JPH08115101A - 駆動部の制御方法 - Google Patents

駆動部の制御方法

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JPH08115101A
JPH08115101A JP27827794A JP27827794A JPH08115101A JP H08115101 A JPH08115101 A JP H08115101A JP 27827794 A JP27827794 A JP 27827794A JP 27827794 A JP27827794 A JP 27827794A JP H08115101 A JPH08115101 A JP H08115101A
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control amount
amount
hysteresis
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drive unit
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JP27827794A
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Jun Hane
潤 羽根
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可動部を現在位置から目標の位置へ高速かつ
高い精度で駆動することができる駆動部の制御方法を提
供することにある。 【構成】 駆動部1を制御する駆動部の制御方法におい
て、駆動部を作動させ、ヒステリシスループ情報を得
て、駆動方向に応じて、位置と位置を制御量に関して微
分したものとの関係を求め、制御量とヒステリシス量と
の関係、制御量とヒステリシス量を含まない位置との関
係を求め、ヒステリシス量を制御量で微分し、位置と制
御量に関するヒステリシス量の変化率の関係を求め、目
標位置を設定するステップと、位置と制御量に関するヒ
ステリシス量の変化率との関係、現在のヒステリシス量
を基に、目標位置の方向への制御量とヒステリシス量の
関係を求め、制御量とヒステリシス量を含まない位置と
の関係、制御量とヒステリシス量との関数を基に、制御
量と位置の関係を求め、制御量を求め、求めた制御量で
駆動部を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制御量と駆動した可動
部の位置との間の関係に非線形性、特にヒステリシスが
存在する駆動部を制御する駆動部の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は駆動機構の例を示している。駆動
機構は、駆動部1、ガイド2、可動部3、制御部4を備
えており、この例においては、ガイド2は駆動部1の駆
動力を伝達する機能も兼ねている。このような駆動機構
は位置決め、アライメント、フォーカシングなどに用い
られる。通常、駆動部1は、入力された制御量(例えば
電圧)と可動部3の変位との間に線形性を有するもの
が、制御性の良さから用いられるが、特殊な駆動機構に
おいては、非線形性やヒステリシスを有するものが用い
られている。
【0003】このような、ヒステリシスを有する駆動部
の例として、圧電素子や、バネ等の弾性部材で可動部の
重さのバランスを取ったZ軸(鉛直方向成分を持つ軸)
駆動部等が挙げられる。なお、圧電素子は、ステージに
おける微少精密位置決めや、応答性の良さなどの利点が
あることから、フォーカス・トラッキング機構にも用い
られている。また、ヒステリシスを持つZ軸(鉛直)方
向駆動部の例としては、圧電素子等を用いたインチワー
ム機構をガイド兼駆動部として、板バネで支えられた可
動部を駆動するものが挙げられる。ここで板バネは駆動
部への負荷を軽くするために組み入れられており、負荷
が軽くなることで通常分解能の高い駆動部を用いること
が可能となり、位置決め精度の向上が図られている。
【0004】以上のようなヒステリシスを有する駆動部
の制御方法は従来からいくつか考えられている。第1の
方法として、精度をそれほど必要としない場合に用いら
れ、駆動制御を単純化するためにヒステリシスを無視
し、可動部の可動範囲内での制御量−変位の関係から、
可動範囲内に基準位置と単位制御量当たりの変位量を求
め、それを基に位置決め制御をするものがある。また、
第2の方法として、駆動部として圧電素子を用いる場合
に用いられ、全可動範囲にわたって周期的に圧電素子を
数回動かした上で、位置決め時の伸縮の向きを一定にし
