JPH08113592A - 側鎖ヒドロキシステロイドの合成および分離法 - Google Patents

側鎖ヒドロキシステロイドの合成および分離法

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JPH08113592A
JPH08113592A JP24919594A JP24919594A JPH08113592A JP H08113592 A JPH08113592 A JP H08113592A JP 24919594 A JP24919594 A JP 24919594A JP 24919594 A JP24919594 A JP 24919594A JP H08113592 A JPH08113592 A JP H08113592A
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steroid
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diol
dihydroxysteroid
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JP24919594A
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Isao Kato
功 加藤
Yoshikazu Kimura
吉一 木村
Katsunori Akeboshi
克範 明星
Yoshinori Fujimoto
善徳 藤本
Nobuo Ikegawa
信夫 池川
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Nippon Fine Chemical Co Ltd
Original Assignee
Nippon Fine Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、代表的にはステロイド骨格にのみ二
重結合をもつステロイド及びステロイド骨格と側鎖とに
二重結合をもつステロイドを含有する混合物をジオール
化反応させて、側鎖二重結合部位を選択的にジオール化
された側鎖ジヒドロキシステロイドを上記混合物から分
離する方法(分離法)、該側鎖ジヒドロキシステロイド
を分離された残りより、ステロイド骨格にのみ二重結合
をもつステロイドを回収する方法(精製法)、上記で分
離された側鎖ジヒドロキシステロイドの一方の水酸基を
保護した後、他方の水酸基を脱水除去してアリルアルコ
ール体に誘導し、次いでこれを還元して側鎖に1個の水
酸基を導入されたステロイドを得る方法(合成法)並び
に上記で分離された側鎖ジヒドロキシステロイドの側鎖
ジオール間の炭素原子間結合を酸化的に開裂させて側鎖
長を短くしたステロイドを得る方法(合成法)を提供す
る。 【効果】本発明方法によれば、活性型ビタミンD3 合成
用の中間原料として有用な側鎖ヒドロキシステロイド類
を容易に工業的に有利に製造、分離できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、骨格内にのみ二重結合
を有するステロイドと側鎖にも二重結合を有するステロ
イドとの混合物からジオール化反応によって側鎖ジヒド
ロキシステロイドを製造、分離する方法、得られる側鎖
ジヒドロキシステロイドから脱水反応および還元反応に
よって側鎖モノヒドロキシステロイドを得る方法、上記
側鎖ジヒドロキシステロイドを酸化的に開裂して側鎖長
を短くしたステロイドを得る方法および上記側鎖ジヒド
ロキシステロイドを分離した残りより、ステロイド骨格
にのみ二重結合をもつステロイドを回収する方法に関す
る。より詳しくは、例えばウールグリース(WG)をケ
ン化分解して得られるラノリンアルコールからコレステ
ロール(Cho)を製造する際のCho再結晶工程で副
次的に発生する再結晶濾液由来のステロイド混合物等の
未利用資源から、活性型ビタミンD3 合成用の中間原料
として有用な側鎖ヒドロキシステロイド類を製造、分離
する新規な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】骨粗鬆症治療剤として臨床試験段階にあ
る 24(R),25-dihydroxyvitamin D3 (以下 24(R),25-(O
H)2-D3と略記する)は、24,25−ジヒドロキシコレ
ステロール(24,25-dihydroxycholesterol、以下 24,25
-(OH)2-Choと略記する)を原料として、エピマー混合物
から24(R)体を分離し、1α位の水酸化、B環の開
環工程を経て合成できる。従来、この 24,25-(OH)2-Cho
はデスモステロール(以下DSMと略記する)をジオー
ル化して得るか、またはブタの胆汁から得られるヒオデ
オキシコール酸(hyodeoxycholic acid )を原料として
コレン酸(cholenic acid )に誘導し、側鎖を延長して
得られる24,25−ジヒドロキシ体のエピマー混合物
をシリカゲルカラムなどで分離して得られている。
【0003】また角化症治療剤として使用されているタ
