや
すくなった。
【0015】本発明の第二の形態の特徴構成を有する浄
化槽によれば、前記第一の形態の特徴手段を有する浄化
槽の運転方法により運転でき、言い換えれば、ガス供給
切替手段を操作して、散気管に対し、一方へは酸素含有
ガスを供給しかつ他方へは酸素含有ガスを供給しない状
態を、設定時間ごとに、交互に切替えることができるか
ら、一対の好気濾床に対して交互に酸素含有ガスを供給
するように浄化槽を運転することができる。
【0016】このような酸素含有ガス供給を交互に繰り
返して行えば、一方の好気濾床のみならず、他方の好気
濾床においても好気性菌が好気性処理を効率よく行える
ようになるとともに、汚泥等が好気濾床に過剰に付着し
て好気性菌の活性を低下させるような不都合が起きにく
くなった。また、濾床単位で好気性菌の活性を管理する
のを簡単な構成で実現することが出来る。
【0017】また、さらに発展させて、本発明の第三の
形態の特徴構成を有する浄化槽によれば、ガス供給切替
手段を操作して、前記複数の散気管の一部に対しては酸
素含有ガスを供給しかつ残部へは酸素含有ガスを供給し
ない状態を、設定時間ごとに順次切替えて酸素含有ガス
を供給することができるから、好気濾床の一部のみに気
泡を供給するとともに、残部の気泡供給を停止すること
が出来、前記浄化槽と同様に、被処理水の循環流路の上
昇流路部、下降流路部共に好気濾床内を通過させること
が出来るとともに、好気濾床に対して細かな切替え運転
が可能になる。
【0018】
【発明の効果】従って、浄化槽から外部に放出される処
理済水は、高度に浄水されたものになるので、周囲の環
境に、悪影響を与えるような不都合の起きにくい高性能
な浄化槽を提供することが出来た。
【0019】さらに、上記の浄化槽の好気濾床槽から他
の水処理槽に汚泥を返送自在な返送路を設けてあれば、
好気濾床槽内に汚泥が蓄積されにくくなり、好気濾床へ
の汚泥の付着を抑制でき、より一層好気濾床に着床した
好気性菌の活性を高く維持できるので、前記好気濾床内
に好気性菌を育成しやすくなるとともに、被処理水を好
気性処理する処理効率が一層高くなる。
【0020】また、前記複数の散気管(D1),(D2),
………に対して、前記ガス供給切替手段(V)を、設定
時間ごとに切り替え操作する切替制御機構を設けてあれ
ば、前記酸素含有ガスの供給を自動的に切り替え、前記
浄化槽の運転を簡便に行うことが出来るようになる。
【0021】また、ガス供給切替手段を設定時間ごとに
切替操作する切替制御機構を設けてあれば、自動的に浄
化槽を切替運転出来、長期にわたる運転に対しても人手
を要さず便利である。
【0022】
【実施例】以下に本発明の浄化槽の実施例を図面に基づ
いて説明する。
【0023】〔第1実施例〕図1に示すように、上流側
から、被処理水貯留槽B、嫌気濾床槽N、好気濾床槽
E、沈殿槽Pを被処理水がこの順に自然移流するように
設けるとともに、消毒槽Qを設けて浄化槽を構成してあ
る。
【0024】前記被処理水貯留槽Bは、流入口Iから流
入した被処理水の原水を一時貯留し、その被処理水を下
流の嫌気濾床槽Nにオーバーフローで自然移流自在に構
成してある。尚、この被処理水貯留槽Bでは、被処理水
中の有機物等を嫌気分解し、かつ、硝酸性窒素を窒素ガ
スに変換(脱窒)する嫌気性処理を行う嫌気性菌が生育
し、前記被処理水を嫌気性処理する機能も有する。
【0025】前記嫌気濾床槽Nには、被処理水を嫌気性
処理する嫌気性菌を育成する嫌気濾床Fを設けてあり、
この嫌気濾床Fは、前記嫌気性菌が定着して生育(着
床)して、その着床した嫌気性菌と被処理水との接触効
率を高くして、前記嫌気性菌が効率よく嫌気性処理を出
来るように構成してある。前記嫌気濾床槽Nで嫌気性処
理された被処理水は、オーバーフローして下流の好気濾
床槽Eへ自然移流する構成にしてある。
【0026】図2,3に示すように、前記好気濾床槽E
には、被処理水中の有機物を好気分解し、かつ、好気性
処理を行う好気性菌を育成する一対の好気濾床C1,C
2を中央に隙間を空けて並設してあり、この好気濾床C
1,C2は、前記好気性菌が着床して、その着床した好
気性菌と被処理水との接触効率を高くして前記好気性菌
が効率よく好気性処理を出来るように構成してある。ま
た、前記それぞれの好気濾床C1,C2の直下方には、
前記好気濾床C1,C2の下面全面に気泡を供給自在に
散気管D1,D2を設けてある。
【0027】前記散気管D1には、ガス供給管D1a、