てから位置決めすることで、ある電圧に対する圧伝素子
の長さが唯1つに定まるように制御するものがある。第
3の方法として、特開昭64−5370号公報に記載さ
れたものであって、圧電素子に発生する電荷量に伸縮量
がほぼ比例することを利用して、制御量を電圧から電荷
量に変換するためのコンデンサを圧電素子に直列にいれ
て電荷駆動するものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の制御方法では、実際に位置決め、あるいは、アラ
イメントしたい位置に精度よく素早く持っていくことが
困難である。つまり、第1の方法では、高い精度を必要
とする場合には用いることができない。また、第2の方
法では、顕微鏡や形状測定器などにおいて、正確な位置
決めを目的として全可動範囲で前述のループ動作をさせ
た場合、検査対象物に可動部がぶつかる可能性がある。
さらに、第3の方法では、ヒステリシス除去のための制
御量変換機構を設けようとしても、必ずしも、ヒステリ
シスを有するすべての駆動部に対応する変換機構が存在
するとも限らず、存在しても駆動部に変換機構を追加
し、変更するコストや手間がかかるし、装置の大型化を
招き易い。
【0006】本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので、可動部を現在位置から目標の位置へ高速
かつ高い精度で駆動することができる駆動部の制御方法
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る駆動部の制御方法は、制御量と駆動
される可動部の位置との間の関係にヒステリシスを含む
非線形性が存在する駆動部を制御する駆動部の制御方法
において、駆動部を少なくとも使用時の最大の制御量で
作動させて、制御量と位置の関係であるヒステリシスル
ープ情報を得る第1ステップと、ヒステリシスループ情
報を基に、可動部の現在位置を基準に駆動方向に応じ
て、位置と位置を制御量に関して微分したものとの関係
を求める第2ステップと、制御量とヒステリシスによる
変位(以下、ヒステリシス量と呼ぶ)、および制御量と
ヒステリシス量を含まない位置との関係をそれぞれ求め
る第3ステップと、制御量とヒステリシス量の関係にお
いてヒステリシス量を制御量で微分し、位置と制御量に
関するヒステリシス量の変化率との関係を求める第4ス
テップと、可動部の目標位置を設定する第5ステップ
と、第4ステップで求めた位置と制御量に関するヒステ
リシス量の変化率との関係、および現在のヒステリシス
量を基に目標位置の方向への制御量とヒステリシス量と
の関係をそれぞれ求める第6ステップと、第3ステップ
で求めた制御量とヒステリシス量を含まない位置との関
係、および第6ステップで求めた制御量とヒステリシス
量との関係を基に、目標位置の方向への制御量と位置の
関係を求める第7ステップと、目標位置に対する制御量
を求める第8ステップと、求めた制御量で駆動部を制御
する第9ステップと、からなることを特徴とする。
【0008】請求項2に係る駆動部の制御方法は、制御
量と駆動される可動部の位置との間の関係に、位置を制
御量に関して微分したものが位置のみの関数で表され
る、または近似できるような非線形性が存在する駆動部
を制御する駆動部の制御方法において、駆動部を少なく
とも使用時の最大の制御量で作動させて、制御量と位置
の関係であるヒステリシスループ情報を求める第1ステ
ップと、ヒステリシスループ情報を基に、可動部の現在
位置を基準に駆動方向に応じて、位置と位置を制御量に
関して微分したものとの関係を2通り求める第2ステッ
プと、2通りの関係において位置を制御量で微分したも
のを位置のみの関数でそれぞれ近似する第3ステップ
と、近似された2つの関数を基に、目標位置に対する制
御量の関数を、現在位置および現在制御量を初期値とし
て、駆動方向別にそれぞれ求める第4ステップと、可動
部の目標位置を設定する第5ステップと、第4ステップ
で求めた関数のうち、設定された目標位置の方向に対す
る関数を選択し、現在位置、現在制御量および設定され
た目標位置を代入することにより、設定された目標位置
に可動部を駆動するための制御量を求める第6ステップ
と、第6ステップで求めた制御量で駆動部を制御する第
7ステップと、からなることを特徴とする。
【0009】請求項3に係る駆動部の制御方法は、請求
項2に記載の駆動部の制御方法において、位置と位置を
制御量に関して微分したものとの関係を1次式で近似す
ることにより、駆動部を制御する制御量を求めることを
特徴とする。
【0010】
【作用】請求項1に係る駆動部の制御方法では、可動部