カルシトール( 1α,24(R)-dihydroxyvitamin D3、以下
1α,24(R)-(OH)2-D3 と略記する、商品名:ボンアルフ
ァ軟膏、帝人)は、コレン酸の側鎖を延長して得られる
24−OH体のエピマー混合物またはフコステロール
(池川ら、有機合成化学、vol.37, 809, 1979 )や、リ
トコール酸の側鎖を修飾して得られる24−OH体のエ
ピマー混合物をシリカゲルカラムなどで分離して得られ
ている。
【0004】しかしながら、上述のDSMを出発物質と
してこれをジオール化する方法は、単離精製された高純
度のDSMを原料とするものであり、低濃度のDSM含
有ステロイド混合物を原料とするものではなく、勿論、
不斉誘導ジオール化によるものでもない。
【0005】また従来より、一般にオレフィンの二重結
合を利用してジオールが合成できることは知られている
が、ステロイド混合物、特に骨格にのみ二重結合をもつ
ステロイドを主としてこれと共に側鎖にも二重結合を持
つステロイド(以下側鎖△ステロイドと略記する)を低
濃度で含むステロイド混合物に、上記技術が応用された
例は皆無であり、かかる応用によってはたして側鎖二重
結合のみが選択的にジオール化できるか否かも検討され
た例はない。
【0006】以上のように、側鎖ジヒドロキシステロイ
ドは活性型ビタミンD類の合成原料として有用であるこ
とは知られているが、これまで該ステロイドを工業的規
模で供給できる技術は知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、側鎖
△ステロイドを含む未利用資源から、該ステロイドをそ
のまま単離精製するのではなくて、活性型ビタミンD3
合成用中間体として有用な側鎖ジヒドロキシステロイド
の形で分離し、しかもこれを工業的に利用できる規模で
得る方法を提供することにある。
【0008】また本発明は、上記側鎖ジヒドロキシステ
ロイドから最終的に側鎖に1個の水酸基を導入する方
法、同側鎖ジヒドロキシステロイドから側鎖を短くした
ステロイドを得る方法および同側鎖ジヒドロキシステロ
イドを分離した残りより、高純度のステロイドを回収す
る方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的より
鋭意研究を重ねる過程において、WGをケン化分解して
得られるラノリンアルコールからChoを製造する際に
副次的に発生する再結晶濾液中には、Choと共に側鎖
△ステロイドであるDSM等が濃縮されて、通常10〜
25%程度存在することおよび市販Cho中にもDSM
が0.5〜5%存在することを発見した。
【0010】本発明者はまた、これらのChoを主成分
とし且つ側鎖△ステロイドを含む混合物、即ち共にステ
ロイド骨格に二重結合を持ち構造的には側鎖に二重結合
があるかないかだけの違いしかない構造が類似するステ
ロイドの混合物を原料として、これにジオール化試薬を
反応させると、反応系内にはステロイド骨格内に二重結
合をもつステロイドが大量に存在するにも関わらず、D
SM等の側鎖の二重結合にのみ選択的に水酸基が付加さ
れ、側鎖ジヒドロキシステロイドが製造でき、これは側
鎖に二重結合をもたないステロイドとは、極性の差、溶
媒への溶解度、分配係数の差などを利用して、容易に分
離、精製できるという事実を発見した。
【0011】更に本発明者らは、上記ジオール化反応を
シャープレス不斉誘導ジオール化反応により行う時に
は、立体構造を制御した不斉水酸基の導入ができ、得ら
れる側鎖ジヒドロキシステロイドは、引き続く脱水反応
および還元反応によって側鎖モノヒドロキシステロイド
に誘導でき、また酸化的開裂反応によって側鎖長を短く
して且つ酸素官能基を有するステロイドに誘導できるこ
とを見出だした。
【0012】本発明はかかる知見により完成されたもの
である。
【0013】即ち、本発明によれば、ステロイド骨格に
のみ二重結合をもつステロイド及び側鎖△ステロイドを
含有する混合物をジオール化反応させて、側鎖二重結合
部位が選択的にジオール化された側鎖ジヒドロキシステ
ロイドを上記混合物から分離することを特徴とする側鎖
ヒドロキシステロイドの分離法、特に混合物が、ステロ
イド骨格にのみ二重結合をもつステロイドを主成分とす
るものである上記分離法、側鎖△ステロイドがDSMで
ある上記分離方法および側鎖二重結合が24位である上
記分離法が提供される。
【0014】また、本発明によれば、上記分離法、特に
低濃度のDSMを含有するステロイド混合物から該DS
Mが分離された残りより、ステロイド骨格にのみ二重結
合をもつステロイドを回収するステロイドの精製方法も
提供される。
【0015】上記ジオール化反応は、過マンガン酸カリ
ウム、四酸化オスミウムまたはオスミウム酸カリウムを
用いて行われるかまたはシャープレス不斉誘導ジオール
化反応により行われ、特にシャープレス不斉誘導ジオー
ル化反応により行われるのが好ましい。
【0016】更に、本発明によれば、上記分離法で得ら
れる側鎖ジヒドロキシステロイドの一方の水酸基を保護
した後、他方の水酸基を脱水除去してアリルアルコール
体に誘導し、次いでこれを還元して側鎖に1個の水酸基