前記散気管D2には、ガス供給管D2aが連設してあ
り、そのガス供給管D1a,D2aには、エア供給自在
にブロワGを電磁弁Vを介して連設してあり、前記ブロ
ワGからエアを供給することで、前記ガス供給管D1
a,D2aを通じて前記散気管D1,D2から、被処理
水中に気泡を供給自在になっている。
【0028】また、前記好気濾床槽Eには、槽内に沈殿
した汚泥や、硝化済の被処理水を再度嫌気性処理を行っ
たり、被処理水の脱窒を行ったりするために前記被処理
水貯留槽Bに返送する返送路Aを設けてある。
【0029】図1,3に示すように、前記返送路Aは、
縦管A1と横管A2とから構成され、前記縦管A1は、
前記好気濾床槽Eの底部から好気濾床槽Eの上方に立設
するとともに、前記横管A2は、前記縦管A1の上部に
は前記被処理水貯留槽Bから前記好気濾床槽Eにわたっ
て横架して連通接続してあり、かつ、前記縦管A1の下
部にエア供給自在にブロワGを連設してあり、被処理水
や汚泥をエアリフト返送自在に構成してある。
【0030】前記好気濾床槽Eで好気性処理された被処
理水は、前記好気濾床槽Eの下部から沈殿槽Pに移流す
る。前記沈殿槽Pに移送ポンプ装置Uを設けてあり、移
流した被処理水を定量的に消毒槽Qに移流自在に設けて
ある。
【0031】前記移流ポンプ装置Uは、U字管U1と、
分配箱U2とを備え、前記U字管U1底部にはブロワG
を連設してなり、前記ブロワGからエア供給すれば、エ
アリフトポンプ作用によって、U字管U1の開口部から
取り入れられた被処理水が、前記分配箱U2に送られ、
前記分配箱U2に送られた被処理水は、一定量を越えな
い範囲で定常的に消毒槽Qに移送される構成にしてあ
る。
【0032】図1に示すように、前記分配箱U2は、前
記U字管U1に対して上部において連通接続され、流入
口I側側壁にバイパス路および流出口Z側側壁に移送路
を設け、仕切壁を内装してあり、前記U字管からの被処
理水を前記移送路から前記消毒槽Qに移送自在にすると
ともに、前記分配箱U2に過剰に供給された被処理水
は、前記仕切壁をオーバーフローして前記バイパス路に
流入する構成にしてある。前記バイパス路は、前記横管
の合流部に連通してあり、前記返送路と合流するので、
前記オーバーフローした被処理水は、被処理水貯留槽B
に返送される。
【0033】従って、移流ポンプ装置のブロワを稼動し
てエア供給すれば、沈殿槽Pから消毒槽Qに被処理水を
ほぼ定量移送出来ることになる。
【0034】上述の浄化槽を運転する場合には、移送ポ
ンプ装置U、返送路Aに、定常的にブロワからエア供給
を行い運転し、前記散気管D1にエアを供給し、かつ、
散気管D2へはエアを供給しない状態と、前記散気管D
2にエアを供給し、かつ、散気管D1へはエアを供給し
ない状態とを、設定時間ごとに、交互に電磁弁を切替え
操作して運転する。この浄化槽に被処理水の原水が流入
すれば、一旦被処理水貯留槽Bに貯留された状態とな
り、嫌気性菌による嫌気性処理を受け、沈殿槽Pから消
毒槽Qに向かって被処理水が移送されるに従って下流に
向かって自然移流する。被処理水貯留槽Bから嫌気濾床
槽Nに移流した被処理水は、粗大な汚泥等の固形物が含
まれない状態となっており、さらに前記嫌気濾床Fで育
成される嫌気性菌によって効率よく嫌気性処理されつ
つ、オーバーフローして好気濾床槽Eに自然移流し、前
記自然移流した被処理水は、好気濾床槽Eにおいて好気
処理されることになる。
【0035】好気濾床槽Eにおいては、前記散気管D1
からのエア供給によって生じた気泡は好気濾床C1の抵
抗を受けつつ上昇流を形成し、図2中矢印(実線)で示
される被処理水の循環流が生じる。この循環流は、好気
濾床C1中を上昇して隙間を下降する循環流路と好気濾
床C1中を上昇して好気濾床C2を下降する循環流路と
をたどり、前記気泡からの酸素を効率よく前記好気濾床
C1に着床した好気性菌に供給することが出来るととも
に、前記好気性菌が被処理水を好気性処理しつつ良好に
生育し、かつ、被処理水は、十分に浄水されたものにな
るから浄化槽外へ放出される処理済の処理水の水質も向
上することになる。
【0036】さらに、前記気泡は直接前記好気濾床C1
に接触するから、前記好気濾床C1へ汚泥が過剰に付着
するのを防ぎ、また、前記好気濾床C1から剥離し、沈
殿した汚泥は、前記返送路Aによって前記被処理水貯留
槽Bに返送され、かつ、硝化済の被処理水を嫌気性処理
自在な上流の槽に返送して脱窒できるから、好気濾床槽