の位置と駆動部に入力する制御量に関する可動部の位置
の変化率との関係を求めた後、目標位置への制御量を求
め、この制御量で駆動部を制御することにより、可動部
を目標位置に駆動する。これにより、現在位置からの動
きがヒステリシスを含む場合でも、正確かつ容易に計算
で予測できるようになるので、ヒステリシスを無視した
り、制御量と変位の関係を線形的に扱う場合に比べて、
より高い精度で可動部を駆動することができる。また、
例えば、コンピュータ、またはハードウェアによって演
算させれば、その演算は高速であり、精度が高いことか
ら、例えば目標精度内に入れるための位置決めの繰り返
し回数などを少なくできるので、位置決め時間も短縮で
きる。また、制御性向上のための制御量の変換をしなく
て済むので、それに必要な機構やハードウェアを省略で
きることにより、コストダウンを図ることができる。
【0011】請求項2に係る駆動部の制御方法では、ま
ず、可動部の位置と駆動部に入力する制御量に関する可
動部の位置の変化率との関係を求める。その関係が位置
のみの関数で表される、または近似できる場合、さらに
制御量に対する位置の関数を個々の関係式に応じて数学
的に、または数値演算的に数式化して表しておくことが
できる。これにより、ヒステリシスを含む場合でも、そ
の都度位置と制御量の間の関係式を求める必要がなく、
第1請求項記載の制御方法に比べてより高速で容易に可
動部を駆動することができる。
【0012】請求項3に係る駆動部の制御方法では、ま
ず、可動部の位置と駆動部に入力する制御量に関する可
動部の位置の変化率との関係を求め、その関係において
制御量に関する可動部の位置の変化率が位置のみの関数
で近似できる場合、制御量に対する位置の関数の導関数
を1次関数で近似する。この場合、例えば、1次関数
を、数学的に、または、数値演算的に数式化して表して
おく。このことで、現在位置からの動きがヒステリシス
を含む場合でも、目標位置に合った制御量を、数学的、
または、数値演算的処理のうち、任意の手法の計算で、
その都度位置と制御量の間の関係式を求めることなく予
測できるようになる。また、扱う関数が単純なことと、
システムにあった処理方法を選べることで、請求項2記
載の駆動部の制御方法に比べて高速で汎用性の高い制御
ができる。
【0013】
【実施例】以下、図面に従って本発明の実施例を説明す
る。 [実施例1]図1〜5を用いて本発明の実施例1を説明
する。この実施例1は請求項1記載の発明に対応する。
駆動機構の構成については、先に説明した図9と共通で
ある。図1は、実施例1のフローチャートである。図2
〜図5は、図1で使用される、制御量、位置(変位量)
およびヒステリシス量hなどに関するいくつかの関係を
グラフに表したものである。実施例1では、駆動部1を
制御するための制御量u、可動部3が駆動されて移動す
る位置z、制御量uに対する位置zの関数におけるヒス
テリシス量h、およびヒステリシス量hの影響を除いた
位置z’の4つが使用される。ここで、 z=z’+h ・・・(i) の関係が成り立つ。また、ヒステリシス量hは、駆動部
1が可動部3を駆動したとき、往路と復路で位置zの差
を生じさせる駆動部の動作の歪み(図2(a)参照)と
定義することにする。
【0014】図1を参照して駆動部1の制御方法を説明
する。まず、ステップS1で、駆動部1を実際の使用時
に制御する最大またはそれ以上の制御量、つまり、使用
時における可動部3の最大またはそれ以上の移動量(ス
トローク)で動かして、ヒステリシスループ情報を測定
し、(位置z)−(制御量u)の関係を求める(図2
(a))。なお、図中の矢印は可動部3の移動方向を表
している(以下、同様である)。この結果を基に、ステ
ップS2で、(位置z)−(制御量uに関する位置zの
変化率dz/du)の関係を求める(図2(b))。次
に、ステップS3で、(位置z)−(制御量u)の関係
を、(ヒステリシス量h)−(制御量u)の関係(図3
(a))と、(ヒステリシス量hを含まない位置z’)
−(制御量u)の関係(図4(a))に分ける。次に、
ステップS4で、ヒステリシス量hを制御量uに関して
微分する(図3(b))。
【0015】ただし、図3(a)に示すヒステリシス量
hのグラフは、図2(a),(b)から直接求められる
ものではなく、便宜上数値化したものである。図2
(b)のグラフから図3(a),(b)および図4
(a)にそれぞれ示すグラフを作り出すのは、以下の手
順による。 1)ヒステリシス量hの最大最小値とヒステリシス量h
のグラフを決定する(図3(a))。 2)ヒステリシス量hのグラフを微分する(図3
(b))。 3)図2(b)のグラフの値から図3(b)のグラフの