が導入されたステロイドを得る側鎖ヒドロキシステロイ
ドの製造法、特に上記側鎖ジヒドロキシステロイドが2
4位に二重結合を有するステロイドからシャープレス不
斉誘導により誘導されたものであり、該24位の水酸基
を保護した後、25位の水酸基を脱水除去してエキソメ
チレン体に誘導し、次いでこれを還元して側鎖24位に
水酸基が不斉導入されたステロイドを得る側鎖ヒドロキ
システロイドの製造法が提供される。
【0017】加えて、本発明によれば、上記分離法で得
られる側鎖ジヒドロキシステロイドの側鎖ジオール間の
炭素原子間結合、特に24位と25位の間の炭素原子間
結合を酸化的に開裂させて側鎖長を短くした、側鎖に酸
素官能基を有するステロイドの製造法が提供される。
【0018】以下、本発明方法につき詳述すれば、本発
明方法の適用できる側鎖△ステロイドとしては、例えば
24位に二重結合を持つDSM、チモステロール、ラノ
ステロールなど、24(28)位に二重結合をもつフコ
ステロール、22位に二重結合をもつエルゴステロー
ル、スチグマステロールなどが挙げられ、これらを含む
ステロイド混合物、即ち之等と共に骨格にのみ二重結合
を有するステロイドを含む混合物のいずれに対しても本
発明方法は適用できる。
【0019】原料ステロイド混合物の具体例としては、
例えば上記Cho再結晶工程で発生するステロイド混合
物のようなDSMとChoとの混合物に限らず、スチグ
マステロールとシトステロール、カンペステロール、ブ
ラシカステロールなどの混合物である植物ステロール
や、ラノステロールとジヒドロラノステロールの混合物
であるイソコレステロール、ラノステロールを含むラノ
リンアルコール、エルゴステロールを含む酵母抽出物、
フコステロールを含む海草抽出物などを例示できる。
【0020】本発明によれば、まず原料混合物にジオー
ル化試薬を反応させて、側鎖△ステロイドをジオールに
変換させる。ここで、原料混合物中に水酸基を持つステ
ロイドが含まれる場合、該水酸基を予め保護しなくても
反応液の流動性が低くなる以外は上記ジオール化に特に
問題はないが、予めアシル化またはエーテル化等により
該水酸基を保護した後、ジオール化試薬を反応させるこ
ともできる。この水酸基の保護は、得られる反応液中の
所望ジオールと他のステロイド(未反応)との極性、溶
解度、分配係数等の差を大きくして、該ジオールの分離
精製を容易とする場合があり、好ましい。
【0021】上記ジオール化は、過マンガン酸塩、四酸
化オスミウム、オスミウム酸カリウム2水和物、酢酸銀
とヨウ素等のジオール化試薬を用いた通常の方法による
ことができる。これらのジオール化試薬は共酸化剤を併
用することにより触媒量程度で充分である。かくして、
例えば側鎖△24ステロイドからは24,25−ジオー
ル体を、側鎖△22ステロイドからは22,23−ジオ
ール体を、また側鎖△24(28)ステロイドからは2
4,28−ジオール体をそれぞれ収得できる。
【0022】また、上記ジオール化反応は、シャープレ
ス不斉誘導ジオール化反応(K.B.Sharpless et al., J.
Org.Chem., Vol.57, No.10, p2768-2771, 1992)に従う
こともでき、特にこの場合には水酸基の立体的位置を制
御して不斉合成を行い得る利点がある。
【0023】該シャープレス不斉誘導ジオール化反応
は、上記文献記載の方法に従って、例えば触媒として四
酸化オスミウムを、配位子として(DHQD)2PHAL または(D
HQ)2PHALを用い、通常水と有機溶剤の混合溶媒中で行う
ことができる。該ジオール化反応は生成したオスミウム
酸エステルが加水分解される機構で進行し、このとき共
酸化剤(フェリシアン化カリウム、N−メチルモルホリ
ン−N−オキシド等)の存在により触媒が再生される。
触媒のオスミウム、配位子および共酸化剤がミックスさ
れたシャープレスのジオール化試薬として下記組成のA
D−mix−αおよびAD−mix−βが市販されてお
り、これらは本発明に有利に利用できる。 AD−mix−α組成 オスミウム酸カリウム・2水塩 0.05% フェリシアン化カリウム 70.0% 炭酸カリウム 29.3% (DHQ)2PHAL 0.56% 尚、AD−mix−βは、上記配位子を(DHQD)2PHAL に
代えたものである。
【0024】例えばDSMのジオール化に当り、上記(D
HQD)2PHAL を配位子として用い、四酸化オスミウムまた
はオスミウム酸カリウムをジオール化触媒として用いれ
ば、24(R),25-(OH)2体を選択的に製造でき、同様に(DH
Q)2PHALを配位子として用いれば、24(S),25-(OH)2体を
得ることができる。
【0025】本発明における上記試薬の使用割合は、特
に限定されるものではないが、通常原料とするステロイ
ド混合物中の側鎖△ステロイド1ミリモルに対してフェ
リシアン化カリウムが1ミリモル以上、好ましくは1〜
130ミリモルの範囲となるように選ばれるのが好まし
く、その他の試薬類は概略以下の範囲(いずれも側鎖△
ステロイド1ミリモル当り)から選ばれるのが好まし
い。
【0026】 オスミウム酸カリウム 0.0007〜0.09ミリモル フェリシアン化カリウム 1〜130ミリモル 炭酸カリウム 1〜130ミリモル 配位子 0.003〜0.45ミリモル 上記試薬の添加量があまりに少なすぎると所望のジオー