E内の負荷が高くなりすぎて好気性処理しきれずに被処
理水の水質を低下させるような事態が起きにくい。
【0037】前記好気濾床槽Eで好気性処理された被処
理水は、好気濾床槽E下部から沈殿槽Pに移流して消毒
槽Qに移送されるから、好気濾床槽Eで生じた汚泥等の
固形物は、沈殿除去されるので水質の高い処理水を消毒
槽Qに移流できることになる。また、被処理水を消毒槽
Qに移流するのに、前記U字管U1を介して移送するか
ら、移送される被処理水は、水面近くの上澄みとなり、
消毒槽Qから放出口Zにオーバーフローする処理水は固
形物を含みにくくなり尚一層水質を向上できる。
【0038】次に、散気管D2にエア供給している状態
で、同様の運転をすれば、前記散気管D2からのエア供
給によって生じた気泡は好気濾床C2の抵抗を受けつつ
上昇流を形成し、図2中矢印(破線)で示される被処理
水の循環流が生じ、好気濾床C2での好気性処理が活性
化するとともに、好気性菌が良好に育成されることにな
る。
【0039】前記好気濾床槽Eで好気性処理された被処
理水は、好気濾床槽E下部から沈殿槽Pに移流して消毒
槽Qに移送されるから、好気濾床槽Eで生じた汚泥等の
固形物は、沈殿除去されるので水質の高い処理水を消毒
槽Qに移流できることになる。
【0040】尚、浄化槽内の水面は、原水の流入量が最
大になった場合の最高水位HWLは、前記U字管U1の
開口部の高さと、前記流入口Iの高さとの間に設定して
あり、前記U字管の開口部の高さを最低水位LWLに設
定してある。つまり、原水が一度に大量に流入する場合
の量を想定して、最高水位HWLと最低水位LWLとの
水位差を決定してある。これにより、通常時には水位は
前記最高水位HWLと最低水位LWLとの間にあり、沈
殿槽Pの被処理水は、定常的に消毒槽Qに移送され、定
量的に浄化槽外に放出される構成になっている。また、
最低水位LWLにまで被処理水の処理が進行して、なお
かつ、原水の流入が無い場合には、被処理水はそれぞれ
の槽でそれぞれ処理されつつ、貯留されることになり、
前記返送路の働きで槽内の被処理水が均一に高度に処理
されることになるとともに、原水が一度に大量に流入し
たとしても定常的に高度な水処理が可能となるのであ
る。
【0041】〔第二実施例〕図4,5に示すように、上
流側から、被処理水貯留槽Bと嫌気濾床槽N、および、
好気濾床槽Eと沈殿槽Pと消毒槽Qとを被処理水がこの
順に自然移流するように設けるとともに、前記嫌気濾床
槽Nから好気濾床槽Eに被処理水を移送する移送ポンプ
装置Uを設けて浄化槽を構成してある。
【0042】前記被処理水貯留槽Bは、上記第1実施例
と同様に流入口Iから流入した被処理水の原水を一時貯
留し、その被処理水を下流の嫌気濾床槽Nにオーバーフ
ローで自然移流自在に構成してある。
【0043】前記嫌気濾床槽Nには、被処理水を嫌気性
処理する嫌気性菌を育成する嫌気濾床Fを設けてあり、
この嫌気濾床Fは、着床した嫌気性菌と被処理水との接
触効率を高くして、前記嫌気性菌が効率よく嫌気性処理
を出来るように構成してある。前記嫌気濾床槽Nで嫌気
性処理された被処理水は、移流ポンプ装置を介して下流
の好気濾床槽Eへ移送される構成にしてある。
【0044】前記移流ポンプ装置は、前述と同様に、U
字管U1と、分配箱U2とを備え、前記U字管底部には
ブロワGを連設してなり、前記ブロワからエア供給すれ
ば、エアリフトポンプ作用によって、U字管の開口部か
ら取り入れられた被処理水が、前記分配箱に送られ、前
記分配箱に送られた被処理水は、一定量を越えない範囲
で定常的に好気濾床槽Eに移送される。
【0045】図4に示すように、前記分配箱は、前記U
字管の上部において連通接続され、流入口I側側壁にバ
イパス路、および、流出口Z側側壁に移送路を設け、仕
切壁を内装して、前記U字管からの被処理水を前記移送
路から前記好気濾床槽Eに移送自在にするとともに、前
記分配箱に過剰に供給された被処理水は、前記仕切壁か
らオーバーフローして前記バイパス路に流入し、前記バ
イパス路に流入した被処理水は、被処理水貯留槽Bに返
送される構成にしてある。
【0046】従って、移流ポンプ装置Uへブロワを稼動
してエア供給すれば、嫌気濾床槽Nから好気濾床槽Eに
被処理水をほぼ定量移送出来ることになる。また、前記
嫌気濾床槽Nに移流した被処理水は、まず、前記嫌気濾
床Fの下方に移流して、前記嫌気濾床Fを通って上昇す
る構成にしてあり、前記開口部は前記嫌気濾床Fの上部