値を減算し(図4(b))、その差を積分することで図
4(a)のグラフを作成する。 4)図4(a)のグラフが原点を中心に、180度回転
すると互いに重なり合う回転対称になるように、1)で
の設定を調整し、うまくいくまで1)〜4)を繰り返
す。
【0016】実際の駆動系への適用の際の例として、図
3(b)のグラフを以下のような式で表現すると、簡単
で比較的精度の良い近似が得られ易い。 dh/du=a+b・exp(cz)、a,b,cは実数 ・・・(ii) ただし、hはヒステリシス、uは制御量、zは位置を表
す。
【0017】ここまでのステップS1〜ステップS4
は、駆動部1の特性を得るために行う部分で、1度だ
け、または特性変化があり得る場合には、定期的に期間
をおいて行えばよい。
【0018】次に、実際の駆動時の制御量uの決定を行
うステップについて説明する。まず、動作前のヒステリ
シス量hを求めておく必要がある。それには、図2
(a),(b),図3(a),(b)のグラフが求めら
れているとして、例えば、適当な振れ幅のヒステリシス
ループの動作をさせて最後に止めた位置(現在位置Pを
表す)でのヒステリシス量hを求める。
【0019】その後で、ステップS5に従い目標位置を
設定し、ステップS6で、ステップS4で求めた、導関
数(dh/du)と、現在位置でのヒステリシス量hと
を基に、駆動方向(目標位置)方向への(制御量u)−
(ヒステリシス量h)の関係を求める(図5(a))。
【0020】式(ii)の例を基に、式(ii)を積分すること
で、ヒステリシス量hを求めると、次式(iii) 、 (iv)
のようになる。 h=hmin +(h0- hmin ) ・exp {c(u-u0) }、u-u0>0・・・(iii) cは負の実数 h=hmax +(h0-hmax ) ・exp {c(u-u0) }、u-u0<0・・・(iv) cは負の実数 ただし、hmin およびhmax は、ヒステリシス量hの最
小値および最大値をそれぞれ表す。
【0021】次に、ステップS7で、ステップS3で求
めたヒステリシス量hを含まない位置z’(図4
(a))と、ステップS6で求めた、駆動方向(目標)
方向への(制御量u)−(ヒステリシス量h)の関係
(図5(a))を基に、現在位置から駆動(目標)方向
へ駆動させたときの(制御量u)−(位置z)の関係
を、数学的、または、数値解析的に求める。この結果を
図5(b)のグラフに示す。このグラフを基に、ステッ
プS8で、目標位置に可動部3を駆動するための制御量
uを決定する。
【0022】なお、上述した説明においては、理解し易
いように現在位置からの正負の両方の向きへの計算を行
ったが、目標位置が分かっていれば、当然その方向につ
いてのみ計算を行えばよい。ステップS9で、求めた制
御量uを基に、駆動部1の制御を行う。その後、別の目
標位置へ駆動する場合は、図1のステップS5〜ステッ
プS9を繰り返す。
【0023】また、現在位置については、実施例1で計
算される、位置zと制御量uの関係から駆動された可動
部3の移動量を、累積加算してもよいが、求めた移動量
には誤差が含まれる場合があるので、高精度で位置決め
を繰り返し行うときは、位置計測手段を用いて現在位置
を正確に更新することが望ましい。
【0024】以上のように、実施例1に係る駆動部1の
制御方法によれば、非線形性を持つ駆動部1や、ヒステ
リシスを持つ圧電素子などの駆動部1の制御において、
現在位置から目標位置へ可動部3を動かす際に、ヒステ
リシスや非線形性を除去するための制御量uの変換機構
を設けなくても、ソフトウェア、または、その演算の高
速化のためのハードウェアを用いるだけで高速で精度よ
く位置決めをすることができる。
【0025】[実施例2]次に、図6,7を参照して実
施例2について説明する。実施例2は、本発明の請求項
2記載の発明に対応しており、ヒステリシス量hの微分
値が、位置zのみの関係で表される、または近似できる
場合の、駆動部1の制御方法である。
【0026】図6は、実施例2のフローチャートを示
し、図7(a)は、制御量uと位置zの関係を表すグラ
フを示し、位置zの原点は可動部3の全移動範囲の中心
にとってある。図7(b)は、図7(a)で表される関
係に基づき求めた、位置zと制御量uに関する位置zの
変化率dz/duの関係を示すグラフである。ここで、
ヒステリシス量hの微分値が位置zにのみの関係で表さ
れるというのは、図7(b)に示すような位置zを制御
量uで微分した結果が、ヒステリシスループのストロー
クや方向反転の位置に関係なく得られるということであ
る。ただし、若干関係があっても、実質的に無視できれ
ば、図7(b)のグラフで近似したものと考えればよ