ル化が行い難くなる不利がある。逆に多すぎてもジオー
ル化反応には特に問題はないが、目的とするジオールの
立体化学的純度がそれだけ向上するわけではなく不必要
である。
【0027】更に、上記ジオール化反応系内に、メタン
スルホンアミドを加えることにより、オスミウム酸エス
テルの加水分解が促進され、反応時間を短縮できる利点
がある。該反応は温度条件にはあまり影響なく進行する
が、アセチル化等で保護をした側鎖△ステロイドを原料
とする場合は、温度を高くすると並行して脱保護反応が
起きるので、室温以下とするのが好ましい。
【0028】上記反応は、テトラヒドロフラン(TH
F)−tert−ブタノール−水、tert−ブタノール−水等
の各種溶媒系で実施でき、より好ましくは窒素気流中、
室温にて攪拌することにより行われ、かくして原料混合
物中の側鎖△ステロイドの二重結合で結合されている二
つの炭素原子にそれぞれ水酸基が付加したジオール体
(側鎖ジヒドロキシステロイド)を得ることができる。
【0029】上記で得られる側鎖二重結合部位をジオー
ル化したジオール体は、一般的に知られた分離方法、例
えば極性溶媒と非極性溶媒との組合わせによる液液抽出
法、再結晶法、カラムクロマトグラフィー、分子蒸留法
等により分離、濃縮することができる。
【0030】本発明によればまた、上記に従いステロイ
ド混合物から側鎖△ステロイドを分離することができ、
これを例えば前述したDSMとChoとの混合物に適用
する時には、側鎖△ステロイドを分離した残りは、Ch
oを高濃度で含有するものであるため、これに常法に従
って例えば液液抽出法、再結晶法、カラムクロマトグラ
フィー等の手段を適用することによって、高純度のCh
oを回収することができる。
【0031】更に、本発明の上記分離法により得られる
側鎖△ステロイドは、これを原料として側鎖モノヒドロ
キシステロイドや側鎖長を短くした酸素官能基を有する
ステロイドに誘導することができる。
【0032】上記側鎖モノヒドロキシステロイドの製造
は、それぞれは基本的には公知の化学反応の組合せによ
り、例えば代表的には以下のごとくして実施される。即
ち、分離、精製した側鎖ジヒドロキシステロイドの一方
の水酸基をあらかじめアシル化またはエーテル化などの
常法により保護する。ジオール化に先だって水酸基の保
護をした場合、その保護基と別の保護基を用いると選択
的に保護基を除去しやすい利点がある。保護の際、過剰
率などの反応条件によっては両方の水酸基が保護される
場合があるがその場合にはカラムクロマトグラフィなど
の手段によって一方のみを保護した目的物を精製すれば
よい。
【0033】その後、塩化チオニル、オキシ塩化リンな
どの通常の脱水試薬を用いて他方の水酸基を脱水除去す
ることによりアリルアルコール体に誘導し、次いで、パ
ラジウム/カ−ボン、プラチナ/カーボン等により接触
還元することにより最終的に側鎖に水酸基を1個導入す
る。
【0034】上記において、原料としてDSM等から誘
導される24(R),25-(OH)2体を利用すれば、上記保護反
応、脱水反応、接触還元反応等の条件に拘らず、立体配
置は保持されて24(R)−ヒドロキシコレステロール
(24(R)-OH)を、また24(S),25-(OH)2体からは24
(S)−ヒドロキシコレステロール(24(S)-OH)を、そ
れぞれ高純度、高収率かつ高い立体化学的純度で合成す
ることができる。
【0035】また、側鎖長を短くした酸素官能基を有す
るステロイドの誘導は、公知の化学反応を利用して例え
ば次のごとくして行い得る。即ち、分離、精製した側鎖
ジヒドロキシステロイドをオルト過ヨウ素酸、メタ過ヨ
ウ素酸ナトリウム、メタ過ヨウ素酸カリウムなどの過ヨ
ウ素酸塩類を用いるかまたは過マンガン酸カリウム、ク
ロム酸、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウムなどを併
用して、ジオキサン−水、エタノール−水、THF−
水、エーテル−石油エーテル−水、エーテル等の適当な
溶媒中で酸化する。これにより、ジオール間の炭素−炭
素結合が開裂されて、所望のアルデヒドまたはケトンが
ほぼ定量的に収得される。
【0036】上記アルデヒドまたはケトンは次にこれら
を過酸化水素などで酸化することによりカルボン酸に変
換できる。また、水素化アルミニウムリチウム、水素化
アルミニウムナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、水
素化ホウ素リチウムなどの金属水素化物、ジボラン、ジ
ボランのアルキル置換体などのホウ素化合物、ケイ素化
合物、ウィルキンソン錯体などの均一系触媒などを用い
て還元することによって対応するアルコール体に誘導で
きる。
【0037】上記により得られるアルデヒド体、ケトン
体、カルボン酸およびアルコール体を総称して酸素官能
基を有するステロイドと呼ぶものとし、これらは、いず
れもコレン酸と同様に、活性型ビタミンD3 製造用中間
体として有用である。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば側鎖△ステロイドを含む