に設けてあるので、前記開口部から移送される被処理水
は、水面近くの上澄みとなり、消毒槽Qから放出口Zに
オーバーフローする処理水はより固形物を含みにくくな
り、処理水の水質向上に役立つ。
【0047】図4,5に示すように、前記好気濾床槽E
には、被処理水中の有機物を好気分解し、かつ、好気性
処理を行う好気性菌を育成する一対の好気濾床C1,C
2を中央に隙間を空けて並設してあり、この好気濾床C
1,C2は、前記好気性菌が着床して、その着床した好
気性菌と被処理水との接触効率を高くして前記好気性菌
が効率よく好気性処理を出来るように構成してある。ま
た、前記それぞれの好気濾床C1,C2の直下方には、
前記好気濾床C1,C2の下面全面に気泡を供給自在に
散気管D1,D2を設けてある。
【0048】前記散気管D1には、ガス供給管D1a、
前記散気管D2には、ガス供給管D2aが連設してあ
り、そのガス供給管D1a,D2aには、エア供給自在
にブロワGを電磁弁Vを介して連設してあり、前記ブロ
ワGからエアを供給することで、前記ガス供給管D1
a,D2aを通じて前記散気管D1,D2から、被処理
水中に気泡を供給自在になっている。
【0049】また、前記好気濾床槽Eには、槽内に沈殿
した汚泥や、硝化済の被処理水を再度嫌気性処理を行っ
たり、被処理水の脱窒を行ったりするために前記被処理
水貯留槽Bに返送する返送路Aを設けてある。前記返送
路Aは、縦管A1と横管A2とから構成され、前記縦管
A1は、前記好気濾床槽Eの底部から好気濾床槽Eの上
方に立設するとともに、前記横管A2は、前記縦管A1
の上部には前記被処理水貯留槽Bから前記好気濾床槽E
にわたって横架して連通接続してあり、かつ、前記縦管
A1の下部にエア供給自在にブロワGを連設してあり、
被処理水や汚泥をエアリフト返送自在に構成してある。
【0050】前記好気濾床槽Eで好気性処理された被処
理水は、前記好気濾床槽Eの下部から沈殿槽Pに移流す
る。被処理水は、前記沈殿槽Pからオーバーフローして
消毒槽Qに移流自在にしてある。
【0051】上述の浄化槽を運転するのに、移送ポンプ
装置U、返送路Aに、定常的にブロワGからエア供給を
行い、前記散気管D1にエアを供給し、かつ、散気管D
2へはエアを供給しない状態と、前記散気管D2にエア
を供給し、かつ、散気管D1へはエアを供給しない状態
とを、設定時間ごとに、交互に電磁弁Vを切替え操作し
て運転する。まず、散気管D1にエア供給している状態
で、この浄化槽に被処理水の原水が流入すれば、一旦被
処理水貯留槽Bに貯留された状態となり、嫌気性菌によ
る嫌気性処理を受け、嫌気濾床槽Nから好気濾床槽Eに
向かって被処理水が移送ポンプ装置Uで移送されるに従
って被処理水貯留槽Bから嫌気濾床槽Nに向かって自然
移流する。被処理水貯留槽Bから嫌気濾床槽Nにオーバ
ーフローして移流した被処理水は、粗大な汚泥等の固形
物が含まれない状態となっており、さらに前記嫌気濾床
Fで育成される嫌気性菌によって効率よく嫌気性処理さ
れつつ、前記移送ポンプ装置Uで好気濾床槽Eに定量的
に移送され、その移送された被処理水は、好気濾床槽E
において好気処理されることになる。
【0052】好気濾床槽Eにおいては、前記散気管D1
からのエア供給によって生じた気泡は好気濾床C1の抵
抗を受けつつ上昇流を形成し、図2中矢印(実線)で示
される被処理水の循環流が生じる。この循環流は、好気
濾床C1中を上昇して隙間を下降する循環流路と好気濾
床C1中を上昇して好気濾床C2を下降する循環流路と
をたどり、前記気泡からの酸素を効率よく前記好気濾床
C1に着床した好気性菌に供給することが出来るととも
に、前記好気性菌が被処理水を好気性処理しつつ良好に
生育し、かつ、被処理水は、十分に浄水されたものにな
るから浄化槽外へ放出される処理済の処理水の水質も向
上することになる。
【0053】さらに、前記気泡は直接前記好気濾床C1
に接触するから、前記好気濾床C1へ汚泥が過剰に付着
するのを防ぎ、また、前記好気濾床C1から剥離した浮
遊汚泥の一部は、好気濾床C1中を上昇して好気濾床C
2を下降する循環流路をたどるので、前記浮遊汚泥に含
まれる好気性菌や有機物は、好気濾床C2に再び着床
し、効率よく被処理水を好気性処理可能な状況が維持し
やすくなる。また、槽内に沈殿した汚泥は、前記返送路
によって前記被処理水貯留槽Bに返送され、かつ、硝化
済の被処理水を嫌気性処理自在な上流の槽に返送して脱
窒できるから、好気濾床槽E内の負荷が高くなりすぎて