い。
【0027】図7(b)のグラフにおける、変化率dz
/duと位置zの関係は、以下のように表される。 dz/du=f1(z)、 du>0 ・・・(v) dz/du=f2(z)、 du<0 ・・・(vi) 2つの関数には理想的には以下の関係が成り立つ。 f2 (z)=f1(−z)・・・(vii) 式(v)、式(vi)を基に制御量uと位置zの関係を求
めると、以下の数1および数2が得られる。
【0028】
【数1】
【0029】
【数2】
【0030】ただし、z0 は現在位置、zは目標位置、
0 は現在制御量、uは目標位置に対応する制御量をそ
れぞれ表す。
【0031】通常、数1、数2の左辺が数学的には解け
ないことが多いので、そのときは、以下の、数3,数4
のように数値解析的に解けばよい。
【0032】
【数3】
【0033】
【数4】
【0034】図6のフローチャートに従い説明をする。
まず、ステップS11で、駆動部1を実際の使用時に制
御する最大またはそれ以上の制御量、つまり、使用時に
おける可動部3の最大またはそれ以上の移動量で動かし
て、ヒステリシスループ情報を測定し、(位置z)−
(制御量u)の関係を求める(図7(a))。この結果
を基にステップS12で、(位置z)−(制御量uに関
する位置zの変化率dz/du)の関係を、駆動方向別
に2通り求める(図7(b))。次に、ステップS13
で、その関係において制御量uに関する位置zの変化率
dz/duが位置zのみの関数となるようにそれぞれ近
似する。ステップS14で、近似した式(v)〜(vii)
を基に、目標位置に対応する制御量uを、現在位置z0
および現在制御量u0 を初期値として、目標位置zとい
う変数を持つ関数として、駆動方向別に2通り求める
(前述した、数1および数2、または数3および数
4)。
【0035】ここまでのステップS11〜ステップS1
4は、駆動部1の特性を得るために行う部分で、1度だ
け、または特性変化があり得る場合には、定期的に期間
をおいて行えばよい。
【0036】次に、実際の駆動時の制御量uの決定を行
うステップについて説明する。まず、動作前のヒステリ
シス量hを、実施例1と同様に求めておく。その後で、
ステップS15で目標位置を設定し、ステップS16
で、現在位置からのヒステリシス量hの変化のグラフを
求める(実施例1の図5(a)に相当する)。
【0037】ステップS16では、ステップS14で求
めた関数に、現在位置z0 、現在制御量u0 および目標
位置zを代入して、目標位置に可動部3を駆動するため
の制御量uを求める。目標位置が分かっていれば、2つ
の関数(数1および数2、または数3および数4)のう
ち、その方向についてのみ計算を行えばよい。ステップ
S17で、求めた制御量uを基に、駆動部1の制御を行
う。その後、別の目標位置へ駆動する場合は、図6のス
テップS15〜ステップS17を繰り返す。
【0038】実施例1と実施例2のフローチャートの違
いの1つは、位置zと制御量uの関係を位置決めの都度
に求めるかどうかである。図6のフローチャートでは、
この関係を動作方向別に予め求めておき、駆動部1を制
御している制御時間内で繰り返し計算する量を減らして
いる。
【0039】以上のように、実施例2によれば、ヒステ
リシス量hの制御量に関する微分値が、位置zのみの関
数で表されるとき、および位置zのみの関数に近似でき
る場合には、現在位置で、数1および2または数3およ
び数4のような、現在位置z0 、現在の制御量u0 をパ
ラメータとする目標位置zと現在制御量の関係を求めれ
ば、新しい現在位置と現在制御量の値で古い値を置き換
えることで、常にその関係式が制御量を求める際に利用
でき、実施例1の一般的な場合に比べ、さらに高速に計
算できる。したがって、位置決めなどの駆動部1の制御
をさらに高速にすることができる。
【0040】[実施例3]次に、図8を参照して実施例
3について説明する。実施例3は、本発明の請求項3記
載の発明に対応しており、実施例2の特別な場合であ
る。図8(a)は、制御量uと位置zの関係を示し、位
置zの原点は可動部3の全移動範囲の中心にとってあ
る。実施例3が実施例2と異なる点は、位置zと制御量
uに関する位置zの変化率dz/duの関係式、式
(v)と式(vi)を以下のように1次関数で近似するこ
とである。 dz/du=−az+b、 du>0 ・・・(viii) dz/du= cz+d、 du<0 ・・・(ix) ただし、a〜dは正の定数である。これらの定数には、
理想的には以下の関係が成り立つ。 a=c ・・・(x) b=d ・・・(xi) この結果を図8(b)に示す。このようなヒステリシス