ステロイド混合物から、あらかじめ側鎖△ステロイドを
分離、精製することなく、直接側鎖ジヒドロキシステロ
イドを高純度かつ高収率で選択的に合成し、分離、濃縮
できると共に、ステロイド骨格にのみ二重結合を有する
ステロイドをも高純度、高収率で回収できる。
【0039】また上記で分離された側鎖ジヒドロキシス
テロイドは、これを原料としてその一方の水酸基を脱水
除去して簡単に側鎖モノヒドロキシステロイドに誘導で
き、更に該側鎖ジヒドロキシステロイドを酸化的に開裂
することにより、側鎖を短くしたステロイドに誘導でき
る。
【0040】特にCho製造工程で発生するステロイド
混合物を原料として、シャープレス不斉誘導ジオール化
反応を行えば、骨粗鬆症治療剤合成の中間原料として有
用な立体化学的純度の高い24(R),25−ジヒドロ
キシコレステロールを収得でき、さらにこれを脱水反応
させて25位水酸基を除去すれば、角化症治療剤として
使用されるタカルシトール合成の中間体として有用な2
4(R)−ヒドロキシコレステロールを直接高い立体化
学的純度で収得でき、しかも之等の方法によれば、従来
法で必要としていた立体異性体分割を大幅に簡略化でき
る。
【0041】更に上記側鎖ジヒドロキシステロイドの2
4位と25位の間を酸化的に開裂することにより24位
に酸素官能基を持つステロイドを得ることができ、これ
はコレン酸と同様に活性型ビタミンD3 の合成用中間体
として有用である。
【0042】従って、本発明方法によれば、未利用資源
を有効利用して、従来の活性型ビタミンD3 の合成工程
に比べ側鎖延長、立体異性体分割工程を大幅に短縮し
て、所望の中間体を大量かつ簡便に得ることができる。
【0043】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため実施
例を上げる。尚、各例における生成物の同定、側鎖水酸
基の絶対配置の決定は池川らの方法(J.CHEM.SOC.PERKI
NTRANS.I 1983, p1401-1410)により標準物質を合成し
決定した。
【0044】HPLC測定条件 カラム:ノバパックC18 3.9mmφ−15cm
(ウォーターズ社製) 移動相:メタノール/水=97/3 1ml/min 試料 :アセトニトリル/イソプロピルアルコール=1
/1 0.1%溶液 注入量:20μl 検出器:UV210nm GLC測定条件 GLC:GC−8A(島津製作所製)、FID カラム:CBJ−5、0.25μm、0.25mmφ−
30m 温度 :290℃定温分析 立体化学的純度は1 H−NMRのC18−Meシグナル
の積分強度から、次式を用いてee純度を算出し、それ
で表示した。
【0045】ee純度(%)=(R体シグナル強度−S
体シグナル強度)/(R体シグナル強度+S体シグナル
強度)×100 また各例においては、次の試薬類を用いた。即ち、不斉
合成用のAD−mix−α(以下AD−αという)、A
D−mix−β(以下AD−βという)、配位子の(DHQ
D)2PHAL および(DHQ)2PHALはアルドリッチ社製のものを
使用した。
【0046】実施例1 DSM10%含有原料からの不
斉ジオール化(R体) DSM:10.6%、Cho:80.6%、LAT:
4.0%を含有するステロイド混合物のアセチル化物1
06gをtert−ブタノール(以下TBAという)1リッ
トル、水200mlに溶解し、AD−β33.5g、メ
タンスルホンアミド10gを添加し、窒素気流下6日間
攪拌した。
【0047】反応終了後、亜硫酸ナトリウム38.9g
を添加し、水300mlを加えて反応溶液を希釈したの
ち酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を希塩酸、炭酸水
素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した。さら
に酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し濾過後、濾液
を濃縮した。
【0048】上述で得た濃縮物をヘプタン1リットルに
溶解し、メタノール300mlで5回抽出した後ヘキサ
ン200mlで3回洗浄した。得られたメタノール溶液
を濃縮し、濃縮物13.0gを得た。これをシリカゲル
カラムクロマトグラフィーで分離精製して精製物8.9
gを得た。収率は79%であった。
【0049】同定および光学純度測定のためベンゾエー
トに誘導しNMR分析を行った結果主成分は 24(R)-ben
zoyloxy-25-hydroxy-3β-acetoxycholest-5-ene (以下
24R-OBz,25-OH,3-OAc-Choという)であった。
【0050】ee純度は81.0%、HPLCによる純
度は99.7%(面積%)であった。
【0051】24R-OBz,25-OH,3-OAc-Cho のNMRスペク
トル分析結果 (CDCl3 、400MHz、δppm):0.66
(3H,s),0.93(3H,d,J=6.8H
z),1.01(3H,s),1.28(6H,s),
2.03(3H,s),2.32(2H,d,J=8.