好気性処理しきれずに被処理水の水質を低下させるよう
な事態が起きにくい。
【0054】次に、散気管D2にエア供給している状態
で、同様の運転をすれば、前記散気管D2からのエア供
給によって生じた気泡は好気濾床C2の抵抗を受けつつ
上昇流を形成し、図2中矢印(破線)で示される被処理
水の循環流が生じ、好気濾床C2での好気性処理が活性
化するとともに、好気性菌が良好に育成されることにな
る。
【0055】前記好気濾床槽Eで好気性処理された被処
理水は、好気濾床槽E下部から沈殿槽Pに移流して消毒
槽Qに移送されるから、好気濾床槽Eで生じた汚泥等の
固形物は、沈殿除去されるので水質の高い処理水を消毒
槽Qに移流できることになる。また、被処理水を消毒槽
Qに移流するのに、前記U字管を介して移送するから、
移送される被処理水は、水面近くの上澄みとなり、消毒
槽Qから放出口Zにオーバーフローする処理水は固形物
を含みにくくなり尚一層水質を向上できる。
【0056】〔第3実施例〕図6,8に示すように、上
流側から、被処理水貯留槽Bと嫌気濾床槽N、および、
好気濾床槽Eと沈殿槽Pと消毒槽Qとを被処理水がこの
順に自然移流するように設けるとともに、前記嫌気濾床
槽Nから好気濾床槽Eに被処理水を移送する移送ポンプ
装置Uを設けて浄化槽を構成してある。
【0057】前記被処理水貯留槽B、嫌気濾床槽N、移
流ポンプ装置Uは前記第2実施例と同様に構成され、流
入口Iから流入した被処理水を好気濾床槽Eに移流させ
る構成にしてある。
【0058】図7に示すように、前記好気濾床槽Eに
は、被処理水中の有機物を好気分解し、かつ、好気性処
理を行う好気性菌を育成する一対の好気濾床C1,C2
を中央に隙間を空けて並設してあり、この好気濾床C
1,C2は、前記好気性菌が着床して、その着床した好
気性菌と被処理水との接触効率を高くして前記好気性菌
が効率よく好気性処理を出来るように構成してある。ま
た、前記それぞれの好気濾床C1,C2の直下方には、
前記好気濾床C1の下面全面に気泡を供給自在に散気管
D1〜D3を,前記好気濾床C2の下面全面に気泡を供
給自在に散気管D4〜D6を設けてある。
【0059】前記散気管D1には、ガス供給管D1aが
連設してあり、以下散気管D2〜D6には、ガス供給管
D2a〜D6aが連設してある。そのガス供給管D1
a,D2aには、エア供給自在にブロワGを電磁弁Vを
介して連設してあり、前記ブロワGからエアを供給する
ことで、前記ガス供給管D1a,D2aを通じて前記散
気管D1,D2から、被処理水中に気泡を供給自在にな
っている。
【0060】また、前記好気濾床槽Eには、槽内に沈殿
した汚泥や、硝化済の被処理水を再度嫌気性処理を行っ
たり、被処理水の脱窒を行ったりするために前記被処理
水貯留槽Bに返送する返送路Aを設けてある。図6,8
に示すように、前記返送路Aは、縦管A1と横管A2と
から構成され、前記縦管A1は、前記好気濾床槽Eの底
部から好気濾床槽Eの上方に立設するとともに、前記横
管A2は、前記縦管A1の上部には前記被処理水貯留槽
Bから前記好気濾床槽Eにわたって横架して連通接続し
てあり、かつ、前記縦管A1の下部にエア供給自在にブ
ロワGを連設してあり、被処理水や汚泥をエアリフト返
送自在に構成してある。
【0061】前記好気濾床槽Eで好気性処理された被処
理水は、前記好気濾床槽Eの下部から沈殿槽Pに移流す
る。被処理水は、前記沈殿槽Pからオーバーフローして
消毒槽Qに移流自在にしてある。
【0062】上記浄化槽は以下のようにして運転でき
る。つまり、移送ポンプ装置U、返送路Aに、定常的に
ブロワからエア供給を行い運転し、散気管D1〜D6に
は、D1,D2,D4,D5へはエアを供給し,かつ,
D3,D6へはエアを供給しない状態,D1,D3,D
4,D6へはエアを供給し,かつ,D2,D5へはエア
を供給しない状態,D2,D3,D5,D6へはエアを
供給し,かつ,D1,D4へはエアを供給しない状態
を、設定時間ごとに、電磁弁Vを順次切替え操作して運
転する。
【0063】この浄化槽に被処理水の原水が流入すれ
ば、一旦被処理水貯留槽Bに貯留された状態となり、嫌
気性菌による嫌気性処理を受け、嫌気濾床槽Nから好気
濾床槽Eに向かって被処理水が移送ポンプ装置Uで移送
されるに従って被処理水貯留槽Bから嫌気濾床槽Nに向
かって自然移流する。
【0064】被処理水貯留槽Bから嫌気濾床槽Nにオー
バーフローして移流した被処理水は、粗大な汚泥等の固