を持つ例としては、バネなどの弾性部材を用いて可動部
に対する重力の影響を打ち消したZ軸(鉛直方向成分を
含む軸)駆動機構が挙げられる。その他にも、クーロン
力、磁力、エア圧などでバランスがとられていて、釣り
合いのとれている位置からの変位に比例した保存力を受
ける軸受けを持つ駆動機構が挙げられる。この例に対応
する駆動部は、伸縮部に一定電圧駆動の圧電素子を用い
たインチワームや、定速動作で駆動時間で位置制御を行
う、DCモータ、ACモータ、リニヤモータなども挙げ
られる。
【0041】式(v),式(vi)を基に制御量uと位置
zの関係を求めると、 z= b/a +(z0 −b/a) exp{a(u0 −u) }、u−u0 >0 ・・・(xii) z=−d/c +(z0 +d/c) exp{c(u0 −u) }、u−u0 <0 ・・・(xiii) ただし、z0 、u0 は、それぞれ現在の位置と制御量
を、z、uは、それぞれ制御量uを変化させたときの位
置と制御量を表している。
【0042】式(xii) 、式(xiii)を制御量uについて求
めると、 u=u0 - 1/a ・ln{(z-b/a)/(z0 -b/a)}、u−u0 >0・・・(xiv) u=u0 + 1/c ・ln{(z+d/c)/(z0 +d/c)}、u−u0 <0・・・(xv) となる。ただし、lnは自然対数を意味する。
【0043】この式(xiv) ,式 (xv) を用いることで、
実施例2に比べて、位置zと制御量uの関係を数式の形
でも持っておくことができ、目標位置に対する制御量u
をより容易に求めることができる。また、数値解析的に
も、数式処理的にも扱えるため、制御部4の構成や処理
能力に応じてよりよい処理法を選択できる利点がある。
【0044】以上のように、実施例3によれば、ヒステ
リシス量hの微分値が、位置zのみの関係で表されると
き、および位置zのみの関係に近似できる場合には、現
在位置で、式(xiv) ,式(xv)のような現在位置Z0 、現
在の制御量u0 をパラメータとする、目標位置zと制御
量uの関係を求めれば、新しい現在位置zと制御量uの
値で古い値(z0 、u0 )を置き換えることで、常にそ
の関係式が制御量を求める際に利用でき、一般的な場合
に比べ、さらに高速に計算できる。したがって、位置決
めなどの駆動部1の制御をさらに高速にすることができ
る。
【0045】なお、実施例1〜3では、種々の関数を求
め、制御量uを演算により求めているが、これに限定さ
れず、現在位置および目標位置などをパラメータとする
制御量uを予めメモリに記憶しておき、これを読み出し
て駆動部1を制御してもよいのは勿論である。
【0046】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係る駆動部の
駆動方法によれば、駆動部がヒステリシスを持つ場合で
も予めその特性を解析することで、ヒステリシス除去の
ための入出力の関係の変換機構に依存することなく、高
い精度で駆動部を制御することができる。また、ヒステ
リシスの影響を無くすための動作を省くことで、例えば
位置決めなどに要する制御時間を低減できる。したがっ
て、高精度の位置決め装置などに本発明を適用する場
合、精度および生産性の向上に役立つ。さらに、可動部
を駆動する範囲を必要最小限に抑えられるので、可動部
のそばまで他のシステム構成要素を近づけることができ
る。このため、装置を小型化することが可能である。
【0047】請求項2に係る駆動部の駆動方法によれ
ば、上記効果に加え、駆動実行前に、位置と制御量の関
係を求めることで、制御時に行う計算量を減らすことが
でき、請求項1記載の発明よりも、さらに高速化、高生
産性を図ることができる。
【0048】請求項3に係る駆動部の駆動方法によれ
ば、上記効果に加え、位置と制御量の関係を、数値解析
的のみならず、数式で表すことができるため、請求項2
記載の発明よりも、高速化が図れるほか、システムに応
じて都合のよい処理方法を選択できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る駆動部の制御方法のフローチャ
ートである。
【図2】(a)は制御量と位置の関係を示す図、(b)
は位置と制御量に関する位置の変化率との関係を示す図
である。
【図3】(a)は制御量とヒステリシス量の関係を示す
図、(b)は位置とヒステリシス量を制御量で微分した
ものとの関係を示す図である。
【図4】(b)は制御量に関する位置の変化率の値から
ヒステリシス量を制御量での微分値を減算したものを示
し、(a)は同図(b)のグラフを制御量に関して積分
した図である。
【図5】(a)は現在位置からのヒステリシス量の変化