3Hz),4.60(1H,m),5.05(1H,d
d,J1=10.3Hz,J2=2.4Hz),5.3
8(1H,brd,J=4.6Hz),7.47(2
H,t,J=6.2Hz),7.59(1H,t,J=
6.2Hz),8.06(2H,d,J=6.2H
z)。
【0052】実施例2 10%DSM含有原料からの不
斉ジオール化(S体) 実施例1のAD−βをAD−αにかえて同様に行い濃縮
物12.6gを得た。これをシリカゲルカラムクロマト
グラフィーで分離精製して精製物8.7gを得た。収率
は77%であった。
【0053】同様にベンゾエートに誘導しNMR分析し
た結果、主成分は 24(S)-benzoyloxy-25-hydroxy-3β-a
cetoxycholest-5-ene (以下24S-OBz,25-OH,3-OAc-Cho
という)であった。
【0054】ee純度は86.7%、HPLCによる純
度は97.5%(面積%)であった。
【0055】24S-OBz,25-OH,3-OAc-Cho のNMRスペク
トル分析結果 (CDCl3 、400MHz、δppm):0.62
(3H,s),0.93(3H,d,J=5.9H
z),1.00(3H,s),1.28(6H,s),
2.03(3H,s),2.32(2H,d,J=8.
3Hz),4.60(1H,m),5.01(1H,d
d,J1=10.3Hz,J2=2.4Hz),5.3
8(1H,brd,J=4.6Hz),7.47(2
H,t,J=6.2Hz),7.59(1H,t,J=
6.2Hz),8.06(2H,d,J=6.2H
z)。
【0056】実施例3 10%DSM含有原料からの一
般のジオール化 実施例1と同じ原料5gを用いてTBA25ml、TH
F15ml、水1.5mlに溶解し、N−メチルモルホ
リン−N−オキシド166.5mg、オスミウム酸カリ
ウム(2水塩)4.5mgを添加し一晩攪拌した。
【0057】反応終了後、実施例1と同様に処理した後
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製して精
製物0.23gを得た。NMR分析の結果、主成分は 2
4,25-dihydroxy-3β-acetoxycholest-5-ene (以下24,2
5-(OH)2,3-OAc-Cho という)であった。HPLCによる
純度は99.4%(面積%)であった。
【0058】24,25-(OH)2,3-OAc-Cho のNMRスペクト
ル分析結果 (CDCl3 、400MHz、δppm):0.68
(1.5 H,s),0.69(1.5 H,s),0.94
(0.5 H,d,J=5.9Hz),0.95(0.5 H,
d,J=6.8Hz),1.02(3H,s),1.1
7(3H,s),1.22(3H,s),2.03(2
H,brd,J=8.3Hz),3.28(0.5 H,
m),3.33(0.5 H,m),4.60(1H,
m),5.38(1H,brd,J=4.6Hz)。
【0059】実施例4 24R,25-(OH)2-Choから24R-OBz,
3-OH-Choの合成 (1)24(R)−OHの保護 実施例1の方法で得た 24R,25-(OH)2,3-OAc-Cho 2.0
8gをピリジン、塩化ベンゾイルを用いて室温下で激し
く攪拌し反応させた。反応終了後、水を添加して反応液
を希釈し、酢酸エチルで抽出したのち酢酸エチル層を希
塩酸、炭酸ナトリウム水溶液および飽和食塩水で水洗後
乾燥、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで
精製することによって、3β−アセトキシ−25−ヒド
ロキシ−コレスト−5−エン−24(R)−ベンゾエー
ト(以下24R-OBz,25-OH,3-OAc-Cho という)2.0gを
得た。
【0060】(2)脱水反応 (1)で得られた24R-OBz,25-OH,3-OAc-Cho 2.0gに
乾燥ピリジン32mlを添加し、氷冷した。続いて、オ
キシ塩化りん0.5mlを添加し、室温で一晩攪拌した
後、反応液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出したのち、
酢酸エチル層を希塩酸、炭酸水素ナトリウム、飽和食塩
水で水洗し、乾燥後濃縮してエキソメチレン体 1.6
9gを得た。
【0061】エキソメチレン体のNMRスペクトル分析
結果 (CDCl3 、400MHz、δppm):0.67
(3H,s),0.95(3H,d,J=5.9H
z),1.01(3H,s),1.80(3H,s),
2.03(3H,s),2.31(2H,d,J=6.