形物が含まれない状態となっており、さらに前記嫌気濾
床Fで育成される嫌気性菌によって効率よく嫌気性処理
されつつ、前記移送ポンプ装置Uで好気濾床槽Eに定量
的に移送され、その移送された被処理水は、好気濾床槽
Eにおいて好気処理されることになる。
【0065】好気濾床槽Eにおいては、まず前記散気管
D1,D2,D4,D5からのエア供給によって生じた
気泡は好気濾床C1の抵抗を受けつつ上昇流を形成し、
図中矢印で示される被処理水の循環流が生じる。この循
環流は、好気濾床C1中を上昇して隙間を下降する循環
流路と好気濾床C1,C2中を上昇して再び下降する循
環流路とをたどり、前記気泡からの酸素を効率よく前記
好気濾床C1に着床した好気性菌に供給することが出来
るとともに、前記好気性菌が被処理水を好気性処理しつ
つ良好に生育し、かつ、被処理水は、十分に浄水された
ものになるから浄化槽外へ放出される処理済の処理水の
水質も向上させられる。
【0066】さらに、前記気泡は直接前記好気濾床C1
に接触するから、前記好気濾床C1へ汚泥が過剰に付着
するのを防ぎ、また、前記好気濾床C1,C2から剥離
した浮遊汚泥の一部は、好気濾床C1,C2中を上昇し
て再び下降する循環流路をたどるので、前記浮遊汚泥に
含まれる好気性菌や有機物は、好気濾床C1,C2に再
び着床し、効率よく被処理水を好気性処理可能な状況が
維持しやすくなる。
【0067】ブロワGからのエア供給量を一定に維持
し、電磁弁Vを定期的に調節して、1本あるいは、2本
あるいは、3本の散気管Dのみにエア供給を行うように
浄化槽を運転すれば、散気管Dから前記好気濾床C1,
C2に供給される気泡が大きくなり、前記好気濾床C
1,C2に付き過ぎた汚泥等を剥離して、好気濾床C
1,C2に着床した好気性菌に酸素が供給されやすい状
況を実現することが出来、従来の浄化槽における逆洗管
を別途用いなくても前記好気濾床C1,C2の維持管理
が容易に出来るようになる。
【0068】このような操作を順次繰り返せば、好気濾
床C1,C2には汚泥が過剰に付着することが少なく、
しかも、着床した好気性菌には十分な酸素を供給でき、
好気性処理が十分に行えるとともに、前記好気性菌が育
成しやすい状態が得られる。
【0069】また、槽内に沈殿した汚泥は、前記返送路
によって前記被処理水貯留槽Bに返ーされ、かつ、硝化
済の被処理水を嫌気性処理自在な上流の槽に返送して脱
窒できるから、好気濾床槽E内の負荷が高くなりすぎて
好気性処理しきれずに被処理水の水質を低下させるよう
な事態が起きにくい。
【0070】前記好気濾床槽Eで好気性処理された被処
理水は、好気濾床槽E下部から沈殿槽Pに移流して消毒
槽Qに移送されるから、好気濾床槽Eで生じた汚泥等の
固形物は、沈殿除去されるので水質の高い処理水を消毒
槽Qに移流できることになる。また、被処理水を消毒槽
Qに移流するのに、前記U字管を介して移送するから、
移送される被処理水は、水面近くの上澄みとなり、消毒
槽Qから放出口Zにオーバーフローする処理水は固形物
を含みにくくなり、尚一層水質を向上できる。
【0071】〔浄化槽の運転試験結果〕第3実施例にお
ける浄化槽および、従来の浄化槽を、定常運転してそれ
ぞれの浄化槽における総括的酸素移動容量係数(以下K
Laと略称する)を測定した。尚、このKLaとは、値
が大きいほど好気性菌には十分量の酸素が供給され育成
に適した条件が得られていると判断できるものである。
【0072】測定は、一般的な家庭用廃水の処理を行う
浄化槽において、ブロワからのエア供給量を58リット
ル/分に維持して、全ての散気管に一様にエア供給しつ
つ、常温(20℃)で溶存酸素センサにて行った。前記
溶存酸素センサは、好気濾床C1,C2同士の隙間の下
部(100ミリメートル)と中央部(700ミリメート
ル)とに設置し、それぞれから算出されるKLa値の平
均として求めた。
【0073】その結果、従来の浄化槽ではKLa値が
4.80であるのに対し、上記第3実施例における浄化
槽では6.05と高い値を示した。つまり、従来の浄化
槽よりも好気性菌に供給される酸素量が26%程度向上
したことになる。
【0074】〔別実施例〕以下に別実施例を説明する。
【0075】先の実施例では、散気管D1,D2に供給
する酸素含有ガスとしてエアを用いたが、これに限ら
ず、酸素ガス等、酸素含有比率の高いガスを供給するこ
とも可能であり、このようにすれば、被処理水への酸素
溶解効率を高めることが出来るという利点がある。ま