を示す図、(b)は制御量と位置との関係を示す図であ
る。
【図6】実施例2に係る駆動部の制御方法のフローチャ
ートである。
【図7】(a)は制御量と位置の関係を示す図、(b)
は位置と制御量に関する位置の変化率の関係を示す図で
ある。
【図8】(a)は制御量と位置の関係を示す図、(b)
は位置と制御量に関する位置の変化率の関係式を表す1
次式を示す図である。
【図9】実施例に係る駆動機構の構成図である。
【符号の説明】
1 駆動部 3 可動部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御量と駆動される可動部の位置との間
    の関係にヒステリシスを含む非線形性が存在する駆動部
    を制御する駆動部の制御方法において、 前記駆動部を少なくとも使用時の最大の制御量で作動さ
    せて、制御量と位置の関係であるヒステリシスループ情
    報を得る第1ステップと、 前記ヒステリシスループ情報を基に、前記可動部の現在
    位置を基準に駆動方向に応じて、位置と位置を制御量に
    関して微分したものとの関係を求める第2ステップと、 制御量とヒステリシスによる変位であるヒステリシス量
    との関係、および制御量と前記ヒステリシス量を含まな
    い位置との関係をそれぞれ求める第3ステップと、 前記制御量と前記ヒステリシス量の関係において当該ヒ
    ステリシス量を制御量で微分し、位置と制御量に関する
    前記ヒステリシス量の変化率との関係を求める第4ステ
    ップと、 前記可動部の目標位置を設定する第5ステップと、 前記第4ステップで求めた位置と制御量に関するヒステ
    リシス量の変化率との関係、および現在のヒステリシス
    量を基に前記目標位置の方向への前記制御量とヒステリ
    シス量との関係をそれぞれ求める第6ステップと、 前記第3ステップで求めた制御量とヒステリシス量を含
    まない位置との関係、および前記第6ステップで求めた
    制御量とヒステリシス量との関係を基に、前記目標位置
    の方向への制御量と位置の関係を求める第7ステップ
    と、 前記目標位置に対する制御量を求める第8ステップと、 当該求めた制御量で前記駆動部を制御する第9ステップ
    と、 からなることを特徴とする駆動部の制御方法。
  2. 【請求項2】 制御量と駆動される可動部の位置との間
    の関係に、位置を制御量に関して微分したものが位置の
    みの関数で表される、または近似できるような非線形性
    が存在する駆動部を制御する駆動部の制御方法におい
    て、 前記駆動部を少なくとも使用時の最大の制御量で作動さ
    せて、制御量と位置の関係であるヒステリシスループ情
    報を求める第1ステップと、 前記ヒステリシスループ情報を基に、前記可動部の現在
    位置を基準に駆動方向に応じて、位置と位置を制御量に
    関して微分したものとの関係を2通り求める第2ステッ
    プと、 前記2通りの関係において位置を制御量で微分したもの
    を位置のみの関数でそれぞれ近似する第3ステップと、 前記近似された2つの関数を基に、目標位置に対する制
    御量の関数を、現在位置および現在制御量を初期値とし
    て、駆動方向別にそれぞれ求める第4ステップと、 前記可動部の目標位置を設定する第5ステップと、 前記第4ステップで求めた関数のうち、前記設定された
    目標位置の方向に対する関数を選択し、現在位置、現在
    制御量および前記設定された目標位置を代入することに
    より、前記設定された目標位置に前記可動部を駆動する
    ための制御量を求める第6ステップと、 前記第6ステップで求めた制御量で前記駆動部を制御す
    る第7ステップと、 からなることを特徴とする駆動部の制御方法。
  3. 【請求項3】 位置と位置を制御量に関して微分したも
    のとの関係を1次式で近似することにより、前記駆動部
    を制御する制御量を求めることを特徴とする請求項2に
    記載の駆動部の制御方法。
JP27827794A 1994-10-18 1994-10-18 駆動部の制御方法 Withdrawn JPH08115101A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005538462A (ja) * 2002-09-13 2005-12-15 メッツォ オートメーション オイ ヒステリシスを決定するための方法と機器

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