8Hz),4.60(1H,m),4.91(1H,
s),5.02(1H,s),5.37(2H,br
d),7.45(2H,t,J=6.8Hz),7.5
6(1H,t,J=6.8Hz),8.06(2H,
d,J=6.8Hz)。
【0062】(3)還元 (2)で得られたエキソメチレン体の1.69gを酢酸
エチル55mlに溶解し、5%プラチナ/カーボン0.
51gを添加し、水素気流下で6時間激しく攪拌した。
反応終了後、反応液を濾紙濾過して触媒を除去し、濾液
を濃縮したのちシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
より精製し、目的とする24R-OBz,3-OAc-Cho を1.38
g得た。
【0063】24R-OBz,3-OAc-Cho のNMRスペクトル分
析結果 (CDCl3 、400MHz、δppm):0.66
(3H,s),0.92(3H,d,J=6.8),
0.96(3H,d,J=7.0Hz),0.98(3
H,d,J=7.0Hz),1.01(3H,s)2.
03(3H,s),2.31(2H,d,J=6.8H
z),4.60(1H,m),4.97(1H,m),
5.36(1H,brd,J=3.9Hz),7.45
(2H,t,J=7.8Hz),7.56(1H,t,
J=7.8Hz),8.05(2H,d,J=6.8H
z)。
【0064】(4)3位の脱保護 (3)で得られた1.2gをアルカリでケン化分解して
3位のアセチル基をはずし、24(R)-benzoyloxy-3β-hyd
roxy-cholest-5-eneを得た。HPLCでの純度は99.
6%であり、ee純度は81.0%であった。
【0065】24(R)-benzoyloxy-3β-hydroxy-cholest-5
-eneのNMRスペクトル: (CDCl3 ,400MHz,δppm):0.66
(3H,s),0.92(3H,d,J=5.9),
0.96(3H,d,J=7.0Hz),0.98(3
H,d,J=7.0Hz),1.00(3H,s),
3.52(1H,m),4.97(1H,m),5.3
4(1H,brd,J=4.9Hz),7.45(2
H,t,J=7.8Hz),7.56(1H,t,J=
7.8Hz),8.05(2H,d,J=8.8H
z)。
【0066】実施例5 C24−ステロールの合成 実施例3で得られた 24,25-(OH)2,3-OAc-Cho211m
g,0.46mmolをTHF0.75mlに溶かし、
一旦氷水浴で反応槽を冷却し、過ヨウ素酸ナトリウム1
83mg,0.86mmol,水1.5mlを添加し
て、室温、窒素雰囲気下で一夜反応させた。TLCで反
応を完結したことを確認し、水50mlで希釈、エーテ
ルにて抽出、食塩水で洗浄、乾燥して濃縮物179.5
mg,0.45mmolを得た。
【0067】NMRで24−25位間が切断され、24
位にアルデヒド基があることを確認した後、THF1m
lに溶かし、メタノール1ml添加、水素化ホウ素ナト
リウム8.5mg,0.225mmolを添加して反応
させた。TLCで反応終了を確認後、2N塩酸にて未反
応水素化ホウ酸ナトリウムを分解し、抽出、洗浄して濃
縮し、24−OH体178.3mg,0.44mmol
を得た。HPLC分析で純度は97.4%であった。
【0068】24−アルデヒドのNMRスペクトル分析
結果 (CDCl3 ,400MHz,δppm):0.68
(3H,s),0.93(3H,d,J=6.8H
z),1.02(3H,s),2.03(3H,s),
4.60(1H,m),5.37(1H,brd,J=
4.8Hz),9.77(1H,s)。
【0069】C24−ステロールのNMRスペクトル分
析結果 (CDCl3 ,400MHz,δppm):0.68
(3H,s),0.94(3H,d,J=6.4H
z),1.02(3H,s),2.03(3H,s),
2.32(2H,brd,J=6.4Hz),3.62
(2H,m),4.60(1H,m),5.37(1
H,brd,J=4.9Hz)。
【0070】実施例6 イソコレステロールからの不斉
ジオール化 イソコレステロール(ラノステロール60%、ジヒドロ
ラノステロール35%の混合物)6gに対して、AD−
β35.6g、TBA140ml、水70mlを用いて
実施例1と同様にジオール化を行った。反応終了後、酢
酸エチルで抽出、イソプロピルアルコールを加えて沈澱
物を濾過し最終的に3.3gの 3β,24,25-trihydroxy-
lanost-8-eneを得た。
【0071】収率は84.6%、HPLC分析での純度
は98.5%であった。濾液を再結晶して1.4gのジ
ヒドロラノステロールを回収した。GLC分析でラノス
テロールは検出されず、純度は95.1%であった。
【0072】実施例7 高純度コレステロールの回収 DSM1.8%、Cho95.7%、ラトステロール
0.2%を含有するコレステロールのアセチル化物0.