た、エア供給を行う場合には、前記酸素ガスを供給する
場合に比べて安価に浄化槽を運転できるという利点があ
る事は言うまでもない。
【0076】また、先の実施例では、被処理水貯留槽
B、嫌気濾床槽N、好気濾床槽E、沈殿槽P、消毒槽Q
をもって構成した浄化槽としたが、これに限らず、嫌気
濾床槽を2槽備えてなる浄化槽であってもよく、被処理
水貯留槽を備えていない浄化槽であってもよく、また、
好気濾床槽が2槽以上ある浄化槽であってもよい。さら
に、濾過膜を備えてなる膜分離槽を沈殿槽に代えて設置
してあってもよく、要するに好気濾床槽を備えてなる浄
化槽としてあればいかなる浄化槽にも適用することが出
来る。
【0077】また、酸素含有ガス供給管に電磁弁Vを連
設してエア供給する構成としたが、これに限らず、電磁
弁Vに代えて手動切替え弁を用いてあってもよく、要す
るに、酸素含有ガス供給管に選択的に酸素含有ガスを供
給できる構成であればよく、これらを総称してガス供給
切替手段と呼ぶものとする。これらの組み合わせを総称
して酸素含有ガス供給手段と呼ぶものとする。
【0078】尚、前記散気管D1、………は、濾床同士
の隙間から取出してメンテナンス自在に構成してあれば
好ましく、また、第3実施例において散気管を6本設け
たが、これに限らず、4本や8本でもよく、またはその
他の本数であってもよく、好ましくは一対の散気管にそ
れぞれに、同数の散気管が設置されているほうが、好気
濾床の負荷のバランスがとりやすいし、本数が少ない方
が単純な構成の浄化槽とできる。
【0079】さらに、散気管D1、………は浄化槽本体
に対して好気濾床同士の隙間から横に並設したが、好気
濾床槽Eと嫌気濾床槽Nとを区画する隔壁と好気濾床と
のあいだに隙間を設けて、その隙間から浄化槽本体に対
して縦に並設してあってもよい。尚、本明細書中上流、
下流と称するのは、浄化槽の本体に対して被処理水が主
に自然移流によって浄水される経路において、被処理水
の原水が流入する側を上流とよび、放流される側を下流
と呼ぶものである。また、全体としてその被処理水が流
れる水平方向を、縦方向とし、それに交差する水平方向
を横方向とする。
【0080】また、返送路についても、必ずしも好気濾
床槽Eから被処理水貯留槽Bに汚泥返送自在に構成する
必要はなく、好気濾床槽Eから嫌気濾床槽Nに汚泥返送
自在に構成してあってもよい。また、エアリフト作用で
返送する構成に限らず、モーターポンプで揚水して返送
する構成であってもよい。まじゃ、複数の散気管D1,
D2……に対して、前記ガス供給切替手段Vを設定時間
ごとに切替え操作する切替え制御機構を設けてあっても
良い。このとき、前記ガス供給切替手段Vを連動して切
り替える連動機構を設けてあれば尚良い。つまり、前記
好気濾床槽Eに蓄積した汚泥を上流側の水処理槽に返送
する構成であればよく、先の実施例の実施例に限られる
ものではない。
【0081】尚、特許請求の範囲の項に、図面との対照
を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明
は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の浄化槽の縦断側面図
【図2】第1、第2実施例の浄化槽の好気濾床槽におけ
る横断面図
【図3】第1実施例の浄化槽の平面図
【図4】第2実施例の浄化槽の縦断側面図
【図5】第2実施例の浄化槽の平面図
【図6】第3実施例の浄化槽の縦断側面図
【図7】第3実施例の浄化槽の好気濾床槽における横断
面図
【図8】第3実施例の浄化槽の平面図
【符号の説明】
E 好気濾床槽 D1,D2 散気管 D1a,D2a ガス供給管 C 好気濾床 G ブロワ V ガス供給切替手段 A 返送路
フロントページの続き (72)発明者 本田 和之 滋賀県甲賀郡甲西町高松2番地の1 株式 会社クボタ滋賀工場内 (72)発明者 浜田 勝己 滋賀県甲賀郡甲西町高松2番地の1 株式 会社クボタ滋賀工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に好気濾床槽(E)を備え、その好
    気濾床槽(E)内に、酸素含有ガスを導入するガス供給
    管(D1a),(D2a),………を連設してそのガス供給
    管(D1a),(D2a),………からの酸素含有ガスを被
    処理水に供給自在な複数の散気管(D1),(D2),……
    …を設けるとともに、前記被処理水を好気処理する好気
    性菌を育成自在な好気濾床(C)を配設し、前記好気濾
    床槽(E)内で前記好気濾床(C)同士の間、あるい
    は、前記好気濾床槽(E)と他の水処理層とを区画する
    隔壁と前記好気濾床(C)とのあいだに被処理水の流路
    を形成する上下貫通空間を設けてある浄化槽の運転方法
    であって、 前記複数の散気管(D1),(D2),………を前記好気濾
    床(C)の直下方に設けるとともに、その散気管(D
    1),(D2),………の一部に対して酸素含有ガスを供給
    するとともに、残部に対しては酸素含有ガスを供給しな
    い状態を、前記複数の散気管(D1),(D2),………に
    対して設定時間ごとに順次切替える浄化槽の運転方法。
  2. 【請求項2】 内部に好気濾床槽(E)を備え、その好
    気濾床槽(E)内に、酸素含有ガスを導入するガス供給
    管(D1a),(D2a)を連設してそのガス供給管(D
    1a),(D2a)からの酸素含有ガスを被処理水に供給
    自在な複数の散気管(D1),(D2)を設けるととも
    に、前記被処理水を好気処理する好気性菌を育成自在な
    一対の好気濾床(C1),(C2)を配設し、前記好気濾
    床槽(E)内で前記好気濾床(C1),(C2)同士の間
    に上下貫通空間を設けてある浄化槽であって、 それぞれの好気濾床(C1),(C2)の直下方で、前記
    好気濾床(C1),(C2)の下面に気泡を供給可能に、
    前記散気管(D1),(D2)を各別に配設するととも
    に、酸素含有ガス供給手段(G)からの酸素含有ガス
    を、択一的にそれぞれの前記ガス供給管(D1a),(D
    2a)に供給自在に切り替えるガス供給切替手段(V)
    を設けてある浄化槽。
  3. 【請求項3】 内部に好気濾床槽(E)を備え、その好
    気濾床槽(E)内に、酸素含有ガスを導入するガス供給
    管(D1a),(D2a),………を連設してそのガス供給
    管(D1a),(D2a),………からの酸素含有ガスを被
    処理水に供給自在な複数の散気管(D1),(D2),……
    …を設けるとともに、前記被処理水を好気処理する好気
    性菌を育成自在な好気濾床(C)を配設し、前記好気濾
    床槽(E)内で被処理水の流路を形成する上下貫通空間
    を設けてある浄化槽であって、 前記好気濾床(C)の下面に気泡を供給可能に、かつ、
    前記好気濾床(C)の直下方それぞれに複数の散気管
    (D1),(D2),………を横に並設するとともに、前記
    複数のガス供給管(D1a),(D2a),………それぞれ
    に対して酸素含有ガスを各別に供給自在な酸素含有ガス
    供給手段(G)を連設してあり、散気管(D1),(D
    2),………の一部に対して酸素含有ガスを供給するとと
    もに、残部に対しては酸素含有ガスを供給しない状態
    を、前記複数の散気管(D1),(D2),………に対して
    設定時間ごとに順次切替えるガス供給切替手段(V)を
    設けてある浄化槽。
  4. 【請求項4】 前記好気濾床槽(E)の上流側に、他の
    水処理槽を設けるとともに、前記好気濾床槽(E)から
    前記他の水処理槽へ、汚泥返送自在な返送路(A)を設
    けてある請求項2〜3に記載の浄化槽。
  5. 【請求項5】 前記複数の散気管(D1),(D2),……
    …に対して、前記ガス供給切替手段(V)を、設定時間
    ごとに切り替え操作する切替制御機構を設けてある請求
    項2〜4のいずれかに記載の浄化槽。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7859935B2 (en) 2005-12-28 2010-12-28 International Business Machines Corporation Memory system with low current consumption and method for the same
KR101414519B1 (ko) * 2013-01-04 2014-07-16 한국원자력연구원 적응조를 포함한 하폐수 처리 장치

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