43gとAD−β0.79g、TBA10ml、水5m
lを用いて実施例1と同様の方法でジオール化を行っ
た。反応後、ステロイドを酢酸エチルで抽出、洗浄した
ものをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離
精製してジオール体を60mg得た。HPLC分析で純
度は99.7%であった。ジオール体以外にコレステロ
ール0.29gを回収した。GLC分析で純度は99.
6%であった。
【0073】実施例8 実施例1で使用したステロイド混合物1gを3位を保護
せずにそのままジオール化した。AD−β0.36g、
メタンスルホンアミド25mg、TBA10ml、水2
mlを用いて一夜反応させ、実施例1と同様に精製しベ
ンゾエートに誘導した。その結果、収率は45%、ee
純度は79%であった。
【0074】24R−OH,25−OH,3−OH−C
hoのNMR (CD3 OD,400MHz,δppm):0.73
(3H,s),0.96(3H,d,J=6.8H
z),1.02(3H,s),1.12(3H,s),
1.15(3H,s),3.21(1H,brd,J=
9.6Hz),3.38(1H,m),5.34(1
H,brd,J=4.9Hz) 24R−OBz,25−OH,3−OBzのNMR (CDCl3 ,500MHz,δppm):0.67
(3H,s),0.94(3H,d,J=6.4H
z),1.06(3H,s),1.28(6H,s),
4.86(1H,m)5.06(1H,brd,J1=
10.3Hz,J2=2.4Hz),5.41(1H,
brd,J=4.0Hz),7.40−8.09(10
H,m)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤本 善徳 神奈川県川崎市高津区二子424−1−204 (72)発明者 池川 信夫 東京都武蔵野市吉祥寺東町2−21−5

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステロイド骨格にのみ二重結合をもつス
    テロイド及びステロイド骨格と側鎖とに二重結合をもつ
    ステロイドを含有する混合物にジオール化反応を行な
    い、側鎖二重結合部位が選択的にジオール化された側鎖
    ジヒドロキシステロイドを上記混合物から分離すること
    を特徴とする側鎖ヒドロキシステロイドの分離法。
  2. 【請求項2】 側鎖二重結合が24位である請求項1に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 混合物が、ステロイド骨格にのみ二重結
    合をもつステロイドを主成分とするものである請求項1
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】 ステロイド骨格と側鎖とに二重結合をも
    つステロイドがデスモステロールである請求項3に記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の方法により側鎖ジヒド
    ロキシステロイドを分離した残りより、ステロイド骨格
    にのみ二重結合をもつステロイドを回収することを特徴
    とするステロイドの精製方法。
  6. 【請求項6】 ジオール化反応が過マンガン酸カリウ
    ム、四酸化オスミウムまたはオスミウム酸カリウムを用
    いて行われるかまたはシャープレス不斉誘導ジオール化
    反応により行われる請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 ジオール化反応がシャープレス不斉誘導
    ジオール化反応により行われる請求項2または4に記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 請求項1の方法で得られた側鎖ジヒドロ
    キシステロイドの一方の水酸基を保護した後、他方の水
    酸基を脱水除去してアリルアルコール体に誘導し、次い
    でこれを還元して側鎖に1個の水酸基が導入されたステ
    ロイドを得ることを特徴とする側鎖ヒドロキシステロイ
    ドの製造法。
  9. 【請求項9】 請求項2または4の方法で得られた側鎖
    ジヒドロキシステロイドの24位の水酸基を保護した
    後、25位の水酸基を脱水除去してエキソメチレン体に
    誘導し、次いでこれを還元して側鎖24位に水酸基が不
    斉導入されたステロイドを得ることを特徴とする側鎖ヒ
    ドロキシステロイドの製造法。
  10. 【請求項10】 請求項1の方法で得られた側鎖ジヒド
    ロキシステロイドの側鎖ジオール間の炭素原子間結合を
    酸化的に開裂させて側鎖長を短くしたステロイドを得る
    ことを特徴とする、側鎖に酸素官能基を有するステロイ
    ドの製造法。
  11. 【請求項11】 請求項2または4の方法で得られた側
    鎖ジヒドロキシステロイドの24位と25位の間の炭素
    原子間結合を酸化的に開裂して、側鎖長を短くしたステ
    ロイドを得ることを特徴とする、側鎖24位に酸素官能
    基を有するステロイドの製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020095888A1 (ja) * 2018-11-05 2020-05-14 日本精化株式会社 高純度コレステロールの製造方法
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